JP2001260765A - 車両内装品及びその製造方法 - Google Patents

車両内装品及びその製造方法

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JP2001260765A
JP2001260765A JP2000077980A JP2000077980A JP2001260765A JP 2001260765 A JP2001260765 A JP 2001260765A JP 2000077980 A JP2000077980 A JP 2000077980A JP 2000077980 A JP2000077980 A JP 2000077980A JP 2001260765 A JP2001260765 A JP 2001260765A
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JP2000077980A
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English (en)
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Sunao Furukawa
直 古川
Masaaki Hamada
真彰 濱田
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Tokai Chemical Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Tokai Chemical Industries Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸音部材と芯材及び表皮体を型内に配置して発
泡体層を発泡成形する方法において、両面テープや接着
剤などを用いずに吸音部材を確実に芯材に保持できるよ
うにする。 【解決手段】少なくとも1個の貫通孔10をもつ芯材1の
裏面に吸音部材4を配置し吸音部材4の一部を貫通孔10
に嵌入して芯材1の表面側に突出させ、その状態で型内
に配置して表皮層3との間で発泡成形する。貫通孔10か
ら芯材1の表面側に突出した吸音部材4の一部に発泡樹
脂が含浸して硬化するので、芯材1と吸音部材4とが一
体的に保持固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インストルメント
パネル(以下、インパネという)、ドアトリムなど軟質
の発泡体層がサンドイッチ状に積層された構造の車両内
装品とその製造方法に関し、さらに詳しくは、裏面側に
吸音材層をもつ車両内装品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のインパネは、図8に示すように
ガラス繊維強化樹脂などから形成された硬質で板状の芯
材 300と、ポリ塩化ビニルなどから形成された表皮層 3
01と、表皮層 301と芯材 300との間に形成されたポリウ
レタンなどの発泡体層 302とから構成されている。そし
て芯材 300により剛性を付与するとともに、発泡体層 3
02及び表皮層 301により良好な触感と外観を付与してい
る。そして近年では、芯材 300の裏面側表面にフェルト
やスラブウレタンなどの吸音材層 303を接合し、この吸
音材層 303によりエンジンルームなどからの騒音が車室
内に侵入するのを防止することも行われている。
【0003】つまり、このような多孔質で軟質の吸音材
層 303を設けることにより、吸音材層 303に到達した音
波が散乱するとともに、吸音材層 303の無数の孔内で音
エネルギーが熱エネルギーに変換されることで、音波が
減衰あるいは消滅する。
【0004】このようなインパネを製造するには、先ず
射出成形や圧縮成形により所定形状の芯材 300を形成す
るとともに、真空成形などで所定形状に賦形されたシー
ト状の表皮体を形成する。次に芯材 300及び表皮体を成
形型内に配置し、芯材 300と表皮体の間に発泡樹脂を注
入して発泡成形を行う。発泡樹脂の発泡圧力により表皮
体は型面に押圧されて賦形され、表皮層 301及び芯材 3
00と一体的に接合された所定形状の発泡体層 302が形成
される。
【0005】そして成形型から離型後、余分な表皮体を
トリミングし、芯材 300の裏面側にシート状の吸音材層
303を両面テープや接着剤などで接合している。
【0006】ところが発泡体層 302を形成後に吸音材層
303を接合する方法では、インパネは大型の成形品であ
りかつ表皮層 301及び発泡体層 302の重量が加わるため
に重く、作業者の負担が大きいという問題がある。また
そのため接着位置の位置決め作業は容易とはいえず位置
決め精度が安定しないという不具合があり、接合の工数
が多大となっていた。さらに接合作業中に表皮層 301に
傷が付く恐れもあり、不良品の発生率も高い。
【0007】そこで特開平8-244047号公報には、吸音材
と複数の透孔をもつ芯材とを重ねて一方の型面に配置
し、他方の型面に表皮材を配置した状態で発泡成形する
ことにより、発泡原料が透孔を通って吸音材側で発泡硬
化するようにした製造方法が開示されている。この製造
方法によれば、発泡成形時に吸音材を接合できるため、
吸音材の接合工程が不要となり工数を低減することがで
きる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平8-
244047号公報に記載の製造方法では、吸音材は軽量で弾
性を有するために、吸音材を型面に配置する際の位置決
め精度が低いとともに保持性も低く、作業者の負担が大
きいという不具合がある。そのため同公報には、金型に
出没するピンを設けそのピンに吸音材を係止する方法な
ども記載されているが、これでは金型費用が多大となる
という問題がある。また上記製造方法では、金型内に芯
材と吸音材及び表皮材の3種類を配置しなければなら
ず、工数が多大であるとともに、それぞれを載置してお
くスペースが必要となるため広い作業空間が必要となる
という問題もある。
【0009】そこで吸音材層を予め接合した芯材を用
い、表皮体とともに成形型内に配置して発泡成形するこ
とで発泡体層を形成する方法も検討された。この方法に
よれば、吸音材層を接合する工程では表皮層及び発泡体
層をもたない芯材を取り扱うので、前述の方法に比べて
作業者の負担を軽減することができ、位置決め精度も向
上する。また表皮層に傷が付くこともないので、不良率
を低減することができる。さらに載置スペース面からも
有利となる。
【0010】芯材と吸音材層とを予め接合するには、両
面テープや接着剤あるいは粘着剤を用いる方法が考えら
れる。しかしながら両面テープを用いると、離型紙の剥
離工程やその廃棄処理に工数と費用が必要となる。また
吸音材層側に両面テープを付着させた場合には、離型紙
の剥離工程において吸音材層が破損する場合もある。さ
らに、成形された芯材表面には離型剤が付着しているの
が通常であるが、両面テープや接着剤を用いる場合には
離型剤を除去して接着性を向上させなければならず、そ
の分の工数が増大するという不具合がある。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、両面テープや接着剤などを用いずに芯材と
吸音部材とを予め確実に一体化できるようにすることを
目的とする。また本発明のもう一つの目的は、両面テー
プや接着剤などを用いずに金型内で吸音部材を確実に芯
材に保持でき、かつ安価な金型を用いて発泡成形できる
ようにするとともに、吸音部材を芯材に強固に保持でき
るようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の車両内装品の特徴は、硬質樹脂からなる板状の芯材
と芯材の裏面に積層された軟質で多孔質の吸音材層と芯
材の表面に積層された発泡体層と発泡体層の表面に積層
された表皮層とよりなる車両内装品であって、芯材は表
裏を貫通する少なくとも1個の貫通孔をもち、吸音材層
の一部が貫通孔に嵌入して発泡体層内に入り込み発泡体
層と一体的に結合していることにある。
【0013】そして上記車両内装品を製造できる本発明
の製造方法の特徴は、硬質樹脂からなる板状で表裏を貫
通する少なくとも1個の貫通孔をもつ芯材の裏面に軟質
で多孔質の板状の吸音部材を配置し吸音部材の一部を貫
通孔に嵌入して芯材の表面側に突出させた状態で成形型
の一方の型面に配置するとともに、成形型の他方の型面
に表皮体を配置し、表皮体と芯材の間に発泡樹脂を注入
して発泡成形することにより表皮体及び芯材と接合しか
つ貫通孔から突出する吸音部材の一部とも接合した発泡
体層を形成することにある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の車両内装品では、芯材は
表裏を貫通する少なくとも1個の貫通孔をもち、吸音材
層の一部が貫通孔に嵌入して発泡体層内に入り込み発泡
体層と一体的に結合している。したがって両面テープな
どを不要として芯材に吸音材層を強固に保持することが
でき、より軽量とすることができる。また離型紙の剥離
工程が不要となるため吸音材層の損傷が防止され、吸音
材層の材質の自由度が向上するのでより吸音特性に優れ
た吸音材層を用いることが可能となる。
【0015】そして本発明の車両内装品の製造方法で
は、先ず、吸音部材の一部を貫通孔に嵌入し芯材の表面
側に突出させた状態で成形型の一方の型面に配置する。
この工程には、吸音部材の一部が貫通孔に嵌入された芯
材を予め形成しておく方法と、金型内で吸音部材と芯材
とを一体化する方法の二通りがあり、どちらで行っても
よい。
【0016】吸音部材と芯材を予め一体化する方法で
は、芯材の裏面に吸音部材を配置し、貫通孔の位置で吸
音部材表面を貫通孔に向かって押圧すれば、吸音部材の
一部が貫通孔内に嵌入する。そして貫通孔から突出した
吸音部材の一部は、自身の弾性により膨張して貫通孔の
径より大きく拡がるため、貫通孔から抜けにくくなる。
したがって吸音部材が積層された芯材を一体の積層品と
して取り扱うことができ、発泡成形において一方の型面
に配置する作業がきわめて容易となる。これにより作業
時間を短縮できるので、サイクルタイムが短くなり生産
性が向上する。また芯材と吸音部材との積層品を載置す
ればよいので、発泡成形に要する作業スペースを節約す
ることができる。
【0017】この場合、芯材の貫通孔は芯材の裏面から
表面側に向かって径が拡大するテーパ形状をなすことが
望ましい。これにより吸音部材の一部を貫通孔に嵌入し
やすくなり、芯材との一体化が一層容易となる。貫通孔
をこのようなテーパ形状とするには、後加工により行う
ことも可能である。しかし芯材の表面側に金型合わせ面
をもつ金型を用いて芯材を成形すれば、抜き勾配を利用
してテーパ形状とすることができるので、芯材の形成と
同時にテーパ形状の貫通孔を形成することができ、工数
を一層削減することができる。また成形時にテーパ形状
とすれば、芯材の表面における貫通孔の周縁部がエッジ
形状となるので、引っかかりによる係合が生じ貫通孔か
ら突出した吸音部材の一部の抜けを一層防止することが
できる。
【0018】また、吸音部材の貫通孔に対向する部分に
凸部を形成しておくことも好ましい。これにより貫通孔
への嵌入が一層容易となるとともに、吸音部材と芯材と
の積層時の位置決め精度も向上する。そして凸部に貫通
孔より径大の頭部を形成しておけば、頭部は圧縮された
状態で貫通孔を通過し、貫通孔から突出すると膨張して
元の形状に復元するので、抜けを一層確実に防止するこ
とができる。
【0019】また金型内で吸音部材と芯材とを一体化す
る方法では、金型の一方の型面に貫通孔に対向して貫通
孔の径より一回り径の小さな形状の金型凸部を形成して
おき、芯材と吸音部材を重ねた状態で型面に向かって押
圧すればよい。すると吸音部材の一部は金型凸部で押圧
されて貫通孔内に嵌入されて貫通孔から突出するので、
吸音部材を芯材に一体的に保持した状態で一方の型面に
配置することができる。また型面へ配置する際の位置決
め精度も向上する。
【0020】そして成形型の他方の型面に表皮体を配置
し、表皮体と芯材の間に発泡樹脂を注入して発泡成形す
ることにより、表皮体及び芯材と接合しかつ貫通孔から
突出する吸音部材の一部とも接合した発泡体層が形成さ
れる。
【0021】なお、前述の芯材と吸音部材との積層品の
貫通孔部分を金型凸部に係合させて型面に配置すること
も好ましい。このようにすれば、型面へ配置する際の位
置決め精度が向上し、吸音部材の抜け防止にもなる。ま
た金型凸部と積層品(芯材)により吸音部材は圧縮され
て保持固定されているため、発泡圧が作用しても芯材の
変形を防止することができる。したがって、得られる車
両内装品の寸法精度が向上する。さらに金型凸部は断面
略台形形状とし、その上辺より貫通孔の径が大きく、貫
通孔の径よりその下辺が大きい構成とすれば、芯材の撓
み変形をより効果的に防止することができる。
【0022】また、芯材に吸音部材を貫通する芯材凸部
を部分的に形成し、吸音部材に芯材凸部の通過を許容す
る貫通部を形成しておくことも好ましい。このようにす
れば、芯材凸部の先端が成形型の型面に当接した状態で
発泡体層が発泡成形される。したがって発泡圧力が芯材
に加わっても、芯材凸部が型面に向かって押圧された状
態で保持されるため、吸音部材には圧縮による変形が生
じにくく肉の移動も生じにくい。そして芯材にも変形が
生じにくいので、高い寸法精度の車両内装品を製造する
ことができる。
【0023】吸音部材の一部に硬質部を形成しておき、
硬質部が成形型の型面に当接した状態で発泡体層が発泡
成形されるように構成することも好ましい。このように
すれば、発泡圧力が芯材を介して吸音部材に加わって
も、硬質部は圧縮変形が生じにくくしかも硬質部が型面
に押圧された状態で保持されるため吸音部材の肉の移動
も生じにくい。これにより芯材にも変形が生じにくくな
り、高い寸法精度の車両内装品を製造することができ
る。
【0024】芯材の材料としては、PP、PE、ナイロ
ン、ABS、ASあるいはこれらにガラス繊維などの補
強材を混合したものなどの硬質樹脂が例示され、射出成
形、圧縮成形などにより所定形状の板状の芯材を形成す
ることができる。そして貫通孔の大きさ、数あるいはピ
ッチは、芯材自身の強度、吸音部材の厚さや強度などに
応じて種々設定することができる。
【0025】また吸音部材としては、各種繊維材料から
形成されたフェルト、あるいは発泡PP、発泡PE、発
泡ウレタンなどの発泡体を用いることができる。
【0026】表皮体は、PVCあるいは熱可塑性エラス
トマなどの軟質材料から形成されたシート材を真空成形
することで所定形状に形成することができる。あるいは
粉体スラッシュ成形によって所定形状の表皮体を製造す
ることもできる。
【0027】さらに発泡体層を形成する発泡樹脂として
は、発泡ウレタン、発泡PP、発泡ポリスチレンなどの
各種発泡樹脂を用いることができる。その注入方法は、
単なる注入法、射出法、粉体配置法など特に制限され
ず、発泡倍率も目的に応じて種々設定することができ
る。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0029】(実施例1)図1に本実施例の製造方法に
より製造されたインパネの断面図を示す。このインパネ
は、ガラス繊維強化AS樹脂製の板状の芯材1と、芯材
1の表面に形成された発泡ポリウレタン製の発泡体層2
と、発泡体層2の表面に一体的に被覆されたPVC製の
表皮層3と、芯材1の裏面のほぼ全面に形成された発泡
ポリウレタン製の吸音材層4とから構成されている。芯
材1には複数の貫通孔10が形成され、貫通孔10には吸音
材層4の一部が嵌入してその先端部が貫通孔10から突出
して発泡体層2内に入り込んでいる。そして発泡体層2
内に入り込んだ先端部は貫通孔10の径より大きく拡が
り、その部分に発泡樹脂が含浸して硬化している。これ
により芯材1と吸音材層4とは一体的に結合されてい
る。
【0030】このインパネを製造するにあたり、先ず図
2に示すように貫通孔10をもつ芯材1をガラス繊維強化
AS樹脂から射出成形によって形成した。このとき可動
型 100と固定型 101を用い、可動型 100の複数の凸型面
102で貫通孔10をそれぞれ形成した。凸型面 102はそれ
ぞれ抜き勾配をもち、これにより貫通孔10はそれぞれテ
ーパ形状となるとともに、金型合わせ面 103に位置する
貫通孔10の周縁部はエッジ形状となる。
【0031】次に図3に示すように、発泡ポリウレタン
製のシート状の吸音部材4’を用意し、所定形状に裁断
して芯材1の裏面に配置した。このとき貫通孔10は、テ
ーパ形状の大径側が吸音部材4’に対向するように配置
されている。そして棒状の治具を用いて、複数の貫通孔
10の位置で吸音部材4’の一部を芯材1の裏面から貫通
孔10に嵌入し、貫通孔10を貫通させて表面から突出させ
た。表面から突出した吸音部材4’の一部は、自身の弾
性力により膨張して広がり、貫通孔10の径より大きな頭
部40が形成された。また、芯材1の表面における貫通孔
10の周縁部はエッジ状となっているため頭部40と係合
し、頭部40が貫通孔10から脱落するのがさらに効果的に
防止されている。これにより、両面テープなどを不要と
して、芯材1と吸音材層4が一体的に積層された積層品
が得られた。
【0032】上記工程では、芯材1には発泡体層及び表
皮層がまだ形成されていないので、その分軽量であり、
表皮を傷つけるような心配もない。そして芯材1と吸音
材層4を一体の積層品として取り扱うことができるの
で、作業者の負担が軽減される。また両面テープなどの
接合手段が不要となるので、材料費用を低減できるとと
もに工数を低減することができる。
【0033】一方、PVC製のシート材を所定寸法に裁
断し、真空成形によって所定形状に賦形して表皮体3’
を形成した。
【0034】次に図4に示すように、芯材1と吸音材層
4とからなる上記積層品を、一対の金型5の一方の型面
50に吸音材層4が沿うように配置し、表皮体3’を他方
の型面51に沿うように配置して一対の金型5を閉じた。
【0035】その状態で芯材1と表皮体3’との間に形
成されたキャビティに、所定量の発泡ウレタン樹脂を注
入し、発泡成形して発泡体層2を形成した。発泡体層2
は、芯材1及び表皮体3’と一体的に接合するととも
に、発泡ウレタン樹脂が貫通孔10から突出した頭部40に
含浸して硬化するため、頭部40が発泡体層2と結合した
状態で硬化する。
【0036】すなわち得られたインパネでは、芯材1と
表皮層3はそれぞれ発泡体層2によって一体的に接合さ
れ、かつ発泡体層2と一体的に結合して硬化した頭部40
によって吸音材層4が芯材1から脱落するのが阻止され
ている。したがって本実施例の製造方法によれば、両面
テープなどを不要として強固に一体化された吸音材層4
をもつインパネを製造することができ、軽量化及び工数
の大きな低減を図ることができる。また芯材1と吸音部
材4’との積層品と表皮体3’とを載置するスペースが
あればよいので、発泡成形における作業空間のスペース
を節約することができる。
【0037】(実施例2)本実施例では、図5に示すよ
うに予め複数の突起41をもつ形状に形成された吸音部材
4’を用いたこと以外は実施例1と同様である。
【0038】本実施例では、吸音部材4’を貫通孔10に
嵌入するのに代えて、突起41を貫通孔10に嵌入する。突
起41は先端に形成された大径の頭部42と、頭部42の下
部に連続する小径の首部43とからなり、頭部42の径は貫
通孔10の径より大きく首部43は貫通孔10の形状と同等と
なっている。したがって貫通孔10に嵌入する場合には、
頭部42は縮径されながら貫通孔10を通過し、貫通孔10か
ら突出すると膨張して元の形状に復元する。
【0039】したがって芯材1と積層された吸音部材
4’は、頭部42によって芯材1から脱落するのが防止さ
れているので、実施例1と同様に作業者の負担が軽減さ
れる。また両面テープなどの接合手段が不要となるの
で、材料費用を低減できるとともに工数を低減すること
ができる。
【0040】(実施例3)本実施例では、図6に示すよ
うに、金型5の一方の型面50には、貫通孔10に対向し上
辺が貫通孔10の径より一回り小径の断面台形形状の金型
凸部52が形成されていること以外は実施例1と同様であ
る。
【0041】本実施例では、芯材1と吸音部材4とから
なる実施例1と同様の積層品を形成し、金型5の一方の
型面50に配置する際に、貫通孔10を金型凸部52に合わせ
て位置決めを行う。これにより積層品を金型5内に配置
する際の位置決め精度が向上する。そして金型凸部52は
吸音部材4の裏面側から吸音部材4を押圧して貫通孔10
に嵌入されるので、頭部40は金型凸部52によって支えら
れ、発泡成形時に発泡圧力によって貫通孔10から抜ける
のが確実に防止される。
【0042】また吸音部材4は芯材1と金型50によって
圧縮されて保持固定されているため、発泡圧が作用して
も芯材1の変形が防止される。さらに金型凸部52の断面
は台形形状とされ、かつその上辺より貫通孔10の径が大
きく、貫通孔10の径よりその下辺が大きい形状とされて
いる。したがって金型凸部52は吸音部材4とともに貫通
孔10に強く嵌入されて芯材1と強固に固定されるので、
芯材1の撓み変形がより効果的に防止されている。した
がって本実施例の製造方法によれば、一層寸法精度の高
いインパネを製造することができる。
【0043】(実施例4)本実施例では、予め芯材1と
板状の吸音部材4’とを積層せず、両者を重ねて金型5
の一方の型面50に配置して発泡体層2を発泡成形してい
る。
【0044】図7に示すように、金型5は一方の型面50
に実施例3と同様の金型凸部52を有している。そして芯
材1と吸音部材4’を重ねて型面50上に配置し、芯材1
の貫通孔10に金型凸部52が嵌入するように吸音部材4’
を介して押圧する。すると吸音部材4’の一部が金型凸
部52に押圧されて貫通孔10に嵌入され、実施例1と同様
の積層品を形成することができる。
【0045】すなわち本実施例では、発泡成形時の芯材
1及び吸音部材4’の型面50への配置と同時に芯材1と
吸音部材4’とを強固に一体化することができる。した
がって作業スペースは大きく必要であるものの、両面テ
ープなどの接合手段が不要となるので、材料費用を低減
できるとともに工数を低減することができる。また実施
例3と同様に型面50への配置時の位置決め精度が向上
し、断面が台形形状の金型凸部52で支持されることによ
り寸法精度も向上する。
【0046】
【発明の効果】すなわち本発明の車両内装品の製造方法
によれば、両面テープなどの材料費用を低減できるとと
もに工数を低減することができる。また作業スペースを
節約することができ、発泡成形工程における作業時間を
短縮することができるので、生産性が大幅に向上すると
ともに金型数を削減することもできる。さらに、位置決
め精度及び寸法精度が向上するので、精度が高い車両内
装品を容易にかつ確実に製造することができる。
【0047】そして本発明の製造方法により製造される
本発明の車両内装品によれば、軽量で安価であり、自動
車車体の軽量化及びコストダウンが達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインパネの断面図である。
【図2】芯材を成形している状態の金型の要部断面図で
ある。
【図3】本発明の一実施例の製造方法において、芯材と
吸音部材とを一体的に積層した積層品の要部断面図であ
る。
【図4】本発明の一実施例の製造方法において、発泡体
層を成形している状態の金型の要部断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例の製造方法において、芯
材と吸音部材とを一体的に積層する方法を示す説明図で
ある。
【図6】本発明の第3の実施例の製造方法において、発
泡体層を成形している状態の金型の要部断面図である。
【図7】本発明の第4の製造方法において、芯材と吸音
部材とを一体的に積層するとともに型面へ配置する方法
を示す説明図である。
【図8】従来のインパネの断面図である。
【符号の説明】
1:芯材 2:発泡体層 3:表
皮層 4:吸音材層 5:金型 10:貫
通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:58 B29L 31:58 (72)発明者 濱田 真彰 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BA02 BA03 BB08 BB21 BC01 BD03 BE07 BE22 BE31 4F100 AK01A AK51 AR00D AT00A BA04 BA07 DC11A DD01B DJ01B DJ01C EH13 EH31 EJ02 GB33 JH01 JH01B JK12A JK13B JL02 JL11 4F204 AA42 AD08 AD17 AD18 AD23 AH26 EA01 EA04 EB01 EB13 EF05 EF37

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質樹脂からなる板状の芯材と該芯材の
    裏面に積層された軟質で多孔質の吸音材層と該芯材の表
    面に積層された発泡体層と該発泡体層の表面に積層され
    た表皮層とよりなる車両内装品であって、 該芯材は表裏を貫通する少なくとも1個の貫通孔をも
    ち、該吸音材層の一部が該貫通孔に嵌入して該発泡体層
    内に入り込み該発泡体層と一体的に結合していることを
    特徴とする車両内装品。
  2. 【請求項2】 硬質樹脂からなる板状で表裏を貫通する
    少なくとも1個の貫通孔をもつ芯材の裏面に軟質で多孔
    質の板状の吸音部材を配置し該吸音部材の一部を該貫通
    孔に嵌入して該芯材の表面側に突出させた状態で成形型
    の一方の型面に配置するとともに、該成形型の他方の型
    面に表皮体を配置し、該表皮体と該芯材の間に発泡樹脂
    を注入して発泡成形することにより該表皮体及び該芯材
    と接合しかつ該貫通孔から突出する該吸音部材の一部と
    も接合した発泡体層を形成することを特徴とする車両内
    装品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記貫通孔は前記芯材の裏面側に向かって
    径が拡大するテーパ形状をなすことを特徴とする請求項
    2に記載の車両内装品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記芯材は前記芯材の表面側に金型合わ
    せ面をもつ金型を用いて成形されることを特徴とする請
    求項3に記載の車両内装品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記吸音部材は前記貫通孔に対向する部
    分に凸部をもち、該凸部を前記貫通孔に嵌入させること
    を特徴とする請求項2〜4に記載の車両内装品の製造方
    法。
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