JP2009293251A - 吸音構造、吸音構造群、音響室及び騒音低減方法 - Google Patents
吸音構造、吸音構造群、音響室及び騒音低減方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】吸音構造1においては、フェルトシート30の上にゴムシート20が載せられ、ゴムシート20の上に支持部材40が固着され、支持部材40を挟んでゴムシート20と対向するようにして振動体10が支持部材40に接着されている。これにより、振動体10、支持部材40およびゴムシート20とで囲まれて振動体10の背後には区画された空気層50が形成されている。そして、この吸音構造1が、フェルトシート30を部屋の境界面2に向けて境界面2に固定される。
【選択図】図2
Description
また、本発明は、上記吸音構造を複数組み合わせた吸音構造群を提供する。
上記吸音構造群においては、組み合わされた複数の吸音構造の各空気層のサイズが各々異なっていてもよい。
また、上記吸音構造群においては、組み合わされた複数の吸音構造の各空気層の厚みが各々異なっていてもよい。
また、本発明は、上記吸音構造または吸音構造群を有し、前記吸音構造または前記吸音構造群が設置される空間を仕切る境界面に前記吸音構造の前記第1部材が接している吸音構造を提供する。
図1は、本発明の一実施形態に係る吸音構造1の外観図、図2は、吸音構造1の断面図(図1のA−A線断面矢視図)である。吸音構造1は、自動車において車室を構成する各種パネルの車室側や、一般家屋やビルなどの部屋、防音室、音楽室、ホール、劇場、音響機器のリスニングルーム、会議室等の居室など各種の音響室の境界面(壁、床、天井など)に配置されて音を吸音するものである。なお、図面においては、本実施形態の構成を分かりやすく図示するために、吸音構造1の寸法を実際の寸法とは異ならせてある。
吸音構造1は、図に示したように振動体10、ゴムシート20、フェルトシート30および支持部材40で構成されている。
振動体10は、弾性を有するプラスチックで形成された板状で矩形の部材であり、力(音圧)を加えると変形し、弾性により復元力を発生して振動する部材である。なお、本実施形態においては、振動体10の素材はプラスチックとしているが、素材はプラスチックに限定されず、弾性を有し屈曲振動が生じるのであれば合成樹脂、紙、合成樹脂、金属、繊維板など他の素材であってもよい。
支持部材40は、合成樹脂を矩形の枠形に形成した部材である。なお、支持部材40についても、素材は合成樹脂に限定されず金属など他の素材であってもよいが、振動体10よりも相対的に剛性が高いのが好ましい。
ゴムシート20は、弾性を有するゴムを板状又は膜状にして矩形に形成したものであり、力(音圧)を加えると変形し、弾性により復元力を発生して振動する部材である。
フェルトシート30は、獣毛に熱と水分を含ませ大きな圧力により時間をかけて揉み固めた (縮絨された)所謂フェルトであり、その形状は板状で矩形となっている。フェルトシート30は、力(音圧)を加えると変形し、力(音圧)がかからなくなると弾性により復元力を発生して元の形状に戻る多孔質材である。なお、本実施形態においては、ゴムシート20よりフェルトシート30の方が柔らかくなっており、フェルトシート30よりゴムシート20の方が大きな質量(面密度)となっている。
吸音構造1においては、フェルトシート30の上にゴムシート20が載せられている。そして、ゴムシート20の上に支持部材40が固着され、支持部材40を挟んでゴムシート20と対向するようにして振動体10が支持部材40に接着されている。これにより、振動体10、支持部材40およびゴムシート20とで囲まれて振動体10の背後には長方体の形状に区画された空気層50が形成されている。なお、本実施形態においては空気層50は、密閉されているが、支持部材40に孔を設けて空気層50が吸音構造1の外側の空間と通じるようにしてもよい。
また、音波は振動体10と空気層50を通過してゴムシート20に到達する。音波がゴムシート20に到達すると、音波の音圧とフェルトシート30の弾性によりゴムシート20が振動し、音波のエネルギは、この振動によっても消費されて音が吸音される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
この構成においては、振動体10が振動により変形すると、付加部材60が変形して付加部材60の内部で内部摩擦が生じ、この摩擦によっても音波のエネルギが消費されて音が吸音される。また、振動体10と付加部材60との接触面(界面)で摩擦が生じる構成であると、この摩擦によっても音波のエネルギが消費されて音が吸音される。つまり、この構成では付加部材60を取り付けない場合と比較して、より音波のエネルギが消費されることとなるので、より吸音がされることとなる。
図4に示したように、付加部材60を有していてもゴムシート20、フェルトシート30を備えていない場合、(図4の(1)のグラフ)には、400[Hz]に吸音率のピーク(約0.58)が表れているが、315[Hz]以下では吸音率が下がっている。
一方、ゴムシート20、フェルトシート30を有し、付加部材60を振動体10の表面に配置した場合(図4の(2)のグラフ)には、200[Hz]〜315[Hz]の間の吸音率が(1)の場合より高くなっており、吸音率の良い周波数帯が低域側に広がっていることが分かる。
また、本発明においては、支持部材40の内側を格子状に区切り、振動体10の背後に複数の空気層50が形成されるようにしてもよい。
また、付加部材60は、振動体10において空気層50側の面に取り付けられているが、空気層50と反対側に付加部材60を取り付けるようにしてもよい。この場合、付加部材は音響透過性を有する部材であって、フェルト、グラスウール、クロス等の多孔質部材や有孔部材で構成される。これらの音響透過部材により中高音域を吸音する一方で、低音域はこれらの部材を透過するため、振動体10の振動により低音域を吸音する。
また、本発明においては、外力を受けて振動体10と共に変形する部材を振動体10の表面全体に取り付けるようにしてもよい。なお、この構成においては、取り付けられる部材は、部材を貫通する孔が規則的に部材全体に配置されているのが好ましい。
Claims (8)
- 弾性を有する板状または膜状の振動体と、
弾性を有する板状又は膜状の第1部材と、
前記第1部材とは異なる弾性を有する板状又は膜状の第2部材と
を有し、
前記第1部材の表面に前記第2部材が積み重ねられ、前記第2部材との間に空気層を挟んで前記振動体が位置する吸音構造。 - 前記振動体の表面に付加部材を有することを特徴とする請求項1に記載の吸音構造。
- 請求項1または請求項2に記載の吸音構造を複数組み合わせた吸音構造群。
- 組み合わされた複数の吸音構造の各空気層のサイズが各々異なることを特徴とする請求項3に記載の吸音構造群。
- 組み合わされた複数の吸音構造の各空気層の厚みが各々異なることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の吸音構造群。
- 請求項1若しくは請求項2に記載の吸音構造、または請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の吸音構造群を有し、前記吸音構造または前記吸音構造群が設置される空間を仕切る境界面に前記吸音構造の前記第1部材が接している吸音構造。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の吸音構造または吸音構造群を有する音響室。
- 弾性を有する板状または膜状の振動体と、
弾性を有する板状又は膜状の第1部材と、
前記第1部材とは異なる弾性を有する板状又は膜状の第2部材と
を有し、
前記第1部材の表面に前記第2部材が積み重ねられ、前記第2部材との間に空気層を挟んで前記振動体が位置し、
前記振動体が振動して騒音を低減すると共に、前記第2部材が振動して騒音を低減する騒音低減方法。
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