JP2003048221A - 自動車用内装部品の製造方法 - Google Patents

自動車用内装部品の製造方法

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JP2003048221A JP2001237732A JP2001237732A JP2003048221A JP 2003048221 A JP2003048221 A JP 2003048221A JP 2001237732 A JP2001237732 A JP 2001237732A JP 2001237732 A JP2001237732 A JP 2001237732A JP 2003048221 A JP2003048221 A JP 2003048221A
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Yasutake Kudo
泰丈 工藤
Kanemitsu Kondo
兼光 近藤
Toshiyuki Kobayashi
敏幸 小林
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車用内装部品にアンダカット部が存在
し、成形金型が複数の型部材の当接部を含む場合でも、
表面に分離線が形成されることのない、内装部品の製造
方法を提供することである。 【解決手段】 内装部品10のアンダカット部18a、
18bを形成する成形金型の52複数の型部材36,3
9,42,45,48の当接部51a、51bをフィル
ム34で覆い、他方の面34bを型内面52aに裁置す
る裁置工程S6と、キャビティ内に樹脂材料を注入し、
硬化させてフィルム34と一体化された樹脂成形品を成
形する成形工程S7と、硬化した樹脂成形品からフィル
ム34を剥離する剥離工程S8と、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用内装部品
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用内装部品であるインストルメン
タルパネル(以下「インパネ」という)、コンソール、
ドアトリム又はピラーガーニッシュ等は軟質品であるた
め、強度を得るための芯材(「基材」とも言う)と、意
匠効果を得るための表皮材とから成る。表皮材は従来か
ら種々の材料及び方法により製造されている。
【0003】その一つとして、PVC(ポリ塩化ビニー
ル)のスラッシュ成形により表皮材の表皮部を製造する
場合がある。即ち、PVCの樹脂粉末を収容したタンク
に成形金型を取り付け、タンク及び成形金型を回転させ
ることにより、成形金型の内表面上にPVCにより表皮
部を形成する。この表皮部はその後発泡型にセットされ
て、注入されたフォーム材料が硬化することによりフォ
ーム体や芯材と一体化される。PVC製の表皮部は、好
ましい外観品質及びソフトな感触を提供する。しかし、
PVCは、焼却時にダイオキシンを発生するので、自然
環境保護の立場からその使用を制限する動きがある。
【0004】こうした点を考慮して、熱硬化性ウレタン
により表皮一体型の内装部品を製造することがある。例
えば、特開2000−351351号公報(以下「従来
例」と呼ぶ)では、図8(a)(b)(c)及び(d)
に示すように、上型70に基材71を取り付け、下型7
2の内表面にそってスプレガン73を移動させて液状ウ
レタン74を塗布する。液状ウレタン74が硬化するこ
とにより表皮材76が成形され、その際基材71を表皮
材76の一面に一体化する。このようにすれば、PVC
を使用することなく表皮材76を成形することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、内装部品にアンダカット部が存在すると、上型70
及び下型72のアンダカット部を形成するアンダカット
形成部では複数の型部材が当接し、当接面間の隙間に入
り込んだウレタンが表皮材の意匠面に分離線を形成して
しまうことがある。
【0006】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、自動車用内装部品にアンダカット部が存在し、成形
金型が複数の型部材が当接しアンダカット部を形成する
当接部を持つ場合でも、自動車用内装部品の表面に分離
線が形成されることがなく、安価に製造でき、PVCに
劣らない外観を持つ自動車用内装部品の製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、成形金型
の複数の型部材が当接する当接部において、当接面間の
隙間を塞いだ状態で成形することを思い付いて本発明を
完成した。
【0008】即ち、本発明は、意匠面にアンダカット部
を有する自動車用内装部品の製造方法であって、複数の
型部材を有し複数の型部材の当接部がアンダカット部を
形成する成形金型の型内面に、当接部を覆うようにフィ
ルムの一方の面を裁置する裁置工程と;キャビティ内に
樹脂材料を注入し、硬化させてフィルムと一体化された
樹脂成形品を成形する成形工程と;硬化した樹脂成形品
からフィルムを剥離する剥離工程と;から成ることを特
徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態は以下の通りで
ある。 <自動車用内装部品>内装部品としては、インパネの
他、コンソール、ドアトリム又はピラーガーニッシュが
含まれる。 <裁置工程>裁置工程では、複数の型部材から成る成形
金型(例えば下型)にフィルムを裁置する。フィルムは
非接着性、シボ転写性、反転時に傷が付き難いこと及び
ウレタンからの剥離性に優れること等の性質を持つこと
が必要である。フィルムはシリコン注型品でも良いが、
型製作費用が安価で生産性に優れる特徴を持つ熱可塑性
オレフィン樹脂(TPO)の真空成形品が望ましい。
尚、厚さは0.5から1mm程度とすることができる。
【0010】フィルムはその一方の面が型内面に裁置さ
れる。裁置される前のフィルムは平板状でも良いが、予
め当接部を覆う覆い部が形成されていることが望まし
い。また、平板状の場合でも覆い部が形成されている場
合でも、フィルムは他方の面に立体意匠が施されている
ことが望ましいが、施されていることは不可欠ではな
い。フィルムに立体意匠が施されていない場合、立体意
匠は後述する剥離工程の後に別工程で樹脂成形品の表面
に施すことができる。
【0011】TPOから成るフィルムに、予め立体意匠
及び覆い部を形成する場合、凸シボ型等を用いて真空成
形することができる。その際、覆い部で複数の型部材の
当接部を覆い、立体意匠を施した面をキャビティ側に向
け、一方の面を型内面に密着させる。
【0012】尚、平板状のフィルムの場合、型内面に裁
置した状態で成形工程を実行すると、フィルムが型内面
の形状に倣って変形し型内面に密着し、当接部に対向す
る部分が該当接部を覆う。また、樹脂材料として液体ウ
レタン等の流動性材料を使用する場合は、シール性も考
慮して、フィルムにより意匠面に対応する型内面全体を
覆うことが望ましい。 <成形工程>形成工程では、フィルムが取り付けられた
成形金型と相手側の成形金型(例えば上型)とにより区
画形成されるキャビティ内に樹脂材料を注入し、硬化さ
せてフィルムと一体化された樹脂成形品を成形する。そ
の際、フィルムに立体意匠(例えば凹シボ)が施されて
いる場合、該凹シボが樹脂成形品に凸シボとして忠実に
転写される。
【0013】注入する樹脂材料としてはウレタンやオレ
フィンを使用することができ、例えばインテグラルスキ
ンフォーム材料を使用すれば、高発泡のコア部と低発泡
の表皮部とを形成することができる。その際、相手側の
成形金型に芯材をセットしておき、インテグラルスキン
フォーム材と一体化しても良い。芯材はASG、PP、
PCとABSとの混合物、又は硬質ウレタン等から成
り、これらを火炎処理、プライマー処理等することがで
きる。 <剥離工程>剥離工程では硬化した樹脂成形品からフィ
ルムを剥離し、これにより自動車用内装部品が完成す
る。 <塗布工程>本発明は更に樹脂成形品の意匠面に所定の
塗料を塗布(スプレ)する塗布工程を含むことができ
る。塗料は、顔料としてインテグラルスキンフォーム材
に添加しても良い。
【0014】また、塗料はフィルムから転写することも
できる。この場合、予めフィルムの表面に塗布しておい
た塗料の膜(塗膜)を、樹脂成形品の成形時にその表面
に残せば良い。その際、樹脂成形品のアンダカット部の
形状即ちフィルムの覆い部の形状が複雑な場合は、塗布
時にフィルムを表裏反転させることもできる。このよう
にすれば、樹脂成形品の意匠面全体が所定の色彩に色づ
けされる。
【0015】更に、塗料は樹脂成形品からフィルムを剥
離した後に塗布することもできる。この場合、フィルム
を剥がした樹脂成形品にスプレガン等により塗布すれば
良く、塗布作業が簡単である。 <繰返し工程>本発明は更に裁置工程、成形工程及び剥
離工程を少なくとも一回繰り返す繰返し工程を含むこと
ができる。繰返し工程では、裁置工程及び成形工程で使
用され剥離工程で成形品から剥がされたフィルムを再使
用することができ、これにより内装部品の製造コストが
低減される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。 <第1実施例> 内装部品(インパネ) 第1実施例が図1、図2、図3、図4及び図5に示され
ている。この実施例の内装部品は、図4に示すインパネ
10であり、その一断面が図5に示されている。インパ
ネ10の断面部分は直線状の中間部11aと、湾曲した
左端部11b及び右端部11cとを持ち、厚さ方向には
芯材12と、その一面に一体化されたインテグラルスキ
ンフォーム材(表皮材)15とから成る。
【0017】芯材12は、ASG(アクリトニトリルス
チレン共重合体のガラス強化剤)から成る。
【0018】インテグラルスキンフォーム材15の成形
密度は約0.5g/cm3 であり、高発泡で厚いコア部
17と、低発泡で薄い表皮部19とから成る。表皮部1
9には立体意匠としてのシボ(不図示)が形成されてい
る。インパネ10は成形時はX方向に型抜きされ、左端
部11b及び右端部11cの先端近くに抜き方向前方に
進むにつれて幅が狭くなる、アンダカット部18a及び
18bが存在する。 製造方法 次に、上記インパネ10の製造方法を図1,図2及び図
3を基に説明する。製造方法は、図1(a)から(d)
に示す真空成形工程S1、脱型工程S2、フィルム反転
工程S3及びインモールドコート工程S4と、図2
(e)から(h)に示すフィルム再反転工程S5、フィ
ルム・インサートセット工程S6、一体発泡工程S7及
び脱型・フィルム分離工程S8から成る。以下、各工程
について詳述する。
【0019】真空成形工程S1、脱型工程S2、フィル
ム反転工程S3、インモールドコート工程S4及びフィ
ルム再反転工程S5はフィルム34を準備する工程であ
る。即ち、図1(a)に示す真空成形工程S1では、共
和レザー(株)製の厚さ0.8mmのTPOフィルム2
5を150から160℃で加熱後、凸シボ型27で真空
成形した。TPOフィルム25は前述したように、非接
着性で、真空成形性、シボ転写性及びウレタンからの剥
離性に優れる。
【0020】凸シボ型27は凸部(型面)28を持ち、
所定部分に凸シボ(不図示)と、突出部29a及び29
bとが形成されている。TPOフィルム25は真空成形
により凸シボ型27の型面28の形状に倣って変形す
る。
【0021】図1(b)に示す脱型工程S2において凸
シボ型27から分離されたシボ付きTPOフィルム30
には、裏面(上面)30bに突出した覆い部31a及び
31bが突設されるとともに、表面(下面)30a全体
に凹シボ(不図示)が形成されている。
【0022】図1(c)に示すフィルム反転工程S3に
おいてTPOフィルム30の表裏を反転する。その結
果、反転後のTPOフィルム32は面lに対して反転前
のTPOフィルム30と面対称になり、それまで内側を
向いていた表面32aが外側を向く。また、覆い部33
a及び33bは覆い部31a及び31bと対称に突出す
る。
【0023】そこで、図1(d)に示すインモールドコ
ート工程S4において、外側を向き覆い部33a及び3
3bを含む表面32a全体にスプレガン31により所定
の色彩の塗料を塗布する。次に、図1(e)に示すフィ
ルム再反転工程S5において、TPOフィルム32の表
裏を再度反転させる。その結果、再反転後のTPOフィ
ルム34は上記図1(b)のTPOフィルム30と同形
状になる。
【0024】図1(f)に示すフィルム・インサートセ
ット工程(裁置工程)S6では、発泡下型52に対して
発泡上型55を開き、TPOフィルム34を発泡下型5
2の凹部に取り付ける。図3に示すように、発泡下型5
2は型本体36と、その上のくぼみ38a及び38bに
嵌合された一対の押出し部材39及び42と、その上に
裁置された一対のスライド部材(スライドコア)45及
び48とから成る。型本体36、押出し部材39及び4
2及びスライド部材45及び48の内表面には上記TP
Oフィルム34の裏面34bの形状と一致する型内面5
2aが形成されている。
【0025】即ち、型本体36は湾曲面37aとその左
右両側の平坦面37b及び37cとを持ち、左方の平坦
面37bと湾曲面37aとの境界にくぼみ38aが形成
されるとともに、湾曲面37aの谷部付近(右方の平坦
面近傍)にくぼみ38bが形成されている。
【0026】左方のくぼみ38aに左方の押出し部材3
9が嵌合され、その傾斜面40aから突起40bが凹部
内に斜め方向に突出している。その結果、突起40bと
スライド部材45の傾斜面46aとにより右斜め上方に
開口するくぼみ47が形成されている。左方のスライド
部材45は型本体36の左方の平坦面37b及び左方の
押出し部材39の上面40c上に裁置され、傾斜面40
aよりも少し凹部の内方に突出する内面46aを持って
いる。
【0027】型本体36、押出し部材39及びスライド
部材45は互いに当接して当接部51aを形成する。な
お、型抜き時左方の押出し部材39は上方(Y方向)に
押し出され、左方のスライド部材45は左方向(Z方
向)にスライド(後退)される。
【0028】一方、右方のくぼみ38bに嵌合された右
方の押出し部材42の上半分が凹部内に上方に突出して
いる。右方のスライド部材48は型本体36の右方の平
坦面37c上に裁置され、押出し部材42に向かって左
方に突出する突起部49が形成されている。その結果、
押出し部材42と突起49とにより左斜め上方に開口す
るくぼみ50が形成されている。
【0029】型本体36、押出し部材42及びスライド
部材48は互いに当接して当接部51bを形成する。な
お、型抜き時右方の押出し部材42は上方(Y方向)に
押し出され、右方のスライド部材48は右方向(Z方
向)にスライド(後退)される。
【0030】TPOフィルム34は、覆い部35a及び
35bをそれぞれくぼみ47及び50に嵌入され、表面
(他方の面)34aをキャビティC側に向けられ、裏面
(一方の面)34bを下型52の型内面52aに密着さ
れる。それによって、TPOフィルム34は型本体36
と左方の押出し部材39との間の隙間、及び左方の押出
し部材39とスライド部材45との間の隙間を塞ぐ。ま
た、型本体36と右方の押出し部材42及びスライド部
材48との間の隙間を塞ぐ。
【0031】次に、発泡上型55を閉じ、図1(g)に
示す一体発泡工程(成形工程)S7において、住化バイ
エルウレタン(株)製のポリオール01FK15とイソ
シアネート01FK16とを混合し、芯材12とTPO
フィルム34との間のキャビティCに注入、発泡させ
て、インテグラルスキンフォーム材15を形成した。そ
の際の型内キュア時間は約2分、インテグラルスキンフ
ォーム材15の成形密度は約0.5g/cm3であっ
た。
【0032】その結果、TPOフィルム34と、コア部
17及び表皮部19を持つインテグラルスキンフォーム
材15と、芯材12とが一体化された樹脂成形品が完成
した。また、TPOフィルム34の一表面に転写された
凹シボが表皮部19の表面に凸シボとして忠実に転写さ
れた。
【0033】最後に、図1(h)に示す脱型・フィルム
分離工程(剥離工程)S8において、インテグラルスキ
ンフォーム材15及びTPOフィルム34を発泡型52
及び55から分離し、その後インテグラルスキンフォー
ム材15からTPOフィルム34を剥がす。その際、T
POフィルム34は樹脂成形品から容易に剥離すること
ができ、しかも剥離時に伸びは発生しなかった。また、
表面34aに塗布した塗料のコート(塗膜)がTPOフ
ィルム34から剥がれて表皮側19に残り、表皮部19
の表面が所定の色彩に色づけされた。
【0034】これにより、芯材12と、コア部17及び
表皮部19から成るインテグラルスキンフォーム材15
とを含む、表皮一体型のインパネ10が製造される。以
上によりインパネ10の第1回目の製造が終了する。
【0035】2回目以降のインパネ10の製造時は、イ
ンモールドコート工程S4、フィルム再反転工程S5、
フィルム・インサートセット工程S6、一体発泡工程S
7及び離型・フイルム分離工程S8を繰り返せばよい。
その際、第1回目の成形時に使用し、成形後に樹脂成形
品から剥離したTPOフィルム34を再度使用する。そ
の場合、TPOフィルム34の表裏を反転してTPOフ
ィルム32とし、その表面32aに塗料を塗布して、再
度表裏を反転してTPOフィルム34とする。 実施例の効果 本実施例によれば以下の効果が得られる。
【0036】第1に、インパネ10にはアンダカット部
18a及び18bが存在するが、成形された表皮部19
に分離線は形成されない。インテグラルスキンフォーム
の際、型本体36と左方の押出し部材39及びスライド
部材45との当接面の隙間、及び型本体36と右方の押
出し部材42及びスライド部材48との当接間の隙間が
TPOフィルム34の覆い部35a及び35bで覆わ
れ、インテグラルスキンフォーム材料がこれらの隙間に
侵入しないからである。
【0037】第2に、第2回目以後のインパネ10の製
造時に、第1回目の製造時に使用したTPOフィルム3
4を再使用することができる。脱型・フィルム分離工程
S8で成形品から分離されたTPOフィルム34は、フ
ィルム・インサートセット工程S6で発泡下型52にセ
ットする前と同じ形状を持つ。そして、TPOフィルム
34は、第2回目以降の製造時においても、覆い部35
a及び35bが型本体36と左方の押出し部材39及び
スライド部材45との間の隙間等を塞ぐ。このように、
TPOフィルム34は毎回の一体発泡において、型内面
52aに取り付けて使用され発砲下型52の一部をな
す。その結果、1枚のTPOフィルム34を複数個のイ
ンパネ10の製造に使用できるので、インパネ10の製
造コストが低減され、また最終的に廃棄されるTPOフ
ィルム34の発生量を最低限に抑制できる。
【0038】第3に、TPOフィルム34の覆い部35
a及び35bにも確実に塗料が塗布される。インモール
ドコート工程S4において、TPOフィルム32の表面
32aに塗料を塗布する前に、TPOフィルム30の表
裏を反転するからである。反転の結果、覆い部33a及
び33bが表面32a側に突出し、深く又は細くくぼん
だ部分がなくなり、スプレガン31を隅々まで移動させ
ることができる。その結果、インパネ10の表皮部19
が、PVCから成る表皮と同等の美観、手触りを持つこ
とができる。 <第2実施例>本発明の第2実施例を図6及び図7に基
づき説明する。第2実施例は、インパネのアンダカット
部の形状が比較的簡単であり、成形されたインパネに塗
料を直接塗布することができる。従って、第1実施例と
異なり、フィルムの表裏反転工程は含まない。その他の
点は基本的に第1実施例と共通する。
【0039】図6(a)に示す真空成形工程S11で
は、TPOフィルム60を凸シボを持つシボ型62上に
被せる。そして、真空成形によりフィルム60の一表面
に凹シボを形成する。TPOフィルム61は、図6
(b)に示す脱型工程S12においてシボ型62から分
離される。図6(c)に示すフィルム・インサートセッ
ト工程(裁置工程)S13では、発泡上型64の凸部に
芯材66を取り付け、発泡下型68の凹部にTPOフィ
ルム61を取り付ける。
【0040】図6(d)に示す一体発泡工程(成形工
程)S14において、芯材66とTPOフィルム61と
の間のキャビティにポリオールとイソシアネートから成
るインテグラルスキンフォーム材料を注入し、その後発
泡させて、インテグラルスキンフォーム材68を形成し
た。これによりフィルム61と、コア部17及び表皮部
19(図3参照)から成るインテグラルスキンフォーム
材68と、芯材66とが一体化された樹脂成形品70が
得られた。また、TPOフィルム61の一表面の凹シボ
が表皮部19の表面に転写された。
【0041】次に、図7(e)に示す脱型工程S15に
おいて、TPOフィルム61、インテグラルスキンフォ
ーム材68及び芯材66が一体化された樹脂成形品70
を発泡下型66から取り出す。TPOフィルム61は、
図7(f)に示すフィルム分離工程(剥離工程)S16
において、インテグラルスキンフォーム材68及び芯材
66から剥離され、第2回目以降のインパネ10の製造
において繰り返し使用される。
【0042】図7(g)に示すトリミング工程S17に
おいて、インテグラフスキンフォーム材68の周縁をト
リミングする。そして、図7(h)に示す塗布工程S1
8において、スプレガン72により表皮部19の表面に
所定の塗料を塗布し、これによりインパネ10が製造さ
れる。
【0043】第2実施例においても、複数の型部材(不
図示)の当接面間の隙間へのインテグラルスキンフォー
ム材の侵入がTPOフィルム61により防止され、表皮
部19の表面に分離線が形成されることが防止される。
また、第2回目以降のインパネ10の製造時にTPOフ
ィルム61を繰り返し使用することにより製造コストが
低減される。
【0044】加えて、TPOフィルム61の表裏反転工
程がない分、インパネ10の製造が簡単であり、製造コ
ストを低減できる。また、表皮部19の表面への塗料の
塗布をインテグラルスキンフォーム材68の成形後に行
うので、塗布作業が容易になる。
【0045】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の自動車
用内装部品の製造方法では、内装部品のアンダカット部
を形成する成形金型の複数の型部材の当接部をフィルム
で覆った状態で樹脂材料をキャビティ内に注入する。そ
の結果、本発明によれば、樹脂材料が硬化して成る内装
部品の表面に分離線が残らず、しかもPVCと比べて遜
色のない外観を持つ内装部品を、製造コストを低減しつ
つ製造することができる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)(c)及び(d)は、本発明の第
1実施例による自動車用内装部品の製造方法の各工程
(前半)を示す説明図である。
【図2】 (e)(f)(g)及び(h)は、上記第1
実施例の各工程(後半)を示す説明図である。
【図3】 第1実施例で使用する発泡下型の断面図であ
る。
【図4】 第1実施例により製造されるインパネの斜視
図である。
【図5】 図4における5−5断面図である。
【図6】(a)(b)(c)及び(d)は、本発明の第
2実施例による自動車用内装部品の製造方法の各工程
(前半)を示す説明図である。
【図7】 (e)(f)(g)及び(h)は、上記第2
実施例の各工程(後半)を示す説明図である。
【図8】(a)(b)(c)及び(d)は従来の内装部
品の製造方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
10:内装部品 12:芯材 15:インテグラルスキンフォーム材 17:コア部 18a、18
b:アンダカット部 19:表皮部 27:シボ型 31:スプレガン 34:フィルム
34a:他方の面 34b:一方の
面 35a、35b:覆い部 36,39,42,45,48:型部材 51a,51b:当接部 52:下型 55:上型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:58 B29L 31:58 (72)発明者 小林 敏幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BB08 BB09 BB25 BC01 BD03 BD08 BD09 BE03 BE06 BE14 BE31 3D044 BA11 BC04 4F204 AA42 AD05 AG03 AG20 AG21 AH25 EA01 EA04 EB01 EB11 EB13 EF05 EF27 EK17 EK25 EW37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 意匠面にアンダカット部を有する自動車
    用内装部品の製造方法であって、 複数の型部材を有し複数の該型部材の当接部が前記アン
    ダカット部を形成する成形金型の型内面に、該当接部を
    覆うようにフィルムの一方の面を裁置する裁置工程と、 前記成形金型のキャビティ内に樹脂材料を注入し、硬化
    させて前記フィルムと一体化された樹脂成形品を成形す
    る成形工程と、 硬化した前記樹脂成形品から前記フィルムを剥離する剥
    離工程と、から成ることを特徴とする自動車用内装部品
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記裁置工程において前記成形金型の型
    内面に裁置される前記フィルムは真空成形により形成さ
    れ、前記当接部を覆う覆い部を有し、他方の面に立体意
    匠が施されており、前記一方の面を型内面に密着される
    請求項1記載の自動車用内装部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 更に、前記剥離工程の次に、前記樹脂成
    形品の意匠面に塗料を塗布する塗布工程を含む請求項1
    記載の自動車用内装部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 更に、前記裁置工程の前に、前記フィル
    ムの他方の面に塗料を塗布する塗布工程を含む請求項1
    又は2記載の自動車用内装部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記塗料は、前記裁置工程における裁置
    時とは表裏反転した状態の前記フィルムに塗布される請
    求項4記載の自動車用内装部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 更に、前記剥離工程で剥離された前記フ
    ィルムを用いて前記裁置工程、前記成形工程及び前記剥
    離工程を少なくとも一回繰り返す繰返し工程を含む請求
    項1記載の自動車用内装部品の製造方法。
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