WO2005035966A1 - マフラの支持構造 - Google Patents

Description

明 細 書

マフラの支持構造

技術分野

[0001] 本発明は、内部に収容したパティキュレートフィルタを適宜に脱着し得るようにした マフラの支持構造に関するものである。

背景技術

[0002] ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレート（Particulate Matter :粒子状物 質）は、炭素質から成る煤と、高沸点炭化水素成分力 成る SOF分（Soluble Organic Fraction :可溶性有機成分）とを主成分とし、更に微量のサルフェート（ミスト状硫酸 成分）を含んだ組成を成すものである力 この種のパティキュレートの低減対策として 、図 7に示す如ぐディーゼルエンジン 1から排気マ二ホールド 2を介して排出ガス 3を 導く排気管 4の途中にパティキュレートフィルタ 6を装備することが考えられている（例 えば、特許文献 1参照)。

[0003] そして、この種のパティキュレートフィルタ 6を装備するに際しては、新たにパティキ ュレートフィルタ 6の配置スペースを確保することが困難であるため、パティキュレート フィルタ 6をマフラ 5内に収容させて車両への搭載性の向上を図ることが提案されて いる。

[0004] 他方、従来において、マフラ 5を車体側から吊り下げ支持するに際しては、図 1及び 図 2に示す如ぐマフラ 5の外周部の上側にブラケット 7を溶接して取り付け、このブラ ケット 7をステー 8等を介しフレーム 9側から吊り下げ支持するようにしたり、或いは、図 3及び図 4に示す如ぐマフラ 5を Uボルト 10で抱持し、この Uボルト 10をステー 8等を 介しフレーム 9側から吊り下げ支持するようにしている（例えば、特許文献 2参照）。 特許文献 1 :特開 2003 - 65032号公報

特許文献 2：実開平 6 - 83914号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] し力 ながら、図 1及び図 2で示した前者の従来構造においては、ブラケット 7の下 端部を円筒形のマフラ 5の外周面に沿わせて溶接しなければならなかったため、この マフラ 5の外周面に沿う絞り形状を有するブラケット 7となり、型費が高くついて製作コ ストが高くなるという問題があり、しかも、溶接際 Xに応力集中が起こり易いという問題 もあった。

[0006] 他方、図 3及び図 4で示した後者の従来構造においては、ステー 8に対する Uボル ト 10の両端部の固定箇所のピッチ pがマフラ 5の直径以上に必要となるため、図中に Aで示す如きステー 8の先端部分が大きく張り出して周辺機器類との干渉を招き易い という問題があり、し力、も、図中に Bで示す如き Uボルト 10の鉛直方向に延びる部分と フレーム 9の下側のフランジ部 9aとの干渉を避けるべくフレーム 9から十分に離してマ フラ 5を吊り下げ支持しなければならないことからもステー 8の先端部分の張り出し量 が大きくなつていた。

[0007] そして、前述した通り、このようなマフラ 5にパティキュレートフィルタ 6を装備するとし た場合、該パティキュレートフィルタ 6内には、潤滑油を起源として気筒内燃焼で発生 するアッシュ（焼却しきれない灰分）が徐々に溜まってくるため、パティキュレートフィ ルタ 6に対し直接的にエア洗浄や水洗浄等による清掃を施したり、新たなパティキュ レートフィルタ 6に交換したりする必要がある力 斯カるパティキュレートフィルタ 6を脱 着し得るようにしたマフラ 5を従来の如き問題を招くことなく良好に支持し得るような具 体的な構造については未だ提案されていないのが実情である。

[0008] 本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、パティキュレートフィルタを内部に収 容して適宜に脱着し得るようにしたマフラを支持するにあたり、製作コストが安価で応 力集中も起こり難く且つ周辺機器類との干渉を避け易い支持構造を提供することを 目的としている。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明は、パティキュレートフィルタを内部に収容し且つその収容部分の前後位置 で分割されてフランジを介し着脱自在に締結し得るように構成されたマフラの支持構 造であって、マフラを車体側から吊り下げ支持するためのブラケットを前記各フランジ の締結時に共締めして装着したことを特徴とするものである。

[0010] 而して、このようにすれば、ブラケットを各フランジの締結時に共締めすることが可能 な程度に形状を簡素化することが可能となり、従来の如きマフラの外周面に沿わせる ための絞り形状が不要となるので、型費が安く済んで製作コストの低減化が図られ、 しかも、溶接が不要となることで溶接の際に応力集中が起こり易くなる問題が未然に 回避されることになる。

[0011] 更に、ブラケットを各フランジと共締めするに際しては、マフラの直径内に収まる程 度の比較的小さな締結範囲で済むので、このブラケットを車体側から吊り下げ支持す るに際しても、従来の Uボルトを使用した場合のような張り出し量の大きなステ一が不 要となり、比較的短レ、ステ一で車体側から吊り下げ支持することが可能となって周辺 機器類との干渉が避け易くなる。

[0012] 尚、本発明をより具体的に実施するに際しては、例えば、ブラケットの下端部に各フ ランジの頂部付近でのみ該各フランジと重なり合う重合部が形成され、該重合部を前 記各フランジの頂部付近で共締めすることにより前記ブラケットが装着されていれば 良い。

[0013] また、本発明においては、パティキュレートフィルタが酸化触媒を担持しているもの であっても良いし、パティキュレートフィルタが N〇x吸蔵還元触媒を担持しているもの でめって b_Rい。

発明の効果

[0014] 本発明のマフラの支持構造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。

[0015] (I)ブラケットの形状を簡素化することができるので、該ブラケットの型費が安く済ん で製作コストを安価に抑えることができ、しかも、その装着に関し溶接を用いないので

、溶接際に応力集中が起こり易くなるといった強度的な問題を未然に回避することが でき、応力集中が起こり難い支持構造とすることができる。

[0016] (II)ブラケットを各フランジと共締めするのに比較的小さな締結範囲しか必要としな いので、ブラケットを車体側から吊り下げ支持するにあたり、張り出し量の大きなステ 一等を不要とすることができ、これによつて、周辺機器類との干渉を避け易くすること ができ、マフラと周辺機器類とのレイアウト上の制約を大幅に緩和することができる。 図面の簡単な説明

[0017] [図 1]従来のマフラの支持構造の一例を示す側面図である。 [図 2]図 1のマフラの支持構造に関する正面図である。

[図 3]従来のマフラの支持構造の他の例を示す側面図である。

[図 4]図 3のマフラの支持構造に関する正面図である。

[図 5]本発明の一実施例を示す側面図である。

[図 6]図 5のマフラの支持構造に関する正面図である。

[図 7]パティキュレートフィルタの配置例を示す概略図である。

符号の説明

[0018] 4 排気管

6 パティキュレートフィルタ

9 フレーム（車体）

11 マフラ

12 前部

12a フランジ

13 中間部（パティキュレートフィルタの収容部分）

13a フランジ

14 後部

14a フランジ

15 ブラケット

15a 重合部

16 ブラケット

16a 重合部

発明を実施するための最良の形態

[0019] 以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。

[0020] 図 5及び図 6は本発明の一実施例を示すもので、ここに図示している例においては 、排気管 4の途中に介装されたマフラ 11の内部に、酸化触媒を一体的に担持して成 る触媒再生型のパティキュレートフィルタ 6が収容されている。

[0021] このパティキュレートフィルタ 6は、セラミックから成る多孔質のハニカム構造を有し、 格子状に区画された各流路の入口が交互に目封じされ、入口が目封じされてレ、なレ、 流路については、その出口が目封じされるようになつており、各流路を区画する多孔 質薄壁を透過した排出ガス 3のみが下流側へ排出されるようにしてある。

[0022] そして、パティキュレートフィルタ 6における多孔質薄壁の内側表面に捕集されたパ ティキュレートは、酸化触媒により酸化反応を促進されて比較的低い温度からでも着 火燃焼することになる力 パティキュレートフィルタ 6内には、潤滑油を起源として気筒 内燃焼で発生するアッシュが徐々に溜まってくるため、パティキュレートフィルタ 6に 対し直接的にエア洗浄や水洗浄等による清掃を施したり、新たなパティキュレートフィ ルタ 6に交換したりする必要がある。

[0023] このため、本実施例では、マフラ 11を前部 12と中間部 13と後部 14とに三分割して 相互間をフランジ 12a, 13a, 14aを介しボルト及びナットにより着脱自在に締結した 構造を採用し、前記中間部 13をパティキュレートフィルタ 6の収容部分として、該パテ ィキュレートフィルタ 6を適宜に中間部 13ごと取り外して清掃や交換を行い得るように してある。

[0024] また、各フランジ 12a, 13a及び各フランジ 13a, 14aから成る前後の継手箇所には 、側面形状が L字型を成すようなブラケット 15, 16がボルト及びナットを介して共締め されており、これら各ブラケット 15, 16力 S、フレーム 9側から延びるステー 8により吊り 下げ支持されるようになってレヽる。

[0025] 即ち、ブラケット 15, 16の下端部には、各フランジ 12a, 13a, 14aの頂部付近での み該各フランジ 12a, 13a, 14aと重なり合う重合部 15a, 16aが形成されており、該 重合部 15a, 16aを前記各フランジ 12a, 13a, 14aの頂部付近で共締めすることによ り前記各ブラケット 15， 16が装着されるようにしてある。

[0026] 尚、図 5中における符号の 17は、マフラ 11の中間部 13の外周囲を取り巻いてパテ ィキュレートフィルタ 6をできるだけ高温状態に保持するための断熱材を示している。

[0027] 而して、このようにマフラ 11の支持構造を構成すれば、ブラケット 15, 16を各フラン ジ 12a， 13a, 14aの締結時に共締めすることが可能な程度に形状を簡素化すること が可能となり、従来の如きマフラ 11の外周面に沿わせるための絞り形状が不要となる ので、型費が安く済んで製作コストの低減化が図られ、しかも、溶接が不要となること で溶接際に応力集中が起こり易くなる問題が未然に回避されることになる。 [0028] 更に、各ブラケット 15, 16を各フランジ 12a, 13a, 14aと共締めするに際しては、マ フラ 11の直径内に収まる程度の比較的小さな締結範囲で済むので、このブラケット 1 5, 16をフレーム 9側（車体側）から吊り下げ支持するに際しても、従来の Uボルトを使 用した場合のような張り出し量の大きなステー 8が不要となり、比較的短いステー 8で フレーム 9側から吊り下げ支持することが可能となって周辺機器類との干渉が避け易 くなる。

[0029] 従って、上記実施例によれば、ブラケット 15, 16の形状を簡素化することができる ので、該ブラケット 15， 16の型費が安く済んで製作コストを安価に抑えることができ、 しかも、その装着に関し溶接を用いないので、溶接際に応力集中が起こり易くなると レ、つた強度的な問題を未然に回避することができ、応力集中が起こり難い支持構造 とすることができる。

[0030] また、ブラケット 15， 16を各フランジ 12a, 13a, 14aと共締めするのに比較的小さ な締結範囲 wしか必要としないので、ブラケット 15, 16をフレーム 9側から吊り下げ支 持するにあたり、張り出し量の大きなステー 8を不要とすることができ、これによつて、 周辺機器類との干渉を避け易くすることができ、マフラ 11と周辺機器類とのレイアウト 上の制約を大幅に緩和することができる。

産業上の利用可能性

[0031] 本発明のマフラの支持構造は、上述の実施例にのみ限定されるものではなぐマフ ラには円筒形以外にオーパル形状のものを採用しても良いこと、また、パティキユレ ートフィルタには必ずしも酸化触媒を担持させなくても良ぐ更には、酸化触媒に替え て N〇x吸蔵還元触媒を担持させることでパティキュレートと N〇xの同時低減化を図り 得るようにしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々 変更をカ卩ぇ得る。

Claims

請求の範囲

[1] パティキュレートフィルタを内部に収容し且つその収容部分の前後位置で分割され てフランジを介し着脱自在に締結し得るように構成されたマフラの支持構造であって 、前記各フランジの締結時に共締めして装着される、マフラを車体側から吊り下げ支 持するためのブラケットからなるマフラの支持構造。

[2] ブラケットの下端部に各フランジの頂部付近でのみ該各フランジと重なり合う重合部 が形成され、該重合部を前記各フランジの頂部付近で共締めすることにより前記ブラ ケットが装着されてレ、る、請求項 1に記載のマフラの支持構造。

[3] パティキュレートフィルタが酸化触媒を担持している、請求項 1に記載のマフラの支 持構造。

[4] パティキュレートフィルタが酸化触媒を担持している、請求項 2に記載のマフラの支 持構造。

[5] パティキュレートフィルタが NOx吸蔵還元触媒を担持している、請求項 1に記載の マフラの支持構造。

[6] パティキュレートフィルタが NOx吸蔵還元触媒を担持している、請求項 2に記載の マフラの支持構造。