JP2004314314A - 自動車のインストルメントパネルの成形方法及びその成形用金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させる自動車のインストルメントパネルの成形に際して、金型の必要個数を削減し、成形工程を簡素化し得る成形方法を提供する。
【解決手段】下型14の表皮3をセットすると共に、上型15に基材層16に対応した形状を備え、かつ表面に突起群11が分散形成された入れ子10をセットし、金型の型締め状態で、表皮3及び入れ子10間に形成されているキャビティに反応発泡性樹脂原料を注入して発泡させることにより、突起群11に対応した凹部群が裏面に形成され、かつ表皮3の裏面に接合される発泡層18を形成する。入れ子10を取外した型締め状態で、入れ子10に代えて形成されたキャビティに基材層用樹脂原料を注入することにより、凹部群にそれぞれ侵入する成形突起群を伴った基材層16を形成して発泡層18に一体化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】下型14の表皮3をセットすると共に、上型15に基材層16に対応した形状を備え、かつ表面に突起群11が分散形成された入れ子10をセットし、金型の型締め状態で、表皮3及び入れ子10間に形成されているキャビティに反応発泡性樹脂原料を注入して発泡させることにより、突起群11に対応した凹部群が裏面に形成され、かつ表皮3の裏面に接合される発泡層18を形成する。入れ子10を取外した型締め状態で、入れ子10に代えて形成されたキャビティに基材層用樹脂原料を注入することにより、凹部群にそれぞれ侵入する成形突起群を伴った基材層16を形成して発泡層18に一体化させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させる自動車のインストルメントパネルの成形方法及びその成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のインストルメントパネルは、表皮用のパウダスラッシュ成形工程と、基材層用の成形工程と、これらに介在させる発泡層用の一体発泡成形工程との別々の3工程で製作されるのが通常である。即ち、図4Aに示すように、表皮3に対応した形状の金型1が閉鎖状態で組付けられたパウダボックス9に、例えばパウダ状TPU(サーモプラスチックウレタン)樹脂原料2を収納して、加熱状態で回転させることにより金型1に溶融成層して、表皮3が製作される。基材層6は、同図Bに示すように、上型5及び下型4の表面に噴射器4aにより離型剤を噴霧して塗布した後に、型締めして注入路5aから繊維強化されたウレタン樹脂原料を注入して、反応硬化させてR−RIMウレタンとして製作される。射出成形された基材層6には、ウレタン発泡樹脂との接着性が損なわれないように、表面を洗浄するか又はフィルムを接着する等の後処理を施す。次いで、同図Cに示すように、下型4bに表皮3をセットし、上型5bに基材層6をセットし、さらに注入具7により反応発泡性のウレタン原料樹脂を注入して型締めした状態で反応発泡させることにより、裏面で基材層6が接合し、表面で表皮3に接合した発泡層8が一体化されたインストルメントパネルが製作される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、独立の3工程に対応して金型もそれぞれに必要になるだけでなく、離型剤が噴霧される基材に対してはその影響を回避するための後処理を要する。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、金型の必要個数を削減し、成形工程を簡素化し得る自動車のインストルメントパネルの成形方法及びその成形用金型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させる自動車のインストルメントパネルの成形方法において、金型の一方に表皮をセットすると共に、他方に基材層に対応した形状を備え、かつ表面に突起群が分散形成された入れ子をセットし、金型の型締め状態で、表皮及び入れ子間に形成されているキャビティに反応発泡性樹脂原料を注入して発泡させることにより、突起群に対応した凹部群が裏面に形成され、かつ表皮の裏面に接合される発泡層を形成し、入れ子を取外した型締め状態で、入れ子に代えて形成されたキャビティに基材層用樹脂原料を注入することにより、凹部群にそれぞれ侵入する成形突起群を伴った基材層を形成して発泡層に一体化させることを特徴とする。発泡層の裏面に形成された突起群に、基材層の成形突起群が互いに係合することにより、基材層が発泡層に接合される。
【0006】
入れ子の着脱を不要にするには、請求項2により、表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させるための自動車のインストルメントパネルの成形用金型において、表皮がセットされる固定型の一方の側部に、発泡層の裏面に凹部群を形成するように、表面に突起群が分散形成された発泡層用可動型を型締め可能に枢着し、固定型の他方の側部に、発泡層の裏面に基材層を形成する基材層用可動型を型締め可能に枢着する。
【0007】
この回転切換式の金型装置による成形は、請求項3により、固定型に表皮をセットし、発泡層用上型により型締めして反応発泡性樹脂原料を注入して発泡させることにより、凹部群が裏面に形成され、かつ表皮の裏面に接合された発泡層を形成し、基材層用可動型により型締めして基材層用樹脂原料を注入することにより、凹部群にそれぞれ侵入する成形突起を伴った基材層を形成して発泡層に一体化させる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1を基に本発明の実施の形態の一例による表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を介在させて一体化される自動車のインストルメントパネルの成形方法を説明する。表皮3は、図4Aを基に既述したようなパウダスラッシュ成形で製作されたTPU製である。開閉可能な金型装置の固定型である下型14は表皮3に対応した形状を備え、可動型である上型15には、基材層16に対応した形状を備え、かつ表面にピン状の突起群11がマトリックス状に分散状態で形成された入れ子10が着脱自在にセットされている。この入れ子は鉄もしくはアルミニウム製であり、周辺領域では表皮3に基材層16を直接接合させるように、相対的に小さな外形の発泡層18用キャビティを形成する形状を備え、突起群11は発泡層18の途中位置まで侵入する高さに設定されている。
【0009】
インストルメントパネル19の射出成形に際しては、下型14に表皮3をセットし、上型15に入れ子10をセットした状態で、入れ子10の表面に噴射器4aにより離型剤を噴霧する(図1A)。下型14の中央領域に注入具7により反応発泡性のウレタン原料樹脂13を注入し(同図B)、型締めした状態で反応発泡させることにより、発泡層18を射出成形する(同図C)。その際、発泡層18の裏面には、突起群11に対応した凹部群18aが分散状態で形成される。
【0010】
型開きした状態で、入れ子10を取外して、さらに上型15の表面に離型剤を噴霧する(同図D)。型締め状態で、繊維強化されたR−RIMウレタン樹脂原料を注入路15aから注入して反応硬化させることにより(同図E)、基材層16の周辺領域を表皮3に接合させ、発泡層18の裏面ではピン穴状の凹部群18aに侵入した成形突起群16aが係合し、したがって発泡層18の裏面に入れ子10に塗布した離型剤が残留していたとしても確実に機械的に接合される(同図F)。
【0011】
これにより、発泡層18の裏面に、基材層16の表面が凹凸係合によるアンカ効果により接合が可能となり、発泡層に一面に接合されるように、従来必要であった別の金型で製作された基材層に対する洗浄もしくはフィルム接着が不要となる。また、ウレタン製基材層16が最後に射出成形されてTPU製表皮3と直接そのまま接合可能となることにより、入れ子10の形状により、発泡領域部分を周辺領域に限らず、任意の位置もしくは分離した位置に設定することができる。
【0012】
尚、基材層としては、性質上このような後処理を元来要しない類の基材層と発泡層を一体化する場合でも金型を共通化し得る利点が得られる。また、基材層がそのまま表皮に接合されない材質の場合、接着性を確保するためにプライマ処理を施せば良い。
【0013】
図2は別の実施の形態による成形用金型装置を示す。即ち、表皮3がセットされる固定型20の一方の側部に、発泡層用可動型22が型締め可能にヒンジ25で枢着し、固定型20の側部に突設されたストッパ28で開放位置に拘束されている。固定型20の対向する他方の側部には、基材層用可動型24が型締め可能にヒンジ25aで枢着し、ストッパ28aで拘束されている。これらの可動型22,24は、ウレタン製インストルメントパネルのように、成形圧を比較的低くできる場合、アルミニュウム、樹脂等で軽量に製作される。発泡層用キャビティを形成する発泡層用可動型22の表面は、前述の入れ子10に対応した形状に形成され、突起群21が中央領域にマトリックス状に分散して形成され、周辺領域は表皮3に当接するように平坦状に形成されている。基材層用可動型24は、発泡層用可動型22で射出成形された発泡層の背後に基材層用キャビティを形成する形状を備える。
【0014】
このような成形用金型装置を用いたインストルメントパネル19の成形方法を図3を基に説明する。両側に型開きした状態で固定型20に表皮3をセットし、発泡層用可動型22の表面に噴射器4aにより離型剤を塗布する(図3A)。固定型20の中央領域に注入具7により反応発泡性ウレタン原料樹脂を注入し(同図B)、発泡層用可動型22で型締めした状態で反応発泡させることにより、発泡層18を射出成形する(同図C)。その際、発泡層18の裏面には、突起群21に対応した凹部群18aが一面に分散して形成される。
【0015】
型開きした状態で、基材層用可動型24の表面に離型剤を塗布して(同図D)、型締した状態で注入路26からR−RIMウレタン樹脂原料を注入して反応硬化成形することにより(同図E)、周辺領域が表皮3に接合し、発泡層18の裏面には凹部群18aに侵入した成形突起で係合した基材層16が形成され、同様に中央領域で機械的に接合して一体化される(同図F)。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、表皮及び基材層間に発泡層を介在させたインストルメントパネルの射出成形に際して、基材層及び発泡層用金型が共通化され、したがって射出成形工程も削減され、しかも基材層の材質の如何に拘らず残留離型剤に対する後処理も不要になる。基材層が最後に射出成形されて表皮と接合可能となることにより、入れ子の形状に応じて発泡部分が任意の位置に容易に設定可能となる。
【0017】
請求項2又は請求項3の発明によれば、基材層用の入れ子の着脱操作を要しない回転切換式の金型装置により、同様に射出成形工程が削減され、基材層の残留離型剤に対する後処理も不要になる。基材層用金型の形状により1個もしくは複数の発泡部分が任意に設定可能となる。請求項4の発明によれば、同材質のRIMウレタン基材層及びウレタン発泡層を用いる通常のインストルメントパネルにも有効に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による自動車のインストルメントパネルの成形方法を説明する図である。
【図2】別の実施の形態による自動車のインストルメントパネルの成形方法を実施するための成形用金型を説明する正面図である。
【図3】図2による金型装置を用いた自動車のインストルメントパネルの成形方法を説明する図である。
【図4】従来の自動車のインストルメントパネルの成形方法を説明する図である。
【符号の説明】
3 表皮
10 入れ子
11,21 突起群
14 下型
15 上型
16 基材層
18 発泡層
18a 凹部群
19 インストルメントパネル
20 固定型
22 発泡層用可動型
24 基材層用可動型
【発明の属する技術分野】
本発明は、表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させる自動車のインストルメントパネルの成形方法及びその成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のインストルメントパネルは、表皮用のパウダスラッシュ成形工程と、基材層用の成形工程と、これらに介在させる発泡層用の一体発泡成形工程との別々の3工程で製作されるのが通常である。即ち、図4Aに示すように、表皮3に対応した形状の金型1が閉鎖状態で組付けられたパウダボックス9に、例えばパウダ状TPU(サーモプラスチックウレタン)樹脂原料2を収納して、加熱状態で回転させることにより金型1に溶融成層して、表皮3が製作される。基材層6は、同図Bに示すように、上型5及び下型4の表面に噴射器4aにより離型剤を噴霧して塗布した後に、型締めして注入路5aから繊維強化されたウレタン樹脂原料を注入して、反応硬化させてR−RIMウレタンとして製作される。射出成形された基材層6には、ウレタン発泡樹脂との接着性が損なわれないように、表面を洗浄するか又はフィルムを接着する等の後処理を施す。次いで、同図Cに示すように、下型4bに表皮3をセットし、上型5bに基材層6をセットし、さらに注入具7により反応発泡性のウレタン原料樹脂を注入して型締めした状態で反応発泡させることにより、裏面で基材層6が接合し、表面で表皮3に接合した発泡層8が一体化されたインストルメントパネルが製作される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、独立の3工程に対応して金型もそれぞれに必要になるだけでなく、離型剤が噴霧される基材に対してはその影響を回避するための後処理を要する。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、金型の必要個数を削減し、成形工程を簡素化し得る自動車のインストルメントパネルの成形方法及びその成形用金型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させる自動車のインストルメントパネルの成形方法において、金型の一方に表皮をセットすると共に、他方に基材層に対応した形状を備え、かつ表面に突起群が分散形成された入れ子をセットし、金型の型締め状態で、表皮及び入れ子間に形成されているキャビティに反応発泡性樹脂原料を注入して発泡させることにより、突起群に対応した凹部群が裏面に形成され、かつ表皮の裏面に接合される発泡層を形成し、入れ子を取外した型締め状態で、入れ子に代えて形成されたキャビティに基材層用樹脂原料を注入することにより、凹部群にそれぞれ侵入する成形突起群を伴った基材層を形成して発泡層に一体化させることを特徴とする。発泡層の裏面に形成された突起群に、基材層の成形突起群が互いに係合することにより、基材層が発泡層に接合される。
【0006】
入れ子の着脱を不要にするには、請求項2により、表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させるための自動車のインストルメントパネルの成形用金型において、表皮がセットされる固定型の一方の側部に、発泡層の裏面に凹部群を形成するように、表面に突起群が分散形成された発泡層用可動型を型締め可能に枢着し、固定型の他方の側部に、発泡層の裏面に基材層を形成する基材層用可動型を型締め可能に枢着する。
【0007】
この回転切換式の金型装置による成形は、請求項3により、固定型に表皮をセットし、発泡層用上型により型締めして反応発泡性樹脂原料を注入して発泡させることにより、凹部群が裏面に形成され、かつ表皮の裏面に接合された発泡層を形成し、基材層用可動型により型締めして基材層用樹脂原料を注入することにより、凹部群にそれぞれ侵入する成形突起を伴った基材層を形成して発泡層に一体化させる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1を基に本発明の実施の形態の一例による表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を介在させて一体化される自動車のインストルメントパネルの成形方法を説明する。表皮3は、図4Aを基に既述したようなパウダスラッシュ成形で製作されたTPU製である。開閉可能な金型装置の固定型である下型14は表皮3に対応した形状を備え、可動型である上型15には、基材層16に対応した形状を備え、かつ表面にピン状の突起群11がマトリックス状に分散状態で形成された入れ子10が着脱自在にセットされている。この入れ子は鉄もしくはアルミニウム製であり、周辺領域では表皮3に基材層16を直接接合させるように、相対的に小さな外形の発泡層18用キャビティを形成する形状を備え、突起群11は発泡層18の途中位置まで侵入する高さに設定されている。
【0009】
インストルメントパネル19の射出成形に際しては、下型14に表皮3をセットし、上型15に入れ子10をセットした状態で、入れ子10の表面に噴射器4aにより離型剤を噴霧する(図1A)。下型14の中央領域に注入具7により反応発泡性のウレタン原料樹脂13を注入し(同図B)、型締めした状態で反応発泡させることにより、発泡層18を射出成形する(同図C)。その際、発泡層18の裏面には、突起群11に対応した凹部群18aが分散状態で形成される。
【0010】
型開きした状態で、入れ子10を取外して、さらに上型15の表面に離型剤を噴霧する(同図D)。型締め状態で、繊維強化されたR−RIMウレタン樹脂原料を注入路15aから注入して反応硬化させることにより(同図E)、基材層16の周辺領域を表皮3に接合させ、発泡層18の裏面ではピン穴状の凹部群18aに侵入した成形突起群16aが係合し、したがって発泡層18の裏面に入れ子10に塗布した離型剤が残留していたとしても確実に機械的に接合される(同図F)。
【0011】
これにより、発泡層18の裏面に、基材層16の表面が凹凸係合によるアンカ効果により接合が可能となり、発泡層に一面に接合されるように、従来必要であった別の金型で製作された基材層に対する洗浄もしくはフィルム接着が不要となる。また、ウレタン製基材層16が最後に射出成形されてTPU製表皮3と直接そのまま接合可能となることにより、入れ子10の形状により、発泡領域部分を周辺領域に限らず、任意の位置もしくは分離した位置に設定することができる。
【0012】
尚、基材層としては、性質上このような後処理を元来要しない類の基材層と発泡層を一体化する場合でも金型を共通化し得る利点が得られる。また、基材層がそのまま表皮に接合されない材質の場合、接着性を確保するためにプライマ処理を施せば良い。
【0013】
図2は別の実施の形態による成形用金型装置を示す。即ち、表皮3がセットされる固定型20の一方の側部に、発泡層用可動型22が型締め可能にヒンジ25で枢着し、固定型20の側部に突設されたストッパ28で開放位置に拘束されている。固定型20の対向する他方の側部には、基材層用可動型24が型締め可能にヒンジ25aで枢着し、ストッパ28aで拘束されている。これらの可動型22,24は、ウレタン製インストルメントパネルのように、成形圧を比較的低くできる場合、アルミニュウム、樹脂等で軽量に製作される。発泡層用キャビティを形成する発泡層用可動型22の表面は、前述の入れ子10に対応した形状に形成され、突起群21が中央領域にマトリックス状に分散して形成され、周辺領域は表皮3に当接するように平坦状に形成されている。基材層用可動型24は、発泡層用可動型22で射出成形された発泡層の背後に基材層用キャビティを形成する形状を備える。
【0014】
このような成形用金型装置を用いたインストルメントパネル19の成形方法を図3を基に説明する。両側に型開きした状態で固定型20に表皮3をセットし、発泡層用可動型22の表面に噴射器4aにより離型剤を塗布する(図3A)。固定型20の中央領域に注入具7により反応発泡性ウレタン原料樹脂を注入し(同図B)、発泡層用可動型22で型締めした状態で反応発泡させることにより、発泡層18を射出成形する(同図C)。その際、発泡層18の裏面には、突起群21に対応した凹部群18aが一面に分散して形成される。
【0015】
型開きした状態で、基材層用可動型24の表面に離型剤を塗布して(同図D)、型締した状態で注入路26からR−RIMウレタン樹脂原料を注入して反応硬化成形することにより(同図E)、周辺領域が表皮3に接合し、発泡層18の裏面には凹部群18aに侵入した成形突起で係合した基材層16が形成され、同様に中央領域で機械的に接合して一体化される(同図F)。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、表皮及び基材層間に発泡層を介在させたインストルメントパネルの射出成形に際して、基材層及び発泡層用金型が共通化され、したがって射出成形工程も削減され、しかも基材層の材質の如何に拘らず残留離型剤に対する後処理も不要になる。基材層が最後に射出成形されて表皮と接合可能となることにより、入れ子の形状に応じて発泡部分が任意の位置に容易に設定可能となる。
【0017】
請求項2又は請求項3の発明によれば、基材層用の入れ子の着脱操作を要しない回転切換式の金型装置により、同様に射出成形工程が削減され、基材層の残留離型剤に対する後処理も不要になる。基材層用金型の形状により1個もしくは複数の発泡部分が任意に設定可能となる。請求項4の発明によれば、同材質のRIMウレタン基材層及びウレタン発泡層を用いる通常のインストルメントパネルにも有効に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による自動車のインストルメントパネルの成形方法を説明する図である。
【図2】別の実施の形態による自動車のインストルメントパネルの成形方法を実施するための成形用金型を説明する正面図である。
【図3】図2による金型装置を用いた自動車のインストルメントパネルの成形方法を説明する図である。
【図4】従来の自動車のインストルメントパネルの成形方法を説明する図である。
【符号の説明】
3 表皮
10 入れ子
11,21 突起群
14 下型
15 上型
16 基材層
18 発泡層
18a 凹部群
19 インストルメントパネル
20 固定型
22 発泡層用可動型
24 基材層用可動型
Claims (4)
- 表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させる自動車のインストルメントパネルの成形方法において、
開閉可能な金型の一方に表皮をセットすると共に、他方に基材層に対応した形状を備え、かつ表面に突起群が分散形成された入れ子をセットし、
前記金型の型締め状態で、前記表皮及び前記入れ子間に形成されているキャビティに反応発泡性樹脂原料を注入して発泡させることにより、前記突起群に対応した凹部群が裏面に形成され、かつ前記表皮の裏面に接合される発泡層を形成し、
前記入れ子を取外した型締め状態で、前記入れ子に代えて形成されたキャビティに基材層用樹脂原料を注入することにより、前記凹部群にそれぞれ侵入する成形突起群を伴った前記基材層を形成して前記発泡層に一体化させることを特徴とする自動車のインストルメントパネルの成形方法。 - 表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させるための自動車のインストルメントパネルの成形用金型において、
表皮がセットされる固定型の一方の側部に、発泡層の裏面に凹部群を形成するように、表面に突起群が分散形成された発泡層用可動型を型締め可能に枢着し、
前記固定型の他方の側部に、前記発泡層の裏面に基材層を形成する基材層用可動型を型締め可能に枢着したことを特徴とする自動車のインストルメントパネルの成形用金型。 - 請求項2による成形用金型を用いて、表皮及び基材層間に反応射出成形による発泡層を形成して一体化させる自動車のインストルメントパネルの成形方法において、
固定型に表皮をセットし、
発泡層用上型により型締めして反応発泡性樹脂原料を注入して発泡させることにより、凹部群が裏面に形成され、かつ前記表皮の裏面に接合された発泡層を形成し、
基材層用可動型により型締めして基材層用樹脂原料を注入することにより、前記凹部群にそれぞれ侵入する成形突起を伴った基材層を形成して前記発泡層に一体化させることを特徴とする自動車のインストルメントパネルの成形方法。 - 基材層がRIMウレタン樹脂製であり、発泡層が発泡ウレタン樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の自動車のインストルメントパネルの成形方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003107447A JP2004314314A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 自動車のインストルメントパネルの成形方法及びその成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004314314A true JP2004314314A (ja) | 2004-11-11 |
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ID=33469275
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JP2003107447A Pending JP2004314314A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 自動車のインストルメントパネルの成形方法及びその成形用金型 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP2087982A1 (de) * | 2008-02-09 | 2009-08-12 | Bayer MaterialScience AG | Verfahren zur Herstellung von Polyurethanformteilen |
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- 2003-04-11 JP JP2003107447A patent/JP2004314314A/ja active Pending
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