WO2004107356A2

WO2004107356A2 - ワイヤハーネスの組立方法とワイヤハーネス

Info

Publication number: WO2004107356A2
Application number: PCT/JP2004/007267
Authority: WO
Inventors: Satoshi Ando
Original assignee: Yazaki Corporation
Priority date: 2003-05-30
Filing date: 2004-05-27
Publication date: 2004-12-09
Also published as: JP2004356022A; LT1630826T; EP1630826A4; WO2004107356A3; CN1813319B; EP1630826B1; CN1813319A; EP1630826A2; MXPA05012916A

Abstract

　ワイヤハーネスの組立にかかる手間と工数の増加を抑制できるワイヤハーネスの組立方法とワイヤハーネスを提供する。　ワイヤハーネスは複数のサブハーネスを備えている。サブハーネスは電線を備えている。電線の外表面はサブハーネスの品番を示すサブハーネス品番表示用印が形成されている。ステップＳ１で電線にサブハーネス品番表示用印を形成し該電線を切断するとともに端子金具を取り付ける。ステップＳ２でサブハーネス品番表示用印毎に電線を仕分ける。ステップＳ３でサブハーネスを組み立てる。ステップＳ４でワイヤハーネスを組み立てる。

Description

明細書

ワイヤハーネスの組立方法とワイヤハーネス技術分野

[0001] 本発明は、自動車などに配索されて、電子機器同士などを接続するワイヤハーネスの組立方法及びワイヤハーネスに関する。

背景技術

[0002] 移動体としての自動車などには、種々の電子機器が搭載される。このため、前記自動車などは、前記電子機器に電源などからの電力やコンピュータなどからの制御信号などを伝えるために、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、複数のサブハーネスを備えている。サブハーネスは、前述した自動車に搭載される系統（システム）毎に設けられている。各サブハーネスは、複数の電線と、該電線の端部などに取り付けられたコネクタなどを備えてレ、る。

[0003] 電線は、導電性の芯線と該芯線を被覆する絶縁性の合成樹脂からなる被覆部とを備えている。電線は、所謂被覆電線である。コネクタは、端子金具と、この端子金具を収容するコネクタハウジングとを備えている。端子金具は、導電性の板金などからなり電線の端部に取り付けられてこの電線の芯線と電気的に接続する。コネクタハウジングは、絶縁性の合成樹脂からなり箱状に形成されている。ワイヤハーネスは、コネクタハウジングが前述した電子機器などと結合することにより、端子金具を介して各電線が前述した電子機器と電気的に接続して、前述した電子機器に所望の電力や信号を伝える。

[0004] 前記ワイヤハーネスを組み立てる際には、切断装置でまず電線を所定の長さに切断した後、該電線の端部などの被覆部を除去 (皮むき)して端子金具を取り付ける。その後、端子金具をコネクタハウジング内に揷入する。こうして、一旦、前述したサブハーネスを組み立てる。そして、組立られたサブハーネスを互いに組み付け、所定箇所にグロメットやプロテクタなどの外装品を取り付けて、ワイヤハーネスを組み立てる。発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0005] 前述したワイヤハーネスを組み立てる組立工程では、一つの切断装置で複数のサブハーネスで用いられる電線を切断して、端子金具を取り付けることが多レ、。このため、切断装置で切断され、端子が取り付けられた電線を、サブハーネス毎に分けて、各サブハーネスの組立ラインに搬送してきた。

[0006] 一方、ワイヤハーネスを構成する電線の数は、自動車に搭載される電子機器の増加に伴い、増加する傾向であった。このため、切断装置で、サブハーネス毎に電線を分けに《なり、ワイヤハーネスを組み立てるためにかかる手間と工数が増加する傾向であった。

[0007] したがって、本発明の目的は、ワイヤハーネスの組立に力、かる手間と工数の増加を抑制できるワイヤハーネスの組立方法及びワイヤハーネスを提供することにある。課題を解決するための手段

[0008] 前記課題を解決し目的を達成するために、請求項 1に記載の本発明のワイヤハーネスの組立方法は、サブハーネスを複数備え、かつ各サブハーネスが電線と該電線の端部に取り付けられたコネクタとを備えたワイヤハーネスを組み立てるワイヤハーネスの組立方法において、前記電線を測長し、切断した後、前記コネクタの端子金具を取り付けるとともに、前記電線の外表面を着色可能な切断装置を用い、前記切断装置で、前記電線の外表面の一部を着色して、該電線が用いられるサブハーネスの品番を示すサブハーネス品番表示部を各電線の外表面に形成し、前記切断装置により端子金具が取り付けられた電線を、前記サブハーネス品番表示部が示すサブハーネスの品番毎に集めて、各サブハーネスを組み立てた後、前記サブハーネスを互いに組み付けて、前記ワイヤハーネスを組み立てることを特徴としてレ、る。

[0009] 請求項 2に記載の本発明のワイヤハーネスの組立方法は、請求項 1記載のワイヤハーネスの組立方法において、前記サブハーネス品番表示部の色は、サブハーネス毎に異なっていることを特徴としている。

[0010] 請求項 3に記載の本発明のワイヤハーネスの組立方法は、請求項 1または請求項 2 記載のワイヤハーネスの組立方法において、前記サブハーネス品番表示部は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記電線の外表面が着色されて形成されてレ、ることを特徴としてレ、る。 [0011] 請求項 4に記載の本発明のワイヤハーネスの組立方法は、請求項 1ないし請求項 3 のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネスの組立方法において、前記コネクタは、前記電線の端部に取り付けられた端子金具と、端子金具を収容する端子収容室を有したコネクタハウジングとを備え、前記サブハーネス品番表示部は、前記端子金具が収容される端子収容室を示し、前記サブハーネス品番表示部にしたがって前記端子金具を端子収容室内に揷入して、前記サブハーネスを組み立てることを特徴としている。

[0012] 請求項 5に記載の本発明のワイヤハーネスは、サブハーネスを複数備え、かつ各サブハーネスが電線と該電線の端部に取り付けられたコネクタとを備えたワイヤハーネスにおいて、各サブハーネスを構成する電線の外表面には、該電線が用いられるサブハーネスの品番を示すサブハーネス品番表示部が形成されていることを特徴としている。

[0013] 請求項 6に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項 5に記載のワイヤハーネスにおいて、前記サブハーネス品番表示部の色は、サブハーネス毎に異なっていることを特徴としている。

[0014] 請求項 7に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項 5または請求項 6に記載のヮィャハーネスにおいて、前記サブハーネス品番表示部の色は、サブハーネス毎に異なっていることを特徴としている。

[0015] 請求項 8に記載の本発明のワイヤハーネスの組立方法は、請求項 5ないし請求項 7 のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネスの組立方法において、前記コネクタは、前記電線の端部に取り付けられた端子金具と、端子金具を収容する端子収容室を有したコネクタハウジングとを備え、前記サブハーネス品番表示部は、前記端子金具が収容される端子収容室を示すことを特徴としてレ、る。

[0016] 請求項 1に記載された本発明によれば、電線を切断して端子金具を取り付ける際に各サブハーネスにサブハーネスの品番を示すサブハーネス品番表示部を形成する。このため、サブハーネス品番表示部により、容易に各電線が用いられるサブハーネスを識別することができる。

[0017] 請求項 2に記載された本発明によれば、サブハーネス品番表示部の色が互いに異なるので、より容易に各電線が用いられるサブハーネスを識別することができる。また、サブハーネス品番表示部の色が互いに異なるので、サブハーネス品番表示部の色毎に電線を集めることで、電線を容易にサブハーネス毎に仕分けることができる。

[0018] 請求項 3に記載された本発明によれば、サブハーネス品番表示部が、着色材により外表面が着色されて形成されている。このため、サブハーネス品番表示部が、電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。

[0019] また、着色材を一定量ずつ滴射して、サブハーネス品番表示部を形成している。このため、必要以上にサブハーネス品番表示部が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。

[0020] 請求項 4に記載された本発明によれば、サブハーネス品番表示部にしたがって端子金具を端子収容室に揷入することで、サブハーネスを組み立てる。このため、サブハーネスを容易に組み立てることができる。

[0021] 請求項 5に記載された本発明によれば、各電線にサブハーネスの品番を示すサブハーネス品番表示部が形成されている。このため、サブハーネス品番表示部により、容易に各電線が用いられるサブハーネスを識別することができる。

[0022] 請求項 6に記載された本発明によれば、サブハーネス品番表示部の色が互いに異なるので、より容易に各電線が用いられるサブハーネスを識別することができる。また

、サブハーネス品番表示部の色が互いに異なるので、サブハーネス品番表示部の色毎に電線を集めることで、電線を容易にサブハーネス毎に仕分けることができる。

[0023] 請求項 7に記載された本発明によれば、サブハーネス品番表示部が、着色材により外表面が着色されて形成されている。このため、サブハーネス品番表示部が、電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。

[0024] また、着色材を一定量ずつ滴射して、サブハーネス品番表示部を形成している。このため、必要以上にサブハーネス品番表示部が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。

[0025] 請求項 8に記載された本発明によれば、サブハーネス品番表示部にしたがって端子金具を端子収容室に揷入することで、サブハーネスを組み立てることができる。このため、サブハーネスを容易に組み立てることができる。 [0026] なお、本明細書でレ、う着色材とは、色材（工業用有機物質）が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料 (大部分は有機物であり、合成品）があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用レ、られること力 Sある。より具体的な例として、本明細書でいう着色材とは、着色液と塗料との双方を示している。着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液で被覆部の外表面を着色すると、染料が被覆部内にしみ込み、塗料で被覆部の外表面を着色すると、顔料が被覆部内にしみ込むことなく外表面に接着する。即ち、本明細書でいう電線の外表面を着色するとは、電線の外表面の一部を染料で染めることと、電線の外表面の一部に顔料を塗ることとを示している。

[0027] また、前記溶媒と分散液は、被覆部を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部内に確実にしみ込んだり、顔料が被覆部の外表面に確実に接着することとなる。

[0028] さらに、本明細書に記した滴射とは、液状の着色材が液滴の状態即ち滴の状態で、電線の外表面に向かって付勢されて打ち出されることを示している。

発明の効果

[0029] 以上説明したように請求項 1に記載の本発明は、サブハーネス品番表示部により、容易に各電線が用いられるサブハーネスを識別することができる。これにより、同じサブハーネス品番表示部毎に電線を集めることで、電線を容易にサブハーネス毎に仕分けることができる。したがって、端子金具が取り付けられた電線を、該電線が用いられるサブハーネス毎に容易に仕分けでき、ワイヤハーネスの組立に力、かる手間及び工数の増加を防止できる。

[0030] 請求項 2に記載の本発明は、サブハーネス品番表示部の色毎に電線を集めることで、電線を容易にサブハーネス毎に仕分けることができる。したがって、端子金具が取り付けられた電線を、該電線が用いられるサブハーネス毎に容易に仕分けでき、ヮィャハーネスの組立に力かる手間及び工数の増加を防止できる。

[0031] 請求項 3に記載の本発明は、サブハーネス品番表示部が着色材により外表面が着色されて形成されているため、サブハーネス品番表示部が電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、サブハーネス品番表示部が電線の外表面から不意に脱落して、電線即ちワイヤハーネスの美観を不意に損ねることを確実に防止できる。

[0032] また、着色材を一定量ずつ滴射して、サブハーネス品番表示部を形成している。このため、必要以上にサブハーネス品番表示部が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。

[0033] 請求項 4に記載された本発明によれば、サブハーネス品番表示部にしたがって端子金具を端子収容室に揷入することで、サブハーネスを組み立てる。このため、サブハーネスを容易に組み立てることができる。したがって、ワイヤハーネスの組立にかかる手間及び工数の増加を防止できる。

[0034] 請求項 5に記載の本発明は、サブハーネス品番表示部により、容易に各電線が用レ、られるサブハーネスを識別することができる。これにより、同じサブハーネス品番表示部毎に電線を集めることで、電線を容易にサブハーネス毎に仕分けることができる。したがって、端子金具が取り付けられた電線を、該電線が用いられるサブハーネス毎に容易に仕分けでき、ワイヤハーネスの組立に力かる手間及び工数の増加を防止できる。

[0035] 請求項 6に記載の本発明は、サブハーネス品番表示部の色毎に電線を集めることで、電線を容易にサブハーネス毎に仕分けることができる。したがって、端子金具が取り付けられた電線を、該電線が用いられるサブハーネス毎に容易に仕分けでき、ヮィャハーネスの組立に力かる手間及び工数の増加を防止できる。

[0036] 請求項 7に記載の本発明は、サブハーネス品番表示部が着色材により外表面が着色されて形成されているため、サブハーネス品番表示部が電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、サブハーネス品番表示部が電線の外表面から不意に脱落して、電線即ちワイヤハーネスの美観を不意に損ねることを確実に防止できる。

[0037] また、着色材を一定量ずつ滴射して、サブハーネス品番表示部を形成している。このため、必要以上にサブハーネス品番表示部が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。 [0038] 請求項 8に記載された本発明によれば、サブハーネス品番表示部にしたがって端子金具を端子収容室に挿入することで、サブハーネスを組み立てることができる。このため、サブハーネスを容易に組み立てることができる。したがって、ワイヤハーネスの組立に力、かる手間及び工数の増加を防止できる。

発明を実施するための最良の形態

[0039] 以下、本発明の一実施形態に力、かるワイヤハーネスを図 1ないし図 9を参照して説明する。ワイヤハーネス 1は、自動車などに配索されて、該自動車に搭載される電子機器に電力や信号を伝送する。

[0040] ワイヤハーネス 1は、図 1に示すように、複数のサブハーネス 2 (図 2及び図 3に示す

)と、ハーネス用プロテクタ（以下、単にプロテクタと呼ぶ） 50、ハーネス用チューブ（以下、単にチューブと呼ぶ） 51、ハーネス用グロメット（以下、単にグロメットと呼ぶ） 5

2、配線用クリップ 53及びハーネス用テープ（以下単にテープと呼ぶ） 54などの外装品を備えている。

[0041] 図示例では、サブハーネス 2として図 2に示す第 1のサブハーネスと、サブハーネス

2として図 3に示す第 2のサブハーネスとを示している。し力ながら、ワイヤハーネス 1は、 N (Nは自然数）個のサブハーネス 2を備えてレ、る。

[0042] サブハーネス 2は、それぞれ、図 2及び図 3に示すように、複数の電線 3と、該電線 3 の端部 3aに取り付けられたコネクタ 6とを備えている。電線 3は、図 4に示すように、導電性の芯線 4と、絶縁性の被覆部 5とを備えている。芯線 4は、複数の素線が撚られて形成されている。芯線 4を構成する素線は、導電性の金属からなる。また、芯線 4は、一本の素線から構成されても良い。被覆部 5は、例えば、ポリ塩化ビュル（

Polyvinylchloride : PVC)などの合成樹脂からなる。被覆部 5は、芯線 4を被覆している。このため、電線 3の外表面 3bとは、被覆部 5の外表面をなしている。

[0043] また、被覆部 5は、例えば白色などの単色 Pである。なお、被覆部 5を構成する合成樹脂に所望の着色剤を混入して、電線 3の外表面 3bを例えば白色などの単色 Pにしても良ぐ被覆部 5を構成する合成樹脂に着色剤を混入することなぐ単色 Pを合成樹脂自体の色としても良い。被覆部 5を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、単色 Pが合成樹脂自体の色の場合、被覆部 5即ち電線 3の外表面 3bは、無着色であるという。このように、無着色とは、被覆部 5を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、電線 3の外表面 3bが合成樹脂自体の色であることを示してレ、る。

[0044] 電線 3の外表面 3bには、サブハーネス品番表示部としてのサブハーネス品番表示用印 7 (図 4中に平行斜線で示す）と、印 8とが形成されている。サブハーネス品番表示用印 7は、電線 3の端部 3aに設けられている。サブハーネス品番表示用印 7は、後述の着色材により、単色 Pの外表面 3bが着色されて、形成されている。

[0045] サブハーネス品番表示用印 7は、平面形状が丸形に形成されている。サブハーネス品番表示用印 7は、電線 3が構成する（用いられる）サブハーネス 2の品番を示している。本実施形態では、サブハーネス品番表示用印 7は、サブハーネス 2毎に色が異なることで、該サブハーネス 2の品番を示している。例えば、第 1のサブハーネス 2 を構成する電線 3のサブハーネス品番表示用印 7は、赤色をなしており、第 2のサブハーネス 2を構成する電線 3のサブハーネス品番表示用印 7は、青色をなしている。

[0046] 印 8は、複数の点 9を備えている。点 9は、後述の着色材により、外表面 3bが単色 P と異なる色に着色されて形成されている。点 9の平面形状は、丸形である。点 9は、複数設けられており、予め定められるパターンにしたがって、電線 3の長手方向に沿つて並べられている。図示例では、電線 3の長手方向に沿って、点 9が等間隔に並べられている。また、互いに隣り合う点 9の中心間の距離は、予め定められている。

[0047] また、前述した印 8の各点 9の色が種々の色に変更されることにより、電線 3同士を識別可能としている。図示例では、一つの電線 3の全ての点 9の色を同じにしている力必要に応じて点 9毎に色を変更して、点 9同士の色を異ならせても良レ、。印 8の各点 9の色は、ワイヤハーネス 1の電線 3の線種、系統（システム）の識別などを行うために用いられる。即ち、前述した印 8の各点 9の色は、ワイヤハーネス 1の各電線 3の線種及び使用目的を識別するために用いられる。サブハーネス品番表示用印 7と印 8 は、後述の着色材が電線 3の外表面 3bに向かって一定量ずつ滴射され、電線 3の外表面 3bを着色して形成されてレ、る。

[0048] コネクタ 6は、図 2に示すように、コネクタハウジング 55と、端子金具 56とを備えている。コネクタハウジング 55は、絶縁性の合成樹脂からなり箱状に形成されている。コネクタハウジング 55は、端子金具 56を収容する端子収容室 57を備えている。端子金具 56は、導電性の板金からなり、図 4に示すように、電線 3の端部 3aに取り付けられる。端子金具 56は、芯線 4即ち電線 3と電気的に接続する。

[0049] プロテクタ 50、チューブ 51、グロメット 52、配線用クリップ 53などの外装品は、前述した構成のサブハーネス 2が互いに組み付けられた後、これらのサブハーネス 2の所定箇所に取り付けられる。テープ 54は、各サブハーネス 2を構成する電線 3などの外周に巻かれる。

[0050] 前述したワイヤハーネス 1は、図 5に示すワイヤハーネス組立装置 60で組み立てられる。ワイヤハーネス組立装置 60は、図 5に示すように、複数の切断装置 61と、複数のサブハーネス組立ライン 62と、ワイヤハーネス組立ライン 63とを備えている。

[0051] 複数の切断装置 61は、外表面に印 7， 8が形成されていない外表面 3bが単色 Pの電線 3の外表面に印 7, 8を形成して、該電線 3を所定の長さに切断するとともに、該電線 3の端部 3aなどに端子金具 56を取り付ける。

[0052] 切断装置 61は、図 7に示すように、装置本体としてのフレーム 10と、ガイドロール 1 1と、移動手段としての送り出しロール 12と、電線矯正手段としての矯正ユニット 13と、弛み吸収手段としての弛み吸収ユニット 14と、着色ユニット 15と、ダクト 16と、測定手段としてのエンコーダ 17と、加工手段としての切断機構 18と、端子取付ユニット 64 と、制御手段としての制御装置 19とを備えている。

[0053] フレーム 10は、工場などのフロア上などに設置される。フレーム 10は、水平方向に伸びている。ガイドロール 11は、フレーム 10の一端部に回転自在に取り付けられている。ガイドロール 11は、長尺でかつ印 7, 8が形成されていない電線 3を卷いている。ガイドロール 11は、矯正ユニット 13と弛み吸収ユニット 14と着色ユニット 15とダクト 1 6とエンコーダ 17と切断機構 18とに順に、電線 3を送り出す。

[0054] 送り出しローノレ 12は、フレーム 10の他端部に一対設けられている。これら一対の送り出しロール 12は、フレーム 10に回転自在に支持されかつ鉛直方向に沿って並べられている。送り出しローノレ 12は、図示しないモータなどにより、互いに逆方向に同回転数で回転される。一対の送り出しロール 12は、互いの間に電線 3を挟み、かっこの電線 3の長手方向に沿ってガイドロール 11から引っ張る。

[0055] 送り出しローノレ 12は、電線 3の長手方向に沿って該電線 3を引っ張って移動させる引っ張り手段をなしている。このように、送り出しローノレ 12は、電線 3の長手方向に沿つて該電線 3を移動させることで、電線 3の長手方向に沿って着色ユニット 15の後述する着色ノズル 31と、電線 3とを相対的に移動させる。このため、電線 3は、ガイド口ール 11から送り出しロール 12に向かって図 7中の矢印 Kに沿って移動する。矢印 K は、電線 3の移動方向をなしている。

[0056] 矯正ユニット 13は、ガイドロール 11の送り出しロール 12側に設けられており、ガイドロール 11と送り出しロール 12との間に設けられている。即ち、矯正ユニット 13は、ガイドロール 11より電線 3の移動方向 Kの下流側に設けられ、送り出しロール 12より電線 3の移動方向 Kの上流側に設けられている。矯正ユニット 13は、板状のユニット本体 20と、複数の第 1ローラ 21と、複数の第 2ローラ 22とを備えている。ユニット本体 20 は、フレーム 10に固定されている。

[0057] 第 1及び第 2ローラ 21 , 22は、それぞれ、ユニット本体 20に回転自在に支持されている。複数の第 1ローラ 21は、水平方向（前述した移動方向 K)に沿って並べられ、電線 3の上方に配されている。複数の第 2ローラ 22は、水平方向（前述した移動方向 K)に沿って並べられ、電線 3の下方に配されている。第 1ローラ 21と第 2ローラ 22とは、図 7に示すように、千鳥状に配されている。

[0058] 矯正ユニット 13は、送り出しロール 12によりガイドロール 11から送り出される電線 3 を、第 1ローラ 21と第 2ローラ 22との間に挟む。そして、矯正ユニット 13は、電線 3を直線状にする。また、矯正ユニット 13は、第 1ローラ 21と第 2ローラ 22との間に挟むことにより、電線 3に摩擦力を付与する。即ち、矯正ユニット 13は、送り出しロール 12が電線 3を引っ張る方向（前述した移動方向 K)の逆向きの第 1の付勢力 HIを電線 3に付与する。この第 1の付勢力 HIは、送り出しロール 12が電線 3を引っ張る力よりも弱レ、。このため、矯正ユニット 13は、長手方向に沿った張力を電線 3に付与する。

[0059] 弛み吸収ユニット 14は、矯正ユニット 13の送り出しロール 12側に設けられており、矯正ユニット 13と送り出しロール 12との間に設けられている。即ち、弛み吸収ユニット 14は、矯正ユニット 13より電線 3の移動方向 Kの下流側に設けられ、送り出しロール 12より電線 3の移動方向 Kの上流側に設けられている。弛み吸収ユニット 14は、矯正ユニット 13と着色ユニット 15の後述する着色ノズノレ 31との間に設けられている。 [0060] 弛み吸収ユニット 14は、図 7に示すように、一対の案内ローラ支持フレーム 23と、一対の案内ローラ 24と、移動ローラ支持フレーム 25と、移動ローラ 26と、付勢手段としてのエアシリンダ 27とを備えている。案内ローラ支持フレーム 23は、フレーム 10に固定されている。案内ローラ支持フレーム 23は、フレーム 10から上方に立設している。一対の案内ローラ支持フレーム 23は、電線 3の移動方向 Kに沿って、互いに間隔をあけて並べられている。

[0061] 一対の案内ローラ 24は、案内ローラ支持フレーム 23に回転自在に支持されている。案内ローラ 24は、電線 3の下方に配され、外周面に電線 3と接触することにより、移動方向 Kから電線 3が脱落しないように、電線 3を案内する。このため、案内ローラ 24 は、電線 3の移動方向 Kを案内する。

[0062] 移動ローラ支持フレーム 25は、フレーム 10に固定されている。移動ローラ支持フレーム 25は、フレーム 10から上方に立設している。移動ローラ支持フレーム 25は、一対の案内ローラ支持フレーム 23間に設けられている。

[0063] 移動ローラ 26は、移動ローラ支持フレーム 25に回転自在に支持されているとともに、鉛直方向に沿って移動自在に支持されている。移動ローラ 26は、電線 3の上方に配されている。移動ローラ 26は、鉛直方向に沿って移動自在に支持されることで、電線 3の移動方向 Kに直交（交差)する方向に沿って、移動自在に支持されている。また、移動ローラ 26は、案内ローラ 24間の中央に設けられている。

[0064] エアシリンダ 27は、シリンダ本体 28と、このシリンダ本体 28から伸縮自在な伸縮ロッド 29とを備えてレ、る。シリンダ本体 28は、移動ローラ支持フレーム 25に固定されており、電線 3の上方に配されている。伸縮ロッド 29は、シリンダ本体 28から下方に向かつて伸長する。即ち、伸縮ロッド 29は、シリンダ本体 28から電線 3に近づく方向に伸長する。

[0065] 伸縮ロッド 29には、移動ローラ 26が取り付けられている。エアシリンダ 27は、シリンダ本体 28内に加圧された気体が供給されることで、伸縮ロッド 29即ち移動ローラ 26 を第 2の付勢力 H2 (図 7に示す)で移動方向 Kに直交（交差)する方向に沿って、下方に付勢する。このため、エアシリンダ 27は、移動ローラ 26を、第 2の付勢力 H2で電線 3に近づく方向に付勢する。第 2の付勢力 H2は、第 1の付勢力 HIより弱い。 [0066] 切断機構 18の後述の一対の切断刃 48, 49が互いに近づいて、電線 3を切断するために一旦電線 3が停止した際に、慣性により矢印 Kに沿って電線 3が進むと、該電線 3がー対の案内ローラ 24間で弛む。このとき、前述した構成の弛み吸収ユニット 14 は、エアシリンダ 27が移動ローラ 26を第 2の付勢力 H2で付勢しているため、エアシリンダ 27の伸縮ロッド 29力 S伸長して、移動ローラ 26が例えば図 7中に二点鎖線で示す位置まで変位する。そして、弛み吸収ユニット 14は、前述した案内ローラ 24間で弛んだ電線 3を移動方向 Kに直交（交差)する方向に沿って付勢して、弛みを吸収して、電線 3を張った状態に保つ。

[0067] 着色ユニット 15は、弛み吸収ユニット 14の送り出しロール 12側に設けられており、弛み吸収ユニット 14と送り出しロール 12との間に設けられている。即ち、着色ユニット 15は、弛み吸収ユニット 14より電線 3の移動方向 Kの下流側に設けられ、送り出し口ール 12より電線 3の移動方向 Kの上流側に設けられている。このため、着色ユニット 1 5即ち後述の着色ノズル 31は、送り出しロール 12と、矯正ユニット 13との間に配されている。

[0068] 着色ユニット 15は、図 8に示すように、ユニット本体 30と、複数の着色ノズル 31と、複数の着色材供給源 32 (図中には一つのみ図示し、他を省略している）と、加圧気体供給源 33とを備えている。ユニット本体 30は、フレーム 10に固定される。ユニット本体 30は、複数の着色ノズノレ 31を支持する。

[0069] 前述した構成の着色ノズル 31は、後述の着色材供給源 32からの液状の着色材を、電線 3の外表面 3bに向かって一定量ずつ滴射する。着色ノズル 31は、滴射した着色材の液滴を電線 3の外表面 3bに付着させて、該電線 3の外表面 3bの少なくとも一部を着色（マーキング）して、前述した印 7, 8を形成する。着色ノズノレ 31は、サブハ一ネス 2毎に異なる色に電線 3の外表面 3bを着色して、サブハーネス品番表示用印 7を形成する。

[0070] 着色ノズノレ 31は、図 9に示すように、円筒状のノズノレ本体 34と、このノズル本体 34 内に収容されたインサート部材 35と、流入管 36と、第 1のノズル部としてのノズル部材 37と、弁機構 38とを備えている。

[0071] インサート部材 35は、円筒状に形成されているとともに、内側に着色材を通す流路 39が形成されている。流路 39内には、着色材供給源 32などから供給される着色材で満たされる。インサート部材 35は、本明細書に記した液状の着色材を収容する収容部をなしている。流入管 36は、流路 39と連通しており、着色材供給源 32からの着色材を流路 39内に導く。

[0072] ノズノレ部材 37は、円筒状に形成されているとともに、流路 39内と連通しており、流路 39内の着色材を着色ノズノレ 31外に導く。ノズノレ部材 37の内径 Dは、ノズル本体 3 4の内径即ち流路 39の外径より小さい。ノズノレ部材 37は、ノズル本体 34と同軸に配されている。ノズノレ部材 37は、ステンレス鋼力なる。

[0073] 弁機構 38は、コィノレ 40と、弁本体 41と、コィノレばね 42を備えてレヽる。コィノレ 40は、流路 39の外側に設けられインサート部材 35内に埋設されている。コイル 40は、外部力印加される。弁本体 41は、導電性の本体部 43と、弁体 44とを備えている。本体部 43は、円柱状の円柱部 45と、この円柱部 45の一端に連なる円板状の円板部 46とを一体に備えている。

[0074] 本体部 43は、円板部 46がノズル部材 37の基端部 37aと相対し、円柱部 45の長手方向がノズル本体 34の長手方向と平行な状態で、流路 39内に収容されている。また、本体部 43即ち弁本体 41は、円柱部 45の長手方向即ちノズル本体 34の長手方向に沿って移動自在に設けられている。

[0075] 弁体 44は、本体部 43の円板部 46に取り付けられている。即ち、弁体 44は、インサ一ト部材 35内に収容されている。弁体 44は、ノズル部材 37の基端部 37aと相対する。弁体 44は、ノズノレ部材 37の基端部 37aに接離する。なお、接離とは、近づいたり離れたりすることである。

[0076] 弁体 44は、ノズノレ部材 37の基端部 37aに接触すると、この基端部 37aとの間を水密に保ち、流路 39内の着色材がノズル部材 37内に侵入することを防止する。また、弁体 44は、ノズル部材 37の基端部 37aから離れると、ノズル部材 37内を通って着色材が電線 3の外表面 3bに向かって滴射されることを許容する。

[0077] このように、弁体 44は、図 9中に二点鎖線で示す開位置と、図 9中に実線で示す閉位置とに亘つて基端部 37aに接離する。開位置では、弁体 44は、基端部 37aから離れて着色材をノズノレ部材 37内を通して電線 3に向かつて滴射させる。閉位置では、弁体 44は、基端部 37aに接触して着色材をノズル部材 37内を通して電線 3に向かつて滴射することを規制する。

[0078] コイルばね 42は、円板部 46を弁体 44がノズル部材 37の基端部 37aに近づく方向に付勢している。

[0079] 前述した構成の着色ノズル 31は、着色材供給源 32からの着色材を、流入管 36を通して、流路 39内に導く。そして、コイル 40に印加されていない状態で、コイルばね 42の付勢力により、弁体 44がノズノレ部材 37の基端部 37aに接触して、着色材が流路 39内に位置付けられている。

[0080] そして、着色ノズノレ 31は、コィノレ 40に印カロされると、コイルばね 42の付勢力に抗して、円板部 46に取り付けられた弁体 44がノズル部材 37の基端部 37aから離れて、流路 39内の着色材を矢印 Qに沿ってノズノレ部材 37の内側を通す。そして、着色ノズノレ 31は、ノズル部材 37から着色材を滴射する。また、コィノレ 40は、制御装置 19からの命令に基づいて、予め定められる一定時間印加される。このため、着色ノズノレ 31 は、一定量ずつ着色材を電線 3の外表面 3bに向かって滴射する。

[0081] また、着色ノズノレ 31は、ユニット本体 30に取り付けられると、電線 3の移動方向 Kに沿って複数並べられるとともに、電線 3を中心とした周方向に沿って複数並べられてレ、る。図示例では、ユニット本体 30は、着色ノズル 31を電線 3の移動方向 Kに沿って五つ並べている。ユニット本体 30は、電線 3を中心とした周方向に沿って着色ノズノレ 31を三つ並べている。また、前述した構成の着色ノズル 31は、着色手段をなしている。

[0082] 着色材供給源 32は、着色材を収容するとともに、着色ノズノレ 31の流入管 36内に着色材を供給する。着色材供給源 32は、各着色ノズノレ 31に一つ対応している。着色材供給源 32が、着色ノズル 31に供給する着色材の色は、互いに異なっていても良く、互いに同じであっても良い。

[0083] 加圧気体供給源 33は、加圧された気体を着色材供給源 32内に供給する。加圧気体供給源 33は、加圧された気体を着色材供給源 32内に供給することで、着色ノズル 31の弁体 44がノズノレ部材 37の基端部 37aから離れると、流路 39内の着色材が速やかにノズル部材 37から滴射するようにする。 [0084] 前述した構成の着色ユニット 15は、制御装置 19からの命令に基づいて、任意の着色ノズノレ 31のコイル 40に印加されて弁体 44がノズノレ部材 37の基端部 37aから離れる。そして、着色ユニット 15は、任意の着色ノズル 31の流路 39内の着色材を一定量ずつ電線 3に向かって滴射する。

[0085] 本明細書では、粘度が lOmPa' s (ミリパスカル秒)程度の着色材を用いる。前述した着色材とは、色材 (工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料 (大部分は有機物であり、合成品）があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、着色材とは、着色液または塗料である。

[0086] 着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液が電線 3の外表面 3bに付着すると、染料が被覆部 5内にしみ込み、塗料が電線 3の外表面 3bに付着すると、顔料が被覆部 5内にしみ込むことなく外表面 3bに接着する。即ち、着色ユニット 15は、電線 3の外表面 3bの一部を染料で染める又は電線 3の外表面 3bに顔料を塗る。このため、電線 3の外表面 3bを着色するとは、電線 3の外表面 3 bの一部を染料で染める（染色する）ことと、電線 3の外表面 3bの一部に顔料を塗ることとを示している。

[0087] また、前記溶媒と分散液は、被覆部 5を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましレ、。この場合、染料が被覆部 5内に確実にしみ込んだり、顔料が外表面 3bに確実に接着することとなる。

[0088] さらに、前述した滴射とは、着色ノズル 31から液状の着色材が、液滴の状態即ち滴の状態で、電線 3の外表面 3bに向かって付勢されて打ち出されることを示している。

[0089] ダクト 16は、着色ユニット 15の送り出しロール 12側に設けられており、着色ユニット 15と送り出しロール 12との間に設けられている。即ち、ダクト 16は、着色ユニット 15より電線 3の移動方向 Kの下流側に設けられ、送り出しロール 12より電線 3の移動方向 Kの上流側に設けられている。ダクト 16は、筒状に形成されており、内側に電線 3を通す。ダクト 16には、真空ポンプなどの図示しない吸引手段が連結している。吸引手段は、ダ外 16内の気体を吸引して、着色材中の溶媒と分散液などが切断装置 61外に充満することを防止する。

[0090] エンコーダ 17は、送り出しロール 12より電線 3の移動方向 Kの下流側に設けられている。エンコーダ 17は、図 7に示すように、回転子 47を一対備えている。回転子 47は、軸芯周りに回転可能に支持されている。回転子 47の外周面は、一対の送り出し口ール 12間に挟まれた電線 3の外表面 3bと接触している。回転子 47は、矢印 Kに沿つて、芯線 4即ち電線 3が走行 (移動）すると、回転する。即ち、回転子 47は、矢印 Kに沿った芯線 4即ち電線 3の走行 (移動）とともに、軸芯周りに回転する。勿論、矢印に沿った芯線 4即ち電線 3の走行 (移動）量と、回転子 47の回転数とは比例する。

[0091] エンコーダ 17は、制御装置 19に接続している。エンコーダ 17は、回転子 47が所定角度ずつ回転すると、制御装置 19に向かってパルス状の信号を出力する。即ち、ェンコーダ 17は、矢印 Kに沿った電線 3の移動量に応じた情報を、制御装置 19に向かつて出力する。このように、エンコーダ 17は、電線 3の移動量に応じた情報を測定して、電線 3の移動量に応じた情報を制御装置 19に向かって出力する。通常ェンコ一ダ 17では電線 3と回転子 47の摩擦で電線 3の移動量に応じたパルス信号が出力される。しかし、電線 3の外表面 3bの状態により移動量とパルス数が必ずしも一致しない場合は、別の場所で速度情報を入手し、その情報をフィードバックし、比較演算しても良い。

[0092] 切断機構 18は、エンコーダ 17の一対の回転子 47より電線 3の移動方向 Kの下流側に配されている。切断機構 18は、一対の切断刃 48, 49を備えている。一対の切断刃 48, 49は、鉛直方向に沿って並べられている。一対の切断刃 48, 49は、鉛直方向に沿って互いに近づいたり離れたりする。一対の切断刃 48, 49は、互いに近づくと、一対の送り出しロール 12によって送り出された電線 3を互いの間に挟んで、切断する。一対の切断刃 48, 49は、互いに離れると、勿論、前記電線 3から離れる。

[0093] 端子取付ユニット 64は、切断機構 18より電線 3の移動方向 Kの下流側に配されている。端子取付ユニット 64は、着色ユニット 15により印 7, 8が形成されかつ切断機構 18により所定の長さに切断された電線 3の端部 3aの被覆部 5を除去して、該端部 3a に端子金具 56を取り付ける。

[0094] 制御装置 19は、周知の RAM、 ROM, CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置 19は、送り出しロール 12と、エンコーダ 17と、切断機構 18と、着色ノズル 31などと接続しており、これらの動作を制御することにより、切断装置 61全体の制御をつかさどる。

[0095] 制御装置 19は、予め印 7， 8のパターンを記憶している。制御装置 19は、ェンコ一ダ 17から所定のパルス状の信号即ち電線 3の移動量に応じた情報が入力すると、予め定められた着色ノズノレ 31のコイル 40に一定時間印加して、該着色ノズル 31から電線 3に向かって着色材を一定量ずつ滴射させる。制御装置 19は、予め記憶した印 7 , 8のパターンにしたがって、電線 3の移動速度が速くなると着色ノズル 31から着色材を滴射する時間間隔を短くし、電線 3の移動速度が遅くなると着色ノズル 31から着色材を滴射する時間間隔を長くする。こうして、制御装置 19は、予め記憶したパターンにしたがって、電線 3を着色する。制御装置 19は、エンコーダ 17が測定した電線 3の移動量に基づレ、て、着色ノズル 31に着色材を一定量ずつ滴射させる。

[0096] また、制御装置 19は、エンコーダ 17からの情報により、電線 3が所定量移動したと判定すると、送り出しロール 12を停止した後、一対の切断刃 48, 49を互いに近づけて電線 3を切断する。制御装置 19は、端子取付ユニット 64に切断刃 48, 49により所定の長さに切断された電線 3の端部 3aに端子金具 56を取り付けさせる。

[0097] 前述した構成の切断装置 61で、電線 3の外表面 3bに印 7, 8を形成する即ち電線 3 の外表面 3bを着色し、所定の長さに切断して、端子金具 56を取り付ける際には、まず、ガイドロール 11をフレーム 10に取り付ける。一対の切断刃 48, 49を互いに離しておき、ガイドロール 11に卷かれた電線 3を矯正ユニット 13と弛み吸収ユニット 14と着色ユニット 15とダクト 16とに順に通して、一対の送り出しロール 12間に挟む。そして、着色ユニット 15のユニット本体 30の所定箇所に着色ノズノレ 31を取り付け、各着色ノズノレ 31に着色材供給源 32を連結する。さらに、加圧気体供給源 33を着色材供給源 32に連結し、吸弓 I手段でダクト 16内の気体を吸引する。

[0098] そして、送り出しロール 12を回転駆動して、電線 3をガイドロール 11から引っ張って、該電線 3の長手方向に沿って移動させるとともに、矯正ユニット 13により電線 3に第 1の付勢力 HIの摩擦力を付与して、該電線 3を張っておく。そして、エアシリンダ 27 で移動ローラ 26即ち電線 3を第 2の付勢力 H2で付勢しておく。 [0099] そして、エンコーダ 17から所定の順番のパルス状の信号が制御装置 19に入力すると、制御装置 19は、予め定められた着色ノズノレ 31のコイル 40に一定時間、所定間隔毎に印加する。すると、着色ノズノレ 31は、着色材を一定量ずつ電線 3の外表面 3b に向かって滴射する。

[0100] そして、電線 3の外表面 3bに付着した着色材から前述した溶媒または分散液が蒸発して、電線 3の外表面 3bを染料で染める又は外表面 3bに顔料を塗る。電線 3の外表面 3bに付着した着色材カ、ら蒸発した溶媒または分散液は、ダクト 16内から吸引手段に吸引される。こうして、電線 3の外表面 3bが着色される。

[0101] エンコーダ 17などからの情報により、制御装置 19が所定の長さの電線 3を送り出したと判定すると、この制御装置 19は、送り出しロール 12を停止する。すると、特に、弛み吸収ユニット 14の一対の案内ローラ 24間で電線 3が弛んで、第 2の付勢力 H2で付勢された移動ローラ 26が図 7中に二点鎖線で示す位置に変位する。すると、弛み吸収ユニット 14のエアシリンダ 27の伸縮ロッド 29が伸長する。そして、弛み吸収ュニット 14は、電線 3の弛みを吸収する。

[0102] そして、一対の切断刃 48, 49が互いに近づいて、これら切断刃 48, 49間に電線 3 を挟んで切断する。その後、端子取付ユニット 64が、電線 3の端部 3aの被覆部 5を除去するとともに、該端部 3aに端子金具 56を取り付ける。こうして、図 6などに示された外表面 3bに印 7, 8が形成され、所定の長さに切断されているとともに、端部 3aに端子金具 56が取り付けられた電線 3が得られる。このように、切断装置 61は、電線 3を測長し、切断した後、端子金具 56を取り付けるとともに、該電線 3の外表面 3bを着色可能となっている。

[0103] サブハーネス組立ライン 62には、切断装置 61から端子金具 56が取り付けられ印 7 , 8が形成された電線 3が供給される。サブハーネス組立ライン 62は、それぞれ、一つの品番のサブハーネス 2を組み立てる。ワイヤハーネス組立ライン 63には、サブハ一ネス組立ライン 62から各サブハーネス 2が供給される。ワイヤハーネス組立ライン 6 3では、サブハーネス 2同士を組み付けるとともに、所定箇所に前述した外装品 50, 5 1 , 52, 53を取り付けるとともに、電線 3の外周にテープ 54を卷く。そして、ワイヤハーネス組立ライン 63では、外観検査と導通検查などを施して、図 1に示されたワイヤハ一ネス lを ¾aみ立てる。

[0104] 前述したワイヤハーネス 1を組み立てる際には、まず、図 6中のステップ S1で切断装置 61が電線 3の外表面 3bに印 7, 8を形成する。即ち、切断装置 61で、電線 3の外表面 3bの一部を着色して、該電線 3が用いられるサブハーネス 2の品番を示すサブハーネス品番表示部 7を各電線 3の外表面 3bに形成する。そして、切断装置 61が、電線 3を所定の長さに切断して、端部 3aに端子金具 56を取り付け、ステップ S2に進む。

[0105] ステップ S2では、作業員がサブハーネス品番表示用印 7の色毎に電線 3を分ける。

即ち、切断装置 61により端子金具 56が取り付けられた電線 3を、サブハーネス品番表示用印 7が示すサブハーネス 2の品番毎に集める。そして、作業員が、各サブハーネス組立ライン 62に、所定の電線 3を供給して、ステップ S3に進む。

[0106] ステップ S3では、作業員がサブハーネス組立ライン 62で、端子金具 56をコネクタハウジング 55内に挿入するなどして、前述したサブハーネス 2を組み立てる。そして、作業員が、組み立てたサブハーネス 2をワイヤハーネス組立ライン 63に供給して、ステツプ S4に進む。

[0107] ステップ S4では、作業員がサブハーネス 2を互いに組み付けるとともに、所定箇所に外装品 50, 51, 52, 53を取り付け、テープ 54を卷き、外観検査と導通検査を施す。こうして、前述したワイヤハーネス 1を組み立てる。

[0108] 本実施形態によれば、各電線 3にサブハーネス 2の品番を示すサブハーネス品番表示用印 7が形成されている。該サブハーネス品番表示用印 7を、電線 3を切断して端子金具 56を取り付ける際に各電線 3に形成する。サブハーネス品番表示用印 7の色力サブハーネス 2毎に互いに異なるので、容易に各電線 3が用いられるサブハーネス 2を識別することができる。

[0109] これにより、同じサブハーネス品番表示印 7毎に電線 3を集めることで、電線 3を容易にサブハーネス 2毎に仕分けることができる。したがって、端子金具 56が取り付けられた電線 3を、該電線 3が用いられるサブハーネス 2毎に容易に仕分けでき、ワイヤハーネス 1の組立に力かる手間及び工数の増加を防止できる。

[0110] 印 7, 8力着色材により電線 3の外表面 3bが着色されて形成されている。このため、印 7, 8が、電線 3の外表面 3bから不意に脱落することを確実に防止できる。したがつて、印 7, 8が電線 3の外表面 3bから不意に脱落して、電線 3即ちワイヤハーネス 1 の美観を不意に損ねることを確実に防止できる。

[0111] また、着色材を一定量ずつ滴射して、印 7， 8を形成している。このため、必要以上に印 7， 8が厚くなることを防止でき、電線 3の外径が増大することを防止できる。

[0112] 前述した実施形態では、着色材を滴射して、印 7, 8を形成している。しかしながら、本発明では、噴霧などの種々の手段により、電線 3の外表面 3bに着色材を付着させて、印 7, 8を形成しても良い。

[0113] さらに、本発明では、着色液及び塗料として、アクリル系塗料、インク (染料系、顔料系）、 UVインクなどの種々のものを用いても良い。

[0114] 又、本発明では、図 10に示すようにサブハーネス品番表示用印 7を複数設けたり、図 11に示すようにサブハーネス品番表示用印 7を文字や図形などから構成しても良レ、。図 10及び図 11に示す場合では、サブハーネス品番表示用印 7は、コネクタハウジング 55の複数の端子収容室 57のうち電線 3の端部 3aに取り付けられた端子金具 56を収容する一つの端子収容室 57を示しても良い。即ち、サブハーネス品番表示用印 7は、端子金具 56が収容される端子収容室 57を示している。又は、サブハーネス品番表示用印 7は、端子金具 56を端子収容室 57に挿入する順番を示しても良い

[0115] 図 10及び図 11の場合では、サブハーネス品番表示用印 7にしたがって、端子金具 56を端子収容室 57に挿入してサブハーネス 2を組み立てる。このため、サブハーネス 2を容易に組み立てることができる。したがって、ワイヤハーネス 1の組立にかかる手間及び工数の増加を防止できる。

[0116] なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではなレ、。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。

図面の簡単な説明

[0117] [図 1]本発明の一実施形態に力かるワイヤハーネスの構成を示す説明図である。

[図 2]図 1に示されたワイヤハーネスの第 1のサブハーネスの構成を示す説明図である。

[図 3]図 1に示されたワイヤハーネスの第 2のサブハーネスの構成を示す説明図である。

園 4]図 2及び図 3に示されたサブハーネスを構成する端子金具が取り付けられた電線の斜視図である。

[図 5]図 1に示されたワイヤハーネスを組み立てるワイヤハーネス組立装置の構成を示す説明図である。

[図 6]図 5に示されたワイヤハーネス組立装置でワイヤハーネスを組み立てる工程を示すフローチャートである。

園 7]図 5に示されたワイヤハーネス組立装置の切断装置の構成を示す側面図である。

園 8]図 7中の VIII— VIII線に沿う切断装置の着色ユニットの断面図である。

園 9]図 8に示された着色ユニットの各着色ノズノレの構成を示す断面図である。園 10]図 4に示された端子金具が取り付けられた電線の変形例の斜視図である。園 11]図 4に示された端子金具が取り付けられた電線の他の変形例の斜視図である

符号の説明

1 ワイヤハーネス

2 サブハーネス

3 電線

3a 端部

3b 外表面

6 3才、クタ

7 サブハーネス品番表示用印（サブハーネス品番表示部）

55 コネクタハウジング

56 端子金具

57 端子収容室

61 切断装置

Claims

請求の範囲

[1] サブハーネスを複数備え、かつ各サブハーネスが電線と該電線の端部に取り付けられたコネクタとを備えたワイヤハーネスを組み立てるワイヤハーネスの組立方法において、

前記電線を測長し、切断した後、前記コネクタの端子金具を取り付けるとともに、前記電線の外表面を着色可能な切断装置を用い、

前記切断装置で、前記電線の外表面の一部を着色して、該電線が用いられるサブハーネスの品番を示すサブハーネス品番表示部を各電線の外表面に形成し、前記切断装置により端子金具が取り付けられた電線を、前記サブハーネス品番表示部が示すサブハーネスの品番毎に集めて、各サブハーネスを組み立てた後、前記サブハーネスを互いに組み付けて、前記ワイヤハーネスを組み立てることを特徴とするワイヤハーネスの組立方法。

[2] 前記サブハーネス品番表示部の色は、サブハーネス毎に異なっていることを特徴とする請求項 1記載のワイヤハーネスの組立方法。

[3] 前記サブハーネス品番表示部は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記電線の外表面が着色されて形成されていることを特徴とする請求項 1または請求項 2に記載のワイヤハーネスの組立方法。

[4] 前記コネクタは、前記電線の端部に取り付けられた端子金具と、端子金具を収容する端子収容室を有したコネクタハウジングとを備え、

前記サブハーネス品番表示部は、前記端子金具が収容される端子収容室を示し、前記サブハーネス品番表示部にしたがって前記端子金具を端子収容室内に揷入して、前記サブハーネスを組み立てることを特徴とする請求項 1ないし請求項 3のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネスの組立方法。

[5] サブハーネスを複数備え、かつ各サブハーネスが電線と該電線の端部に取り付けられたコネクタとを備えたワイヤハーネスにおいて、

各サブハーネスを構成する電線の外表面には、該電線が用いられるサブハーネスの品番を示すサブハーネス品番表示部が形成されていることを特徴とするワイヤハ一ネス。

[6] 前記サブハーネス品番表示部の色は、サブハーネス毎に異なっていることを特徴とする請求項 5記載のワイヤハーネス。

[7] 前記サブハーネス品番表示部は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記電線の外表面が着色されて形成されていることを特徴とする請求項 5または請求項 6に記載のワイヤハーネス。

[8] 前記コネクタは、前記電線の端部に取り付けられた端子金具と、端子金具を収容する端子収容室を有したコネクタハウジングとを備え、

前記サブハーネス品番表示部は、前記端子金具が収容される端子収容室を示すことを特徴とする請求項 5ないし請求項 7のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネス。