JP2592832Y2 - 油圧緩衝器のピストンチェックバルブ構造 - Google Patents

油圧緩衝器のピストンチェックバルブ構造

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JP2592832Y2
JP2592832Y2 JP1993017010U JP1701093U JP2592832Y2 JP 2592832 Y2 JP2592832 Y2 JP 2592832Y2 JP 1993017010 U JP1993017010 U JP 1993017010U JP 1701093 U JP1701093 U JP 1701093U JP 2592832 Y2 JP2592832 Y2 JP 2592832Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、油圧緩衝器の伸縮動
作時において作動油の流れを制御するピストンチェック
バルブの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の油圧緩衝器におけるピス
トンチェックバルブは、ピストンに設けた圧側ポートの
出口部分と係止部であるバルブストッパとの間に剛性を
もった平板状のバルブを移動自在に配置し、この平板状
のバルブをバルブストッパとの間に介装したスプリング
で上記ピストンにおける圧側ポートの出口部分へと押し
付けることによって構成している。
【0003】そして、当該油圧緩衝器の圧縮行程時にあ
っては、ベースバルブをもつ形式の油圧緩衝器(例えば
複筒型油圧緩衝器)の場合、ビストンによって区画され
た下部油室内の作動油を、当該ピストンの圧側ポートか
らチェックバルブを押し開いて上部油室へと押し出しつ
つ、ピストンロッドの侵入体積分に相当する量の作動油
を下部油室からベースバルブの減衰バルブを押し開いて
リザーバに流し、これらベースバルブの減衰バルブとピ
ストンのチェックバルブを通る作動油の流動抵抗で圧側
減衰力を発生する。
【0004】また、ピストンロッドの侵入および退出体
積分の作動油を補償するガス室を備えた油圧緩衝器(例
えば単筒型油圧緩衝器)にあっては、同様に下部油室内
の作動油をピストンに設けた圧側ポートからチェックバ
ルブを押し開いて上部油室に流し、このチェックバルブ
を通る作動油の流動抵抗で圧側減衰力を発生しつつ、か
つ、ピストンロッドの侵入体積分に相当する作動油量を
ガス室の圧縮によって補償する。
【0005】一方、油圧緩衝器の伸長行程時において
は、前者の形式の油圧緩衝器の場合、ピストンによって
区画された上部油室内の作動油を、当該ピストンの伸側
ポートからチェックバルブと並列に設けた伸側減衰バル
ブを押し開いて下部油室へと押し出しつつ、この伸側減
衰バルブを通る作動油の流動抵抗で伸側減衰力を発生す
ると共に、ピストンロッドの退出体積分に相当する量の
作動油をリザーバからベースバルブのチェックバルブを
開いて抵抗なく下部油室へと吸い込む。
【0006】また、後者の形式のものにあっては、同様
に上部油室内の作動油を当該ピストンの伸側ポートから
チェックバルブと並列に設けた伸側減衰バルブを押し開
いて下部油室に流し、この伸側減衰バルブを通る作動油
の流動抵抗で伸側減衰力を発生しつつ、かつ、ピストン
ロッドの退出体積分に相当する作動油量をガス室の膨張
によって補償する。
【0007】このように、複筒型或いは単筒型の何れの
形式の油圧緩衝器にあってもピストンに設けたチェック
バルブは、油圧緩衝器の圧縮動作に伴って拡大する上部
油室へと作動油を補給する役目と同時に、前者にあって
は圧側発生減衰力の一部を負担する役目を、また、後者
にあっては圧側減衰力の発生そのものを受け持つ役目の
両方を併せもつ。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】このことから、当該チ
ェックバルブは、油圧緩衝器において要求される圧側減
衰力特性に合わせて構成しなければならないのは勿論の
こと、圧縮行程時において拡大する上部油室への作動油
の補給に支障をきたして当該上部油室に負圧が生じ、こ
の負圧によってキャビテーションや異音の発生をもたら
さないように構成してやらなければならない。
【0009】また、そればかりでなく、油圧緩衝器の圧
縮行程から伸長行程への切り換わり時に当該チェックバ
ルブに閉じ遅れが発生すると、それに伴って、伸側発生
減衰力の立ち上がり特性にだれが生じることから、当該
チェックバルブに閉じ遅れが発生しないようにもしてや
らなければならない。
【0010】しかし、前記した従来の平板状のチェック
バルブ構造では、上記全ての要求を満たすことが困難で
あるという不都合をもつ。
【0011】何となれば、圧縮行程時において拡大する
上部油室への作動油の補給作用を確保し、負圧によるキ
ャビテーションや異音の発生を防止してやるには、流動
する作動油量が多くなる油圧緩衝器の圧側高速域におい
て、チェックバルブが充分な開口面積をもって開くよう
に当該チェックバルブのリフト量をできるだけ大きくと
ってやらなければならない。
【0012】反面、油圧緩衝器の圧縮行程から伸長行程
への切り換わり時におけるチェックバルブの閉じ遅れに
よる伸側発生減衰力の立ち上がり特性のだれ防止を考慮
すると、当該チェックバルブのリフト量はできるだけ小
さい方が有利であるという相反する結果をもつからであ
る。
【0013】また、そればかりでなく、上記負圧による
キャビテーションや異音の発生防止と伸側発生減衰力の
立ち上がり特性のだれ防止の両方を考慮してチェックバ
ルブのリフト量を決めようとすると、双方の兼ね合いか
ら油圧緩衝器の圧縮動作が中速域に達した時点でチェッ
クバルブが全開状態になるように当該チェックバルブの
リフト量を制限してやらなければならない。
【0014】そのために、中速域以上の圧側減衰力特性
は、当該チェックバルブの最大開口面積を通る作動油の
流動抵抗よって一義的に決まってしまい、要求に合わせ
て油圧緩衝器の圧側中速域の発生減衰力のみを上下しよ
うとしても、それと同時に高速域の発生減衰力も上下し
てしまって要求する圧側減衰力特性が得られないことに
なるからである。
【0015】したがって、この考案の目的は、ピストン
に設けるチェックバルブのリフト量を比較的小さくして
閉じ側への応答性を確保することにより、油圧緩衝器の
圧縮行程から伸長行程への切り換わり時に発生し易い伸
側発生減衰力の立ち上がり特性のだれを防止しながら、
かつ、圧縮行程時の高速域にあっても拡大する上部油室
への作動油の補給作用を損なうことがなく、しかも、圧
側高速域での発生減衰力をそのままにして中速域のみの
発生減衰力を変更することのできる新規なこの種油圧緩
衝器のピストンチェックバルブを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この考案において、上記
の目的は、撓み可能なリーフバルブと、当該撓み可能な
リーフバルブの背面側に配設した小径のサポートとによ
ってピストンチェックバルブを構成することによって達
成される。
【0017】そして、上記サポートを係止部に当てるこ
とでチェックバルブのリフト量を制限しつつ、当該チェ
ックバルブをピストンにおける圧側ポートの出口部分と
係止部間に移動自在に配置することによって達成され
る。
【0018】
【作用】すなわち、この考案によれば、油圧緩衝器の圧
縮動作が低速域にある間は、流動する作動油量に応動し
てリーフバルブとサポートからなるピストンチェックバ
ルブがリフトし、上部油室へと殆ど抵抗な作動油を送り
込む。
【0019】一方、油圧緩衝器の圧縮動作が中速域に入
って流動する作動油量が殖えると、リーフバルブとサポ
ートからなる当該チェックバルブがそのまま全開位置ま
でリフトし、上部油室へと作動油を充分に送り込むと共
に、このチェックバルブの開口部で作動油に流動抵抗を
与える。
【0020】したがって、ピストンチェックバルブのリ
フト量を圧側中速域での望ましい発生減衰力特性に合わ
せて設定しておけば、当該チェックバルブの開放に伴う
開口部の流動抵抗で圧側減衰力の負担分或いは圧側減衰
力そのものを発生する。
【0021】また、油圧緩衝器の圧縮動作がさらに速く
なって高速域に入ると、それに伴って増加する作動油の
流動量に応じてピストンチェックバルブを構成するリー
フバルブの外周部分が、サポートの外縁を支点として上
部油室側へと撓み、当該チェックバルブの開口部面積を
増大させる。
【0022】これにより、上記リーフバルブの剛性を高
速域での望ましい発生減衰力特性に合わせて選定してお
けば、リーフバルブの撓みに伴うチェックバルブの開口
部面積の増加によって上部油室へと充分な作動油の送り
込みを補償しつつ、かつ、このリーフバルブの撓み特性
に応じた開口面積によって圧側減衰力の負担分或いは圧
側減衰力そのものを発生することになる。
【0023】かくして、ピストンにおけるチェックバル
ブのリフト量を比較的小さくして閉じ側への応答性を確
保することにより、油圧緩衝器の圧縮行程から伸長行程
への切り換わり時に発生し易い伸側発生減衰力の立ち上
がり特性のだれを防止しながら、かつ、圧縮行程時の高
速域にあっても拡大する上部油室への作動油の補給作用
を損なうことがなく、しかも、このチェックバルブのリ
フト量と当該チェックバルブを構成するリーフバルブの
撓み特性とを選ぶことによって、圧側高速域での発生減
衰力を変化させることなく中速域での発生減衰力のみを
変更することが可能になるのである。
【0024】
【実施例】以下、図面に基づいてこの考案を説明する。
【0025】図1は、この考案を油圧緩衝器の1つであ
る二輪車用フロントフォークに実施した例を示すもので
あって、当該フォロントフォークは、車体側に連結する
アウタチューブ20と、当該アウタチューブ20内に抜
き差し自在に挿入した前輪支架用のインナチューブ21
とからなる。
【0026】インナチューブ21の下底からは上方へと
向かってシリンダ22が起立しており、シリンダ22の
上端を密封するシールキャップ23とアウタチューブ2
0の上端(この部分は図示省略)との間に懸架用のコイ
ルスプリング24が介装されていて、このコイルスプリ
ング24の復元力により車体を前輪に対して弾性的に支
持する。
【0027】シリンダ22内にはピストン25が摺動自
在に挿入され、このピストン25によってシリンダ22
内を上部油室Aと下部油室Bとに区画すると共に、シリ
ンダ22内を除くアウタチューブ20とインナチューブ
21内がリザーバ室Cとなっている。
【0028】ピストン25は保持部材26によって支持
されており、この保持部材26からは、シリンダ22の
シールキャップ23を貫通してピストンロッド27が上
方へと延び、このピストンロッド27の上端はアウタチ
ューブ20の上端部分に取り付けられている。
【0029】ピストン25は、伸側ポート28と圧側ポ
ート29とを備え、伸側ポート28の下端出口側は、内
周固定の伸側減衰力発生用のリーフバルブ30によって
閉じられており、かつ、圧側ポート29の上端出口側
は、スプリング45を押して上部油室A側へと開くチェ
ックバルブ31で覆われている。
【0030】これら伸側および圧側ポート28,29と
並行して保持部材26とピストンロッド27に亙り、上
部油室Aからリザーバ室C側に通じるバイパス油路32
(リザーバ室Cへの連通部分は図示省略)が設けてあ
り、このバイパス油路32の途中には、外部から中空の
操作ロッド33を通して調整可能な可変オリフィス34
を形作るニードルバルブ35が介装してある。
【0031】一方、インナチューブ21とシリンダ22
の下端を密封するキャップ体36には、前記ピストン2
5と対向してベースバルブ機構が配設してあり、このベ
ースバルブ機構は、キャップ体36に固定した隔壁体3
9を有する。
【0032】隔壁体39には、伸側ポート37と圧側ポ
ート38がそれぞれ穿設してあり、伸側ポート37の上
端出口側は、スプリング46を押して下部油室B側へと
開くチェックバルブ40で覆われており、かつ、圧側ポ
ート38の下端出口側は、内周固定の圧側減衰力発生用
のリーフバルブ41によって閉じられている。
【0033】また、隔壁体39を保持するキャップ体3
6にも先のピストン25と同様に、伸側および圧側ポー
ト37,38と並行して下部油室Bからリザーバ室C側
に通じるバイパス油路42が設けてあり、このバイパス
油路42の途中に可変オリフィス43を形作るニードル
バルブ44が介装され、このニードルバルブ44を外部
から調整操作し得るようにしてある。
【0034】これにより、フロントフォークの伸長行程
時にあっては、上部油室Aからピストン25側のバイパ
ス油路32を通してリザーバ室Cに流れる作動油に対し
て可変オリフィス34が与える流動抵抗と、ピストン2
5の伸側ポート28から伸側減衰力発生用のリーフバル
ブ30を押し開いて下部油室Bに向かう作動油の流れに
対し当該リーフバルブ30が与える流動抵抗とで伸側減
衰力を発生する。
【0035】また、このとき、下部油室Bには、ピスト
ンロッド27の退出体積分に相当する量の作動油がリザ
ーバ室Cから隔壁体39の伸側ポート37を通してチェ
ックバルブ40を開きつつ殆ど抵抗なく補給される。
【0036】一方、フロントフォークの圧縮行程時にあ
っては、下部油室B内の作動油が、ピストン25の圧側
ポート29からチェックバルブ31を押し開いて上部油
室A流入すると共に、ピストンロッド27の侵入体積分
に相当する量の作動油が、ベースバルブ機構におけるキ
ャップ体36のバイパス油路42を通して、また、隔壁
体39の圧側ポート38から圧側減衰力発生用のリーフ
バルブ41を押し開いてリザーバ室Cに流れる。
【0037】これにより、上記バイパス油路42を通る
作動油の流れに対して可変オリフィス43が与える流動
抵抗と、隔壁体39の圧側ポート38から圧側減衰力発
生用のリーフバルブ41を押し開きつつ流れる作動油に
対してリーフバルブ41が与える流動抵抗とで圧側減衰
力を発生する。
【0038】また、上記に加え、特に、ピストン25に
設けたチェックバルブ31を通る作動油の流量が多くな
るフロントフォークの圧縮動作の中・高速域において、
当該チェックバルブを全開位置までリフトさせてその上
昇を制限し、作動油に対しチェックバルブ31の開口部
による絞り効果により流動抵抗を与えて圧側減衰力の一
部を負担する。
【0039】上記したフロントフォークに対してこの考
案を実施するために、ピストン25における圧側ポート
29の出口部分に対して設けたチェックバルブ31は、
図2の拡大図にみられるような構成をとっている。
【0040】図2の左半分に示されているように、チェ
ックバルブ31は、撓み可能の薄板円盤で構成したリー
フバルブ47と、当該リーフバルブ47の背面側に配設
した小径のサポート48とで構成されている。
【0041】そして、これらリーフバルブ47とサポー
ト48は、ピストン25とその上方に配置された係止部
であるバルブストッパ49間に位置して、当該サポート
48とバルブストッパ49との間にスプリング45を介
装した状態で保持部材26に取り付けたバルブガイド5
0の外周面に沿い移動自在に設けてある。
【0042】これにより、チェックバルブ31を通して
流れる作動油は、フロントフォークの圧縮動作が低速域
にある間は、流動する作動油量に応動してリーフバルブ
47とサポート48とからなるチェックバルブ31をス
プリング45に抗して開きつつ下部油室Bから上部油室
Aへと向かっ流動する。
【0043】なお、スプリング45は、フロントフォー
クが圧縮行程から伸長行程に切り換わる際のチェックバ
ルブ31の閉じ遅れを極力防ぐための比較的弱いもので
あって、したがって、上記下部油室Bから上部油室Aに
向かう作動油の流動に対しては殆ど抵抗を与えることは
ない。
【0044】一方、フロントフォークの圧縮動作が中速
域に入って流動する作動油の量が殖えると、チェックバ
ルブ31を構成するリーフバルブ47がサポート48を
伴って図2の右半分に仮想線で示されるように、サポー
ト48が係止部であるバルブストッパ49に当ってその
動きを阻止される全開位置までリフトし、下部油室Bか
ら上部油室Aに向かって作動油を充分に送り込みつつ、
かつ、この全開位置までリフトしたリーフバルブ47の
開口部で作動油に流動抵抗を与える。
【0045】したがって、チェックバルブ31のリフト
量を圧縮動作における中速域での望ましい負担減衰力特
性に合わせて設定しておけば、このチェックバルブ31
の開放に伴う開口部の流動抵抗で所望の伸側減衰力を負
担することになる。
【0046】また、フロントフォークの圧縮動作がさら
に速くなって高速域に入ると、それに伴い、増加する作
動油の流動量に応じてチェックバルブ31を構成するリ
ーフバルブ47の外周部分が、図2の右半分に実線で示
されるようにサポート48の外縁を支点として上部油室
A側へと撓み、チェックバルブ31の開口部面積は作動
油の流動量に応じて増大する。
【0047】これにより、上記リーフバルブ47の剛性
を圧縮動作における高速域での望ましい負担減衰力特性
に合わせて選定しておいてやれば、リーフバルブ47の
撓みに伴うチェックバルブ31の開口部の面積増加によ
って上部油室Aへと充分な作動油の送り込みを補償しつ
つ、かつ、このチェックバルブ31の撓み特性に応じた
開口面積によって高速域での圧側負担減衰力を発生する
ことになる。
【0048】なお、この実施例の場合、係止部であるバ
ルブストッパ49は、その際にリーフバルブ47が撓み
過ぎで破壊するのを防止する役目をも兼ねており、した
がって、若し、このリーフバルブ47の先端部と対向す
る位置にリーフバルブ47の撓み過ぎを防止するような
適当な部材がない場合には、図2の左半分に仮想腺で示
すような円盤状のバルブストッパ49aをサポート48
上に重ね、当該バルブストッパ49aをリーフバルブ4
7とサポート48と共にバルブガイド50に沿って移動
自在に設けてやればよい。
【0049】かくして、ピストン25の圧側ポート29
に対して設けたチェックバルブ31のリフト量を比較的
小さくして閉じ側への応答性を確保することにより、油
圧緩衝器の圧縮行程から伸長行程への切り換わり時に発
生し易い伸側発生減衰力の立ち上がり特性のだれを防止
しながら、かつ、圧縮行程時の高速域にあっても拡大す
る上部油室Aへの作動油の補給作用を損なうことがな
く、しかも、このチェックバルブ31のリフト量と当該
チェックバルブ31におけるリーフバルブ45の撓み特
性とを選ぶことによって、高速域での圧側発生減衰力を
変化させることなく中速域での発生減衰力のみを変更す
ることが可能になるのである。
【0050】また、図3は、自動二輪車用リヤクッショ
ンユニットである油圧緩衝器にこの考案を実施した例を
示すもので、当該油圧緩衝器は、シリンダ1内に摺動自
在に挿入したピストン2を備え、このピストン2によっ
てシリンダ1内を上部油室Aと下部油室Bとに区画して
いる。
【0051】ピストン2からは、シリンダ1の上端を密
封するシールキャップ3を貫通してピストンロッド4が
外方へと延び、ピストンロッド4の上端に車体側への連
結部材5が取り付けてある。
【0052】この連結部材5と対応してシリンダ1の下
端には、後輪車軸を取り付けるための取付アイ6が一体
に形成してあり、油圧緩衝器は、これら連結部材5と取
付アイ6を通して自動二輪車の車体と後輪との間に取り
付けられる。
【0053】ピストンロッド4とシリンダ1との外周に
は、それぞればね受け7,8が取り付けてあり、これら
ばね受け7,8間には懸架用のコイルスプリング9が介
装されていて、このコイルスプリング9の復元力により
車体を後輪に対して弾性的に支持する。
【0054】前記上部油室Aと下部油室B内は作動油で
満たされており、この作動油の温度変化に伴う体積変動
の補償と、油圧緩衝器の伸長および圧縮行程時にシリン
ダ1内へと進退するピストンロッド4の体積分の作動油
を補償するために、下部油室B内にはフリーピストン1
0が摺動自在に挿入されていて、下部油室B内の下端部
分にガス室Cを区画している。
【0055】ピストン2は、伸側ポート11と圧側ポー
ト12とを備え、伸側ポート11の下端出口側は内周固
定に伸側減衰力発生用のリーフバルブ13によって閉じ
られており、同様に圧側ポート12の上端出口側はチェ
ックバルブ14によって覆われている。
【0056】また、これら伸側および圧側ポート11,
12と並行してピストンロッド4にはバイパス油路15
が設けてあり、このバイパス油路15中には、外部から
調整摘み16と操作ロッド17を通して調整可能な可変
オリフィス18を形作るニードルバルブ19が介装して
ある。
【0057】これにより、油圧緩衝器の伸長行程時にあ
っては、上部油室Aからバイパス油路15を通して下部
油室Bに流れる作動油に対して可変オリフィス18が与
える流動抵抗と、ピストン2の伸側ポート11からリー
フバルブ13を押し開いて下部油室Bに向かう作動油の
流れに対し、リーフバルブ13が与える流動抵抗とで伸
側減衰力を発生する。
【0058】一方、油圧緩衝器の圧縮行程時にあって
は、下部油室Bからバイパス油路15を通して上部油室
Aに流れる作動油に対して可変オリフィス18が与える
流動抵抗と、ピストン2の圧側ポート12からチェック
バルブ14を押し開いて上部油室Aへと向かう作動油の
流れに対し、チェックバルブ14の開口部が与える流動
抵抗とで圧側減衰力を発生することになる。
【0059】そして、この油圧緩衝器にあっても、前記
圧側ポート12を覆うチェックバルブ14は先の実施例
と同様に、撓み可能な薄板円盤で構成したリーフバルブ
47と、当該リーフバルブ47の背面側に配設した小径
のサポート48とから構成され、かつ、ピストン2とそ
の上方に配置された係止部であるバルブストッパ49と
の間に移動自在に設けてある。
【0060】このことから、当該油圧緩衝器にあって
も、チェックバルブ14のリフト量を比較的小さくして
閉じ側への応答性を確保しながら、かつ、拡大する上部
油室Aへの作動油の補給作用を損なうことがなく、しか
も、チェックバルブ14のリフト量と当該チェックバル
ブ14におけるリーフバルブ45の撓み特性とを選ぶこ
とによって、圧側高速域での発生減衰力を変化させるこ
となく中速域での発生減衰力のみを変更し得ることは、
先の実施例の説明に基づいて明らかである。
【0061】
【考案の効果】以上のように、この考案によれば、ピス
トンに設けたチェックバルブのリフト量を比較的小さく
して閉じ側への応答性を確保することにより、油圧緩衝
器の圧縮行程から伸長行程への切り換わり時に発生し易
い伸側発生減衰力の立ち上がり特性のだれを防止しなが
ら、かつ、圧縮行程時において拡大する上部油室への作
動油の補給作用をも充分に確保して負圧の発生を防止す
ることができる。
【0062】また、チェックバルブのリフト量と当該チ
ェックバルブにおけるリーフバルブの撓み特性とを選ぶ
ことによって、高速域での発生減衰力を変化させること
なく中速域での発生減衰力のみを変更することが可能に
なる。
【0063】かくして、作動性と緩衝特性に優れた油圧
緩衝器を提供することが可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案を二輪車用フロントフォークに実施し
た場合の実施例を示す減衰力発生機構部の部分縦断正面
図である。
【図2】同上ピストン部のみを拡大して示す縦断正面図
である。
【図3】同じく、この考案を自動二輪車用リヤクッショ
ンユニットに実施した場合の他の実施例を示す縦断正面
図である。
【符号の説明】
14,31,40 チェックバルブ 47 リーフバルブ 48 サポート 49 係止部であるバルブストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/34 F16K 15/08 F16K 15/16

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撓み可能なリーフバルブと、当該撓み可
    能なリーフバルブの背面側に配設した小径のサポートと
    でチェックバルブを構成し、当該チェックバルブをピス
    トンにおける圧側ポートの出口部分と係止部間に移動自
    在に配置したことを特徴とする油圧緩衝器のピストンチ
    ェックバルブ構造。
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