JP2021086005A - ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】発光側における波長帯域ごとに異なる寿命特性と、光学部材側における黄変の特性とに対応させつつ画像についてのホワイトバランス調整が可能なヘッドマウントディスプレイを提供すること。【解決手段】画像光GLについて、波長帯域に応じて異なる開口率で画像を表示するパネル部11と、パネル部11から射出される画像光GLの光路上に配置され、経年に伴い黄変する黄変光学部材YOと、予測により経年に伴う黄変光学部材YOの黄変度合を推定する黄変度合推定部YEと、黄変光学部材YOの黄変に応じて、黄変度合推定部YEのデータに基づくパネル部11における画像の輝度を調整する輝度調整部AMとを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、映像を使用者に提示するヘッドマウントディスプレイ(HMD)に関する。
使用者(観察者)の頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)において、例えば、特許文献1に示すように、表示素子と投射光学系との間に配置された検出部により発光素子から発せられた光を検出し、検出結果に応じて各光源からの光量を比較・調整することで射出される画像光のホワイトバランスを調整するものが知られている。
特開2007−65012号公報
しかしながら、特許文献1では、ホワイトバランスを調整するために、発光素子ごとに発光強度を調整しているが、発光強度を高めるために注入電流量の増加させることによって、当該発光素子の寿命が低下してしまうおそれがある。この場合、発光寿命に伴う発光素子で射出できる発光光量の限界に起因して、色調補正がしきれなくなって表示画面が色調変化してしまう、といった事態が生じうる。
本発明の一態様のヘッドマウントディスプレイは、赤色光、緑色光及び青色光を含む画像光について、波長帯域に応じて異なる開口率で画像を表示する表示素子と、表示素子から射出される画像光の光路上に配置され、経年に伴い黄変する黄変光学部材と、予測又は検知により経年に伴う黄変光学部材の黄変度合を推定する黄変度合推定部と、黄変光学部材の黄変に応じて、黄変度合推定部のデータに基づく表示素子における画像の輝度を調整する輝度調整部とを備える。
第1実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)について概念的に説明するための側方断面図である。 画像制御装置の一構成例を説明するためのブロック図である。 開口率の一例を示す画素開口部の概念図である。 各種数値データについての一例を示すグラフである。 一変形例における数値データについての一例を示すグラフである。 画素開口部の一変形例を示す概念図である。 別の一変形例に係るHMDについて概念的に説明するための側方断面図である。 第2実施形態に係るHMDについて概念的に説明するための側方断面図である。 画像制御装置の一構成例を説明するためのブロック図である。 HMDの動作の一例について説明するためのフローチャートである。 一変形例に係るHMDについて概念的に説明するための側方断面図である。 センサーの配置について一例を示す概念図である。 一変形例のセンサーの配置について示す概念図である。 第3実施形態に係るHMDの画像制御装置について一構成例を説明するためのブロック図である。 HMDの動作の一例について説明するためのフローチャートである。 第4実施形態に係るHMDの一例について外観を示す概念的な斜視図である。 黄変光学部材におけるセンサーの配置について一例を示す概念的な概念図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)について詳細に説明する。
図1に概念的に示すように、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)100は、表示素子(画像表示部)等で構成される画像表示装置10と、拡大光学系20と、画像制御装置50とを備え、HMD100を装着した使用者又は観察者に対して虚像による画像光(映像光)を視認させることができる虚像表示装置である。ここで、図1は、HMD100を使用者が装着した場合の側方から見た断面の様子を概念的に示している。図1等において、HMD100における光学系の光軸AXがZ方向となっているものとする。さらに、Z方向に対して垂直な面の面内方向のうち、水平方向すなわち左右方向をX方向とし、面内方向のうち、X方向に垂直な方向をY方向とする。この場合、使用者の左右の眼の並ぶ方向として想定される水平方向がX方向となる。そして、水平方向に直交する方向である使用者にとっての上下方向が垂直方向であり、図1等では、Y方向となる。また、図1において、HMD100の使用時(HMD100を使った観察時)における使用者の眼EYの位置として想定されるのは、HMD100の構成上における瞳の位置PEとなっている。また、ここでは、図示のように、瞳の位置PEから画像表示装置10へ向かう方向すなわち使用者の眼EYにとっての視線方向が、+Z方向となっている。
なお、画像表示装置10及び拡大光学系20は、右眼用と左眼用とについてそれぞれ用意される左右一対構成であるが、左側の構造と右側の構造とが対称性を有することから、ここでは、省略して左右のうち一方(右眼用)のみを示している。例えば図1では、使用者の眼EYよりも−X方向に耳(右耳)があり、+X方向に鼻があることになる。なお、HMD100は、左右一対の一方のみ、すなわち単独でも虚像表示装置として機能する。また、左右一対構成とせず、単眼用に虚像表示装置を構成することも可能である。
画像制御装置50は、各種制御回路等で構成され、画像表示装置10における表示動作に関する動作制御を行う。特に、ここでは、画像制御装置50は、例えば表示素子を含む画像表示装置10における画像の輝度を調整する輝度調整部AM等として機能する。なお、上記各種制御回路等については、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)等の回路をいずれか1つ以上含むものによって構成することができる。
以下、HMD100による画像光の導光をするための各部の構造等についての一例を概念的に説明する。
まず、HMD100のうち、画像表示装置10は、画像形成を行う主要な本体部分である画像光GLを射出するパネル部11と、パネル部11の光射出面11aを覆うカバーガラスである保護ガラスCGとを備える。なお、画像表示装置10は、上記のほか、偏光板12や入射側偏光変換部材13を有し、パネル部11から射出される画像光(映像光)GLの偏光状態を調整する。また、画像表示装置10は、パネル部11として、小型のものを採用しており、図示のように、画像表示装置10は、光軸AXについて垂直な方向に関して、少なくとも拡大光学系20よりも小さい構成となっている。具体的には、例えば、図示の例において、画像表示装置10の画像表示領域のサイズ(あるいはパネルサイズ)は、後述する拡大光学系20を構成する各レンズよりも小さいものとなっている。
表示デバイスであるパネル部11は、例えば有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)等の自発光型の素子(OLED)で構成される表示素子(映像表示素子)とすることができる。パネル部11は、有機ELのほか、例えば、無機EL、LEDアレイ、レーザーアレイ、量子ドット発光型素子等に代表される自発光型の表示素子(映像素子)であるものとしてもよい。パネル部11は、2次元の光射出面11aにカラーの静止画又は動画を形成する。パネル部11は、例えば画像制御装置50を構成する駆動制御回路に駆動されて表示動作を行う。パネル部11として有機ELのディスプレイを用いる場合、有機EL制御部を備える構成とする。パネル部11として量子ドットディスプレーを用いる場合、青色発光ダイオード(LED)の光を量子ドットフィルムに通すことにより、緑や赤の色を出す構成とする。
ここで、高精細化等の観点から、画像表示装置10のパネル部11に用いる表示素子として、例えばマイクロディスプレイ等の小型のものを採用することが望ましい場合が考えられる。高精細化を実現するためには、例えばHTPSやSiバックプレーンを使った液晶パネル、あるいはOLEDパネルを適用する必要があり、これらは、パネルサイズとパネル単価とに比例関係があるからである。つまり、製品コストを下げる等の実用的観点から、より小さなパネルを適用する必要がある。しかしながら、広画角化を図りつつパネルをより小型化しようとする、すなわち、より小さいパネルサイズを適用しようとすると、光学系の焦点距離も小さくする必要がある。つまり、レンズの曲率半径を小さくする必要がある。この場合、広視野角側の光の成分において、レンズ面での全反射条件の制限から、強い曲率の形状にできず、思うようなパネルサイズの縮小化が図れない可能性がある。本実施形態のHMD100では、このような点を考慮して、パネル部11の小型化を実現している。なお、パネル部11におけるパネルサイズの一辺の長さについては、小型化の要請の観点から、2.5インチ以下、さらには、1インチ以下(より望ましくは、12〜13mm程度)とすることが望ましいとされている。本実施形態では、画像表示装置10としてマイクロディスプレイのような小型パネルを用い、これによる画像を拡大光学系20で拡大して広画角な画像形成を可能としている。
画像表示装置10には、上記のほか、偏光板12や入射側偏光変換部材13が設けられている。偏光板12は、保護ガラスCGの光射出面上に貼り付けられている。偏光板12は、透過型偏光板であり、パネル部11からの画像光GLの通過に際して、画像光GLのうち直線偏光の成分を抽出する部材である。入射側偏光変換部材13は、1/4波長板すなわちλ/4板であり、通過する光の偏光状態を変換する。つまり、入射側偏光変換部材13は、偏光板12の光路下流側に位置して、偏光板12を経て直線偏光となった画像光GLを円偏光にする。なお、上述した偏光板12や入射側偏光変換部材13等の取付け態様は、一例であり、目的の偏光状態を維持できる範囲において、適宜変更できる。
次に、HMD100のうち、拡大光学系20は、投射レンズ21と、接合レンズ22と、透過反射選択部材23とを備える。
投射レンズ21は、画像表示装置10の直近後段に設けられた凸レンズ又は凸メニスカスレンズ(図示の例では凸メニスカスレンズとしているが、凸レンズでもよい。)であり、画像表示装置10からの画像光GLを、光路下流側(−Z側)に配置される後の光学部材に向けて射出する。言い換えると、投射レンズ21は、拡大光学系20のうち、画像表示装置10に一番近い位置に配置されて画像光GLの光路を調整する前段側レンズである。投射レンズ21を入れることによって、より解像度性能を向上させることができ、また、画像表示装置10におけるパネルサイズを小さくすることができる。このため、画像表示装置10の作製コストを抑えることも可能となる。また、画像表示装置10から射出される光線のテレセン角を抑えることもできるため、パネル視野角特性によって輝度や色度の変化が生じるのを抑えられる。ここで、図示の一例では、投射レンズ21は、1つのレンズPL(凸メニスカスレンズ)で構成されているが、レンズPLは、凸レンズでもよい。また、投射レンズ21は、複数のレンズで構成されてもよい。
接合レンズ22は、画像表示装置10側すなわち+Z側から順に並ぶ2つのレンズである凹レンズ22aと凸レンズ22bとを接合することで構成されており、凹レンズ22aと凸レンズ22bとの間には、ハーフミラーHMを含んで形成される接合部CNが設けられている。
接合レンズ22のうち、まず、凹レンズ22aは、凸レンズ22bよりも画像表示装置10側(+Z側)に配置され、使用者の眼前側(−Z側)に凹面CEを有し、凹面CEの反対側である画像表示装置10側に画像表示装置10からの画像光GLを入射させる光入射面として、平面である光入射面SIを有する平凹レンズである。凹レンズ22aの屈折率は、凸レンズ22bの屈折率よりも小さくなっている。また、凹面CEは、凸レンズ22bの凸面CVに対応する曲面形状の球面を有するものとなっている。すなわち、凹レンズ22aは、球面平凹レンズである。
次に、凸レンズ22bは、凹レンズ22aよりも使用者の眼前側に配置され、画像光GLを装置外部へ取り出す取出し位置に配置され、眼前側に光射出面として、平面である光射出面SEを有し、光射出面SEの反対側である画像表示装置10側に凸面CVを有する平凸レンズである。凸レンズ22bは、画像を十分に広画角なものとすべく、例えば特定の硝材や、樹脂素材に添加剤を混ぜ込むこと等で、屈折率1.8以上の高屈折レンズとなっている。また、凸面CVは球面となっている。すなわち、凸レンズ22bは、球面平凸レンズである。なお、ここでは、凸レンズ22bは、画像光GLの光路上に配置される光学部材のうち他の光学部材よりも高い屈折率を有する高屈折率部材となっている。
凸レンズ22bと凹レンズ22aとは、凸面CVと凹面CEとで接合され、接合部CNを形成している。接合部CNには、画像光GLの一部を透過させるとともに他の一部を反射させる半反射半透過膜であるハーフミラーHMが設けられている。なお、ハーフミラーHMは、例えば、誘電体多層膜や金属膜等で構成されており、接合部CNに設けられているため、使用者側から見て凹の曲面形状となっている。
また、光射出面SEと光入射面SIとは、ともに、画像表示装置10の光射出面11aに対して平行である。図示の例では、XY面に対して平行となっている。なお、ここでの平行についての許容範囲としては、例えば±2°以内とすることが考えられる。
透過反射選択部材23は、凸レンズ22bの光射出側に設けられており、射出側偏光変換部材23aと、半透過反射型偏光板23bとで構成されており、光の偏光状態に応じて透過または反射を選択的に行う。
透過反射選択部材23のうち、射出側偏光変換部材23aは、1/4波長板すなわちλ/4板であり、通過する光の偏光状態を変換する。図示のように、射出側偏光変換部材23aは、凸レンズ22bの光射出面SEに貼り付けられ、凸レンズ22bと半透過反射型偏光板23bとの間に設けられている。射出側偏光変換部材23aは、半透過反射型偏光板23bとハーフミラーHMとの間を往復する成分の偏光状態を変換する。ここでは、1/4波長板である射出側偏光変換部材23aは、円偏光の状態にある画像光GLを直線偏光に変換したり、あるいは、逆に、直線偏光の状態にある画像光GLを円偏光に変換したりする。
透過反射選択部材23のうち、半透過反射型偏光板23bは、射出側偏光変換部材23aを介して光射出面SEに貼り付けられている。すなわち、半透過反射型偏光板23bは、使用者の眼EYの位置として想定される瞳の位置PEに一番近い側に配置される部材であり、画像光GLを使用者の眼前側へ射出させる。ここでは、半透過反射型偏光板23bは、反射型のワイヤーグリッド偏光板で構成されるものとする。つまり、半透過反射型偏光板23bは、入射する成分の偏光の状態が偏光透過軸の方向であるか否かによって、透過・反射の特性を変える。この場合、半透過反射型偏光板23bの光路上流側に射出側偏光変換部材23aが配置されていることで、射出側偏光変換部材23aを経るたびに光の偏光状態が変化し、半透過反射型偏光板23bは、その変化に応じて入射する成分を透過させたり反射したりする。ここでは、一例として、使用者の眼の並ぶ方向として想定される水平方向(X方向)を偏光透過軸の方向とする。なお、反射型のワイヤーグリッド偏光板で構成される半透過反射型偏光板23bについては、入射する成分の偏光の状態に応じて透過・反射の特性を変えることから、反射型偏光板と呼ぶこともある。
透過反射選択部材23は、上記のような射出側偏光変換部材23a及び半透過反射型偏光板23bで構成されることにより、光の偏光状態を変化させつつこれに応じて光の透過または反射を選択的に行うことを可能としている。
以下、図1を参照して、画像光GLの光路について概略説明する。まず、画像表示装置10において、パネル部11で変調された画像光GLは、透過型偏光板である偏光板12において、直線偏光に変換される。ここでは、偏光板12を通過した後の直線偏光の偏光方向を第1方向とする。画像光GLは、偏光板12で第1方向の直線偏光に変換された後、第1の1/4波長板である入射側偏光変換部材13により円偏光に変換され、導光部LGを経て、拡大光学系20に向けて射出される。
射出された画像光GLは、拡大光学系20のうち最も画像表示装置10側に位置する光入射面SIから凹レンズ22aに入射する。その後、画像光GLは、凹レンズ22aと凸レンズ22bとの界面すなわちハーフミラーHMを設けた接合部CNに達する。画像光GLのうち一部の成分が、ハーフミラーHMを通過し、第2の1/4波長板である射出側偏光変換部材23aにて直線偏光に変換される。ここでの直線偏光の偏光方向は、偏光板12の通過後、1/4波長板を2回通過しているため、第1方向に対して90°異なる方向となっている。ここでは、この方向を第2方向とする。画像光GLは、射出側偏光変換部材23aで第2方向の直線偏光に変換された後、半透過反射型偏光板23b(反射型偏光板)に到達する。
ここで、半透過反射型偏光板23bは、第1方向の直線偏光については透過させ、第2方向の直線偏光については反射するように設定されているものとする。見方を変えると、偏光板12の透過特性や半透過反射型偏光板23bの透過反射選択特性が、そのように構成されている。この場合、第2方向の直線偏光である画像光GLは、半透過反射型偏光板23bにて反射され、再び1/4波長板である射出側偏光変換部材23aにて円偏光となり、ハーフミラーHMに達する。ハーフミラーHMにおいて、画像光GLのうち一部の成分はそのまま透過するが、残りの成分は反射され、反射された画像光GLの成分は、1/4波長板である射出側偏光変換部材23aで今度は第1方向の直線偏光に変換される。第1方向の直線偏光となっている画像光GLの成分は、半透過反射型偏光板23bを通過し、画像光GLは、使用者の眼EYのある場所として想定される瞳の位置PEに達する。
以上のように、本実施形態のHMD100は、拡大光学系20において、ハーフミラーHMを設けた接合部CNや透過反射選択部材23により画像光GLの光路を折り曲げる折り返し光学系を構成する。すなわち、当該折り返し光学系は、画像表示装置10側に凸面CVを有する凸レンズ22bと、凸レンズ22bよりも画像表示装置10側に配置され、凸レンズ22bの凸面CVに接合する凹面CEを有する凹レンズ22aと、凸面CVと凹面CEとの接合部CNに設けられるハーフミラーHMとを有する。当該折り返し光学系の曲面に設けたハーフミラーHMにおける反射を利用すること等により、画像光GLを広画角なものとすることができる。
ここで、上記のように、表示素子であるパネル部11から射出される画像光GLの光路上に配置される光学部材において、経年に伴い黄変する黄変光学部材YOが使用される場合がある。図示の一例では、ハッチングで示す接合レンズ22及び透過反射選択部材23の一部又は全体が、黄変光学部材YOで構成されているものとする。
HMD100において、光路上に配置される光学部材に黄変光学部材YOが使用されると、年月の経過に従って、赤色光、緑色光及び青色光を含む画像光GLのうち、特に青色光の透過度が落ちることになり、仮に、パネル部11での発光バランスをそのまま維持しても、経年とともに視認される画像についてのホワイトバランスが崩れていくことになる。これに対して、ホワイトバランスを調整すべく、例えば、自発光型のパネル部11において、発光素子ごとに発光強度を調整してもよいが、この場合、例えば発光強度を高めるために注入電流量の増加させることによって、当該発光素子の寿命が低下してしまうおそれがある。一方、経年に伴う黄変光学部材YOの黄変度合は、使用する材料や黄変光学部材YOの設置環境等によってある程度の予測(推定)ができる。以上を鑑み、本実施形態では、黄変度合推定部YEとしての画像制御装置50において、経年に伴う黄変光学部材YOの黄変度合を予測し、さらに、輝度調整部AMとしての画像制御装置50において、黄変光学部材YOの黄変予測に応じた画像の輝度調整を行う一方、パネル部11において、波長帯域に応じて異なる開口率で画像を表示する態様としている。これにより、画像の輝度調整を行って経年に応じてホワイトバランスを取りつつ、表示素子における発光寿命の低下を抑制している。
まず、図2のブロック図を参照して、黄変度合推定部YEや輝度調整部AMとしての画像制御装置50の一構成例について説明する。
図示のように、本実施形態における画像制御装置50は、主制御部51と、記憶部52と、タイマー53と、インターフェース60とを備える。
主制御部51は、CPUに代表される各種制御回路等で構成され、画像表示装置10における画像の表示動作に関する種々の制御を行う。特に、本実施形態では、主制御部51は、輝度調整部AMとして機能すべく、画像光を色光ごとに応じて、すなわち波長帯域ごとに応じて輝度調整をする輝度制御部51aを備える。輝度制御部51aは、画像光GL全体における色光ごとの輝度を調整すべく、例えば自発光型のパネル部11において、各色の発光素子ごとにおける注入電流量を制御して、発光強度を調整する。
記憶部52は、各種ストレージデバイス等により構成されており、種々のコンピュータープログラムや各種データが格納されている。特に、本実施形態では、記憶部52には、画像制御装置50を黄変度合推定部YEとして機能させるべく、予測テーブルデータ52aが格納されている。予測テーブルデータ52aには、黄変光学部材YOの材料の性質や設置環境等に応じた経年に伴う黄変度の変化(黄変度合)に関するデータ(ルックアップテーブル)が格納されている。
タイマー53は、種々の態様とすることが可能であるが、ここでは、例えば製品出荷時から半年ごとに輝度調整を行うための計時が可能となっている。また、必要な各種処理を行うために、半年より短い周期で計時をするものとしてもよい。また、計時の開始について、製品出荷時に代えて、製品の初起動時からとしてもよい。
インターフェース60は、パネル部11に接続され、主制御部51において生成される輝度調整を含む各種画像表示動作のための各種指令信号を、パネル部11に対して出力する。すなわち、パネル部11から視認上において発光バランスの取れた画像を提供すべく制御された各種画像信号が送信される。
次に、図3を参照して、パネル部11における波長帯域に応じた開口率について、一例を説明する。図3は、開口率の一例を示すべく、パネル部11の光射出面11aにおいてマトリクス状に配置された複数の画素PXを構成する画素開口部の概念図である。図示のように、ここでは、1つの画素PXは、赤色光Rを射出するサブ画素PXrと、緑色光Gを射出するサブ画素PXgと、青色光Bを射出するサブ画素PXbとで構成されており、その開口率が各色間で異なっている。具体的には、図示の例では、サブ画素PXbの比率が、サブ画素PXr及びサブ画素PXgよりも大きくなっている。この場合、製品出荷時点においては、サブ画素PXbの輝度すなわち青色光Bの輝度を、相対的に他の色光R,Gよりも下げておくことで、経年後において青色光Bの輝度を上げても青色の発光寿命を維持することが可能になる。言い換えると、本実施形態では、上記のような開口率の差に応じて、赤色光R、緑色光G及び青色光Bの間で輝度を調整している。これにより、各色光(特に青色光B)について、経年に伴う輝度調整において、各発光素子の寿命を維持させつつ全体としての色のバランスを維持可能にしている。なお、各色光R,G,Bの波長帯域については、例えば、赤色光Rの波長帯域は、580nmから700nm、緑色光Gの波長帯域は、495nmから580nm、青色光Bの波長帯域は、400nmから500nm、とすることが考えられる。
以下、図2に戻って、本実施形態における経年に伴う輝度調整の方法について一例を説明する。まず、主制御部51は、タイマー53の計測に基づき、経年に伴う輝度調整を行うべきタイミングにあるかを確認する。主制御部51は、当該輝度調整を行う時期にあると判断すると、黄変度合推定部YEとして、記憶部52の予測テーブルデータ52aに格納された黄変光学部材YOの材料の性質に基づき予測した黄変光学部材YOの黄変度合に関するデータを読み出す。すなわち、主制御部51は、黄変度合推定部YEとして、予測により経年に伴う黄変光学部材YOの黄変度合を推定する。次に、主制御部51は、輝度制御部51aとして、黄変光学部材YOの黄変に応じて、黄変度合推定部YEのデータに基づくパネル部11における画像の輝度を調整する。以上のように、画像制御装置50を構成する各部が、黄変度合推定部YEや輝度調整部AMとして機能することで、黄変光学部材YOの黄変度合に応じた輝度調整がなされる。
以下、図4に示す各種グラフ等を参照して、上記のような光学部材の黄変に伴う輝度調整に関して、より具体的なデータの一例に基づいて説明をする。
まず、図4のうち上欄に示すデータα1は、黄変光学部材YOに用いるプラスチック材料における全光線透過率の典型的一例を示すグラフである。図示において、横軸が波長λ(単位:nm)、縦軸が全光線透過率を示している。5つの曲線C1〜C5のうち、曲線C1は、製品出荷時における全光線透過率を示しており、曲線C2は、製品出荷後半年経過時における全光線透過率を示しており、曲線C3は、製品出荷後1年経過時における全光線透過率を示しており、曲線C4は、製品出荷後1年半経過時における全光線透過率を示しており、曲線C5は、製品出荷後2年経過時における全光線透過率を示している。図示のように、経年とともに短波長側の帯域すなわち青色光波長帯域における透過率が低下していることが分かる。ここでは、HMD100について通常の使用を想定した場合、黄変光学部材YOを採用した光学部品は、上記データα1に従って、黄変するものとして取り扱う。
次に、図4のうち中欄に示すデータα2は、眼の等色関数として一般的に知られているものの一例である。すなわち、データα2において、横軸が波長λ(単位:nm)、縦軸が等色関数の値を示しており、眼の等色関数は、3つの曲線x(λ),y(λ),z(λ)で表現される。
最後に、図4のうち下欄に示すデータα3は、ここでの一例として用いる発光部における白表示のスペクトル分布を示している。なお、ここでの発光部は、各色について均等に発光するものとし、例えば同一の開口率(開口面積の全体を1としたとき赤、緑、青で1/3ずつ)であるものとする。また、図示において、横軸が波長λ(単位:nm)、縦軸が分光分布を示しており、曲線Q1は、発光部で発光される白表示のスペクトル分布である。なお、ここでは、波長帯域について全体的に高い値で一様に分布するブロードな光を発光するものを例示している。
以上の前提において、データα1に示す黄変光学部材YOの全光線透過率の特性をR(λ)とし、データα2に示す眼の等色関数を、既述のように、x(λ),y(λ),z(λ)とし、データα3に示す白表示のスペクトル分布をP(λ)とすると、映像表示における黄変光学部材YOの影響度合いを示す三刺激値XYZは、
Figure 2021086005
から計算できる。
また、上記三刺激値からxy色度座標は、下記式に基づいて計算できる。
Figure 2021086005
以上において、例えば、データα3に示す発光部での白表示が、100cd/mとすると、上記計算をすることで、製品出荷時から2年経過後の映像光の三刺激値XYZとxy色度座標は、表1に示すようになる。
Figure 2021086005
この場合における各色の輝度は、下記式に基づき計算される。
Figure 2021086005
ここで、上記のうち、Lは、発光部における赤色光の輝度を示し、x,yは、発光部における赤色光Rのxy色度を示す。同様に、L及びx,yは、発光部における緑色光Gの輝度及びxy色度をそれぞれ示し、L及びx,yは、発光部における青色光Bの輝度及びxy色度をそれぞれ示す。ここで、赤色光R、緑色光G及び青色光Bのxy色度の一例を、それぞれ表2のように設定すると、経年に伴う各色の輝度変化が、表3のようなものとなる。
Figure 2021086005
Figure 2021086005
すなわち、年月の経過に伴い、青色光Bの輝度が他の色光R,Gの輝度に比べて、低下していることが分かる。すなわち、この場合、黄変光学部材YOの黄変に伴って、表示画面も黄変してしまうことになる。
これに対して、本実施形態では、既述のように、青色光Bの輝度を経年に伴って引き上げることで、映像のホワイトバランスを補正している。具体的には、上記のような特性を示す一例の場合、下記表4のように、青色光Bの輝度を新たに規定して、製品出荷時から2年経過までに輝度を段階的に約1.3倍まで引き上げていくとで、青色光Bの輝度が維持され、延いては画像全体のホワイトバランスの維持を図ることができることが分かる。
Figure 2021086005
また、上記のように、2年後に青色光Bの輝度を約1.3倍にすることすなわち青色光Bを発光するサブ画素PXb(図3参照)への注入電流量の増加を見越して、青色光Bの開口率Sを、例えば
Figure 2021086005
としておく。すなわち、青色光Bの開口率Sを、他の赤色光R及び緑色光Gの開口率と均等に1/3(0.33程度)ずつとしないで、バイアスをかけ、0.43程度としておく。なお、この場合、赤色光及び緑色光の開口率は、例えばそれぞれ0.29程度ずつとする。これにより、製品出荷時すなわち初期状態においては、青色光Bの輝度が相対的に低くても映像のホワイトバランスをとり、経年に伴って青色光Bの輝度を上げていくことで、黄変光学部材YOの黄変を踏まえた映像のホワイトバランスの維持を図ることができる。なお、見方を変えると、相対的に開口率が小さい赤色光R及び緑色光Gについては、輝度を青色光Bの輝度に対して相対的に高くしておくことになる。つまり、上記の場合、表示素子であるパネル部11において、青色光Bの開口率が、赤色光R及び緑色光Gの開口率よりも大きく、輝度調整部AMが、初期状態において赤色光R及び緑色光Gの輝度を青色光Bの輝度よりも上げておき、経年に伴う黄変光学部材YOの黄変に応じて、青色光Bの輝度を上げる態様となっている。これにより、開口率の差を利用して、必要な輝度調整の範囲が、例えば青色光Bの光源における最適な発光効率の範囲内で確保されるようにしている。
以上のように、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(HMD)100では、赤色光R、緑色光G及び青色光Bを含む画像光GLについて、波長帯域に応じて異なる開口率で画像を表示する表示素子であるパネル部11を有する画像表示装置10と、パネル部11から射出される画像光GLの光路上に配置され、経年に伴い黄変する黄変光学部材YOと、予測により経年に伴う黄変光学部材YOの黄変度合を推定する黄変度合推定部YEである主制御部51及び予測テーブルデータ52aと、黄変光学部材YOの黄変に応じて、黄変度合推定部YEのデータに基づくパネル部11における画像の輝度を調整する輝度調整部AMである輝度制御部51aとを備える。
上記HMD100では、パネル部11において、赤色光R、緑色光G及び青色光Bについて、波長帯域に応じて異なる開口率を有し、かつ、画像制御装置50の輝度制御部51aにおいて、データに基づく黄変光学部材YOの黄変に応じて、画像の輝度を調整している。これにより、発光側すなわちパネル部11側での波長帯域ごとに異なる寿命特性と、黄変光学部材YOにおける黄変の特性とに対応させつつ画像についてのホワイトバランス調整が可能になる。
以下、図5のグラフを参照して、一変形例について説明する。図5は、図4のうち、データα3に対応する。すなわち、図示において、横軸が波長(単位:nm)、縦軸が分光分布を示しており、曲線Q2は、発光部で発光される白表示のスペクトル分布である。図4の一例では、波長帯域について全体的に高い値で一様に分布するブロードな光を発光するものであったのに対して、ここでの一例では、発光部における白表示のスペクトル分布が、ピーキーになっている点が異なっている。なお、図4において示したデータα1、α2については、同じであるものとする。
下記表5〜表7は、上記態様における三刺激値XYZやxy色度座標等について示すものであり、上述した表1、表3及び表4にそれぞれ対応する。なお、各色のxy色度の一例については、表2の場合と同じものとする。
Figure 2021086005
Figure 2021086005
Figure 2021086005
この場合、表7の結果から、青色光Bの輝度を新たに規定して、製品出荷時から2年経過までに輝度を段階的に約1.5倍まで引き上げていくとで、青色光Bの輝度が維持され、延いては画像全体のホワイトバランスの維持を図ることができることが分かる。したがって、この場合、青色光Bの開口率Sを、例えば
Figure 2021086005
とし、赤色光及び緑色光の開口率は、例えばそれぞれ0.25程度ずつとしておく。
ここで、黄色度YIについては、下記式が一般的に知られている。
Figure 2021086005
例えば、製品出荷時すなわち初期状態における黄色度YIと、経年(例えば2年後)における黄色度YIとについては、表7における各値を上記式に代入して計算することで得られる。これに対して、黄色度YIと黄色度YIとの差すなわち初期状態から経年(例えば2年後)に伴って黄変した黄変光学部材YOの黄変度ΔYIは、
Figure 2021086005
と表される。つまり、黄変度ΔYIは、黄色度YI及び黄色度YIの値から計算できる。以上において、製品出荷時すなわち初期状態における青色光Bの輝度をLBとしたときに、経年に伴って黄変した現状の黄変度である上記黄変度ΔYIに対して、経年(例えば2年後)に伴って黄変した現状の青色光Bの輝度LBが、以下の式
Figure 2021086005
を満たすことで、ホワイトバランスの維持が図れると考えられる。
また、上記した発光側での白表示のスペクトル分布の特性が異なる2つの例等を踏まえて、例えば、開口面積の全体に対する青色光Bの開口率Sが、以下の式
Figure 2021086005
を満たすことで、製品出荷時からの経年(例えば2年後)に伴う黄変に応じた青色光Bの輝度調整において、青色光Bの輝度寿命を維持させつつ、他の色光R,Gの輝度維持等を加味して、輝度調整を行うことができる。
以下、図6を参照して、画素開口部の一変形例について説明する。図6は、図3に対応する図すなわち光射出面11aを構成する1つの画素PXについての概念図であり、サブ画素PXrとサブ画素PXgとが1つずつあるのに対して、サブ画素PXbが2つのサブ画素PXb1,PXb2で構成されている点において、図3の一例と異なっている。言い換えると、最も面積が大きくなるサブ画素PXbを2分割している。これにより、スクリーンドアエフェクトを低減することができる。
以下、図7を参照して、さらに別の一変形例に係るHMD100について説明する。図7は、HMD100の別の一変形例を概念的に説明するための側方断面図であり、図1に対応する。本変形例では、ハッチングで示すように、接合レンズ22を構成する凸レンズ22bのみが、黄変光学部材YOで構成されている点において、図1の場合と異なっている。
既述のように、上記構成の場合、凸レンズ22bは、例えば屈折率1.8以上の高屈折率部材とする可能性がある。この場合、凸レンズ22bを、ある程度以上の光透過性等を満たすような無色透明の樹脂材料あるいは硝材を準備することは、不可能であるか、あるいはコスト等の関係から非常に困難となることが考えられ、黄変性の高い材料を用いる場合が考えられる。このような場合に、本願を適用することで、黄変に伴う問題を解決できる。
以下、HMD100における広画角化と視認性について考察する。一般に、HMD等の虚像表示装置においては、人間の頭部に取り付けることを想定して小型化を維持しつつも、広画角化が進んでいる。このため、光学系は、非常に焦点距離の短いものとなる。例えば、本実施形態で図1や図7に例示した上記HMD100におけるFOV(field of view)すなわち視野(画角)についても、例えば半画角θを40°〜50°程度すなわち全画角を80°〜100°程度とすることが想定される。これを満たすべく、各寸法について、例えば、拡大光学系20の全長の長さを14mm程度、アイレリーフの長さを10mm程度、アイリングの径を6mm程度とする構成にすることが考えられる。また、レンズ面の曲率半径すなわち凸レンズ22bの凸面CV及び凹レンズ22aの凹面CEの曲率半径は、44mm程度となる。例えば、視認性については、人間の眼の色判別範囲が±20°程度であり、眼球の回動範囲が±20°程度であることから、特に、全画角FOV±40°の範囲すなわち図中に例示する半画角についてホワイトバランスを維持することで、良好な画像形成を図ることができる。
〔第2実施形態〕
以下、図8等を参照して、第2実施形態に係るHMDについて一例を説明する。
本実施形態に係るHMDは、第1実施形態で例示したHMDの変形例であり、黄変度合推定部YEにおける黄変度合の推定に際して、予め格納されているデータに基づく予測のみならず、現状の黄変度合の変化について検知を行い、検知結果を反映させている点において、第1実施形態の場合と異なっている。ただし、上記の点を除いた他の構成については、第1実施形態の場合と同様であるので、HMDの全体に関する説明は省略する。
図8は、本実施形態に係るHMD200について概念的に説明するための側方断面図であり、図1等に対応する図である。図示のように、HMD200は、画像表示装置10と、拡大光学系20と、画像制御装置250とを備える。なお、ここでの一例では、図7の場合と同様に、拡大光学系20を構成する凸レンズ22bのみが、黄変光学部材YOで構成されている場合を一例として説明する。すなわち、この例では、凸レンズ22bが、黄変度合の変化についての予測の対象であるとともに、現状の黄変度合の変化を検知する対象(検査対象)ともなっている。
HMD200には、黄変光学部材YOの現状における黄変度合を検査する検査装置DEを構成するものとして、センサーSSが設けられている。また、図9は、HMD200のうち、検査装置DEを構成するセンサーSSを含めた画像制御装置250の一構成例について示すブロック図であり、図2等に対応する図である。
センサーSSは、青色レーザー光を発生するレーザー光源LSと、フォトダイオード等を有することでレーザー光源LSから受けた光の量を計測する受光部REとで構成されている。つまり、センサーSSは、黄変光学部材YOを通過させた青色レーザー光を検知する。なお、センサーSSは、画像制御装置250の制御に従って、必要に応じて所定のタイミングで黄変度合を検査するための測定を行う。
図8に示した一例のHMD200では、センサーSSによる黄変度合の変化検知(検査)を行うための前提として、まず、拡大光学系20のうち、ハーフミラーHMを含んで形成される接合部CNにおいて、ハーフミラーHMが形成されないハーフミラー未塗布領域UPが設けられている。なお、ハーフミラー未塗布領域UPは、画像光GLが通過しない領域つまり光軸AXから離れた周辺側の領域であり、画像表示には影響しない。例えば、半画角θを40°〜50°程度となる範囲外において、ハーフミラー未塗布領域UPを設けることができる。
この上で、黄変光学部材YOである凸レンズ22bを通過し、かつ、ハーフミラーHMの影響を受けない位置に、センサーSSを構成するレーザー光源LSと受光部REとを配置している。より具体的には、図示の例では、接合レンズ22を光路に沿って挟むような位置にレーザー光源LSと受光部REとを配置し、レーザー光源LSから射出される青色レーザー光が、凸レンズ22bを通過し、さらに、ハーフミラー未塗布領域UP及び凹レンズ22a(黄変しない光学部品)を経て受光部REにおいて検知され、検知結果が画像制御装置250に出力される。これにより、画像制御装置250は、センサーSSにおける検知に基づいて、黄変光学部材YOの黄変度合を推定する。
以下、図9を参照して、画像制御装置250の一構成例についてより詳細に説明する。
まず、図示のように、画像制御装置250は、主制御部251と、記憶部52と、タイマー53と、インターフェース60とに加え、センサーSSを備える。また、このうち、主制御部251は、輝度制御部51aに加え、輝度検査部51bと、テーブルデータ修正部51cとを備えている。この点において、図2に例示した場合と異なっている。なお、上記のうち、センサーSSと輝度検査部51bとが協働することで、検査装置DEとして機能する。
輝度検査部51bは、検査装置DEとして機能すべく、センサーSSの受光部REにおいて検知された光の受光結果を受け付け、これに基づく輝度検査を行う。例えば、輝度検査部51bは、当該受光結果を都度記録しておき、直近の受光結果をそれ以前の受光結果と比較して、その差異から黄変度合の進み具合を計算し、計算結果に基づいて、黄変光学部材YOの黄変度合すなわち黄変度の変化を推定する。すなわち、輝度検査部51bやセンサーSSを含む検査装置DEは、黄変度合推定部YEの一部として機能する。
主制御部251において、輝度制御部51aは、予測テーブルデータ52aに格納された黄変光学部材YOの黄変度合に関するデータに基づく推定と、輝度検査部51bにおける検査結果に基づく推定とを比較し、比較結果に基づき黄変光学部材YOの黄変度合を推定する。
テーブルデータ修正部51cは、主制御部251における上記推定についての比較結果から、予測テーブルデータ52aについて修正が必要と判断された場合に、修正データを作成するとともに、記憶部52に格納する予測テーブルデータ52aの書換えを行う。
以上のようなセンサーSSを利用した黄変光学部材YOの黄変に伴う輝度調整は、既述のように、少なくとも半年ごとに行う態様となっており、例えば半年経過後最初のHMD200の起動時に行う、といった態様とすることが考えられるが、例えば、1日ごと、1か月ごと、あるいは4半期ごと等のように、もっと短い間隔で検査を行って輝度調整をし、予測とのずれの有無をチェックするようにしてもよい。また、上記態様の場合、センサーSSを画像表示には影響しない箇所に配置しているので、HMD200による画像表示動作中(本動作中)であっても、本動作と並行して検査の動作を行うことも可能である。したがって、例えば本動作中に検査タイミングとなった場合に、並行して輝度調整を行う態様とすることも可能である。
以下、図10のフローチャートを参照して、本実施形態に係るHMD200の動作について一例を説明する。なお、ここでは、各種動作のうち、センサーSSを利用した黄変光学部材YOの黄変に伴う輝度調整の一動作例として、HMD200の起動時に本動作に先立って青色光の輝度調整を行う場合について説明する。
HMD200の各部が起動すると、主制御部251は、本動作に先立って、センサーSSによる輝度量の測定を行う。すなわち、主制御部251の輝度検査部51bは、レーザー光源LSから青色レーザー光を射出させ、受光部REにおいて検知された受光量を計測し、これに基づく輝度検査を行う(ステップS201)。以上により、黄変光学部材YO(凸レンズ22b)の現時点での黄変度合が検査される。
次に、主制御部251は、ステップS201での検査結果(測定結果)と予測テーブルデータとの間でのデータ比較を行う(ステップS202)。すなわち、予測テーブルデータが実測した状態と整合しているか否かを確認する。
ステップS202での比較の結果、規定以上の差が無ければ(ステップS203:No)、黄変光学部材YOの黄変は、予測通りに進んでいるものと判断し、特にその後の処理を行うことなく終了する。
一方、ステップS202での比較の結果、規定以上の差があった場合(ステップS203:Yes)、すなわち黄変光学部材YOの黄変が製品出荷時からの予測とは異なる進度となっており予測テーブルデータ52aについて修正が必要であると判断された場合、テーブルデータ修正部51cにおいて、予測テーブルデータ52aを書き換えるべく、まず、青色光Bの輝度についての補正量の計算(修正データの作成)がなされる(ステップS204)。その後、テーブルデータ修正部51cは、計算結果に基づいて、記憶部52に格納する予測テーブルデータ52aの書換えを行い(ステップS205)、一連の処理を終了する。以上により、青輝度についての輝度調整がなされる。
また、上記の一例では、センサーSSについて、レーザー光源LS及び受光部REを光軸AXに対して平行に又はこれにほぼ沿って配置しているが、センサーSSの配置については、種々の態様が考えられ、図11に示す一変形例のように、光軸と非平行な配置とすることも考えられる。この場合、検査用の光線として指向性の高いレーザー光線を使用していることで、検査用の光線が、本動作による画像表示に影響をほぼ与えないようにできる。なお、レーザー光源LSや受光部REの組付けについては、図12に例示するように、例えば、黄変光学部材YOの一部にはめ込み用の窪みCAを設けて、所定の位置に取付固定することが考えられる。さらに、上記の例では、センサーSSについて、1つのレーザー光源LSと1つの受光部REとで構成されるものとしているが、例えば図13に概念的に示すように、複数のレーザー光源LSと受光部REとの組(図示の例では3組)で黄変光学部材YOを囲んでセンサーSSを構成してもよい。
本実施形態においても、発光側での波長帯域ごとに異なる寿命特性と、黄変光学部材YOにおける黄変の特性とに対応させつつ画像についてのホワイトバランス調整が可能になる。特に、本実施形態では、HMD200において、検査装置DEにより現状についての測定や検査を行うことで、予測とのずれの有無を確認して、必要に応じて黄変の予測を修正できる。
〔第3実施形態〕
以下、図14等を参照して、第3実施形態に係るHMDについて一例を説明する。
本実施形態に係るHMDは、第2実施形態で例示したHMD等の変形例であり、黄変光学部材の黄変度合に関する推定態様を除いて、第2実施形態等の場合と同様であるので、HMDの全体に関する説明は省略し、必要に応じて対応する他の図等を援用する。
図14は、本実施形態に係るHMD300について概念的に説明するための側方断面図であり、図2や図9に対応するブロック図である。
図示のように、本実施形態のHMD300は、画像表示装置10と、図示を省略する拡大光学系(黄変光学部材YOを含む)と、画像制御装置350とを備える。
画像制御装置350は、主制御部351と、記憶部352と、タイマー53と、インターフェース60と、センサーSSとを備える。このうち、主制御部351は、輝度制御部51aに加え、輝度検査部51bと、テーブルデータ作成部51dとを備えている。また、記憶部352は、輝度設定テーブルデータ52bを備える。
これらのうち、テーブルデータ作成部51dは、輝度検査部51bでの検査結果に基づく黄変光学部材YOの黄変度合すなわち黄変度の変化についての推定を行って輝度調整に関するテーブルデータを作成する。
また、記憶部352において、輝度設定テーブルデータ52bは、主制御部351において作成されたデータ(ルックアップテーブル)である。つまり、本実施形態では、記憶部352において、予測テーブルデータを予め持つことなく、これに代えて、都度作成された輝度設定テーブルデータ52bを利用している点において、図9等に例示した場合と異なっている。ただし、製品出荷時すなわち初期状態においては、最初の設定データ(黄変光学部材YOの黄変度をゼロとして輝度調整したデータ)が輝度設定テーブルデータ52bに格納されている場合もあるものとする。
本実施形態では、例えば毎回のHMD300の起動ごとに、都度、センサーSSによる測定(検査装置DEによる検査)が行われる。
以下、図15のフローチャートを参照して、本実施形態に係るHMD300の動作について一例を説明する。なお、ここでは、各種動作のうち、センサーSSを利用した黄変光学部材YOの黄変に伴う輝度調整の一動作例として、HMD200の起動時に本動作に先立って青色光の輝度調整を行う場合について説明する。
HMD300の各部が起動すると、図10に示した一例と同様に、まず、主制御部351の輝度検査部51bは、センサーSSでの測定に基づく輝度検査を行う(ステップS301)。
次に、主制御部351は、ステップS301での検査結果(測定結果)と製品出荷時すなわち初期状態における輝度量との比較を行い(ステップS302)、黄変光学部材YOの現時点での黄変度合が推定される。すなわち、ステップS302での比較の結果、製品出荷時から規定以上の差が無ければ(ステップS303:No)、黄変光学部材YOの黄変は生じていないものと判断し、特にその後の処理を行うことなく終了する。
一方、ステップS302での比較の結果、製品出荷時から規定以上の差があった場合(ステップS303:Yes)、すなわち黄変光学部材YOの黄変がある程度以上進んでいると判断された場合、輝度設定テーブルデータ52bを書き換えるべく、テーブルデータ作成部51dにおいて、まず、青色光Bの輝度についての補正量の計算(設定テーブルデータの作成)がなされる(ステップS304)。その後、テーブルデータ作成部51dは、ステップS304で作成された設定テーブルデータを、輝度設定テーブルデータ52bとして記憶部52に格納する、つまり、輝度設定テーブルデータ52bの書換えを行い(ステップS305)、一連の処理を終了する。以上により、青輝度についての輝度調整がなされる。
本実施形態においても、発光側での波長帯域ごとに異なる寿命特性と、黄変光学部材YOにおける黄変の特性とに対応させつつ画像についてのホワイトバランス調整が可能になる。特に、本実施形態では、HMD300において、検査装置DEにより都度現状についての測定や検査を行うことで、黄変に応じた輝度調整ができる。
〔第4実施形態〕
以下、図16等を参照して、第4実施形態に係るHMDについて一例を説明する。
上記例示した第1〜第3実施形態では、VR(仮想現実)の画像表示を視認させるいわゆるクローズタイプの構成について説明したが、これに限らず、例えば図15に外観を概念的に示す一例のように、いわゆるシースルータイプすなわち使用者に外界像をシースルーで視認又は観察させることができる態様も考えられる。
第4実施形態に係るHMD500として、図示の一例では、HMD500は、装着型表示装置400と、ケーブル109を介して装着型表示装置400に接続される情報処理装置EDとを備える。
装着型表示装置400は、眼鏡のような外観を有し、画像形成を行うための光学的な本体部分である。HMD500は、装着型表示装置400を使用する使用者(観察者)USに対して、虚像を視認させることができるだけでなく、外界像をシースルーで観察させることができる光学装置である。
情報処理装置EDは、装着型表示装置400に映し出すべき画像についての各種処理を行って、装着型表示装置400に対して映像信号等を出力する装置であり、例えばスマホ(スマートフォン)等に必要なアプリをダウンロードすること等によって構成可能である。
装着型表示装置400は、第1表示装置100Aと、第2表示装置100Bとを備える。第1表示装置100Aと第2表示装置100Bとは、左眼用の虚像と右眼用の虚像とをそれぞれ形成する部分である。左眼用の第1表示装置100Aは、使用者(観察者)USの眼前を透視可能に覆う第1虚像形成光学部101aと、画像光を形成する第1像形成本体部105aとを備える。右眼用の第2表示装置100Bは、使用者USの眼前を透視可能に覆う第2虚像形成光学部101bと、画像光を形成する第2像形成本体部105bとを備える。すなわち、第1表示装置100A及び第2表示装置100Bにより、左右の眼に対応した画像の表示がなされる。
第1及び第2像形成本体部105a,105bの後部には、頭部の側面から後方に延びるつる部分であるテンプル104が取り付けられており、使用者の耳やこめかみ等に当接することで装着型表示装置400の装着状態を確保する。また、第1像形成本体部105aは、カバー状の外装ケース105d内に、表示素子80、投射レンズ30を構成する鏡筒38等を有し、同様に、第2像形成本体部105bは、外装ケース105d内に、表示素子80、鏡筒38等を有する。
以上のような構成により、使用者(観察者)USは、表示素子80から第1虚像形成光学部101a等を伝搬した画像と、第1虚像形成光学部101a等を透過した外界像とを重畳的に視認する。
なお、以上において、HMD500のうち、装着型表示装置400の部分のみをもってHMDであるものと捉えることもできる。
以上のような態様において、表示素子80から射出される画像光の光路上に配置される第1及び第2虚像形成光学部101a,101b等が、経年に伴い黄変する黄変光学部材YOで構成される場合がある。本実施形態では、例えば図17に例示するように、第1虚像形成光学部101a等が黄変光学部材YOであるものとする。この場合にも、図示のように、例えばセンサーSSを構成するレーザー光源LS及び受光部REを、画像光の通過領域外に設けることで、画像光の形成を妨げることなく、黄変光学部材YOの黄変度合を検査できる。なお、検査の手法については、第2及び第3実施形態において例示した種々の方法を採用できる。例えば、シースルータイプの場合、外光による黄変の影響も大きくなる場合があると考えられ、予測通りに黄変が進むとは限らない可能性もある。これに対応すべく、例えば、第3実施形態に例示したように、HMD500の起動の都度、検査を行う態様とすることが考えられる。
本実施形態においても、発光側での波長帯域ごとに異なる寿命特性と、黄変光学部材YOにおける黄変の特性とに対応させつつ画像についてのホワイトバランス調整が可能になる。特に、本実施形態では、シースルータイプのHMD500において、黄変光学部材YOの黄変に応じた輝度調整ができる。
〔変形例及びその他の事項〕
以上で説明した構造は例示であり、同様の機能を達成できる範囲で、種々変更することができる。例えば、上記において、さらに、発光素子自身の劣化を加味して、各色光の輝度調整を行う態様とすることもできる。つまり、発光素子自身も経年や使用頻度に応じて同じ電流値で駆動させても初期状態よりも輝度が落ちるといったことが考えられ、このような特性は、使用する発光素子の材質等に応じてある程度予測可能である。例えばこの点まで加味して、予測テーブルデータの作成や各種演算を行うことで、発光素子自身まで含めた輝度調整が可能になる。
また、本願発明の技術を、ディスプレイと撮像装置とで構成されるいわゆるビデオシースルーの製品に対応させてもよい。
また、上記では、画像表示装置10としては、例えば有機EL等の自発光型の素子(OLED)で構成されるものとしているが、この場合において、例えば円偏光の画像光を射出するものを採用し、偏光板や1/4波長板を省略するものとしてもよい。この場合、不要となる光学部材は設けなくてよい。
また、各レンズのレンズ面に適宜ARコートを設けることで、ゴースト光の発生等をさらに抑制するものとしてもよい。
また、本願発明の技術を、双眼鏡型のハンドヘルドディスプレイ等に適用することもできる。
また、上記において、画像光の一部を透過させるとともに他の一部を反射させる半反射半透過膜で構成されるハーフミラーHMを設けた箇所については、これに代えて例えば体積ホログラム等の回折素子といった光学機能面を設けることで、ハーフミラーHMによる作用と同等の役割を果たすようにすることも考えられる。
以上のように、本発明の一態様のヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、赤色光、緑色光及び青色光を含む画像光について、波長帯域に応じて異なる開口率で画像を表示する表示素子と、表示素子から射出される画像光の光路上に配置され、経年に伴い黄変する黄変光学部材と、予測又は検知により経年に伴う黄変光学部材の黄変度合を推定する黄変度合推定部と、黄変光学部材の黄変に応じて、黄変度合推定部のデータに基づく表示素子における画像の輝度を調整する輝度調整部とを備える。
上記HMDでは、表示素子において、赤色光、緑色光及び青色光について、波長帯域に応じて異なる開口率を有し、かつ、輝度調整部において、データに基づく黄変光学部材の黄変に応じて、画像の輝度を調整している。これにより、発光側での波長帯域ごとに異なる寿命特性と、黄変光学部材における黄変の特性とに対応させつつ画像についてのホワイトバランス調整が可能になる。
本発明の具体的な側面では、初期状態における青色光の輝度をLBとし、経年に伴って黄変した現状の黄変光学部材の黄変度をΔYIとしたときに、現状の青色光の輝度LBが、以下の式
Figure 2021086005
を満たす。この場合、黄変度ΔYIを抑えつつ、さらに、黄変度ΔYIに対して青色光の輝度の変化度合が抑制された範囲となり、良好なホワイトバランスが維持できる。
本発明の別の側面では、開口面積の全体に対する青色光の開口率Sが、以下の式
Figure 2021086005
を満たす。この場合、製品出荷時からの経年に伴う黄変に応じた青色光の輝度調整において、青色光の輝度寿命を維持させつつ、他の色光の輝度維持等を加味して、輝度調整を行うことができる。
本発明のさらに別の側面では、輝度調整部は、開口率の差に応じて、赤色光、緑色光及び青色光の間で輝度を調整している。この場合、各色光について、経年に伴う輝度調整において、各発光素子の寿命を維持させつつ全体としての色のバランスを維持可能になる。
本発明のさらに別の側面では、表示素子において、青色光の開口率は、赤色光及び緑色光の開口率よりも大きく、輝度調整部は、初期状態において赤色光及び緑色光の輝度を青色光の輝度よりも上げておき、経年に伴う黄変光学部材の黄変に応じて、青色光の輝度を上げる。この場合、開口率の差を利用して、輝度調整の範囲を確保できる。
本発明のさらに別の側面では、黄変度合推定部は、経年に伴う黄変光学部材の黄変度合を黄変光学部材の材料の性質に基づき予測した予測テーブルデータを含む。この場合、予測テーブルデータに基づく黄変度合の推定が可能になる。
本発明のさらに別の側面では、黄変度合推定部は、黄変光学部材の現状における黄変度合を検査する検査装置を含む。この場合、検査装置による検査結果に基づく黄変度合の推定が可能になる。
本発明のさらに別の側面では、黄変度合推定部は、経年に伴う黄変光学部材の黄変度合を黄変光学部材の材料の性質に基づき予測した予測テーブルデータと、黄変光学部材の現状における黄変度合を検査する検査装置とを含み、検査装置での検査結果に応じて予測テーブルデータを修正する。この場合、予測テーブルデータに基づく黄変度合の推定が可能になるとともに、予測テーブルデータから外れた黄変が生じた場合に、推定内容を修正することが可能になる。
本発明のさらに別の側面では、検査装置は、黄変光学部材を通過させた青色レーザー光を検知するセンサーを有する。この場合、センサーにより青色レーザー光を利用した黄変検査が可能になる。
本発明のさらに別の側面では、表示素子は、画像光を射出する自発光型の素子を含む。この場合、自発光型の素子において、確実に輝度調整を行うことができ、また、装置の小型化や軽量化を図ることができる。
本発明のさらに別の側面では、黄変光学部材は、画像光の光路上に配置される光学部材のうち他の光学部材よりも高い屈折率を有する高屈折率部材である。この場合、黄変する部材であっても、光路上に配置する高屈折率部材として利用できる。
本発明のさらに別の側面では、黄変光学部材は、折り返し光学系を構成する。この場合、装置を小型にしつつ、必要な輝度調整ができる。
本発明のさらに別の側面では、折り返し光学系は、表示素子側に凸面を有する凸レンズと、凸レンズよりも表示素子側に配置され、凸レンズの凸面に接合する凹面を有する凹レンズと、凸面と凹面との接合部に設けられるハーフミラーとを有し、凸レンズは、黄変光学部材である。この場合、小型の構成で広画角なものとしつつ、ホワイトバランスが維持された画像を形成できる。
10…画像表示装置、11…パネル部、11a…光射出面、12…偏光板、13…入射側偏光変換部材、20…拡大光学系、21…投射レンズ、22…接合レンズ、22a…凹レンズ、22b…凸レンズ、23…透過反射選択部材、23a…射出側偏光変換部材、23b…半透過反射型偏光板、38…鏡筒、50…画像制御装置、51…主制御部、51a…輝度制御部、51b…輝度検査部、51c…テーブルデータ修正部、51d…テーブルデータ作成部、52…記憶部、52a…予測テーブルデータ、52b…輝度設定テーブルデータ、53…タイマー、60…インターフェース、80…表示素子、100,200,300,500…ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、104…テンプル、105d…外装ケース、109…ケーブル、250…画像制御装置、251…主制御部、350…画像制御装置、351…主制御部、352…記憶部、400…装着型表示装置、AM…輝度調整部、AX…光軸、B…青色光、C1〜C5…曲線、CA…窪み、CE…凹面、CG…保護ガラス、CN…接合部、CV…凸面、DE…検査装置、ED…情報処理装置、EY…眼、G…緑色光、GL…画像光(映像光)、HM…ハーフミラー、LB…輝度、LG…導光部、LS…レーザー光源、PE…位置、PL…レンズ、PX…画素、PXr,PXg,PXb,PXb1,PXb2…サブ画素、Q1,Q2…曲線、R…赤色光、RE…受光部、S…開口率、SE…光射出面、SS…センサー、SI…光入射面、UP…ハーフミラー未塗布領域、US…使用者(観察者)、YE…黄変度合推定部、YI,YI,YI…黄色度、YO…黄変光学部材、x(λ),y(λ),z(λ)…曲線、ΔYI…黄変度、α1〜α3…データ、θ…半画角、λ…波長

Claims (13)

  1. 赤色光、緑色光及び青色光を含む画像光について、波長帯域に応じて異なる開口率で画像を表示する表示素子と、
    前記表示素子から射出される前記画像光の光路上に配置され、経年に伴い黄変する黄変光学部材と、
    予測又は検知により経年に伴う前記黄変光学部材の黄変度合を推定する黄変度合推定部と、
    前記黄変光学部材の黄変に応じて、前記黄変度合推定部のデータに基づく前記表示素子における画像の輝度を調整する輝度調整部と
    を備えるヘッドマウントディスプレイ。
  2. 初期状態における前記青色光の輝度をLBとし、経年に伴って黄変した現状の前記黄変光学部材の黄変度をΔYIとしたときに、現状の前記青色光の輝度LBが、以下の式
    Figure 2021086005
    を満たす、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  3. 開口面積の全体に対する前記青色光の開口率Sが、以下の式
    Figure 2021086005
    を満たす、請求項1及び2のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  4. 前記輝度調整部は、前記開口率の差に応じて、前記赤色光、前記緑色光及び前記青色光の間で輝度を調整している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  5. 前記表示素子において、前記青色光の開口率は、前記赤色光及び前記緑色光の開口率よりも大きく、
    前記輝度調整部は、初期状態において前記赤色光及び前記緑色光の輝度を前記青色光の輝度よりも上げておき、経年に伴う前記黄変光学部材の黄変に応じて、前記青色光の輝度を上げる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  6. 前記黄変度合推定部は、経年に伴う前記黄変光学部材の黄変度合を前記黄変光学部材の材料の性質に基づき予測した予測テーブルデータを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  7. 前記黄変度合推定部は、前記黄変光学部材の現状における黄変度合を検査する検査装置を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  8. 前記黄変度合推定部は、経年に伴う前記黄変光学部材の黄変度合を前記黄変光学部材の材料の性質に基づき予測した予測テーブルデータと、前記黄変光学部材の現状における黄変度合を検査する検査装置とを含み、前記検査装置での検査結果に応じて前記予測テーブルデータを修正する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  9. 前記検査装置は、前記黄変光学部材を通過させた青色レーザー光を検知するセンサーを有する、請求項7及び8のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  10. 前記表示素子は、前記画像光を射出する自発光型の素子を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  11. 前記黄変光学部材は、前記画像光の光路上に配置される光学部材のうち他の光学部材よりも高い屈折率を有する高屈折率部材である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  12. 前記黄変光学部材は、折り返し光学系を構成する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  13. 前記折り返し光学系は、前記表示素子側に凸面を有する凸レンズと、前記凸レンズよりも前記表示素子側に配置され、前記凸レンズの前記凸面に接合する凹面を有する凹レンズと、前記凸面と前記凹面との接合部に設けられるハーフミラーとを有し、
    前記凸レンズは、前記黄変光学部材である、請求項12に記載のヘッドマウントディスプレイ。
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