JP2652218B2 - 車体用一体成形防音材 - Google Patents

車体用一体成形防音材

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JP2652218B2
JP2652218B2 JP63250820A JP25082088A JP2652218B2 JP 2652218 B2 JP2652218 B2 JP 2652218B2 JP 63250820 A JP63250820 A JP 63250820A JP 25082088 A JP25082088 A JP 25082088A JP 2652218 B2 JP2652218 B2 JP 2652218B2
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利文 山下
伸治 露口
賢次 鈴木
孝司 前田
光勇 中村
剛 山下
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ASAHI KOOHOREESHON KK
PPONDA GIKEN KOGYO KK
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ASAHI KOOHOREESHON KK
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れた防音性および制振性を有し、車体部
材の所定位置に組み付け自在とした車体用一体成形防音
材に関する。
(従来の技術) 従来、自動車等の車両において鋼板等から成るダッシ
ュパネル、ホイルハウス、トーボード等の車体部材に防
音性を与えるものの1つとしてゴム材または塩化ビニル
材のような比重の重い遮音性シート材と、フェルトまた
はポリウレタン発泡体のような吸音財との積層状の防音
材を各車体部材にクリップ等の取付具を用いて装着した
ものが知られている。
また車体部材に制振性を与えるものの1つとして特開
昭61−29533号公報に見られるように、瀝青物質および
無機質充填剤を主成分として厚み比で1.1〜2.5倍の発泡
倍率を有する発泡剤を混入してなる制振シートを各車体
部材上に載置し、更に拘束層を積層後加熱により制振シ
ートを発泡、融着したものが知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、防音性を与えるための車体部材への防
音材の組付作業は組付位置の確認と位置調整を要し、か
つ組み付けを手作業とするため多くの時間を要して効率
が悪く、かつ各車体部材に夫々防音材を組み付けるた
め、各防音材間に継ぎ目が出来て、この継ぎ目から音が
洩れ易くなるという問題がある。また制振性をあたえる
ための車体部材への制振シートの融着は、車体部材の自
動車への組立作業前に行なわなければならないため、工
程が複雑となって多くの時間を要し、生産率が悪い問題
がある。
本発明は、優れた防音性および制振性を有し、かつ車
体部材の所定位置に簡単にかつ一挙に効率よく組み付け
ることが出来る車両用一体成形防音材を提供することを
目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、前記目的を達成すべく、吸音層と、吸音層
の表面全体に亘って設けた遮音層と、吸音層の裏面側の
所望位置に設けた制振層とから成り、少なくともダッシ
ュパネル部と、ホイルハウス部と、トーボード部とを被
覆する形状に一体的に形成した防音材を、車体部材に接
着材層を介して前記吸音層の裏面側の制振層を組み付け
したことを特徴とする。
本発明で用いる吸音層としては、例えばスポンジゴ
ム、フェルト、合成樹脂発泡体が挙げられるが、その中
でもポリオール混合物にイソシアネート、反応促進剤を
添加して発泡させたポリウレタン発泡体が好適であり、
更に硬度F10〜50度、密度50〜100kg/m3、厚さ10〜30mm
のポリウレタン発泡体が最適である。
また遮音層としては例えば比重の重いゴム製シート
材、合成樹脂製シートが挙げられるが、その中でもポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン、酢酸ビ
ニル共重合体、アクリロニトリル・ブタジェン・スチレ
ン共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂を一種類または二種類
以上を主成分とし、これにエチレン・プロピレンゴム、
イソプレンゴム、スチレン・ブタジェンゴム等の合成ゴ
ム、天然ゴムを一種類または二種類以上と、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、クレー等の充填剤を一種類または
二種類以上とを添加して常法により混練し、圧延したシ
ート状のものが好適であり、更にこのシートを真空加工
成型またはプレス加工成型した厚さ1.5〜3mm、硬度90以
上、比重1.5〜2.5の硬質材が最適である。
また制振層としては例えば瀝青物質に充填剤を添加し
たシート材、瀝青物質に充填剤と発泡剤を添加したシー
ト材、比重の重い合成樹脂製シート材が挙げられるが、
その中でも酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重
合体等の合成樹脂の一種類または二種類を主成分とし、
これにエチレン・プロピレンゴム、イソプレンゴム、ス
チレン・ブタジェンゴム等の合成ゴムを一種類または二
種類以上と、炭酸カルシウム、雲母粉、クレー等の充填
剤を一種類または二種類以上とを添加して常法により混
練し、圧延したシート材のものが好適であり、更にこの
シート材は厚さ2〜4mm、硬度90以上の硬質材が最適で
ある。
なお、一体成形防音材は、一定の間隔を存して対向状
に配設された一対の金型の一方の金型内面に制振層をセ
ットすると共に、他方の金型内面に遮音層をセットせし
め、一方の金型内面と遮音層との間に形成された空間部
に所定量のポリウレタン発泡体原料を注入した後、発泡
させて発泡体の吸音層を形成せしめて製造する。
(実施例) 以下本発明を図面により説明する。
第1図および第2図は本発明の一実施例を示すもので
ある。
図面で、(1)は成形体を示し、成形体(1)は第2
図に示すようにポリウレタン発泡体の吸音層(2)と、
合成樹脂材を主体とした遮音層(3)と、合成樹脂材を
主体とした制振層(4)とから成るものであって、吸音
層(2)の表面と遮音層(3)とは全面に亘って重ね合
わさっており、また吸音層(2)の裏面側にハンドル、
計器、ハーネス類、ペタル等の配置部分を除いた所望位
置に制振層(4)を吸音層(2)および遮音層(3)と
一体に形成した。また成形体(1)の形状は第1図に示
すように車体の車室とエンジン室とを仕切るダッシュパ
ネル部(5)と、ホイルハウス部(6)と、トーボード
部(7)とを被覆する形状とした。
そして第2図に示すように既に組み立てられているダ
ッシュパネル、ホイルハウス、トーボード等の鋼板製車
体部材(9)にアクリル系、ウレタン系、アスファルト
系等の粘着接着剤層(8)を介して成型体(1)の吸音
層(2)側を組み付けるようにした。
かくするときは、吸音層(2)と遮音層(3)とによ
って優れた防音性が得られると共に、吸音層(2)およ
び遮音層(3)は継ぎ目なしに一体に形成されているか
ら、継ぎ目のある従来品とは異なって音が洩れることが
ない。
また吸音層(2)の裏面側に制振層(4)を設けたか
ら従来のように車体部材への貼着作業を予め行なわなく
とも制振性が得られる。
また成形体(1)の形状はダッシュパネル部(5)
と、ホイルハウス部(6)と、トーボード部(7)とを
被覆する形状であり、かつ吸音層(2)と、遮音層
(3)と、制振層(4)とは一体に形成されているの
で、車体部材(9)の所定位置への組付作業を一工程で
行なうことが出来るため、簡単にかつ効率よく組み付け
することが出来る。
本発明の具体的実施例と比較例との構成は表の通りで
ある。
尚、遮音量および制振特性を調べるため実施例1,2およ
び比較例1,2を試験用鋼板に貼着するのにアクリル系接
着剤を用いた。
前記実施例1,2および比較例1,2の夫々について遮音量
について調べたところ、第3図のとおりであった。また
制振特性(損失係数)について調べたところ第4図のと
おりであった。
試験方法 (1) 遮音量:完成車においてエンジンルーム側音圧
と車室側音圧との差として表わす。
(2) 制振特性:一端固定の片持梁共振法に基づく。
第3図および第4図から明らかなように本発明の実施
例1,2の車体用一体成形防音材の遮音量は、比較例1,2の
車体用各部材を順次組み付けした防音材の遮音量に比し
てエンジン全回転域ににおいて優れた防音効果を有して
いる。また実施例1,2の車体用一体成形防音材の制振特
性は比較例1,2の車体用各部材を順次組付けした防音材
の制振特性に比して低温から高温までの広範囲温度域で
優れた制振効果を有している。従って本発明の実施例は
優れた防音性と制振性を有していることが確認された。
(発明の効果) このように本発明によるときは、防音材は一体成形体
のためダッシュパネル等の車体部材の所定位置に簡単か
つ一挙に効率よく組み付けることが出来、また吸音層と
遮音層とは少なくともダッシュパネル部と、ホイルハウ
ス部と、トーボード部とを被覆する形状に継ぎ目なしに
形成されているため、従来のように継ぎ目からの音洩れ
がなく優れた防音性と制振性とを有し、更に吸音層の裏
面側に設けたので、予めダッシュパネル等の車体部材へ
の制振層の貼着等の作業を行なうことなく車体部材に制
振層の組み付けを簡単に行なうことが出来る等の効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を示すものであ
り、第1図は側方からの斜視図、第2図は第1図のII−
II線拡大断面図、第3図は遮音性能試験の結果を示す線
図、第4図は制振性能試験の結果を示す線図である。 (1)……成形体 (2)……吸音層 (3)……遮音層 (4)……制振層 (5)……ダッシュパネル部 (6)……ホイルハウス部 (7)……トーボード部
フロントページの続き (72)発明者 前田 孝司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 中村 光勇 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 山下 剛 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−18538(JP,A) 特開 昭62−289446(JP,A) 実開 昭61−125854(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸音層と、吸音層の表面全面に亘って設け
    た遮音層と、吸音層の裏面側の所望位置に設けた制振層
    とから成り、少なくともダッシュパネル部と、ホイルハ
    ウス部と、トーボード部とを被覆する形状に一体的に形
    成した防音材を、車体部材に接着剤層を介して前記吸音
    層の裏面側の制振層を組み付けしたことを特徴とする車
    体用一体成形防音材。
JP63250820A 1988-10-06 1988-10-06 車体用一体成形防音材 Expired - Lifetime JP2652218B2 (ja)

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