JPH0669476U - 油圧緩衝器のピストンチェックバルブ構造 - Google Patents

油圧緩衝器のピストンチェックバルブ構造

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JPH0669476U
JPH0669476U JP1701093U JP1701093U JPH0669476U JP H0669476 U JPH0669476 U JP H0669476U JP 1701093 U JP1701093 U JP 1701093U JP 1701093 U JP1701093 U JP 1701093U JP H0669476 U JPH0669476 U JP H0669476U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧緩衝器に用いられるチェックバルブのリ
フト量を比較的小さくして閉じ側への応答性を確保しな
がら、かつ、圧縮行程時の高速域にあっても拡大する上
部油室への作動油の補給作用を損なうことがなく、しか
も、圧側高速域での発生減衰力をそのままにして中速域
のみの発生減衰力を変更することができるようにする。 【構成】 撓み可能のリーフバルブ47と、当該リーフ
バルブ47の背面側に配設した小径のサポート48とで
チェックバルブ31を構成する。そして、上記サポート
48を係止部であるバルブストッパ49に当てることで
チェックバルブ31のリフト量を制限しつつ、当該チェ
ックバルブ31をピストン25における圧側ポート29
の出口部分と係止部であるバルブストッパ49との間に
移動自在に配置する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、油圧緩衝器の伸縮動作時において作動油の流れを制御するピスト ンチェックバルブの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の油圧緩衝器におけるピストンチェックバルブは、ピストンに設 けた圧側ポートの出口部分と係止部であるバルブストッパとの間に剛性をもった 平板状のバルブを移動自在に配置し、この平板状のバルブをバルブストッパとの 間に介装したスプリングで上記ピストンにおける圧側ポートの出口部分へと押し 付けることによって構成している。
【0003】 そして、当該油圧緩衝器の圧縮行程時にあっては、ベースバルブをもつ形式の 油圧緩衝器(例えば複筒型油圧緩衝器)の場合、ピストンによって区画された下 部油室内の作動油を、当該ピストンの圧側ポートからチェックバルブを押し開い て上部油室へと押し出しつつ、ピストンロドの侵入体積分に相当する量の作動油 を下部油室からベースバルブの減衰バルブを押し開いてリザーバに流し、これら ベースバルブの減衰バルブとピストンのチェックバルブを通る作動油の流動抵抗 で圧側減衰力を発生する。
【0004】 また、ピストンロッドの侵入および退出体積分の作動油を補償するガス室を備 えた油圧緩衝器(例えば単筒型油圧緩衝器)にあっては、同様に下部油室内の作 動油をピストンに設けた圧側ポートからチェックバルブを押し開いて上部油室に 流し、このチェックバルブを通る作動油の流動抵抗で圧側減衰力を発生しつつ、 かつ、ピストンロッドの侵入体積分に相当する作動油量をガス室の圧縮によって 補償する。
【0005】 一方、油圧緩衝器の伸長行程時においては、前者の形式の油圧緩衝器の場合、 ピストンによって区画された上部油室内の作動油を、当該ピストンの伸側ポート からチェックバルブと並列に設けた伸側減衰バルブを押し開いて下部油室へと押 し出しつつ、この伸側減衰バルブを通る作動油の流動抵抗で伸側減衰力を発生す ると共に、ピストンロッドの退出体積分に相当する量の作動油をリザーバからベ ースバルブのチェックバルブを開いて抵抗なく下部油室へと吸い込む。
【0006】 また、後者の形式のものにあっては、同様に上部油室内の作動油を当該ピスト ンの伸側ポートからチェックバルブと並列に設けた伸側減衰バルブを押し開いて 下部油室に流し、この伸側減衰バルブを通る作動油の流動抵抗で伸側減衰力を発 生しつつ、かつ、ピストンロッドの退出体積分に相当する作動油量をガス室の膨 張によって補償する。
【0007】 このように、複筒型或いは単筒型の何れの形式の油圧緩衝器にあってもピスト ンに設けたチェックバルブは、油圧緩衝器の圧縮動作に伴って拡大する上部油室 へと作動油を補給する役目と同時に、前者にあっては圧側発生減衰力の一部を負 担する役目を、また、後者にあっては圧側減衰力の発生そのものを受け持つ役目 の両方を併せもつ。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
このことから、当該チェックバルブは、油圧緩衝器において要求される圧側減 衰力特性に合わせて構成しなければならないのは勿論のこと、圧縮行程時におい て拡大する上部油室への作動油の補給に支障をきたして当該上部油室に負圧が生 じ、この負圧によってキャビテーションや異音の発生をもたらさないように構成 してやらなければならない。
【0009】 また、そればかりでなく、油圧緩衝器の圧縮行程から伸長行程への切り換わり 時に当該チェックバルブに閉じ遅れが発生すると、それに伴って、伸側発生減衰 力の立ち上がり特性にだれが生じることから、当該チェックバルブに閉じ遅れが 発生しないようにもしてやらなければならない。
【0010】 しかし、前記した従来の平板状のチェックバルブ構造では、上記全ての要求を 満たすことが困難であるという不都合をもつ。
【0011】 何となれば、圧縮行程時において拡大する上部油室への作動油の補給作用を確 保し、負圧によるキャビテーションや異音の発生を防止してやるには、流動する 作動油量が多くなる油圧緩衝器の圧側高速域において、チェックバルブが充分な 開口面積をもって開くように当該チェックブルブのリフト量をできるだけ大きく とってやらなければならない。
【0012】 反面、油圧緩衝器の圧縮行程から伸長行程への切り換わり時におけるチェック バルブの閉じ遅れによる伸側発生減衰力の立ち上がり特性のだれ防止を考慮する と、当該チェックバルブのリフト量はできるだけ小さい方が有利であるという相 反する結果をもつからである。
【0013】 また、そればかりでなく、上記負圧によるキャビテーションや異音の発生防止 と伸側発生減衰力の立ち上がり特性のだれ防止の両方を考慮してチェックバルブ のリフト量を決めようとすると、双方の兼ね合いから油圧緩衝器の圧縮動作が中 速域に達した時点でチェックバルブが全開状態になるように当該チェックバルブ のリフト量を制限してやらなければならない。
【0014】 そのために、中速域以上の圧側減衰力特性は、当該チェックバルブの最大開口 面積を通る作動油の流動抵抗よって一義的に決まってしまい、要求に合わせて油 圧緩衝器の圧側中速域の発生減衰力のみを上下しようとしても、それと同時に高 速域の発生減衰力も上下してしまって要求する圧側減衰力特性が得られないこと になるからである。
【0015】 したがって、この考案の目的は、ピストンに設けるチェックバルブのリフト量 を比較的小さくして閉じ側への応答性を確保することにより、油圧緩衝器の圧縮 行程から伸長行程への切り換わり時に発生し易い伸側発生減衰力の立ち上がり特 性のだれを防止しながら、かつ、圧縮行程時の高速域にあっても拡大する上部油 室への作動油の補給作用を損なうことがなく、しかも、圧側高速域での発生減衰 力をそのままにして中速域のみの発生減衰力を変更することのできる新規なこの 種油圧緩衝器のピストンチェックバルブを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この考案において、上記の目的は、撓み可能なリーフバルブと、当該リーフバ ルブの背面側に配設した小径のサポートとによってピストンチェックバルブを構 成する。
【0017】 そして、上記サポートを係止部に当てることでチェックバルブのリフト量を制 限しつつ、当該チェックバルブをピストンにおける圧側ポートの出口部分と係止 部間に移動自在に配置することによって達成される。
【0018】
【作用】
すなわち、この考案によれば、油圧緩衝器の圧縮動作が低速域にある間は、流 動する作動油量に応動してリーフバルブとサポートからなるピストンチェックバ ルブがリフトし、上部油室へと殆ど抵抗な作動油を送り込む。
【0019】 一方、油圧緩衝器の圧縮動作が中速域に入って流動する作動油量が殖えると、 リーフバルブとサポートからなる当該チェックバルブがそのまま全開位置までリ フトし、上部油室へと作動油を充分に送り込むと共に、このチェックバルブの開 口部で作動油に流動抵抗を与える。
【0020】 したがって、ピストンチェックバルブのリフト量を圧側中速域での望ましい発 生減衰力特性に合わせて設定しておけば、当該チェックバルブの開放に伴う開口 部の流動抵抗で圧側減衰力の負担分或いは圧側減衰力そのものを発生する。
【0021】 また、油圧緩衝器の圧縮動作がさらに速くなって高速域に入ると、それに伴っ て増加する作動油の流動量に応じてピストンチェックバルブを構成するリーフバ ルブの外周部分が、サポートの外縁を支点として上部油室側へと撓み、当該チェ ックバルブの開口部面積を増大させる。
【0022】 これにより、上記リーフバルブの剛性を高速域での望ましい発生減衰力特性に 合わせて選定しておけば、リーフバルブの撓みに伴うチェックバルブの開口部面 積の増加によって上部油室へと充分な作動油の送り込みを補償しつつ、かつ、こ のリーフバルブの撓み特性に応じた開口面積によって圧側減衰力の負担分或いは 圧側減衰力そのものを発生することになる。
【0023】 かくして、ピストンにおけるチェックバルブのリフト量を比較的小さくして閉 じ側への応答性を確保することにより、油圧緩衝器の圧縮行程から伸長行程への 切り換わり時に発生し易い伸側発生減衰力の立ち上がり特性のだれを防止しなが ら、かつ、圧縮行程時の高速域にあっても拡大する上部油室への作動油の補給作 用を損なうことがなく、しかも、このチェックバルブのリフト量と当該チェック バルブを構成するリーフバルブの撓み特性とを選ぶことによって、圧側高速域で の発生減衰力を変化させることなく中速域での発生減衰力のみを変更することが 可能になるのである。
【0024】
【実施例】
以下、図面に基づいてこの考案を説明する。
【0025】 図1は、この考案を油圧緩衝器の1つである二輪車用フロントフォークに実施 した例を示すものであって、当該フォロントフォークは、車体側に連結するアウ タチューブ20と、当該アウタチューブ20内に抜き差し自在に挿入した前輪支 架用のインナチューブ21とからなる。
【0026】 インナチューブ21の下底からは上方へと向かってシリンダ22が起立してお り、シリンダ22の上端を密封するシールキャップ23とアウタチューブ20の 上端(この部分は図示省略)との間に懸架用のコイルスプリング24が介装され ていて、このコイルスプリング24の復元力により車体を前輪に対して弾性的に 支持する。
【0027】 シリンダ22内にはピストン25が摺動自在に挿入され、このピストン25に よってシリンダ22内を上部油室Aと下部油室Bとに区画すると共に、シリンダ 22内を除くアウタチューブ20とインナチューブ21内がリザーバ室Cとなっ ている。
【0028】 ピストン25は保持部材26によって支持されており、この保持部材26から は、シリンダ22のシールキャップ23を貫通してピストンロッド27が上方へ と延び、このピストンロッド27の上端はアウタチューブ20の上端部分に取り 付けられている。
【0029】 ピストン25は、伸側ポート28と圧側ポート29とを備え、伸側ポート28 の下端出口側は、内周固定の伸側減衰力発生用のリーフバルブ30によって閉じ られており、かつ、圧側ポート29の上端出口側は、スプリング45を押して上 部油室A側へと開くチェックバルブ31で覆われている。
【0030】 これら伸側および圧側ポート28,29と並行して保持部材26とピストンロ ッド27に亙り、上部油室Aからリザーバ室C側に通じるバイパス油路32(リ ザーバ室Cへの連通部分は図示省略)が設けてあり、このバイパス油路32の途 中には、外部から中空の操作ロッド33を通して調整可能な可変オリフィス34 を形作るニードルバルブ35が介装してある。
【0031】 一方、インナチューブ21とシリンダ22の下端を密封するキャップ体36に は、前記ピストン25と対向してベースバルブ機構が配設してあり、このベース バルブ機構は、キャップ体36に固定した隔壁体39を有する。
【0032】 隔壁体39には、伸側ポート37と圧側ポート38がそれぞれ穿設してあり、 伸側ポート37の上端出口側は、スプリング46を押して下部油室B側へと開く チェックバルブ40で覆われており、かつ、圧側ポート38の下端出口側は、内 周固定の圧側減衰力発生用のリーフバルブ41によって閉じられている。
【0033】 また、隔壁体39を保持するキャップ体36にも先のピストン25と同様に、 伸側および圧側ポート37,38と並行して下部油室Bからリザーバ室C側に通 じるバイパス油路42が設けてあり、このバイパス油路42の途中に可変オリフ ィス43を形作るニードルバルブ44が介装され、このニードルバルブ44を外 部から調整操作し得るようにしてある。
【0034】 これにより、フロントフォークの伸長行程時にあっては、上部油室Aからピス トン25側のバイパス油路32を通してリザーバ室Cに流れる作動油に対して可 変オリフィス34が与える流動抵抗と、ピストン25の伸側ポート28から伸側 減衰力発生用のリーフバルブ30を押し開いて下部油室Bに向かう作動油の流れ に対し当該リーフバルブ30が与える流動抵抗とで伸側減衰力を発生する。
【0035】 また、このとき、下部油室Bには、ピストンロッド27の退出体積分に相当す る量の作動油がリザーバ室Cから隔壁体39の伸側ポート37を通してチェック バルブ40を開きつつ殆ど抵抗なく補給される。
【0036】 一方、フロントフォークの圧縮行程時にあっては、下部油室B内の作動油が、 ピストン25の圧側ポート29からチェックバルブ31を押し開いて上部油室A 流入すると共に、ピストンロッド27の侵入体積分に相当する量の作動油が、ベ ースバルブ機構におけるキャップ体36のバイパス油路42を通して、また、隔 壁体39の圧側ポート38から圧側減衰力発生用のリーフバルブ41を押し開い てリザーバ室Cに流れる。
【0037】 これにより、上記バイパス油路42を通る作動油の流れに対して可変オリフィ ス43が与える流動抵抗と、隔壁体39の圧側ポート38から圧側減衰力発生用 のリーフバルブ41を押し開きつつ流れる作動油に対してリーフバルブ41が与 える流動抵抗とで圧側減衰力を発生する。
【0038】 また、上記に加え、特に、ピストン25に設けたチェックバルブ31を通る作 動油の流量が多くなるフロントフォークの圧縮動作の中・高速域において、当該 チェックバルブを全開位置までリフトさせてその上昇を制限し、作動油に対しチ ェックバルブ31の開口部による絞り効果により流動抵抗を与えて圧側減衰力の 一部を負担する。
【0039】 上記したフロントフォークに対してこの考案を実施するために、ピストン25 における圧側ポート29の出口部分に対して設けたチェックバルブ31は、図2 の拡大図にみられるような構成をとっている。
【0040】 図2の左半分に示されているように、チェックバルブ31は、撓み可能の薄板 円盤で構成したリーフバルブ47と、当該リーフバルブ47の背面側に配設した 小径のサポート48とで構成されている。
【0041】 そして、これらリーフバルブ47とサポート48は、ピストン25とその上方 に配置された係止部であるバルブストッパ49間に位置して、当該サポート48 とバルブストッパ49との間にスプリング45を介装した状態で保持部材26に 取り付けたバルブガイド50の外周面に沿い移動自在に設けてある。
【0042】 これにより、チェックバルブ31を通して流れる作動油は、フロントフォーク の圧縮動作が低速域にある間は、流動する作動油量に応動してリーフバルブ47 とサポート48とからなるチェックバルブ31をスプリング45に抗して開きつ つ下部油室Bから上部油室Aへと向かっ流動する。
【0043】 なお、スプリング45は、フロントフォークが圧縮行程から伸長行程に切り換 わる際のチェックバルブ31の閉じ遅れを極力防ぐための比較的弱いものであっ て、したがって、上記下部油室Bから上部油室Aに向かう作動油の流動に対して は殆ど抵抗を与えることはない。
【0044】 一方、フロントフォークの圧縮動作が中速域に入って流動する作動油の量が殖 えると、チェックバルブ31を構成するリーフバルブ47がサポート48を伴っ て図2の右半分に仮想線で示されるように、サポート48が係止部であるバルブ ストッパ49に当ってその動きを阻止される全開位置までリフトし、下部油室B から上部油室Aに向かって作動油を充分に送り込みつつ、かつ、この全開位置ま でリフトしたリーフバルブ47の開口部で作動油に流動抵抗を与える。
【0045】 したがって、チェックバルブ31のリフト量を圧縮動作における中速域での望 ましい負担減衰力特性に合わせて設定しておけば、このチェックバルブ31の開 放に伴う開口部の流動抵抗で所望の伸側減衰力を負担することになる。
【0046】 また、フロントフォークの圧縮動作がさらに速くなって高速域に入ると、それ に伴い、増加する作動油の流動量に応じてチェックバルブ31を構成するリーフ バルブ47の外周部分が、図2の右半分に実線で示されるようにサポート48の 外縁を支点として上部油室A側へと撓み、チェックバルブ31の開口部面積は作 動油の流動量に応じて増大する。
【0047】 これにより、上記リーフバルブ47の剛性を圧縮動作における高速域での望ま しい負担減衰力特性に合わせて選定しておいてやれば、リーフバルブ47の撓み に伴うチェックバルブ31の開口部の面積増加によって上部油室Aへと充分な作 動油の送り込みを補償しつつ、かつ、このチェックバルブ31の撓み特性に応じ た開口面積によって高速域での圧側負担減衰力を発生することになる。
【0048】 なお、この実施例の場合、係止部であるバルブストッパ49は、その際にリー フバルブ47が撓み過ぎて破壊するのを防止する役目をも兼ねており、したがっ て、若し、このリーフバルブ47の先端部と対向する位置にリーフバルブ47の 撓み過ぎを防止するような適当な部材がない場合には、図2の左半分に仮想線で 示すような円盤状のバルブストッパ49aをサポート48上に重ね、当該バルブ ストッパ49aをリーフバルブ47とサポート48と共にバルブガイド50に沿 って移動自在に設けてやれるよにすればよい。
【0049】 かくして、ピストン25の圧側ポート29に対して設けたチェックバルブ31 のリフト量を比較的小さくして閉じ側への応答性を確保することにより、油圧緩 衝器の圧縮行程から伸長行程への切り換わり時に発生し易い伸側発生減衰力の立 ち上がり特性のだれを防止しながら、かつ、圧縮行程時の高速域にあっても拡大 する上部油室Aへの作動油の補給作用を損なうことがなく、しかも、このチェッ クバルブ31のリフト量と当該チェックバルブ31におけるリーフバルブ45の 撓み特性とを選ぶことによって、高速域での圧側発生減衰力を変化させることな く中速域での発生減衰力のみを変更することが可能になるのである。
【0050】 また、図3は、自動二輪車用リヤクッションユニットである油圧緩衝器にこの 考案を実施した例を示すもので、当該油圧緩衝器は、シリンダ1内に摺動自在に 挿入したピストン2を備え、このピストン2によってシリンダ1内を上部油室A と下部油室Bとに区画している。
【0051】 ピストン2からは、シリンダ1の上端を密封するシールキャップ3を貫通して ピストンロッド4が外方へと延び、ピストンロッド4の上端に車体側への連結部 材5が取り付けてある。
【0052】 この連結部材5と対応してシリンダ1の下端には、後輪車軸を取り付けるため の取付アイ6が一体に形成してあり、油圧緩衝器は、これら連結部材5と取付ア イ6を通して自動二輪車の車体と後輪との間に取り付けられる。
【0053】 ピストンロッド4とシリンダ1との外周には、それぞればね受け7,8が取り 付けてあり、これらばね受け7,8間には懸架用のコイルスプリング9が介装さ れていて、このコイルスプリング9の復元力により車体を後輪に対して弾性的に 支持する。
【0054】 前記上部油室Aと下部油室B内は作動油で満たされており、この作動油の温度 変化に伴う体積変動の補償と、油圧緩衝器の伸長および圧縮行程時にシリンダ1 内へと進退するピストンロッド4の体積分の作動油を補償するために、下部油室 B内にはフリーピストン10が摺動自在に挿入されていて、下部油室B内の下端 部分にガス室Cを区画している。
【0055】 ピストン2は、伸側ポート11と圧側ポート12とを備え、伸側ポート11の 下端出口側は内周固定に伸側減衰力発生用のリーフバルブ13によって閉じられ ており、同様に圧側ポート12の上端出口側はチェックバルブ14によって覆わ れている。
【0056】 また、これら伸側および圧側ポート11,12と並行してピストンロッド4に はバイパス油路15が設けてあり、このバイパス油路15中には、外部から調整 摘み16と操作ロッド17を通して調整可能な可変オリフィス18を形作るニー ドルバルブ19が介装してある。
【0057】 これにより、油圧緩衝器の伸長行程時にあっては、上部油室Aからバイパス油 路15を通して下部油室Bに流れる作動油に対して可変オリフィス18が与える 流動抵抗と、ピストン2の伸側ポート11からリーフバルブ13を押し開いて下 部油室Bに向かう作動油の流れに対し、リーフバルブ13が与える流動抵抗とで 伸側減衰力を発生する。
【0058】 一方、油圧緩衝器の圧縮行程時にあっては、下部油室Bからバイパス油路15 を通して上部油室Aに流れる作動油に対して可変オリフィス18が与える流動抵 抗と、ピストン2の圧側ポート12からチェックバルブ14を押し開いて上部油 室Aへと向かう作動油の流れに対し、チェックバルブ14の開口部が与える流動 抵抗とで圧側減衰力を発生することになる。
【0059】 そして、この油圧緩衝器にあっても、前記圧側ポート12を覆うチェックバル ブ14は先の実施例と同様に、撓み可能な薄板円盤で構成したリーフバルブ47 と、当該リーフバルブ47の背面側に配設した小径のサポート48とから構成さ れ、かつ、ピストン2とその上方に配置された係止部であるバルブストッパ49 との間に移動自在に設けてある。
【0060】 このことから、当該油圧緩衝器にあっても、チェックバルブ14のリフト量を 比較的小さくして閉じ側への応答性を確保しながら、かつ、拡大する上部油室A への作動油の補給作用を損なうことがなく、しかも、チェックバルブ14のリフ ト量と当該チェックバルブ14におけるリーフバルブ45の撓み特性とを選ぶこ とによって、圧側高速域での発生減衰力を変化させることなく中速域での発生減 衰力のみを変更し得ることは、先の実施例の説明に基づいて明らかである。
【0061】
【考案の効果】
以上のように、この考案によれば、ピストンに設けたチェックバルブのリフト 量を比較的小さくして閉じ側への応答性を確保することにより、油圧緩衝器の圧 縮行程から伸長行程への切り換わり時に発生し易い伸側発生減衰力の立ち上がり 特性のだれを防止しながら、かつ、圧縮行程時において拡大する上部油室への作 動油の補給作用をも充分に確保して負圧の発生を防止することができる。
【0062】 また、チェックバルブのリフト量と当該チェックバルブにおけるリーフバルブ の撓み特性とを選ぶことによって、高速域での発生減衰力を変化させることなく 中速域での発生減衰力のみを変更することが可能になる。
【0063】 かくして、作動性と緩衝特性に優れた油圧緩衝器を提供することが可能になる のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案を二輪車用フロントフォークに実施し
た場合の実施例を示す減衰力発生機構部の部分縦断正面
図である。
【図2】同上ピストン部のみを拡大して示す縦断正面図
である。
【図3】同じく、この考案を自動二輪車用リヤクッショ
ンユニットに実施した場合の他の実施例を示す縦断正面
図である。
【符号の説明】
14,31,40 チェックバルブ 47 リーフバルブ 48 サポート 49 係止部であるバルブストッパ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撓み可能なリーフバルと、当該リーフバ
    ルブの背面側に配設した小径のサポートとでチェックバ
    ルブを構成し、当該チェックバルブをピストンにおける
    圧側ポートの出口部分と係止部間に移動自在に配置した
    ことを特徴とする油圧緩衝器のピストンチェックバルブ
    構造。
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