JPH04132831U - 自動車用シートの体重調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車用シートに設けて振動を吸収し且つ着座
者の体重に応じてクッション性を調節し得るコイルバネ
を巻装した油圧ダンパ製の体重調節装置において、コイ
ルバネの弾力を着座者の体重に応じて適正に調節し得る
ようにすることである。 【構成】コイルバネ（Ｂ）の弾力を調整するカム（４）
に、目盛（Ｂ）付きのアジャスタプレート（４２）を設
け、カム（４）に設けたウォームホイール（４１）を回
動させるためのウォーム（５１）を被覆するダストカバ
ー（５２）に、インヂケータ（Ａ）を設けて、コイルバ
ネの弾力を数値で特定できるようしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、トラック等のシート（座席）に備える緩衝用の油圧ダンパー、詳し くは、油圧ダンパーに圧縮コイルバネを巻装し、この圧縮コイルバネの弾力を強 弱調節することにより、着座者の体重に応じてクッション性を調節する自動車用 シートの体重調節装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の体重調節装置は、シートのアッパーフレームとロアフレームと に渉って設ける油圧油圧ダンパーに、圧縮コイルバネを巻装し、この圧縮コイル バネの弾力を調節するウォームホイール付の筒状カムを油圧ダンパーの周方向に 回動自在に嵌挿すると共に、該カムが当接するストッパを油圧ダンパー側に固定 し、前記ウォームホイールに噛合するウォームを一体に有する操作ハンドルを、 前記カムによって上下方向に可動する可動環に設けてなる構造である。 従って、操作ハンドルを回動操作すると、ウォームによってウォームホイール と一体のカムが油圧ダンパーの周方向に回動して、圧縮コイルバネの弾力が強弱 調節されるので、着座者の体重に応じてクッション性が調節される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、斯かる従来品は、着座者が着座した状態で、前記圧縮コイルバネの弾 力を調節している。即ち、シートクッションの下方に配設した操作ハンドルを前 屈みの状態で操作して、圧縮コイルバネの弾力を調節するため、着座者の体重が 自動車の運転状態の体重と異なる。そのため、運転状態、或いは着座状態の体重 が圧縮コイルバネに作用しないので、圧縮コイルバネの弾力を適正に調節できな い欠陥があった。 そこで、本考案は斯様な従来品の不具合を除去することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 以上の目的を達成するための本考案に係る自動車用シートの体重調節装置は、 前記従来品におけるカムの外周に、目盛付のアジャスタプレートを設け、前記ウ ォーム、ウォームホイールを被覆するダストカバーに、インジケータを設けて、 圧縮コイルバネの弾力による体重調節量を数値等で表示してなるものである。

【０００５】 シートに着座する前に、アジャスタプレートに表示した目盛（例えば、体重を 表示した目盛）になるように、操作ハンドルの回動操作によってカムを回動して 圧縮コイルバネの弾力を調節する。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案に係る自動車用シートの体重調節装置を示し、図中（１）は油 圧ダンパーを構成するシリンダー、（２）は同ピストンロッドを示し、このピス トンロッド（２）とシリンダー（１）の上部の外周には圧縮コイルバネ（３）が 巻装され、この圧縮コイルバネ（３）の上端はピストンロッド（２）の上端部に 固定した上止環（１２）に、また下端は、シリンダー（１）に上下方向に摺動自 在に嵌挿する下止環（５２）に、夫々係止している。 そして、下止環（５２）の下には、筒状カム（４）がシリンダー（１）の周方 向に回動自在に嵌挿され、該カム（４）の下端外周縁が、シリンダー（１）に固 定したストッパ（１１）に突き当たっている。 また、前記カム（４）にはウォームホイール（４１）が一体に設けてあり、こ のウォームホイール（４１）が噛合するウォーム（５１）が、前記下止環（５２ ）側に取付けてある。このウォーム（５１）は、図２に示す操作ハンドル（５０ ）との操作軸の延長上に設けてある。

【０００７】 以上のウォーム（５１）及びウォームホイール（４１）は、ダストカバー（５ ３）によって被覆され、このダストカバー（５３）の適宜個所に、矢印のインジ ケータ（Ａ）が下向きに設けてある。 一方、ダストカバー（５３）の下方に位置する前記カム（４４）の外周には、 体重等の目盛（Ｂ）を表示したアジャスタプレート（４２）がカム（４）と一体 に設けてある。

【０００８】 以上の体重調節装置は、図２に示すように、アッパーフレーム（Ｕ）の前側と 、ロアフレーム（Ｒ）の前側とに渉って、垂直状に配設されている。 以上のアッパーフレーム（Ｕ）には、シートクッション（不図示）を載置固定 し、ロアフレーム（Ｒ）は車床に固定され、アッパーフレーム（Ｕ）とロアフレ ーム（Ｒ）とは、左右一対のＸ字状リンク（Ｌ）（Ｌ）によって連結されている 。 なお、図１において、図中（１３）は油圧ダンパーのアッパーフレーム（Ｕ） に対する取付部、同（１４）は同ロアフレームに対する取付部を夫々示す。

【０００９】 斯くして、操作ハンドル（５０）を回動操作すると、この操作ハンドル（５０ ）と一体のウォーム（５１）が回動して、このウォーム（５１）に噛合するウォ ームホイール（４１）をシリンダー（１）の周方向（図１矢印方向）に回動させ る。このウォームホイール（４１）にはカム（４）が一体に設けてあるため、カ ム（４）が同時に回動して、下止環（５２）を上下に移動させて、圧縮コイルバ ネ（３）の弾力を調節する。その際、カム（４）にはアジャスタプレート（４２ ）が固定されているため、ダストカバー（５３）に対してアジャスタプレート（ ４２）が、シリンダー（１）の周方向に可動する。アジャスタプレート（４２） には、カム（４）によって最大限に圧縮された状態までの目盛（Ｂ）（例えば、 所定体重の着座者が、着座した場合に、適正な圧縮コイルバネの圧縮量）が表示 されている。従って、前記操作ハンドル（５０）による操作は、アジャスタプレ ート（４２）の所定の目盛（Ｂ）が、インジケータ（Ａ）に一致するように行う 。即ち、着座者の体重に応じた位置の目盛（Ｂ）が、インジケータ（Ａ）に一致 するように、操作ハンドル（５０）を操作してカム（４）を回動させる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によれば、ダストカバーにインジケータを設け、カムにアジャスタプレ ートを設けているため、着座者の体重に応じて操作ハンドルを回動操作して圧縮 コイルバネの弾力を数値で特定できるようにしている。そのため、体重調節の操 作を的確且つ迅速に行うことができ、前記従来品の不具合を除去し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置の要部を示す部分断面正面図であ
る。

【図２】本考案装置の斜視図である。

【符号の説明】

１、２ 油圧ダンパー ３ 圧縮コイルバネ ４ カム １１ ストッパ ４１ ウォームホイール ４２ アジャスタプレート ５０ 操作ハンドル ５１ ウォーム ５３ ダストカバー Ａ インジケータ Ｂ 目盛

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項】 シートのアッパーフレームとロアフレーム
   とに渉って設ける油圧ダンパーに、圧縮コイルバネを巻
   装し、この圧縮コイルバネの弾力を調節するウォームホ
   イール付の筒状カムを油圧ダンパーの周方向に回動自在
   に嵌挿すると共に該カムが当接するストッパを油圧ダン
   パー側に固定し、前記ウォームホイールに噛合するウォ
   ームを一体に有する操作ハンドルを前記カムによって上
   下方向に可動する可動環に設けてなる自動車用シートの
   体重調節装置において、前記カムの外周に、目盛付のア
   ジャスタプレートを固定し、前記ウォーム、ウォームホ
   イールを被覆するダストカバーに、インジケータを設け
   て、圧縮コイルバネの弾力による体重調節量を表示して
   なる自動車用シートの体重調節装置。