JP7365348B2

JP7365348B2 - 自動車用フロアカバー

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Publication number: JP7365348B2
Application number: JP2020543181A
Authority: JP
Inventors: シュルツェ，フォルクマル; ベッカー，ヘルムート; カーシュ，フォルカー
Original assignee: Adler Pelzer Holding GmbH
Current assignee: Adler Pelzer Holding GmbH
Priority date: 2018-02-15
Filing date: 2019-02-05
Publication date: 2023-10-19
Anticipated expiration: 2039-02-05
Also published as: WO2019158389A1; JP2021514323A; CN111867889B; RU2762577C1; EP3752392A1; BR112020015584A2; CN111867889A; DE102018103462A1; US20210001787A1

Description

本発明は、遮音材の表面一面及び厚さ方向で、ゾーンごとに（部分的に）組織及び物理的力学的特性が異なっていてもよい一種又は二種以上の発泡した粘弾性ポリウレタンフォームからなる自動車用フロアカバー遮音材、及びそれを製造するための方法に関する。

その目的は、発泡遮音材に起因する遮音性の増大によって、自動車におけるフロアカバー機構の吸音効果を改善することである。

従来技術において、下記のフロアカバー遮音材が知られている。
ａ．）粘弾性フォーム、特許文献１，特許文献２
ｂ．）軽量フォーム（カットフォーム）、特許文献３（部分的）
ｃ．）密度が部分的に異なっている発泡材、特許文献４，特許文献５
ｄ．）不織布（接着剤接着／積層不織布の打抜部品）
ｅ．）予備成形（接着剤接合）不織布
ｆ．）ファイバーフロック遮音材（ＨＭＰ）、特許文献６，特許文献７
ｇ．）直立／垂直配向繊維を有する不織布、特許文献８，特許文献９
ｈ．）直立／垂直配向繊維を有するファイバーフロック遮音材（ＨＭＰ）、特許文献１０，特許文献１１

また、フロアカバー材の材料構造における中間層として、全領域での又は部分領域での遮音材に重厚層が用いられている。さらに、表面積当りのＰＡ坪量がより高いＰＥ／ＰＡ／ＰＥシート及びＰＥ／ＰＡシートや、所謂ＰＥ／ＰＡ／ＰＥ＋ＰＥＴシート不織布が、フォームへの接触不織布として用いられている。

更に、所謂粉砕成分、フロアマット固定成分、及びフットレスト成分がフォーム材又はフォーム嵌込み材に含まれているものが知られている。

またそれらの中でも、踏付け耐性の向上のために発泡遮音材に埋め込まれるのは、主にＥＰＳ、ＥＰＰ、及びＰＥＰＰ嵌込み材である。このためのスペーサーを有する構造は、特許文献１２に記載されている。

さらに、発泡した複合フォーム片を埋め込むことも知られている（特許文献１３）。

特許文献１４によれば、防音フィルムがカーペット複合材の数箇所に、圧着又は接着の方法で（部分的に）付される。

例えば、特許文献１５には、車体底部に付すという従来からの防音コーティングが記載されている。

防音コーティングは、別個の部材として所望の車体底部に部分的に取り付けられる重厚シートである。取り付けという追加的な作業工程がある上、車体自体の重量が増加する。

特許文献１６に記載されている解決法は、フロアカバーにおける重厚／防音シートを部分的に一体化するものであり、複雑な製造方法を必要とする。さらに別々の部材／シートを（個々に）作製することを必要とし、その後追加の作業工程によって金型に投入することを必要とする。

特許文献１７には、踏付け耐性を部分的に備えた軽量遮音材が記載されている。少なくとも一箇所の部分的特定領域おいて、イソシアネートに対するポリオールの混合比は、それに隣接した領域に対して異なっており、その密度は７０ｇ／ｌ未満である。隣接した領域はほぼ均一な密度を有しており、少なくとも一箇所の部分的特定領域の割合は、総面積の２０％を超えない。発泡系における遮音効果は記載されていないが、その一方で、遮音層とこの発泡系との間に、不織布層が更に設けられることが記載されている。

従来技術における他のフロアカバー遮音材は、本発明が目的とする特定の遮音性を有していない。

特許文献１８には、異なる密度を有する二種のフォームが、重ね合わされたシートが記載されている。下側のフォーム層は、基本的に粘弾性を有する。（内燃機関タイプ及び電気駆動タイプに対応して）ポリウレタンフォーム遮音材を所望のマルチゾーン配置とすること、すなわち、遮音材の表面一面及び厚さ方向で異なった特性を有するポリウレタンフォームは、提供されていない。

独国特許出願公開第３９０５６０７号明細書国際公開第２００６／０３２４３３号独国特許出願公開第１０２００８０１７８９３号明細書欧州特許第０２１０１０２号明細書欧州特許出願公開第０１６９６２７号明細書独国特許出願公開第１０２００８０１３８０８号明細書独国特許第１０３２４７３５号明細書米国特許出願公開第２０１７／０００８４６２号明細書米国特許第９３２１４１２号明細書独国特許出願公開第１０２０１２００３０９３号明細書独国特許出願公開第１０２０１００３４１５９号明細書独国特許出願公開第１０２００９０５８８１９号明細書独国特許出願公開第３６２３７８９号明細書独国実用新案第２０２００８００４９１８号明細書独国特許出願公開第１０２０１１０８５１９０号明細書独国実用新案第２０２００８００４９１８号明細書独国特許出願公開第１９９５８６６３号明細書独国実用新案第２０２０１５００４２３３号明細書

本発明の目的は、高度の遮音性を備えるように、公知のフロアカバー用ポリウレタンフォームの組織を改良することにある。発泡系は必要に応じ、フロアカバー遮音材の表面全体で異なった特性を有している。その結果、防音コーティング材の表面積当りの重量を減じることができ、或いは追加的な部材を用いなくて済む。

第１の形態において上記の目的は、粘弾性を有する発泡したポリウレタンフォームを含むフロアカバー遮音材２を有している自動車用フロアカバー１であって、前記フロアカバー遮音材２が、夫々同一又は異なる発泡組織で、前記フロアカバーの下面における一箇所又は複数箇所の、独立した又は連続した所望の部分的特定領域を、覆っていることを特徴とする自動車用フロアカバーによって達成される。発泡のための金型は、所望の要件に応じて個々のゾーン／キャビティに分割されている。ゾーン／キャビティの間仕切領域は、カーペット地／上層材料の下面に密着する。

本発明の別な形態において、上記の目的は自動車用フロアカバー１を製造する方法であって、
（ａ）輪郭付けされたフロアカバーを開放金型の上金型上に配置し、粘弾性を有するフォームを調製するための一種又は多種のポリウレタン成分混合物を、部分的に所望の下金型に導入し、
（ｂ）前記開放金型を閉じて、任意に加熱し、
（ｃ）前記ポリウレタン成分混合物を、完全に発泡させて反応させる
工程を有することを特徴とする方法によって達成される。

図１は本発明の一形態を示している。図２は本発明の一形態を示している。本発明によれば、遮音性が向上した発泡フロアカバー遮音材２を有するフロアカバー／自動車用カーペット１が作製される。

発泡している間、原則としてポリウレタンフォームの組織は開放金型で成型される。
すなわち、金型を開け；フロアカバー地／上層材料を上金型に供給し；発泡成分系を、ロボットアームに設けられた一つ以上の混合ヘッドによって、そこに対応する金型キャビティに投入し、発泡させる。好ましくは、二つの発泡成分系が一つの混合ヘッドを通じて、同時に又は異なるタイミングで導入することができるという所謂二連ヘッドミキサーを用いる。

更に、個々の発泡系の密度を射出重量によって変化させることができる。

図１及び２は本発明の一形態を示している。これらの図は、四つの発泡系が可能であることを示している。実際の実施において発泡系ＳＳ－４（４）は、発泡前にフロアカバー／上層材料の下面に接着される。発泡系ＳＳ－１（３）からＳＳ－３（５）は、ロボットアームに取り付けられた混合ヘッドによって注入／発泡される。ここでは［ＳＳ－３（５）／ＳＳ－４（４）］と示されており、厚さ方向にわたって配置されている。二つの異なる発泡系は異なるフォーム特性を有している。

下記表１は、図１中の異なる領域におけるフォームの物性の一例を示している。

下記表２は、図３に例として示された異なる領域におけるフォームの物性の一例を示している。

車体側のフォーム表面は、リブを付けてもよく、或いは輪郭付けしてもよい。この特徴は、遮音材の場合には用いられるが、金属シートの振動低減を目的とする場合には用いられない。

金属シート／車体側における上層側／表面のフォームの配置も、存在するケーブルや空気ダクト、及びフロアの輪郭によって決定される。これとフロアカバーとの取付状況に応じ、フォームの接着力の設定が異なる。

従って本発明の本質は、追加の作業工程又は加工工程なく、遮音性を、フォーム遮音材にすなわちポリウレタンフォームそのものに一体化することにある。

更に、ポリウレタンフォーム遮音材への所望のマルチゾーン設計は、（内燃機関タイプ及び電気駆動タイプに対応して）遮音材の表面一面に及び厚さ方向にわたって異なった特性を有するポリウレタンフォームを配置できる。

このことは、部材の削減又は面積当たり重量、すなわち防音コーティングの低減に有利である。さらに、本発明の解決方法はコストに有利である。ポリウレタンフォームに一体化されたフロアカバー遮音材の遮音性が向上し、追加の工程が不要である。

本発明によれば、遮音性が向上した発泡フロアカバー遮音材２を有するフロアカバー／自動車用カーペット地１が作製される（図３）。

上層材料は市販されている１００μｍのディロアカーペット（１００ｇ/ｍ^２のラテックスバインダー及び１００ｇ/ｍ^２のＰＥコーティングを有する６００ｇ/ｍ^２のＰＥＴ繊維、黒色）であり、１０００ｇ/ｍ^２の重厚層及びＰＥ／ＰＡシートが積層されていた。

上層材料の成形を、一般的な熱成形設備（接触熱場／成形における供給テーブル／積層）によって行った。形成されたこの上層材料を、二つの発泡系（ＳＳ－Ｖ１６及びＳＳ－Ｖ２７）を伴った「開放金型発泡」工程により発泡裏打ちした。二つの発泡系の密度を、射出重量（^＊）によって変化させた。ミキシングヘッドとして、市販の二連ヘッドミキサーを用いた。

発泡体ＳＳ－Ｖ２７及びＳＳ－Ｖ２^＊７の発泡表面を、接着性とした。また、無発泡領域８の間で独立していて、フロアカバーの下面において夫々異なる発泡組織を有する部分的特定領域が、表２のように、明確に見られた。

Claims

粘弾性を有する発泡したポリウレタンフォームを含むフロアカバー遮音材（２）を有している自動車用フロアカバー（１）であって、前記フロアカバー遮音材（２）が、夫々同一又は異なる発泡組織で、前記フロアカバーの下面における一箇所又は複数箇所の、独立した又は連続した所望の部分的特定領域を、覆っており、前記フロアカバー遮音材（２）の前記ポリウレタンフォームが、
２０～２５０ｋＮ／ｍ ^２の弾性率、
０．１～０．８の損失係数、及び
３５～１２０ｇ／ｌの密度
を有し、
前記ポリウレタンフォームが、ＥＰＳ、ＥＰＰ、及び／又はＰＥＰＰの嵌込み材を有し、
自動車に装着した際に車体に接する前記フロアカバー遮音材（２）の下面が、接着性を有し、
前記フロアカバー遮音材（２）が、上層材料と一体化して発泡された前記ポリウレタンフォームを有することを特徴とする自動車用フロアカバー（１）。
前記フロアカバー遮音材（２）の前記ポリウレタンフォームが、
０．２～０．６の損失係数、及び
４５～８０ｇ／ｌの密度
を有することを特徴とする請求項１に記載の自動車用フロアカバー（１）。
前記複数箇所の部分的特定領域における前記フロアカバー遮音材（２）が、異なる圧縮硬さを有している異なった前記発泡組織を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の自動車用フロアカバー（１）。
前記フロアカバー遮音材（２）の厚さが、車体側の所望の局所特定部位に適合していることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の自動車用フロアカバー（１）。
前記ポリウレタンフォーム表面が車体側に合って輪郭付けされており、特にリブ構造を有することを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の自動車用フロアカバー（１）。
前記ポリウレタンフォームが、スペーサー編地を含んでいることを特徴とする請求項１から５のいずれかに記載の自動車用フロアカバー（１）。
請求項１から６のいずれかに記載の自動車用フロアカバー（１）を製造する方法であって、
（ａ）輪郭付けされたフロアカバーを開放金型の上金型上に配置し、粘弾性を有するフォームを調製するための一種又は多種のポリウレタン成分混合物を、部分的に所望の下金型に導入し、
（ｂ）前記開放金型を閉じて、任意に加熱し、
（ｃ）前記ポリウレタン成分混合物を、完全に発泡させて反応させる
工程を有することを特徴とする方法。
前記ポリウレタン成分混合物を、前記下金型の一つ以上の下金型キャビティ内での局所的特定部位に導入することを特徴とする請求項７に記載の方法。
前記ポリウレタン成分混合物を、一つ以上の混合ヘッドを用いて、前記下金型に流し込むことを特徴とする請求項７又は８に記載の方法。
前記一種又は多種のポリウレタン成分混合物の組織を、所望の前記下金型へ導入しながら、変更することを特徴とする請求項７から９のいずれかに記載の方法。
前記フロアカバー遮音材（２）の前記ポリウレタンフォームの組織の密度を、射出重量を変更することによって調整することを特徴とする請求項７から１０のいずれかに記載の方法。