JP7150572B2 - 車両用防音カバーおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
カバー本体を設置した成形型内で発泡原料を発泡させることにより当該カバー本体に発泡体が積層するよう設けられた車両用防音カバーの製造方法であって、
前記発泡体を積層する積層面に突出部が突出するよう形成した熱可塑性合成樹脂材からなるカバー本体を、当該積層面とは反対の面を型開き状態とした成形型の型面に向けた姿勢で設置し、
前記突出部の突出端に設けた加工部を前記カバー本体の積層面に対向する型面に設けた孔部に挿入した型閉め状態で発泡原料を発泡硬化させることで、前記加工部が表面側から突出する状態で発泡体を前記カバー本体の積層面に形成し、
前記発泡体の表面側に突出する前記加工部を熱カシメ加工することにより抜け止め部を形成して、当該抜け止め部と前記カバー本体の積層面とで発泡体を挟むようにしたことを要旨とする。
このように、発泡成形した発泡体の表面側に突出する突出部を熱カシメ加工して抜け止め部を形成し、抜け止め部とカバー本体の積層面とで発泡体を挟むことで、前処理を行うことなくカバー本体に発泡体を保持することができる。またカバー本体と発泡体とが接着されていないから、発泡体をカバー本体から容易に剥がすことができ、優れたリサイクル性を実現できる。
前記孔部を突出端面に有する凸状部を前記カバー本体の積層面に対向する型面に設け、当該凸状部の孔部に加工部を挿入した状態で発泡原料を発泡硬化させることで、前記凸状部に対応して形成される前記発泡体の凹状部の内側に前記加工部が突出するよう形成し、
前記凹状部の内側に突出する前記加工部を熱カシメ加工することにより、当該凹状部の外側に前記抜け止め部が突出しないよう形成することを要旨とする。
このように、抜け止め部を凹状部の外側に突出しないようにすることで、車両用防音カバーの発泡体を音源の外表面に密着させることができると共に、音源の外表面形状に対して優れた追従性を実現できる。このため、例えば音源としてエンジンの外表面に車両用防音カバーを密着させることで、エンジン停止後のエンジンの温度低下を抑制することができ、暖機時間を短縮化して燃費向上に寄与し得る利点がある。
前記カバー本体の積層面に対向する型面および前記凸状部の表面に塗料を塗布した後に発泡原料を発泡硬化させることで、前記発泡体の前記凹状部を画成する壁面を含む表面に塗膜層を形成したことを要旨とする。
このように、発泡体の表面に塗膜層を形成することで、音源の外表面に付着したオイルが発泡体の内部に浸透し難くすることができ、防音性の低下を防止できる。
前記カバー本体の積層面から突出する係合部をキャビティ内に位置させた状態で発泡原料を発泡硬化させて、当該積層面に形成した発泡体の内部で当該係合部が係合するようにしたことを要旨とする。
このように、熱カシメ加工する前の状態でカバー本体の係合部が発泡体の内部で係合することにより、発泡体をカバー本体に仮止めすることができ、熱カシメ加工を効率良く行うことができる。
合成樹脂材からなるカバー本体に発泡体が積層されている車両用防音カバーであって、
前記発泡体の表面側に設けられた凹状部と、
前記カバー本体において前記発泡体を積層する積層面側に、前記発泡体の凹状部に対応した位置に設けられた突出部と、
前記突出部の突出端側に設けられて前記凹状部の内側に位置し、当該凹状部の底部に係合して前記カバー本体の積層面との間に発泡体を挟む抜け止め部とを備え、
前記抜け止め部は、前記凹状部の外側に突出しないよう形成されると共に、前記カバー本体に対して当該抜け止め部および前記突出部が樹脂一体成形されていることを要旨とする。
このように、発泡体に形成した凹状部の底部に、カバー本体に対して樹脂一体成形された抜け止め部が係合することで、前処理を行うことなくカバー本体に発泡体を保持することができると共に、発泡体をカバー本体から容易に剥がすことができ、優れたリサイクル性を実現できる。また、抜け止め部を凹状部の外側に突出しないようにすることで、車両用防音カバーの発泡体を音源の外表面に密着させることができると共に、音源の外表面形状に対して優れた追従性を実現できる。すなわち、例えば音源としてエンジンの外表面に車両用防音カバーを密着させることで、エンジン停止後のエンジンの温度低下を抑制することができ、暖機時間を短縮化して燃費向上に寄与し得る利点がある。
前記発泡体の前記凹状部を画成する壁面を含む表面に塗膜層が形成されていることを要旨とする。
このように、発泡体の表面に塗膜層を形成することで、音源の外表面に付着したオイルが発泡体の内部に浸透し難くすることができ、防音性の低下を防止できる。
前述した実施例に限定されず、例えば以下のように変更することができる。
(1)実施例では、突出部18を断面十字状に形成したが、当該突出部18の形状はこれに限られるものではなく、円柱状や多角柱状等であってもよい。
(2)実施例では、発泡体24に凹状部26を形成して、当該凹状部26内に突出する加工部22を熱カシメ加工するようにしたが、必ずしも凹状部26を設ける必要はなく、発泡体24の凹状部26を形成していない音源側表面から加工部22を突出させるようにして熱カシメ加工するようにしてもよい。すなわち、発泡体24の音源側表面を音源の外表面に密着させない場合や、密着させる必要がない位置に抜け止め部20を形成するような場合には、発泡体24の音源側表面に抜け止め部20が位置するよう形成してもよい。
(3)実施例では、突出部18と加工部22とを異なる形状・大きさで形成したが、これらを同一の形状・大きさで形成することもできる。例えば、突出部18と加工部22とを連続した円柱状等に形成し、突出端を成形型32,34の孔部38に挿入した状態で発泡原料を発泡硬化することで、発泡体24の音源側表面(凹状部26の内側)に突出するように加工部22を形成することができる。
(4)実施例では、突出部18を係合部16よりもカバー本体12の積層面14の中央側に位置するよう設けたが、係合部16よりもカバー本体12の積層面14の外周縁側に突出部18が位置するよう設けてもよい。すなわち、カバー本体12の積層面14に対する係合部16および突出部18の形成位置および形成数は、車両用防音カバー10の大きさや形状等に応じて適宜に決定することができる。
(5)実施例では、カバー本体12の積層面14に係合部16を形成したが、当該係合部16を省略することも可能である。すなわち、発泡成形後の熱カシメ加工前の状態で、突出部18によって発泡体24がカバー本体12に保持されていれば、係合部16はなくてもよい。このように、加工部22を設けた突出部18により発泡体24を仮止めすることで、カバー本体12の構成を簡略化できる利点がある。
14 積層面,16 係合部,18 突出部,20 抜け止め部,22加工部
24 発泡体,26 凹状部,28 塗膜層,32 下型(成形型),34 上型(成形型)
36 凸状部,38 孔部
Claims (6)
- カバー本体を設置した成形型内で発泡原料を発泡させることにより当該カバー本体に発泡体が積層するよう設けられた車両用防音カバーの製造方法であって、
前記発泡体を積層する積層面に突出部が突出するよう形成した熱可塑性合成樹脂材からなるカバー本体を、当該積層面とは反対の面を型開き状態とした成形型の型面に向けた姿勢で設置し、
前記突出部の突出端に設けた加工部を前記カバー本体の積層面に対向する型面に設けた孔部に挿入した型閉め状態で発泡原料を発泡硬化させることで、前記加工部が表面側から突出する状態で発泡体を前記カバー本体の積層面に形成し、
前記発泡体の表面側に突出する前記加工部を熱カシメ加工することにより抜け止め部を形成して、当該抜け止め部と前記カバー本体の積層面とで発泡体を挟むようにした
ことを特徴とする車両用防音カバーの製造方法。 - 前記孔部を突出端面に有する凸状部を、前記カバー本体の積層面に対向する型面に設け、当該凸状部の孔部に加工部を挿入した状態で発泡原料を発泡硬化させることで、前記凸状部に対応して形成される前記発泡体の凹状部の内側に前記加工部が突出するよう形成し、
前記凹状部の内側に突出する前記加工部を熱カシメ加工することにより、当該凹状部の外側に前記抜け止め部が突出しないよう形成する請求項1記載の車両用防音カバーの製造方法。 - 前記カバー本体の積層面に対向する型面および前記凸状部の表面に塗料を塗布した後に発泡原料を発泡硬化させることで、前記発泡体の前記凹状部を画成する壁面を含む表面に塗膜層を形成した請求項2記載の車両用防音カバーの製造方法。
- 前記カバー本体の積層面から突出する係合部をキャビティ内に位置させた状態で発泡原料を発泡硬化させて、当該積層面に形成した発泡体の内部で当該係合部が係合するようにした請求項1~3の何れか一項に記載の車両用防音カバーの製造方法。
- 合成樹脂材からなるカバー本体に発泡体が積層されている車両用防音カバーであって、
前記発泡体の表面側に設けられた凹状部と、
前記カバー本体において前記発泡体を積層する積層面側に、前記発泡体の凹状部に対応した位置に設けられた突出部と、
前記突出部の突出端側に設けられて前記凹状部の内側に位置し、当該凹状部の底部に係合して前記カバー本体の積層面との間に発泡体を挟む抜け止め部とを備え、
前記抜け止め部は、前記凹状部の外側に突出しないよう形成されると共に、前記カバー本体に対して当該抜け止め部および前記突出部が樹脂一体成形されている
ことを特徴とする車両用防音カバー。 - 前記発泡体の前記凹状部を画成する壁面を含む表面に塗膜層が形成されている請求項5記載の車両用防音カバー。
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