JP7322631B2 - 乗物用内装材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用内装材の製造方法に関する。

従来、乗物用内装材及びその製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の乗物用内装材(内装基材)の製造方法では、上型と下型とからなる成形型に、樹脂からなり、突起が多数個差出されたブラケットをセットし、上型と下型との間に、繊維と樹脂とからなる内装基材原反をセットし、加熱すると共に押圧成形しブラケットの突起を内装基材原反に食い込ませて内装基材を製造することが開示されている。
特開平8-229966号公報
しかしながら、特許文献1に開示の乗物用内装材の製造方法では、内装材原反を成形型で押圧する際に、突起が内装材原反の繊維を押し込んでしまい、当該繊維が押し込まれた部分に樹脂がにじみ出てしまう。すると、樹脂部材(ブラケット)と基材(内装基材原反)との接合強度が低下し、樹脂部材が基材から剥がれてしまう可能性が考えられる。一方、乗物用内装材は、例えば表皮を張るためや意匠性を向上させるために、その表面が平滑であることが望ましい。また、乗物用内装材は、軽量かつ高剛性であることが望ましい。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、樹脂部材との接合強度を向上することができる乗物用内装材を提供することを目的の一つとする。また、表面が平滑な乗物用内装材を提供することをさらなる目的の一つとする。さらに、軽量かつ高剛性な乗物用内装材を提供することをさらなる目的の一つとする。
本発明は、乗物用内装材の製造方法であって、少なくとも繊維により構成され、その表裏面に発泡性樹脂を塗布したマットを作成するマット作成工程と、一対の成形型の間に、前記マットと凹凸部を備えた樹脂部材とを、前記凹凸部が前記マットの裏面側を向く形で配した後に、前記マットの表面に塗布した発泡性樹脂を前記マットの裏面に塗布した発泡性樹脂よりも発泡させる条件のもと、前記一対の成形型で前記マットを押圧しつつ加熱する押圧工程と、を含むことに特徴を有する。
このような乗物用内装材の製造方法によると、押圧工程において、マットの表面に塗布した発泡性樹脂(以下、表面側発泡性樹脂と呼ぶ)をマットの裏面に塗布した発泡性樹脂(以下、裏面側発泡性樹脂と呼ぶ)よりも発泡させることで、表面側発泡性樹脂が、マットの裏面側に含浸しやすくなる。そして、表面側発泡性樹脂が繊維を裏面側へ移動させつつ、樹脂部材の凹凸部に繊維を押し付けて、マットと樹脂部材とを接合させることができる。これにより、樹脂部材の凹凸部にマットの繊維が密着しやすくなり、マットと樹脂部材との接合強度が向上する。また、表面側発泡性樹脂がマットの表面側において含浸することで、マットの表面に平滑性を付与することができる。尚、仮に表面側発泡性樹脂がマットの裏面に至るまで含浸しなかったとしても、裏面側発泡性樹脂がマットの裏面側において含浸することで、マットの裏面側の強度を保ち、マットの裏面側において繊維が剥き出した状態になってしまうことを防ぐことができる。さらに、樹脂部材が接合したマットを冷却することで、表面側に設けられた発泡性樹脂高含有部と、裏面側に設けられ、発泡性樹脂高含有部に比して、繊維に対する発泡性樹脂の含有率が低い発泡性樹脂低含有部と、を備える基材を作成することができる。これにより、発泡性樹脂低含有部において繊維と樹脂部材の凹凸部とが密着し、樹脂部材の接合強度が向上した乗物用内装材を製造することができる。また、マットが繊維と発泡性樹脂とにより構成されるため、軽量かつ剛性の高い乗物用内装材を製造することができる。
また、前記一対の成形型は、前記マットを裏面側から押圧する下型と、前記マットを表面側から押圧する上型とを備えるものとされ、前記押圧工程において、前記上型が前記下型よりも高い温度となる条件で、前記マットを押圧しつつ加熱することとすることができる。
このような乗物用内装材の製造方法によると、表面側発泡性樹脂を裏面側発泡性樹脂よりも速く発泡させることができる。これにより、裏面側発泡性樹脂の発泡が完了する前に表面側発泡性樹脂をマットの裏面側に含浸させることができるので、表面側発泡性樹脂が繊維をマットの裏面側へ移動させやすくなり、樹脂部材の凹凸部に繊維を押し付けやすくなる。
また、前記マット作成工程において、前記マットの表面に塗布した発泡性樹脂の量が、前記マットの裏面に塗布した発泡性樹脂の量よりも多くなるようにして前記マットを作成することとすることができる。
このような乗物用内装材の製造方法によると、マットの表面から裏面側に含浸する表面側発泡性樹脂の量が、マットの裏面から表面側に含浸する裏面側発泡性樹脂の量よりも多くなるので、繊維がマットの裏面側に移動しやすくなる。
また、前記マット作成工程において、前記マットの表面に塗布した発泡性樹脂は、前記マットの裏面に塗布した発泡性樹脂よりも発泡倍率が高いこととすることができる。このような乗物用内装材の製造方法によると、表面側発泡性樹脂が裏面側発泡性樹脂よりもマットに含浸しやすくなり、繊維がマットの裏面側に移動しやすくなる。
また、前記マット作成工程において、前記マットは、少なくとも繊維により構成され、その表裏面に発泡性樹脂を塗布した繊維体を2つ重ねて作成することとすることができる。 このような乗物用内装材の製造方法によると、押圧工程において、表面側発泡性樹脂と、2つの繊維体の間に配される発泡性樹脂とが発泡し、マットの裏面側に含浸することで、繊維が裏面側に移動しやすくなり、樹脂部材の凹凸部に繊維が押し付けられやすくなる。表面側発泡性樹脂は、2つの繊維体の間に配される発泡性樹脂が繊維を裏面側へ移動させることをサポートすることができる。
また、本発明は、乗物用内装材であって、少なくとも繊維と発泡性樹脂とにより構成された基材と、少なくとも樹脂により構成され、前記基材に接合した樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材は、凹凸状の凹凸部を備え、前記基材は、発泡性樹脂高含有部と、前記発泡性樹脂高含有部に比して、前記繊維に対する前記発泡性樹脂の含有率が低い発泡性樹脂低含有部と、を備え、前記凹凸部は、前記発泡性樹脂低含有部に接合していることに特徴を有する。
このような乗物用内装材によると、基材が繊維と発泡性樹脂とにより構成されるため、軽量かつ剛性の高い乗物用内装材とすることができる。また、樹脂部材の凹凸部が、繊維に対する発泡性樹脂の含有率が低い発泡性樹脂低含有部に接合しているので、発泡性樹脂低含有部において繊維と樹脂部材の凹凸部とが密着し、樹脂部材の接合強度を向上することができる。さらに、発泡性樹脂高含有部は、発泡性樹脂低含有部に比して繊維に対する発泡性樹脂の含有率が高いので、基材のうち樹脂部材が接合した面(裏面)とは反対側の面(表面)において平滑性を付与することができる。
本発明によれば、樹脂部材との接合強度を向上することができる乗物用内装材を提供することが可能となる。また、表面が平滑な乗物用内装材を提供することが可能となる。さらに、軽量かつ高剛性な乗物用内装材を提供することが可能となる。
実施形態1に係るマットを示す断面図 開いた状態の成形型の間にマットと樹脂部材とを配した態様を示す断面図 閉じた状態の成形型を示す断面図 成形型を再度開いた状態にした態様を示す断面図 ドアトリムを示す断面図 実施形態2に係るマットを示す断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図5によって説明する。本実施形態では、図5に示す乗物としての自動車(車両)に搭載されるドアトリム(乗物用内装材)100と、ドアトリム100の製造方法について説明する。ドアトリム100は、繊維と発泡性樹脂とにより構成された板状の基材30と、樹脂により構成され、基材30に接合したブラケット(樹脂部材)40と、を備える。基材30に接合するものとしては、ブラケットに限られず、ボスやその他の樹脂からなる部材であってもよい。尚、基材30の上側の面を表面(意匠面)Aとし、下側の面を裏面Bとする。ブラケット40は、基材30の裏面B側に接合している。
基材30の繊維としては、木材等を解織して得た木質繊維、ケナフ等の靭皮植物繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、合成樹脂繊維等を採用することができる。基材30の発泡性樹脂は、所定温度以上に加熱されることで発泡して硬化する(常温でも発泡反応及び硬化反応は進行するが、所定温度以上に加熱されることで、その反応速度が著しく加速する)樹脂である。この発泡性樹脂としては、例えば、発泡性ポリウレタン樹脂、エポキシ系発泡性樹脂、オレフィン系発泡性樹脂等のうちの1種又は2種以上を組み合わせたものを採用することができる。本実施形態において、発泡性樹脂は、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、発泡剤(水)及び触媒等を混合してなる発泡性ポリウレタン樹脂とし、発泡剤(水)の量を適宜変更することで、その発泡倍率を調整することができるものとする。ブラケット40の素材としては、ポリプロピレンやABS等の樹脂を採用することができる。
基材30は、表面A側に位置する発泡性樹脂高含有部31と、裏面B側に位置し、発泡性樹脂高含有部31に比して、繊維に対する発泡性樹脂の含有率が低い発泡性樹脂低含有部32と、を備える。発泡性樹脂低含有部32では、発泡性樹脂高含有部31に比して繊維が密になっているともいえる。ブラケット40は、凹凸状の凹凸部41を備える。凹凸部41は、ブラケット40と基材30との接合面積を大きくして接合力を高めるために設けられている。凹凸部41は、発泡性樹脂低含有部32に接合している。
続いて、ドアトリム100を製造する製造装置としての一対の成形型50について説明する。図2に示すように、一対の成形型50は、後述するマット状のマットMを上下方向から押圧しつつ加熱することができる構成とされている。具体的には、一対の成形型50は、上方に配され、マットMの表面A(基材30における表面Aとなる面)側から押圧して成形する成形面51Aを有する上型51と、上型51に対向するように下方に配され、マットMの裏面B(基材30における裏面Bとなる面)側から押圧して成形する成形面52Bを有する下型52と、を備える。下型52は、成形面52B側においてブラケット40を挿入することができる程度に窪んだ窪み部53を備える。
上型51は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって、下型52に対し上下方向へ移動が可能な可動型とされる。図2では、上型51が下型52から離間する方向へ移動した状態(成形型50が開いた状態)を示している。図3では、上型51が下型52に近づく方向へ移動し、マットMが成形型50によって押圧されている状態(成形型50が閉じた状態)を示している。
次に、ドアトリム100の製造方法について説明する。ドアトリム100の製造方法は、大別すると、図1に示すように、発泡性樹脂R1,R2を塗布したマットMを作成するマット作成工程と、図2から図5に示すように、マットMとブラケット40とを一対の成形型50で押圧しつつ加熱することで、基材30にブラケット40が接合してなるドアトリム100を製造する押圧工程と、を含む。
図1に示すように、マット作成工程では、繊維(複数のウェーブ状の線で示す)により構成されたマット(繊維が交絡してなる繊維体)Mを用意する。そして、マットMの表裏面A,Bに、発泡性樹脂R2,R1を塗布する(これら発泡性樹脂R1,R2は、複数のドットで示す)。マットMを構成する繊維としては、上述した基材30に採用される繊維と同一のものとする。発泡性樹脂R1,R2としては、上述した基材30に採用される発泡性樹脂と同一のものとする。尚、マットMの表面Aに塗布する発泡性樹脂を、表面側発泡性樹脂R2とし、マットMの裏面Bに塗布する発泡性樹脂を、裏面側発泡性樹脂R1とする。裏面側発泡性樹脂R1は、表面側発泡性樹脂R2よりも小さいドットで示す。
マットMの表面Aには、マットMの裏面Bに塗布した裏面側発泡性樹脂R1の量よりも多量の表面側発泡性樹脂R2を塗布する。表面側発泡性樹脂R2は、裏面側発泡性樹脂R1よりも発泡倍率が高いものとする。具体的には、表面側発泡性樹脂R2に混合する水(発泡剤)の割合を、裏面側発泡性樹脂R1に混合する水の割合よりも高くなるように調整することで、表面側発泡性樹脂R2の発泡倍率を高くする。
次に、押圧工程では、図2に示すように、開いた状態の一対の成形型50の間に、マットMとブラケット40とを配する。マットMは、その表面Aが上型51の成形面51Aに対向し、その裏面Bが下型52の成形面52Bに対向する形となるように配される。ブラケット40は、その凹凸部41がマットMの裏面Bと向かい合う形となるように、下型52の窪み部53に挿入される。
この状態から、上型51を下型52に対し徐々に近接させて、一対の成形型50でブラケット40とともにマットMを押圧し、図3に示すように、一対の成形型50を型閉じ状態にする。すると、マットMの表面A側が、上型51の成形面51Aに押圧されることで、成形面51Aの形に倣うように成形され、マットMの裏面B側が、下型52の成形面52Bに押圧されることで、成形面52Bの形に倣うように成形される。
このとき、上型51を、下型52よりも高い温度となる条件で昇温し、上型51と下型52とを所定温度以上に加熱する。マットMは、温度差のある上型51及び下型52によって押圧されることで、マットMの表面A側が、マットMの裏面B側よりも高い温度で加熱される。
このように、マットMの表面Aに塗布した表面側発泡性樹脂R2をマットMの裏面Bに塗布した裏面側発泡性樹脂R1よりも発泡させる条件のもと、一対の成形型50でマットMを押圧しつつ加熱する。裏面側発泡性樹脂R1は、マットMの裏面Bから表面A側へ拡がって含浸する。表面側発泡性樹脂R2は、マットMの表面Aから裏面B側へ拡がって含浸する。
そして、閉じた状態の一対の成形型50を所定圧力で所定時間保持することで、発泡性樹脂R1,R2の発泡が完了して硬化する。すると、図4に示すように、マットMが、表面A側に位置する発泡性樹脂高含有部31と、裏面B側に位置する発泡性樹脂低含有部32と、を備える基材30として成形され、ブラケット40が、基材30の発泡性樹脂低含有部32に接合する。一対の成形型50を冷却した後に、再度開いた状態にした一対の成形型50から成形体を取り出すことで、図5に示すように、基材30と、基材30に接合したブラケット40とを備えるドアトリム100を得る。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態におけるドアトリム100の製造方法は、繊維により構成され、その表裏面A,Bに発泡性樹脂R2,R1を塗布したマットMを作成するマット作成工程と、一対の成形型50の間に、マットMと凹凸部41を備えたブラケット40とを、凹凸部41がマットMの裏面B側を向く形で配した後に、マットMの表面Aに塗布した表面側発泡性樹脂R2をマットMの裏面Bに塗布した裏面側発泡性樹脂R1よりも発泡させる条件のもと、一対の成形型50でマットMを押圧する押圧工程と、を含む。
このようなドアトリム100の製造方法によると、押圧工程において、マットMの表面Aに塗布した表面側発泡性樹脂R2をマットMの裏面Bに塗布した裏面側発泡性樹脂R1よりも発泡させることで、表面側発泡性樹脂R2が、マットMの裏面B側に含浸しやすくなる。そして、表面側発泡性樹脂R2が繊維を裏面B側へ移動させつつ、ブラケット40の凹凸部41に繊維を押し付けて、マットMとブラケット40とを接合させることができる。これにより、ブラケット40の凹凸部41にマットMの繊維が密着しやすくなり、マットMとブラケット40との接合強度が向上する。また、表面側発泡性樹脂R2がマットMの表面A側において含浸することで、マットMの表面Aに平滑性を付与することができる。尚、仮に表面側発泡性樹脂R2がマットMの裏面Bに至るまで含浸しなかったとしても、裏面側発泡性樹脂R1がマットMの裏面B側において含浸することで、マットMの裏面B側の強度を保ち、マットMの裏面B側において繊維が剥き出した状態になってしまうことを防ぐことができる。さらに、ブラケット40が接合したマットMを冷却することで、表面A側に設けられた発泡性樹脂高含有部31と、裏面B側に設けられ、発泡性樹脂高含有部31に比して、繊維に対する発泡性樹脂の含有率が低い発泡性樹脂低含有部32と、を備える基材30を作成することができる。これにより、発泡性樹脂低含有部32において繊維とブラケット40の凹凸部41とが密着し、ブラケット40の接合強度が向上したドアトリム100を製造することができる。また、マットMが繊維と発泡性樹脂とにより構成されるため、軽量かつ剛性の高いドアトリム100を製造することができる。
また、一対の成形型50は、マットMを裏面B側から押圧する下型52と、マットMを表面A側から押圧する上型51とを備えるものとされ、押圧工程においては、上型51が下型52よりも高い温度となる条件で、マットMを押圧しつつ加熱する。
このようなドアトリム100の製造方法によると、表面側発泡性樹脂R2を裏面側発泡性樹脂R1よりも速く発泡させることができる。これにより、裏面側発泡性樹脂R1の発泡が完了する前に表面側発泡性樹脂R2をマットMの裏面B側に含浸させることができるので、表面側発泡性樹脂R2が繊維をマットMの裏面B側へ移動させやすくなり、ブラケット40の凹凸部41に繊維を押し付けやすくなる。
また、マット作成工程においては、マットMの表面Aに塗布した表面側発泡性樹脂R2の量が、マットMの裏面Bに塗布した裏面側発泡性樹脂R1の量よりも多くなるようにしてマットMを作成する。このようなドアトリム100の製造方法によると、マットMの表面Aから裏面B側に含浸する表面側発泡性樹脂R2の量が、マットMの裏面Bから表面A側に含浸する裏面側発泡性樹脂R1の量よりも多くなるので、繊維がマットMの裏面B側に移動しやすくなる。
また、マット作成工程において、マットMの表面Aに塗布した表面側発泡性樹脂R2は、マットMの裏面Bに塗布した裏面側発泡性樹脂R1よりも発泡倍率が高い。このようなドアトリム100の製造方法によると、表面側発泡性樹脂R2が裏面側発泡性樹脂R1よりもマットMに含浸しやすくなり、繊維がマットMの裏面B側に移動しやすくなる。
また、本実施形態において、ドアトリム100は、繊維と発泡性樹脂とにより構成された基材30と、樹脂により構成され、基材30に接合したブラケット40と、を備え、ブラケット40は、凹凸状の凹凸部41を備え、基材30は、発泡性樹脂高含有部31と、発泡性樹脂高含有部31に比して、繊維に対する発泡性樹脂の含有率が低い発泡性樹脂低含有部32と、を備え、凹凸部41は、発泡性樹脂低含有部32に接合している。
このようなドアトリム100によると、基材30が繊維と発泡性樹脂とにより構成されるため、軽量かつ剛性の高いドアトリム100とすることができる。また、ブラケット40の凹凸部41が、繊維に対する発泡性樹脂の含有率が低い発泡性樹脂低含有部32に接合しているので、発泡性樹脂低含有部32において繊維とブラケット40の凹凸部41とが密着し、ブラケット40の接合強度を向上することができる。さらに、発泡性樹脂高含有部31は、発泡性樹脂低含有部32に比して繊維に対する発泡性樹脂の含有率が高いので、基材30の表面Aにおいて平滑性を付与することができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図6によって説明する。本実施形態では、上記実施形態とはマットの作成工程が異なる乗物用内装材の製造方法を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、工程、作用及び効果について重複する説明は省略する。
マット作成工程では、繊維(複数のウェーブ状の線で示す)により構成され、その表裏面210A,210B,220A,220Bに発泡性樹脂R2,R1(複数のドットで示す)を塗布した繊維体を2つ重ねてマットM2を作成する。具体的には、まず、繊維により構成された第1繊維体210と、同じく繊維により構成された第2繊維体220とを用意する。第1繊維体210及び第2繊維体220は、マット状をなしており、繊維が交絡してなる不織布とされる。第1繊維体210及び第2繊維体220を構成する繊維としては、上記実施形態1における基材30に採用される繊維と同一のものとする。
次に、第1繊維体210の表面210Aと、第2繊維体220の表面220Aとに発泡性樹脂R2(以下、表面側発泡性樹脂R2とする)を塗布し、第1繊維体210の裏面210Bと、第2繊維体220の裏面220Bとに発泡性樹脂R1(以下、裏面側発泡性樹脂R1とする)を塗布する。裏面側発泡性樹脂R1は、表面側発泡性樹脂R2よりも小さいドットで示す。発泡性樹脂R1,R2としては、上記実施形態1における基材30に採用される発泡性樹脂と同一のものとする。
そして、第1繊維体210に第2繊維体220を重ねることで、マットM2を作成する。具体的には、第2繊維体220を、その裏面220Bが第1繊維体210の表面210Aと向かい合う形で、第1繊維体210に積層する。マットM2の表面(即ち、第2繊維体220の表面)220Aには、表面側発泡性樹脂R2が塗布されている。マットM2の裏面(即ち、第1繊維体210の裏面)210Bにおいては、裏面側発泡性樹脂R1が塗布されている。マットM2の内部(即ち、第1繊維体210と第2繊維体220との間)には、発泡性樹脂R2,R1が2つの繊維体210,220に挟まれる形で配されている。マットM2の内部には、表面220A及び裏面210Bよりも多量の発泡性樹脂R2,R1が塗布されていることとなる。
このようなドアトリム(乗物用内装材)の製造方法によると、押圧工程において、マットM2の表面220Aに塗布された表面側発泡性樹脂R2と、2つの繊維体210,220の間に配される発泡性樹脂R2,R1とが発泡し、マットM2の裏面210B側に含浸することで、繊維が裏面210B側に移動しやすくなり、ブラケット(樹脂部材)の凹凸部に繊維が押し付けられやすくなる。マットM2の表面220Aに塗布された表面側発泡性樹脂R2は、2つの繊維体の間に配される発泡性樹脂R2,R1が繊維を裏面B側へ移動させることをサポートすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態以外にも、乗物用内装材の製造工程は適宜変更可能である。例えば、マット作成工程は、発泡性樹脂を塗布したマットを、押圧しつつ加熱して、厚みを調整する先行押圧工程を含んでいてもよい。これにより、マットの運搬や保管に適したドアトリムの製造方法を提供することができる。
(2)上記実施形態2以外にも、マット作成工程の手順は適宜変更可能である。上記実施形態2では、第1繊維体及び第2繊維体を積層してマットを作成したが、これに限られない。例えば、繊維により構成され、それぞれの表裏面に発泡性樹脂が塗布された第1繊維体、第2繊維体、第3繊維体を重ねてマットを作成してもよく、繊維により構成され、それぞれの表裏面に発泡性樹脂が塗布された第1繊維体、第2繊維体、第3繊維体、第4繊維体を重ねてマットを作成してもよい。
(3)上記実施形態2以外にも、繊維体の構成は適宜変更可能である。例えば、第1繊維体は、第2繊維体に比して目付が小さく、厚みが小さいものとしてもよい。これにより、マットの裏面側に含浸する発泡性樹脂が、繊維を裏面側へ移動させやすくなり、樹脂部材の凹凸部に繊維を押し付けやすくなる。
(4)上記実施形態では、乗物用内装材としてドアトリムを例示したが、これに限られない。例えば、乗物用内装材としては、荷室のサイドトリム、ルーフライニング、ピラーガーニッシュ等、その他の乗物用内装材であってもよい。
(5)上記実施形態で例示した乗物用内装材の製造方法は、車両用に提供されるもの限られず、種々の乗物において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記乗物用内装材の製造方法を適用することができる。
30…基材、31…発泡性樹脂高含有部、32…発泡性樹脂低含有部、40…ブラケット(樹脂部材)、41…凹凸部、50…成形型、51…上型、52…下型、100…ドアトリム(乗物用内装材)、M,M2…マット

Claims (4)

  1. 少なくとも繊維により構成され、その表裏面に発泡性樹脂を塗布したマットを作成するマット作成工程と、
    前記マットを裏面側から押圧する下型と、前記マットを表面側から押圧する上型とを備える一対の成形型の間に、前記マットと凹凸部を備えた樹脂部材とを、前記凹凸部が前記マットの裏面側を向く形で配した後に、前記一対の成形型で前記マットを押圧しつつ加熱する押圧工程と、を含み、
    前記押圧工程において、前記マットの裏面側を、前記下型で押圧し、前記マットの表面側を、前記下型よりも高い温度に昇温した前記上型で押圧することで、前記マットの表面側を、前記マットの裏面側よりも高い温度で加熱することを特徴とする乗物用内装材の製造方法。
  2. 少なくとも繊維により構成され、その表裏面に発泡性樹脂を塗布したマットを作成するマット作成工程と、
    一対の成形型の間に、前記マットと凹凸部を備えた樹脂部材とを、前記凹凸部が前記マットの裏面側を向く形で配した後に、前記一対の成形型で前記マットを押圧しつつ加熱する押圧工程と、を含み、
    前記マット作成工程において、前記マットの表面に塗布した発泡性樹脂の量が、前記マットの裏面に塗布した発泡性樹脂の量よりも多くなるようにして前記マットを作成することを特徴とする乗物用内装材の製造方法。
  3. 前記マット作成工程において、前記マットは、少なくとも繊維により構成され、その表裏面に発泡性樹脂を塗布した繊維体を2つ重ねて作成することを特徴とする請求項1または請求項に記載の乗物用内装材の製造方法。
  4. 前記押圧工程において、前記マットの表面に塗布した発泡性樹脂を、前記マットの裏面側へ拡げて含浸させるように、前記一対の成形型で前記マットを押圧しつつ加熱し、前記マットにおいて、その裏面側に拡がった発泡性樹脂を含む部分に、前記凹凸部を接合させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用内装材の製造方法。
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