画像表示装置
技術分野 '
本発明は眼球に近接させて使用する画像表示装置に関するものである。 明
背景技術
田
画像表示装置には、 テレビ、 パソコン、 プロジェクター、 ビデオカメ ラ、 携帯電話等多くの種類が存在するが、 これら従来の画像表示のディ スプレイは大きさに制限があり、 実際に人の眼で見るよ うな広域の画像 をディスプレイから得ることはできなかった。 ' 一方、 人が持ち運び可能なディスプレイ と しては、 ウエアラブルディ スプレイ と呼ばれる眼鏡型ディスプレイや頭部支持型ディスプレイが知 られている。 ウェアラブルディスプレイと しては、 図 2 8 ( a ) に示す ような視界の一部に小さいハーフミラー 4 0を配置し、 プラズマディス プレイや液晶等の画像出力素子 3 9から出力された画像を、 投影光学系 3 8を介して前記ハーフミラー 4 0により偏向し、 眼球の網膜に投影す る方法が知られている。 この方法はハーフミラーを用いているので、 視 界の一部に画像出力素子 3 9から出力された画像が浮かんで見えるよう な方式 (第 1タイプ) である。 しかし、、視界角度としては数。 程度しか 得られない。 このタイプのウェアラブルディスプレイの用途と しては、 携帯電話の画面情報の提示等が考えられている。
—方、 もう少し大きい画像情報を得る手法としては、 図 2 8 ( b ) に 示すようなものがある。 これは、 眼球の手前に大きな光学素子 4 1 を配 置し、 複数の反射面及ぴ投影光学系 4 2を介して、 画像出力素子 3 9か
ら出力された画像を眼球の網膜に投影するものである。 このようなタイ プでは、比較的大きな視界角度 ( 1 5 ~ 2 2. 5° 程度) が得られるが、 視界を完全に遮るタイプのものしか提案されていない。 従って、 使用方 法として、 片方の眼の前に脱着可能なように設置し、 ウェアラブルパソ コンとしてのディスプレイに用いる方式のもの (第 2タイプ) か、 両眼 に独立に同画像表示装置を設置して、 テレビやプロジェクターの代わり として使用する方式のもの (第 3タイプ) が提案されている。
上記従来技術における 3タイプは、 それぞれ携帯電話、 ノートバソコ ン、 テレビゃプロジェクタ一に代わるウェアラブルディスプレイとして 期待されていた。 しかし、 実際にはウェアラブルとレヽぅメ リ ッ トはある ものの、 ディスプレイの視野の大きさでは従来のディスプレイとあまり 差がなく、 装備する ときの面倒や視界を遮られることによる眼の疲れ、 耳や頭に搭載する重量等を考えると、 デメ リ ツ トが目立つという欠点が あった。 に、 大きな視野角度を有するものでも土 1 5〜 2 2. 5° 程 度であり、 臨場感を得ることはできなかった。
一方、 重量が大き くなることを前提として、 複数のレンズを接眼レン ズとして用い、 大きな視野角度を得る方法を記載した方法としては、 特 開平 7— 2 4 4 24 6号公報ゃ特開 2 0 0 1— 3 1 1 9 1 0号公報に記 載されるもの等があり、 これらのものでは、 ± 2 2. 5° 以上の視野角 を得ることができる。 しかし、 これらのものは、 あくまでも眼球を動か さない状態で広い視野角度が取れるというものであり、 眼球を動かした 時に発生する水晶体の接眼レンズ中心からのずれや、 そのときの色収差 について十分に考盧されてはいない。
また、 この種の大きな視野角を有する装置では、 接眼光学系が大きい 形状となるため、 重量も増し、 もはや頭部にディスプレイを搭載する H MD型やメガネのよ うに鼻と耳で重量を支えるメガネ型ディスプレイで
は重量的に整合しないとレ、う不都合がある。 発明の開示
本発明はこのような事 '隋に鑑みてなされたものであり、 人間が見る視 界に近い、 大きな視界角度を有し、 更に、 眼球を動かした時に発生する 水晶体の接眼レンズ中心力 らのずれに対しても、 その時の色収差におい ても、 十分に良好な画像を提供できる画像表示装置を提供することを目 的とする。
前記目的を達成するための第 1の発明は、 光束放出方向に直交した 2 次元発光型の第 1光電素子から放出された光を、 リ レー光学系を介して 左右両目に対し独立した第 1、 第 2の光拡散体に投影し、 同光拡散体の 透過像をそれぞれに対応した第 1、 第 2の接眼光学系を介して視野角土 2 2 . 5 ° 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像させる画像表示 装置であって、 前記第 1、 第 2光拡散体像の中心間距離は 5 . 5〜 7 . 5 c m内であり、 前記第 1、 第 2の接眼光学系は、 それぞれ眼球の水晶 体から 1枚又は複数枚の レンズ、 貼り合せレンズの順で少なく とも 2 枚のレンズで構成され、 前記凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面が コーニック定数 K < 0のコーニック面であり、 かつ、 前記貼り合せレン ズの貼り合せ部は前記光広散体側に凸面とされ、 かつ、 前記貼り合せレ ンズの色分散は前記光拡散体側のレンズの方が大きく されていることを 特徴とする画像表示装置である。
後に発明を実施するための最良の形態の欄で詳しく説明するが、 左右 の眼に画像を伝達し、 かつ、 左右の眼用の光学系の位置が干渉しないよ うにするためには、 第 1、 第 2光拡散体像の中心間距離は 5 . 5 ~ 7 . 5. c m内とする必要がある。 この条件下で、 従来不可能であった視野角 ± 2 2 . 5 ° 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像させることを
実現させるためには、 なるべく水晶体に近い位置に凸レンズを置いて、 比較的近い範囲からのそれぞれの光束の主光線が、 凸レンズの作用によ り大きな角度差を持って水晶体に入るようにすることが必要である。 よ つて、 本発明においては、 水晶体に近い場所に、 1枚又は複数枚の凸レ ンズを配置する構成とし、この部分には凹レンズを設けないようにする。 そして、 この場合に、 瞳の横シフ ト .(以下 「キヨ 口目」、 「キヨ口目動 作」 と呼ぶことがある。) を行っても、 良好な像を得るために、 凸レンズ の周辺で発生する非点収差を改善する必要がある。 そのために、 凸レン ズのレンズ面の内少なく とも 1面を、 コーニック定数 K < 0のコ一二ッ ク面としている。 さ らにこの構成によって発生する色収差を改善するた めに、 凸レンズの光拡散体側に貼り合わせレンズを設けている。
特に、 第 1、 第 2 の接眼光学系では、 眼球側に非球面の凸レンズを配 置して、 眼球の瞳に大きな角度で各主光線が入射するようにしているの で、光拡 体における各光束の主光線の傾きは、比較的小さい。そこで、 光拡散体に近い所に貼り合わせレンズを使用することで、 貼り合せ面に おける入射角度も差ほど大きくなくなり、 良好に色収差を補正できるよ うになる。
貼り合わせレンズにより色収差を改善するためには、 色分散の大きな レンズ側に向かって貼り合せ面を凸とする必要があるので、 本発明にお いては、 貼り合せレンズの貼り合せ部を、 前記光拡散体側に凸面し、 貼 り合せレンズの色分散は、 前記光拡散体; ί則のレンズの方が大きくなるよ うにさ Lている。
これにより、 光学系の大きさを大きくせず、 視野角を大きくすること ができ、 かつ、 非点収差、 色収差をはじめ、 各収差の小さい光学系とす ることができる。 又、 貼り合わせレンズに入射する光を非テレセントリ ックとして、視野角を広げた場合に、像が観察可能なようにするために、
第 1光電素子からの光を、 一旦光拡散体上に結像させ、 中間像から拡散 した光が眼球に入るようにしている。
前記目的を達成するための第 2の発明は、 光束放出方向に直交した 2 次元発光型の第 1光電素子から放出された光を、 リ レー光学系を介して 左右両目に対し独立した第 1、 第 2の光拡散体に投影し、 同光拡散体の 透過像をそれぞれに対応した第 1、 第 2の接眼光学系を介して視野角土 2 2 . 5 ° 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像させる画像表示 装置であって、 前記第 1、 第 2光拡散体像の中心間距離は 5 . 5〜 7 . 5 c m内であり、 前記第 1、 第 2の接眼光学系は、 それぞれ眼球の水晶 体から 1枚又は複数枚の凸レンズ、 貼り合せレンズの順で少なく とも 2 " 枚のレンズで構成され、 前記凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面が コーニック定数 K < 0のコーニック面であり、 かつ、 前記貼り'合せレン ズの貼り合せ部は前記光拡散体側に凹面とされ、 かつ、 前記貼り合せレ ンズの色分散は前記光拡散体 ί¾のレンズの方が小さく されていることを 特徴とする画像表示装置である。
本発明においては、 貼り合せレンズの貼り合せ部を前記光拡散体側に 凹面としているので、 これに伴い、 貼り合せレンズの色分散は、 前記光 拡散体側のレンズの方を小さく していることが異なるのみであり、 作用 効果は前記第 1 の発明と同じである。
前記目的を達成するための第 3の発明は、 光束放出方向に直交した 2 ' 次元発光型の第 1光電素子から放出された光を、 リ レー光学系を介して 左右両目に対し独立した第 1、 第 2の光拡散体に投影し、 同光拡散体の 透過像をそれぞれに対応した第 1、 第 2の接眼光学系を介して視野角士 2 2 . 5。 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像させる画像表示 装置であって、 前記第 1、 第 2光拡散体像の中心間距離は 5 . 5〜 7 . 5 c m内であり、 前記第 1、 第 2の接眼光学系は、 それぞれ眼球の水晶
体から 1枚又は複数枚の凸レンズ、 貼り合せレンズの順で少なく とも 2 枚のレンズで構成され、 前記凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面が コーニック定数 Kく 0のコーユック面であり、 かつ、 前記貼り合せレン ズの貼り合せ部は少なく とも 2箇所あり、 前記光拡散体に近い貼り合せ 面が、 前記光拡散体側に凹面とされ、 もう一方の貼り合せ面は、 前記光 拡散体側に凸面とされ、 前記貼り合せ部真ん中のレンズの色分散は、 両 サイ ドのレンズの色分散よりも大きく されていることを特徴とする画像 表示装置である。
本発明においては、 色収差のさらなる改善を図るために、 貼り合せレ ンズの貼り合せ部は少なく とも 2筒所設けているだけで、 前記第 1 の発 明、 第 2の発明と基本的な作用効果は異ならない。 この場合、 貼り合せ 部真ん中のレンズの色分散を、 両サイ ドのレンズの方よりも大きく して いることに伴い、 貝占り合せ面は真ん中のレンズに向かって凸面となるよ うに、 すなわち真ん中のレンズが凹レンズとなるようにされている。 通 常、貼り合わせレンズは 3枚十分であるが、 4枚以上を使用する場合は、 両端のレンズを除く レンズの組み合わせを上記 1枚の真ん中のレンズと 等価なレンズ系とすれ f よい。
前記目的を達成するための第 4の発明は、 光束放出方向に直交し—た 2 次元発光型の第 1光電素子から放出された光を、 リ レー光学系を介して 左右両目に対し独立した第 1、 第 2の光拡散体に投影し、 同光拡散体の 透過像をそれぞれに対応した第 1、 第 2.の接眼光学系を介して視野角土 2 2 . 5 ° 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像させる画像表示 装置であって、 前記第 1、 第 2光拡散体像の中心間距離は 5 . 5〜 7 . 5 c m内であり、 前記第 1、 第 2の接眼光学系は、 それぞれ眼球の水晶 体力、ら 1枚又は複数枚の凸レンズ、 貼り合せレンズの順で少なく とも 2 枚のレンズで構成され、 前記凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面が
コーニック定数 K < 0のコーニック面であり、 かつ、 前記貼り合せレン ズの貼り合せ部は少なく とも 2箇所あり、 前記光拡散体に近い贴り合せ 面が、 前記光拡散体側に凸面とされ、 もう一方の貼り合せ面は、 前記光 拡散体側に凹面とされ、 前記貼り合せ部真ん中のレンズの色分散は、 両 サイ ドのレンズの色分散より小さく されていることを特徴とする画像表 示装置である。
本発明においては、 貼り合せ部真ん中のレンズの色分散を、 両サイ ド のレンズの色分散よ り小さく しているので、 それに伴い、 貝占り合せ面は 真ん中のレンズに向かって凹面となるように、 すなわち真ん中のレンズ が凸レンズとなるよ うにされていることが、 第 3の発明と異なるのみで あり、 作用効果は、 前記第 3の発明と同じである。
前記目的を達成するための第 5の発明は、 前記第 1 の発明から第 4の 発明のいずれかであって、 前記凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面 がコ一二、 ク定数 Κく一 1のコーニック面であることを特徴とするもの である。
本発明においては、 凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面を、 コー ニック定数 Κく一 1 のコーニック面としているので、. レンズ周辺での収 差をさらに改善することができる。 よって、 凸レンズの曲率を上げるこ とができるようになり、 凸レンズとして屈折率が低いもので色分散の小 さいものを使用可能となる。 これにより、 色消し用の貼り合わせレンズ の設計が容易になる。
前記目的を達成するための第 6の発明は、 光束放出方向に直交した 2 次元発光型の第 1光電素子から放出された光を、 リ レー光学系を介して 左右両目に対し独立した第 1、 第 2の光拡散体に投影し、 同光拡散体の 透過像をそれぞれに対応した第 1、 第 2の接眼光学系を介して視野角土 2 2 . 5 ° 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像させる画像表示
装置であって、 前記第 1、 第 2光拡散体像の中心間距離は 5 . 5〜 7 . 5 c m内であり、 前記第 1、 第 2の接眼光学系は、 それぞれ眼球の水晶 体から 1枚又は複数枚の凸レンズ、 貼り合せレンズの順で少なく とも 2 枚のレンズで構成され、 前 ΐ己貼り合せレンズの貼り合せ部は前記光拡散 体側に凸面とされ、 かつ、 前記貼り合せレンズの色分散は前記光拡散体 側のレンズの方が大きくされ、 さらに、 前記拡散体は前記貼り合せレン ズ方向に凹面形状の曲面とされていることを特徴とする画像表示装置で ある。
本発明においては、 拡散 #:が貼り合せレンズ方向のある方向から見て 凹面形状の曲面とされている ことが最大の特徴である。 拡散体をこのよ うな曲面とすることで、 拡散体から貼り合わせレンズに向かう光束が収 束方向となる場合であっても、 拡散体の寸法を大きく しなくて済む。 よ つて、 拡散体から貼り合わせレンズに向かう光束が収束方向となる 'よう な光束を俾用することができ、 その分、 凸レンズの像倍率を小さくする ことができる。 これにより、 デイス トーションゃ収差の発生を小さくす ることができ、 又、 屈折率が小さく色分散の小さい硝材を凸レンズとし て使用することができるので、 色消しも容易となる。
前記目的を達成するための第 7の発明は、 光束放出方向に直交した 2 次元発光型の第 1光電素子から放出された光を、 リ レー光学系を介して 左右両目に対し独立した第 1 、 第 2の光拡散体に投影し、 同光拡散体の 透過像をそれぞれに対応した第 1、 第 2の接眼光学系を介して視野角土 2 2 . 5 ° 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像させる画像表示 装置であって、 前記第 1、 第 2光拡散体像の中心間距離は 5 . 5〜 7 . 5 c m内であり、 前記第 1、 第 2の接眼光学系は、 それぞれ眼球の水晶 体から 1枚又は複数枚の凸レンズ、 貼り合せレンズの順で少なく とも 2 枚のレンズで構成され、 前曾己貼り合せレンズの貼り合せ部は前記光拡散
体側に凹面とされ、 かつ、 前記貼り合せレンズの色分散は前記光拡散体 側のレンズの方が小さく され、 さらに、 前記拡散体は前記貼り合せレン ズ方向に凹面形状の曲面とされていることを特徴とした画像表示装置で ある。
本発明においては、 貼り合わせレンズの構成が前記第 6の発明と異な るのみであり、 前記第 6の発明と同じ作用効果を奏する。
前記目的を達成するための第 8 の発明は、 前記第 6の発明又は第 7の 発明であって、 前記凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面がコ一-ッ ク定数 Kく 0のコーニック面であることを特徴とするものである。
本発明においては、 凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面がコ一二 ック定数 K < 0のコーニック面とされているので、 凸レンズの周辺で発 生する非点収差を改善することができる。
前記目的を達成するための第 9の発明は、 前記第 8の発明であって、 前 記凸レン のレンズ面の内少なく とも 1面がコーニック定数 Kく一 1の コーニック面であることを特徴とするものである。
本発明においては、 凸レンズのレンズ面の内少なく とも 1面がコ一二 ック定数 K < _ 1のコーニック面とされているので、 凸レンズの周辺で 発生する非点収差を、 さらに改善することができる。
前記目的を達成するための第 1 0の発明は、 前記第 1 の発明から第 9 の発明のいずれかであって、 前記第 1、 第 2の接眼光学系の光学的中心 及び前記第 1、 第 2の光拡散体への投 画像中心の間隔が、 眼幅と等し くなるように、 これら 2個の接眼光学系及び投影画像中心の間隔が調整 可能とされていることを特徴とするものである。
本発明においては、 第 1、 第 2の接眼光学系の光学的中心及ぴ第 1、 第 2の光拡散体への投影画像中心の間隔が、 眼幅と等しくなるように、 これら 2個の接眼光学系及び投影画像中心の間隔が調整可能とされてい
るので、 使用者の眼幅に応じて調整を行うことにより、 常に、 使用者の 両目の中心に、 第 1、 第 2の接眼光学系の光学的中心及ぴ第 1、 第 2の 光拡散体への投影画像中心を位僮させることが可能となる。 なお、 本明 細書、 請求の範囲で言う 「眼幅」 とは、 両眼の間隔である。
前記目的を達成するための第 1 1の発明は、 前記第 1の発明から第 1 0の発明のいずれかであって、 前記リ レー光学系が、 前記第 1光電素子 の像の前記拡散体への投影倍率を可変とするものであり、 前記光拡散体 へ入射する各光線の主光線は拡大から縮小の段階で拡散の方向から収束 の方向へ変化する非テレセント リ ックであり、 かつ、 前記拡散体から射 出され、 前記眼球の瞳まで達する主光線は、 前記拡散体から射出される ときに収束方向に傾いているこ とを特徴とするものである。
本発明においては、 リ レー光学系が、 光拡散体に投影する光束の拡散 体への投影倍率を可変とするこ とができるので、 第 1光電素子の像の倍 率を変えて使用者の眼に投影することができる。 その際、 リ レー光学系 の投影倍率に応じて、 拡散体への各光束の主光線は、 拡散方向から収束 方向まで非テレセントリックに変化するが、 拡散板の働きにより、 接眼 光学系を、 拡散体から射出され、 眼球の瞳まで達する主光線が、 前記拡 散体から射出されるときに収束方向に傾いているようにすることができ る。 よって、 リ レー光学系の主光線による制約を受けることなく、 接眼 光学系を設計できる。
前記目的を達成するための第 1 2の ¾明は、 前記第 1の発明から第 1 1の発明のいずれかであって、 前記光を拡散する光拡散体が、 金属酸化 物や金属炭化物のミクロングレードで精密に粒径が管理された砥粒を透 過板上にコーティングした透過型拡散板であることを特徴とするもので ある。
このような拡散板を用いるこ とにより、 拡散角を ± 6 0 ° 以上に大き
くすることができ、 キヨ口眼を考慮した場合でも、 ± 2 2 . 5 ° 以上の 視野角を確保することができる。 又、 このような砥粒をコーティングし た拡散板は、 D V D映像、 ハイビジョン相当の画質を観測する場合であ つても、 砥粒間を感じさせず、 自然な画質を得ることができる。
前記目的を達成するための第 1 3の発明は、 前記第 1 2の発明であつ て、 前記砥粒が、 シリコンカーバイ ド、 酸化クロム、 酸化スズ、 酸化チ タン、 酸化マグネシウム、 酸化アルミニウムのうちの少なく とも一つで あり、 前記透過板はポリエステルフィルムであることを特徴とするもの である。
これらの物質の砥粒は、 ミクロングレードの粒子とするのに都合がよ く、 又、 ポリエステルフィルムは強靱であるので、 高い耐久性が得られ る。
前記目的を達成するための第 1 4の発明は、 前記第 1の発明から第 1 3の発明 いずれかであって、 前記第 1光電素子と光束が直交するよう に設置された 2次元発光型の第 2光電素子を有すると共に、 前記第 光 電素子から放出された光を前記光拡散体へ投影する前記リ レー光学系の 中に、前記第 1、第 2の光拡散体に光束を分割して導く光分割器を有し、 前記光分割器には、 前記第第 2光電素子からの光束が、 前記第 1光電素 子から放出された光束と直交して入射するようにされ、 かつ、 前記光分 割器は、 前記第 1光電素子、 前記第 2光電素子からの光を分割すると共 に、分割された前記第 1光電素子と前記第 2光電素子の光束を合成して、 それぞれ、 前記第 1、 第 2の光拡散体に導く機能を有することを特徴と するものである。
本発明においては、 光分割器が、 第 1光電素子から放出された光を第 1. (右眼用)、 第 2 (左眼用) の光拡散体に光束を分割して導く と共に、 第 2光電素子からの光を受け、 これを分割し、 さらに第 1光電素子の光
束とを合成させ、 第 1、 第 2の光拡散体に導く。 よって、 第 1光電素子 の画像と、 第 2光電素子の画像の合成画像が、 左右の眼用の光拡散体に 投影され、 接眼光学系によって、 左右の眼の網膜に投影される。
前記目的を達成するための第 1 5の発明は、 +前記第 1 4の発明であつ て、 前記第 1光学素子から射出された光束が、 ミラーで反射されて使用 者の眼に至るまでのミラーの反射回数と、 前記第 2光学素子から射出さ れた光束が、 ミラーで反射されて使用者の眼に至るまでのミラーの反射 回数との差が、 0又は偶数であることを特徴とするものである。
本発明においては、 このような構成とすることにより、 第 1光学素子 と第 2光学素子から射出された光束の左右が同一の状態で使用者の眼に 投影される。 ' ' 前記目的を達成するための第 1 6の発明は、 前記第 1 4の発明又は第 1 5の発明であって、 前記第 1光電素子から射出された光束が、 ミラー で反射されて使用者の右眼に至るまでのミラーの反射回数と、 ミラーで 反射されて使用者の左眼に至るまでのミラーの反射回数との差が、 0又 は偶数であり、 かつ、 前記第 2光電素子から射出された光束が、 ミラー で反射されて使用者の右眼に至るまでのミラーの反射回数と、 ミラーで 反射されて使用者の左眼に至るまでのミラーの反射回数との差が、 0又 は偶数であることを特徴とするものである。
このような構成をとることにより、 第 1光電素子の画像、 第 2光電素 子の画像とも、 右眼と左目とで左右が逆転することなく、 使用者の眼に 投影される。
前記目的を達成するための第 1 7の発明は、 前記第 1 4の発明から第 1 6の発明のいずれかであって、 前記第 1、 第 2の接眼光学系の光学的 中心及ぴ前記第 1、 第 2の光拡散体への投影画像中心の間隔が、 眼幅と 等しくなるように、 これら 2個の接眼光学系及ぴ投影画像中心の間隔が
調整可能とされ、 かつ、 これら 2個の接眼光学系及ぴ投影画像中心の間 隔が調整した場合に、前記第 1光電素子から使用者の眼に至る光学距離、 及び前記第 2光電素子から使用者の眼に至る光学距離が、 それぞれ変化 しないように調整する、 光学距離調整機構が設けられていることを特徴 とするものである。
本発明においては、 2個の接眼光学系及ぴ投影画像中心の間隔を調整 した場合でも、 光学距離調整機構によって、 第 1の光電素子から使用者 の眼に至る光学距離、 及び前記第 2の光電素子から使用者の眼に至る光 学距離が、 それぞれ変化しないよ うに調整することができるので、 像倍 率、 結像位置を変化させることなく、 2個の接眼光学系及び投影画像中 心の間隔を調整することができる。
前記目的を達成するための第 1 8の発明は、 前記第 1 4の発明から第 1 7の発明のいずれかであって、 前記第 1光電素子から放出された光を 前記光拡散体へ投影する前記リレー光学系が、 前記光拡散体に投影する 光束の前記拡散体への投影倍率を可変とするものであり、 かつ、 倍率を 変化させた際の前記第 1光電素子及び、 前記第 2光電素子からそれぞれ 前記拡散体に投影された画面の照度をほぼ一致させるための照度可変機 構を有していることを特徴とするものである。
本発明においては、 倍率を変化させた際の第 1光電素子及ぴ、 第 2光 電素子からそれぞれ拡散体に投影された画面の照度をほぼ一致させるた めの照度可変機構を有しているので、 像..倍率を変化させても観察される 画像の照度をほぼ一定に保つことができる。
前記目的を達成するための第 1 9の発明は、 前記第 1の発明から第 1 8の発明のいずれかであって、 前言己第 1光電素子は透過型又は反射型の 液晶デバイス素子であり、 G , B, Rの色に応じた 3枚の液晶素子と当 該液晶素子を照明する照明系を有し、 当該照明系は G, B , Rの発光 L
E Dの出力を均一化する均一化光学系であることを特徴とするものであ る。
本発明においては、 照明系が、 G ' B , Rの発光 L E Dの出力を均一 化する均一化光学系とされているので、 液晶素子が均一照明され、 輝度 むらが発生しない。
前記目的を達成するための第 2 0の発明は、 前記第 1 9の発明であつ て、 前記均一化光学系は髙舞度 L E Dをそれぞれ G, B, Rの L E D毎 に複数個有し、 これら複数個の L E D発光部よりの光を、 光ファイバ一 を用いて集光し、 集光した光で前記液晶素子を照明することを特徴とす るものである。
本発明においては、 複数個の L E Dの出力を光ファイバ一を用いて集 光し、 集光した光で液晶素子を照明するようにしているので、 '高照度の 均一な照明が得られる。
前記目的を達成するための第 2 1の発明は、 前記第 1の発明から第 1 8の発明のいずれかであって、 前記第 1光電素子は透過型又は反射型の 液晶デバイス素子であり、 G, B , Rの色に応じた 3枚の液晶素子と当 該液晶素子を照明する照明系を有し、 当該照明系は G , B , Rの冷陰極 管であることを特徴とするものである。
冷陰極間は小型化が容易であり、 かつ消費電力が少なく、 超寿命であ るので、 液晶デバイスの照明光と して適している。
前記目的を達成するための第 2 2の発明は、 前記第 2 1の発明であつ て、 前記均一化光学系は冷陰極管をそれぞれ G, B , Rの色毎に複数個 有し、 これら複数個の冷陰極管よりの光を、 光ファイバ一を用いて集光 し、集光した光で前記液晶素子を照明することを特徴とするものである。 .本発明においては、 複数個の冷陰極管の出力を光ファイバ一を用いて 集光し、 集光した光で液晶素子を照明するようにしているので、 高照度
の均一な照明が得られる。
前記目的を達成するための第 2 3の発明は、 前記第 1の発明から第 2 2の発明のいずれかであって、 前記画像表示装置の少なく とも一部が、 使用者以外の部分に支持されており、 前記使用者の顔面にも接触し、 前 記使用者の顔面の動きに応じて移動可能とされていることを特徴とする ものである。
本発明においては、 画像表示装置の少なく とも一部が、 使用者以外の 部分に支持されているので、使用者の負担を軽くすることができる。又、 使用者の顔面の動きに応じて移動可會 とされているので、 楽な姿勢で画 像を観察することができる。
前記目的を達成するための第 2 4の発明は、 左右両方の眼球に対応し て、 少なく ともそれぞれ独立した部分を有する光学系を有し、 画像を前 記左右のそれぞれの眼球内に投影させる画像表示装置であって、 前記光 学系の独^した部分は、 前記眼球側カゝら 1枚又は複数枚の凸レンズ、 貼 り合わせレンズの順で少なく とも 2枚のレンズで構成され、 前記凸レン ズうち最も眼球側の凸レンズの眼球力 ら遠い方の面は、 コ一二ック定数 Kく 0のコーニック面とされていることを特徴とする画像表示装置であ る。
本発明においては、 水晶体に近い湯所に、 1枚又は複数枚の凸レンズ を配置する構成とし、 この部分には DAレンズを設けないようにする。 そして、 この場合に、 瞳の横シフ トを,行っても、 良好な像を得るため に、 凸レンズの周辺で発生する非点 il 差を改善する必要がある。 そのた めに、 凸レンズうち最も眼球側の凸レンズの眼球から遠い方の面はコー ニック定数 κく 0のコーニック面としている。 さらにこの構成によって 発生する色収差を改善するために、 ώレンズの光拡散体側に貼り合わせ レンズを設けている。
すなわち、 眼球側に非球面の凸レンズを配置して、 眼球の瞳に大きな 角度で各主光線が入射するようにしているので、 光拡散体における各光 束の主光線の傾きは、 比較的小さい。 そこで、 光拡散体に近い側に貼り 合わせレンズを使用することで、 貼り合せ面における入射角度も差ほど 大きくなくなり、 良好に色収差を補正できるようになる。
これにより、 光学系の大きさを大きくせず、 視野角を大きくすること ができ、 かつ、 非点収差、 色収差をはじめ、 各収差の小さい光学系とす ることができる。
前記目的を達成するための第 2 5の発明は、 前記第 2 4の発明であつ て、 前記貼り合わせレンズは、 前記光学系の独立した部分の、 最も前記 画像を形成する画像形成面側に設けられていることを特徴とするもので ある。
本発明においては、 貼り合わせレンズを、 光学系の独立した部分の、 最も画像を形成する画像形成面側に設けているので、 色収差を特に効率 的に補正することができる。
前記目的を達成するための第 2 6の発明は、 前記第 1の発明から第 1 3の発明、 及び第 1 9の発明から第 2 2の発明のいずれかの第 1光電素 子の代わりに、 2個の光束放出方向に直交した 2次元発光型光電素子を 有し、 前記第 1光電素子から放出された光を前記リ レー光学系を介して 左右両目に対し独立した前記第 1、第 2の光拡散体に投影する代わりに、 前記 2個の光電素子から放出された光 、 それぞれ前記リ レー光学系を 介して左右両目に対し独立した前記第 1、 第 2の光拡散体に投影するよ うにしたことを特徴とする画像表示装置である。
本発明においては、 光電素子を左右の眼に共通にせず、 左右の眼毎に 独立した光電素子を使用しているところが、 前記第 1の発明から第 1 3 の発明、 第 1 9の発明から第 2 2の発明と異なっているのみであり、 本
質的な作用効果は、 それぞれの発明と同じである。
前記目的を達成するための第 2 7の発明は、 前記第 2 6の発明であつ て、 前記第 1、 第 2の接眼光学系の光学 中心及び前記第 1、 第 2の光 拡散体への投影画像中心の間隔が、 眼幅と等しくなるように、 これら 2 つの接眼光学系及び投影画像中心の間隔が調整可能とされ、 かつ、 これ ら 2つの接眼光学系及び投影画像中心の間隔を調整した場合に、 前記 2 個の光電素子から使用者の眼に至る光学 β巨離が、 それぞれ変化しないよ うに調整する、 光学距離調整機構が設けられていることを特徴とするも のである。
前記目的を達成する第 2 8の発明は、 前記第 2 6の発明又は第 2 7の 発明であって、 前記 2個の光電素子から放出された光を前記光拡散体へ 投影する前記リ レー光学系が、 前記光拡散体に投影する光束の'前記拡散 体への投影倍率を、 それぞれ可変とするものであり、 かつ、 倍率を変化 させた際^)前記 2つの光電素子からそれぞれ前記拡散体に投影された画 面の照度をほぼ一致させるための照度捕正機構を有していることを特徴 とするものである。
本発明においては、 リ レー光学系の倍率によって変化する照度を一定 にする照度補正機構を有しているので、 像の拡大縮小を行っても常に適 当な明るさの像を表示することができ、 使用者を疲れさせない画像表示 装置とすることができる。
前記目的を達成するための第 2 9の 明は、 2個の、 光束放出方向に 直交した 2次元発光型の光電素子から放出された光を、 それぞれリ レー 光学系を介して左右両目に対し独立した第 1、第 2の光拡散体に投影し、 同光拡散体の透過像をそれぞれに対応した第 1、 第 2の接眼光学系を介 して視野角 ± 2 2 . 5 ° 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像さ せる画像表示装置であって、 前記 2個の 2次元発光型の光電素子が反射
型の液晶デバイス素子であり、 1個の光源と、 当該光源より放出された 光を P偏光と S偏光に分離する第 1 の偏光ビームスプリ ッタと、 P偏光 と S偏光をそれぞれ、 前記 2個の 2次元狢光型の光電素子に導いて前記 2次元発光型光電素子を照明し、 その反: I†光を前記リ レー光学系に導く 光学系を有し、 当該光学系は、 前記 P偏光、 S偏光を、 第 2の偏光ビー ムスプリ ッタと; L / 4板とを介して、 前記 2次元発光型の光電素子に導 き、 その反射光を前記 λ / 4板と第 2の偏光ビームスプリ ッタとを介し て前記リ レー光学系に導くものであること を特徴とする画像表示装置で める。
本発明においては、 2次元発光型の光電素子として反射型の液晶デバ イス素子を使用している。 そして、 その照明用として共通に 1個の光源 を使用しているが、 液晶デバイス素子を照明し、 その反射光を別の光路 に導く際にハーフミラー等を使用すると、 その都度約半分の光が失われ てしまう。,
本発明においては、 これを防ぐために、 左右の眼用として使用する光 を、 それぞれ Ρ偏光、 S偏光と し、 偏光ビームスプリ ッタとえ / 4板を 使用することにより、 この光量のロスを防ぐようにしている。 具体的な 方法については、 実施の形態において説日月する。 .
前記目的を達成するための第 3 0の発日月は、 2組の、 光束放出方向に 直交した 2次元発光型の光電素子から放 ttlされた光を、 それぞれリ レー 光学系を介して左右両目に対し独立した _第 1、第 2の光拡散体に投影し、 同光拡散体の透過像をそれぞれに対応し fこ第 1、 第 2の接眼光学系を介 して視野角 ± 2 2 . 5 ° 以上の広域像で眼球内の網膜上に投影し結像さ せる画像表示装置であって、 前記 2組の 2次元発光型の光電素子が、 そ れぞれ R, G, B光に対応した 3個の反針型の液晶デバイス素子からな り、 1個の光源と、 当該光源より放出された光を P偏光と s偏光に分離
する第 1の偏光ビームスプリ ッタと、 P偏光と s偏光をそれぞれ、 前記 2組の 2次元発光型の光電素子に導いて前記 2次元発光型光電素子を照 明し、 その反射光を前記リ レー光学系に導く光学系を有し、 当該光学系 は、前記 P偏光、 S偏光を、第 2の偏光ビームスプリ ッタと L Z 4板と、 RGB光束分割合成プリズムを介して、 R, G, B光に対応した前記 2 次元発光型の光電素子に導き、 その反射光を、 前記 R GB光束分割合成 プリズム、 前記 LZ4板と第 2の偏光ビームスプリ ッタとを介して前記 リ レー光学系に導く ものであることを特徴とする画像表示装置である。 本発明においては、 光源からの光を R G B光束分割合成プリズムによ つて、 R、 G、 B光に分割し、 それぞれの光により、 反射型の液晶デバ ■イス素子を照明する。 各反射型の液晶デバイス素子で反射された光は、 RGB光束分割合成プリズムによって一つの光束にされる。よって、 R、 G、 B光に対応して異なるパターンの反射光を得ることができる。
前記目的を達成するための第 3 1 の発明は、 前記第 2 9の発明又は第 3 0の発明であって、 前記光源が複数の白色 L EDをアレイ状に複数 2 次元配置したものである。
白色 L EDは、 他の光源に比べて照度が大きく、 光への変換効率が高 いので、 発熱が少なく、 消費電力が少ないという特長を有し、 光源とし て優れている。
前記目的を達成するための第 3 2の発明は、 前記第 2 9の発明又は第 3 0の発明であって、 前記光源が、 そ ぞれアレイ状に複数 2次元配置 された、 R色 L ED、 G色 L ED群、 B色 L E D群と、 これらから発光 される光を合成する RG B光束合成プリズムを有することを特徴とする ものである。
. 白色 L E Dは簡単な光学系であり省スペース化には優れているが、 L EDの規格により色波長条件や強度が決まってしまうので、 色具合の微
調整を行なうには不具合が多い。 そこで、 本発明においては、 L E Dを それぞれ 3つの R— L E D群、 G— L E D群、 B — L E D群に分け、 R G B光束合成プリズムにより各光束を合成するようにしている。 これに より、 光源の色の調整が可能となる。
前記目的を達成するための第 3 3の発明は、 til記第 2 9の発明から第 3 2の発明のいずれかであって、 前記光源より放出された光を、 前記 2 次元発光型の光電素子に導く光学系が、 照明均一化手段を有することを 特徴とするものである。
特に L E Dを 2次元に配置した場合、照明むらが発生することがある。 本発明においては、 光源より放出された光を、 2次元発光型の光電素子 に導く光学系が、 照明均一化発明を有するので、 照明むらを緩和するこ とができる。
前記目的を達成するための第 3 4の発明は、 前記第 3 3の発明であつ て、 前記照明均一化手段が少なく とも一つの口、ン ドであり、 前記口ッ ド の最終射出面と前記 2次元発光型の光電素子の面が、 ほぼ共役とされて いることを特徴とするものである。
ロッ ドとは、 内面が鏡面となっている筒である。 ロッ ドを通過する光 は、 その内面で多重反射を受けることにより均一化され、 その最終射出 面が均一な 2次光元とみなせるようになる。 この面と 2次元発光型の光 電素子の面が、 ほぼ共役とすることにより、 次元発光型の光電素子を均 —照明できる。 「ほぼ共役」 とは、必要な.均一照明度が得られる程度であ れば、 共役である位置からずれていても良いことを意味する。 図面の簡単な説明
図 1 Aは、 本発明の実施形態の前提となる接眼光学系の概要を示す図で ある。
図 I Bは、 図 1 Aに示す接眼光学系の収差を示す図である。
図 1 Cは、 図 1 Aに示す接眼光学系の横収差プロッ ト出力図である。 図 2 Aは、 本発明の実施形態に使用される接眼光学系の概要を示す図で ある。
図 2 Bは、 図 2 Aに示す接眼光学系の収差を示す図である。
図 2 Cは、 図 2 Aに示す接眼光学系の横収差プロッ ト出力図である。 図 2 Dは、 図 2 Aに示す接眼光学系の 3 0 ° キヨ口目時における光線追 跡図である。 '
図 2 Eは、 図 2 Aに示す接眼光学系の 3 0 ° ± 1 0° の横収差プロッ ト 出力図である。
図 3は、 人間のキヨ口目動作に伴う視野中心の移動を示した図である。 図 4 Aは、 本発明の実施形態に使用される接眼光学系の概要を示す図で ある。
図 4 Bは、 図 4 Aに示す接眼光学系の収差を示す図である。
図 4 Cは、 図 4 Aに示す接眼光学系の 3 0 ° キヨ口目時における光線追 跡図である。
図 4 Dは、 図 4 Aに示す接眼光学系の 3 0 ° ± 1 0° の横収差プロッ ト 出力図である。
図 5 Aは、 本発明の実施形態に使用される接眼光学系の概要を示す図で ある。
図 5 Bは、 図 5 Aに示す接眼光学系の 3.0 ° キヨ口目時における光線追 跡図である。
図 5 Cは、 図 5 Aに示す接眼光学系の 3 0 ° ± 1 0° の横収差プロッ ト 出力図である。
図 6 Aは、 本発明の実施形態に使用される接眼光学系の概要を示す図で ある。
図 6 Bは、 図 6 Aに示す接眼光学系の収差を示す図である。
図 6 Cは、 図 6 Aに示す接眼光学系の 3 0 ° キヨ 口目時における光線追 跡図である。
図 6 Dは、 図 6 Aに示す接眼光学系の 3 0° ± 1 0 ° の横収差プロッ ト 出力図である。
図 7 Aは、 本発明の実施形態に使用される接眼光学系の概要を示す図で ある。
図 7 Bは、 図 7 Aに示す接眼光学系の収差を示す図である。
図 7 Cは、 図 7 Aに示す接眼光学系の 3 0° キヨ 口目時における光線追 跡図である。
図 7 Dは、 図 7 Aに示す接眼光学系の 3 0。 ± 1 0° の横収差プロッ ト 出力図である。
図 7 Eは、 図 7 Aに示す光学系において視野中心がある場合の、 コ一二 ック面と色収差捕正レンズを組み合わせた最適フオーカス位置での MT F ( b ) と、 従来の光学系における最適フォーカス位置での MT F ( a ) とを比較して示した図である。
図 7 Fは、 図 7 Aに示す接眼光学系の変形例の光学系の概要を示す図で める。
図 8 Aは、 本発明の実施形態に使用される接眼光学系の概要を示す図で ある。
図 8 Bは、 図 8 Aに示す接眼光学系の収差を示す図である。
図 8 Cは、 図 8 Aに示す接眼光学系の 3 0 ° キヨ 口目時における光線追 跡図である。
図 8 Dは、 図 8 Aに示す接眼光学系の 3 0° ± 1 0。 の横収差プロッ ト 出力図である。
図 8 Eは、 本発明の実施形態である、 高輝度 L E Dとファイバーを用
差替え用紙 (規則 26)
いた液晶素子照明を示す図である。
図 8 Fは、 本発明の実施形態である、 令陰極管とファイバーを用いた液 晶素子照明を示す図である。
図 9 Aは、 本発明の実施形態に使用さ るズーム光学系で、 画角 1 2. 4 mmのときのの光路図である。
図 9 Bは、 図 9 Aの状態におけるフィールド収差出力図である。
図 9 Cは、 図 9 Aの状態におけるスポン トダイヤグラム出力図である。 図 9 Dは、 図 9 Aの状態における横収差プロッ ト出力図である。
図 1 0 Aは、 図 9 Aに示されるズーム光学系で、 画角を 25.13mmとし たときの光路図である。
図 1 0 Bは、 図 1 0 Aの状態におけるフィールド収差出力図である。 図 1 0 Cは、 図 1 O Aの状態におけるスポッ トダイヤグラム出力図であ る。
図 1 0 Dは、 図 1 0 Aの状態における横収差プロッ ト出力図である。 図 1 1 Aは、 図 9 Aに示されるズーム 学系で、 画角を 6 3. 6 mmと したときの光路図である。
図 1 1 Bは、 図 1 1 Aの状態におけるブィールド収差出力図である。 図 1 1 Cは、 図 1 1 Aの状態におけるスポッ トダイヤグラム出力図であ る。
図 1 1 Dは、 図 1 1 Aの状態における横収差プロッ ト出力図である。 図 1 2 Aは、 本発明の実施形態に使用されるズーム光学系で、 画角を変 ィ匕させた場合の光路図である。 ( a ) ίま画角 18.5mm、 ( b ) は画角 31.92mm, ( c ) は画角 63.13mniのものであある。
図 1 2 Bは、 図 1 2 Aに示すズーム光学系におけるスポッ トダイヤダラ ム出力図である。
図 1 2 Cは、 図 1 2 Aの ( a ) の状態における MT Fを示す図である。
差替え用紙 (規則 26)
図 1 2 Dは、 図 1 2 Aの (b ) の状態における MT Fを示す図である。 図 1 2 Eは、 図 1 2 Aの ( c ) の状態における MT Fを示す図である。 図 1 2 Fは、 図 1 2 Aに示すズーム光学系のズーム条件を変化させたと きの、 各状態の表を示す図である。
図 1 2 Gは、図 1 2 Aに示すズーム光学系において、視野角度が 18.50° の場合の評価周波数からの周波数毎の MT Fを示した図である。
図 1 2 Hは、図 1 2 Aに示すズーム光学系において、視野角度が 31.92° の場合の評価周波数からの周波数毎の MT Fを示した図である。
図 1 3 Aは、 図 1 2 Aに示すズーム光学系を、 一方の眼用に配列した例 を示す図である。
図 1 3 Bは、 図 1 2 Aに示すズーム光学系を、 他方の眼用に配列した例 を示す図である。
図 1 3 Cは、 図 1 3 Aに示すズーム系と、 図 1 3 Bに示すズーム光学系 とを組み合わせ、 両眼用と したときの配列を示す図である。
図 1 3 Dは、 図 1 3 Cに示すズーム系に、 接眼光学系を組み合わせた全 体配置を示す図である。
図 1 3 Eは、 光路長を変えずに、 光学系を眼幅に合わせて調整するため の光学系の例を示す図である。
図 1 4は、 図 9 Aに示すズーム光学系をコンパク トに収納するため、 折 り曲げ配置した例を示した光路側面図である。
図 1 5は、 本発明による実施形態であるディスプレイ部の保持機構を示 す概要図である。
図 1 6は、 図 1 4に示した光学系を筐体に収納し、 顔面に装着したとき の光路パーツの配置の例を示す図である。
図 1 7 Aは、 本発明の他の実施の形態である画像表示装置の光学素子の 例を示す図である。 差替え用紙 (規則 26)
図 1 7 Bは、 図 1 7 Aに示す画像表示装置を頭部に装着した状態を、 側 面から見た概要図である。
図 1 8は、 本発明の実施の形態である光学系の一部を示す図である。 図 1 9は、 図 1 8に示した光学系の変形例を示す図である。
図 2 0は、 図 1 8、 図 1 9に示した光学系の後側に形成される光学系の 例を示す図である。
図 2 1は、 2つの 2次元発光型の光電素子 (反射型液晶素子) からの合 成画像を、 左右の眼に投影する光 系の例を示す図である。
図 2 2は、左右の眼用にそれぞれ設けられた 2次元発光型の光電素子(反 射型液晶素子) から左右の眼に画像を投影するための光学系の概要を示 す図である。
図 2 3は、 本発明の実施の形態である画像表示装置を座った状態で使用 する状態を示す概念図である。
図 2 4は、, 本発明の実施の形態である画像表示装置を寝た状態で使用す る状態を示す概念図である。
図 2 5は、 2つの 2次元画像出力装置からの出力画像を、 両眼に導く方 式の例を示す概要図である。
図 2 6 Aは、 従来技術による接眼レンズ系の構成の例を示す図である。 図 2 6 Bは、 図 2 6 Aに示す接眼光学系におけるフィールド収差出力図 である。
図 2 6 Cは、 図 2 6 Aに示す接眼光学系.の ± 1 5 ° での横収差プロッ ト 出力図である。
図 2 6 Dは、 図 2 6 Aに示す接眼光学系の ± 3 0 ° での横収差プロッ ト 出力図である。
図 2 7 Aは、 従来技術による接眼レンズ系の構成の例を示す図である。 図 2 7 Bは、 図 2 7 Aに示す接眼光学系におけるフィールド収差出力図
である。
図 2 7 Cは、 図 2 7 Aに示す接眼光学系の土 1 5° での横収差プロッ ト 出力図である。
図 2 8は、 眼鏡型ディスプレイ及び頭部装着型ディスプレイの代表的な 実施形態を示した図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明実施の形態の例を、 図を用いて説明する。 まず、 理解を 深めるために、 ウェアラブルディスプレイとして、 視野角 ± 2 2. 5° 以上の光学系を実現することが何故難しいかを簡単に説明していく。 図 2 6 A〜図 2 6 Dは広視野角度を得るために設計された光学系の 1例を 示すものである。 これは、 図 2 6 Aの光学系の概要図に示すように、 発 光画面 G (ここでは発光画面と呼んでいるが、 それ自身が発光したり光 を反射し: C画像を形成したりするもののみならず、スク リーンのように、 画像が投影され、 そこから出る光が眼に観測されるものをも含むもので ある。) に対し、 人間の目の瞳を Hとしたとき、 屈折率は低いが色分散が 小さい硝材 L AC 7力、らなり、曲率力 S 2 2 0 c mの 3枚の凸レンズ L 1、 L 2、 L 3を使用した場合の例であり、 図 2 6 Aの光束は、 それぞれ、 視野角— 6 0° 、 一 4 5° 、 — 3 0° 、 — 1 5° 、 0° 、 1 5° 、 3 0° 、 4 5 ° 、 6 0 ° を示してレヽる。
図 2 6 Bでは左から順に球面収差、 点収差、 ディス トーションを示 しているが、 非点収差が視野角 ± 3 0° 付近で 1 0 mm、 ディス トーシ ヨンが 1 2. 6 %発生している。 更に図 2 6 Cでは色収差が視野角 ± 1 5° のところでも 1 5 0 μ m程度発生しているのが確認できる。
.一般に色収差を捕正するために、 色分散の異なる 2種類以上の硝材を 組み合わせて使用することが知られており、 瞳の大きさを 5 mm程度に
設定し、 ± 3 0 ° の範囲で色収差を含む諸収差を補正したルーペ光学系 のようなものは存在する。 このよ うな光学系の設計が容易な理由は、 こ のような光学系においては、 光 系と眼球の位置を固定して使用する必 要が無いので、 光学系の光軸と暇球の瞳の位置が常に最適になるように 調整できるためである。
しかし、 ディスプレイと目の位置を固定してそれぞれ別々の接眼光学 系を用いて画像観察を行うウエアラブルディスプレイの接眼光学系とし ては、 最大でも視野角 ± 2 2. 5 ° 程度のものしか無い。 図 2 6 Dに、 視野角が 0 ° 、 7 . 5 ° 、 1 5 ° 、 2 2 . 5 ° 、 3 0 ° の場合の、 図 2 6 Aに示す光学系の諸収差を示す。 レンズの組み合わせで色収差を補正 したとしても、 視野角 2 2. 5 ° の位置では色収差 2 0 0 μ m、 諸収差 4 0 0 μ mとなっており、 人間の目で確認できる大きさを 1 (Τ 0 m程 度とすると、 これでは不十分で ることが分かる。 よって、 人間の目で 確認でき?)程度に収差を小さくするためには、 凸レンズのみの組み合わ せでは不十分であり、 凸レンズと凹レンズの組み合わせが必要なことが 推定される。
しかし、凸レンズと凹レンズの糸且み合わせを考えると、凹レンズでは、 発光画面からの各光束の主光線のそれぞれは、 傾きの差を小さく し、 眼 球の瞳における各主光線のそれぞれの傾きを大きくするように、 効率良 く広視野角度で発散する光束を傭向できず、 従ってレンズ径を大きくせ ざるを得ないことになる。 一方、 凸レンズのみで構成した図 2 6 Aの光 束を見ても明らかなように、 左右の目にそれぞれこのような接眼レンズ を設置した場合、 眼幅 (左右の目 の間隔) を 6 . 5 c mとすると、 凸レ ンズのみを使用した場合でも、 左右両方の接眼光学系が鼻側で重なって しまい、 鼻側の視野と して 3 0 ° 程度までしか得られないことになる。 凸レンズと凹レンズの組み合わせで収差を取ることを考えると、 目から
出た各光束の主光線が凹レンズで広げられるので、 更に鼻側の視野が取 れないことになり、 2 2. 5° 程度が限界の視野角度となってしまう。 次に、 視野をもっと大きく取ることを考えていく。 臨場感の高い画像 を得るためには、 人間がメガネをかけた視界と同等以上の視界を得る必 要があり、 接眼レンズ径に制限のある鼻側の視野角度を十分に取らなけ ればならない。 鼻側の視野角度をもっと得るためには、 更に凸レンズの 曲率を大きく したり、 屈折率の高い硝材を用いることになる。
ここで、 より広い視野を得るために、 眼球側から曲率 1 0 0 c m、 2 O O c m、 2 2 0 c mの 3枚の凸レンズ L I,、 L 2 '、 L 3 ' を用いた 例を図 2 7 A〜図 2 7 Cに示す。 図 2 7 Aにおいて、 Gは発光画面、 H は人間の目の瞳であり、 図 2 6 Aと同じように、 レンズには屈折率は低 いが色分散が小さい硝材 L AC 7を使用している。 図 2 7 Aの光束を見 ると、 鼻側に 6 5 mmの範囲内で 4 5 ° 程度の広視野が得られているの がわかる。, しかし、 図 2 6 Bに対応する図 2 7 Bでは、 視野角 ± 3 0 ° 付近で非点収差が 3. 5 mmと改善しているものの、 ディス トーショ ン が 1 3. 5 %と大きくなつている。 更に、 図 2 6 Cに対応する図 2 7 C では、 視野角土 1 5。 のところでも、 色収差が 1 5 0 z m程度発生して いるのが確認できる。 このよう に、 視野角を ± 2 2. 5° 以上に広げる 光学系で、 色収差を含む諸収差を補正した上に、 光学系の直径を眼幅以 内に制限するのは非常に難しいことがわかる。
以上、 従来の技術では視野角が ± 2 2_. 5° 以上ある接眼光学系を設 計することが難しいことがわかったので、 このような認識の下に、 発明 者が本発明を着想するに至る段階を説明していく。
従来の考え方で、 図 2 7 Aのように収差が改善しないのは、 レンズ周 辺を光束路とする視野角度の大きい部分に該当する光束において、 レン ズの曲率が大き過ぎるることが原因であり、 普通はレンズの曲率を下げ
たり、 凹レンズとの組み合わせにより収差を改善し、 更にはレンズ枚数 を多くする設計を行う。 しかし、 両目に別々の接眼系を有する機構の場 合、 前述のようにレンズ径を 6 5 m m以上にすることができない。
そこで、 発明者は、 凸レンズの少なく とも 1枚の面をコーニック面と することにより改善を図ることを着想した。 その 1例を図 1に示す。 図 1 Aに示す光学系においては、 発光画面 Gからの光束を、 3枚の凸レン ズ L I 1 、 L 1 2 、 L 1 3を用レヽて、人間の目の瞳 Hに集光しているが、 このうち、 眼球に一番近いレンズ L 1 1の裏面 (目から遠い側の面) を コーニック面とし、 これにより コマ収差や非点収差を抑え、 キヨ口目動 作により瞳位置が変わっても、 良好な像を眼球内に投影できるようにし ている。 光軸を z軸とする X— y _ z直交座標系において、 コーニック 面の曲面 Z ( r ) は、 cを曲率を表す定数、 r 2 = x 2 + y 2'として、
で表される。 kはコーニック定数であり、 kく 0を用いている。 その光 学設計値を表 1に示す。 なお、 表 1をはじめ、 以下の表に示す面の曲率 半径は、 各レンズの面の位置に対し、 曲率中心が瞳側にあるときは負、 発光画面 G側にあるときは正と している。 又、 曲率半径、 光軸上の面間 隔の単位は、 特に断らない限り m mである。
(表 1 )
面番号 面の曲率半径 (腿) 光軸上での面間隔 硝材
隱: 無限 12.000000
1 : 無限 18.000000 F2一 SCHOTT ( L 1 1 )
2: -40.00000 2.000000
3—二ック係数 K : -0.800000
3: 無限 15.000000 -SK11一 SCHOTT ( L 1 2 )
4: -80.00000 2.000000
5: 200.00000 15.000000 SK11—SCH0TT ( L 1 3 )
6: -100.00000 22.074232
発光画面 G : 無限 0.000000
このよ うな光学系における、 球面収差、 非点収差、 ディス トーショ ン を図 1 Bに示す。図 1 Bを見ると分力 るように、視野角 ± 3 0 ° 付近で、 非点収差が 3 m mと改善されており、 ディス トーショ ンも 9.5%と小さ くなつている。 この光学系の色収差を示す図 1 Cでは、 色収差が視野角 ± 1 5 ° のところでも 200 ^ m程度発生しており、 反対に悪化している のが確認できる。
しかし、 図 1 Aの接眼レンズ系は、 色収差以外の収差については非常 に良い特性を持っていることがわかったので、 本発明の第 1の実施の形 態としては、 図 2 Aに示すように、 光束の偏向角度が大きい眼球の瞳 H に近い凸レンズのレンズ ( L 2 1、 L 2 2 ) の 1面をコーニック定数 K
< 0のコーニック面とする一方、 色収差を捕正するために互いに異なる 硝材を組み合わせた貼り合せレンズ (L 2 3, L 2 4 ) を設けるように している。 貼り合わせレンズは、 少なく とも 2枚のレンズで構成され、 かつ、 貼り合せレンズの貼り合せ部は瞳側に凹面とし、 かつ、 貼り合せ レンズの色分散は瞳 H側のレンズの方が小さく、色収差補正効果が高い、 凸凹凸の形状にしている (ここでいぅ凸と凹の定義は瞳方向に凸の形状 を凸、 反対方向の凸の形状を凹と して表すことにする。 このことは、 特 に断らない限り、 本明細書において同じである。)。 図 2 Aに示す光学系 の光学設計値を表 2に示す。
(表 2)
面番号 面の曲率半径 光軸上の面間隔 硝材
瞳: INFINITY 12.000000
1: INFINITY 13.000000 TAFD5—腿 A (L2 1)
2: -38.00000 0.200000
コ一ニック係数 K : -0.700000
3: INFINITY 9.000000 TAFD5ー贿 A (L 22)
4: -78.00000 0.200000
5: 138.00000 18.500000 FCD1— HOYA (L23)
6: -50.00000 3.000000 EFDS1_H0YA (L 24)
7: 91.00000 15.188265
発光画面 G INFINITY 0.000000
■ このような構成にした理由は以下の通りである。 すなわち、 前述のよ うに、 一般の接眼レンズとは異なり、 視野角度が広い上に両眼別々に接
眼レンズがあるため、 眼幅 6 5 m mの半分の半径以下で接眼レンズを構 成する必要がある。 よって、 瞳 Hに近いレンズは、 できるだけ曲率の大 きい凸レンズで光束を光軸側に大きく偏向させ、 それぞれの光束の主光 線が平行に近づいている物体ィ則に近いところで色消しのための貼り合せ レンズを組み込み、 更に、 発光画面 Gに近いレンズ面は、 癸光画面 Gに 向かって、 発散方向に光束がィ頃く ような凸面とする。
(なお、 以上の説明においては、 説明の都合上光束が瞳 Hから出て発 光画面 Gに到達するように説明しているが、 実際の光束はこの逆をたど る。 今後、 説明の都合上、 光束が実際とは逆に瞳 Hから出ているように 説明をすることがある。)
これにより、 瞳 H側のコ一-ック面を有する凸レンズはレンズ周辺で 発生する非点収差やコマ収差を改善し、 貼り合せレンズで色収差補正を 行い、 貼り合わせレンズの最終面でディス トーショ ンを軽減し、 かつ、 レンズ径を大きく しないレンズ構成とすることができる。 この構成は、 レンズ径を大きくせずに諸収差を補正する大きな効果があり、 ウェアラ ブルディスプレイのように、 レンズ径に制約がある場合に有効である。 この光学系の球面収差、非点収差、ディス トーシヨ ンを図 2 Bに示す。 図 2 Bでは鼻側に 4 5 ° 程度の広視野が得られており、 更に非点収差が 視野角 ± 3 0 ° 付近で 3 m mと図 1 Bと同様に改善しており、 ディス ト ーシヨンは図 1 Bと比べても 9 %と小さくなつている。 図 2 Cに、 この 光学系の色収差を示すが、 色収差は、 ! 野角士 1 5 ° のところでも 8 0 m以下に大きく改善されてレ、るのが確認できる。
但し、 図 2 Aの構成では、
(1) 眼幅 6 5 m mを考えると、 鼻側には 4 5 ° までの視野角しか得られ てなく、 メガネ視界で考えら; る ± 6 0 ° には達していない。 左右の目 で見える領域が異なり違和感力 Sあるので、 ± 6 0 ° の広視野角度を目指
す。
(2) 色収差が 8 0 μ mでは肉眼で確認できる可能性があり、 もっと小さ くする必要がある。 人間の目の解像力を 5 0 m程度とすると、 色収差 も 5 0 /i m以下を目指す。
という課題がまだ残ってレ、る。
その上に、 広視野画像を得るためには、 人間の目で行う動作について も把握し、 あくまでも自然に近い状態で画像を観察できる光学系にする 必要がある。 そこで人間の目で行う動作について検討してみることにし た。
人間の目は、 メガネ視界で士 3 0° 程度までは眼球を横シフ トして周 辺の物を確認することが自然に行われている。 しかしながら、 従来技術 を調べても、 土 3 0° で収差が良い光学系は、 あくまでも瞳位置を動か さない ± 3 0° について良好な数値を出しているだけであり、 実際の眼 球の横シアト動作についての検討を行っているものは無い。 そこで、 人 間の眼球の横シフ ト動作でどの程度瞳が移動し、 どのような条件で収差 を取る必要があるかを調べた。 その方法を図 3により説明する。
調查方法としては眼球と光学系を固定し、 眼球を 0〜4 5° まで動か した時の収差を調べる方、feで行った。 まず、 視点中心が 0° から 4 5° まで動いた時、 瞳位置は、 図 3に示すように眼球の真ん中を中心として 回転するので、 1 5° で 3 . 8 8 mm、 3 0° で 7. 5 mm、 4 5° で 1 0. 6 mm移動した位置から所定角度方向に向けて接眼レンズを介し て画面像を観察することになる。 また、 人間の目は視点中心では高い視 力を持つが、 視点中心から ± 5° の視力は 1 Z2に悪化、 土 1 0° の視 力は 1 /4に悪化、 ± 1 5 ° の視力は 1 Z 8に悪化することがわかって いる。
よって、 接眼レンズの視野角は、 広視野角全てに対し、 良好な収差を
持つ必要は無く、 視点中心移動角 ± 3 0° で視点中心の ± 1 0° の範囲 を良好にしておけば良いと推定される。 本発明による第 1の実施の形態 (図 2 A) では、 視野角 ± 4 5° 程度までは良好な収差となるように設 計していたが、 これ以降は視点中心移動角を 3 0 ° とした場合の視点中 心一 1 0° 、 — 5° 、 0° 、 5° 、 1 0° の収差がどのようになってい るかを調べることとした。
図 2 Dは第 1の実施の形態の光学系における、 3 0° キヨ口目動作時 の光束を図示したものであるが、 図を見てもわかるように、 画面 Gの位 置で大きな収差が発生している。 図 2 Eは視点中心 3 0° でそこから一 1 0° 、 一 5° 、 0° 、 5 ° 、 1 0° の色収差がどのようになっている かを調べた結果を示したものであり、 縦軸が横収差、 横軸が絞り面 (瞳 位置) での光軸に対する高さを示している。 色収差が 2 0 0 111、 その 他の収差も 2 0 0 m程度発生しており、 収差のスポッ トダイヤグラム (諸収差をスポッ トでプロ ッ トした R M S値) は 4 0 0 μ mとなって、 キヨ口目時には明らかに劣化した像となってしまうことがわかる。 (な お、 図 2 Aと図 2 Dでは、 レンズ系が異なるように見えるが、 これは説 明の都合上、 光線を図示する必要のある範囲のみレンズを図示している ためであり、 両者は同じ光学系である。 今後も、 このよ う に、 同じレン ズ系を、 説明に必要な光, f泉の広がりに応じて異なった形状に図示するこ とがあるが、 レンズの符号が同じであるものは同じレンズを示す。) 即ち、 第 3の課題として、 .
(3) 視点中心角土 3 0° の範囲でそこから一 1 0° 、_ 5° 、 0° 、 5° 、 1 0° の収差が良好であること。 視野中心での収差を 5 0 m程度とし た場合、 ± 5 ° で 1 0 0 m以下、 ± 1 0° で 2 0 0 m以下の性能を 出す。
という課題を加え、 前記 ( 1 ) 〜 ( 3 ) の課題を同時にクリアすること
により、 完全に人間の自然な観察像と等価の画像を提供できることにな る。
そこで図 4 A〜図 4 Dに示す本発明の第 2の実施の形態においては、 色収差を小さくするために、 瞳近傍の凸レンズの硝材として屈折率が低 いものの、 色分散も低いものを使用することで色収差を改善し、 コ一二 ック係数を k≤一 1にすることでレンズ周辺の曲率を落とし、 諸収差を 改善する方法を考案した。 この光学系は、 図 4 Aに示すように、 凸レン ズし 3 1、 L 3 2と、 凸レンズ L 3 3と凹レンズ L 3 4を貼り合わせた 貼り合わせレンズからなる。 その光学設計値を表 3に示す。
(表 3)
面番号 面の曲率半径 光軸上の面間隔 硝材
瞳: INFINITY 10.000000
1: INFINITY 11.000000 TAC8一 HOYA (L 3 1 )
2: -36.00000 0.200000
コ一ニック係数 K : -1,000000
3: INFINITY 8.000000 TAC8_H0YA (L32)
4: -66.00000 0.200000
5: 210.00000 17.000000 TAF3_匿 A (L 33)
6: -44.00000 3.000000 SF59一 SCHOTT (L 34)
7: 130.00000 19.067127
発光画面 G: INFINITY 0.000000
その結果、 図 4 A図 4 Bを見てわかるように、 瞳が中心部にある場合 のレンズ周辺を通る光束の収差は、 図 2 Aに示した第 1の実施の形態に
比して悪化しているものの、 図 4 C、 図 4 Dのキヨ口目 3 0° 時の諸収 差は大きく改善し、 スポッ トダイヤグラムは 0° で 1 0 0 ^ m、 ± 5 ° で 1 5 0 m、 ± 1 0° で 2 0 0 μ m程度と明らかに改善していること が確認できる。
このような考えの下に設計された、 本発明の第 3の実施の形態を図 5 A〜図 5 Cに示す。 この光学系は図 5 Aに示されるように、 光束の偏向 角度が大きい眼球の瞳 Hに近い凸レンズのレンズ (L 5 1、 L 5 2 ) の 1面をコーニック定数 K≤— 1のコーニック面とする一方、 色収差を補 正するために互いに異なる硝材を組み合わせた貼り合せレンズ(L 5 3 , L 5 4) は、 少なく とも 2枚のレンズで構成し、 かつ、 貼り合せレンズ の貼り合せ部は瞳 Η側に凸面とし、 さらに、 貼り合せレンズの色分散は 瞳 Η側のレンズの方が大きく、 色収差補正効果が高い、 凸凸凸の形状に している。 図 4 Αと図 5 Αを比べると分かるように、 第 3の実施の形態 において (ま、 貼り合せレンズの貼り合せ部が瞳 H側に凸面とされている 点が、 第 2の実施の形態との主たる違いである。
第 3の実施の形態においても、 第 2の実施の形態と同様、 発光画面 G 側のコーニック面を有する凸レンズ L 5 1でレンズ周辺で発生する非点 収差を改善し、貼り合せレンズ ( L 5 3 , L 5 4 ) で色収差捕正を行い、 かつ、 最終面を発散方向に光束が傾く ような凸面とすることにより、 デ イス トーシヨ ンを軽減し、 キヨ口 目動作時の収差の改善を図っている。 表 4に、 図 5 Aに示された光学系の光学設計値を示す。
(表 4)
面番号 面の曲率半径 光軸上の面間陽 硝材
瞳: INFINITY 10.000000
1: INFINITY 11.000000 TAC8一 HOYA (L 5 1 )
2: -36.00000 0.200000
コ一ニック係数 K : -1.000000
3: INFINITY 8.000000 TAC8_H0YA (L 52)
o
4: -66.00000
5: 210.00000 3.000000 SF59— SCHOTT (L 5 3 )
6: 44.00000 13.000000 TAF3一 HOYA ( L 54 )
7: 130.00000 22.330761
発光画面 G: INFINITY 0.000000 その結果、 図 5 Aを見てわかるよう こ、 瞳が中心部にある場合のレン ズ周辺を通る光束の収差は、 図 2 Aに示す実施の形態に比して悪化して いるものの、 図 5 B、 図 5 Cの眼球の横シフ トが 3 0 ° のときの諸収差 は大きく改善し、 スポッ トダイヤグラムは 0 ° で 2 0 0 μ πι、 士 5° で 2 0 0 z m, ± 1 0 ° で 2 5 0 μ m程度と第 1実施例よりは改善してい ることが確認できる。 伹し、 今回の貼 り合せレンズは上記理由 (最終面 を発散方向に光束が傾く ような凸面とする) により凸凸凸の形状にして いるので、 第 2の実施の形態と比べると、 色収差については補正効果が 低く完全に補正できず、 1 5 0 /1 m程度のオフセッ トが発生してしまつ ている。
.以上に示した本発明の第 1の実施の形態〜第 3の実施の形態により、 本発明による効果を確認してきた。 そして、 前述の課題である
(1) 眼幅 6 5 m mを考えると、 鼻假 IJには 4 5 ° までの視野角しか得られ てなく、 メガネ視界で考えられる ± 6 0 ° には達していない。 左右の目 で見える領域が異なり違和感がある。
(2) 色収差が 8 0 μ mでは肉眼で確認できる可能性があり、 もっと小さ くする必要がある。
(3)人間の目で見たメガネ視界でのキヨ 口目動作時に良好な画像を提供 する。
の ( 3 ) についての改善ができるこ とは説明してきたが、 ( 1 )、 .( 2 ) の 課題については十分クリァできていない。 第 1の実施の形態〜第 3の実 施の形態で ( 1 ) と (2 ) が改善できない理由としては、 (3 ) の課題を 達成するためのコーニック面の使用及び、 色収差を小さく抑えるための 瞳側凸レンズに色分散の低い硝材を用いることでレンズ周辺の'光束偏向 角度を小さく してしまい、 最終的な発光画面 Gの大きさを眼幅の 6 5 m m以内に抻えることができなくなつていることが挙げられる。 更に、 デ イス トーションゃ収差を抑えるための発光画面 G側レンズが凸であるこ とも、 最終的な発光画面 Gの大きさを大きくする原因の一つになってい る。
そこで、 本発明の第 4の実施の形態では、 図 6 Aに示すように画面 G 自体を凹面にすることとした。 図 6 Aに示す光学系の光学設計値を表 5 に示す。
(表 5 )
面番号 面の曲率半径 光軸上の面間隔 硝材
瞳: INFINITY 10.000000
1 : INFINITY 11.000000 TAFD5_H0YA ( L 6 1 )
2 : -30.00000 0.200000
コ一ニック係数 K : -1. 100000
3: INFINITY 8.000000 TAFD5_H0YA ( L 6 2 )
4: -66.00000 0.200000
5: -300.00000 12.500000 TAF5_H0YA ( L 6 3 )
6 : -45.00000 3.000000 SNPH2_0HARA ( L 6 4 )
7: 70.00000 20.190463
発光画面 G : -45.00000 0.000000
発光画面 Gを凹面にすることを前提にして諸収差を計算したところ、 色収差を小さく抑えるための瞳側凸レンズ (L 6 1, L 6 2 ) に色分散 の低い硝材を用いなくても、 比較的大きな屈折率と色分散を持つ硝材で 図 6 Bに示す良好な収差がえられ、 図 6 C、 図 6 Dに示すキヨ口目のと きも第 3の実施の形態と同等の性能が得られることがわかった。
最も特徴的なことは、 発光画面 G自体を凹面にしたことで、 レンズ周 辺を通る光束が広がる前に発光画面 Gに'達し、 コーニック定数を一 1 . 1 と更に小さくすることで、 眼球の横シフト後でも諸収差を改善するこ とが可能となる上に、 結果的に眼幅 6 5 m m以内にレンズ径及ぴ発光画 面 Gを抑えられることである。 この方法により、 左右の両目で ± 6 0 ° の視野を確保し、 その上キヨ口目時にも良好な像を得ることが可能とな
る。
しかしここで問題となるのが発光画面 Gの構造である。 もし、 発光画 面 Gを液晶素子等で構成する場合は、 液晶画面自体を湾曲させる必要が あり、 もし、 発光画面 Gをスク リーンとして裏面より像を形成する場合 はその投影光学系のフォーカスゃテレセン†生についても考慮する必要が でてくる。
これらの問題を解決することができる、 本発明の第 5の実施の形態を 図 7 A〜図 7 Eに示す。 その光学系は、 図 7 Aに示すように、 前述の各 実施の形態の貼り合せレンズによる色収差ネ甫正不足を、 2面の貼り合せ レンズ (L 7 3 , L 7 4 , L 7 5 ) を導入することで解消し、 それによ る光学系の他の収差の悪化を、 瞳側の凸レンズ (L 7 1 , L 7 2 ) に屈 折率の高い硝材を用いるとともに、 コーニンク定数を更に小さい k <一 1 . 1 とすることにより補正している。 図 7 Aに示す光学系の光学設計 値を表 6に示す。
(表 6 ) 面番号 面の曲率半径 光軸上の面間隔 硝材
瞳: INFINITY 10.000000
1 : INFINITY 11.000000 TAFD5— H0YA ( L 7 1 )
2 : -31.00000 0.200000
コ一ニック係数 K : - 1 45000 t0
o
3: INFINITY 7.500000 TAFD5_H0YA ( L 7 2 )
4: -66.00000 0.200000
5: INFINITY 13.000000 TAFD30_HOYA ( L 7 3 )
6 -44.00000 3.000000 SNPH2_0HARA ( L 7 4 )
7: 35.00000 TA画一 H0YA ( L 7 5 )
8: 80.00000 9.568060
発光画面 G : INFINITY 0.000000
貝占り合せレンズは L 7 3, L 7 4 , 7 5の 3枚のレンズで構成され、 L 7 3 , L 7 5のレンズ硝材より、 L 7 4のレンズ硝材の色分散を大き く し、 貼り合せ面を瞳 Η側に凹面凸面の順となるように構成している。 そのため、大きな色収差を補正できる。 また、瞳側の凸レンズ(L 7 1, L 7 2 ) についても屈折率の高い硝材を用い、 レンズ周辺を通過する光 束の偏向角を大きくすることができている。
この方法で、 レンズ径を眼幅の 6 5 m m以下にすることが可能となる が、 このままではキヨ口目動作時の収差が悪化する。 そこで、 この実施 の形態においては、 レンズ径が 6 5 m m以上にならない範囲で、 コ一二 ック定数を更に小さい k =一 1 . 4 5まで下げ、 ンズ L 7 5の発光画
面 G側の面も凸面で構成することで、 諸収差を抑える構成としている。 これにより、 図 7 Bに示すように良好な収差がえられ、 図 7 C、 図 7 Dに示すように、 キヨ口目の時も視野中心 3 0 ° の位置で収差 2 5 μ πι 以内、 中心から ± 5 ° でも収差 5 0 μ πι以内、 ± 1 0° でも収差 1 0 0 μ m以内に抑ることができ、 かつ、 ± 6 0° の視野角度が得られる。 更に、 第 5の実施の形態では、 1 5° に視野中心がある場合の、 コー ニック面と色収差補正レンズを組み合わせた最適フォーカス位置での M T F (所定の空間周波数を有する像について空間周波数を変化させた場 合のライン/スペースでの振幅の(MAX-MIN)/(MAX+MIN)を%で示し たもの) と、 従来技術で最適フォーカス位置での MT Fを比べている。 その結果を図 7 Eに示す。 図において、 Tはタ ンデンシャル、 Rはラデ ィアルの理論的な最大値を示す。 Xは水平方向、 Yは垂直方向の MT F である。 この例を見ても明らかなように、 本実施の形態では各周波数で の MT Fへの依存度が小さく、 きれいな周波数特性を持っていることが わかる。 これは、 本実施の形態においては、 画像を観察した時、 像の浮 き上がりや最良フォーカス位置が周波数により異なることで違和感を発 生させることを防止し、 良好な画像を提供することができることを意味 する。
以上、 図 7 Aにおいて、 第 5の実施の形態の光学系を示したが、 実際 の製造では色々な問題が発生する。 すなわち、 光学素子に用いる硝材自 体、 大きな屈折率を持った硝材であり、 安定した条件で硝材の大きさを 確保したり、 加工したりすることが容易ではなく、 コス ト増を引き起こ す可能生がある。 よって、 非球面加工が必要なコーニック定数く 0の硝 材としては T AFD 5よりは S L AH 6 6のよ うに硬質な材料を用いた 方が加工し易い。
又、 S NPH 2等の硝材は硝材の品質管理上所定の厚さを確保するの
が難しいという間題がある。 そこで第 5の実施の形態の第 1の変形例と して、 図 7 Fに示すように、 非球面レンズ L 7 1の硝材を T A F D 5力、 ら S L AH 6 6に変更し、 貼り合せレンズ L 7 3 , L 7 4 , L 7 5の L 7 4を L 7 4 Aと L 7 4 Bの 2枚に分けた場合について以下に説明する。 図 7 Fに示す光学系の光学設計値を表 7に示す。 レンズ径は、 L 7 1が 51.0mm, L 7 2が 58.9mm、 その他のレンズが 58.6m mである。
(表 7 )
面の曲率半径 光軸上の面間隔 硝材
面番号
瞳 INFINITY 10.000000
1 INFINITY 11.000000 SLAH66_H0YA
2 31.00000 0.200000
-二ヅク定数 K: -1.3
3 INFINITY 8.500000 SLAH55_H0YA
4 66.00000 0.200000
5 INFINITY 10.500000 SLAH58_H0YA
6 53.00000 0.000000
7 53.00000 3.000000 S匪 2一 HOYA
8 , INFINITY 0.000000
9 INFINITY 3.000000 SNPH2_H0YA
10 -42.00000 0.000000
11 -42.00000 11.000000 SLAH58_H0YA
12 150.00000 9.568060
発光画面 G INFINITY 0
図 7 Fに示す光学系 (第 5の実施の形態の変形例) の場合、 僅かにレ ンズ曲率を変えるだけで、 第 5の実施の形態と ほぼ同等の性能を得るこ とができる。 1^ 7 4 とし 7 4 8は共に中心厚 3 111 111でぁり、 図 7 Aに おける L 7 4では硝材として 2 5 m m程度の みが必要だったのに対し、
L 7 4 A、 L 7 4 Bでは共に 1 5 m m以下の摘材厚が取れればよく、 硝 材の安定した供給を可能とする。
ここで L 7 4 Aと L 74 Bの間はフラッ ト面の貼り合せであるが、 同 ー硝材なので、 便宜上ここでは 1枚として数えることとする。 なお、 L 7 4 Aと L 7 4 Bを硝材の屈折率を僅かに変えたり、 L 7 4 Aと L 74 Bの貼り合わせ面が僅かに曲面を有するようにしたり等の変形を行った 場合でも、 無論同様の効果が得られるので、 ここではこの様な手法を用 いた貼り合せレンズについても、 全て 3枚貼り 合せレンズとして定義す るものである。
第 5の実施の形態の変形例として、 貼り合せレンズの組み合わせを変 えた例を第 6の実施の形態として図 8 A〜図 8 Dに示す。 すなわち、 図 8 Aに示すように、 今まで貼り合せレンズによる色収差補正不足を 2面 の貼り合せレンズ(L 8 3 , L 84 , L 8 5 ) を導入することで解消し、 それによる光学系の他の収差の悪化を、 瞳側の凸レンズ (L 8 1 , L 8 2 ) に屈折率の高い硝材を用いるとともに、 L 8 1の非球面のコ一二ッ ク定数を更に小さい kく一 1. 1 とすることにより補正している。 この 実施の形態においても、 第 5の実施の形態と同じ効果が得られる。 この 光学系の光学設計値を表 8に示す。
(表 8)
面番号 面の曲率半径 光軸上の面間隔 硝材
瞳: INFINITY 10.000000
1: INFINITY 11.000000 TAFD10— HOYA (L 8 1 )
2: -32.00000 0.200000
コ一ニック係数 K : -1. 300000
3: INFINITY 7.500000 TAFD10_H0YA (L 82)
4: -66.00000 0.200000
5: -500.00000 3.000000 SNPH2_0HARA (L83)
6: 53.00000 21.000000 TAFD30_H0YA (L 84)
7: -53.00000 3.000000 SNPH2_0HARA (L 85)
8: 200.00000 12.264784
発光画面 G: INFINITY 0.000000
貝占り合せレンズは L 8 3, L 8 4 , 8 5の 3枚のレンズで構成され、 L 8 3 , L 8 5のレンズ硝材よ り、 L 8 4のレンズ硝材の色分散を小さ く し、 貼り合せ面を瞳 Η側に凸面凹面の順となるように構成している。 そのため、 大きな色収差を補正できるようになり、 瞳側の凸レンズ (L 8 1 , L 8 2 ) についても屈折率の高い硝材を用い、 レンズ周辺を通過 する光束の偏向角を大きくすることができている。 この方法で、 レンズ 径を眼幅の 6 5 mm以下にすることが可能となる。
しかし、 このままではキヨ口目動作時の収差が悪化する。 そこで、 レ ンズ径が 6 5 mm以上にならない範囲で、 コーニック定数を更に小さい k =- 1. 3まで下げ、レンズ L 8 5の最終面も凸面で構成することで、
諸収差を抑える構成としている。
これにより、 図 8 Bに示す良好な収差がえられ、 図 8 C、 図 8 Dに示 すように、 眼球の横シフ トの後も、 視野中心 3 0° の位置で収差 2 5 m以内、 中心から土 5° でも収差 5 0 μ m以内、 ± 1 0° でも、 ほぼ収 差を ΙΟΟμ m以内に抑え、 かつ、 土 6 0° の視野角度が得られる。
次に、 発光画面 Gについて説明する。 発光画面 Gとして最も理想的な ものは、 液晶ディスプレイ等に代表される発光型の 2次元画像出力素子 である。 しかしながら、 現時点の技術には 6 0 mm角程度のディスプレ ィで上記接眼光学系により拡大されても十分な画像の分解能を得るのに 必要なドッ トサイズを有する 2次元画像出力素子 ίま存在しない。よって、 2次元画像出力素子からの画像を、 ± 6 0° の視野角度で瞳に投影する 場合、 プロジェクターのような微小ドッ トサイズの発光型の 2'次元画像 出力素子像の拡大像を得ることで、 高画質とする必要がある。 現在、 存 在してい ¾プロジェクタ一は QVGAと呼ばれる解像度縦横が 320 X 240のものから、 S X G Αと呼ばれる解像度縦横力 S 1980X1024程度の ものを用いて、 GR Bの各色で合計 3枚の液晶表示素子でカラー像を 別々に形成し、 合成してその解像度を 3倍とするのものまでさまざまで める。
もし、 本発明の実施の形態として解像度が低いものを利用すると、 映 画館クラスの大きさの画面では、 その液晶表示素子の画素の継ぎ目が目 で見えてしまい、 臨場感が失われてしま _う。 よって、 プロジェクター以 上の画質を得る場合は、 S X G Aと呼ばれる解像度縦横が 1980X1024 以上のものを用い、 GR Bの各色で合計 3枚の液晶表示素子で各色の像 を別々に形成し、 それらの像を合成してその解像度を 3倍とする技術を 導入することが不可欠である。
また、 前述の接眼光学系としては本発明の全てが発光画面 Gに対し、
非テレセントリ ックな構成とすることで、良好なディス トーション及び、 収差捕正を行つているため、 前述のプロジェクターのような微小ドッ ト サイズの発光型の 2次元画像出力素子のテレセン条件を前記接眼光学系 のテレセン条件と合わせる必要がある。
しかし、 例えば第 6の実施の形態で考えると、 ± 6 0。 の視野角度光 束の主光線が発光画面 Gの位置から接眼光学系のレンズ L 8 5に達する ときに、 画面 Gの法線となす角度は最大 2 0 ° であり、 発光型の 2次元 画像出力素子から発光画面 Gまでの拡大倍率を 3倍とすると、 発光型の 2次元画像出力素子から放射される各画素の光束の N Aは、 この 3倍の 6 0 ° で射出される非テレセントリック光学系でなければならない。 こ のような 2次元画像出力素子の照明機構を設計するのは液晶表示素子等 の有効照明角度から考えても厳しい条件となる。
そこで、 発光画面 Gの位置にスク リーンを設け、 発光型の 2次元画像 出力素子 ら射出された光束をリ レー系にて同スクリーンに投影し、 そ の投影像がスクリーンを透過した裏面像を前記接眼光学系にて眼球の網 膜まで再投影する方法を取ることが考えられる。 この方法は従来例とし ても特開平 7— 1 2 8 6 1 2号公報(特許文献 3 )に開示されているが、 上記のような ± 22.5° 以上で発生する収差を改善するための手法につい ては何ら記載されていない。
今回のスク リーン導入においては、 前記目標を達成した非テレセント リ ックな接眼レンズとして 2 0 ° の傾き.を持った接眼光学系に像を提供 し、 且つ、 S X G Aと呼ばれる解像度縦横が 1280 X 1024の微小ドッ ト よりも小さい粒子で形成された拡散透過型スク リーンを提供する必要が ある。
.以下、 上記スクリーンとして、 拡散ガラスを使用した例について説明 する。 図 8 Cを見ると、 眼球の横シフトが 3 0 ° のとき、 最大士 1 0 °
程度テレセンが傾いている (主光線が傾いている) ことがわかる。 よつ て、 スク リーンとしては、 このキヨ口目に対応して、 視 泉の方向が変わ つても、 眼球の瞳に入射する光線が存在するように、 各位置の光束の発 散角が、 十分に大きい角度になるようにし、 かつ、 人間の目で見てもそ の荒さが見えないレベル、 即ち、 スリガラスでいうと荒さ 7 0 0以上の 拡散角 Aタイプに相当するものを用いればよい。 もちろん、 人間のキヨ 口目角度は土 3 0 ° 程度まで考慮する必要があるので、 ± 2 0 ° 程度で 光強度分布が大きく変わらないものを使用することが望ましい。 なお、 図 8 Aにおいては、 視野角 6 0 ° の位置でのテレセンの傾き (主光,線の 傾き) はさらに大きいが、 この部分は人間の眼の解像度が低い部分であ るので考慮しなくてもよい。
そこで、 スク リーンとして、 厚みが均一で表面が平滑なポリエステル フィルムに接着剤を塗布し、 そして、 ミ クロングレードで精密に粒径が 管理されこ砥粒をクリーンルームでコーティングしたものを使用する。 なお、 砥粒としてはシリ コンカーパイ ド、 酸化クロム、 酸化スズ、 酸化 チタン、 酸化マグネシウム、 酸化アルミニウムなどの炭ィ匕物、 酸化物が 最適で、 0.3〜4 0 μ m程度の均一な超精密仕上げで製造したものを採用 している。
このようにして形成されたスクリーンは、 不透明ではあるが均一な砥 粒をランダムに所定の厚さで積層させることが可能で、 発散 を ± 6 0 ° 以上に大きくすることができ、 D V D映像やハイビジョン映像であ つても全く粒状感を感じさせず、 ± 22.5° 以上の視野角を確保すること がでぎる。 また、 このスクリーンは安く製造できる点でも好ましい。 な お、 この砥粒層は投影像の焦点深度以内の厚さにすることが好ましく、 照度を得るためにできるだけ薄いことが望ましい。
なお、 砥粒の大きさはメッシュナンパ一 # 320〜 # 15000 までが選択
可能であり、 強靭なポリエステルフィルムを用いているので、 耐久性が 高くなる。 なお、 シリ コンカーバイ ド、 酸化クロム、 酸ィ匕スズ、 酸化チ タン、 酸化マグネシウム、 酸化アルミニウムなどは、 ミクロンオーダの 砥粒を使用すると、 不透明に見えてしまう。 この際には、 スク リーンへ の投影照度を高くする必要がある。
上記スクリーンを利用した場合、 拡散角が広くスク リ ーン上の粒子も 見えないので鮮明な画像を得られる効果はあるものの、 光量が 1 Z 1 0 程度に低下する。 よって、 その分投影照度を上げる工夫が必要である。 勿論、 プロジェクターのようなハロゲンランプを用いれ f 十分な照度が 得られるが、 後述の本発明での装置概観からすると、 できるだけ照明系 は小さく、 且つ寿命の長い光源を用いる必要がある。 そこで本発明の各 実施の形態では図 8 E、 図 8 Fに示すような 2つの照明系を採用してい 図 8 Eは青色 (B )、 赤色 (R )、 緑色 (G ) を発光する高輝度 L E D 1 6 6を用いた照明光学系を示す図である。 この照明光学系と して、 R G Bの 3色の高輝度 L E D 1 6 6と、 個々の高輝度 L E D 1 6 6毎に設 けられた光ファイバ一バンドルと、 光ファイバ一パンド /レの射出端を瞳 位置としたバックライ ト照明系 1 6 3と、 液晶表示素子 1 6 9 と、 3色 合成プリズム 1 6 2が図示されている。
色合成プリズム 1 6 2のほかの 2つの側面には、同様に液晶表示素子、 照明光学系、 光ファイバ一バンドル、 高輝度 L E Dが設^ "られている。 しかし、 それぞれの高輝度 L E Dは、 それぞれ異なる色が発色するもの が配置されている。 そして、 色合成プリズム 1 6 2の残りの一つの側面 には、 後述する図示するリ レー光学系が設けられている。
最近の L E Dの進歩は目覚しく、 1 [ 1 m ] 程度の光出力を出すもの が販売されており、 将来的にはその 1 0倍程度の出力を出せる超高輝度
差替え用紙 (規則 26)
L EDの開発も行われている。 また、 消費電力及び寿命の点からも優れ た性能がある。 しかしながら、 その光の指向性は 1 5 ° 程度であり、 分 布も均一では無い。 その上、.液晶表示素子の像をスク リーンに投影する ためのズーム光学系 (後述) としては N Aが 0.02〜0.03程度の光束が望 ましく、 前記液晶表示素子のバックライ トに高輝度 L EDの光を効率良 く用いることは容易ではない。
そこで本実施の形態では、 高輝度 L EDの青色 (B)、 赤色 (R)、 緑 色 (G) それぞれ 1個以上の高輝度 L ED 1 6 6を用意し、 各 L EDの 射出位置に光ファイバ一 1 6 5を設け、 同光ファイバ一 1 6 5を集めて 丸く束ね、 前記液晶素子のバックライ ト照明系 1 6 3 の瞳位置から射出 する構成としている。 一般に L EDの発光チップの発光面積は 2 0 0 μ m程度であり、 それ以上の直径のコアを持つ光ファイバ一を発光面に設 置する。 例えば、 L EDの照度を 1 [ 1 m] とすると、 ノ ックライ ト照 明 1 6 3の瞳の大きさは、 設計上 4 mm ψ程度であり、 この大きさの照 明系を設計する場合は、 0. 8 mm ()の光ファイバ一ならば約 2 0本程 度の束を瞳面に配置できる。 よって、 同照明系瞳位置に 2 0 [ 1 m] の 照度を持つ均一面発光照明光を射出することが可能となる。
ここで光ファイバ一 1 6 5内では所定の角度を持つ光束が繰り返し全 反射して光ファイバ一 1 6 5内を進むので、光ファイバ一射出部 (瞳面) ではその射出角度は入射角度と一致しているる。 このため、 光学ロッ ド と同じ効果で、 光ファイバ一の射出部では、 光ファイバ一への入射光の NAと同じ NAの光が射出されるため、無用に光束が広がることが無く、 ズーム光学系 (後述) に光を供給することができる。 従って、 均一度が 向上する照度均一光学系の役割も果たす。 例えば、 この瞳面での射出角 度.は液晶素子 1 6 9の照射面積を決定するので、 L E Dの指向特性と照 明系の倍率調整、 ファイバー本数により調整が可能となる。
更に、 一つの L E Dから導くファイバ一は 1本である必要はなく、 よ り径の小さいファイバーを束ねて使用することも考えられる。 この場合 は瞳上で束ねられたファイバー本数が多くなるので、 瞳面の形 を円に 近づけることが可能となる。 更に、 ファイバ一径が小さい場合、 L E D の指向性に合わせた配置が可能となり、 瞳面での射出角度を小さ くする ことが可能となる。
図 8 Fは青色、 赤色、 緑色を発光する冷陰極管 1 6 7を用い fこ照明光 学系を示す図である。 なお、 図 8 Fにおいて、 図 8 Eに示され こ構成要 素と同じ構成要素には、 同じ符号を付して説明を省略すること力 Sある。 冷陰極管は熱陰極管と比べて小型化することが可能であり、 消費電力、 長寿命の点からも C R T等のバックライ トとして用いられている。 しか しこれらのディスプレイバックライ トは冷陰極管からの光束を 散板等 で拡散することで使用するのが一般的であり、この実施の形態のように、 液晶素子からスク リーンまでのズーム光学系 (後述) として N Aが 0.02 〜0.03程度の光束に制限されたものに使用することは難しい。
そこで本発明では、 青色、 赤色、 緑色それぞれ 1個以上の冷 極管 1 6 7を用意し、 各冷陰極管の射出位置に光ファイバ一 1 6 4を殳け、 同 光ファイバ一 1 6 4を集めて丸く束ね、 前記液晶素子のバックヲィ ト照 明系 1 6 3の瞳位置から射出する構成としている。 冷陰極管と しては一 般に 2 m m φ X 4 0 m m程度が最小のものであり、 同冷陰極管に指向性 を持たせるための反射ミラー 1 6 8を設置し、 ファイバーを 4 0 m mの 間に敷き詰めるようにする。 例えば 1 ιη πι φのファイバーなら 4 ◦本敷 き詰め、 同ファイバーをほぼ隙間無く束ねると 1 Ο ηΐ Γα φ程度 円形状 にでき、 同照明系瞳位置から高い照度を持つ均一照明光を射出 1~ること が可能となる。 光量が冷陰極管一本で足りない場合は、 複数本の冷陰極 管を用いることも可能となる。
訂正された用 ¾0i im
このように高輝度 L E D 1 6 6や冷陰極管 1 6 7をバックライ トとし て使用することで消費電力を抑え、 長寿命で光源交換のわずらゎしさが 無くなり、 ハロゲンランプを用いる場合のファン等も必要がなく、 シン プルな装置構成にすることができる。
図 8 E、 図 8 Fにおいては、 透過型の液晶表示素子 1 6 9を用いた場 合について説明しているが、 反射型の液晶表示泰子を用いた場合には、 高輝度 L E Dや冷陰極管共に白色光を発光するタイプを用い、 図 8 E、 図 8 Fで示した方法と同様にして、 照明光学系の瞳位置に発光面を形成 する。
透過型液晶表示素子を用いた場合も、 反射型液晶表示素子を用いた場 合も、 白色光の光源を用いた場合には、 その後 3色ビームスプリ ツター により光束を赤、 青、 緑に分離して各反射型液晶素子にて反射された光 束を再び 3色合成プリズムで合成しズーム光学系に合成光束を射出する 構成となる。
このよ う に、 発光画面 Gをスク リーン Gとして置き換えた場合の照明 系については問題が解決したので、 この構成によ り、 今までに無い新た な効果を出すことが可能となってくる。 その一例として、 図 2 5を用い て、 2つの発光型の 2次元画像出力装置 (液晶表示素子部と色合成プリ ズムをまとめてこのように呼ぶこととする) 1 5 0 X, 1 5 0 Yから出 力された画像を分割 ·合成することにより、 右目 2 Rと左目 2 Lに色々 な画像を提供する方法を説明する。 図 2 5は、 S X G A液晶表示素子か らなる 2次元画像出力装置 1 5 0 X, 1 5 0 Yの 2つを用い、 それぞれ の光束を合成 ·分割する ビームスプリ ッタを設け、 同ビームスプリ ッタ をハーフプリズム 1 5 3タイプと全反射タイプ (通常の両面ミラー) 又 は全透過タイプ(通常の透明体)の光学部材 1 5 4 に切り替えることで、 前述の合成及び、 左右両目に別々の視差のある面像を投影することで立
正された
体画像の提示両方ができる機構を示したものである。
図 2 5において、 図 2 5の (a ) は大きさの異なる画像 x, yを合成 し、 左右の目に同一画像として表示 ( c ) する例である。 yは高解像の 出力画像であり、 Xは周辺情報や画像の出力画像である。 一方、 (b ) は 大きさが同一の異なる画像 X , yを左右の目に異なる画像と して表示 ( d ) する例であり、 X, y画像を視差のある別画像とすることで、 立 体画像を楽しむことができる。 図 2 5の ( a ), (b ) は、 2次元画像出 力装置 1 5 0 Xから出力された光束 Xと 2次元画像出力装置 1 5 0 Yか ら出力された光束 yを合成するハーフミラープリズム 1 5 3 と、 同ハー フミラープリズム 1 5 3と光路が等しくなるように設計された光学部材 (この場合は通常の透明体) 1 5 4を切り替えた時の光束 X, yの光路 を示したものである。
図 2 5の ( a ) では、 2次元画像出力装置 1 5 0 Y力 ら出力された画 像 yの光束は、 光学リ レー機構 1 5 1 Yと光学的ズーム機構 1 5 2 X, 1 5 2 Yにより、 コンテンツの出力画像の解像度に対応した大きさに、 スク リーン 1 4 9 L、 スク リーン 1 4 9 R上でズームタ'ゥンされる。 ― 方、 2次元画像出力装置 1 5 0 Xから出力された光束: Xは、 光学リ レー 機構 1 5 1 Xと光学的ズーム機構 1 5 2 X, 1 5 2Yによりスク リーン 1 4 9 L、 スク リーン 1 4 9 R上で全視野画像にズームアップされる。 これらの光束 yと光束 Xは、 ハーフプリズム 1 5 3によりそれぞれ分 割 ·合成され、 光束 x, yとして、 図示を省略した前 ¾kの接眼光学系に より、 それぞれ左眼球 2 Lの網膜上と、 右眼球 2 Rの糸罔膜上に同一画像 ( c ) として投影される。
—方、 図 2 5の (b ) では、 2次元画像出力装置 1 5 0 Yから出力さ れた光束 yは、 光学リ レー機構 1 5 1 Yと光学的ズーム機構 1 5 2 Yに より、 所定の画像の大きさでスク リーン 1 4 9 L上にズームアップされ
る。 一方、 2次元画像出力装置 1 5 0 Xから出力された光束 Xは、 光学 リ レー機構 1 5 1 Xと光学的ズーム機構 1 5 2 Xによ り光束 yと同じ大 きさの光束 Xでスクリーン 1 4 9 R上にズームアップされる。 これらの 光束 y'と光束 Xは、 光学部材 1 5 4によりそれぞれ分害 ij ·合成されるこ と無く透過し、 それぞれ独立した画像 (d) として、 図示されていない 前述の接眼光学系により、 左眼球 2 Lの網膜上と、 右眼球 2 Rの網膜上 に別々に投影されることで、 視差による立体像を楽しむことができる。 なお、 スク リーン 1 4 9 Lと左眼球 2 Lの間、 スク リーン 1 4 9 Rと 左眼球 2 Rの間には、 図示されていないが例えば図 8 Aに示すような接 眼光学系が配置されており、 スク リーン 1 4 9 L、 スク リーン 1 4 9 R は、 例えば図 8 Aにおける発光画面 Gに相当すること〖こなる。 '
この例では、 両方の画像は S XG A液晶表示素子を用いた高画質画像 であり、 ( c )のよ うな周辺画像部分でも鮮明な画像を得ることができる。 これは、 例えば ( c ) の光束 yを映画館のスク リーン画像とすると、 周 辺画像 Xとしては映画館の視聴者を含む周辺画像として提供すれば良い。 周辺の画像の画質が良いので、 本当に映画館にいるような臨場感を味わ うことができ、 その結果、 奥行きのある画像として視聴できるという効 果がある。 それだけでなく、 2つの S X G A液晶表示素子のみで、 前述 の計 4つの液晶表示素子を有する機構と同じ性能を得ることができるの で、 コス トを下げ、 大きさを小さくする点で大きな効果がある。
このよ う に、 発光型の 2次元画像表示素子から出力された画像をズー ム光学系により前記スクリーン上に投影することは様々な利点がある力 実際にどの程度のズーム倍率を考えれば良いかを次に述べる。
まず、 土 6 0° の視野角度を確保し、 スク リーン上で眼幅と同じ 6 5 mmの大きさとした場合、 2次元液晶表示素子の画面サイズは 0. 8〜 0. 9インチ程度なので、 2 0 mm〜 2 3 mmの画像を 6 5 mmに拡大
する約 3倍程度の拡大ズーム機構が必要になる。 一方、 ハイビジョン画 像対応である S X G A液晶表示素子に対し、 ドッ トの完全に見えなくな るテレビサイズは 4 0〜 5 0ィンチのテレビを数メ一トル離れて見る場 合である。 よって、 視野角度として ± 1 8 ° まで画面サイズを光学的に 小さくできる構成とし、 それ以上小さい画面は電気的な切り替えで画面 サイズを小さくする構成とすれば、 ドッ トが認識できず、 S X G A液晶 素子の微細ドッ トを有効に使用することができる。 よって、 ズーム倍率 としては
tan(60° )/tan(18° ) = 4〜 5倍
程度のズーム倍率が必要となる。 これは画角にして 1 3〜 6 5 m mとな り、 2次元液晶表示素子の寸法から考えると、 縮小〜拡大まで対応した ズーム機構としなければならない。
以下、 第 7の実施の形態として、 第 6の実施の形態において、 発光画 面 Gとして 6 3 m mの大きさのスク リーン画像を視野角が ± 6 0 ° 使用 者の眼に導く ような接眼レンズを用いた場合に使用されるスクリーン上 に液晶面の画像を投影するズーム光学系の例を、 図 9〜図 1 1を用いて 説明する。 このズーム光学系は、 S X G A液晶表示素子の画像を、 発光 画面 Gでのサイズが 12.4m n!〜 63.6 m mの範囲となるように変化させ ることができる 5倍ズーム系である。
—般的なズーム光学系はカメラゃ写真引き伸ばし機に利用されており、 物体面や投影面が離れており、 且つ拡六光学系のみで利用されるものが 殆どである。 しかしながら、 本発明に関連したズーム光学系は物体面と 投影面の距離が短く、 かつ、 縮小〜拡大までの 5倍もの倍率変化をカバ 一する必要があるため、 色収差の特性が縮小系と拡大系で変化すること に対応した設計とする必要がある。
この問題を解決するために、 図 9 A、 図 1 0 A、 図 1 1 Aに示すよう
に (これらはズーム条件が異なるだけで同じ光学系である)、液曰 ¾表示素 子画像出力面 OB J側から L 9 1〜L 9 6で構成されるレンズ群に少な く とも 2つの貼り合せレンズを用い、 瞳面(レンズ L 9 7の前面と同位 置)までの光学系内で完全に色収差を補正する構成としている。 ¾面には 開口絞り S T〇が設けられており、 開閉によりスク リーン G上の照度を 任意に変えることができるようになっている。貝占り合せレンズ( L 9 1 , L 9 2) を液晶素子画像出力面 O B Jからレンズを介さない位置に配置 し、 貼り合せレンズ (L 9 5 , L 9 6 ) を瞳面近傍に配置するこ とで、 像高に起因する色収差を貼り合せレンズ(L 9 1 , L 9 2)にてネ 正し、 ' フォーカス方向に関する色収差を貼り合せレンズ (L 9 5, L 9 6 ) で 補正する構成としている。 液晶素子画像出力面 O B Jから瞳面ま でを長 い光束としているのは、 各レンズの曲率を小さく し、 できるだけ諸収差 が大きくならないように配慮したためである。
なお、 図 9 A、 図 1 0 A、 図 1 1 Aにおいては、 液晶表示素子画像出 力面 O B Jを図示しておらず、 片方の眼用の光学系のみを示している。 液晶表示素子が両方の眼に共通な 1個の液晶光学素子である場合には、 液晶表示素子画像出力面 O B Jからの光をハーフプリズムゃハーフミラ 一等を用いて、 左右の眼用の光に分割し、 左右の眼に別々に設け られた 図 9 A、 図 1 0 A、 図 1 1 Aに示すような光学系に入力する。 この手法 は周知のものであるので、 詳しい説明を要しないであろう。
次にズームを行うためのレンズ群の説明を行う。 ズーム系は貼 り合せ レンズ (L 9 7 , L 9 8 ) 及び貼り合せレンズ (L 9 9, L 9 A) で構 成され、 共に凹レンズとなっている。 これは 5倍の倍率変化を起こさせ るには凹レンズの組み合わせが必要なためである。 その理由は、 ズーム 系は 1枚の凹レンズで倍率を変更するが、 倍率変更に応じてフォーカス 位置が変化する。 よって、 変化したフォーカス位置を元に戻すために、
もう 1枚の凹レンズが必要となる。 これらの凹レンズは、 倍率が可変で フォーカス位置が変わらないよう、 同期して位置を移動させる。 勿論、 凹レンズと凸レンズの組み合わせでもこのようなことは可肯¾であるが、 凹レンズ 2枚の組み合わせで行う方が、 倍率の可変幅を大きくでき、 設 計が容易である。
前者の貼り合せレンズ (L 9 7, L 9 8 ) は、 フォーカス位置の決定、 後者の貼り合せレンズ (L 9 9, L 9 A) は倍率可変に使用している。 これらのレンズは固定されたレンズ L 9 6〜レンズ L 9 B間を移動する ので、 色収差の発生条件が各場所で異なり、 全倍率条件で色収差を補正 することはできない。 そのため、 貼り合せレンズ (L 9 D、 L 9 E) を 加えて、 それぞれの倍率条件でうまく色収差及びその他の収差が捕正さ れるように貼り合せのレンズ硝材及び貼り合せ面の曲率を設定している この光学系の光学設計値を表 9に示す。
(表 9) 画面サイズ横 12. 4 mm
面番号 面の曲率半径 光軸上の面間隔 RMD 硝材
0BJ : INFINITY 97.000000
1 : -300.00000 3.000000 SNPH20HARA (L 91 )
2 : 195.00000 2.000000 TAFD30—丽 A (L 92)
3 : -300.00000 1.000000
4 : 200.00000 5.000000 TAFD30一 H0YA (L 93)
5 : -400.00000 1.000000
6 : 90.00000 5.000000 TAFD30一 H0YA (L 94)
7 : 115.00000 105.000000
8 : 40.00000 5.000000 TAFD30 H0YA (L 95)
9 : -31.00000 3.000000 S謂一 0HARA (L 96)
10 : -135.00000 0.000000
ST0 : INFINITY 0.500000
12 : -38.00000 5.000000 TAFD30 H0YA (L 97)
13 : 25.00000 3.000000 SNPH2一 0HARA (L 98)
14 : 98.00000 3.430000
15 : -38.00000 5.000000 TAFD30 H0YA (L 99)
16 : 28.00000 3.000000 SNPH2_0HARA (L 9 A)
17 : 86.00000 34.670000
18 : -151.00000 3.000000 TAFD30— H0YA (L 9B.)
19 • -46.00000 1.000000
20 300.00000 6.000000 TAFD30— H0YA (L 9 C)
21 -150.00000 1.000000
22 200.00000 5.000000 TAFD30 H0YA (L 9 D)
23 -63.00000 5.000000 SNPH2一 0HARA (L 9 E)
24 200.00000 115.000000
25 INFINITY 3.000000 TAFD30 H0YA (L 9 F)
26. 180.00000 5.000000 S謂一 0HARA (L 9 G)
27: INFINITY 10.772097
発光画面 G INFINITY 0.000000
これらの設計条件で設計した第 7の実施の形態で、 画像の大きさが 12.4mmで最も小さい縮小系の光学図面を図 9 Aに示している。 光学系 としては、 スクリーン Gへの投影像の主光線は収束方向に非テレセント リ ックとなっている。 図 9 Bには、 この光学系における球面収差、 ^点 収差、 ディス トーショ ンを示しているが、 良好な結果である。 又、 図 9 Cにはスポッ トダイヤグラム、 図 9 Dには、 各像高毎の横収差プロッ ト 出力図を出しているが、 全像高で 3 5 m以内の収差となっており、 良 好.な画質が得られていることがわかる。
次に、 図 1 0 Aに、 画像の大きさが 25.13mmで、 図 9に示した状態
からはおよそ 2. 5倍のズーム状態である時の光学図面を示す。 レンズ L 9 6とレンズ L 9 7間の距離を 0. 5 mm→ 8. 3 8mmとし、 レン ズ L 9 8 とレンズ L 9 9間の距離を 3. 4 3 mm→ 6. 5 mmに変える ことで 2倍弱のズームを実現している。 この光学系の光学設計値を表 1 0に示す。
(表 10) 画面サイズ横 25. 13mm
面番号 面の曲率半径 光軸上の面間隔 RMD . 硝材
> 0BJ : INFINITY 97.000000
1 : -300.00000 3.000000 SNPH2 0HARA (L 9 1 )
2 : 195.00000 2.000000 TAFD30J0YA (L 92)
3 : -300.00000 1.000000
4 : 200.00000 5.000000 TAFD30— H0YA (L 93)
5 -400.00000 1.000000
6 . 90.00000 5.000000 誦 30_讓 (L 94)
7 115.00000 105.000000
8 40.00000 5.000000 TAFD30 H0YA (L 95)
9 -31.00000 3.000000 SNPH2一 0HARA (L 96)
10 -135.00000 0.000000
ST0 INFINITY 8.380000
12 -38.00000 5.000000 TAFD30 H0YA (L 97)
13 25.00000 3.000000 SNPH2_0HARA (L 98)
14 98.00000 6.500000
15 -38.00000 5.000000 TAFD30 H0YA (L 99)
16 28.00000 3.000000 SNPH2_0HARA (L 9 A)
17 86.00000 23.720000
18 -151.00000 3.000000 TAFD30一 HOYA (L 9 B)
19 -46.00000 1.000000
20 300.00000 6.000000 TAFD30一 HOYA (L 9 C)
21 -150.00000 1.000000
22 200.00000 5.000000 TAFD30 HOYA (L 9D)
23 -63.00000 5.000000 SNPH2_0HARA (L 9E)
24. 200.00000 115.000000
25 INFINITY 3.000000 TAFD30 HOYA (L 9 F)
26: 180.00000 5.000000 SNPH2_0HARA (L 9 G)
27: INFINITY 10.749815
発光画面 G: INFINITY 0.000000
光学系としては、 スク リーン Gへの投影像の主光線はテレセン ト リ ツ ク状態に近いか僅かに拡散方向に非テレセン トリ ックとなっている。 図 1 0 Bには、 この光学系における球面収差、 非点収差、 ディス トーショ
ンを示しているが、 良好な結果である。 又、 図 1 0 Cにはスポッ トダイ ャグラム、 図 1 0 Dには横収差プロッ ト出力図を出しているが、 全像高 で 5 0 m以内の収差となっており、 良好な画質が得られているこ とが わかる。 但し、 図 9 Dと図 1 0 Dの横収差プロット出力図を見ると、 そ の特性が変わっているのが良く分かる。
次に、 図 1 1 Aに、 画像の大きさが 6 3. 6 mmで、 図 9に示した状 態からはおよそ 5倍のズーム状態である時の光学図面を示す。 レンズ 9 6 とレンズ L 9 7間の距離を 0. 5 mm→ 1 0. 6 8 mmとし、 レン ズ L 9 8とレンズ L 9 9間の距離を 3. 4 3 mm→ 2 7. O mmに変え ることで 5倍のズームを実現している。 光学系としては、 スク リーン G への投影像の主光線は拡散方向に大きく非テレセン トリ ックとなつてお り、 貝占り合わせレンズ L 9 F、 L 9 Gがない場合は、 今までと伺様にス ポッ トダイヤグラムと横収差プロッ ト出力図を出してみると、 やはり収 差が大きくなっており、 色収差が 100 m程度残存してしまうこと が判 明した。
そこで、 本発明では通常のカメラズームとは異なり、 物体面の近傍に 光学系を配置することが可能なのでそれを利用し、 スク リーン Gの近傍 に貼り合せレンズ (L 9 F, L 9 G) を設置し、 画角が大きくなつた場 合に色収差捕正が可能な構成とした。 説明はしていないが、 既に図 9 A と図 1 0 Aにも同貼り合せレンズ (L 9 F、 L 9 G) が入っている。 画 角が小さい場合、 この貼り合せレンズ (L 9 F、 L 9 G) は収差に大き な影響を及ぼさないことは確認済みである。 図 11Aに示した光学系の 光学設計値を表 1 1に示す。
(表 1 1) 画面サイズ横 63 , り mm
面番号 面の曲率半径 光軸上の面間隔 RMD 硝材
0BJ : INFINITY 97.000000
1 : -300.00000 3.000000 SNPH2 OHARA (L 9 1 )
2 • 195.00000 2.000000 TAFD30—雇 (L 92)
3 . -300.00000 1.000000
4 : 200.00000 5.000000 TAFD30一隱 (L 93)
5 : -400.00000 1.000000
6 • 90.00000 5.000000 TAFD30一匿 A (L 94)
7 : 115.00000 105.000000
8 : 40.00000 5.000000 TAFD30 HOYA (L 95)
9: -31.00000 3.000000 SNPH2一 OHARA (L 96)
10 -135.00000 0.000000 -
ST0 INFINITY 10.680000
12 -38.00000 5.000000 TAFD30 HOYA (L 97)
> 13 25.00000 3.000000 SNPH2—0醒 (L 98)
14 98.00000 27.000000
15: -38.00000 5.000000 TAFD30 HOYA (L 99)
16: 28.00000 3.000000 SNPH2一 OHARA (L 9 A)
17: 86.00000 0.920000
18: -151.00000 3.000000 TAFD30一 HOYA (L 9 B)
19: -46.00000 1.000000
20: 300.00000 6.000000 TAFD30一 HOYA (L 9 C)
21: -150.00000 1.000000
22: 200.00000 5.000000 TAFD30 HOYA (L 9 D)
23: -63.00000 5.000000 SNPH2_0HARA (L 9 E)
24: 200.00000 115.000000
25 INFINITY 3.000000 TAFD30 HOYA (L 9 F)
26: 180.00000 5.000000 SNPH2_0HARA (L 9 G)
27: INFINITY 10.772577
発光画面 G INFINITY 0.000000
図 1 1 Bにはこの構成における球面収差、 非点収差、 ディス トーショ ンを示しているが、 良好な結果であり、 図 1 1 Cにはスポッ トダイヤグ ラム、 図 1 1 Dには横収差プロッ ト出力図を出しているが、像高 0.5 (視 野角度で ± 3 0° ) 以内では、 5 0 μ m-以内の収差となっており、 像高 1 (視野角度で ± 6 0° ) の条件でも 8 0 m以下のスポッ トダイヤグ ラムであり、' 良好な画質が得られていることがわかる。 前述のように、 図 9 Dと図 1 0 D、 図 1 1 Dの横収差プロッ ト出力図を見ると、 その特 性が 3段階に変わっているのが良く分かるが、 前述の 5枚の貼り合せレ
ンズによる色収差補正を実現することで、 全可変倍率で良好な投影像を 得られる。
以下、 本発明の第 8の実施の形態に使用される、 より性能の高いズー ム光学系の例を、 図 1 2 A〜 1 2 (h) を用いて説明する。
以前の説明においては、 スポッ トダイヤグラムと横収差プロッ ト図の みで説明してきたが、 実際にはそれぞれ像高及び色による収差はフォー カス方向にそれぞれ異なる最適位置があり、 その最適位置で評価を.行う 必要がある。 更に、 今回のズーム系で拡大された像を更に接眼光学系で 拡大して観察するため、 例えば液晶スク リーンが 22.1mm φに入り 、 ァ スぺタ ト比は 1 6 : 9 と仮定して液晶部の大きさを求めると、 液晶パネ ルの横サイズは 19.26mm、 縦サイズは 10.83mmとなる。 即ち、 1280 画素の場合は横に 19.26mm÷1280= 1 5 m、 縦に 14.3 mの面素で あり、 そのピッチを解像できるにはピッチで考えて 3 mの分^^能が ズーム光学系に必要となる。
周波数にして 1000÷(15+14.3)/2=34.13H zの MT Fを最適フォ一力 ス位置で求めることで、 収差の評価が可能となる。 但し、 MT Fの場合 限界解像度があり、 NA (開口数) を小さくすると、 いく ら横収差や色 収差が良くても像自体が解像できない。 よって、 NAを大きく とる こと が光学系にとって重要となるし、 光量を得るにも都合が良い。 しカゝし、 N Aを大きくするとレンズの球面収差等の影響を大きく受け、 これが M T Fを悪化させる原因にもなる。
そこで、 第 8の実施の形態である光学系では、 前述ようにスク リ ーン 手前に色収差補正レンズを組み込むと共に、 移動ズーム光学系のすぐ後 の曲率の大きレヽレンズの曲面に前述のコーニック面を入れている。 これ により レンズ周辺を通る光束の球面収差が改善し、 大きな NAで良好な 収差特性が得られる。第 8の実施の形態の光学系の光学設計値を表 1 2、
表 1 3に示す。 表 1 2、 表 1 3は、 本来一つの表であるが、 1頁に入り きらないので分割
(表 1 2 )
レンズ
面番号 曲率 レンズ厚 硝材 有効半径 寸法 備芎
液晶表示 レンズ、 液晶表示素子
1
素子 ¾ 間距離
S1 -350 3 S腿— 0腿 11.7308
S2. S3 194 2 SLAH58一 0HAEA 11.8343 貼り合せ面
S4 -350 11.8789 25.7578
1 レンズ間距離
S5 200 5 SLAH58_0HARA 11.9231 25.8462
S6 -400 11.8654
1 レンズ間 S巨離
S7 90 4 SLAH58一 0賺 11.7667 25.5334
S8 115 11.4302
110 レンズ、 瞳間距離
10 レンズ間距離
S9 40.8 3 SLAH58JHAEA 2. 931
S10. S11 -24 3. 5 SNPH2— 0瞧 2.9601 貼り合せ面
S12 -70 3.0075 8.015
可変 1 レンズ間距離
sl3 -38 5 SLAH58JHAEA 2.9937
S14. S15 23.2 3 SNPH2—0腿 3. 1501 貼り合せ面
S16 98 3.2234 8.4468
可変 1 レンズ間距離
S17 -38 5 SLAH58_0HARA 6.3685
S18, S19 30 3 S画一 0HA 7. 1443 貼り合せ面
S20 86 7.4226 16.8452
可変 50 レンズ間距離
(表 1 3 )
レンズ
面番号 曲率 レンズ厚 硝材 有効半径 寸法 備考
S21 -60 4 SLAH66_0HAEA 13.5593
S22 -50 14.2994 44.6 コ一ニック面: K=-0.235
0.5 レンズ間距離
S23 500 3 SLAH58— 0賺 14.7214
S24 -125 14.8457 31.6914
0.5 レンズ間距雠
S25 200 3 SNPH2JHABA 14.8804 31.7608
S26. S27 53 5 SLAH58— 0薩 14.7602 貼り合せ面
S28 -198 14.7108
0.5 プリズム間距雜
32 SLAH58_0HARA 14.5996 32 プリズム o rハーフミラー
0.5 プリズム間距雜
32 SLAH58_0HARA 14.0066 32 プリズム 0 Γハーフミラー
0.5 プリズム間距離
32 SLAH58_0HARA 15.4218 32 プリズム 0 r立方体ガラス
3 レンズ間距離
S29 -80 3 SLAH58— OHABA 15.5415
S30 -60 15.8653 33.7306
1.5 レンズ間距離
S31 -140 3 SLAH58一 OHAEA 15. 9076
S32 160 16. 1997 34.3994
4 レンズ間距離
S33 -80 3 SLAH58_0HABA 16.509
S34, S35 -61 3 SNPH2_0HAEA 16.9972 貼り合せ面
S36 -79.5 17.7256 37.4512
57 レンズ間距離
S37 -80 6 SNPH2_0HAKA 28.4376
S38, S39 -52 3 SLAH58一 OHAEA 29.0976 貼り合せ面
S40 -80 30.7272 60
2. 19623 レンズ間距離
発光画面 G : INF INITY 0
ここでは S 2 2面 ( レンズ L A Bの像面側の面) がコーニック定数 ■0.235のレンズを使用しており、 N Aを 0.025まで大きく した 5倍のズ ーム機構を実現している。
なお、 以上の表において、 硝材を表すのに、 「商品名 (コード名) —メ 一力一名」 で表している。 各硝材の屈折率は、 表 1 4に示すとおりであ
る。 このうち、 S L AH 6 6は非球面に対し加工し易い硝材と して用い ている。
(表 1 4)
図 1 2 Aは、 このような光学系におけるズ 状態を示すものであ
り、 ( a ) は画角の大きさが 1 8. 5 mm, ( b ) は画角の大きさが 31.92 mm、 ( c ) は画角の大きさが 63.13mmのときのものである。 図 1 2 A において、 LA 1 ~LAKはレンズ、 Pは、 R, B, G三色合成用プリ ズム、 HMはハーフミラー、 P 3は全反射プリズム、 G Lは光路長調整 用ガラスである。 但しハーフミラー、 全反射プリズムでは、 説明の都合 上光路を折り曲げず、 直進するように描いている。
レンズ LA 1 と LA 2、 レンズ LA 5 と LA 6、 レンズ LA 7 と LA 8、 レンズ LA 9 と LAA、 レンズ L ADと LAE、 レンズ LAHと L A I、 レンズ LA J と LAKは、 それぞれ貼り合わせレンズであり、 貼 り合わせレンズ L A 7と L A 8、 貝占り合わせレンズレンズ L A 9 と L A Aの位置を調整することによりズーム系を構成している。 図 1 2 Bは、 横収差、 色収差のスポッ トダイヤグラムを従来通りに示すものであり、
( a )、 (b )、 ( c ) は、 それぞれ図 1 2 Aの ( a )、 (b )、 ( c ) に対応 する。
図 1 2 C、 図 1 2 D、 図 1 2 Eではフォーカスを振った時の像高毎の MT Fを示している。 図 1 2 Cは、 図 1 2 Aに示すズーム光学系と、 第 5の発明の実施の形態における接眼レンズを用いた光学系を使用した場 合で、 フォーカス方向に可変させたときの MT Fの変化を示す。 測定条 件は、物側の像の空間周波数を 3 3サイクル Z 1 mmとし、 N Aは 0.025、 視野方向を 18.5° とした場合である。 Xは像高方向に対して垂直な方向 に光強度変化があったときの本光学系が無収差の場合の理論的な MT F 変化 (限界解像度)、 Yは像高方向と同方向に光強度の変化があったとき の本光学系が無収差の場合の理論的な MT F変化(限界解像度)である。 そして、 像高 0.25の場合の X方向 (像高方向とは垂直な方向) における MT Fを細い点線で、 像高 0.25の場合の Y方向 (像高方向と平行方向) における MT Fを太い点線で示し、 像高 0.5の場合の X方向 (像高方向
とは垂直な方向) における MT Fを太い実線で、 像高 0.5の場合の Y方 向 (像高方向と平行方向) における MT Fを細い実線で示し、 像高 0,75 の場合の X方向 (像高方向とは垂直な方向) における MT Fを細い一点 鎖線で、 像高 0.75.の場合の Y方向 (像高方向と平行方向) における MT Fを太い一点鎖線で示し、 像高 1の場合の X方向 (像高方向とは垂直な 方向) における MT Fを細い二点鎖線で、 像高 1の場合の Y方向 (像高 方向と平行方向) における MT Fを太い二点鎖線で示した。 なお、 横軸 のスケールは、 適当な基準位置から距離を示す。
同様に、 図 1 2 Dの測定条件は、 物側の像の空問周波数を 2 1サイク ル / l mmとし、 視野方向を 31.92° 賭したものであり、 線の意味は、 図 1 2 Cと同じである。 更に図 1 2 Eの測定条件は、 物側の像の空間周 波数 8サイクルノ 1 mmとし、 視野方向を 60.13° としたものであり、 線の意味は図 1 2 Cと同じである。 なお、 N Aはそれぞれ 0.025 として いる。 .
このように、 フォーカス位置を適宜変更すれば、 どの像高も MT Fが 0. 3以上となる位置がある。 ところで、 MT Fの値が 0. 3以上であ れば、 経験的に画像を観賞する際に十分な解像度が得られることが分か つている。 したがって、 本発明の第 8の実施の形態によるズーム光学系 においては、 あらゆる像高に対しても十分な解像度が得られていること がわかる。
これらをまとめたものが、 図 1 2 Fであり、 前述の液晶素子サイズ及 び、 5111先の 1. 5 mmの Cの字隙間が読める視力 1. 0の人を基準に 評価周波数を決定している。
これを見ると、 視野角度が 18.50° の場合 (条件 1 ) では、 像高 1の 場合でも MT Fは 31.5であり 3 0 %を超えている。 視野角度が 31.92° の場合 (条件 6 ) も、 像高 1の場合でも MT Fは 3 1. 1であり 3 0 %
を超えている。 視野角度が 34.28° を超えると、 像高 1の場合の MT F は 3 0 %を割り込むが、 元々、 前述の通り、 ギヨ 口 目動作では視野角度 が 4 5 %以上でレンズ有効径を超えてしまい、 直接画像を観察すること ができない。 人間の目は中心視野以外大きく視力が低下することがわか つているので、 周辺画像となる 4 5 %以上の収差に対し、 像高 0〜 0. 5の収差を 4 0 %以上に設定する構成と している。 また、 図 1 2 G、 図 1 2 Hは、 それぞれ視野角度が 18.50° の場合、 視野角度が 31.92° の場 合の各評価周波数毎の M T Fを示したものであるが、 コーニック面を使 用し、 色収差補正をスク リーン近傍で使用していることにより、 安定し た周波数特性を得ることができている。
以上、 図 1 2 A〜図 1 2 Hまでを使用して本発明による第 8の実施の 形態までを説明したが、 図 1 3 A〜図 1 3 Cにて、 図 2 5に示した両目 対応の画像表示装置に対応して、 ズーム光学系 1 5 2 X、 1 5 2 Yに本 発明の第 8の実施の形態のズーム光学系を適用した概略構成図を示し、 図 1 3 Dにて、 本発明の第 5の実施形態の接眼レンズ、 本発明の第 8の 実施の形態のズーム光学系 1 5 2 X、 1 5 2 Y (一部構成省略) 及び、 2次元画像表示装置 1 5 0 X, 1 5 0 Y、 そして、 ミクロングレードで 精密に粒径が管理された砥粒をク リーンルームでコーティングされたス ク リーン 1 4 9 L, 1 4 9 Rを用いて、 図 2 5に示した構成を実現した 例を示す。
図 1 3 Αは、 第 8の実施の形態のズーム光学系を折り曲げて右目出力 用と したものであり、 図 1 3 Bは、 第 8の実施の形態のズーム光学系を 折り曲げて左目出力用と したものである。 これらを合成すると、 第 1 3 ( c ) に示したような両目に異なる画像を提供する機構となり、 分割 , 合成光学系と してハーフプリズム又はハーフミラー HMを用いると、 図 1 3 Aに示したズーム光学系と図 1 3 Bに示したズーム光学系の倍率を
訂正された用鉱 91
変えて、 両目に大きさの異なる中心高解像画像情報及び周辺情報提供面 像を両目に同時に出力することが可能となる。
これらの図において、 P l、 P 2、 P 3は全反射プリズムであり、 全 反射プリズム P 1においては、 光線は 2回反射されて、 光軸が反射され る前の光軸と平行になっている。全反射プリズム P 2、 P 3においては、 光路は 9 0 ° 偏向されている。 光路差調整用ガラス G Lは、 全反射プリ ズム P 1 と P 3を通る光線の光路差を調整し、 両眼の光学系が同じ光学 系で構成できるようにするためのものである。 又、 R , B , G各色の三 色合成用プリズム Pは、 図 1 3 C 'に示されるように、 R, B , G用の 3 つの液晶素子からの光を合成し、 一つの光として光学系に送り込むため のものである。
両目に対応した光学系は全て前記ハーフプリズム、 ハーフミラー H M の反射面に対し光路長が同じで、 かつ、 発光画面 Gでの最大像寸法が 6 5 m mになり、 同一数の反射面を持つ構造となっている。 そのため、 少 スペースな構成である上に、 部品の共通化や両目に対し共通の画像を提 供し易い構成にすることができている。 図 1 3 Dに、 図 1 2 Cに示す光 学系と、 図 8 Aに示す光学系を組み合わせた、 全体の光学系の概要を示 す。 図 1 3 Dにおいて、 Eは眼球である。
上記図 1 3 Dの構成は、 両目で同一画像を観察する場合、 新たな効果 を奏する。 本件のような両目に独立したスク リーン画像を接眼レンズに より投影する装置は各接眼光学系の光学的中心間距離と眼幅を一致させ ることで、 左右に発生したデイス トーションを同じ条件にすることがで きるので、 両目で異なる画像を見る際に引き起こされる違和感や目の疲 れを完全に取り除く ことができる。しかし、人間の眼幅は個人差があり、 5 . 5 c n!〜 7 . 5 c m程度変わるため、 液晶表示素子から接眼光学系 に至る左右眼用の光学系全体の間隔を、 観察者の眼幅に合わせて変える 訂正された用紙 (ffi則
ことが望ましい。 一部の光学系のみ移動したり、 画像出力位置を電気白勺 に変える場合、 左右の収差条件が異なり、 同一画像が得られず、 両目で 異なる画像を見る際に引き起こされる違和感や目の疲れを完全に取り除 く ことができない。
このような問題を解決する光学系の構成の例を図 1 3 Eに示す。 この 構成では、 図 1 3 C等に示されている全反射プリズム P 1を 2つの全反 射プリズム P 4と P 5に分割している。 そして、 全反射プリズム P 2と ハーフプリズム ·ハーフミラー H Mを固定し、 全反射プリズム P 3と光 路差調整用ガラス G Lを組にして図の左右に移動させることができるよ うにすると共に、全反射プリズム P 5も図の左右に移動可能としている。 L Rは右眼用光学系、 L Lは左眼用光学系をまとめて示したものである。 図で (a ) と (b ) を比較すれば明らかなように、 全反射プリズム P 3 と光路差調整用ガラス G Lを組にして図の左右に移動させても、 右眼用 光学系 L Rまでの光路長には変化無く、 光軸の位置 (図で上下方向) の みを変えることができる。 又、 全反射プリズム P 5を図の左右に移動さ せても、 左眼用光学系 L Lまでの光路長には変化無く、 光軸の位置 (図 で上下方向) のみを変えることができる。
図 1 3 Dではわかり易くするために光学系を単純化して図示したが、 実際の画像表示装置としては、 光路長が全長で 3 5 O m mもある機構 ま 採用できず、 できるだけ光学系を折り曲げるこ とで小さいスペースに れることが望ましい。 そこで図 1 4では反射ミラー M 1、 M 2、 M 3、 M 4、 M 5を用いて、 小さいスペースに本発明による光学系を組み込ん だ例を示す。 この光学系は図 9 Aに示された、 第 7の実施の形態におけ るズーム光学系であるが、 図 1 2 Aに示された、 第 8の実施の形態に ミ けるズーム光学系でも、このような構成をとれることは言うまでもなレ、。 なお、 反射ミラー M 1〜M 5はそれぞれ右眼用と左眼用のために 2つず
れた用紙 S I91)
つあるが、 紙面と直交方向にずれて同一位置にあるので、 ここでは簡単 のために 1つのみを図示している。 図 1 4で O B Jは、 液晶表示素子面 である。
図 1 4に示したように、 光学系を折り曲げて小さいスペースに入れた 理由としては、 本光学系を図 1 5に示すようなボックス 1 1内に収納す る必要があつたためである。 これは前述のように、 もし、 本発明の実施 の形態に解像度が低いものを利用すると、 映画館クラスの大きさの画面 では、その液晶表示素子が目で見えてしまレ、、臨場感が失われてしまう。 よって、プロジェクター以上の画質を得る場合は、図 1 6に示すよ うに、' S X G Aと呼ばれる解像度縦横が 1280 X 1024( 1 6 : 8に合わせた 1280 X 760 でも可) 以上のドッ トを有する、 G R Bの各色毎に用意きれた 3 枚の液晶表示素子 (O B J G , O B J R , O B J B ) を、 緑色の照明系 L S G、赤色の照明系 L S R、青色の照明系 L S Bにより別々に照明し、 各色毎にカラー像を別々に形成し、 合成してその解像度を 3倍とする技 術を導入することが不可欠である。 更に、 広視野角度による画像を得る 場合、 光学的にも重く複雑なものを導入せざるを得ない。 どうしてもそ れらを優先すると、 眼鏡型ディスプレイやへッ ドマゥント型ディスプレ ィでは大きさ、 重量共に許容できないものとなってしまう。
そこで本発明の実施の形態では、 図 2 3に示すような広視野角度を持 つた床置き型ディスプレイを採用している。 椅子やベッ ドへの固定でも よいが、 手軽に家庭内で場所を動かしたりできることに鑑みると、 この 床置き型タイプが最も良いと考えられる。 但し、 固定したディスプレイ は顔の位置を容易に変えることができず、 顔を固定することで新たな疲 労を発生させてしまう。 そのため、 この機構は顔を光学部材に設けられ たフィッ ト弾性材及ぴ板パネに支えられたイヤホン 1 2 0により、 柔ら かく覆う形で、 顔の位置に合わせて任意の状態に移動できる構成を取つ
ている。 この機構は、 D V Dやビデオプレイヤー、 T V画像出力機 1 1 4等と接続でき、 従来のプロジェクターと同様にパソコン、 T Vゲーム 機 1 1 3等とも接続が可能である。 そして、 画像合成 ·変換装置 1 2 1 により、 それらの既存コンテンツ像をディスプレイ上で歪みがないよう にし、 複数の像を同時にディスプレイ上に表示できるように設計されて レヽる。
このデータは伸縮が可能な伸縮棒からなる支持部 1 1 5を介して、 関 節部を複数有する振動防止型関節棒 1 1 6に支持される全視野角度ディ スプレイ装置 1 1 8により、 その変換像を表示することが可能となって いる。 ここで、 同装置には振動防止型関節棒 1 1 6及び、 全視野角度デ イスプレイ装置 1 1 8の重量をキャンセルするためのカウンターバラン ス部 (ウェイ トフリーバランサー) 1 1 7が取り付けられており、 人間 がその重量を感じず、 更に顔の動きに追従するように関節機構が工夫さ れている。
基本的に人間は振動防止型関節棒 1 1 6及び、 全視野角度ディスプレ ィ装置 1 1 8を動かすときの慣性力を感じるだけであり、 この機構を採 用することで、 高画質、 広視野角度の画像を得ることが可能となってい る。 図 2 4は本機構を用いてベッ ト上で寝た場合であるが、 このような 動きが可能な機構にするには振動防止型関節棒 1 1 6の接合部分がボイ ントとなってく る。
図 1 5に示す例は、 前述の説明においてはボックス 1 1 として示され た全視野角度ディスプレイ装置 1 1の重心位置を支持部 1 3で支持する ようになつている。 すなわち、 全視野角度ディスプレイ装置 1 1には凹 部 1 2が設けられ、 全視野角度ディスプレイ装置 1 1の重心位置を球面 軸受 1 3 cを介して支持部 1 3で支えるようになつている。 図 1 5の ( a ) は斜視図、 (b ) は後部から見た立面図、 ( c ) は平断面図、 ( d )
は側面図である。 球面軸受 1 3 cを使用しているため、 図 1 5 ( a ) に 示すように、 全視野角度ディスプレイ装置 1 1は、 支持部 1 3の周りに 回転が可能である。 又、 支持部 1 3は、 部材 1 3 aと部材 1 3 bとから なるテレスコープ構造を有しており、 図 1 5 ( b ) のように上下に移動 可能とされている。 又、 全視野角度ディスプレイ装置 1 1は、 凹部 1 2 の範囲において、 図 1 5 ( c ) に示すように左右方向に回動が可能であ ると共に、 図 1 5 ( d ) に示すように前後方向にも回動が可能とされて いる。
すなわち、 球面軸受 (ュュパーサルジョイント) 1 3 cを用いている ので、 どのように顔を動かしても、 Θ χ、 Θ y、 Θ ζ駆動についての自 由度がある構造になっている。 特に、 図 1 5 ( d ) に示すように、 首を 前後に振ったとき、 特に使用者がうつむいたときに必要な角度の回動が 可能となっている。
この図 5に示した全視野角度ディスプレイ装置 1 1 の内部に図 1 4 の折り曲げ光学系を入れた例を図 1 6に示す。 この例においては、 第 6 の実施の形態において示した図 8 Aに示す接眼光学系と、 第 7の実施の 形態において示した図 9 Aに示すズーム光学系を使用している。 ここで は振動防止型関節棒 1 1 6の支持部 1 3が全視野角度ディスプレイ装置 1 1の重心位置に設置され、 両目 Eの光学系の間で動き、 光学系と干渉 しないようにされている。 また、 重心位置はできるだけ接眼光学系の近 傍にした方が良い。 これは重心位置を きるだけ人間の首 H Eの位置に 近づけることで、 首 H Eを回転中心とした顔面の動きに沿って全視野角 度ディスプレイ装置 1 1 8を動かした時の慣性が小さくなり、 スムーズ な追従動作を行わせることができるためである。
.ただし、 慣性を 1 0 0 %無くすることはできないので、 必要に応じて 顔面と全視野角度ディスプレイ装置 1 1 8を密着させて動かすようにす
るための固定ベルト等を、 併せて用いるようにしてもよい。
本発明においては、 重心位置をできるだけ人間の首の位置に近づける 策として、 イヤホン 1 2 0部と接眼光学系の重量が重たくなるので、 光 学系の引き回しを工夫することで、 重心位置はできるだけ接眼光学系の 近傍とし、 重心位置を回転中心としてイヤホン及ぴ接眼光学系の 1 8 0 度反対方向に発光液晶部及ぴ電気系等の重量物を設置することで、 新た なおもりを設置しなくても図 1 6に示したような首に近い位置に重心を 置くことができている。 なお、 図 1 6においては、 鼻当て部 1 1 aを設 けることにより、 全視野角度ディスプレイ装置 1 1の位置決めを行うよ うにしている。 また、 図 1 6に示した 1 3, は、 使用者が横になつたと きにおける支持部 1 3の位置を示している。
本発明の他の実施の形態の例を、 図 1 7 Aに示す。 両目用の光学系は 人間の顔を左右に分ける軸 yを含む紙面に垂直な面対称なので、 ここで は左目用の光学系のみ説明することとする。 2次元液晶デパイス 2 0 3 gを透過した光束は、 色ビーム合成プリズム 2 0 4、 リ レー拡大光学系 2 0 5を含む光学系により眼球 2 0 9に導かれるが、 図 1 7 Aに示す光 学系では、 その間に 4枚のミラー (2 1 3 , 2 1 6 , 2 1 7、 2 2 1 ) により偏向することで、 図示したような形状の左目画像表示装置 2 1 5 Lと、 右目画像表示装置 2 1 5 Rを構成している。 なお、 図 1 7 Bは、 本光学系のミラー 2 1 7、 2 2 1のレイアウトを示すための図面である。 ミラー 2 1 7、 2 2 1は図 1 7 Bに示すように、 光束を上下方向に偏向 するためのものであり、 この画像表示装置の重心位置 GR Aが、 頭部の 回動中心 CNTの近くに来るようにして、 回転モーメント以外の慣性力 をなるベく小さくするために用いられている。 また、 左目画像表示装置 2.1 5 Lと右目画像表示装置 2 1 5 Rは眼幅補正機構 2 1 4により左右 に移動できる構成となっている。
すなわち、 本発明のような、 両目に独立したスク リーン画像を接眼レ ンズにより投影する装置においては、 接眼レンズの光学的中心と眼線の 中心を一致させることで、 左右に発生したディス トーションを同じ条件 にすることができるので、 両目で異なる画像を見る際に引き起こされる 違和感や目の疲れを完全に取り除く ことができる。 しかし、 人間の両眼 の間隔である眼幅は個人差があり、 5. 5 c m〜7. 5 c m程度変わる ため、 本来観察者の眼幅に合わせて、 左目画像表示装置 2 1 5 Lと右目 画像表示装置 2 1 5 Rの目に入射する光線の中心位置間の距離を、 眼幅 補正機構 2 1 4により、 変えることができるようになつている。 すなわ ち、 眼幅補正機構 2 1 4は、 ミラー 2 1 3の位置を変えることにより、 左目画像表示装置 1 5 Lと右目画像表示装置 2 1 5 Rの目に入射する光 線の中心位置を、 それぞれ独立に変更できるような機能を有している。 画像表示装置 2 1 5には耳 2 1 8を挟み込む固定機構と視聴を行うた めのイヤホンを兼ねた挟み込み部材 2 1 9があり、 弾性部材 2 2 0によ り所定の力で顔を挟み込むことで顔と画像表示装置 2 1 5が固定される ように設計されている。
又、 眼球 2 0 9と接眼光学系 2 0 8の間には外界からの漏れ光を遮光 し、 且つ眼球 2 0 9と接眼光学系 2 0 8との接触を防止するための弾性 カバー 2 1 2が設置されており、 臨場感 ·没入感を向上させると共に、 目を傷つけないための安全機構の役割を果たしている。
以下、 前述の 4枚のミラー (2 1 3, 2 1 6, 2 1 7、 2 2 1 ) の役 割について説明する。 4枚のミラー ( 2 1 3, 2 1 6 , 2 1 7、 2 2 1 ) は光学系を折り曲げて小さいスペースに入れるということだけでなく、 重要な意味を持っている。
.図 1 7 Aでは頭 2 1 1及ぴ首 2 1 0の断面を合わせて示し、 図 1 7 B では本画像表示装置を使用したときの顔に対する位置を側方から見たと
ころを示している。人間の頭の動きは首 2 1 0により行われているため、 首 2 1 0の断面のフィールド内に頭 2 1 1の動きの回動中心があると考 えることができる。 仮にその点を C NTとした場合、 画像表示装置 2 1 5は頭 2 1 1に固定されているので、 C NTを中心に移動する。
画像表示装置は、 4枚のミラーで図 1 7 A、 図 1 7 Bに示すように、 左右対称で上下方向にも重量配分を考慮したレイァゥトとされているた め、 画像表示装置の重心位置 G R Aが、 頭部の回動中心 C NTの近くに 来るようになつている。 そのため、 首や頭部を容易に動かしやすくなつ ている。
図 1 8に、 本発明の実施の形態である光学系の一部を示す。 この実施 の形態は、 画像形成用の光学素子として反射型の液晶素子を使用し、 一 つの光源からの光を S偏光と P偏光に分けて、 それぞれの眼用に使用す ることにより、 光量のロスなく ^射型の液晶素子を証明し、 反射光を次 のリ レー光学系に伝達できるようにしたものである。
まず 2. 5 mm毎に穴が設置された基板 3 0 1上に白色の L ED 3 0 2を 2次元にパネル形状 (パネルが 1 6 : 9ならば 1 6 : 9、 4 : 3な ら 4 : 3) に敷き詰め、 一斉に照明できるような配線が行われている。 ここで L ED 3 0 2は熱に弱いので、 お互いの発熱により寿命が縮まら ないように、 所定の空気層を設けたり、 廃熱層を挿入する等の工夫が行 なわれている。 L ED 3 0 2から射出された白色光束は偏光ビームスプ リ ツター 3 0 3によって P, S偏光に分離され、 ロッ ド 3 0 4 L 1 , 3 0 4 R 1にそれぞれの光束が入るように配置されている。 ロッ ド 3 0 4 L 1 , 3 0 4 R 1の断面は、 パネル形状と相似の形状であるが、 ガラス 硝材ゃプラスチック硝材、 又は内面をミラーにして 4面を 2対に対向さ せた断面が長方形形状のもので作られており、 内部を光が通過するとき に、 内面反射を複数回行なうことで均一照明が得られる構造となってい
る。
ロッ ド 3 0 4 L 1の射出面と次の口ッ ド 3 0 4 L 2の入射面が共役に なり、 且つ偏向できるように、 レンズ 3 0 6 L 1, 偏向ミラー 3 0 5 L 1がそれぞれ配置されている。 一般にロッ ドはその長さに応じて、 通過 する光の均一化効果が高まるので、 それぞれのロッ ドの合計の長さを、 左右の眼用の光学系でほぼ同一にしておけば、 両方の均一性はほぼ等価 とすることができる。 次の口ッ ト 3 0 4 L 2により更に均一性が上がつ た状態で偏向ミラー 3 0 5 L 2、 3 0 7 L 1、 3 0 5 R 1、 3 0 7 R、 レンズ 3 0 6 L 2 , 3 0 6 R 1により、 前記ロ ッ ド 3 0 4 L 2 , 3 0 4 R 1の射出面と、 反射型液晶素子からなる各パネル 3 1 0 L ( r )、 3 1 0 L ( g )、 3 1 0 L (b )、 3 1 0 R ( r )、 3 1 0 R ( g)、 3 1 0 R (b ) 面が共役になるように設置されており、 均一照明が行なわれる。 ここで白い矢印方向は後に示すリ レー光学系につながる。 ここで、 元々 それぞれの光束は P偏光、 S偏光なので、 所定の偏光ビームスプリ ッタ 一 3 0 7 L、 3 0 7 Rにて偏向されるように調整されている。
この光学系の作用は、 左目用と右目用について同じであるので、 以下 の説明は左目用について行う。 なお、 図において左目用の構成要素には 符号 Lを、 右目用の構成要素には Rを付して区別している。
L ED 3 0 2からの光は、 偏光ビームスプリ ッタ 3 0 3により P偏光 と S偏光に分離される。 このう ち、 P偏光が左目用に使用されるものし て説明を行うが、 もちろん、 S.偏光が使用されるものとしても作用効果 は同じである。 分離された光 (P偏光) は、 前述のように、 ロッ ド 3 0 4 L 1、 3 0 4 L 2を介して均一化され、 偏向ミラー 3 0 5 L 2とレン ズ 3 0 6 L 2を通って、 偏向ビームスプリ ッタ 3 0 7 Lで反射され、 レ ンズ 3 0 6 L 2とえノ4板 3 0 8 Lを介して、 RG B光束分離合成プリ ズム 3 0 9 Lに入射し、 R光、 G光、 B光に分離される。
分離された R光、 G光、 B光は、 それぞれ、 反射型液晶素子からなる 各パネル 3 1 0 L ( r )、 3 1 0 L ( g )、 3 1 0 L ( b ) を照明するが、 前述のように、 ロッド 3 0 4 L 2の射出面と、 反射型液晶素子からなる 各パネル 3 1 0 L ( r )、 3 1 0 L ( g)、 3 1 0 L ( b ) の面は共役に なるようにされているので、 各パネルの面が均一に照明される。
各パネルには、 それぞれの色に対応する反射パターンが形成されるよ うになつており、 反射された光は、 RGB光束分離合成プリズム 3 0 9 Lを通ることにより一つの光束に合成され、 λΖ4板 3 0 8 Lとレンズ 3 0 6 L 2を介して、 偏向ビームスプリ ツタ 3 0 7 Lに入射する。 その 際、 光束は; L 4板 3 0 8を 2回通ることにより S偏光に変換されてい るので、 今度は偏向ビームスプリ ツタ 3 0 7 Lを透過して、 矢印の方向 にあるリ レー光学系に導かれる。
も し、 偏光ビームスプリ ッタ 3 0 7 Lの代わりにハーフミ ラーやハー フブリズムを使用した場合には、 約半分の光量が反射と透過の際に失わ れるので、 もともとの光量の 1 Ζ4の光量しか使用できないが、 この実 施の形態では、 偏光ビームスプリ ッタ 3 0 7 Lと; L/4板 3 0 8を組み 合わせて使用することにより、 ほぼ全ての光量を有効に使用することが できる。
さらに、 各パネル 3 1 0 L ( r )、 3 1 0 L ( g)、 3 1 0 L ( b ) と、 3 1 0 R ( r )、 3 1 0 R ( g)、 3 1 0 R ( b ) に形成されるパターン を異ならせることにより、 両目に異なる画像を送り、 立体画像情報を提 供することや、 左右の眼に到達する光量を調整することも可能となる。 なお、 本実施の形態では、 偏向ビームスプリ ッタ 3 0 7 Lは、 P偏光 を反射し S偏光を透過するものとし、 一方、 偏向ビームスプリ ッタ 3 0 7 Rは、 S偏光を反射し P偏光を透過するものとしているが、 偏向ビー ムスプリ ッタ 3 0 7 L、 偏向ビームスプリ ッタ 3 0 7 Rのいずれ一方の
前に、 S偏光と P偏光を置換する λ/ 2板を設けるようにすれば、 偏向 ビームスプリ ッタ 3 0 7 L、 偏向ビームスプリ ッタ 3 0 7 Rとして同じ 特性のものを使用することができる。
次に、 図 1 9に、 図 1 8に示した光学系の変形例を示す。 この図にお いては、 偏光ビームスプリ ッタ 3 0 3以後の光学系は、 図 1 8に示した ものと同じであるので、 同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を 省略し、 偏光ビームスプリ ッタ 3 0 3に至る前の光学系についてのみ説 明を行う。 前述の白色の L E D 3 0 2は簡単な光学系であり、 省スぺー ス化には優れているが、 L E Dの規格により色波長条件や強度が決まつ てしまうので、 色具合の微調整を行なうには不具合が多い。 そこで図 1 9に示す実施の形態では、 L EDをそれぞれ 3つの、 2次元配置された R— L ED群 3 0 2 ( r )、 G— L ED群 3 0 2 ( g)、 B— L ED群 3 0 2 ( b ) に分け、 RGB光束合成プリズム 3 0 9により各光束を合成 した後に口ッ ド 3 0 4により光束のリ レー、 均一照明化を行っている。 そしてロッ ド 3 0 4の射出面と、 ロッ ド 3 04 L 1、 3 0 4 R 1の入射 面を共役にするレンズ 3 0 6、 方向を変更する偏向ミラー 3 0 5を追加 設置している。 この機構では、 電圧調整により各 L ED群の強度を任意 に調整できるので、 画像の色調整が行い易く、 更に任意の色 L EDの組 み合わせを可能とすることで、 更なる良好な画像を得ることができる。 図 2 0は、 図 1 8、 図 1 9に示した光学系の後側に形成される光学系 の例を示す図である。 図 2 0に示す光学系は、 基本的には図 1 7 Aに示 した光学系と同じであるので、 同じ構成要素には、 同じ符号を付してそ の説明を省略するが、 図 1 7 Aに示すように光路の折り曲げを行ってい ないので、 図 1 7 Aに示された偏向ミラー 2 1 7、 2 2 1は用いていな い。 なお、 図 2 0で、 2 2 2. L、 2 2 2 Rは、 結像面であり、 この面に 図 1 8、 図 1 9におけるパネル 3 1 0 L ( r )、 3 1 0 R ( r )、 3 1 0
L ( g)、 3 1 0 R ( g)、 3 1 0 L (b), 3 1 0 R ( b ) に形成された 画像が投影されて結像する。
図 2 1は、 2つの 2次元発光型の光電素子 (反射型液晶素子) からの 合成画像を、 左右の眼に投影する光学系の例を示す図である。 4 0 1は 光源装置であり、 例えば図 1 8の白色発光ダイオード 3 0 2、 偏光ビー ムスプリ ッタ 3 0 3が内蔵されており、 P偏光と S偏光に分離された光 、 2つのロッ ド 4 0 2に、 それぞれ入射する。 一方の光学系と他方の 光学系についてはほぼ同じであるので、 以後の説明においては、 同じ構 成部品については同じ符号を付して、 一方の光路 (光源装置 4 0 1から' 上方に進むもの) についてのみ説明し、 左右の眼で異なる部分について はその都度説明を加える。
ロッ ド 4 0 2を出た光は、 偏向プリズム 4 0 3で偏向され、 ロッド 4 0 4を通った後、 2つの偏向プリズム 4 0 5 , 4 0 6で光束の進行方向 が逆転され、 ロッ ド 4 0 7を通った後、 偏向プリ ズム 4 0 9で偏向され て、 偏光ビームスプリ ッタ 4 1 0で反射されて、 画像形成部 4 1 1に入 射する。 画像形成部 4 1 1は、 例えば図 1 8の 3 0 8 L、 3 0 9 L、 3 1 0 L ( r )、 3 1 0 L ( g)、 3 1 0 L ( r ) のよ うな光学素子からな り、 入射した光を、 反射型液晶素子のパターンに応じて反射する。 反射 された光は、 偏光ビームスプリ ッタ 4 1 0を透過し、 ズーム光学系 4 1 2により適当な倍率とされる。
一方、 他方の光路にあるズーム光学系 4 1 2を出た光は偏向プリズム 4 1 3で光路を折り曲げられる。 一方の光路にあるズーム光学系を出た 光は直進して、 共にハーフプリズム 4 1 4に入射して、 他方の光路を進 んできた光束と合成され、 合成された光束のうち左眼用のものは、 偏向 プリズム 4 1 5、 光路長調整機構 4 1 6を通ってスクリーン 4 1 7に投 影され、 接眼光学系 4 1 8を通して左眼に投影される。 一方、 合成され
た光束のうち左眼用のものは、 偏向プリズム 4 1 9、 4 2 0を介してス ク リーン 4 1 7に投影され、 接眼光学系 4 1 8を通して左眼に投影され る。
ズーム光学系 4 1 2からスク リーン 4 1 7に至る光学系は、図 1 3 C、 図 1 3 Dに示した光学系と比較すると、 偏向プリ ズムの位置が異なり、 透過型液晶素子の代わりに反射型液晶素子が使用され、 その結像面がズ ーム光学系 4 1 2の物面となっている点が異なる。 しかし、 その他は、 図 1 3 C、 図 1 3 Dに示したものと本質的に同じであり、 かつ、 接眼光 学系は、 図 1 A等において説明したものと同じであるので、 その説明を 省略する。
なお、 ズーム光学系 4 1 2における可変倍率比は、 それほど大きく し ないようにすることが好ましい。 すなわち、 ズーム光学系においては、 最大倍率と最小倍率の両方で収差を抑える必要があり、 可変倍率比が大 きいと、 そのために開口数 (N A ) を小さくする必要がある。 開口数が 小さくなると、 スク リーン 4 1 7に投影したときに、 スクリーンの粗さ が目立つようになる。 開口数を大きくするとスクリ一ンの粗さが目立た なくなるので、 ズーム光学系 4 1 2における可変倍率比を小さく して、 その分開口数を大きくすることが望ましい。 これは、 今まで述べたすべ ての光学系におけるズーム光学系について共通する事項である。
図 2 2は、 左右の眼用にそれぞれ設けられた 2次元発光型の光電素子 (反射型液晶素子) から左右の眼に画像を投影するための光学系の概要 を示す図であり、 図 2 0に示したズーム光学系、 接眼光学系に対応する 光学系を有するものである。 図 2 2において、 図 2 1に示された構成要 素と同じ構成要素には、 同じ符号を付してその説明を省略する。 この例 においては、 左右の画像形成部 4 1 1により形成された画像は、 別々に 対応する左右の眼に投影される。 光路長調整機構 4 1 6が左右の眼用の
訂正された用紙 (H
両方に設けられていること、偏向プリズム 4 2 1が設けられていること、 ハーフプリズム 4 1 4による画像の合成がないこと以外は、 図 2 1に示 す光学系に類似であり、 特に詳しい説明を要しないであろう。
図 2 1や図 2 2に示すような光路折り曲げ、 折り返し光学系を使用す ることにより、 装置全体をコンパク トに形成できる。
以上説明したように、 本発明によれば、 人間が見る視界に近い、 大き な視界角度を有する高解像、 高輝度、 良質の動画を提供することが可能 となる。 本発明による効果の大半は発明の形態を説明する際に行ってい るので、 ここでは更なる効果を説明する。 まず接眼光学系についてであ るが、 コーニック定数 kを kく 0にすること、 即ち双曲面、 放物線もし くは楕円面を有する凸レンズを瞳位置 (水晶体) 近傍に配置し、'貼り合 せレンズをスク リーン近傍に配置する構造としているので、 ± 2 2 . 5。 以上の広視野角画像でも色収差を含む諸収差を大幅に改善した高画質画 像を提供することができている。 ここではコーニック定数 kを kく 0に した場合、 双曲面、 放物線もしくは楕円面のように考えられるが、 一般 に非球面は回転対称 2次曲面であり、 その曲面 Z ( r ) を回転対称 2次 曲面として、 c : 曲率、 r 2 = x 2 + y 2、 A, B, C, D, E , F, G , H , Jを非球面係数 (偶数次) として、
Z(r) + CV8
+ D-rw + E'r12 + FT14 + GT16 + H-r + J.r20
で表し、 kはコーニック定数として、 kく 0である任意の定数 A , B, C , ひ, E, F , G, H , Jを組み込んだレンズ面も考えられる。 本発 明ではこれらの式を使用した回転対称 2次曲面も含めたものを指してい る。 .
また、 上記組み合わせは眼が視界を広げるためにキヨロキヨ口する動
作時にも十分であり且つ鮮明な画像を提供することが可能となる。 これ は、 人間の眼が一つの動作を連続的に行うことで、 眼の機能が次第に追 従できなくなって 「疲れ」 を覚えることに対する回避の上で重要な動作 であり、 その 「キヨ 口キヨ 口」 の回避動作時に視界を提供する本発明の 実施の形態は、 「疲れ」を感じさせないためには重要な役割を担うことに なる。
次にズーム機構であるが、 これは V E酔いを改善するのにも一役買つ ている。 通常のコンテンツは広視野画像で出力されることを想定してい ないので、 画像を取り込むビデオカメラを固定位置に設置せず、 画像効 果のために、 色々な方向に向けながら映像をとる力 ズームを乱用する ことが多い。 通常の 1 0〜 5 0ィンチテレビ画像相当のディスプレイな らば全く問題ないが、 本発明による 6 0 ° 以上 ( 1 0 0インチ相当) の 画面では 『自己運動知覚: 「自分が動いているような錯覚」 を生じ, 平衡 の感覚に影響する。 広範囲の視野に情報を与える動きのある映像は平衡 感覚に影響し, 映像による視覚情報と体性感覚情報のミスマッチによ り 不快 ·酔いを生じることがある。』症状を引き起こす可能性がある。 しか し、 固定されたカメラによる風景や遠方の 6 0 ° 以上 ( 1 0 0ィンチ相 当) の無限遠広視野画像は、 実際に近い画像であり、 臨場感あふれ、 視 差無く 自然な立体感も得られるので、 リ ラクゼーショ ンや目の疲労回復 に大きな効果がある。
よって画像表示装置と しては、 コンテンッの解像度のみでなく、 どの ような内容の画像かによつても、 ズーム機構を用いて調整することで、 快適な画像情報を得ることができる。 そのため、 ズーム機構としては自 己運動知覚が発生する可能性の高い 6 0 ° 以上 ( 1 0 0インチ相当) の 無限遠広視野画像から自己運動知覚が発生し難い 3 0 ° 以下 (5 0イン チ相当) の画像まで約 2倍以上のズーム機構を有していることが望まし
い。
また、 現状存在する D V D、 ビデオ、 B S画像等のコンテンツは画角 が決まっており、 広い視界ではなく、 その画質に応じた画面の大きさが 望ましい。 すなわち、 むやみに画角を拡大すると、 画素の荒さが目で確 認できてしまい、 大画面が得られるメ リ ッ トよりも、 画質の悪さが気に なってしまうデメ リ ッ トの方が大きくなる。 よって、 本実施の形態にお いては、 それらのコンテンツに対する最適な画角にズーム機構を用いて 設定し高画質を常に得られるようにしている。 画像のドッ トサイズを考 慮すると、 視野角で土 1 8 ° 〜土 6 0 ° 程度の約 4〜 5倍のズーム機構 があることが望ましい。
更に、 本発明の実施の形態では、 上記の表示装置を左右眼球に対し、 少なく とも.一方に配置する構造や、前記表示装置を、左右眼球に対し別々 に配置し、 眼球の間隔に応じて位置を調整可能とするような、 あらゆる 構造を提像することが可能なので、 用途に合わせた幅広い活用方法が考 えられる。 これは前述の眼幅に合わせた光学系シフ ト、 ズーム機構だけ でなく、 スク リーンと人間の目の間にある接眼光学系の一部若しくは全 体をフォーカス方向に両接眼系別々に移動できる構成を取ることで、 近 視、 遠視、 乱視.の方全てにメガネゃコンタク トを付けること無く良好な 無限遠像を見てもらうことが可能となる。 更に、 スク リーンと接眼光学 系間の相対距離を近づけることで、 画像内容に合わせた近い物体を見る ような条件にもすることができるので、 より一層の臨場感を得ることが できる。 この場合、 スク リーン Gには、 光軸方向に駆動力を与える駆動 機構が設けてあればよく、 更にズーム光学系は、 液晶表示素子からスク リーン Gに投影する距離の変化に応じて、 焦点位置を可変させるピント 合わせ機構を具備していれば.よい。
更に、 前記光電素子は光束方向に直交した 2次元発光型の液晶表示素
子を導入しており、 細かい分解能、 低消費電力でより本当の視界に近い 画像情報を提供することができる。 発光部分については高輝度 L E D若 しくは冷陰極管を使用しており、 低消費電力、 寿命、 大きさの面で大き な効果を生む。 更に、 光ファイバ一を用いることで少ないスペースで輝 度の高い均一照明を実現できているが、 元々赤色 '緑色 '青色の光源に は照度の違いや指向角度の違い等があり、 これらを同じ条件の照度に整 えるためにも、 光ファイバ一を使用する効果は大きい。
但し、 ここで 2次元発光型の液晶表示装置から出力される光量が決ま つてしまった場合、 ズーム光学系及ぴハーフミラーによる 2つの画面合 成にて倍率の違いによる照度の差が発生してしまう可能性がある。 そこ で本発明としては、 上述の光源に与える電流値を、 画面合成時の倍率の 差に応じて可変とすることで、 前記高輝度 L E D若しくは冷陰極管自体 の照度を倍率可変に応じて制御し、 合成画像の照度に大きな差異が発生 しないよ にしている。 但し、 電流可変による照度可変は熱分布の変化 になり、 発光波長自体が変化し、 色のバランスが取れなくなる可能性も ある。 そこで、 光源に与える電流値を可変にするのではなく、 合成する それぞれの画像の光源を十分明るく し、それぞれの画像の照度の調整は、 ズーム光学系の瞳面近傍に開口絞り S T Oを設置し、 倍率可変に応じて 光量を可変するように制御している。 また、 光量に余裕がある場合は偏 光板を 2枚組み合わせて、 その回転角度を変えることで倍率可変に応じ て制御しても良いが、 3色ビームスプリ ツター 1 6 2では各色毎に偏光 特性を持つので、 1 Z 4板等を用いて偏光特性を無く しておくのが望ま しい。
更に、 本発明では上記構成により、 図 2 3の全視野角度ディスプレイ 装置 1 1 8自体で大きな電力を食うことが無い。 そこで外部情報を取り 込む、 B S · 1 1 0度 C Sアンテナ入出力端子、 電話回線端子、 V H F
/UHFアンテナ入出力端子、 音声入出力端子、 画像入出力端子、 S画 像入出力端子、 D (D 1 /D 2/D 3/D 4) 映像入出力端子、 光デジ タル音声出力端子、 i . L I NK端子、 アナログ R G B入出力端子、 D C入力端子の付いた接続系を全て全視野角度ディスプレイ装置 1 1 8自 体と切り離し、 画像合成 ·変換装置 1 2 1に設置している。 そして、 D VD、 テレビ、 コンピュータ等の外部情報からの前記端子による入力デ ータを全て赤外線データに変換し、 赤外線発信部から前記全視野角度デ イスプレイ装置 1 1 8の赤外線受光部で受け、 画像及び音声データに変 換後にディスプレイ上に画像情報を提供する構成としている。 また、 全 視野角度ディスプレイ装置 1 1 8への供給電力はバッテリーを組み込み、 未使用時に振動防止型関節棒 1 1 6を介して充電する構成にすることで、 全視野角度ディスプレイ装置 1 1 8には有線部分が無くなる。 よって、 本体より取り外し、 全視野角度ディスプレイ装置支持機構 1 7 0を複数 設置してある任意の位置に自由に持ち運びできる構成にすることもでき ¾0
以上のように本発明では高画質の広域像を画像情報として取り込むこ とが可能であり、 これを利用して色々な組み合わせを考えることで、 ゥ ヱアラブルディスプレイゃゥヱアラブルコンピュータを越えた、 本格的 な情報入出力装置を提供することが可能となる。 更に、 同広域像画像を 有効に利用する、 新しい感覚のゲームソフ トや広域像 DVD、 広域像ビ ' デォテープの販売、 更には、 バーチャルリアリティの本格的システム提 供が可能となる。
本発明は、 メガネ型ディスプレイ保持方法、 頭部保持型ディスプレイ 保持方法は勿論、 映画館や飛行機の椅子、 リラクゼーショ ン用椅子、 寝 たきり老人看護用ベッ ト等に直接設置することで、 重量や装着による不 • 快感を開放した機構として提供することも可能となる。 特に、 動きの制
限を受けている病人や寝たきり老人への臨場感溢れる画像の提供は、 大 きなリラクゼーショ ン効果があり、 病気回復の活力や、 生きる活力を与 えられると言う点でもその市場性は大きい。
以上の内容を整理すると、 本発明を利用する場合、 それぞれ次のよう な市場性が期待できる。
重量、 疲労感を感じさせない大画面パソコン、 C A D *映画館、 プロ ジェクタ一に替わる大画面ディスプレイ ·臨場感溢れる 3 D大画面画像 の提供 ·前記ビデオ機構からの画像をインターネッ ト受信 ·寝たきり老 人、 病人への臨場感ある画像の提供, リラクゼーショ ン画像表示ディス プレイ '新しい感覚の T Vゲーム画像の提供 '狭い空間での大画面画像 の提供 ·機密性が高い情報の個人向け表示システム ·パーチヤルリァリ ティディスプレイ ·遠隔操作が可能な大画面ディスプレイ ·広い画面で のデジタル新聞受信システム ·飛行機等の 1 s t クラスでのリラクゼ一 ショ ンサービス ·視力の悪くならない教育教材 · アミユーズメント施設 での新たなディスプレイゲーム等が考えられる。