JPS5925705Y2 - 作業車輌用のシ−ト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラクター コンバイン等の作業車輌用のシ
ートに関する。

一般に、この種車輌用のシートは、プラスチック等によ
り形成され、屋根のないむき出しの状態に配設されてい
る。

このため、座席面が雨或いは露により濡れたり、又は直
射日光により加熱され、運転者がすぐに座れない場合が
あった。

これを避けるため、非使用時にはシートを倒立状態に保
持し得るようにした装置が提案されているが、該従来装
置はクッション機能が阻害されたり、或いは複雑なリン
ク機構を必要とするので、高価になったり、耐久性が低
下する等の欠点を有していた。

そこで、本考案は、シートを機体に設けたブラケットに
回動自在に支持すると共に、該シートとブラケットとの
間に圧縮及び引張り方向に自在に伸縮し得るコイルスプ
リングよりなる緩衝装置を介在し、更にシートに荷重が
作用した場合はコイルスプリングが圧縮して吸収し、ま
たシートを倒立する場合はコイルスプリングが引張られ
、トラブル作用により倒立方向に付勢するように、シー
トの回動点及び緩衝装置の回動点を設定し、もってコイ
ルスプリングのみでクッション機能及び倒立位置保持機
能を作用させることにより、前述欠点を解消した作業車
輌用のシート装置を提供することを目的とするもので゛
ある。

以下、図面に示す実施例に基づき、本考案を具体的に説
明する。

トラクター１は、第１図に示すように、前輪２及び後輪
３により支持されている機体５を有しており、機体５の
前部にはエンジン６が搭載され、また機体５の後部には
ハンドル７及びシート８等よりなる運転席１０が配設さ
れている。

シート８は、第２図及び第３図に示すように、プラスチ
ックにより形成されており、その下面の前部及び後部に
はそれぞれ左右のラグｇａ、８ａ及び８ｂ。

８ｂが設けられている。

前部ラグ８ａは機体５に固定されているブラケット１１
にピン１２を介して枢着されており、従ってシート８は
ピン１２を中心に回動自在に支持されている。

また、後部ラグ８ｂとブラケット１１との間には緩衝装
置１３がピン１５．１６を介して介在しており、緩衝装
置１３は第４図に示すように、前部保持器１７及び後部
保持器１８並びに両保持器の螺旋溝形成部１７ａ、１８
ａに螺合されている伸縮自在のコイルスプリング２０よ
りなる。

なお、第２図中ｒはピン１２を中心とした後部ラグ８ｂ
と緩衝装置１３との連結ピン１５が描く軌跡ａの回動半
径、即ちシート８を回動する際の回動半径であり、Ｒは
ブラケット１１と緩衝装置１３との連結ピン１６を中心
とした緩衝装置１３の他端の点１５が描く軌跡すの回動
半径、即ち圧縮及び引張り方向に自在に伸縮し得るコイ
ルスプリング２０を自由長とした状態の緩衝装置１３の
回動半径であり、従って通常シート８は両軌跡ａ、
ｌ）の一致した点Ｏに安定している。

本考案は以上のような構成を有するので、トラクター１
を使用する場合は、シート８を第１図及び第２図実線で
示すように、コイルスプリング２０が自由長になってい
る安定位置Ｏに保持する。

この状態で、シート８に運転者が座わると、シート８は
ピン１２を中心に矢印Ｂ方向に回動し、両軌跡ａ、
ｌ）の差１だけコイルスプリング２０は圧縮され、この
圧縮による緩衝装置１３の弾発力と運転者による重力が
バランスした点でシート８は保持される。

従って、使用時にはシート８は緩衝装置１３によりクッ
ション状態で用いられる。

次に、トラクタ一作業が終了し、トラクターを非使用状
態に保持する場合、シート８の背もたれ上端を持ち、矢
印Ａ方向に回動する。

この際、両軌跡ａ、ｌ）の差Ｓにより緩衝装置１３のコ
イルスプリング２０が序々に引張られ、ピン１２．１６
の延長線Ｘ−Ｘで該スプリング２０の引張力は最大とな
り、即ち思案点となり、その後引張力は序々に減少する
が、その付勢方向はシート８を矢印Ａ方向に倒す方向に
作用する。

これにより、シート８をその背もたれ部がハンドル７に
当接するまで倒すと、その位置でスプリング２０の引張
力によりシート８は安定保持される。

以上説明したように、本考案によれば、コイルスプリン
グ２０でシート８のクッション機能を行わせると同時に
、シートの倒立時には該コイルスプリング２０のみで倒
立位置に保持させることができるので、複雑なリンク機
構を何等必要とせず、構造簡単で長期に亘り使用できる
と共に、良好なりッション機能をも得ることができる。

また、シート８及び緩衝装置１３を同じ機体側ブラケッ
ト１１で支持しているので、該ブラケット１１を移動可
能にすることにより、シート８をその緩衝装置と共に一
体に前後位置に変更し得、上述クッション機能及び倒立
位置保持機能を備えたままで適正な位置にシート８を位
置調整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されているトラクターを示す側面
図、第２図は本考案によるシートの側面図、第３図はそ
の正面図、第４図は緩衝装置を示す一部断面した側面図
である。 １・・・・・・作業車輛（トラクター）、８・・・・・
・シート、１１・・・・・・ブラケット、１２・・・・
・・シートの回動点、１３・・・・・・緩衝装置、１６
・・・・・・緩衝装置の回動点、２０・・・・・・コイ
ルスプリング。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）シートを倒立状態に保持し得るようにした作業車
   輌において、該シートの前部を機体に設けたブラケット
   に回動自在に支持すると共に、該シートの後部とブラケ
   ットの間に圧縮及び引張り方向に自在に伸縮し得るコイ
   ルスプリングよりなる緩衝装置を介在し、更にシートに
   作業者が座って下方向への荷重が作用した場合はコイル
   スプリングが圧縮して吸収し、またシートを前方に倒立
   する場合はコイルスプリングが引っ張られ、思案点を越
   えると倒立方向に付勢するように、シートの回動点及び
   緩衝装置の回動点を設定したシート装置。
2. （２）前記ブラケットを移動可能に設けた実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のシート装置。