JP2009204836A - 吸音構造、吸音構造群、音響室、吸音構造の調整方法及び騒音低減方法 - Google Patents

吸音構造、吸音構造群、音響室、吸音構造の調整方法及び騒音低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動体の構造全体の質量を大きく変更することなく吸音する音を変更可能とする。
【解決手段】吸音構造1は、筐体10と振動体20とで構成されている。振動体20は、弾性を有する合成樹脂で形成された第1部材21と、第1部材21よりヤング率が小さく弾性を有する合成樹脂で形成された第2部材22とで構成されており、第1部材21が第2部材22の中央部分の孔に固着されて板状の振動体20が形成されている。このように、振動体20の中央部分のヤング率が周縁部分より大きいと、振動体20全体を同じ素材で板状に形成し、振動体20全体の質量を重くして吸音する音を変更する場合と比較して、吸音される音が低くなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、音を吸音する技術に関する。
特許文献1に開示された吸音構造のように、板状(または膜状)の振動体と、この振動体の背後の空気層により音を吸収する吸音構造(以下、板・膜振動型吸音構造という)がある。この板・膜振動型吸音構造においては、振動体の質量成分と、空気層のバネ成分によってバネマス系が形成され、振動体が弾性を有して屈曲振動をする場合には、屈曲振動による屈曲系の性質が加わる。
特開2006−11412号公報
板・膜振動型吸音構造においては、振動体を密度の大きなものにすると吸音される音の周波数が低くなり、吸音される音を低いものにすることができる。しかしながら、振動体の密度を大きくすると振動体全体では質量が大きくなり、ひいては、吸音構造全体が重くなる。吸音構造全体が重くなると、軽量化が求められる用途については使用することが難しくなり、また、壁面などに配置する場合には、吸音構造を支える構造を吸音構造の重さに耐えうる丈夫な構造に必要があり、簡便に配置することが難しくなる。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、振動体や吸音構造全体の質量を大きく変更することなく吸音する音を変更可能とする技術を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために本発明は、中空で開口部を備えた筐体と、板状または膜状の振動体とを有し、前記開口部が前記振動体で塞がれて前記筐体と前記振動体とで空気層が形成されており、前記振動体においては、前記振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率が、振幅の節または極小となる位置の弾性率と異なることを特徴とする吸音構造を提供する。
この発明では、前記振動体においては、前記振動体が屈曲振動したときに振幅が極大となる位置を含む所定領域部分の弾性率と、所定領域以外の部分の弾性率とが異なっていてもよい。
また、本発明においては、前記所定領域の部分の弾性率は、前記所定領域の表面に付加部材が固定されて、前記所定領域以外の部分の弾性率と異なっていてもよい。
また、本発明においては、前記所定領域の部分の弾性率は、前記所定領域の部分の内部に付加部材が混入されて前記所定領域以外の部分の弾性率と異なっていてもよい。
また、本発明においては、前記所定領域の部分の断面二次モーメントが、前記所定領域以外の部分の断面二次モーメントと異なっていてもよい。
また、本発明においては、前記振動体の周縁部分の厚さが前記所定領域と異なっていてもよい。
また、本発明においては、前記振動体の周縁部分に複数の孔が設けられていてもよい。
また、本発明は、上記付加部材を有する吸音構造を複数有する吸音構造群であって、複数の吸音構造の各付加部材の弾性率が各々異なる吸音構造群を提供する。
また、本発明は、前記所定領域の断面二次モーメントが、前記所定領域以外の部分の断面二次モーメントと異なる吸音構造を複数有する吸音構造群であって、複数の吸音構造の各所定領域の断面二次モーメントが各々異なる吸音構造群を提供する。
また、本発明は、前記振動体の周縁部分の厚さが前記所定領域と異なる吸音構造を複数有する吸音構造群であって、複数の吸音構造の各所定領域の厚さが各々異なる吸音構造群を提供する。
また、本発明は、上記のいずれかの吸音構造を複数有する吸音構造群を提供する。
本発明においては、複数の吸音構造の各空気層のサイズが各々異なっていてもよい。
また、本発明においては、複数の吸音構造の各空気層の厚みが各々異なっていてもよい。
また、本発明は、上記のいずれかの吸音構造または上記吸音構造群を有する音響室を提供する。
また、本発明は、中空で開口部を備えた筐体と、板状または膜状の振動体とを有し、前記開口部が前記振動体で塞がれて前記筐体と前記振動体とで空気層が形成されており、前記振動体においては、前記振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率が、振幅の節または極小となる位置の弾性率と異なる吸音構造の調整方法であって、前記振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率を変更して吸音構造の共振周波数を調整する吸音構造の調整方法を提供する。
また、本発明は、中空で開口部を備えた筐体と、板状または膜状の振動体とを有し、前記開口部が前記振動体で塞がれて前記筐体と前記振動体とで空気層が形成されており、前記振動体が振動して騒音を低減する騒音低減方法であって、前記振動体においては、前記振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率を、振幅の節または極小となる位置の弾性率と異ならせることを特徴とする騒音低減方法を提供する。
本発明によれば、振動体や吸音構造全体の質量を大きく変更することなく吸音する音を変更可能とできる。
図1は、本発明の一実施形態に係る吸音構造1の外観図、図2は、吸音構造1の分解斜視図、図3は吸音構造1のA−A線断面図である。なお、図面においては、本実施形態の構成を分かりやすく図示するために、吸音構造1の寸法を実際の寸法とは異ならせてある。
図に示したように、吸音構造1は、吸音構造1を構成する部材として筐体10と振動体20を有している。合成樹脂で形成されている筐体10は、正方形の角管の一方の開口部を閉じた形状となっており、筐体10の底面となる底面部11と、筐体10の側壁となる側壁12を有している。
振動体20は、弾性を有する合成樹脂で形成された板状で正方形の第1部材21と、第2部材22とで構成されており、力を加えると変形し、弾性により復元力を発生して振動する部材である。第2部材22は、第1部材21より弾性率が小さい合成樹脂で形成され、中央部分に正方形の孔を有している。本実施形態においては、第1部材21と第2部材22の厚さは同じであり、第1部材21が第2部材22の孔に固着されて板状の振動体20が形成されている。ここで、弾性率は弾性の程度を表すものであり、引っ張り力(圧縮力)に対するヤング率、剪断力に対する剛性率(ずれ弾性率)、直交3軸方向の力に対する体積弾性率、およびポアソン比を含む。
なお、本実施形態においては、振動体20を構成する部材の素材は合成樹脂としているが、振動体20を構成する部材の素材は合成樹脂に限定されず、弾性を有し板振動が生じるのであれば紙、金属、繊維板など他の素材であってもよい。また、本実施形態においては、第1部材21の形状は正方形となっているが、第1部材21の形状は、長方形、台形、多角形、円形、楕円形など、他の形状であってもよい。また、本実施形態においては、振動体20における第1部材21の領域は、振動体20が屈曲振動したときに振幅が極大となる位置を含む領域となっている。また、第1部材21の領域は、振動体20が屈曲振動したときに振幅が極大となる位置を含むのであれば、図に示した広さに限定されず任意に変更することができる。
底面部11を側壁12に固着して筐体10を構成し、振動体20を筐体10の開口部に接着して固定することにより吸音構造1の内部(振動体20の背後)に区画された空気層30が形成され、吸音構造1においては、振動体20の質量成分と空気層30のバネ成分によってバネマス系の吸音メカニズムが形成される。また、吸音構造1においては振動体20が弾性を有して屈曲振動をするため、屈曲振動による屈曲系の吸音メカニズムが加わる。なお、空気層30は、筐体10に多少の開口部を設けて密閉されていなくてもよい。
そして、吸音構造1においては、音波が振動体20に到達すると、音波の音圧と吸音構造1の空気層30内の圧力との差により振動体20が振動し、音波のエネルギーは、この振動により消費されて音が吸音される。
ここで、吸音構造1は、バネマス系と屈曲系の両方の吸音メカニズムが形成されているため、吸音される音の周波数と吸音率との関係を見ると、バネマス系の共振周波数における吸音率及び屈曲系の共振周波数における吸音率が高くなる。
図5は、空気層30の縦と横の大きさが100mm×100mmで厚さが10mmの筐体10に振動体20(大きさが100mm×100mm、厚さ0.85mm)を固着し、第1部材21(大きさ20mm×20mm、厚さ0.85mm)のヤング率を変化させた時の吸音構造1の垂直入射吸音率のシミュレート結果を示したグラフである。なおシミュレーション手法は、JIS A 1405-2(音響管による吸音率及びインピーダンスの測定−第2部:伝達関数法)に従って、上記吸音構造を配置した音響管内の音場を有限要素法と境界要素法とを併用して求め、その伝達関数より吸音特性を算出した。
具体的には、このシミュレーションにおいては、第2部材22のヤング率は8.8×10[N/m]であり、グラフ中において実線で示されている曲線(凡例の(1)の線)は、第1部材21のヤング率と第2部材22のヤング率が同じ、即ち、振動体20全体が同じ素材で形成されている場合をシミュレートしたものであり、固有振動が1×1のモードに対応する共振周波数として400Hzにピークが表れている(図4(1)の共振周波数(屈曲系)の欄)。また、凡例の(2)の線で示されている曲線は、第1部材21のヤング率を第2部材22のヤング率の2倍にした場合、凡例の(3)の線で示されている曲線は、第1部材21のヤング率を第2部材22のヤング率の4倍にした場合をシミュレートした結果である(共振周波数については同じく図4参照)。
シミュレート結果を見ると、図5に示したように、415[Hz]付近と、700[Hz]付近において吸音率が高くなっている。
700[Hz]付近で吸音率が高くなっているのは、振動体20のマス(mass:質量)と空気層30のバネ成分によって形成されるバネマス系の共振によるものである。吸音構造1においては上記バネマス系の共振周波数での吸音率をピークとして音が吸音されており、第1部材21のヤング率を大きくしていくとバネマス系の共振周波数が高くなっていることが分かる。
また、415[Hz]付近で吸音率が高くなっているのは、振動体20の屈曲振動によって形成される屈曲系の共振によるものである。吸音構造1においては屈曲系の共振周波数での吸音率が低音域側のピークとして表れており、第1部材21のヤング率を大きくしていくと屈曲系の共振周波数も高くなっていることが分かる。一般に、バネマス系と屈曲系の共振周波数は、振動体の弾性振動を支配する運動方程式で決定され、振動体の弾性率に影響を受ける。また、この共振周波数は、固有振動の腹(振幅が極大値となる場所)の弾性率により大きく影響される。このため、上記シミュレーションでは、1×1の固有モードの腹となる領域を第1部材21で異なる弾性率に形成したので、屈曲系の共振周波数とバネマス系の共振周波数が変化したものである。
このように、シミュレーション結果は、第1部材21のヤング率を第2部材22のヤング率より大きくすると吸音率のピークが移動することを表している。従って、第1部材21のヤング率を変更することにより吸音率のピークとなる周波数を低音域側または高音域側に移動(シフト)させることができることを表している。
上述した吸音構造1においては、第1部材21のヤング率を変えるだけで吸音される音のピークの周波数を変える(シフトさせる)ことができるため、振動体20全体を同じ素材で板状に形成し、振動体20全体の質量を重くして吸音する音を変更する場合と比較して、吸音構造1全体の質量を大きく変えることなく、吸音される音を変更できる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
本発明において振動体20は、弾性を有する弾性体で形成されているのであれば、板状以外に膜の形状(フィルム状やシート状)であってもよい。なお、板状とは、直方体(立体)に対して相対的に厚さが薄く2次元的な広がりをもつことを意味し、膜状(フィルム状、シート状)とは、板状よりもさらに相対的に厚さが薄く、張力により復元力を発生することを意味する。
上述した実施形態においては、第1部材21のヤング率を変更することによりバネマス系と屈曲系の共振周波数が変更されているが、第1部材21についてはヤング率を変更せず、第2部材22のヤング率を変更してもよい。
図7は、空気層30の縦と横の大きさが100mm×100mmで厚さが10mmの筐体10に振動体20(大きさが100mm×100mm、厚さ0.85mm)を固着し、第2部材22のヤング率を変化させた時の吸音構造1の垂直入射吸音率(JIS A 1405-2(音響管による吸音率及びインピーダンスの測定−第2部:伝達関数法)による)のシミュレート結果を示したグラフである。なお、このシミュレーションにおいては、第1部材21のヤング率は8.8×10[N/m]であり、グラフ中において実線で示されている曲線(凡例の(1)の線)は、第1部材21のヤング率と第2部材22のヤング率が同じ、即ち、振動体20全体が同じ素材で形成されている場合をシミュレートしたものであり、固有振動が1×1のモードに対応する共振周波数として400Hzにピークが表れている(図6(1)の共振周波数(屈曲系)の欄)。また、凡例の(4)の線で示されている曲線は、第2部材22のヤング率を第1部材21のヤング率の1/2にした場合、凡例の(5)の線で示されている曲線は、第2部材22のヤング率を第1部材21のヤング率の1/4にした場合をシミュレートした結果である(共振周波数については同じく図6参照)。
図7のグラフに示したように、シミュレーション結果では、300[Hz]〜400[Hz]の間においては、振動体20の屈曲系の共振周波数での吸音率が低音域側のピークとして表れており、第2部材22のヤング率を小さくしていくと屈曲系の共振周波数が低くなっていることが分かる。同様に600[Hz]〜700[Hz]の間においては、振動体20のバネマス系の共振周波数での吸音率が高音域側のピークとして表れており、第2部材22のヤング率を小さくしていくとバネマス系の共振周波数が低くなっていることが分かる。
このように、測定結果は、第2部材22のヤング率を第1部材21より小さくすると、吸音率のピークが移動することを表している。従って、第2部材22のヤング率を変更することにより、吸音率のピークとなる周波数を低音域側または高音域側に移動(シフト)させることができることを表している。
このように、第2部材22のヤング率を変えるだけで吸音される音のピークの周波数を変える(シフトさせる)ことができるため、振動体20全体を同じ素材で板状に形成し、振動体20全体の質量を重くして吸音する音を変更する場合と比較して、吸音構造全体の質量を大きく変えることなく、吸音される音を変更できる。
本発明に係る吸音構造においては、図8に示した吸音構造1Aのように振動体20を板状部材24と付加部材25とで構成してもよい。板状部材24は、弾性を有する素材を板状に形成した正方形の部材であり、付加部材25は、板状部材24とヤング率が異なる素材で形成された板状で矩形の部材である。
振動体20においては、板状部材24が屈曲振動したときに振幅が極大となる位置を含む中央領域に付加部材25が貼り付けられている。なお、付加部材25を板状部材24に貼り付ける際には、振動体20を筐体10に取り付けた時に空気層30に面する側に貼り付けてもよいし、空気層30に面する側と反対側に貼り付けてもよい。
この構成においては、付加部材25が貼り付けられたことにより振動体20の中心領域の弾性は、中心領域以外の部位の弾性とは異なることとなるため、振動体20全体を同じ素材で板状に形成したときと比較して、屈曲系の共振周波数が異なり、また、付加部材25のヤング率を変更することにより吸音される音を変えることができる。
なお、付加部材25を使用する場合、本発明に係る吸音構造においては、図9に示した吸音構造1Bのように、板状部材24の内部に付加部材25を混入して振動体20を構成してもよい。また、板状部材24の中央領域の内部に部材を混入する場合、混入する部材は板状に限らず、板状部材24とヤング率の異なる線状の部材を複数混入してもよい。
本発明に係る吸音構造においては、図10に示した吸音構造1Cのように板状部材24の中央領域において、板状部材24に略直角な板状のリブ部26を複数設け、中央領域の断面二次モーメントを他の領域の断面二次モーメントと異ならせて振動体20を構成してもよい。
この構成によれば、リブ部26を設けない場合と比較して板状部材24の上下方向への変位が小さくなる。即ち、リブ部26を設けない場合と比較して弾性率(曲げ剛性)が増大し、吸音率のピークとなる周波数が移動(シフト)する。なお、リブ部26を設ける場合には、リブ部26が板状部材24から立ち上がっていれば、リブ部26の延伸方向は一方向だけでなく各種方向に延伸させてもよい。
また、吸音構造においては、図11に示した吸音構造1Dのように振動体20において筐体10に固着される部分の近傍に振動体20を貫通する複数の孔27を設けてもよい。
また、図12に示した吸音構造1Eのように、振動体20において筐体10に固着される部分の近傍の厚さを他の部分より薄くした切り欠き部28を設けるようにしてもよい。
また、吸音構造においては、図13に示したように、振動体20を、第1部材21と、第2部材22および環状部材23で構成し、各部材のヤング率の関係が、第2部材22のヤング率<環状部材23のヤング率<第1部材21のヤング率、となるようにしてもよい。
上述した実施形態または変形例に係る吸音構造は、音響特性を制御する各種の音響室に配置することが可能である。ここで各種音響室とは、防音室、ホール、劇場、音響機器のリスニングルーム、会議室等の居室、各種輸送機器の空間、スピーカや楽器などの筐体などである。
なお、上述した実施形態または変形例に係る吸音構造を配置する場合、図14に示したように大きさの同じ吸音構造を複数組み合わせた吸音体群を配置してもよい。また、図1の吸音構造1を複数組み合わせる場合には、組み合わせる吸音構造毎に第1部材21のヤング率を異ならせ、複数の吸音構造で複数の周波数の音を吸音するようにしてもよい。
また、図8または図9の吸音構造を複数組み合わせる場合には、組み合わせる吸音構造毎に付加部材25のヤング率を異ならせ、複数の吸音構造で複数の周波数の音を吸音するようにしてもよく、また、図10の吸音構造を複数組み合わせる場合には、組み合わせる吸音構造毎にリブ部26の数を異ならせ、複数の吸音構造で複数の周波数の音を吸音するようにしてもよい。
また、図11の吸音構造を複数組み合わせる場合には、組み合わせる吸音構造毎に孔の数や孔の大きさを異ならせてもよく、また、図12の吸音構造を複数組み合わせる場合には、組み合わせる吸音構造毎に、切り欠き部28の大きさを異ならせるようにしてもよい。
また、図13の振動体20を備える吸音構造を複数組み合わせる場合には、組み合わせる吸音構造毎に第2部材22のヤング率を異ならせるようにしてもよい。
また、吸音構造を複数組み合わせる場合には、組み合わせる吸音構造毎に空気層30の縦と横のサイズを一定にして厚さを異ならせてもよく、空気層30の厚さを一定にして空気層30の縦と横のサイズを各々異ならせてもよい。また、空気層30の厚さとサイズの両方を各々異ならせてもよい。
また、複数の空気層30が形成されるように筐体10の内部を図15に示したように仕切部材13で格子状に区切り、振動体20において各空気層に対向する部分の中央領域に付加部材25を貼り付けるようにしてもよい。なお、この構成においては、貼り付ける複数の付加部材25毎にヤング率を異ならせるようにしてもよい。この構成においても複数の周波数の音を吸音することができる。
本発明においては、振動体20の振幅が極大となる部分を含むのであれば、振動体20の中央部分ではなく他の部分に第1部材21や付加部材25、リブ部26などがあってもよい。
また、振動体20の振幅が極大となる部分を除き、極大となる部分周辺に第1部材21や付加部材25、リブ部26があってもよい。
また、振動体20の振幅の節または極小となる部分を除いた部分の少なくとも一部に第1部材21や付加部材25、リブ部26があってもよい。
上述した実施形態においては、振動体20は、筐体10に接着されて固定支持されており、接着部位においては変位(移動)も回転も拘束されているが、振動体20は、筐体10に対して変位が拘束され、回転が許容されている単純支持状態であってもよい。
また、変位が許容されている支持状態や自由支持など他の支持状態であってもよい。
また、本発明に係る吸音構造においては、上述した実施形態の構成と変形例の構成とを組み合わせて振動体を構成してもよい。
本発明において、第1部材21と第2部材22の弾性率を異ならせることにより、振動体20が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率が、振幅の節または極小となる位置の弾性率と異なる構成にあっては、弾性率の異なる複数の第1部材21を準備し、第2部材22に固着する第1部材21を交換することにより、吸音構造におけるバネマス系の吸音メカニズムの共振周波数や屈曲系の吸音メカニズムの共振周波数を調整し、吸音構造における吸音率のピークとなる周波数を調整してもよい。
また、振動体20が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部に付加部材25を有する構成にあっては、弾性率が異なる複数の付加部材25を準備し、板状部材24に固着する付加部材25を交換することにより、吸音構造におけるバネマス系の吸音メカニズムの共振周波数や屈曲系の吸音メカニズムの共振周波数を調整し、吸音率のピークとなる周波数を調整してもよい。
このような吸音構造の調整方法によれば、バネマス系の吸音メカニズムの共振周波数や屈曲系の吸音メカニズムの共振周波数の調整、吸音構造における吸音率のピークとなる周波数の調整を容易に行うことができる。
上述した吸音構造のうち、振動体20を第1部材21と第2部材22とで構成し、振動体20が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率が、振幅の節または極小となる位置の弾性率と異なる吸音構造にあっては、当該吸音構造を、吸音構造の吸音率のピークの周波数の音が騒音として発生している場所に配置して騒音を低減させてもよい。
また、上述した吸音構造のうち、振動体20を板状部材24と付加部材25とで構成し、振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部に付加部材25を配置する吸音構造についても、当該吸音構造を、吸音構造の吸音率のピークの周波数の音が騒音として発生している場所に配置して騒音を低減させてもよい。
このように本発明に係る吸音構造を騒音の発生場所に配置して騒音を低減させる騒音低減方法によれば、振動体20が振動して騒音のエネルギが消費されて騒音が低減されることとなる。
なお、騒音の発生場所としては、例えば車両や飛行機など各種輸送機器の内部、工場や工事現場などで運転されている各種機械などがある。
本発明の一実施形態に係る吸音構造1の外観図である。 吸音構造1の分解斜視図である。 吸音構造1のA−A線断面図である。 吸音構造1のシミュレーション条件および結果を示した表である。 吸音構造1のシミュレーション結果を示したグラフである。 本発明の変形例に係る吸音構造のシミュレーション条件および結果を示した図である。 本発明の変形例に係る吸音構造のシミュレーション結果を示したグラフである。 本発明の変形例に係る吸音構造1Aの断面図である。 本発明の変形例に係る吸音構造1Bの断面図である。 本発明の変形例に係る吸音構造1Cの断面図である。 本発明の変形例に係る吸音構造1Dの外観図である。 本発明の変形例に係る吸音構造1Eの断面図である。 本発明の変形例に係る振動体20の分解図である。 本発明に係る吸音体群の外観図である。 本発明の変形例に係る吸音構造の分解図である。
符号の説明
1,1A〜1E・・・吸音構造、10・・・筐体、11・・・底面部、12・・・側壁、13・・・仕切部材、20・・・振動体、21・・・第1部材、22・・・第2部材、23・・・環状部材、24・・・板状部材、25・・・付加部材、26・・・リブ部、27・・・孔、28・・・切り欠き部、30・・・空気層

Claims (16)

  1. 中空で開口部を備えた筐体と、
    板状または膜状の振動体とを有し、
    前記開口部が前記振動体で塞がれて前記筐体と前記振動体とで空気層が形成されており、
    前記振動体においては、前記振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率が、振幅の節または極小となる位置の弾性率と異なることを特徴とする吸音構造。
  2. 前記振動体においては、前記振動体が屈曲振動したときに振幅が極大となる位置を含む所定領域部分の弾性率と、前記所定領域以外の部分の弾性率とが異なることを特徴とする吸音構造。
  3. 前記所定領域の部分の弾性率は、前記所定領域の表面に付加部材が固定されて、前記所定領域以外の部分の弾性率と異なることを特徴とする請求項2に記載の吸音構造。
  4. 前記所定領域の部分の弾性率は、前記所定領域の部分の内部に付加部材が混入されて前記所定領域以外の部分の弾性率と異なることを特徴とする請求項2に記載の吸音構造。
  5. 前記所定領域の部分の断面二次モーメントが、前記所定領域以外の部分の断面二次モーメントと異なることを特徴とする請求項2に記載の吸音構造。
  6. 前記振動体の周縁部分の厚さが前記所定領域と異なることを特徴とする請求項2に記載の吸音構造。
  7. 前記振動体の周縁部分に複数の孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造。
  8. 請求項3または請求項4に記載の吸音構造を複数組み合わせた吸音構造群であって、組み合わされた複数の吸音構造で前記付加部材がある部分の弾性率が各々異なることを特徴とする吸音構造群。
  9. 請求項5に記載の吸音構造を複数組み合わせた吸音構造群であって、組み合わされた複数の吸音構造で前記所定領域の断面二次モーメントが各々異なることを特徴とする吸音構造群。
  10. 請求項6に記載の吸音構造を複数組み合わせた吸音構造群であって、組み合わされた複数の吸音構造で前記所定領域の厚さが各々異なることを特徴とする吸音構造群。
  11. 請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の吸音構造を複数組み合わせた吸音構造群。
  12. 組み合わされた複数の吸音構造の各空気層のサイズが各々異なることを特徴とする請求項11に記載の吸音構造群。
  13. 組み合わされた複数の吸音構造の各空気層の厚みが各々異なることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の吸音構造群。
  14. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の吸音構造または請求項8乃至請求項13のいずれかに記載の吸音構造群を有する音響室。
  15. 中空で開口部を備えた筐体と、
    板状または膜状の振動体とを有し、
    前記開口部が前記振動体で塞がれて前記筐体と前記振動体とで空気層が形成されており、
    前記振動体においては、前記振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率が、振幅の節または極小となる位置の弾性率と異なる吸音構造の調整方法であって、
    前記振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率を変更して吸音構造の共振周波数を調整する吸音構造の調整方法。
  16. 中空で開口部を備えた筐体と、
    板状または膜状の振動体とを有し、
    前記開口部が前記振動体で塞がれて前記筐体と前記振動体とで空気層が形成されており、
    前記振動体が振動して騒音を低減する騒音低減方法であって、
    前記振動体においては、前記振動体が屈曲振動したときに振幅の節または極小となる位置以外の領域の少なくとも一部の弾性率を、振幅の節または極小となる位置の弾性率と異ならせること
    を特徴とする騒音低減方法。
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