JP6100077B2 - 光源装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
従来、光源装置の光源として、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光ランプが主に用いられていた。しかし近年、光源装置の光源として、消費電力、寿命、色再現性、環境負荷の面で優れた発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられるようになってきている。
このような発光輝度の変化や輝度むらを低減する手法として、光センサを用いて発光部の発光輝度を調整する手法が知られている。具体的には、光源装置から発せられた光のうち、光源装置が有する光学シート(光学部材)で反射され発光部側に戻された反射光を検出する光センサを設け、光センサの検出値に基づいて発光部の発光輝度を調整する手法が知られている。複数の発光部を有する発光装置では、各発光部を順番に点灯させ、発光部毎に、反射光が光センサで検出され、発光輝度が調整される。そのような技術は、例えば、特許文献2に開示されている。
発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が正の変化である位置に設けられた検出部と、前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が負の変化である位置に設けられた検出部と、を含む2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする光源装置である。
発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる前記光学シートの面上の輝度の変化量が所定値以下である前記面上の位置に対向する位置を挟む2つの検出部を含む2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする光源装置である。
発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
前記発光部に最も近い検出部を含まない2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする光源装置である。
発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
を有する光源装置の制御方法であって、
前記検出部の検出値を取得するステップと、
前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が正の変化である位置に設けられた検出部と、前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が負の変化である位置に設けられた検出部と、を含む2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整するステップと、
を有することを特徴とする光源装置の制御方法である。
発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
を有する光源装置の制御方法であって、
前記検出部の検出値を取得するステップと、
前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる前記光学シートの面上の輝度の変化量が所定値以下である前記面上の位置に対向する位置を挟む2つの検出部を含む2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整するステップと、
を有することを特徴とする光源装置の制御方法である。
本発明の第6の態様は、
発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
を有する光源装置の制御方法であって、
前記検出部の検出値を取得するステップと、
前記発光部に最も近い検出部を含まない2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発
光部の発光輝度を調整するステップと、
を有することを特徴とする光源装置の制御方法である。
光源基板101は、カラー液晶パネル105の背面に照射する光(白色光)を発する。光源基板101には、複数の光源が設けられている。光源としては、発光ダイオード(LED)、冷陰極管、有機EL素子などを用いることができる。
拡散板102、集光シート103、反射型偏光フィルム104は、光源基板と平行に配置され、光源基板101(具体的には後述する発光部)からの光に光学的な変化を与える。
具体的には、拡散板102は、上記複数の光源(本実施形態ではLEDチップ)からの光を拡散させることにより、光源基板101を面光源として機能させる。
集光シート103は、拡散板102で拡散し、様々な入射角度で入射した白色光を、正面方向(カラー液晶パネル105側)に集光することにより、正面輝度(正面方向の輝度)を向上させる。
反射型偏光フィルム104は、入射した白色光を効率的に偏光することにより、正面輝度を向上させる。
拡散板102、集光シート103、反射型偏光フィルム104は重ねて用いられる。以
後、これらの光学部材をまとめて光学シート106と呼ぶ。なお、光学シート106には、上述した光学部材以外の部材が含まれていてもよいし、上述した光学部材の少なくともいずれか1つが含まれていなくてもよい。また、光学シート106とカラー液晶パネル105は一体で構成されていてもよい。
光学シート106の各部材は数百μmから数mm程度の薄い樹脂で構成されている。そのため、光学シート106には形状変化(たわみ)が発生しやすい。例えば、厚み方向に数mm程度のたわみが生じうる。たわみ量は、光学シートのサイズ、厚み、材料(素材)に依存する。たわみは、光学シートの固定機構(保持機構)、経年変化、使用環境(具体的には、使用環境による熱膨張、静電気、重力)といった様々な要因により生じる。例えば、光学シートが地面に対して略平行である場合には、重力により重力方向のたわみが生じることが考えられる。このように、たわみは様々な要因により生じるため、光学シート106のたわみを正確に予測することや、たわみ自体を防止することは困難である。
カラー液晶パネル105は、赤色の光を透過するRサブ画素、緑色の光を透過するGサブ画素、青色の光を透過するBサブ画素からなる画素を複数有しており、照射された白色光の輝度をサブ画素毎に制御することでカラー画像を表示する。
以上で説明したような構成(図1(A)に示すような構成)のバックライト装置を、一般的に直下型バックライト装置と呼ぶ。
光源基板101は、複数の発光部を有する。
図1(B)の例では、光源基板101は、マトリクス状に配置された2行×2列の合計4つのLED基板110を有する。なお、本実施形態では光源基板101が複数のLED基板を有するものとしたが、光源基板101は1つのLED基板を有していてもよい。例えば、図1(B)の4つのLED基板は1つのLED基板であってもよい。
各LED基板110は、2行×4列の合計8つの発光部111を有する。即ち、光源基板101は、4行×8列の合計32個の発光部111を有する。
各発光部111には1つの光源(LEDチップ112)が設けられており、各発光部111の発光輝度は個別に制御することができる。LEDチップ112としては、例えば、白色光を発する白色LEDを用いることができる。LEDチップ112として、発する光の色が互いに異なる複数のLED(例えば、赤色光を発する赤色LED、緑色光を発する緑色LED、青色光を発する青色LEDなど)を用いて白色光が得られるように構成されたチップを用いてもよい。
LED基板110には、光を検出し、検出値を出力する2つ以上の光センサ113(検出部)が設けられている。発光部111からの光の一部は、光学シートで反射され、発光部側へ戻される。光センサ113は、光学シート106に対向するように設けられており、光学シート106で反射され発光部側に戻された反射光を検出する。反射光の輝度から、発光部111の発光輝度を予測することができる。本実施形態では、互いに異なる位置に複数の光センサが設けられている。図1(B)の例では、1つのLED基板110に対して、4つの光センサ113が設けられている。具体的には、LED基板110の列方向に並んだ2つの発光部111毎に、それら2つの発光部111の間に光センサ113が設けられている。光センサ113としては、フォトダイオードやフォトトランジスタなど、検出値として輝度を出力するセンサを用いることができる。また、輝度の他に色の変化などを出力するカラーセンサを、光センサ113として用いてもよい。
LED基板110(X,Y)(X,Y=1または2)は、8つの発光部111(X,Y
,Z1)(Z1=1〜8)を有する。例えば、LED基板110(1,1)は、発光部111(1,1,1)、発光部111(1,1,2)、発光部111(1,1,3)、発光部111(1,1,4)、発光部111(1,1,5)、発光部111(1,1,6)、発光部111(1,1,7)、および発光部111(1,1,8)を有する。Z1は、発光部111の位置を示す値である。上記8つの発光部111(X,Y,Z1)の1行目の4つの発光部の位置Z1は、左端から順番に1,2,3,4であり、2行目の4つの発光部の位置Z1は、左端から順番に5,6,7,8である。
また、LED基板110(X,Y)には、4つの光センサ113(X,Y,Z2)(Z2=1〜4)が設けられている。例えば、LED基板110(1,1)には、光センサ113(1,1,1)、光センサ113(1,1,2)、光センサ113(1,1,3)および光センサ113(1,1,4)が設けられている。Z2は、光センサ113の位置を示す値であり、左端から順番に1,2,3,4である。
LED基板110の各発光部111には、1つのLEDチップ112が設けられている。各LEDチップ112は、等間隔に配置されている。LEDチップ112間の間隔をLEDピッチ131と記載する。LED基板110は、光学シート106と平行に配置されている。LED基板110(発光部111)と光学シート106の間の間隔を拡散距離130と記載する。一般的な指向性をもつLEDチップを用いたバックライト装置では、拡散距離がLEDピッチと同等かLEDピッチよりも長くなるように各部材を配置することで、光学シート透過後の光の輝度むらを十分に小さくすることができる。本実施形態では、LEDピッチ131と拡散距離130が同等であるとする。
4つのLED基板110の構成は同等であるため、一例としてLED基板110(1,1)について説明する。LED基板110(1,1)は、発光部111(1,1,1)〜111(1,1,8)を有する。発光部111(1,1,1)〜111(1,1,8)は、それぞれ、LEDドライバ120(1,1,1)〜120(1,1,8)により駆動される。
本実施形態では、定期的もしくは特定のタイミングで、発光部111間の温度および経年劣化度合いのばらつきによって生じる輝度むらを低減するための発光輝度調整処理が行われる。通常動作中は全ての発光部111が点灯するが、発光輝度調整処理では複数の発光部111を順番に点灯させる。そして、発光部111毎に、2つ以上の光センサ113を用いて、その発光部111の発光輝度を調整する。具体的には、2つ以上の光センサ113を用いて反射光を検出し、当該2つ以上の光センサ113の検出値を用いて推定検出値を推定する。そして、推定検出値に基づいて発光部111の発光輝度を調整する。推定検出値は、或る位置に検出部(光センサ)を設けた場合における当該検出部の検出値である。
4)が対応付けられている。そのため、光センサ113(1,2,1)が出力したアナログ値122(1,2,1)と、光センサ113(1,1,4)が出力したアナログ値122(1,1,4)とが選択される。A/Dコンバータ123は、選択したそれぞれのアナログ値をデジタル値にアナログ−デジタル変換する。そして、A/Dコンバータ123は、デジタル値124(アナログ値122(1,2,1)を変換して得たデジタル値、及び、アナログ値122(1,1,4)を変換して得たデジタル値)をマイコン125に出力する。発光部111に予め対応付けられている光センサ113は、当該発光部111の発光輝度を調整するために用いられる。そのため、以後、この光センサを調整用光センサと記載する。
1つの発光部を点灯させたときの光学シートの発光部側の面上の輝度分布は、光学シートがたわむことにより変化する(光学シートの発光部側の面を背面と記載する)。本実施形態では、発光部111(1,1,1)の発光輝度を調整する際に光センサ113(1,2,1)と光センサ113(1,1,4)が用いられるため、光学シートのたわみによる変動が小さい推定検出値を得ることができる。その結果、高精度に発光部の発光輝度を調整することができる。このような効果を得ることのできる理由については、後で詳しく説明する。
他の発光部111についても同様の処理が行われる。即ち、処理対象の発光部111のみを点灯させた状態で、各光センサ113により反射光が検出される。そして、輝度の調整対象のA/Dコンバータ123では、発光輝度の調整対象の発光部111に対して予め対応付けられた2つ以上の光センサ113のアナログ値122がデジタル値124に変換され、デジタル値124がマイコン125に出力される。本実施形態では、発光部毎に、2つの光センサが対応付けられている。そのため、A/Dコンバータ123からは、全64個の検出値(光センサの検出値;デジタル値124)がマイコン125に出力される。
1番目の処理では、発光部111(1,1,1)を点灯させ、他の発光部111を消灯させる。そして、調整用光センサとして光センサ113(1,2,1)と光センサ113(1,1,4)が選択され、それぞれの検出値がマイコン125に出力される。
図5(A)は、正面方向(カラー液晶パネル105側)から見た場合の、発光部111
(1,1,1)、光センサ113(1,1,4)、及び、光センサ113(1,2,1)の位置関係を示す模式図である。本実施形態では、発光部111(1,1,1)の発光輝度を調整する際に、発光部111(1,1,1)に最も近い光センサ113(1,1,1)ではなく、発光部111(1,1,1)から比較的遠い位置にある光センサ113(1,1,4)と光センサ113(1,2,1)が用いられる。縦方向距離140はLEDピッチ131の0.5倍、横方向距離142はLEDピッチ131の3倍である。そのため、三平方の定理から、発光部111(1,1,1)の発光中心と光センサ113(1,1,4)との間の距離はLEDピッチ131の3.04倍となることがわかる。同様に、横方向距離141はLEDピッチ131の4倍であるため、三平方の定理から、発光部111(1,1,1)の発光中心と光センサ113(1,2,1)との間の距離はLEDピッチ131の4.03倍となることがわかる。本実施形態では、LEDピッチ131と拡散距離130が同等であるとしているので、発光部111(1,1,1)の発光中心と光センサ113(1,1,4)との間の距離が拡散距離130の3.04倍であることもわかる。また、発光部111(1,1,1)の発光中心と光センサ113(1,2,1)との間の距離が拡散距離130の4.03倍であることもわかる。
図5(B)は、正面方向(カラー液晶パネル105側)から見た場合の、発光部111(1,1,2)、光センサ113(1,2,1)、及び、光センサ113(1,2,2)の位置関係を示す模式図である。1番目の処理と同様に、発光部111(1,1,2)の発光中心と光センサ113(1,2,1)との間の距離は拡散距離130の3.04倍である。また、発光部111(1,1,2)の発光中心と光センサ113(1,2,2)との間の距離は拡散距離130の4.03倍である。
以降の説明では、拡散距離130に対する、発光部111の発光中心と光センサの間の距離の割合をRdと記載する。
図7は、LEDチップ112の発光面に垂直な方向に対する角度θと、LEDチップ112から発せられる光の強度(発光強度)との関係の一例を示すグラフである。図7は、LEDチップ112の発光強度分布がランバート分布である場合の例である。図7のy軸は発光強度を示し、x軸は角度θを示す。図7に示すように、ランバート分布では、発光強度=cosθの関係を有し、角度θ=0°で発光強度が最も高くなり、角度θ=±90°で発光強度がゼロとなる。
図6(B)は、1つのLEDチップ112のみ(1つの発光部のみ)を点灯させたときの光学シート106の背面上の輝度分布の一例を示すグラフである。図6(B)のy軸は輝度、x軸は光学シート106上の位置を示す。具体的には、x軸は、LEDチップ112と対向する位置からの距離を示す。光学シート106の背面上の輝度は、LEDチップ112から直接入射される光(直接入射分)と、光学シート106とLED基板110との間で反射を繰り返した後に入射される光(間接入射分)との合計によって決まる。光学シート106の背面上の輝度分布は、x=0(LEDチップ112の直上の位置)で輝度が最大となり、x=0の位置から離れるに従って輝度が低下するカーブ150を描く。カーブ150は、光学シート106がたわんでいないときの輝度分布である。
ここでは、図6(A)に示すように、光センサ113−1〜113−3は、検出面が光学シート106側(光源基板に垂直な方向のうち、光学シート側の方向)に向くように、LED基板110上に配置されているものとする。光センサ113−1,113−3は、LEDチップ112(発光部)に対応付けられた調整用光センサである。光センサ113−1はRd=3.04の位置に配置されており、光センサ113−3はRd=4.03の位置に配置されている。この場合、光センサ113−1では、図6(B)の輝度分布における光センサ113−1と対向する位置の輝度151に相当する輝度が検出される。また、光センサ113−3では、図6(B)の輝度分布における光センサ113−3と対向する位置の輝度152に相当する輝度が検出される。光センサの検出値におけるS/N比を最良にするためには、光センサを可能な限りLEDチップ112に近接させ、より多くの光量を受光することが必要である。そのため、従来技術では、LEDチップ112に最も近い光センサを調整用光センサとして用いる設計がなされていた。
図6(B)の一点鎖線161は、マイナス方向にたわんだ光学シート106の背面上の輝度分布を示す。カーブ161では、LEDチップ112と対向する位置付近(x=0付近)でカーブ150よりも輝度が高くなり、LEDチップ112と対向する位置から離れた位置でカーブ150よりも輝度が低くなる。これは、光学シート106がLEDチップ112に近づくことで、LEDチップ112からの光の広がり(光学シート106に到達するまでの光の広がり)が抑えられる為である。LEDチップ112からの光の広がりが抑えられることにより、LEDチップ112と対向する位置に光121が集中し、LEDチップ112と対向する位置から離れた位置には光121が届きにくくなる。
光学シート106が一点鎖線160の位置にある場合、LEDチップ112に近い位置(x=0付近)では光学シート106がたわんでいないときよりも高い輝度が検出される。また、LEDチップ112から遠い位置では光学シート106がたわんでいないときよりも低い輝度が検出される。具体的には、光センサ113−1では、輝度151よりも高
い輝度162(図6(B)の輝度分布161における光センサ113−1と対向する位置の輝度162)に相当する輝度が検出される。また、光センサ113−3では、輝度152よりも低い輝度163(図6(B)の輝度分布161における光センサ113−3と対向する位置の輝度163)に相当する輝度が検出される。すなわち、光学シートのたわみにより光学シートの背面上の輝度分布が変化することに起因して、光学シートのたわみによる光センサの検出値の変化量が、発光部の発光中心と光センサの間の距離に応じて変化する。本来、光センサで検出すべきは温度および経年劣化による輝度の変化であり、このように光学シート106のたわみによって生じる輝度の変化は検出誤差となる。
図6(B)の破線171は、プラス方向にたわんだ光学シート106の背面上の輝度分布を示す。カーブ171では、LED112と対向する位置付近(x=0付近)でカーブ150よりも輝度が低くなり、LEDチップ112と対向する位置から離れた位置でカーブ150よりも輝度が高くなる。これは、光学シート106がLEDチップ112から離れることで、LEDチップ112からの光がより広がる為である。LEDチップ112からの光の広がりが大きくなることにより、LEDチップ112と対向する位置に光121が集中しにくくなり、LEDチップ112と対向する位置から離れた位置には光121が届きやすくなる。
光学シート106が破線170の位置にある場合、LEDチップ112に近い位置(x=0付近)では光学シート106がたわんでいないときよりも低い輝度が検出される。また、LEDチップ112から遠い位置では光学シート106がたわんでいないときよりも高い輝度が検出される。具体的には、光センサ113−1では、輝度151よりも低い輝度172(図6(B)の輝度分布171における光センサ113−1と対向する位置の輝度172)に相当する輝度が検出される。また、光センサ113−3では、輝度152よりも高い輝度173(図6(B)の輝度分布171における光センサ113−3と対向する位置の輝度173)に相当する輝度が検出される。光学シート106がマイナス方向にたわんだ場合と同様に、このような輝度の変化は検出誤差となる。
そこで、本実施形態では、2つ以上の光センサの検出値を用いて、ゼロクロス点付近に対向するように光センサを設けた場合における当該光センサの検出値を、推定検出値として推定する。即ち、2つ以上の光センサの検出値を用いて、光学シートのたわみによる輝度の変化量の絶対値が所定値以下である光学シートの背面上の位置に対向するように光センサを設けた場合における当該光センサの検出値を、推定検出値として推定する。
具体的には、本実施形態では、図4に示すように、発光部毎に、その発光部のみを点灯させたときの光学シートのたわみによる輝度の変化量の絶対値が所定値以下である背面上の位置に対向する位置を挟む2つの光センサが対応付けられている。換言すれば、発光部
毎に、その発光部のみを点灯させたときの光学シートのたわみによる輝度の変化量の絶対値が所定値以下である背面上の位置を基準として当該発光部に近い位置と遠い位置に設けられた2つの光センサが対応付けられている。そして、発光部毎に、対応付けられている2つの光センサの検出値を用いて、その発光部のみを点灯させたときのゼロクロス点付近に対応するように光センサを設けた場合における当該光センサの検出値を、推定検出値として推定する。例えば、LEDチップ112を点灯させたときの光センサ113−1,113−2の検出値を用いて、実際には設けられていない光センサ113−2の検出値を、推定検出値として推定する。
それにより、推定検出値として、光学シート106のたわみによる検出誤差(検出値の変動)の小さい検出値を得ることができる。そして、そのような推定検出値を用いて発光部の発光輝度を調整することにより、高精度に発光部の発光輝度を調整することができる。
本実施形態では、2つの調整用光センサの検出値を、発光部と光センサの間の距離に応じた重みで重み付け加算することにより、推定検出値を推定(算出)する。具体的には、線形補間法を用いて、2つの調整用光センサの検出値から推定検出値を算出する。線形補間法を用いた推定検出値の算出式を以下に示す。以下の式において、D1は、発光部に近い方の光センサの検出値であり、D3は、発光部から遠い方の光センサの検出値であり、D2は推定検出値である。Rd1は、発光部に近い方の光センサのRd値であり、Rd3は、発光部から遠い方の光センサのRd値であり、Rd2は、推定検出値を検出することのできる光センサ(仮定の光センサ)のRd値である。
D2=D1+(D3−D1)/(Rd3−Rd1)×(Rd2−Rd1)
図6(C)に示すように、Rd1=3.04、Rd3=4.03、Rd2=3.54、D1=304、D3=403である。そのため、推定検出値D2(光センサ113−2の検出値)=304+(403−304)/(4.03−3.04)×(3.54−3.04)=354となる。
なお、本実施形態では、線形補間法を用いた場合の例を説明したが、補間法(内挿法)は線形補間法に限らない。例えば、補間法は、非線形補間法(高次多項式を用いた補間法)であってもよい。また、本実施形態では、Rd値を用いて推定検出値を算出する例(重みがRd値から算出される例)を説明したが、これに限らない。例えば、発光部と光センサの間の距離そのものを用いて推定検出値が算出されてもよい。即ち、重みが上記距離そのものから算出されてもよい。また、重みは、演算により算出されるのではなく、距離と重みの対応関係を表すテーブルを用いて決定されてもよい。
なお、本実施形態では、2つ以上の調整用光センサの検出値を、発光部と光センサの間の距離に応じた重みで重み付け加算することにより、推定検出値を算出する例を説明したが、これに限らない。推定検出値を推定することができれば、どのような方法が用いられ
てもよい。
なお、高い精度が求められる医療用画像表示装置における表示性能の規格として、DICOM part 14が用いられている。DICOM part 14では、表示輝度を校正するための光度計の検出値が絶対輝度に対し3%以内であることが求められている(Digital Imaging and Communications in Medicine (DICOM) Part 14: Grayscale Standard Display Function参照)。このような精度を満たす光度計(すなわち光センサ)を用いることにより、表示輝度の誤差を使用者に判別されないレベルに抑えることができる。そのため、たわみ前後の輝度比が97%以上103%以下である光学シートの背面上の位置に対向するように光センサを設けた場合における当該光センサの検出値を、推定検出値として推定することが好ましい。上記輝度比は、光学シートがたわんでいないときの輝度に対する、光学シートがたわんでいるときの輝度の割合である。そのような推定検出値を推定することにより、推定検出値として、光学シートのたわみによる変動のより小さい検出値を得ることができ、ひいてはより高精度に発光部の発光輝度を調整することができる。
図9は、発光部(LEDチップ)の発光強度分布が略ランバート分布である場合(発光強度がcosθに従う場合)の例である。また、図9は、LEDピッチ131と拡散距離130が同等である場合の例である。図9のx軸はRd、y軸は光学シートのたわみによる輝度(光学シートの背面上の輝度)の変化量を示す。カーブ200は光学シート106がマイナス方向にたわんだ場合の輝度の変化量を示す。カーブ201は光学シート106がプラス方向にたわんだ場合の輝度の変化量を示す。
図9から、LEDチップ112に対向する位置(Rd=0の位置に対向する光学シート上の位置)に近づくほど、光学シートのたわみによる輝度の変化量が大きいことがわかる。また、Rdが3.54である位置に対向する光学シート上の位置がゼロクロス点であり、Rdがこれよりも大きくなると、輝度の変化量が大きくなることがわかる。
光センサ113の検出面が光学シート106側(光源基板に垂直な方向のうち、光学シート側の方向)に向いている場合には、y軸は光センサ113の検出誤差を示す。
従って、発光強度分布が略ランバート分布である場合には、発光部の発光輝度を調整する際に用いる推定検出値を推定する位置は、その発光部の発光中心から、当該発光部と光学シートの間の距離の3.54倍の距離だけ離れた位置であることが好ましい。それにより、光学シートのたわみによる変動のより小さい検出値を得ることができる。
以上の理由から、本実施形態では、処理対象の発光部111と推定検出値を導出する位置との間の距離を拡散距離130の3.54倍としている。それにより、光学シートのたわみによる変動のより小さい推定検出値を得ることができる。
クロス点の測定結果に基づいて決定された値であることが好ましい。
なお、本実施形態では、光源基板が複数の発光部を有する場合の例を説明したが、光源基板は1つの発光部を有していてもよい。その場合にも同様に、推定検出値として、光学シートのたわみによる輝度の変化量の絶対値が所定値以下である光学シートの背面上の位置に対向する位置での検出値を推定すればよい。
なお、本実施形態では、光センサ113の検出面が光学シート106側(光源基板に垂直な方向のうち、光学シート側の方向)に向いている場合の例を説明したが、これに限らない。光センサ113の検出面は、光学シート上のゼロクロス点(たわみによる輝度の変化が所定値以下となる位置)を向いていれば、光源基板に垂直な方向に対して傾いた方向を向いていてもよい。
なお、本実施形態では、発光部からの光(具体的には反射光)を検出する際に、当該発光部のみを点灯させるものとしたが、当該発光部からの光への影響が小さい発光部が点灯していてもよい。
なお、本実施形態では、発光部に対応付けられている2つ以上の光センサが、光学シートのたわみによる輝度の変化量の絶対値が所定値以下である光学シートの背面上の位置に対向する位置を挟む2つの光センサを含む例を説明した。具体的には、光学シートのたわみによる輝度の変化量の絶対値が所定値以下である光学シートの背面上の位置に対向する位置を挟む2つの光センサを調整用光センサとして用い、内挿法により推定検出値を推定する例を説明した。しかし、推定検出値を推定することができれば、調整用光センサの位置は特に限定されない。例えば、2つ以上の調整用光センサは、光学シートのたわみによる輝度の変化量の絶対値が所定値以下である光学シートの背面上の位置に対向する位置を挟むように設けられていなくてもよい。そして、外挿法によって推定検出値が推定されてもよい。
なお、本実施形態では、一方向に並んだ2つ以上の光センサ113を用いて推定検出値を推定したが、これに限らない。例えば、図11に示すように、発光部からの方向と発光部からの距離が互いに異なる2つ以上の光センサ113(2,1,1),光センサ113(1,2,1)を用いて推定検出値が推定されてもよい。
なお、本実施形態では、発光部を1つ発光点として説明したが、これに限らない。例えば、発光部は複数発光点を有していてもよい。その場合、推定検出値を推定する位置(Rd値)として、1つの発光部が有する全ての発光点を点灯させた状態に基づく値を使用すればよい。
なお、本実施形態では、温度変化や発光部の劣化による指向性(発光部が発する光の指向性)の変化が無いものとして説明したが、これに限らない。例えば、総点灯時間や周囲温度を発光部毎(LED毎)に管理し、発光部毎に、その発光部の総点灯時間や周囲温度に基づいて推定検出値を推定する位置(Rd値)を変更してもよい。具体的には、総点灯時間及び周囲温度と、指向性との対応関係を表す情報(テーブルや関数)を用いて、現在
の総点灯時間と周囲温度から、推定検出値を推定する位置を決定してもよい。総点灯時間(発光部の劣化)による指向性の変化のみを考慮してもよいし、温度変化による指向性の変化のみを考慮してもよい。
Claims (15)
- 発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が正の変化である位置に設けられた検出部と、前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が負の変化である位置に設けられた検出部と、を含む2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする光源装置。 - 前記調整手段は、
前記光学シートのたわみによる検出値の変化量が所定値以下である位置に検出部を設けた場合における当該検出部の検出値である推定検出値を、前記2つ以上の検出部の検出値を用いて推定し、
前記推定検出値に基づいて前記発光部の発光輝度を調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。 - 前記調整手段は、前記2つ以上の検出部の検出値を、発光部と検出部の間の距離に応じた重みで重み付け加算することにより、前記推定検出値を推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。 - 前記所定値は3%である
ことを特徴とする請求項2または3に記載の光源装置。 - 前記2つ以上の検出部は、前記光学シートのたわみによる前記光学シートの面上の輝度の変化量がゼロである前記面上の位置に対向する位置を挟む2つの検出部を含む
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記光源基板は複数の発光部を有し、
前記発光部毎に、2つ以上の検出部が対応付けられており、
前記調整手段は、前記発光部の発光輝度を調整する際に、その発光部に対応付けられて
いる2つ以上の検出部を用いる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光源装置。 - 発光部の位置と、前記光学シートのたわみによる前記光学シートの面上の輝度の変化量がゼロである前記面上の位置との間の位置関係は、前記発光部毎に異なる
ことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。 - 前記複数の発光部は、発する光の指向性が互いに異なる
ことを特徴とする請求項7に記載の光源装置。 - 前記発光部に対応付けられている前記2つ以上の検出部は、その発光部に最も近い検出部を含まない
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記調整手段は、前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が正の変化である位置に設けられた検出部と、前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が負の変化である位置に設けられた検出部と、の2つの検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光源装置。 - 発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる前記光学シートの面上の輝度の変化量が所定値以下である前記面上の位置に対向する位置を挟む2つの検出部を含む2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする光源装置。 - 発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
前記発光部に最も近い検出部を含まない2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする光源装置。 - 発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
を有する光源装置の制御方法であって、
前記検出部の検出値を取得するステップと、
前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が正の変化である位置に設けられた検出部と、前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる検出値の変化が負の変化である位置に設けられた検出部と、を含む2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整するステップと、
を有することを特徴とする光源装置の制御方法。 - 発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
を有する光源装置の制御方法であって、
前記検出部の検出値を取得するステップと、
前記発光部が発光した場合における前記光学シートのたわみによる前記光学シートの面上の輝度の変化量が所定値以下である前記面上の位置に対向する位置を挟む2つの検出部を含む2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整するステップと、
を有することを特徴とする光源装置の制御方法。 - 発光部が設けられた光源基板と、
前記発光部に対向する位置に設けられた光学シートと、
前記発光部からの光を検出する複数の検出部と、
を有する光源装置の制御方法であって、
前記検出部の検出値を取得するステップと、
前記発光部に最も近い検出部を含まない2つ以上の検出部の検出値に基づいて、前記発光部の発光輝度を調整するステップと、
を有することを特徴とする光源装置の制御方法。
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