JP3357993B2 - 車両用油圧緩衝器の減衰力発生装置 - Google Patents

車両用油圧緩衝器の減衰力発生装置

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JP3357993B2 JP26953492A JP26953492A JP3357993B2 JP 3357993 B2 JP3357993 B2 JP 3357993B2 JP 26953492 A JP26953492 A JP 26953492A JP 26953492 A JP26953492 A JP 26953492A JP 3357993 B2 JP3357993 B2 JP 3357993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、自動二輪車や自動車
等の走行車両における懸架装置に使用される油圧緩衝器
の減衰力発生装置に関する。
【0001】
【従来の技術】図は、従来から、自動二輪車の前輪懸
架装置として一般に使用されているフロントフォークの
減衰力発生部分の一例を示すもので、当該フロントフォ
ークは、車体側に連結するアウターチューブ20を案内
として前輪を支架するインナチューブ21が抜差し自在
に挿入されている。
【0002】インナチューブ21の下底からは上方へと
向かってシリンダ22が起立しており、シリンダ22の
上端を密封するシールキャップ23とアウタチューブ2
0の上端(この部分は図示せず)との間に懸架用のコイ
ルスプリング24が介装されていて、このコイルスプリ
ング24の復元力により車体側を車輪側に対して弾性的
に支持する。
【0003】シリンダ22内にはピストン25が摺動自
在に挿入され、このピストン25によってシリンダ22
内を上部作動油室Aと下部作動油室Bとに区画すると共
に、シリンダ22内を除くアウタチューブ20とインナ
チューブ21内がリザーバ室Cとなっている。
【0004】ピストン25は保持部材26によって支持
されており、この保持部材26からは、シリンダ22の
シールキャップ23を貫通してピストンロッド27が上
方へと延び、ピストンロッド27の上端はアウタチュー
ブ20の上端部分に取付けられている。
【0005】ピストン25は、伸長行程時における伸側
メイン油路28と圧縮行程時における圧側メイン油路2
9とを備え、伸側メイン油路28の下端出口端は伸側減
衰力発生用のリーフバルブ30によって閉じられてお
り、かつ、圧側メイン油路29の上端出口端は上部作動
油室A側へと向かって開くチェックバルブ31で覆われ
ている。
【0006】上記ピストン25は、伸長行程時における
伸側メイン油路28と圧側行程時における圧側メイン油
路29とを備え、伸側メイン油路28の下端出口端は伸
側減衰力発生用のリーフバルブ30によって閉じられて
おり、かつ、圧側メイン油路29の上端出口端は上部作
動油室Aへと向って開くチェックバルブ31で覆われて
いる。
【0007】一方、シリンダ22の下部には、前記ピス
トン25と対向して当該シリンダ22の下端を密封する
ベースバルブ機構36が配設しており、このベースバル
ブ機構36にバルブボディ39が固定して取り付けてあ
る。
【0008】バルブボディ39には、伸側メイン油路3
7と圧側メイン油路38がそれぞれ穿設してあり、この
伸側メイン油路37の上端出口端は、下部作動油室B側
へと向かって開くチェックバルブ40で覆われ、かつ、
圧側メイン油路38の下端出口端は、圧側減衰力発生用
のリーフバルブ41によって閉じられている。
【0009】また、ベースバルブ機構36にも、先のピ
ストン25と同様に、伸側および圧側メイン油路37,
38と並行して下部作動油室Bからリザーバ室Cに通じ
るバイパス油路42が設けてあり、このバイパス油路4
2の途中に外部から調整可能な可変オリフィス43を形
作るニードルバルブ44が介装してある。
【0010】これにより、フロントフォークの伸長行程
時にあっては、上部作動油室Aからバイパス油路32を
通してリザーバ室Cに流れる作動油に対して可変オリフ
ィス34が与える流動抵抗と、ピストン25の伸側メイ
ン油路28から伸側減衰力発生用のリーフバルブ30を
押し開いて下部作動油室Bに向かう作動油の流れに対し
リーフバルブ30が与える流動抵抗とで伸側減衰力を発
生する。
【0011】また、このとき下部作動油室Bには、ベー
スバルブ機構36におけるバルブボディ39の伸側メイ
ン油路37を通してチェックバルブ40を押し開きつつ
リザーバ室Cから作動油が補給される。
【0012】一方、フロントフォークの圧縮行程時にあ
っては、下部作動油室B内の作動油がピストン25の圧
側メイン油路29からチェックバルブ31を押し開いて
上部作動油室A流入すると共に、ピストンロッド27の
侵入体積分に相当する量の作動油が、ベースバルブ機構
36のバイパス油路42を通してリザーバ室Cに流れ、
このバイパス油路42を通る作動油の流れに対して可変
オリフィス43が与える流動抵抗と、下部作動油室Bか
らバルブボディ39の圧側メイン油路38を通して圧側
減衰力発生用のリーフバルブ41を押し開きつつリザー
バ室Cに向う作動油の流れに対しリーフバルブ41が与
える流動抵抗とで圧側減衰力を発生する。
【0013】図は、自動二輪車用後輪懸架装置として
広く一般に使用されている油圧緩衝器の一例を示すもの
で、当該油圧緩衝器は、シリンダ1内に位置して摺動自
在に挿入されたピストン2を備え、このピストン2によ
ってシリンダ1内を上部作動油室Aと下部作動油室Bと
に区画している。
【0014】ピストン2からは、シリンダ1の上端を密
封するシールキャップ3を貫通してピストンロッド4が
外方へと延び、ピストンロッド4の上端に車体側への連
結部材5が取付けられている。
【0015】この連結部材5と対応して車輪側に連結さ
れる取付アイ6は、シリンダ1の下端に一体に形成され
ており、油圧緩衝器は、これら連結部材5と取付アイ6
を通して自動二輪車の車体側と車輪側との間に取付けら
れる。
【0016】シリンダ1とピストンロッド4の外周に
は、それぞればね受け7,8が取付けてあり、これらば
ね受け7,8間には懸架用のコイルスプリング9が介装
されていて、このコイルスプリング9の復元力により車
体側を車輪側に対して弾性的に支持する。
【0017】前記上部作動油室Aと下部作動油室B内は
作動油で満たされており、この作動油の温度変化に伴う
体積変動の補償と、油圧緩衝器の伸長および圧縮行程時
にシリンダ1内へと進退するピストンロッド4の体積分
の作動油を補償するために、下部作動油室B内にはフリ
ーピストン10が摺動自在に挿入されていて、下部作動
油室B内の下端部分にガス室Cを区画している。
【0018】ピストン2は、伸長行程時における伸側メ
イン油路11と圧縮行程時における圧側メイン油路12
とを備え、伸側メイン油路11の下端出口端は伸側減衰
力発生用のリーフバルブ13によって閉じられており、
同様に圧側メイン油路12の上端出口端は圧側減衰力発
生用のリーフバルブ14によってそれぞれ閉じられてい
る。
【0019】また、これら伸側および圧側メイン油路1
1,12と並行してピストンロッド4にはバイパス油路
15が設けられており、このバイパス油路15中には、
外部から調整摘み16と操作ロッド17を通して調整可
能な可変オリフィス18を形作るニードルバルブ19が
介装してある。
【0020】これにより、油圧緩衝器の伸長行程時にあ
っては、上部作動油室Aからバイパス油路15を通して
下部作動油室Bに流れる作動油に対して可変オリフィス
18が与える流動抵抗と、ピストン2の伸側メイン油路
11から伸側減衰力発生用のリーフバルブ13を押し開
いて下部作動油室Bに向かう作動油の流れに対し、リー
フバルブ13が与える流動抵抗とで伸側減衰力を発生す
る。
【0021】一方、油圧緩衝器の圧縮行程時にあって
は、下部作動油室Bからバイパス油路15を通して上部
作動油室Aに流れる作動油に対して可変オリフィス18
が与える流動抵抗と、ピストン2の圧側メイン油路12
から圧側減衰力発生用のリーフバルブ14を押し開いて
上部作動油室Aへと向かう作動油の流れに対し、リーフ
バルブ14が与える流動抵抗とで圧側減衰力を発生する
ことになる。
【0022】なお、図4にあっては、自動二輪車の後輪
懸架用油圧緩衝器を例にとって説明したが、自動車用の
ショックアブソーバにあっても、減衰力発生機構につい
ては基本的に変わるところはない。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
自動二輪車におけるフロントフォークや後輪懸架用の油
圧緩衝器或いは自動車用のショックアブソーバにあって
は、伸側および圧側減衰力を、薄板状のバルブを重ね合
わせたリーフバルブを用いて発生させるようにしてい
た。
【0024】確かに、このようなリーフバルブは、板バ
ルブの枚数或いは径の選択により比較的簡単な作業で伸
側および圧側減衰力の設定または変更が可能な点で優れ
てはいるが、しかし、例えばモトクロス用の自動二輪車
やスタント用の自動車のように頻繁にジャンプを行う車
両にあっては、ジャンプ後の接地時に受ける入力が極め
て大きいために、板バルブの選択だけでは所望の圧側減
衰力特性が得られないという不都合がある。
【0025】すなわち、図2における点線mのように、
伸縮速度の速い高速域を重視した圧側減衰力特性を得よ
うとすると、低・中速域での圧側減衰力特性が大きくな
り過ぎてフィーリングに悪影響を与え、逆に、図2の点
線nのように、低速域から中速域前半を重視した圧側減
衰力特性を得ようとすると、今度は、中速域後半から高
速域に亙っての圧側減衰力特性が小さ過ぎて、ジャンプ
での接地時のように大入力を受けたときに激しい底づき
を生じかねない。
【0026】したがって、この発明の目的は、低・中速
域前半の圧側減衰力特性は従来と変わることなく、中速
域の後半から高速域にかけての圧側減衰力特性のみを所
望の値に高めることのできる改良されたこの種車両用油
圧緩衝器の減衰力発生装置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の一つの手段は、シリンダ内にピストンを介
してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンは
シリンダ内に上部作動油室と下部作動油室とを区画し、
ピストンには上部作動油室と下部作動油室とを連通する
伸側メイン油路と圧側メイン油路とを形成し、伸側メイ
ン油路の出口端に伸側減衰力発生用のリーフバルブを開
閉自在に設け、圧側メイン油路の出口端に圧側減衰力発
生用のリーフバルブを開閉自在に設けている車両用油圧
緩衝器に於て、ピストンロッドにピストンと対向する隔
壁部材を設け、この隔壁部材に圧側メイン油路と直列状
態を保つ制御油路を設け、更に隔壁部材の下方にシリン
ダの内壁との間に制限流路を形成する制御バルブを上下
移動自在に配設し、又隔壁部材と制御バルブとの間にス
プリングを介在し、上記制御バルブは上記制御油路に対
して通常は上記スプリングのスプリング力で該制御油路
を全開状態に保つと共に、圧縮行程時において上記制限
流路の流動抵抗により当該制御バルブの上下面に作用す
る圧力差が設定値以上に上昇ときにのみスプリング力に
抗して閉じ方向に移動して当該制御油路を通る作動油流
量を制限することを特徴とするものである。
【0028】同じく、他の手段は、シリンダ内にベース
バルブ機構を設け、ベースバルブ機構はシリンダ内の下
部作動油室とシリンダ外のリザーバ室とを隔成するバル
ブボディと、バルブボディに形成されて下部作動油室と
リザーバ室とを連通する伸側メイン油路及び圧側メイン
油路と、伸側メイン油路の出口端に開閉自在に設けたチ
ェックバルブと、圧側メイン油路の出口端に設けた圧側
減衰力発生用のリーフバルブとを備えている車両用油圧
緩衝器に於て、シリンダ内にバルブボディと対向する隔
壁部材を設け、この隔壁部材に圧側メイン油路と直列状
態を保つ制御油路を設け、更に隔壁部材の上方にシリン
ダの内壁との間に制限流路を形成する制御バルブを上下
移動自在に配設し、又隔壁部材と制御バルブとの間にス
プリングを介在し、上記制御バルブは上記制御油路に対
して通常は上記スプリングのスプリング力で該制御油路
を全開状態に保つと共に、圧縮行程時において上記制限
流路の流動抵抗により当該制御バルブの上下面に作用す
る圧力差が設定値以に上昇したときにのみスプリング
力に抗して閉じ方向に移動して当該制御油路を通る作動
油流量を制限すことを特徴とするものである。
【0029】
【作用】かくして、上記二つの手段によれば、例えば油
圧緩衝器の圧縮行程時における低・中速域の前半のよう
に、圧側メイン油路を流れる作動油流量が比較的少ない
間は制御バルブが動かないので隔壁部材の制御油路面積
が十分に確保され、したがって、低・中速域前半での圧
側減衰力は従来と同様に圧側減衰力発生用のリーフバル
ブで発生される。
【0030】それに対し、油圧緩衝器の圧縮速度が中速
域後半から高速域に入ると制御バルブが動きはじめて隔
壁部材の制御油路を通る作動油流量を制御し、中速域後
半から高速域にかけての圧側減衰力特性を高めていくこ
とにな
【0031】
【実施例】以下、図面に基づいてこの発明を説明する。
【0032】図1は、先の図における従来の自動二輪
車用フロントフォークのピストン部分とベースバルブ機
構部分にこの発明を実施した場合の例を示すもので、以
下に述べる構成部分を除くその他の部分は図の場合と
実質的に同一であるので、それらについては図9と同一
符号を付すのみで説明は省略する。
【0033】図1において、ピストン25の下方には、
伸側減衰力発生用のリーフバルブ30を挟んでシリンダ
22内を上下に分ける隔壁部材45が設けてあり、この
隔壁部材45は、ピストン25と共に座金53とカラー
54および間座58を介してピストンナット46により
保持部材26に固定してある。
【0034】隔壁部材45の凹部51の下方には、板状
の制御バルブ49がシリンダ22の内壁との間に制限流
路50をつくってカラー54に沿い上下動自在に配設し
てあり、この制御バルブ49と凹部51の底面との間に
スプリング52が介装してある。
【0035】隔壁部材45の凹部51の下方には、板状
の制御バルブ49がカラー54に沿って上下動自在に配
設してあり、この制御バルブ49と凹部51の底面との
間にスプリング52が介装してある。
【0036】制御バルブ49は、通常このスプリング5
2の復元力でピストンナット46の座金53の上面へと
押し付けられており、この状態において制御バルブ49
は、隔壁部材45における凹部51の下端開口部の開口
面積を最大に保っている。
【0037】また、ベースバルブ機構36にあっても、
同様の制御バルブ49aが設けられている。
【0038】すなわち、ベースバルブ機構36には、バ
ルブボディ39の上方に位置してシリンダ22内を上下
に分ける隔壁部材45aが、バルブボディ39と共に座
金53aとカラー54aおよびチェックバルブ40のス
トッパ40aと間座58aを介してピストンナット46
aにより固定してある。
【0039】隔壁部材45aには、下部作動油室Bを隔
壁部材45aとバルブボディ39との間の室57aに連
通する軸方向の制御油路48aが、同心円上に並べて等
間隔に複数個形成してあり、かつ、この隔壁部材45a
の上面には凹部51aが形成してある。
【0040】隔壁部材45aの凹部51aの上方には、
板状の制御バルブ49aがシリンダ22の内壁との間に
制限流路50aをつくってカラー54aに沿い上下動自
在に配設してあり、この制御バルブ49aと凹部51a
の底面との間にスプリング52aが介装してある。
【0041】制御バルブ49aは、通常、このスプリン
グ52aの復元力でピストンナット46aの座金53a
の下面へと押し付けられており、この状態において制御
バルブ49aは、隔壁部材45aにおける制御油路48
aの開口面積を最大に保っている。
【0042】そして、これら制御バルブ49,49a
を、それぞれ下部作動油室Bから制限流路50,50a
を通して上部作動油室Aとリザーバ室Cに向う作動油の
流速が所定速度を越えて、当該制限流路50,50aの
流動抵抗により制御バルブ49,49aの上下面に作用
する圧力差が設定値以上になるまでは動くことがないよ
うに、上記スプリング52,52aのイニシャル荷重を
セットしておく。
【0043】これにより、たとえば、フロントフォーク
の圧縮行程時における低速域から中速域の前半のように
制限流路50,50aを流れる作動油の流速が比較的遅
い間は、制御バルブ49,49aが動くことなく隔壁部
材45,45aにおける制御油路48,48aの開口面
積を大きく確保し、したがって、低速域から中速域前半
での圧側減衰力は、従来と同様に、ベースバルブ機構3
6におけるバルブ部材39の圧側減衰力発生用のリーフ
バルブ41で発生されることになる。
【0044】それに対し、フロントフォークの圧縮速度
が中速域の後半に入ると、下部作動油室Bから制限流路
50,50aを通して上部作動油室Aとリザーバ室Cに
向う作動油の流速が所定速度を越え、当該制限流路5
0,50aの流動抵抗により制御バルブ49,49aの
上下面に作用する圧力差が設定値以上に上昇し、この圧
力差で制御バルブ49,49aがスプリング52,52
aに打ち勝って動き始め、隔壁部材45,45aにおけ
る凹部51の下端開口部の開口面積と制御油路48aの
開口面積を狭めて、これらの相乗作用により圧縮速度の
上昇に伴って圧側減衰力の上昇率を増大させていく。
【0045】さらに、フロントフォークの圧縮速度が上
がって高速域に入ると、制御バルブ49,49aが隔壁
部材45,45aに押し付けられ、ピストン25側にあ
っては、凹部51の下端開口面積を極限まで減少させて
室57に向う作動油の流れを制限し、また、ベースバル
ブ機構36側にあっては、隔壁部材45aの油路48a
の開口面積を最小に保ってこれら両者の相乗作用により
フロントフォークの高速域での圧側減衰力の上昇率を最
大にする。
【0046】このように、制御バルブ49,49aは、
フロントフォークの圧縮行程時における中速域後半から
高速域に亙ってのみ制御動作し、かくして、フロントフ
ォークの圧側減衰力特性は、図2に実線pで示すよう
に、中速域後半から徐々に上昇しつつ大入力作用時の高
速域における圧側減衰力を大幅にアップさせることにな
る。
【0047】なお、上記の実施例にあっては、ピストン
22とベースバルブ機構36の両方に制御バルブ49,
49aを設けたが、制御流れ部分の油路面積の変化量を
適切に設計することで何れか一方にのみ設けるだけで同
様の作用を行い得ることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】以上のように、請求項1,2の発明によ
れば、低・中速域前半の圧側減衰力特性は従来と変わる
ことなく、中速域の後半から高速域にかけての圧側減衰
力特性のみを所望の値に高めることができる。即ち、フ
ロントフォークの圧縮行程時における低速域から中速域
の前半のように制限流路を流れる作動油の流速が比較的
遅い間は、制御バルブが動くことなく隔壁部材における
制御油路の開口面積を大きく確保し、したがって、低速
域から中速域前半での圧側減衰力は、圧側減衰力発 生用
のリーフバルブで発生されることになる。それに対し、
フロントフォークの圧縮速度が中速域の後半に入ると、
下部作動油室から制限流路を通して作動油の流速が所定
速度を越え、当該制限流路の流動抵抗により制御バルブ
の上下面に作用する圧力差が設定値以上に上昇し、この
圧力差で制御バルブがスプリングに打ち勝って動き始
め、制御油路の開口面積を狭めて、圧縮速度の上昇に伴
って圧側減衰力の上昇率を増大させていく。このことか
ら、特に中・高速域が広い場合に有効に対応して乗心地
の向上と操縦安定性の確保とを図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を自動二輪車用フロントフォークの減
衰力発生機構部分に実施した要部縦断正面図である。
【図2】圧側減衰力特性を示すグラフである。
【図3】従来公知の自動二輪車用フロントフォークの減
衰力発生機構部分を示す縦断部分図である。
【図4】同じく、従来から一般に用いられている自動二
輪車用後輪懸架装置としての油圧緩衝器の一部縦断正面
図である。
【符号の説明】
A 上部作動油室 B 下部作動油室 C リザーバ室,ガス室 1 シリンダ 2 ピストン 4 ピストンロッド 11 伸側メイン油路 12 圧側メイン油路 20 アウタチューブ 21 インナチューブ 22 シリンダ 25 ピストン 26 保持部材 27 ピストンロッド 28 伸側メイン油路 29 圧側メイン油路 30 リーフバルブ 31 チェックバルブ 36 ベースバルブ機構 37 伸側メイン油路 38 圧側メイン油路 39 バルブボディ 40 チェックバルブ 41 リーフバルブ 45,45a 隔壁部材 46,46a ピストンナット 47 環状凹部 48、48a 制御油路 49,49a 制御バルブ 50,50a 制限通路 51,51a 環状凹部 52,52a スプリング 53,53a 座金 57,57a 室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−140527(JP,A) 特開 平1−316535(JP,A) 特開 平3−51544(JP,A) 特開 昭58−221032(JP,A) 独国特許出願公開3620993(DE,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/50 B62K 25/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内にピストンを介してピストン
    ロッドが移動自在に挿入され、ピストンはシリンダ内に
    上部作動油室と下部作動油室とを区画し、ピストンには
    上部作動油室と下部作動油室とを連通する伸側メイン油
    路と圧側メイン油路とを形成し、伸側メイン油路の出口
    端に伸側減衰力発生用のリーフバルブを開閉自在に設
    け、圧側メイン油路の出口端に圧側減衰力発生用のリー
    フバルブを開閉自在に設けている車両用油圧緩衝器に於
    て、ピストンロッドにピストンと対向する隔壁部材を設
    け、この隔壁部材に圧側メイン油路と直列状態を保つ制
    御油路を設け、更に隔壁部材の下方にシリンダの内壁と
    の間に制限流路を形成する制御バルブを上下移動自在に
    配設し、又隔壁部材と制御バルブとの間にスプリングを
    介在し、上記制御バルブは上記制御油路に対して通常は
    上記スプリングのスプリング力で該制御油路を全開状態
    に保つと共に、圧縮行程時において上記制限流路の流動
    抵抗により当該制御バルブの上下面に作用する圧力差が
    設定値以上に上昇ときにのみスプリング力に抗して閉じ
    方向に移動して当該制御油路を通る作動油流量を制限す
    ることを特徴とする車両用油圧緩衝器の減衰力発生装
    置。
  2. 【請求項2】 シリンダ内にベースバルブ機構を設け、
    ベースバルブ機構はシリンダ内の下部作動油室とシリン
    ダ外のリザーバ室とを隔成するバルブボディと、バルブ
    ボディに形成されて下部作動油室とリザーバ室とを連通
    する伸側メイン油路及び圧側メイン油路と、伸側メイン
    油路の出口端に開閉自在に設けたチェックバルブと、圧
    側メイン油路の出口端に設けた圧側減衰力発生用のリー
    フバルブとを備えている車両用油圧緩衝器に於て、シリ
    ンダ内にバルブボディと対向する隔壁部材を設け、この
    隔壁部材に圧側メイン油路と直列状態を保つ制御油路を
    設け、更に隔壁部材の上方にシリンダの内壁との間に制
    限流路を形成する制御バルブを上下移動自在に配設し、
    又隔壁部材と制御バルブとの間にスプリングを介在し、
    上記制御バルブは上記制御油路に対して通常は上記スプ
    リングのスプリング力で該制御油路を全開状態に保つと
    共に、圧縮行程時において上記制限流路の流動抵抗によ
    り当該制御バルブの上下面に作用する圧力差が設定値以
    上に上昇し ときにのみスプリング力に抗して閉じ方向
    に移動して当該制御油路を通る作動油流量を制限するこ
    とを特徴とする車両用油圧緩衝器の減衰力発生装置。
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