JP3651076B2 - 自動車の後部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の後部構造に関し、特に、排気系におけるサイレンサの配置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションを備えた自動車の後部構造としては、例えば特開平5−85416号公報に記載されたものが知られている。このものは、車両のリヤオーバハングを短くするために、各リヤサスペンションの後方にそれぞれサイレンサを配置してなるデュアルサイレンサ式とされており、各サイレンサは、略車両前後方向に延びるように設けられている。
【0003】
ところで、自動車の後面衝突時には、車室内の乗員の安全を確保する上で、車両後部が十分にクラッシュできるようにしておくことが望ましい。その際に、車両のリヤオーバハングが短い状態で上記サイレンサが車両前後方向に延びるように配置されていると、このサイレンサは剛体として機能することから、場合によっては車両後部のクラッシュが上記サイレンサにより妨げられ、このために、車両後部を十分にクラッシュさせるのが困難になる。
【0004】
これに対し、上記公報のものでは、各サイレンサの前端部を、後輪の車幅方向内側において該後輪と車幅方向に一部が重なる車両前後方向の位置に位置付けるようにすることが図面に開示されている。したがって、この従来例では、自動車の後面衝突時に各サイレンサが後側から前方に向けて押されたときに、その前端部が上記後輪に当接せずに前方移動でき、その前方移動できる分だけ車両後部をクラッシュさせることができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、自動車の後面衝突時にサイレンサが後輪に当接するのを回避することはできるとしても、サイレンサが上記後輪のサスペンションに当接することについては示唆されておらず、したがって、車両後部のクラッシュ特性としては、未だ改良の余地がある。特に、上記従来例のように、サスペンションが、ロアアーム及びアッパアームを持つダブルウィッシュボーン式の場合には、サイレンサがサスペンションに当接し易いという事情もある。
【0006】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、ダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションを備えた自動車の後部構造において、リヤオーバハングをできるだけ短くしようとする際に、サイレンサの配置に工夫を加えることで、後面衝突時における車両後部のクラッシュが上記サイレンサに妨げられる程度をさらに小さくすることができるようにし、もって、車両後部のクラッシュ特性を一層向上させられるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、自動車の後面衝突時のサイレンサを、リヤサスペンションのロアアーム、アッパアーム、サスペンション取付部材及び後輪の4つの部材が区画形成する前方空間に嵌入させるようにし、このことで、サイレンサの前方移動量を大きくし、車両後部のクラッシュが上記サイレンサに妨げられる程度を小さくできるようにした。
【0008】
具体的には、本発明では、各々、サスペンション取付部材に枢着されたロアアーム及びアッパアームを介して後輪を支持するダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションが備えられた自動車の後部構造を前提としている。
【0009】
そして、下流端が車両前後方向における上記サスペンションの後方に位置するように配置された少なくとも1本の排気パイプと、この排気パイプの下流端に接続されていて、上記サスペンションの後方において車両前後方向に延びるように設けられたサイレンサとを備えるようにする。その上で、上記サイレンサを、リヤサスペンションのロアアーム、アッパアーム、サスペンション取付部材及び後輪の4つの部材により上下方向及び車幅方向において区画形成された前方空間に該サイレンサの略全体が車両後面視において重なる位置に配置し、かつ自動車の後面衝突時に上記前方空間に嵌入可能に設けることとする。
【0010】
上記の構成において、自動車の後面衝突時に車両の後部がクラッシュする際には、サイレンサは後方から押されて前方に移動しようとする。このとき、サイレンサは、その前方に位置するリヤサスペンションのロアアーム、アッパアーム、サスペンション取付部材及び後輪の4つの部材により上下方向及び車幅方向において区画形成された前方空間に嵌入可能であるので、その嵌入した分だけサイレンサは前方に移動可能となる。よって、車両後部のクラッシュがサイレンサに妨げられる程度は小さくなり、車両後部のクラッシュ特性の向上が図れるようになる。
【0011】
請求項2の発明では、上記請求項1の発明において、排気パイプの下流端側部分を、リヤサスペンションのロアアーム及びアッパアーム間を経由するように取り回した後に後方に向かって延びるように設けることとする。
【0012】
上記の構成において、サイレンサが後方から押されて前方に移動する際に、このサイレンサは排気パイプを変形させながら前方に移動する。このとき、上記排気パイプはリヤサスペンションのロアアーム及びアッパアーム間を車両フロント側に移動する状態に変形し、このことでサイレンサの車両前側部分は前方空間内に導かれるようになり、したがって、サイレンサの前方空間への嵌入は円滑化される。また、排気パイプの下流端をサイレンサの前端に接続する際に、排気パイプの下流端側部分をリヤサスペンションを迂回させてサイレンサの直前位置で該サイレンサに向けて屈曲させるようにする場合に比べ、排気パイプの取り回しが容易になる。よって、リヤオーバハングの短寸化への対応は容易化される。
【0013】
請求項3の発明では、上記請求項1又は2の発明において、排気パイプが2本である場合に、それら各排気パイプに接続された各々のサイレンサを、車両両側に互いに略平行な状態で対向して配置する。そして、上記両サイレンサ間に、車両のリヤフロア部を配置するようにする。
【0014】
上記の構成において、車両のリヤフロア部は、車両両側に位置する両サイレンサ間に配置されることで、それらサイレンサを介在させることなく車両接地面に対面できるようになる。よって、上記サイレンサが介在しない分だけリヤフロア部の高さ位置を下げることができる。したがって、上記リヤフロア部がトランクルームフロアである場合には、トランクルームを深底にしてその大容量化が図れる。
【0015】
請求項4の発明では、上記請求項1〜3の発明において、車両のリヤフロア部の下面を、後方に向かって斜め上方に傾斜させてリヤバンパの下辺部に滑らかに接続する状態に設けるようにする。その上で、上記リヤフロア部の下方に、該リヤフロア部の下面に沿って流れる車両走行風を受けて下向きの押付力を発生するウイング部材を車幅方向に延びるように設けることとする。
【0016】
上記の構成において、車両走行風は、両リヤサスペンション間を通過した後、車両リヤフロア部の下面に沿って流れる。このとき、ウイング部材は、上記車両走行風を受けることで下向きの押付力を発生する。これにより、後輪の接地力が増加し、操縦安定性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図2及び図3は、本発明の実施例に係る自動車の後部構造の全体構成を示しており、この自動車は、車両のフロント側(図2の上側及び図3の左側)に搭載された図外のエンジンで後輪8,8を駆動するようになされている。
【0019】
上記自動車は、各々、車両前後方向(図2の上下方向及び図3の左右方向)に延びる両側1対のサイドフレーム1,1を備えていて、各々、上記両サイドフレーム1,1間のリヤ側(図2の下側及び図3の右側)に車幅方向(図2の左右方向)に延びるように設けられた2本のリヤクロスメンバ2,3が車両前後方向にずれて配置されている。そして、これらサイドフレーム1,1及びリヤクロスメンバ2,3により矩形枠状に形成された部分の下面に、リヤ側のサスペンション取付部材4が配置固定されている。尚、上記サスペンション取付部材4の上面側には、自動車用燃料を収容するための燃料タンクTが配置されている。
【0020】
上記サスペンション取付部材4の車幅方向両側には、各々、ロアアーム6及びアッパアーム7を有してなるダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンション5が取り付けられている。ロアアーム6及びアッパアーム7は、各々、2箇所の枢支部6a,6a,7a,7aにおいて略車両前後方向に延びる軸心回りに揺動可能にサスペンション取付部材4により支持されている一方、図示は省略するが、各アーム6,7の揺動端側において各々のボールジョイントを介し車輪支持部材により揺動一体に連結されている。このロアアーム6と上記サイドフレーム1との間には、圧縮コイルばね9aと一体にユニット化されたダンパ9が介装されている。ここでは、上記ダンパ9は、後述するドライブシャフトの後方に配置されている。また、上記車輪支持部材には、後輪8が図外のホイールベアリングを介して回転可能に取り付けられている。
【0021】
上記両サイドフレーム1,1の間には、センタフレーム10が車両前後方向に延びるように設けられており、そのセンタフレーム10の下方には、図示は省略するが、上記エンジンにトランスミッションを介して駆動連結されたプロペラシャフトが配置されている。そして、このプロペラシャフトの後端は、上記サスペンション取付部材4に支持固定された終減速部11に連結されている。この終減速部11は差動装置を内蔵していて、各々、ドライブシャフト12,12を介して各後輪8を回転駆動するようになされている。
【0022】
また、上記プロペラシャフトの下方には、各々、上記エンジンの排気ポートに連通して排気ガスを外部に排出するための2本の排気パイプ13,13が車幅方向に隣接した状態で車両前後方向に延びるように配置されている。各排気パイプ13の下流側部分は、終減速部11の直前位置で屈曲して両側方に互いに離間するように斜め後方に向かって延びた後、各々、リヤサスペンション5のロアアーム6及びアッパアーム7間を経由するように取り回された後に後方に向かって延びるように設けられている。具体的には、リヤサスペンション5のロアアーム6の下方位置で再び屈曲し、そのロアアーム6の両枢支部6a,6a間を通過するように斜め上方に向かって延び、ロアアーム6及びアッパアーム7の上下略中間位置でさらに屈曲するように取り回されており、その後、後方に向かってストレートに延びている。そして、上記各排気パイプ13の下流端には、各々、サイレンサ14が接続されている。
【0023】
上記各サイレンサ14は、車両両側に対称な状態に配置されていて、図1に車両右側のサイレンサ14の場合について示すように、リヤサスペンション5のロアアーム6、アッパアーム7、サスペンション取付部材4及び後輪8の4つの部材により区画形成された前方空間Sに嵌入可能な大きさの円柱形状をなしかつ車両前後方向に延びるように設けられている。そして、上下方向においては上記ロアアーム6及びアッパアーム7間に、また車幅方向ではサスペンション取付部材4及び後輪8間にそれぞれ位置するように配置されている。各サイレンサ14の後端には排気パイプエンド14aが後方に向かって突出するように接続されている。尚、車両左側のサイレンサ14の場合は、車幅方向の位置及び形状が逆である他は上記と同じであるので、その説明は省略する。
【0024】
上記両サイレンサ14,14間には、車両リヤフロア部としてのトランクルーム15のフロア15aが凹陥した状態で配置されている。また、このトランクルーム15と各サイレンサ14との間には、図示は省略するが、サイレンサ14からの放熱を遮るインシュレータが垂設されている。
【0025】
上記トランクルームフロア15aの下面は、図4に示すように、後方に向かって斜め上方に傾斜してリヤバンパ16の下辺部に滑らかに接続する状態に設けられており、このトランクルームフロア15aの下方には、各々、該フロア15aの下面に沿って流れる車両走行風を受けて下向きの押付力を発生する前後2つのウイング部材としてのリヤフロアウイング17及びリヤアンダウイング18が車幅方向に延びるように設けられていおり、これらウイング17,18は、その両端において上記インシュレータに支持されている。すなわち、前側にはリヤフロアウイング17が、また後側には、上記リヤフロアウイング17よりも前後長の長いリヤアンダウイング18がそれぞれ車両前後方向に間隔をおいて、かつ何れも負圧面を下向きにした状態で配置されている。また、両ウイング17,18は共に上記フロア15aの下面に対し略平行に配置されてるが、車両走行風に対しては互いにオフセットされている。すなわち、リヤフロアウイング17はフロア15aに近い位置に、またリヤアンダウイング18は離れた位置にそれぞれ配置されている。そして、上記両ウイング17,18間の隙間から下向きに突出する状態でタイダウンフック19が垂設されていて、その上端はサイドフレーム1に固定されている。
【0026】
上記トランクルーム15内のフロア15a上には、その上面に略沿って傾斜しかつトランクルーム15の前壁部分15bに略接した状態のスペアタイヤ20が配置されている。すなわち、自動車の後面衝突時にスペアタイヤ20の後側部分が前方に向けて押動されたときには、図4に仮想線で示すように、このスペアタイヤ20を起立させるようにしており、このことで、後面衝突時に上記スペアタイヤ20によって車両後部のクラッシュが妨げられないようになされている。そして、上記スペアタイヤ20は、コラプス機能を持つブラケット21によりフロア15a上に保持されている。
【0027】
つまり、上記ブラケット21は、通常時には十分な保持剛性でスペアタイヤ20を保持する一方、後面衝突時にはスペアタイヤ20の上記起立動作に追従して伸長可能なように収縮状態に屈曲形成されてなっている。具体的には、上記ブラケット21は、短冊状の金属板がその長手方向の複数箇所で屈曲形成されることでなっていて、その長手方向の両端部が車両前後方向にずれた状態で該両端部においてフロア15aに止着されている。そして、長手方向の中央よりも少し前側の位置に取付ねじ22用の挿通孔が設けられていてその下面には該取付ねじ22の螺着可能なナット21aが溶着されている。一方、上記ナット21aの前側部分21b及び後側部分21cは、各々、途中の複数箇所で折れ曲げられている。これらにより、上記スペアタイヤ20が後面衝突時に起立するときに、図4に仮想線で示すように、ブラケット21の前側部分21b及び後側部分21cがそれぞれ略真っ直ぐな状態に伸長するようになされている。尚、本実施例のように、燃料タンクTがトランクルーム15内のスペアタイヤ20よりも上方の位置に配置されていて、スペアタイヤ20の前方に燃料タンクが配置されていない場合には、トランクルーム15の前壁部分15bを、例えば強度の低い材料で形成しておき、その前壁部分15bを自動車の後面衝突時にスペアタイヤ20が突き破って前方移動できるようにしてもよい。
【0028】
さらに、図5に示すように、上記トランクルーム15を開閉可能に覆うトランクリッド23の後端面中央には、リヤバンパ16の上方に配置されたライセンスプレート24を照らすための1本のライセンスランプ25が配置されている。これは、上記ライセンスプレート24をその両側から照明しようとする場合と違ってライセンスランプ25が1本で済むことと、リヤバンパ16の上面から照明しようとする場合と違ってライセンスランプ25の設置箇所が目立ち難く、見栄えがよくなるからである。
【0029】
つまり、上記ライセンスプレート24は、その上辺部が車両前後方向前側に傾倒した状態に配置されている一方、トランクリッド23の後端面は、車両前後方向前方に向かって斜め下方に傾斜していてライセンスプレート24の全面を上方から見渡せるようになっている。そして、上記トランクリッド23の後端面中央は開口されていて、その開口内に、上記ライセンスランプ25を脱着可能に保持するランプホルダ26が設けられている。尚、同図において、27は上記ランプホルダ26を車両前後方向後方から覆う透明樹脂製のリヤフィニッシャ、28はそのリヤフィニッシャ27をトランクリッド23側及びトランクリッドレインホースメント29側にそれぞれ止着するねじである。また、上記ライセンスランプ25は後方に位置するほどライセンスプレート24に対する照明角度を大きくとれるようになるので、トランクリッドの後端にリヤスポイラ等の延設物が設けられる場合には、その延設物に設けるようにしてもよい。さらに、トランクリッド23の後端部を該トランクリッド23とは別体の比較的ソフトな材質のもので構成するようにしてもよい。
【0030】
したがって、本実施例によれば、ダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションを備えた自動車の後部構造において、その後面衝突時に車両後部がクラッシュしてサイレンサ14,14が後方から押されて前方に移動しようとするときに、図3に仮想線で示すように、各サイレンサ14をリヤサスペンション5のロアアーム6、アッパアーム7、サスペンション取付部材4及び後輪8の4つの部材により区画形成される前方空間Sに嵌入させることができるので、その嵌入する分だけサイレンサ14を前方移動させることができる。よって、車両のリヤオーバハングが短い場合でも、上記クラッシュがサイレンサ14に妨げられる程度を小さくすることができ、車両後部のクラッシュ特性を向上させることができる。
【0031】
その際に、上記サイレンサ14の前方移動に伴い、排気パイプ13の下流端側部分を、リヤサスペンション5のロアアーム6及びアッパアーム7間を車両フロント側に移動する状態に変形させることができ、このことでサイレンサ14を前方空間S内に導いて前方空間Sへの嵌入を円滑に行わせることができる。また、上記排気パイプ13の下流端をサイレンサ14の前端に接続する際に、例えば排気パイプの下流端側部分をリヤサスペンションを迂回させてサイレンサの直前位置で該サイレンサに向けて屈曲させるようにする場合に比べ、排気パイプ13の取り回しが容易であり、したがって、リヤオーバハングの短寸化にも容易に対応することができる。
【0032】
また、上記トランクルーム15のフロア15aを上記両サイレンサ14,14間に配置するようにしているので、そのフロア15aの高さ位置をサイレンサ14,14に邪魔されずに下げることができ、よって、車両のリヤオーバハングが短い場合でも、トランクルーム15を深底にしてその大容量化を図ることができる。
【0033】
一方、上記トランクルーム15のフロア15aを、後方に向かって斜め上方に傾斜させ、そのフロア15aの下方にウイング17,18を配置しているので、自動車の走行に伴ってフロア15a下面に沿って流れる走行風によりダウンフォースを得ることができる。その際に、2枚のウイング17,18を前後に間隔をおいてかつ走行風に対し互いにオフセットさせて配置しているので、上記ダウンフォースを効率よく得ることができる。これらにより、後輪8,8の接地力を効率よく増加させて操縦安定性の向上を図ることができる。
【0034】
尚、上記実施例では、リヤサスペンション5のダンパ9をドライブシャフト12の車両前後方向後側に配置しているが、ドライブシャフト12の車両前側に配置するようにしてもよい。この場合には、自動車の後面衝突時にサイレンサ14を上記ドライブシャフト12に当接する位置まで前方移動させることができるようになる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、各々、サスペンション取付部材に枢着されたロアアーム及びアッパアームを介して後輪を支持するダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションが備えられた自動車の後部構造において、下流端が車両前後方向における上記サスペンションの後方に位置するように配置された少なくとも1本の排気パイプと、この排気パイプの下流端に接続され、上記サスペンションの後方において車両前後方向に延びるように設けられたサイレンサとを備えるようにし、その上で、上記サイレンサを、リヤサスペンションのロアアーム、アッパアーム、サスペンション取付部材及び後輪の4つの部材により上下方向及び車幅方向において区画形成された前方空間に該サイレンサの略全体が車両後面視において重なる位置に配置し、かつ自動車の後面衝突時に上記前方空間に嵌入可能に設けることとしたので、自動車の後面衝突時に上記サイレンサを前方空間に嵌入させてその前方移動量を大きくすることができ、よって、車両のリヤオーバハングが短い場合でも、上記クラッシュがサイレンサに妨げられる程度を小さく抑えて車両後部のクラッシュ特性を向上させることができる。
【0036】
請求項2の発明によれば、上記排気パイプの下流端側部分を、リヤサスペンションのロアアーム及びアッパアーム間を経由するように取り回された後に後方に向かって延びるように設けることとしたので、自動車の後面衝突時にサイレンサを前方空間に円滑に嵌入させることができるのみならず、車両のオーバハングが短い場合でも、上記排気パイプの取回しを容易化することができる。
【0037】
請求項3の発明によれば、上記排気パイプが2本である場合に、上記各排気パイプを、各々のリヤサスペンションのロアアーム及びアッパアーム間を通って車両前後方向に延びるように配置し、それら両排気パイプのサイレンサ間に、車両のリヤフロア部を配置するようにしたので、上記リヤフロア部の高さ位置をサイレンサに邪魔されることなく下げることができる。この結果、上記リヤフロア部がトランクルームフロアである場合には、車両のオーバハングが短くてもトランクルームを深底にしてその大容量化を図ることができる。
【0038】
請求項4の発明によれば、上記車両のリヤフロア部の下面を、後方に向かって斜め上方に傾斜させてリヤバンパの下辺部に滑らかに接続する状態に設け、その上で、上記リヤフロア部の下方に、該リヤフロア部の下面に沿って流れる車両走行風を受けて下向きの押付力を発生するウイング部材を設けるようにしたので、後輪の接地力を増加させて操縦安定性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動車の後部構造における車両右側のサイレンサの配置及び形状を車両リヤ側から示す正面図である。
【図2】 後部構造を示す平面図である。
【図3】 後部構造を示す側面図である。
【図4】 図2のIV−IV線断面図である。
【図5】 自動車の後端部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
4 サスペンション取付部材
5 リヤサスペンション
6 ロアアーム
7 アッパアーム
8 後輪
13 排気パイプ
14 サイレンサ
15a トランクルームフロア(車両リヤフロア部)
16 リヤバンパ
17 リヤフロアウイング(ウイング部材)
18 リヤアンダウイング(ウイング部材)
S 前方空間
Claims (4)
- 各々、サスペンション取付部材に枢着されたロアアーム及びアッパアームを介して後輪を支持するダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションが備えられた自動車の後部構造であって、
下流端が車両前後方向における上記サスペンションの後方に位置するように配置された少なくとも1本の排気パイプと、
上記排気パイプの下流端に接続され、上記サスペンションの後方において車両前後方向に延びるように設けられたサイレンサとを備え、
上記サイレンサは、リヤサスペンションのロアアーム、アッパアーム、サスペンション取付部材及び後輪の4つの部材により上下方向及び車幅方向において区画形成された前方空間に該サイレンサの略全体が車両後面視において重なる位置に配置され、かつ自動車の後面衝突時に上記前方空間に嵌入可能に設けられている
ことを特徴とする自動車の後部構造。 - 請求項1記載の自動車の後部構造において、
排気パイプの下流端側部分は、リヤサスペンションのロアアーム及びアッパアーム間を経由するように取り回された後に後方に向かって延びるように設けられている
ことを特徴とする自動車の後部構造。 - 請求項1又は2記載の自動車の後部構造において、
排気パイプは2本とされ、
上記各排気パイプに接続された各々のサイレンサは、車両両側に互いに略平行な状態で対向して配置され、
上記両サイレンサ間に、車両のリヤフロア部が配置されている
ことを特徴とする自動車の後部構造。 - 請求項1,2又は3記載の自動車の後部構造において、
車両のリヤフロア部の下面は、後方に向かって斜め上方に傾斜してリヤバンパの下辺部に滑らかに接続する状態に設けられ、
上記リヤフロア部の下方に、該リヤフロア部の下面に沿って流れる車両走行風を受けて下向きの押付力を発生するウイング部材が車幅方向に延びるように設けられている
ことを特徴とする自動車の後部構造。
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