WO2005032881A1 - 車両シート - Google Patents

Abstract

　本車両シートは、車体に取付けられるベースフレーム（１４）と、前記ベースフレームに前側取付軸（１６）により回転自在に取付けられた板状の可動プレート（１３）と、前記ベースフレームと前記可動プレートとの間に設けられた緩衝機構（１８）とを有する。前記緩衝機構は、前記可動プレートに連結される上部コネクター（２１）と前記ベースフレームに連結される下部コネクター（２４）とを有し、前記上部コネクターと前記下部コネクターとは、前記上部コネクターと前記下部コネクターとの相対移動に対して抵抗を付与する粘性体ダンパー（３２）と、前記上部コネクターから前記下部コネクターに作用する荷重を支受するバネ（３３）とにより連結する。

Description

明 細 書

車两シート

技術分野

[0001] 本発明は、車両シートに関するものである。

背景技術

[0002] 従来の典型的な車両シートは、シートボトムとシートバックとを有し、シートボトム及 びシートバックにはクッション手段が取付けられている。前記クッション手段は、ウレタ ン等の弾性体と、ジグザグパネとから構成され、利用者の体重を弾力的に快適に支 える機能と、車両走行時の振動を吸収する機能とを果たして 、る。

[0003] また、車両走行時の振動をより効率よく吸収するために、シートボトムとシートボトム を支えるベースフレームとの間に、ダンパーを設けた車両シートも提案されている（特 開平 10— 129322号公報参照）。

特許文献 1：特開平 10— 129322号公報

発明の開示

[0004] 従来では、大きな荷重は、シートボトムに設けられるジグザグパネにより主に吸収さ れ、走行中の振動は主に弾性体で吸収されていた。このため、従来のクッション手段 は、ジグザグパネと厚い弾性体の双方を必要としていた。また、ジグザグパネが大き な荷重を吸収するときは、大きく橈むから、シートボトムにはジグザグパネが動くのに 十分なスペースを確保する必要があった。このため、従来のシートボトムは上下の厚 さがとても厚くなつていた。

[0005] また、ダンパーを用いた車両シートでは、ダンパーを取付けるための機構が複雑で 、より一層シートボトムの厚さが増している。

[0006] よって、本発明の目的は、車両走行時の振動を吸収する機能を損なうことなぐシ ートボトムの厚さを薄くした車両シートを提供することにある。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]本発明による車両シートの一部縦断側面図。

[図 2]本発明の緩衝機構の側面図。 [図 3]前記緩衝機構の拡大断面図。

[図 4]前記緩衝機構の粘性体ダンパーの減衰特性と、ウレタンカゝらなる従来の弾性体 の減衰特性を示すグラフ図。

[図 5]本発明による車両シートの一部縦断側面図であり、可動プレートには薄い弾性 体が取付けてある。

発明を実施するための最良の形態

[0008] 本発明の一実施例を図面を参照して説明する。本発明の車両シート 10は、シート ボトム 11と、シートバック 12とを有する。シートボトム 11は、板状の可動プレート 13と 車体に取付けられるベースフレーム 14とを有する。ベースフレーム 14は、好適には、 車体にスライド自在に取付けられる。可動プレート 13の前側取付部 15は、取付軸 16 に回転自在に支持され、取付軸 16はベースフレーム 14の前側立上ブラケット 17に 取付けられる。可動プレート 13は、取付軸 16を中心に揺動自在である。

[0009] 前記可動プレート 13と前記ベースフレーム 14との間には、緩衝機構 18が設けられ る。緩衝機構 18は、可動プレート 13の後側下面に形成した後側取付部 19に軸 20で 軸止される上部コネクター 21と、ベースフレーム 14の上面に形成した立上ブラケット 22に軸 23で軸止される下部コネクター 24とを有する。立上ブラケット 22は後側取付 部 19より前方に位置させ、緩衝機構 18の長さ方向を、可動プレート 13の後部の移 動軌跡にできるだけ一致させる。

[0010] 前記上部コネクター 21は、下部コネクター 24に向けて伸びるロッド 25を有し、ロッド 25は下部コネクター 24のスリーブ 26に挿入され、ロッド 25の先端には大径ストッパ 2 7が取付けられる。スリーブ 26の先端には、スリーブ 26の内径より若干大きな内径を 有する筒部材 28を連結し、スリーブ 26とロッド 25との間にシリンダ室 29を形成する。 筒部材 28の端部には栓 30を取付ける。シリンダ室 29には粘性流体または粘性弾性 体等力もなる粘性体 Dが封入される。 31はシール部材である。前記上部コネクター 2 1のロッド 25と、下部コネクター 24の筒部材 28と、粘性体 Dとにより粘性体ダンパー 3 2が構成される。

[0011] 前記緩衝機構 18は、上部コネクター 21と下部コネクター 24との間に設けられたバ ネ 33を有する。パネ 33は粘性体ダンパー 32の外周に配置される。パネ 33は可動プ レート 13に加わる荷重を弾力的に支持する。

[0012] 前記粘性体ダンパー 32は、可動プレート 13に加わる荷重によりロッド 25がシリンダ 室 29内を移動するとき、シリンダ室 29内の粘性体 Dとロッド 25との接触抵抗により振 動を減衰させる。粘性体 Dの粘度は、ロッド 25の移動速度が速いと高くなり、移動速 度が遅いと低くなる。つまり、ロッド 25の移動速度が速いときは、接触抵抗が大きくな つて、粘性体ダンパー 32の減衰力も大きくなり、ロッド 25の移動速度が遅いとは、接 触抵抗が小さくなつて、粘性体ダンパー 32の減衰力も小さくなる。従って、可動プレ ート 13に加わる大きな荷重によりパネ 33が大きく圧縮されたときは、粘性体ダンパー 32は、大きな抵抗でロッド 25の移動速度を減衰させ、可動プレート 13に加わる小さ な荷重によりパネ 33が僅かに圧縮されたときは、小さな抵抗でロッド 25の移動速度を 減衰させ、もって、可動プレート 13の上下振動を円滑に収束させる。

[0013] 緩衝機構 18は、好適には、可動プレート 13の左右両側にそれぞれ設けられる。

[0014] 図 4は、前記粘性体ダンパー 32の減衰特性 Aと、シートボトムに取付けられる従来 の発泡ウレタン等の弾性体の減衰特性 Bと示している。これからも良く理解できるよう に、粘性体ダンパー 32は従来の弾性体と略同等の減衰特性を有している。このため 、板状の可動プレート 13には、衝撃荷重を吸収するための厚い弾性体は不要となり 、図 5のように、必要により、可動プレート 13に薄い弾性体 04を取付けるだけで十分と なる。本発明では、緩衝機構 18の機能により薄い弾性体 34でも利用者に十分な快 適性を提供できる。 35は弾性体 34のカバーシートである。

[0015] 従来では、大きな荷重は、シートボトムに設けられるジグザグパネにより主に吸収さ れ、走行中の振動は主に弾性体で吸収されていた。このため、従来のクッション手段 は、ジグザグパネと厚い弾性体の双方を必要としていた。また、ジグザグパネが大き な荷重を吸収するときは、大きく橈むから、シートボトムにはジグザグパネが動くのに 十分なスペースを確保する必要があった。このため、従来のシートボトムはとても厚く なっていた。

[0016] しかし、本発明では、大きな荷重は、主にパネ 33で吸収され、走行中の振動は主 に粘性体ダンパー 32で吸収されるので、可動プレート 13にジグザグパネる取付ける 必要はなぐまた、可動プレート 13に設けるウレタン等の弾性体は薄くでき、場合によ つては、ジグザグパネと共に省略することも可能となる。従って、シートボトムの厚さは とても薄くなり、また、シートボトムの構成は簡素化される。

Claims

請求の範囲

[1] 車体に取付けられるベースフレームと、前記ベースフレームの前側ブラケットに前側 取付軸により回転自在に取付けられその後側が前記前側取付軸を中心に上下に回 動する板状の可動プレートと、前記ベースフレームと前記可動プレートとの間に設け られた緩衝機構とからなり、前記緩衝機構は、前記可動プレートに連結される上部コ ネクターと前記ベースフレームに連結される下部コネクターとを有し、前記上部コネク ターと前記下部コネクターとは、前記上部コネクターと前記下部コネクターとの相対移 動に対して抵抗を付与する粘性体ダンパーと、前記上部コネクターから前記下部コ ネクターに作用する荷重を支受するパネとにより連結した車両シート。

[2] 請求項 1にお 、て、前記可動プレートにはジグザグパネを介さずに薄 ヽ弾性体を取 付けた車両シート。

[3] 請求項 1にお 、て、前記可動プレートの上部にはジグザグパネ及び弾性体を設けな い車両シート。