JP4090793B2 - 車両用の油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用の油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
実登録2529994には、アウタチューブとインナチューブの内部にダンパシリンダとピストンロッドからなるダンパを内装した倒立型のフロントフォークが開示されている。しかしながら、この従来技術では、インナチューブの内側にインナチューブとは別体のダンパを設けるため、ダンパシリンダ47や、該ダンパシリンダをインナチューブの底部に固定する部材等を必要とし、コスト高になる。
【0003】
実公平5-11400では、部品点数を削減するため、ダンパシリンダを備えない従来技術として、インナチューブ3の上端部内周に、アウタチューブ2側に取り付けた中空のピストンロッド7が挿通する軸受8を設け、インナチューブ内に、作動油を満たした作動油室C、Bを設け、この作動油室C、B内を中空のピストンロッドの先端部に設けたピストン13が直接摺動するものを開示している。この従来技術は、軸受8の上部に、ピストンロッドの作動油室C、B内への侵入又は作動油室からの退出に伴なう体積補償を行なう油溜室Aを設けた簡素な倒立型のフロントフォークである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
実公平5-11400のフロントフォークは、調整弁体51とポート22からなる位置依存機構を備え、圧縮時に、検出スプリング34が撓んだ分、調整弁体51がピストンロッド内の作動油通路を閉じることにより、圧縮位置に依存した圧側減衰力を発生させるようにしている。
【0005】
しかしながら、この実公平5-11400の位置依存機構は、調整弁体51、検出スプリング34を必要とする等、構造が複雑で、コスト高になる。また、調整弁体51は検出スプリングと懸架スプリングの間に挟持され支持されているため、調整弁体51の変位が懸架ばねと該調整弁体51の慣性力の影響を受け易く、圧縮位置に正確に比例しなくなり、安定した位置依存減衰力が得られない虞がある。
【0006】
本発明の課題は、インナチューブ内にピストンが摺動する油室を設けた油圧緩衝器において、圧縮位置に依存した圧側減衰力を簡素な構造によって安定的に発生させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、アウタチューブ内にインナチューブを上下のガイドブッシュを介して摺動自在に挿入し、前記アウタチューブと前記インナチューブの間に、前記2つのガイドブッシュにて区画される環状の油室を設け、前記インナチューブの内周に、前記アウタチューブ側に取り付けたピストンロッドを摺動自在に案内する隔壁部材を設け、該隔壁部材と該インナチューブの内周との間に油室を区画し、前記ピストンロッドの先端部に設けたピストンにて、前記インナチューブ内の油室を、前記ピストンロッドを収容するピストンロッド側油室とピストンロッドを収容しないピストン側油室に区画し、前記ピストン又はピストンロッドに前記ピストンロッド側油室とピストン側油室を連通する油路と圧側減衰力発生手段を設けた車両用の油圧緩衝器において、前記インナチューブに、前記環状の油室と前記ピストンロッド側油室を連通する第1の油孔と、前記環状の油室と前記ピストン側油室を連通する第2の油孔を設け、前記ピストンロッド側油室とピストン側油室を前記環状の油室によって形成されるバイパス油路により連通可能にし、圧縮行程の最圧縮側で、前記ピストンによって該第2の油孔を該ピストン側油室に対し遮断し、上記バイパス油路を閉じるようにし、前記環状の油室により、前記インナチューブに進入、退出するピストンロッドの容積分の作動油を補償する体積補償室を形成するようにしたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ピストン又はピストンロッドの側に支持され、インナチューブの底部側に向かって縮径し、前記第2の油孔との間に環状の隙間を形成するスプリングカラーを設け、該スプリングカラーと前記インナチューブの側との間に懸架スプリングを介装したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は油圧緩衝器の全体を示す断面図、図2は図1の下端側の要部を拡大して示す断面図、図3は図1の上端側の要部を拡大して示す断面図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5は図3の要部拡大断面図、図6はチェック弁を示す斜視図である。
【0010】
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11を車体側に、インナチューブ12を車輪側に配置する倒立型フロントフォークであり、図1〜図3に示す如く、アウタチューブ11の下端開口部の内周に固定したガイドブッシュ11Aと、インナチューブ12の上端開口部の外周に固定したガイドブッシュ12Aを介して、アウタチューブ11の内部にインナチューブ12を摺動自在に挿入する。11Bはオイルシール、11Cはダストシールである。アウタチューブ11の上端開口部にはキャップ13が液密に螺着され、アウタチューブ11の外周には車体側取付部材14A、14Bが設けられる。インナチューブ12の下端開口部にはボトムブラケット15がOリング12Bを介して液密に挿着されて螺着され、ボトムブラケット15には車輪側取付部16が設けられる。
【0011】
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11の内周と、インナチューブ12の外周と、前記2つのガイドブッシュ11A、12Aにて区画される環状油室17を区画する。
【0012】
油圧緩衝器10は、インナチューブ12の上端側内周にOリングを介する等により液密に、隔壁部材19を設け、隔壁部材19のロッドガイド部19Aより下部に油室21を区画するとともに、上部に油溜室22を区画する。油溜室22の中でその下側領域は油室22A、上側領域は空気室22Bである。
【0013】
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11に取付けたピストンロッド23を隔壁部材19のロッドガイド部19Aに摺動自在に挿入する。具体的には、キャップ13の中心部にばね荷重調整スリーブ24を液密に螺着し、油溜室22に挿入されたスリーブ24の下端部に中空ピストンロッド23を螺着し、これをロックナット25で固定する。
【0014】
油圧緩衝器10は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aからインナチューブ12に挿入したピストンロッド23の先端部に、インナチューブ12の内周に摺接するピストン26を固定し、前記油室21をピストンロッド23が収容されるピストンロッド側油室21Aと、ピストンロッド23が収容されないピストン側油室21Bに区画する。ピストン26はナット27により固定される。
【0015】
油圧緩衝器10は、前記環状油室17を、インナチューブ12に設けた油孔28を介して、ピストンロッド側油室21Aに常時連通する。
【0016】
油圧緩衝器10は、ピストン26のピストン側油室21Bに臨む下端面にスプリングカラー31を衝合し、ボトムブラケット15が形成するインナチューブ12の底部にスプリングシート32を着座させ、スプリングカラー31の後述するテーパ部31Aに連なる最下端縮径部31Bとの段差部に設けたスプリングシート31Cとスプリングシート32の間に懸架スプリング33を介装している。油圧緩衝器10は、前述のばね荷重調整スリーブ24を螺動することにより、ピストンロッド23及びピストン26を上下動し、この上下動により懸架スプリング33のばね荷重を調整する。油圧緩衝器10は、車両走行時に路面から受ける衝撃力を懸架スプリング33の伸縮振動により吸収する。
【0017】
油圧緩衝器10は、ピストン26に減衰力発生装置40を備える。
減衰力発生装置40は、圧側流路41と伸側流路42を備える。圧側流路41は、バルブストッパ41Bにバックアップされる圧側ディスクバルブ41Aにより開閉される。伸側流路42は、バルブストッパ42Bにバックアップされる伸側ディスクバルブ42Aにより開閉される。尚、バルブストッパ41B、バルブ41A、ピストン26、バルブ42A、バルブストッパ42Bは、ピストンロッド23に挿着されるバルブ組立体を構成し、ピストンロッド23に係着されたストッパリング41Cと、ピストンロッド23に螺着されるナット27に挟まれて固定される。
【0018】
減衰力発生装置40は、ばね荷重調整スリーブ24の中心部にアジャストロッド43を液密に螺着し、アジャストロッド43に固定したニードルバルブ44をピストンロッド23の中空部に挿入し、ピストンロッド23に設けたバイパス路45の開度をニードルバルブ44の上下動により調整する。バイパス路45は、ピストン26をバイパスし、ピストンロッド側油室21Aとピストン側油室21Bを連絡する。
【0019】
減衰力発生装置40は、圧側行程では、低速域で、ニードルバルブ44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により圧側減衰力を発生し、中高速域で、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。また、伸側行程では、低速域で、ニードルバルブ44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により伸側減衰力を発生し、中高速域で、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。この圧側減衰力と伸側減衰力により、前述した懸架スプリング33の伸縮振動を制振する。
【0020】
油圧緩衝器10は、キャップ13の下端面に、インナチューブ12に設けた隔壁部材19の上端部が最圧縮ストロークで衝合するストッパラバー13Aを固着しており、このストッパラバー13Aによって最圧縮ストロークを規制する。
【0021】
油圧緩衝器10は、インナチューブ12の上端側の隔壁部材19のピストンロッド側油室21Aに臨む下端面に加締め固定したスプリングシート51と、ピストン26の上端面の側に設けたバルブストッパ41Bとの間にリバウンドスプリング52を介装してある。油圧緩衝器10の最伸長時に、隔壁部材19がリバウンドスプリング52をバルブストッパ41Bとの間で加圧することにより、最伸長ストロークを規制する。
【0022】
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、図4に示す如く、アウタチューブ11とインナチューブ12の環状隙間からなる前記環状油室17の断面積S1を、ピストンロッド23の断面積(外径に囲まれる面積)S2より大きく形成している(S1>S2、但しS1≧S2でも可)。
【0023】
また、図5に示す如く、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに、圧側行程では油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容し、伸側行程ではピストンロッド側油室21Aから油溜室22への油の流れを阻止するチェック弁60を設けている。隔壁部材19のロッドガイド部19Aの内周にはバルブ室61が設けられ、バルブ室61の上端側の段差部61Aと、バルブ室61の下端側に設けられた前述のスプリングシート51との間にチェック弁60が収容される。チェック弁60は、図6に示す如く、段差部61Aとスプリングシート51の間隔より短尺とされ、下端面に横溝62を形成される。チェック弁60は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに設けたバルブ室61の内周に摺接して上下変位可能に設けられる。チェック弁60の外周は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに設けたバルブ室61の内周との間に、油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容する流路を形成する。チェック弁60は、ピストンロッド23を摺動自在に支持するブッシュ70をその内周に圧入されて備える。圧側行程では、チェック弁60はインナチューブ12に進入するピストンロッド23に連れ移動して図5の下方に移動し、スプリングシート51に衝合するとともに、段差部61Aとの間に隙間を形成し、ピストンロッド側油室21Aの油を横溝62からその外周経由で段差部61Aとの隙間を通って油溜室22へ排出可能とする。伸側行程では、チェック弁60はインナチューブ12から退出するピストンロッド23に連れ移動して図5の上方に移動し、段差部61Aに衝合して該段差部61Aとの間の隙間を閉じ、ピストンロッド側油室21Aの油が上述した圧側行程の逆経路で油溜室22へ排出されることを阻止する。
【0024】
また、隔壁部材19のロッドガイド部19Aはピストンロッド23の周囲にオイルシールを封着していないから、チェック弁60の内周に圧入してあるブッシュ70がピストンロッド23の周囲に形成する微小間隙(又はチェック弁60が段差部61Aとの間に形成する微小間隙)により、ピストンロッド側油室21Aと油溜室22を連通する微小流路(オリフィス)71(不図示)を構成する。微小流路71は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに穿設され、ピストンロッド側油室21Aと油溜室22を連通するものでも良い。
【0025】
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、圧縮位置に依存した圧側減衰力を発生させるため、以下の構成を備える。
【0026】
油圧緩衝器10では、環状油室17とピストンロッド側油室21Aを連通するようにインナチューブ12に設けた前述の油孔28を第1の油孔とし、環状油室17とピストン側油室21Bを連通する第2の油孔29をインナチューブ12に設け、乗車1G(Gは重力の加速度)位置を中心とする小さなストロークを超えて圧縮するときにピストン26の外周に設けたピストンリング26Aによって第2の油孔29をピストン側油室21Bに対し遮断する(スプリングカラー31等のピストン26に付帯する部材により第2の油孔29をピストン側油室21Bに対し遮断するものでも良い)。
【0027】
ここで、ピストン26の下端面に前述の如く支持されているスプリングカラー31は、圧縮ストロークでピストン26が第2の油孔29に到達する前段階で、第2の油孔29が設けられているインナチューブ12の内周との間に環状の間隙を形成する。そして、スプリングカラー31は、ピストン26に衝合する上端外径をピストン26の外周径に等しくする状態下で、インナチューブ12の底部側に向かって縮径するテーパ部31Aをその外周に備え、圧縮ストロークが大きくなるに従い、第2の油孔29との間隙(第2の油孔29の開度)を徐々に狭める。
【0028】
油圧緩衝器10の動作は以下の如くになる。
(圧側行程)
圧側行程でインナチューブ12に進入するピストンロッド23の進入容積分の作動油がインナチューブ12の内周の油室21Aからインナチューブ12の油孔28を介して環状油室17に移送される。このとき、環状油室17の容積増加分ΔS1(補給量)がピストンロッド23の容積増加分ΔS2より大きいから、環状油室17への油の必要補給量のうち、(ΔS1−ΔS2)の不足分が油溜室22からチェック弁60を介して補給される。
【0029】
この圧側行程では、前述した通り、低速域で、ニードルバルブ44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により圧側減衰力を発生し、中高速域で、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。
【0030】
また、この圧側行程では、圧側減衰力を下記(a)〜(c)の如くに圧縮位置に依存せしめる。
【0031】
(a)乗車1G位置(図1)を中心とした小ストローク域では、ピストン26は第2の油孔29をピストン側油室21Bに全開させており、ピストンロッド側油室21Aとピストン側油室21Bを、環状油室17が第1の油孔28、第2の油孔29とともに形成するバイパス油路により導通し、ピストン側油室21Bからピストンロッド側油室21Aへの作動油の流れを減衰力発生装置40に対しバイパスさせるから、圧側減衰力は低い。
【0032】
(b)圧縮ストロークが大きくなるに従い、スプリングカラー31のテーパ部31Aが第2の油孔29との間隙を徐々に狭め、上述(a)のバイパス油路の入口開度を狭めるから、減衰力発生装置40を通過するピストン側油室21Bからピストンロッド側油室21Aへの作動油の流れが次第に多くなり、圧側減衰力は次第に高くなる。
【0033】
(c)乗車1G位置を中心とする小さなストローク域を超えて圧縮ストロークが更に大きくなると、ピストン26が第2の油孔29をピストン側油室21Bに対し遮断する。ピストン側油室21Bからピストンロッド側油室21Aヘ流れる作動油の全量が減衰力発生装置40を通過するものとなり、高い圧側減衰力を発生させる。
【0034】
(伸側行程)
伸側行程でインナチューブ12から退出するピストンロッド23の退出容積分の作動油が環状油室17からインナチューブ12の油孔29を介してインナチューブ12の内周の油室21Aに移送される。このとき、環状油室17の容積減少分ΔS1(排出量)がピストンロッド23の容積減少分ΔS2より大きいから、環状油室17からの油の排出量のうち、(ΔS1−ΔS2)の余剰分が微小流路71を介して油溜室22へ排出される。
【0035】
この伸側行程では、前述した通り、低速域で、ニードルバルブ44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により伸側減衰力を発生し、中高速域で、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。また、上述の微小流路71の通路抵抗による伸側減衰力も発生する。
【0036】
この伸側行程でも、最圧縮ストローク側では、ピストン26が第2の油孔29をピストン側油室21Bに対し遮断しており減衰力発生装置40による伸側減衰力は高い。他方、乗車1G位置を中心とした小ストローク域では、ピストン26が第2の油孔29をピストン側油室21Bに対し全開させ伸側減衰力は低い。中間ストローク域では、スプリングカラー31のテーパ部31Aが第2の油孔29との間隙を徐々に開き、伸側減衰力は次第に低くなる。
【0037】
尚、インナチューブ12の内部の油の温度変化による容積変化量は、微小流路71を介して油溜室22に排出され、又は油溜室22から補給されて補償される。
【0038】
従って、本実施形態によれば以下の作用がある。
(請求項1に対応する作用)
▲1▼乗車1G位置を中心とした小ストローク域では、ピストン26の両側の油室21A、21Bが環状油室17によって形成されるバイパス油路により連通し、ピストン側油室21Bからピストンロッド側油室21Aへの作動油の流れがピストン26に設けた減衰力発生装置40をバイパスするから、発生する圧側減衰力は低く、やわらかい乗り心地が得られる。他方、大きくストロークした最圧縮側では、バイパス油路が閉じられ、ピストン側油室21Bからピストンロッド側油室21Aへの作動油の流れはピストン26に設けた減衰力発生装置40を通るから、圧側減衰力が高くなり、大入力を緩衝し、ふんばり感(底突き防止)を得ることができる。
【0039】
▲2▼アウタチューブ11とインナチューブ12の間に形成される環状油室17を利用し、ピストン26の両側の油室21A、21Bを連通するバイパス油路を形成するから、格別な部材を必要とせず、構造簡素な位置依存機構を構成することができる。また、検出スプリングを使用する場合に比べ、位置に依存した圧側減衰力を安定、確実に発生させることができる。
【0040】
(請求項2に対応する作用)
▲3▼ピストン26の側に支持したスプリングカラー31をテーパ状にしたから、圧縮ストロークが大きくなるに従い、該スプリングカラー31が第2の油孔29との間に形成する間隙(第2の油孔29の開度)を徐々に狭め、結果として、圧側減衰力を徐々に高める。これにより、第2の油孔29の開閉の切替えに伴なう減衰力変化の違和感をなくすことができ、圧側減衰力を圧縮位置に依存してスムースに変化させることができる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。本発明が適用される油圧緩衝器は、インナチューブに進入/退出するピストンロッドの進入容積分/退出容積分の作動油の容積変化や、インナチューブ内の油室の温度変化による作動油の容積変化を補償する体積補償室を、アウタチューブとインナチューブの間の環状油室により構成する。
【0042】
また、本発明が適用される油圧緩衝器は、アウタチューブを車輪側に、インナチューブを車体側に配置する正立型フロントフォークであっても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、インナチューブ内にピストンが摺動する油室を設けた油圧緩衝器において、圧縮位置に依存した圧側減衰力を簡素な構造によって安定的に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器の全体を示す断面図である。
【図2】図2は図1の下端側の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】図3は図1の上端側の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図5は図3の要部拡大断面図である。
【図6】図6はチェック弁を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器
11 アウタチューブ
11A ガイドブッシュ
12 インナチューブ
12A ガイドブッシュ
17 環状油室
19 隔壁部材
21 油室
21A ピストンロッド側油室
21B ピストン側油室
23 ピストンロッド
26 ピストン
28 第1の油孔
29 第2の油孔
31 スプリングカラー
33 懸架スプリング
40 減衰力発生装置(圧側減衰力発生手段)
41 圧側流路(油路)

Claims (2)

  1. アウタチューブ内にインナチューブを上下のガイドブッシュを介して摺動自在に挿入し、
    前記アウタチューブと前記インナチューブの間に、前記2つのガイドブッシュにて区画される環状の油室を設け、
    前記インナチューブの内周に、前記アウタチューブ側に取り付けたピストンロッドを摺動自在に案内する隔壁部材を設け、該隔壁部材と該インナチューブの内周との間に油室を区画し、
    前記ピストンロッドの先端部に設けたピストンにて、前記インナチューブ内の油室を、前記ピストンロッドを収容するピストンロッド側油室とピストンロッドを収容しないピストン側油室に区画し、
    前記ピストン又はピストンロッドに前記ピストンロッド側油室とピストン側油室を連通する油路と圧側減衰力発生手段を設けた車両用の油圧緩衝器において、
    前記インナチューブに、前記環状の油室と前記ピストンロッド側油室を連通する第1の油孔と、前記環状の油室と前記ピストン側油室を連通する第2の油孔を設け、前記ピストンロッド側油室とピストン側油室を前記環状の油室によって形成されるバイパス油路により連通可能にし、圧縮行程の最圧縮側で、前記ピストンによって該第2の油孔を該ピストン側油室に対し遮断し、上記バイパス油路を閉じるようにし、
    前記環状の油室により、前記インナチューブに進入、退出するピストンロッドの容積分の作動油を補償する体積補償室を形成するようにしたことを特徴とする車両用の油圧緩衝器。
  2. 前記ピストン又はピストンロッドの側に支持され、インナチューブの底部側に向かって縮径し、前記第2の油孔との間に環状の隙間を形成するスプリングカラーを設け、該スプリングカラーと前記インナチューブの側との間に懸架スプリングを介装した請求項1に記載の車両用の油圧緩衝器。
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