JP2839316B2 - オイルダンパ - Google Patents

オイルダンパ

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JP2839316B2
JP2839316B2 JP2018198A JP1819890A JP2839316B2 JP 2839316 B2 JP2839316 B2 JP 2839316B2 JP 2018198 A JP2018198 A JP 2018198A JP 1819890 A JP1819890 A JP 1819890A JP 2839316 B2 JP2839316 B2 JP 2839316B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、舟艇のシート等の支持に用いるオイルダン
パの改良に関する。
(従来の技術) 舟艇のシートを支持するシートダンパとして、例えば
作動油を充填したシリンダにピストンロッドを結合した
ピストンを伸縮自由に収装し、シリンダとピストンとを
スプリングにより反発保持するとともに、ピストンの摺
動に伴うシリンダ内部の作動油の流通に抵抗する減衰弁
を備えることで、振動や衝撃を吸収するようにしたオイ
ルダンパが知られている。
(発明の課題) ところで、高速航行時の波浪による突き上げ荷重は自
動車が通常走行中に路面から受ける突き上げ荷重よりは
るかに大きいことが知られている。また、自動車などタ
イヤを備えた乗り物の場合には、タイヤが衝撃を吸収す
るクッションとなるが、舟艇の場合にはこのようなクッ
ションがなく、シートダンパのみで振動や衝撃を吸収し
なけれらない。
したがって、舟艇用のシートダンパにおいては、ピス
トンの底づきや伸び切りを防止するために減衰弁の発生
減衰力を強く設定する必要があるが、その結果小さな振
動の吸収性が損なわれ、好ましい乗り心地が得られにく
いという問題があった。
本発明は、以上の問題点を解決すべく、振動の大きさ
によらず高い振動吸収能力を備えたオイルダンパを提供
することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、作動油を充填したシリンダに中空のピスト
ンロッドに結合したピストンを摺動自由に挿入し、中空
ピストンロッドの内部にフリーピストンを配置してガス
室と油室とを分離し、ガス圧によるバネ特性に基づいて
シリンダに対して中空ピストンロッドに反発方向の付勢
力を付与し、シリンダ外周にはアウターチューブを配設
し、これらシリンダアウターチューブとの間に上部をガ
ス室とした油室を設け、この油室を前記シリンダ内の油
室とシリンダボトム部に設けた外部操作により開閉する
バルブを介して連通したオイルダンパにおいて、前記中
空ピストンロッドの作動変位に伴って中空ピストンロッ
ド内を流通する作動油の通路に減衰弁を介装し、この減
衰弁を前記流れの方向に変位可能に弾性支持するととも
に、減衰弁の一定以上の変位を規制する手段を備えてい
る。
(作用) ピストンが伸縮し、作動油が減衰弁を流通すると、減
衰弁の上下流に生じる圧力差に応じて減衰弁が変位する
ので、ピストンの変位量に対して減衰弁を流通する作動
油の流量が少なく、減衰弁の発生減衰力が小さく抑えら
れる。このため、振幅の小さな振動に対してもシリンダ
とピストンが伸縮し、振動を十分に吸収することができ
る。
一方、振動の振幅が大きくなると減衰弁の変位が規制
手段に規制されるので、ピストンの変位に対して減衰弁
を流通する作動油の流量が増加し、発生減衰力が急増す
る。このため、振幅の大きな振動も確実に減衰すること
ができる。
(実施例) 第1図〜第3図に本発明を船のシートダンパに適用し
た実施例を示す。
第1図において、1はシリンダ、2はシリンダ1に摺
動自由に収装されたピストン、3はピストン2に結合し
てシリンダ1から軸方向に突出する中空のピストンロッ
ドである。
シリンダ1の内側はピストン2により油室4と5に画
成され、油室4と5を常時連通する通孔6がピストンロ
ッド3に形成される。
油室4に臨んでピストンロッド3の内側に減衰弁7が
設けられ、減衰弁7を挟んで油室4と反対側のピストン
ロッド3の内側に油室8が形成される。さらに、ピスト
ンロッド3の内側には油室8とフリーピストン9を介し
て接する、空気を密封した空気室12がシリンダ1とピス
トン2を反発方向へ付勢する弾性手段として形成され
る。
減衰弁7はピストンロッド3の中空部に摺動自由に嵌
合し、油室4側からスプリング13により、油室8側から
スプリング14により相対して各々ピストンロッド3に弾
性支持される。なお、減衰弁7はこれらのスプリング13
と14の最圧縮位置において各方向への変位を規制され
る。
減衰弁7は油室4と8を常時連通するオリフィス15
と、所定の抵抗のもので油室4から油室8へ作動油を流
入させる圧縮側バルブ16と、所定の抵抗のもとで油室8
から油室4へ作動油を流出させる伸張側バルブ17とを備
える。
なお、シリンダ1の外側はアウタチューブ18に覆わ
れ、アウタチューブ18とシリンダ1との環状隙間にはシ
リンダ1内の油量を調整するための油溜室19が設けられ
る。この油溜室19の油面の上方には空気が密封され、外
部からレバー20により開閉操作されるバルブ21を介して
シリンダ1の内側に連通する。
次に作用を説明する。
静止状態においては、空気室12の圧縮空気の圧力がフ
リーピストン9を介して油室8に作用し、さらにオリフ
ィス15と通孔6を介して油室4と5に作用している。こ
のため、ピストン2は油室4と5の受圧面積差により伸
張側へ付勢され、ピストンロッド3に作用する負荷との
つり合い位置に保持される。
この位置からピストンロッド3を介してピストン2に
圧縮方向の力が作用すると、油室4の圧力が上昇し、作
動油が通孔6を介して油室5に、オリフィス15を介して
油室8にそれぞれ流入しようとする。
この結果、オリフィス15の両側に圧力差が生じ、この
圧力差で減衰弁7がスプリング14を撓ませて油室8側へ
と変位し、ピストン2がシリンダ1内を圧縮芳香に摺動
する。油室4はこの減衰弁7の変位分だけ容積を拡大
し、その分オリフィス15の流量が減少するので、オリフ
ィス15において発生する圧縮側の減衰力は小さい。ま
た、伸張側への作動においても同様にしてスプリング13
を撓ませつつ減衰弁7が油室4側へと変位することによ
り、発生減衰力は小さく抑えられる。このため、ピスト
ン2は振幅の小さな振動に対しても相応に伸縮し、振動
を十分に吸収、減衰する。
これに対して、減衰弁7が固定されていると、第3図
に示すようにピストン2と作動速度に対して急激に増加
するオリフィス15の発生減衰力のために、細かい振動は
ほとんど吸収されずにシリンダ1に伝わってしまう。
さて、このシートダンパにおいては、振動の振幅が大
きくなるにつれて減衰弁7の変位も大きくなるが、やが
てスプリング14が最圧縮状態となると、減衰弁7はそれ
以上の変位を規制され、以後のピストン2の圧縮変位に
対してはオリフィス15の流量が急増し、これに伴い発生
減衰力が急激に増大する。そして、これにより油室4と
8の圧力差が設定値を越えると圧縮側バルブ16が開き、
作動油を油室4から油室8へと流入させる。なお、ピス
トン2と圧縮動作とともに、ピストンロッド3の侵入体
積分の作動油を貯留すべくフリーピストン9が空気室12
を圧縮し、これに伴い圧縮空気によるばね荷重も増加す
る。
また、ピストン2の伸張作動時には油室5と8から油
室4に作動油が流入し、減衰弁7が油室4側へ変位する
が、スプリング13が最圧縮状態になると減衰弁7のそれ
以上の変位が規制されるために、減衰弁7は発生減衰力
を急増させる。そして、振幅が更に増加するとやがて伸
張側バルブ17が開き、油室8から油室4へ作動油を流入
させる。
つまり、減衰弁7の変位が規制されることにより、伸
張側、圧縮側とも発生減衰力が大幅に増加して振動を協
力に減衰するので、大きな振動に対してもピストン2が
底づきや伸び切りを起こす恐れはない。
このようにして、大小の振動が効率良く吸収されるの
で、快適な乗り心地が得られる。なお、第2図の実線は
ピストン2に作用する荷重とピストン2のストローク位
置の関係を示し、破線は減衰弁7が固定されている場合
の特性を示す。
(発明の効果) 以上のように、本発明はオイルダンパの作動油通路に
介装する減衰弁の流れの方向に変位可能に弾性支持する
とともに、この減衰弁の一定以上の変位を規制する手段
を備えたため、作動油が減衰弁を流通するのに伴って減
衰弁が変位し、発生減衰力を小さく抑えて振幅の小さな
振動の吸収を助ける一方、減衰弁の変位が規制されると
減衰弁の流量増により発生減衰力が増大し、振幅の大き
な振動を確実に減衰することができる。このため、振幅
の大小を問わず高い振動吸収能力が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示すシートダンパの縦断面
図、第2図は同じくピストンの荷重とストローク位置の
関係を示すグラフ、第3図は同実施例の作用を説明する
ための比較対象として描いた減衰力特性のグラフであ
る。 1……シリンダ、2……ピストン、3……ピストンロッ
ド、4,5,8……油室、7……減衰弁、12……空気室、13,
14……スプリング。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動油を充填したシリンダに中空のピスト
    ンロッドに結合したピストンを摺動自由に挿入し、中空
    ピストンロッドの内部にフリーピストンを配置してガス
    室と油室とを分離し、ガス圧によるバネ特性に基づいて
    シリンダに対して中空ピストンロッドに反発方向の付勢
    力を付与し、シリンダ外周にはアウターチューブを配設
    し、これらシリンダとアウターチューブとの間に上部を
    ガス室とした油室を設け、この油室を前記シリンダ内の
    油室とシリンダボトム部に設けた外部操作により開閉す
    るバルブを介して連通したオイルダンパにおいて、前記
    中空ピストンロッドの作動変位に伴って中空ピストンロ
    ッド内を流通する作動油の通路に減衰弁を介装し、この
    減衰弁を前記流れの方向に変位可能に弾性支持するとと
    もに、減衰弁の一定以上の変位を規制する手段を備えた
    ことを特徴とするオイルダンパ。
JP2018198A 1989-08-22 1990-01-29 オイルダンパ Expired - Lifetime JP2839316B2 (ja)

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US07/571,176 US5133529A (en) 1989-08-22 1990-08-21 Seat damper

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