JPH0976391A - 遮音構造 - Google Patents
遮音構造Info
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- JPH0976391A JPH0976391A JP7239606A JP23960695A JPH0976391A JP H0976391 A JPH0976391 A JP H0976391A JP 7239606 A JP7239606 A JP 7239606A JP 23960695 A JP23960695 A JP 23960695A JP H0976391 A JPH0976391 A JP H0976391A
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- JP
- Japan
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- air layer
- sound insulation
- partition wall
- insulation structure
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- Laminated Bodies (AREA)
- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 例えば車両のエンジン透過音等の車室内の騒
音の低減を図った遮音構造を提供する。 【解決手段】 騒音発生源と室内とを仕切るパネルの該
室内側に装着された隔壁と空気層とからなる遮音構造に
おいて、上記パネル13側から第1空気層14、第1隔
壁15、第2空気層16及び第2隔壁17の順に二重に
配置すると共に、下記式(1)及び式(2)の条件を満
たす。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・
・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・
・(2)
音の低減を図った遮音構造を提供する。 【解決手段】 騒音発生源と室内とを仕切るパネルの該
室内側に装着された隔壁と空気層とからなる遮音構造に
おいて、上記パネル13側から第1空気層14、第1隔
壁15、第2空気層16及び第2隔壁17の順に二重に
配置すると共に、下記式(1)及び式(2)の条件を満
たす。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・
・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・
・(2)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両のエン
ジン透過音等の車室内の騒音の低減を図った遮音構造に
関する。
ジン透過音等の車室内の騒音の低減を図った遮音構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両のエンジン騒音及
びロードノイズ等の外部騒音が車室内に透過侵入して、
車室内騒音(受音)となるのを低減するために、ボデイ
各部には遮音材や吸音材等が配され、騒音を防止してい
る。
びロードノイズ等の外部騒音が車室内に透過侵入して、
車室内騒音(受音)となるのを低減するために、ボデイ
各部には遮音材や吸音材等が配され、騒音を防止してい
る。
【0003】特に、大きな音を発生するエンジンルーム
と車内とのダッシュパネルにおいては、特に耳障りな高
い周波数の騒音を低減するため、図5に示すように、ダ
ッシュパネルの鋼板01側から空気層02と隔壁03と
から構成した一重遮音構造04がある。尚、符号05は
カーペットを図示する。
と車内とのダッシュパネルにおいては、特に耳障りな高
い周波数の騒音を低減するため、図5に示すように、ダ
ッシュパネルの鋼板01側から空気層02と隔壁03と
から構成した一重遮音構造04がある。尚、符号05は
カーペットを図示する。
【0004】このような一例として、例えば特開平6−
344486号公報には、成形吸音層としてダッシュパ
ネルの形状に即して形成された形状を保持する空気層に
相当する保形性吸音材層と、ダッシュパネルからの振動
を減衰する隔壁に相当する柔軟性吸音層との積層体から
構成した遮音構造体が提案されている。
344486号公報には、成形吸音層としてダッシュパ
ネルの形状に即して形成された形状を保持する空気層に
相当する保形性吸音材層と、ダッシュパネルからの振動
を減衰する隔壁に相当する柔軟性吸音層との積層体から
構成した遮音構造体が提案されている。
【0005】また、更に騒音低減を図るために、上記一
重遮音構造04において、空気層02の厚さ又は隔壁0
3の面密度を種々変化させて、遮音の向上を図っていた
が、更に、図6に示すように、図5の空気層02及び隔
壁03から構成してなる一重遮音構造04を単に二重と
して、第1の空気層02a及び第1の隔壁03a並び
に、第2の空気層02b及び第2の隔壁03bからなる
二重遮音構造06が採用されている。
重遮音構造04において、空気層02の厚さ又は隔壁0
3の面密度を種々変化させて、遮音の向上を図っていた
が、更に、図6に示すように、図5の空気層02及び隔
壁03から構成してなる一重遮音構造04を単に二重と
して、第1の空気層02a及び第1の隔壁03a並び
に、第2の空気層02b及び第2の隔壁03bからなる
二重遮音構造06が採用されている。
【0006】図7に、上記一重遮音構造04及び二重遮
音構造06の透過損失と1/3オクターブ中心周波数と
の関係を示す。以下、空気層にはフェルト、隔壁にはゴ
ム材料(セプタム;商品名)を用いた。図7に示すよう
に、図5に示した一重遮音構造04として、鋼板01を
0.8mm,空気層02を20mm,隔壁03を3.4
kg/m2 とした場合に、特性aの損失曲線を得た。ま
た、図6に示した二重遮音構造04として、鋼板01を
0.8mm,第1空気層02aを10mm,第1隔壁0
3aを1.9kg/m2 ,第2空気層02bを10m
m,第2隔壁03bを1.9kg/m2 とした場合に、
特性bの損失曲線を得た。また、二重遮音構造06とし
て、第1の隔壁03a及び第2の隔壁03bの面密度を
3.4kgとした場合には、特性cの損失曲線を得た。
音構造06の透過損失と1/3オクターブ中心周波数と
の関係を示す。以下、空気層にはフェルト、隔壁にはゴ
ム材料(セプタム;商品名)を用いた。図7に示すよう
に、図5に示した一重遮音構造04として、鋼板01を
0.8mm,空気層02を20mm,隔壁03を3.4
kg/m2 とした場合に、特性aの損失曲線を得た。ま
た、図6に示した二重遮音構造04として、鋼板01を
0.8mm,第1空気層02aを10mm,第1隔壁0
3aを1.9kg/m2 ,第2空気層02bを10m
m,第2隔壁03bを1.9kg/m2 とした場合に、
特性bの損失曲線を得た。また、二重遮音構造06とし
て、第1の隔壁03a及び第2の隔壁03bの面密度を
3.4kgとした場合には、特性cの損失曲線を得た。
【0007】図7の結果より、図6に示す二重遮音構造
06にすると、図5に示す一重遮音構造04の場合と較
べて、約1kHz以上の周波数域の遮音性が向上してい
る。
06にすると、図5に示す一重遮音構造04の場合と較
べて、約1kHz以上の周波数域の遮音性が向上してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の単なる二重の遮音構造においては、図8に示す
ように、約1kHz以上の周波数域の遮音性が向上する
ものの、共振周波数域の1kHz以下の遮音性が不十分
である、という問題がある。
た従来の単なる二重の遮音構造においては、図8に示す
ように、約1kHz以上の周波数域の遮音性が向上する
ものの、共振周波数域の1kHz以下の遮音性が不十分
である、という問題がある。
【0009】また、一方、建築構造物等においても、施
工条件からある程度の幅内に遮音構造を収める必要があ
る場合には、遮音材料を厚くすることができず、結果と
して良好な遮音性が発揮されない。
工条件からある程度の幅内に遮音構造を収める必要があ
る場合には、遮音材料を厚くすることができず、結果と
して良好な遮音性が発揮されない。
【0010】本発明は上記問題に鑑み、共振周波数域の
遮音性の低下がなくしかも高周波域の遮音性が向上する
遮音構造を提供することを目的とする。
遮音性の低下がなくしかも高周波域の遮音性が向上する
遮音構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の第1の遮音構造の構成は、騒音発生源と室内とを仕
切るパネルの該室内側に装着された隔壁と空気層とから
なる遮音構造において、上記パネル側から第1空気層、
第1隔壁、第2空気層及び第2隔壁の順に二重に配置す
ると共に、下記式(1)及び式(2)の条件を満たすこ
とを特徴とする。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・・(2)
明の第1の遮音構造の構成は、騒音発生源と室内とを仕
切るパネルの該室内側に装着された隔壁と空気層とから
なる遮音構造において、上記パネル側から第1空気層、
第1隔壁、第2空気層及び第2隔壁の順に二重に配置す
ると共に、下記式(1)及び式(2)の条件を満たすこ
とを特徴とする。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・・(2)
【0012】本発明の第2の車両の遮音構造の構成は、
エンジンルームと車室内とを仕切るダッシュパネルの該
車室内側に装着された隔壁と空気層とからなる車両の遮
音構造において、上記ダッシュパネル側から第1空気
層、第1隔壁、第2空気層及び第2隔壁の順に二重に配
置すると共に、下記式(1)及び式(2)の条件を満た
すことを特徴とする。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・・(2)
エンジンルームと車室内とを仕切るダッシュパネルの該
車室内側に装着された隔壁と空気層とからなる車両の遮
音構造において、上記ダッシュパネル側から第1空気
層、第1隔壁、第2空気層及び第2隔壁の順に二重に配
置すると共に、下記式(1)及び式(2)の条件を満た
すことを特徴とする。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・・(2)
【0013】上記第1及び第2の遮音構造において、上
記隔壁の面密度と空気層の厚さとの関係が下記式(3)
の条件を満たすことを特徴とする。 (第1空気層の厚さ/第2空気層の厚さ)>(第2隔壁の面密度/第1隔壁の 面密度) ・・・(3)
記隔壁の面密度と空気層の厚さとの関係が下記式(3)
の条件を満たすことを特徴とする。 (第1空気層の厚さ/第2空気層の厚さ)>(第2隔壁の面密度/第1隔壁の 面密度) ・・・(3)
【0014】上記遮音構造において、上記隔壁がポリ塩
化ビニル(PVC),オレフィン系熱可塑性エラストマ
(TPO)又は合成ゴム等の高分子材料、或いは合成繊
維,綿,麻等の繊維材料からなることを特徴とする。
化ビニル(PVC),オレフィン系熱可塑性エラストマ
(TPO)又は合成ゴム等の高分子材料、或いは合成繊
維,綿,麻等の繊維材料からなることを特徴とする。
【0015】上記遮音構造において、上記空気層がフェ
ルト材,発泡ウレタン材,繊維材料等の空気を保持する
層からなることを特徴とする。
ルト材,発泡ウレタン材,繊維材料等の空気を保持する
層からなることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施する実施の形態
例を図面を参照にして説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
例を図面を参照にして説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0017】図1は本発明の遮音構造の一例を示し、ダ
ッシュ部遮音部材の構造を示す。図2は本発明にかかる
遮音構造を車両の遮音に適用したものである。図中、符
号11はダッシュ部遮音部材を示す。
ッシュ部遮音部材の構造を示す。図2は本発明にかかる
遮音構造を車両の遮音に適用したものである。図中、符
号11はダッシュ部遮音部材を示す。
【0018】図1に示すように、ダッシュ部遮音部材1
1は、鋼板からなるダッシュパネル13と該パネル13
側から順に、第1空気層14,第1隔壁15,第2空気
層16,第2隔壁17及びカーペット18から二重に配
置して構成されている。また、上記ダッシュパネル13
側から順に設けられた第1空気層14、第1隔壁15、
第2空気層16及び第2隔壁17は、下記式(1)及び
式(2)の条件を満たすようにしている。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・・(2)
1は、鋼板からなるダッシュパネル13と該パネル13
側から順に、第1空気層14,第1隔壁15,第2空気
層16,第2隔壁17及びカーペット18から二重に配
置して構成されている。また、上記ダッシュパネル13
側から順に設けられた第1空気層14、第1隔壁15、
第2空気層16及び第2隔壁17は、下記式(1)及び
式(2)の条件を満たすようにしている。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・・(2)
【0019】本実施の形態例では、二重遮音構造の遮音
部材11において、パネル13を0.8mm,第1空気
層を15mm,第1隔壁を1.9kg/m2 ,第2空気
層を7mm,第2隔壁を3.4kg/m2 としている。
部材11において、パネル13を0.8mm,第1空気
層を15mm,第1隔壁を1.9kg/m2 ,第2空気
層を7mm,第2隔壁を3.4kg/m2 としている。
【0020】本実施の形態例では、第1及び第2の空気
層をフェルトとしているが、本発明はこれに限定され
ず、例えば発泡ウレタン材,繊維材料等の空気を保持す
る層を用いてもよい。上記空気層の厚さは、限定される
ものではないが、例えば車両の遮音部材として用いる場
合には、その厚さが制限されるので、上記空気層の各々
の厚さが、3〜30mmとするのが好ましい。また、そ
の目付量は上記厚さによって変動するが約300〜10
00g/m2とするのがよい。
層をフェルトとしているが、本発明はこれに限定され
ず、例えば発泡ウレタン材,繊維材料等の空気を保持す
る層を用いてもよい。上記空気層の厚さは、限定される
ものではないが、例えば車両の遮音部材として用いる場
合には、その厚さが制限されるので、上記空気層の各々
の厚さが、3〜30mmとするのが好ましい。また、そ
の目付量は上記厚さによって変動するが約300〜10
00g/m2とするのがよい。
【0021】また、本実施の形態例では、第1及び第2
の隔壁をゴム系材料(セプタム;商品名)としている
が、本発明はこれに限定されず、例えばオレフィン系熱
可塑性エラストマ(TPO)又は塩化ビニル等の高分子
材料、或いは合成繊維,綿,麻等の繊維材料を用いても
よい。
の隔壁をゴム系材料(セプタム;商品名)としている
が、本発明はこれに限定されず、例えばオレフィン系熱
可塑性エラストマ(TPO)又は塩化ビニル等の高分子
材料、或いは合成繊維,綿,麻等の繊維材料を用いても
よい。
【0022】また、上記遮音構造において、上記隔壁の
面密度と空気層の厚さとの関係が下記式(3)の条件を
満たすようにしている。 (第1空気層の厚さ/第2空気層の厚さ)>(第2隔壁の面密度/第1隔壁の 面密度) ・・・(3) (15/7)>(1.9/3.4) すなわち、 2.14>1.79 の関係にある。
面密度と空気層の厚さとの関係が下記式(3)の条件を
満たすようにしている。 (第1空気層の厚さ/第2空気層の厚さ)>(第2隔壁の面密度/第1隔壁の 面密度) ・・・(3) (15/7)>(1.9/3.4) すなわち、 2.14>1.79 の関係にある。
【0023】ここで、本発明の遮音構造の作用について
説明する。
説明する。
【0024】図5の振動系で、パネル13の振幅を
x0 ,第1隔壁15の振幅をx1 ,第2隔壁17の振幅
をx2 とし、第1空気層14の剛性をk1 ,第1隔壁1
5の質量をm1 ,第2空気層の剛性をk2 、第2隔壁の
質量をm2 とした場合に、 m2 =αm1 ,k2 =βk1 とおき、x0 =1とすると、
x0 ,第1隔壁15の振幅をx1 ,第2隔壁17の振幅
をx2 とし、第1空気層14の剛性をk1 ,第1隔壁1
5の質量をm1 ,第2空気層の剛性をk2 、第2隔壁の
質量をm2 とした場合に、 m2 =αm1 ,k2 =βk1 とおき、x0 =1とすると、
【数1】 となる。ここで、ωは角振動数を表わす。ω1 2=k1/
m1,ω2 2=k2/m2=βk1/αm1 と置き、x2 の逆
数をとると、
m1,ω2 2=k2/m2=βk1/αm1 と置き、x2 の逆
数をとると、
【数2】 となる。
【0025】この系の固有角振動数をω1′,ω2′(ω
1′≦ω2′)とすると、 ω1 ≦ω2 の場合 ω1′≦ω1 ≦ω2 ≦ω2′ ω2 ≦ω1 の場合 ω1′≦ω2 ≦ω1 ≦ω2′ である。
1′≦ω2′)とすると、 ω1 ≦ω2 の場合 ω1′≦ω1 ≦ω2 ≦ω2′ ω2 ≦ω1 の場合 ω1′≦ω2 ≦ω1 ≦ω2′ である。
【0026】一般的に、
【数3】 透過損失が一重壁の遮音構造より増大するが、ω1′か
らω2′の角振動数域では低下する。この角振動数域の
透過損失を増大するには、|1/x2|を大きくすれば
良い。ここで、η=β/αとおくと ω2 2=ηω1 2
らω2′の角振動数域では低下する。この角振動数域の
透過損失を増大するには、|1/x2|を大きくすれば
良い。ここで、η=β/αとおくと ω2 2=ηω1 2
【数4】 となる。
【0027】透過損失の低下が特に大きなω1 からω2
(あるいはω2 からω1 )の角振動数について考える。
(あるいはω2 からω1 )の角振動数について考える。
【数5】 より、|1/x2|を大きくするためには 1) ω1 <ω2 の場合 ・αを大きくとる、 ・ηを大きくとる、つまり β>αとする。 2) ω1 >ω2 の場合 ・αを大きくとる、 ・ηを小さくとる、つまり β<αとする。 という結果が得られる。
【0028】どちらの場合もαが大きな程良いことか
ら、 上層の隔壁の面密度>下層の隔壁の面密度 となる。一方、βはω1<ω2 とする場合とω1>ω2 と
する場合でαとの大小関係が異なる。遮音構造の厚さを
薄くする、つまりより薄くて透過損失の優れた構造とす
るためには空気層の厚さdを小さくした方が良い。剛性
k∝1/dであるから、βを小さくするためには厚さd
を大きくしなければならない。従って、より薄く透過損
失に優れた構造とするためにはβが大きな方が良い。つ
まりβ>αの方が良い。
ら、 上層の隔壁の面密度>下層の隔壁の面密度 となる。一方、βはω1<ω2 とする場合とω1>ω2 と
する場合でαとの大小関係が異なる。遮音構造の厚さを
薄くする、つまりより薄くて透過損失の優れた構造とす
るためには空気層の厚さdを小さくした方が良い。剛性
k∝1/dであるから、βを小さくするためには厚さd
を大きくしなければならない。従って、より薄く透過損
失に優れた構造とするためにはβが大きな方が良い。つ
まりβ>αの方が良い。
【0029】以上のことから、ω1′からω2′の角振動
数域で透過損失を増大するには、式(1),(2)を満
足することが必要となる。 第2(上層)の隔壁の面密度>第1の(下層)の隔壁の面密度 …(1) 第2(上層)の空気層の厚さ<第1の(下層)の空気層の厚さ …(2)
数域で透過損失を増大するには、式(1),(2)を満
足することが必要となる。 第2(上層)の隔壁の面密度>第1の(下層)の隔壁の面密度 …(1) 第2(上層)の空気層の厚さ<第1の(下層)の空気層の厚さ …(2)
【0030】さらに、
【数6】 とした条件の遮音構造とするのが有効である。
【0031】〔実施例〕以下、本発明の効果を示す実施
例を説明する。
例を説明する。
【0032】下記、「表1」に示す条件の遮音構造を作
製し、その透過損失を測定した。本実施例では、図1に
示すものと同様な構造とし、鋼板からなるダッシュパネ
ル13と該パネル13側から順に、第1空気層14及び
第2空気層16としてフェルト材(目付量は厚さ15m
mでは750g/m2 、厚さ7mmでは350g/
m2 ),第1隔壁15及び第2隔壁17としてゴム系材
料(セプタム:商品名)並びにカーペット18としてポ
リエチレンシートにポリエステル繊維を植え付けたもの
(目付量400g/m2 )を用いて、遮音性能の測定を
実施した。その結果を「表1」に示す。
製し、その透過損失を測定した。本実施例では、図1に
示すものと同様な構造とし、鋼板からなるダッシュパネ
ル13と該パネル13側から順に、第1空気層14及び
第2空気層16としてフェルト材(目付量は厚さ15m
mでは750g/m2 、厚さ7mmでは350g/
m2 ),第1隔壁15及び第2隔壁17としてゴム系材
料(セプタム:商品名)並びにカーペット18としてポ
リエチレンシートにポリエステル繊維を植え付けたもの
(目付量400g/m2 )を用いて、遮音性能の測定を
実施した。その結果を「表1」に示す。
【0033】
【表1】
【0034】図4及び表1に示すように、本発明の式
(1),(2)を満足する遮音構造Aは、,共振周波数
域の1kHz以下の遮音性が比較例1及び2に較べて良
好である。
(1),(2)を満足する遮音構造Aは、,共振周波数
域の1kHz以下の遮音性が比較例1及び2に較べて良
好である。
【0035】また、この構造を車両のダッシュ部材に用
いて、走行試験をしたところ、中高周波数域(250H
z以上)からの騒音レベルが低減し、従来より遮音性能
の向上を図ることができた。この結果、本発明の遮音構
造によれば、良好な遮音性が図れることが確認された。
いて、走行試験をしたところ、中高周波数域(250H
z以上)からの騒音レベルが低減し、従来より遮音性能
の向上を図ることができた。この結果、本発明の遮音構
造によれば、良好な遮音性が図れることが確認された。
【0036】
【発明の効果】本発明の遮音構造によれば、空気層及び
隔壁からなる遮音構造を二重として二重遮音構造とする
と共に、上記空気層及び隔壁を所定の関係としているの
で、共振周波数域の遮音性の低下がなくしかも高周波域
の遮音性が向上し、例えば車両のダッシュ部の遮音に用
いた場合においてその遮音効果が向上する。
隔壁からなる遮音構造を二重として二重遮音構造とする
と共に、上記空気層及び隔壁を所定の関係としているの
で、共振周波数域の遮音性の低下がなくしかも高周波域
の遮音性が向上し、例えば車両のダッシュ部の遮音に用
いた場合においてその遮音効果が向上する。
【0037】また、本発明にかかる遮音構造は、車両の
遮音みならず、施工条件からその厚さが制限される騒音
発生源と室内との遮音性の向上にも寄与する。
遮音みならず、施工条件からその厚さが制限される騒音
発生源と室内との遮音性の向上にも寄与する。
【図1】本発明に係る遮音構造の概略図である。
【図2】本発明の遮音構造を車両のダッシュ部に適用し
た例を示す概略図である。
た例を示す概略図である。
【図3】本発明の二重遮音構造の透過損失と1/3オク
ターブ中心周波数との関係を示すグラフである。
ターブ中心周波数との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の二重遮音構造の模式概略図である。
【図5】従来の一重遮音構造の概略図である。
【図6】従来の二重遮音構造の概略図である。
【図7】従来の一重遮音構造及び二重遮音構造の透過損
失と1/3オクターブ中心周波数との関係を示すグラフ
である。
失と1/3オクターブ中心周波数との関係を示すグラフ
である。
11 ダッシュ部遮音部材 13 鋼板からなるダッシュパネル 14 第1空気層 15 第1隔壁 16 第2空気層 17 第2隔壁 18 カーペット 21 空気層 22 隔壁
Claims (5)
- 【請求項1】 騒音発生源と室内とを仕切るパネルの該
室内側に装着された隔壁と空気層とからなる遮音構造に
おいて、 上記パネル側から第1空気層、第1隔壁、第2空気層及
び第2隔壁の順に二重に配置すると共に、下記式(1)
及び式(2)の条件を満たすことを特徴とする遮音構
造。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・・(2) - 【請求項2】 エンジンルームと車室内とを仕切るダッ
シュパネルの該車室内側に装着された隔壁と空気層とか
らなる車両の遮音構造において、 上記ダッシュパネル側から第1空気層、第1隔壁、第2
空気層及び第2隔壁の順に二重に配置すると共に、下記
式(1)及び式(2)の条件を満たすことを特徴とする
車両の遮音構造。 第1隔壁の面密度<第2隔壁の面密度 ・・・(1) 第1空気層の厚さ>第2空気層の厚さ ・・・(2) - 【請求項3】 請求項1又は2記載の遮音構造におい
て、 上記隔壁の面密度と空気層の厚さとの関係が下記式
(3)の条件を満たすことを特徴とする遮音構造。 (第1空気層の厚さ/第2空気層の厚さ)>(第2隔壁の面密度/第1隔壁の 面密度) ・・・(3) - 【請求項4】 請求項1乃至3記載の遮音構造におい
て、 上記隔壁がポリ塩化ビニル(PVC),オレフィン系熱
可塑性エラストマ(TPO)又は合成ゴム等の高分子材
料、或いは合成繊維,綿,麻等の繊維材料からなること
を特徴とする遮音構造。 - 【請求項5】 請求項1乃至3記載の遮音構造におい
て、 上記空気層がフェルト材,発泡ウレタン材,繊維材料等
の空気を保持する層からなることを特徴とする遮音構
造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7239606A JPH0976391A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 遮音構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7239606A JPH0976391A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 遮音構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0976391A true JPH0976391A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=17047258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7239606A Withdrawn JPH0976391A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 遮音構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0976391A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009090845A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Kasai Kogyo Co Ltd | 車両用防音材 |
JP2009293252A (ja) * | 2008-06-04 | 2009-12-17 | Yamaha Corp | 吸音構造体、吸音構造体群、吸音構造、音響室及び騒音低減方法 |
JP2009293251A (ja) * | 2008-06-04 | 2009-12-17 | Yamaha Corp | 吸音構造、吸音構造群、音響室及び騒音低減方法 |
KR101337956B1 (ko) * | 2011-11-11 | 2013-12-09 | 현대자동차주식회사 | 음향 메타재료를 이용한 차량용 소음 저감 장치 |
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JP2020050275A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | マツダ株式会社 | 自動車のパネル構造 |
WO2021117901A1 (ja) * | 2019-12-12 | 2021-06-17 | 旭化成株式会社 | 多層吸音材 |
-
1995
- 1995-09-19 JP JP7239606A patent/JPH0976391A/ja not_active Withdrawn
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