JP4177160B2 - ワイヤハーネス用電線 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性の芯線と、この芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを備えた電線にかかり、特に自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成するワイヤハーネス用電線に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、種々の電子機器が搭載される。このため、自動車は、前述した電子機器に電力や信号を伝えるために、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、複数の電線と、該電線の端部に取り付けられるコネクタと、ハーネス用チューブ、ハーネス用テープ、ハーネス用プロテクタ、ハーネス用グロメット及び配線用クリップなどの外装品と、を備えている。
【0003】
電線は、導電性の芯線と絶縁性の被覆部とを備えた所謂被覆電線である。コネクタは、電線に取り付けられて該電線と電気的に接続する端子金具と、端子金具を収容するコネクタハウジングとを備えている。ハーネス用チューブ、ハーネス用プロテクタ、ハーネス用グロメット及び配線用クリップなどの外装品は、電線の所定箇所に取り付けられる。ハーネス用テープは、電線の外周などに巻かれる。
【0004】
前述したワイヤハーネスは、コネクタが前述した電子機器のコネクタと結合して、電子機器に所望の電力と信号を伝える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したワイヤハーネスを組み立てる際には、まず、複数のサブハーネスを組み立てる。サブハーネスを組み立てる際には、電線を所定の長さに切断し、電線の端部に端子金具を取り付け、端子金具をコネクタハウジング内に収容する。そして、板状の布線ボードに、サブハーネスを順に布線して、これらサブハーネスを構成する電線の所定箇所にハーネス用チューブ、ハーネス用プロテクタ、ハーネス用グロメット及び配線用クリップなどの外装品を取り付ける。そして、電線の所定箇所にハーネス用テープを巻いて、ワイヤハーネスを組み立てる。
【0006】
一方、前述したハーネス用チューブ、ハーネス用プロテクタ、ハーネス用グロメット及び配線用クリップなどの外装品には、それぞれ、多種多様な品番が存在する。また、ハーネス用テープは、電線の外周に互いに重なることなく所謂荒巻きで巻かれたり、電線の外周に一部が重なって所謂ハーフラップ巻きで巻かれる。このため、布線ボード上の外装品を取り付ける箇所には取り付ける外装品の種類と品番を示す印を描き、ハーネス用テープを巻く箇所にはハーネス用テープの巻き方を示す印を描いている。こうして、作業員が、外装品の品番や取り付け箇所を誤ったり、ハーネス用テープの巻き付け箇所と巻く方法を誤ることを防止している。
【0007】
しかしながら、布線ボード上に前述した印を描くために、速やかに布線ボードで組み立てるワイヤハーネスの品番を変更することが困難であった。このため、。前述したように布線ボード上に前述した印を描くと、少量多品種のワイヤハーネスを組み立てることが困難であった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、少量多品種のワイヤハーネスを容易に組み立てることを可能とするワイヤハーネス用電線を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のワイヤハーネス用電線は、ワイヤハーネスを構成するとともに、外装品が取り付けられるワイヤハーネス用電線において、前記外装品が取り付けられる外装品取り付け箇所の長手方向の両端それぞれに、該外装品取り付け箇所に取り付けられる外装品を示す外装品表示印が形成されているとともに、前記外装品は、ハーネス用テープであり、前記外装品表示印は、外装品取り付け箇所の長手方向の両端それぞれに位置しかつ当該ハーネス用テープが巻きつけられる始点と終点とのそれぞれに配置されているとともに、前記ハーネス用テープの巻き方を表示することを特徴としている。
【0012】
請求項に記載の本発明のワイヤハーネス用電線は、請求項1記載のワイヤハーネス用電線において、前記外装品表示印は、着色材が一定量ずつ外表面に滴射されて、該着色材により外表面が着色されて形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載された本発明によれば、外表面に外装品表示印が形成されている。このため、ワイヤハーネスを組み立てる際に用いられる布線ボード上などに外装品の取り付け箇所と品番などを示す印を設ける必要がない。また、外送品表示印が、外装品取り付け箇所の両端に設けられているので、外送品表示印間に外装品を取り付けることで、外装品取り付け箇所に確実に外装品を取り付けることができる。
【0015】
装品表示印がハーネス用テープの巻き方を表示する。このため、所定の巻き方でハーネス用テープを容易に巻くことができる。
【0016】
請求項に記載された本発明によれば、外装品表示印が着色材により外表面が着色されて形成されている。このため、外装品表示印が電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。
【0017】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、外装品表示印を形成している。このため、必要以上に外装品表示印が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【0018】
なお、本明細書でいう着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、本明細書でいう着色材とは、着色液と塗料との双方を示している。着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液で被覆部の外表面を着色すると、染料が被覆部内にしみ込み、塗料で被覆部の外表面を着色すると、顔料が被覆部内にしみ込むことなく外表面に接着する。即ち、本明細書でいう電線の外表面を着色するとは、電線の外表面の一部を染料で染めることと、電線の外表面の一部に顔料を塗ることとを示している。
【0019】
また、前記溶媒と分散液は、被覆部を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部内に確実にしみ込んだり、顔料が被覆部の外表面に確実に接着することとなる。
【0020】
さらに、本明細書に記した滴射とは、液状の着色材が液滴の状態即ち滴の状態で、電線の外表面に向かって付勢されて打ち出されることを示している。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるワイヤハーネス用電線を図1ないし図18を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかるワイヤハーネス用電線1(図8ないし図15に示し、以下単に電線1と記す)は、図1に示すワイヤハーネス2を構成する。ワイヤハーネス2は、自動車などに配索されて、該自動車に搭載される電子機器に電力や信号を伝送する。
【0022】
ワイヤハーネス2は、図1に示すように、ハーネス用プロテクタ(以下、単にプロテクタと呼ぶ)50、ハーネス用チューブ(以下、単にチューブと呼ぶ)51、ハーネス用グロメット(以下、単にグロメットと呼ぶ)52、配線用クリップ53及びハーネス用テープ(以下単にテープと呼ぶ)54などの外装品と、コネクタ57と、複数の電線1とを備えている。
【0023】
プロテクタ50及びチューブ51は、筒状に形成されて内側に複数の電線1を通して、これら複数の電線1が傷つくことを防止するために、該電線1を覆う。グロメット52は、筒状に形成され内側に電線1を通して、これらの電線1を前記自動車の車体を構成するパネルを貫通させて取り付ける場合に使用される。配線用クリップ53は、電線1を車体に取り付ける場合に、該電線1を位置決め及び振れ止めするために用いられる。
【0024】
これらのプロテクタ50、チューブ51、グロメット52及び配線用クリップ53などの外装品は、複数の電線1が束ねられた後、これらの電線1の所定箇所に取り付けられる。テープ54は、電線1などの外周に巻かれる。
【0025】
前述したチューブ51として、図2に示す円筒状の丸チューブ51aと、図3に示すコルゲートチューブ51bとが用いられている。丸チューブ51aは、内外径が軸芯に沿って一定の円筒状に形成されている。コルゲートチューブ51bは、蛇腹状の円筒形状に形成されており、可撓性を有している。
【0026】
また、前述したテープ54は、図4、図5(a)及び図5(b)に示すように互いに重ならない状態で複数の電線1の外周に巻かれたり、図6、図7(a)及び図7(b)に示すように一部が互いに重なる状態で複数の電線1の外周に巻かれる。図6,図7(a)及び図7(b)に示す場合では、テープ54は、幅方向の約半分が互いに重なる状態で、電線1の外周に巻かれている。
【0027】
図4、図5(a)及び図5(b)に示すテープ54の巻き方を荒巻きといい、図6、図7(a)及び図7(b)に示すテープ54の巻き方をハーフラップという。
【0028】
コネクタ57は、コネクタハウジングと、端子金具とを備えている。コネクタハウジングは、絶縁性の合成樹脂からなり箱状に形成されている。コネクタハウジングは、端子金具を収容する。端子金具は、導電性の板金からなり、電線1の端部に取り付けられる。端子金具は、後述の芯線即ち電線1と電気的に接続する。
【0029】
電線1は、図8、図10、図12及び図14に示すように、導電性の芯線4と、絶縁性の被覆部5とを備えている。芯線4は、複数の導線が撚られて形成されている。芯線4を構成する導線は、導電性の金属からなる。また、芯線4は、一本の導線から構成されても良い。被覆部5は、例えば、絶縁性の合成樹脂からなる。被覆部5は、芯線4を被覆している。このため、電線1の外表面1aとは、被覆部5の外表面をなしている。
【0030】
また、被覆部5は、単色Pである。なお、被覆部5を構成する合成樹脂に所望の着色剤を混入して、電線1の外表面1aを単色Pにしても良く、被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入することなく、単色Pを合成樹脂自体の色としても良い。被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、単色Pが合成樹脂自体の色の場合、被覆部5即ち電線1の外表面1aは、無着色であるという。このように、無着色とは、被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、電線1の外表面1aが合成樹脂自体の色であることを示している。
【0031】
前述した電線1には、前述したプロテクタ50、チューブ51a,51b、グロメット52及び配線用クリップ53などの外装品が取り付けられる。このため、電線1には、外装品としてのプロテクタ50を取り付ける外装品取り付け箇所としての図示しないプロテクタ取り付け箇所と、外装品としてのチューブ51a,51bを取り付ける外装品取り付け箇所としてのチューブ取り付け箇所58(図8ないし図11に示す)と、外装品としてのグロメットを取り付ける外装品取り付け箇所としての図示しないグロメット取り付け箇所と、外装品としての配線用クリップを取り付ける外装品取り付け箇所としての図示しない配線用クリップ取り付け箇所とが設けられている。また、電線1には、外装品としてのテープ54を巻き付ける(取り付ける)外装品取り付け箇所としてのテープ巻き箇所59(図12ないし図15に示す)が設けられている。
【0032】
図8及び図9に示すチューブ取り付け箇所58には、丸チューブ51aが取り付けられるようになっている。図8及び図9に示すチューブ取り付け箇所58の電線1の長手方向の両端それぞれには、該チューブ取り付け箇所58に取り付けられる外装品としての丸チューブ51aを示す外装品表示印としての丸チューブ用印58aが設けられている。一対の丸チューブ用印58aは、互いの間に丸チューブ51aを取り付けることを示している。
【0033】
丸チューブ用印58aは、電線1の全周に亘って、リング状に外表面1aが単色Pと異なる色G1(図8及び図9中に平行斜線で示す)に着色されて形成されている。丸チューブ用印58aは、電線1の全周に亘って、電線1の長手方向の幅が一定に形成されている。
【0034】
図10及び図11に示すチューブ取り付け箇所58には、コルゲートチューブ51bが取り付けられるようになっている。図10及び図11に示すチューブ取り付け箇所58の電線1の長手方向の両端それぞれには、該チューブ取り付け箇所58に取り付けられる外装品としてのコルゲートチューブ51bを示す外装品表示印としてのコルゲートチューブ用印58bが設けられている。一対のコルゲートチューブ用印58bは、互いの間にコルゲートチューブ51bを取り付けることを示している。
【0035】
コルゲートチューブ用印58bは、電線1の全周に亘って、リング状に外表面1aが単色Pと異なる色G2(図10及び図11中に平行斜線で示す)に着色されて形成されている。コルゲートチューブ用印58bは、電線1の周方向に沿って、電線1の長手方向の幅が段階的に増減するように形成されている。即ち、コルゲートチューブ用印58bは、電線1の長手方向の両端が凹凸に形成されている。
【0036】
このように、外装品表示印としての丸チューブ用印58a及びコルゲートチューブ用印58bは、チューブ取り付け箇所58に取り付けられるチューブ51a,51bの種類を示している。
【0037】
図12及び図13に示すテープ巻き箇所59には、荒巻きでテープ54が巻かれるようになっている。図12及び図13に示すテープ巻き箇所59の電線1の長手方向の両端それぞれには、該テープ巻き箇所59に巻かれる(取り付けられる)外装品としてのテープ54の巻き方を示す外装品表示印としての荒巻き用印59aが設けられている。一対の荒巻き用印59aは、互いの間にテープ54を荒巻きで巻き付ける(取り付ける)ことを示している。
【0038】
荒巻き用印59aは、電線1の外表面1a上に一本の帯状に形成されており、その長手方向は、電線1の周方向と長手方向との双方に対し交差している。荒巻き用印59aは、電線1の外表面1aが単色Pと異なる色R1(図12及び図13中に平行斜線で示す)に着色されて形成されている。
【0039】
図14及び図15に示すテープ巻き箇所59には、ハーフラップでテープ54が巻かれるようになっている。図14及び図15に示すテープ巻き箇所59の電線1の長手方向の両端それぞれには、該テープ巻き箇所59に巻かれる(取り付けられる)外装品としてのテープ54の巻き方を示す外装品表示印としてのハーフラップ用印59bが設けられている。一対のハーフラップ用印59bは、互いの間にテープ54をハーフラップで巻き付ける(取り付ける)ことを示している。
【0040】
ハーフラップ用印59bは、電線1の外表面1a上に互いに間隔をあけかつ平行な一対の帯状に形成されており、それらの長手方向は、電線1の周方向と長手方向との双方に対し交差している。ハーフラップ用印59bは、電線1の外表面1aが単色Pと異なる色R2(図14及び図15中に平行斜線で示す)に着色されて形成されている。
【0041】
前述した外装品取り付け箇所は、構成が互いに略同等である。このため、プロテクタ取り付け箇所とグロメット取り付け箇所と配線用クリップ取り付け箇所には、それぞれ、電線1の長手方向の両端に、これらの取り付け箇所に取り付けられるプロテクタ、グロメットや配線用クリップなどの外装品の種類を示す外装品表示印が設けられている。
【0042】
また、電線1の外表面1aには、図8ないし図15に示すように、印6が形成されている。印6は、複数の点7からなる。点7は、後述の着色材により、外表面1aが色Bに形成されて得られる。色Bは、単色Pと異なる。点7の平面形状は、図8ないし図15に示すように、丸形である。点7は、複数設けられており、予め定められるパターンにしたがって、電線1の長手方向に沿って並べられている。図示例では、電線1の長手方向に沿って、点7が等間隔に並べられている。また、互いに隣り合う点7の中心間の距離は、予め定められている。
【0043】
また、前述した印6の各点7の色Bが種々の色に変更されることにより、電線1同士を識別可能としている。図示例では、一つの電線1の全ての点7の色Bを同じにしているが、必要に応じて点7毎に色Bを変更して、点7同士の色Bを異ならせても良い。印6の各点7の色Bは、ワイヤハーネス2の電線1の線種、系統(システム)の識別などを行うために用いられる。即ち、前述した印6の各点7の色Bは、ワイヤハーネス2の各電線1の線種及び使用目的を識別するために用いられる。
【0044】
前述した印6,58a,58b,59a,59bは、図16に示す着色装置3により、着色材が電線1の外表面1aに向かって一定量ずつ滴射され、電線1の外表面1aを着色して形成されている。
【0045】
着色装置3は、図16に示すように、装置本体としてのフレーム10と、ガイドロール11と、移動手段としての送り出しロール12と、電線矯正手段としての矯正ユニット13と、弛み吸収手段としての弛み吸収ユニット14と、着色ユニット15と、ダクト16と、測定手段としてのエンコーダ17と、加工手段としての切断機構18と、制御手段としての制御装置19とを備えている。
【0046】
フレーム10は、工場などのフロア上などに設置される。フレーム10は、水平方向に伸びている。ガイドロール11は、フレーム10の一端部に回転自在に取り付けられている。ガイドロール11は、長尺でかつ印6,58a,58b,59a,59bが形成されていない電線1を巻いている。ガイドロール11は、矯正ユニット13と弛み吸収ユニット14と着色ユニット15とダクト16とエンコーダ17と切断機構18とに順に、電線1を送り出す。
【0047】
送り出しロール12は、フレーム10の他端部に一対設けられている。これら一対の送り出しロール12は、フレーム10に回転自在に支持されかつ鉛直方向に沿って並べられている。送り出しロール12は、図示しないモータなどにより、互いに逆方向に同回転数で回転される。一対の送り出しロール12は、互いの間に電線1を挟み、かつこの電線1の長手方向に沿ってガイドロール11から引っ張る。
【0048】
送り出しロール12は、電線1の長手方向に沿って該電線1を引っ張って移動させる引っ張り手段をなしている。このように、送り出しロール12は、電線1の長手方向に沿って該電線1を移動させることで、電線1の長手方向に沿って着色ユニット15の後述する着色ノズル31と、電線1とを相対的に移動させる。このため、電線1は、ガイドロール11から送り出しロール12に向かって図16中の矢印Kに沿って移動する。矢印Kは、電線1の移動方向をなしている。
【0049】
矯正ユニット13は、ガイドロール11の送り出しロール12側に設けられており、ガイドロール11と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、矯正ユニット13は、ガイドロール11より電線1の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの上流側に設けられている。矯正ユニット13は、板状のユニット本体20と、複数の第1ローラ21と、複数の第2ローラ22とを備えている。ユニット本体20は、フレーム10に固定されている。
【0050】
第1及び第2ローラ21,22は、それぞれ、ユニット本体20に回転自在に支持されている。複数の第1ローラ21は、水平方向(前述した移動方向K)に沿って並べられ、電線1の上方に配されている。複数の第2ローラ22は、水平方向(前述した移動方向K)に沿って並べられ、電線1の下方に配されている。第1ローラ21と第2ローラ22とは、図16に示すように、千鳥状に配されている。
【0051】
矯正ユニット13は、送り出しロール12によりガイドロール11から送り出される電線1を、第1ロール21と第2ロール22との間に挟む。そして、矯正ユニット13は、電線1を直線状にする。また、矯正ユニット13は、第1ロール21と第2ロール22との間に挟むことにより、電線1に摩擦力を付与する。即ち、矯正ユニット13は、送り出しロール12が電線1を引っ張る方向(前述した移動方向K)の逆向きの第1の付勢力H1を電線1に付与する。この第1の付勢力H1は、送り出しロール12が電線1を引っ張る力よりも弱い。このため、矯正ユニット13は、長手方向に沿った張力を電線1に付与する。
【0052】
弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13の送り出しロール12側に設けられており、矯正ユニット13と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13より電線1の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの上流側に設けられている。弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13と着色ユニット15の後述する着色ノズル31との間に設けられている。
【0053】
弛み吸収ユニット14は、図16に示すように、一対の案内ローラ支持フレーム23と、一対の案内ローラ24と、移動ローラ支持フレーム25と、移動ローラ26と、付勢手段としてのエアシリンダ27とを備えている。案内ローラ支持フレーム23は、フレーム10に固定されている。案内ローラ支持フレーム23は、フレーム10から上方に立設している。一対の案内ローラ支持フレーム23は、電線1の移動方向Kに沿って、互いに間隔をあけて並べられている。
【0054】
一対の案内ローラ24は、案内ローラ支持フレーム23に回転自在に支持されている。案内ローラ24は、電線1の下方に配され、外表面に電線1と接触することにより、移動方向Kから電線1が脱落しないように、電線1を案内する。このため、案内ローラ24は、電線1の移動方向Kを案内する。
【0055】
移動ローラ支持フレーム25は、フレーム10に固定されている。移動ローラ支持フレーム25は、フレーム10から上方に立設している。移動ローラ支持フレーム25は、一対の案内ローラ支持フレーム23間に設けられている。
【0056】
移動ローラ26は、移動ローラ支持フレーム25に回転自在に支持されているとともに、鉛直方向に沿って移動自在に支持されている。移動ローラ26は、電線1の上方に配されている。移動ローラ26は、鉛直方向に沿って移動自在に支持されることで、電線1の移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って、移動自在に支持されている。また、移動ローラ26は、案内ローラ24間の中央に設けられている。
【0057】
エアシリンダ27は、シリンダ本体28と、このシリンダ本体28から伸縮自在な伸縮ロッド29とを備えている。シリンダ本体28は、移動ローラ支持フレーム25に固定されており、電線1の上方に配されている。伸縮ロッド29は、シリンダ本体28から下方に向かって伸長する。即ち、伸縮ロッド29は、シリンダ本体28から電線1に近づく方向に伸長する。
【0058】
伸縮ロッド29には、移動ローラ26が取り付けられている。エアシリンダ27は、シリンダ本体28内に加圧された気体が供給されることで、伸縮ロッド29即ち移動ローラ26を第2の付勢力H2(図16に示す)で移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って、下方に付勢する。このため、エアシリンダ27は、移動ローラ26を、第2の付勢力H2で電線1に近づく方向に付勢する。第2の付勢力H2は、第1の付勢力H1より弱い。
【0059】
切断機構18の後述の一対の切断刃48,49が互いに近づいて、電線1を切断するために一旦電線1が停止した際に、慣性により矢印Kに沿って電線1が進むと、該電線1が一対の案内ロール24間で弛む。このとき、前述した構成の弛み吸収ユニット14は、エアシリンダ27が移動ロール26を第2の付勢力H2で付勢しているため、エアシリンダ27の伸縮ロッド29が伸長して、移動ロール26が例えば図16中に二点鎖線で示す位置まで変位する。そして、弛み吸収ユニット14は、前述した案内ロール24間で弛んだ電線1を移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って付勢して、弛みを吸収して、電線1を張った状態に保つ。
【0060】
着色ユニット15は、弛み吸収ユニット14の送り出しロール12側に設けられており、弛み吸収ユニット14と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、着色ユニット15は、弛み吸収ユニット14より電線1の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの上流側に設けられている。このため、着色ユニット15即ち後述の着色ノズル31は、送り出しロール12と、矯正ユニット13との間に配されている。
【0061】
着色ユニット15は、図17に示すように、ユニット本体30と、複数の着色ノズル31と、複数の着色材供給源32(図中には一つのみ図示し、他を省略している)と、加圧気体供給源33とを備えている。ユニット本体30は、フレーム10に固定される。ユニット本体30は、複数の着色ノズル31を支持する。
【0062】
前述した構成の着色ノズル31は、後述の着色材供給源32からの液状の着色材を、電線1の外表面1aに向かって一定量ずつ滴射する。着色ノズル31は、滴射した着色材の液滴を電線1の外表面1aに付着させて、該電線1の外表面1aの少なくとも一部を着色する(マーキング)する。
【0063】
着色ノズル31は、図18に示すように、円筒状のノズル本体34と、このノズル本体34内に収容されたインサート部材35と、流入管36と、第1のノズル部としてのノズル部材37と、弁機構38とを備えている。
【0064】
インサート部材35は、円筒状に形成されているとともに、内側に着色材を通す流路39が形成されている。流路39内には、着色材供給源32などから供給される着色材で満たされる。インサート部材35は、本明細書に記した液状の着色材を収容する収容部をなしている。流入管36は、流路39と連通しており、着色材供給源32からの着色材を流路39内に導く。
【0065】
ノズル部材37は、円筒状に形成されているとともに、流路39内と連通しており、流路39内の着色材を着色ノズル31外に導く。ノズル部材37の内径Dは、ノズル本体34の内径即ち流路39の外径より小さい。ノズル部材37は、ノズル本体34と同軸に配されている。ノズル部材37は、ステンレス鋼からなる。ノズル部材37は、内側にノズル部材37の長手方向に沿う矢印Qに沿って、着色材が流れる。矢印Qは、着色材が流れる方向をなしている。
【0066】
弁機構38は、コイル40と、弁本体41と、コイルばね42を備えている。コイル40は、流路39の外側に設けられインサート部材35内に埋設されている。コイル40は、外部から印加される。弁本体41は、導電性の本体部43と、弁体44とを備えている。本体部43は、円柱状の円柱部45と、この円柱部45の一端に連なる円板状の円板部46とを一体に備えている。
【0067】
本体部43は、円板部46がノズル部材37の基端部37aと相対し、円柱部45の長手方向がノズル本体34の長手方向と平行な状態で、流路39内に収容されている。また、本体部43即ち弁本体41は、円柱部45の長手方向即ちノズル本体34の長手方向に沿って移動自在に設けられている。
【0068】
弁体44は、本体部43の円板部46に取り付けられている。即ち、弁体44は、インサート部材35内に収容されている。弁体44は、ノズル部材37の基端部37aと相対する。弁体44は、ノズル部材37の基端部37aに接離する。なお、接離とは、近づいたり離れたりすることである。
【0069】
弁体44は、ノズル部材37の基端部37aに接触すると、この基端部37aとの間を水密に保ち、流路39内の着色材がノズル部材37内に侵入することを防止する。また、弁体44は、ノズル部材37の基端部37aから離れると、ノズル部材37内を通って着色材が電線1の外表面1aに向かって滴射されることを許容する。
【0070】
このように、弁体44は、図18中に二点鎖線で示す開位置と、図18中に実線で示す閉位置とに亘って基端部37aに接離する。開位置では、弁体44は、基端部37aから離れて着色材をノズル部材37内を通して電線1に向かって滴射させる。閉位置では、弁体44は、基端部37aに接触して着色材をノズル部材37内を通して電線1に向かって滴射することを規制する。
【0071】
コイルばね42は、円板部46を弁体44がノズル部材37の基端部37aに近づく方向に付勢している。
【0072】
前述した構成の着色ノズル31は、着色材供給源32からの着色材を、流入管36を通して、流路39内に導く。そして、コイル40に印加されていない状態で、コイルばね42の付勢力により、弁体44がノズル部材37の基端部37aに接触して、着色材が流路39内に位置付けられている。
【0073】
そして、着色ノズル31は、コイル40に印加されると、コイルばね42の付勢力に抗して、円板部46に取り付けられた弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れて、流路39内の着色材を矢印Qに沿ってノズル部材37の内側を通す。そして、着色ノズル31は、ノズル部材37から着色材を滴射する。また、コイル40は、制御装置19からの命令に基づいて、予め定められる一定時間印加される。このため、着色ノズル31は、一定量ずつ着色材を電線1の外表面1aに向かって滴射する。
【0074】
また、着色ノズル31は、ユニット本体30に取り付けられ、電線1の移動方向Kに沿って複数並べられるとともに、電線1を中心とした周方向に沿って等間隔に複数並べられている。
【0075】
着色材供給源32は、着色材を収容するとともに、着色ノズル31の流入管36内に着色材を供給する。着色材供給源32は、各着色ノズル31に一つ対応している。着色材供給源32が、着色ノズル31に供給する着色材の色Bは、互いに異なっていても良く、互いに同じであっても良い。
【0076】
加圧気体供給源33は、加圧された気体を着色材供給源32内に供給する。加圧気体供給源33は、加圧された気体を着色材供給源32内に供給することで、着色ノズル31の弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れると、流路39内の着色材が速やかにノズル部材37から滴射するようにする。
【0077】
前述した構成の着色ユニット15は、制御装置19からの命令に基づいて、任意の着色ノズル31のコイル40に印加されて弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れる。そして、着色ユニット15は、任意の着色ノズル31の流路39内の着色材を一定量ずつ電線1に向かって滴射する。
【0078】
前述した着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、着色材とは、着色液または塗料である。
【0079】
着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液が電線1の外表面1aに付着すると、染料が被覆部5内にしみ込み、塗料が電線1の外表面1aに付着すると、顔料が被覆部5内にしみ込むことなく外表面1aに接着する。即ち、着色ユニット15は、電線1の外表面1aの一部を染料で染める又は電線1の外表面1aに顔料を塗る。このため、電線1の外表面1aを着色するとは、電線1の外表面1aの一部を染料で染める(染色する)ことと、電線1の外表面1aの一部に顔料を塗ることとを示している。
【0080】
また、前記溶媒と分散液は、被覆部5を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部5内に確実にしみ込んだり、顔料が外表面1aに確実に接着することとなる。
【0081】
さらに、前述した滴射とは、着色ノズル31から液状の着色材が、液滴の状態即ち滴の状態で、電線1の外表面1aに向かって付勢されて打ち出されることを示している。
【0082】
ダクト16は、着色ユニット15の送り出しロール12側に設けられており、着色ユニット15と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、ダクト16は、着色ユニット15より電線1の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの上流側に設けられている。ダクト16は、筒状に形成されており、内側に電線1を通す。ダクト16には、真空ポンプなどの図示しない吸引手段が連結している。吸引手段は、ダクト16内の気体を吸引して、着色材中の溶媒と分散液などが着色装置3外に充満することを防止する。
【0083】
エンコーダ17は、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの下流側に設けられている。エンコーダ17は、図16に示すように、回転子47を一対備えている。回転子47は、軸芯周りに回転可能に支持されている。回転子47の外表面は、一対の送り出しロール12間に挟まれた電線1の外表面1aと接触している。回転子47は、矢印Kに沿って、芯線4即ち電線1が走行(移動)すると、回転する。即ち、回転子47は、矢印Kに沿った芯線4即ち電線1の走行(移動)とともに、軸芯周りに回転する。勿論、矢印Kに沿った芯線4即ち電線1の走行(移動)量と、回転子47の回転数とは比例する。
【0084】
エンコーダ17は、制御装置19に接続している。エンコーダ17は、回転子47が所定角度ずつ回転すると、制御装置19に向かってパルス状の信号を出力する。即ち、エンコーダ17は、矢印Kに沿った電線1の移動量に応じた情報を、制御装置19に向かって出力する。このように、エンコーダ17は、電線1の移動量に応じた情報を測定して、電線1の移動量に応じた情報を制御装置19に向かって出力する。通常エンコーダ17では電線1と回転子47の摩擦で電線1の移動量に応じたパルス信号が出力される。しかし、電線1の外表面1aの状態により移動量とパルス数が必ずしも一致しない場合は、別の場所で速度情報を入手し、その情報をフィードバックし、比較演算しても良い。
【0085】
切断機構18は、エンコーダ17の一対の回転子47より電線1の移動方向Kの下流側に配されている。切断機構18は、一対の切断刃48,49を備えている。一対の切断刃48,49は、鉛直方向に沿って並べられている。一対の切断刃48,49は、鉛直方向に沿って互いに近づいたり離れたりする。一対の切断刃48,49は、互いに近づくと、一対の送り出しロール12によって送り出された電線1を互いの間に挟んで、切断する。一対の切断刃48,49は、互いに離れると、勿論、前記電線1から離れる。
【0086】
制御装置19は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置19は、送り出しロール12と、エンコーダ17と、切断機構18と、着色ノズル31などと接続しており、これらの動作を制御することにより、着色装置3全体の制御をつかさどる。
【0087】
制御装置19は、予め印6,58a,58b,59a,59bのパターンを記憶している。制御装置19は、エンコーダ17から所定のパルス状の信号即ち電線1の移動量に応じた情報が入力すると、予め定められた着色ノズル31のコイル40に一定時間印加して、該着色ノズル31から電線1に向かって着色材を一定量ずつ滴射させる。制御装置19は、予め記憶した印6,58a,58b,59a,59bのパターンにしたがって、電線1の移動速度が速くなると着色ノズル31から着色材を滴射する時間間隔を短くし、電線1の移動速度が遅くなると着色ノズル31から着色材を滴射する時間間隔を長くする。こうして、制御装置19は、予め記憶したパターンにしたがって、電線1を着色する。制御装置19は、エンコーダ17が測定した電線1の移動量に基づいて、着色ノズル31に着色材を一定量ずつ滴射させる。
【0088】
また、制御装置19は、エンコーダ17からの情報により、電線1が所定量移動したと判定すると、送り出しロール12を停止した後、一対の切断刃48,49を互いに近づけて電線1を切断する。
【0089】
前述した構成の着色装置3で、電線1の外表面1aに印6,58a,58b,59a,59bを形成する即ち電線1の外表面1aを着色して、所定の長さに切断する際には、まず、ガイドロール11をフレーム10に取り付ける。一対の切断刃48,49を互いに離しておき、ガイドロール11に巻かれた電線1を矯正ユニット13と弛み吸収ユニット14と着色ユニット15とダクト16とに順に通して、一対の送り出しロール12間に挟む。そして、着色ユニット15のユニット本体30の所定箇所に着色ノズル31を取り付け、各着色ノズル31に着色材供給源32を連結する。さらに、加圧気体供給源33を着色材供給源32に連結し、吸引手段でダクト16内の気体を吸引する。
【0090】
そして、送り出しロール12を回転駆動して、電線1をガイドロール11から引っ張って、該電線1の長手方向に沿って移動させるとともに、矯正ユニット13により電線1に第1の付勢力H1の摩擦力を付与して、該電線1を張っておく。そして、エアシリンダ27で移動ローラ26即ち電線1を第2の付勢力H2で付勢しておく。
【0091】
そして、エンコーダ17から所定の順番のパルス状の信号が制御装置19に入力すると、制御装置19は、予め定められた着色ノズル31のコイル40に一定時間、所定間隔毎に印加する。すると、着色ノズル31は、着色材を一定量ずつ電線1の外表面1aに向かって滴射する。
【0092】
そして、電線1の外表面1aに付着した着色材から前述した溶媒または分散液が蒸発して、電線1の外表面1aを染料で染める又は外表面1aに顔料を塗る。電線1の外表面1aに付着した着色材から蒸発した溶媒または分散液は、ダクト16内から吸引手段に吸引される。こうして、電線1の外表面1aが着色される。
【0093】
エンコーダ17などからの情報により、制御装置19が所定の長さの電線1を送り出したと判定すると、この制御装置19は、送り出しロール12を停止する。すると、特に、弛み吸収ユニット14の一対の案内ローラ24間で電線1が弛んで、第2の付勢力H2で付勢された移動ローラ26が図16中に二点鎖線で示す位置に変位する。すると、弛み吸収ユニット14のエアシリンダ27の伸縮ロッド29が伸長する。そして、弛み吸収ユニット14は、電線1の弛みを吸収する。
【0094】
そして、一対の切断刃48,49が互いに近づいて、これら切断刃48,49間に電線1を挟んで切断する。こうして、図8ないし図15などに示された外表面1aに印6,58a,58b,59a,59bが形成された電線1が得られる。
【0095】
前述した構成の電線1は、図16に示す着色装置3により印6,58a,58b,59a,59bが形成され即ち着色されかつ所定の長さに切断されて、端部に端子金具が取り付けられる。電線1は、端子金具がコネクタハウジング内に収容されて、複数本が束ねられる。そして、電線1は、ワイヤハーネス製造用の布線ボードなどに所定のパターンにしたがって結かれる。
【0096】
そして、前述した図示しない外送品表示印に基づいてプロテクタ、グロメットや配線用クリップを電線1のプロテクタ取り付け箇所、グロメット取り付け箇所や配線用クリップ取り付け箇所に取り付ける。さらに、前述した印58a,58bに基づいてチューブ51a,51bを電線1のチューブ取り付け箇所58に取り付ける。そして、前述した印59a,59bに基づいてテープ54を電線1のテープ巻き箇所59に取り付ける。こうして、前述した構成のワイヤハーネス2を組み立てる。
【0097】
本実施形態によれば、電線1の外表面1aに外装品表示印58a,58b,59a,59bが形成されている。このため、ワイヤハーネス2を組み立てる際に用いられる布線ボード上などに外装品の取り付け箇所と品番などを示す印を設ける必要がない。このため、布線ボードを用いて組み立てるワイヤハーネスの品番を速やかに変更でき、少量多品種のワイヤハーネスを容易に組み立てることができる。
【0098】
また、印58a,58b,59a,59bが、箇所58,59の両端に設けられているので、印58a,58b,59a,59b間にチューブ51a,51bやテープ54を取り付けることで、箇所58,59に確実に所望のチューブ51a,51bやテープ54を取り付けることができる。したがって、ワイヤハーネス2の歩留まりの低下を抑制できる。
【0099】
印58a,58bがチューブ51a,51bの種類を表示する。このため、所定の種類のチューブ51a,51bを容易に取り付けることができる。印59a,59bがテープ54の巻き方を表示する。このため、所定の巻き方でテープ54を容易に巻くことができる。したがって、ワイヤハーネス2の歩留まりの低下をより確実に抑制できる。
【0100】
印58a,58b,59a,59bが着色材により外表面1aが着色されて形成されている。このため、印58a,58b,59a,59bが電線1の外表面1aから不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、印58a,58b,59a,59bが電線1の外表面1aから不意に脱落して、電線1即ちワイヤハーネス2の美観を不意に損ねることを確実に防止できる。
【0101】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、印58a,58b,59a,59bを形成している。このため、必要以上に印58a,58b,59a,59bが厚くなることを防止でき、電線1の外径が増大することを防止できる。
【0102】
前述した実施形態では、外装品表示印として、チューブ51a,51b用の印58a,58bとテープ54用の印59a,59bとを図示して説明している。しかしながら、本発明では、プロテクタ、グロメットや配線用クリップなどの外装品やこれら外装品の種類を示す外装品表示印を電線1の外表面1aに形成しても良い。
【0103】
また、前述した実施形態では、液状の着色材を一定量ずつ滴射して、印6,58a,58b,59a,59bを形成している。しかしながら、本発明では、噴霧などの種々の方法で着色材を電線1の外表面1aに付着させて、印6,58a,58b,59a,59bを形成しても良いことは勿論である。
【0104】
さらに、本発明では、着色液及び塗料として、アクリル系塗料、インク(染料系、顔料系)、UVインクなどの種々のものを用いても良い。
【0105】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、外表面に外装品表示印が形成されて、ワイヤハーネスを組み立てる際に用いられる布線ボード上などに外装品の取り付け箇所と品番などを示す印を設ける必要がない。このため、布線ボードを用いて組み立てるワイヤハーネスの品番を速やかに変更でき、少量多品種のワイヤハーネスを容易に組み立てることができる。
【0107】
また、外送品表示印が、外装品取り付け箇所の両端に設けられているので、外送品表示印間に外装品を取り付けることで、外装品取り付け箇所に確実に外装品を取り付けることができる。したがって、ワイヤハーネスの歩留まりの低下を抑制できる。
【0109】
装品表示印がハーネス用テープの巻き方を表示する。このため、所定の巻き方でハーネス用テープを容易に巻くことができる。したがって、ワイヤハーネスの歩留まりの低下を抑制できる。
【0110】
請求項に記載の本発明は、外装品表示印が着色材により外表面が着色されて形成されているため、外装品表示印が電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、外装品表示印が電線の外表面から不意に脱落して、ワイヤハーネス用電線即ちワイヤハーネスの美観を不意に損ねることを確実に防止できる。
【0111】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、外装品表示印を形成している。このため、必要以上に外装品表示印が厚くなることを防止でき、ワイヤハーネス用電線の外径が増大することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるワイヤハーネス用電線を備えたワイヤハーネスの説明図である。
【図2】図1に示されたワイヤハーネスの丸チューブなどを示す斜視図である。
【図3】図1に示されたワイヤハーネスのコルゲートチューブなどを示す斜視図である。
【図4】図1に示されたワイヤハーネスの荒巻きで巻かれたテープなどを示す斜視図である。
【図5】(a)は、図4に示されたテープなどを示す平面図である。
(b)は、図5(a)中のVB−VB線に沿う断面図である。
【図6】図1に示されたワイヤハーネスのハーフラップで巻かれたテープなどを示す斜視図である。
【図7】(a)は、図6に示されたテープなどを示す平面図である。
(b)は、図7(a)中のVIIB−VIIB線に沿う断面図である。
【図8】図2に示された丸チューブが取り付けられたワイヤハーネス用電線の斜視図である
【図9】図8に示されたワイヤハーネス用電線の平面図である。
【図10】図3に示されたコルゲートチューブが取り付けられたワイヤハーネス用電線の斜視図である
【図11】図10に示されたワイヤハーネス用電線の平面図である。
【図12】図4に示されたテープが巻かれたワイヤハーネス用電線の斜視図である
【図13】図12に示されたワイヤハーネス用電線の平面図である。
【図14】図6に示されたテープが巻かれたワイヤハーネス用電線の斜視図である
【図15】図14に示されたワイヤハーネス用電線の平面図である。
【図16】図8ないし図15に示されたワイヤハーネス用電線に印を形成する着色装置の構成を示す側面図である。
【図17】図16中のXVII−XVII線に沿う着色装置の着色ユニットの断面図である。
【図18】図17に示された着色ユニットの各着色ノズルの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤハーネス用電線
1a 外表面
2 ワイヤハーネス
50 ハーネス用プロテクタ(外装品)
51 ハーネス用チューブ(外装品)
51a 丸チューブ(ハーネス用チューブ、外装品)
51a コルゲートチューブ(ハーネス用チューブ、外装品)
52 ハーネス用グロメット(外装品)
53 配線用クリップ(外装品)
54 ハーネス用テープ(外装品)
58 チューブ取り付け箇所(外装品取り付け箇所)
58a 丸チューブ用印(外装品表示印)
58b コルゲートチューブ用印(外装品表示印)
59 テープ巻き箇所(外装品取り付け箇所)
59a 荒巻き用印(外装品表示印)
59b ハーフラップ用印(外装品表示印)

Claims (2)

  1. ワイヤハーネスを構成するとともに、外装品が取り付けられるワイヤハーネス用電線において、
    前記外装品が取り付けられる外装品取り付け箇所の長手方向の両端それぞれに、該外装品取り付け箇所に取り付けられる外装品を示す外装品表示印が形成されているとともに、
    前記外装品は、ハーネス用テープであり、
    前記外装品表示印は、外装品取り付け箇所の長手方向の両端それぞれに位置しかつ当該ハーネス用テープが巻きつけられる始点と終点とのそれぞれに配置されているとともに、前記ハーネス用テープの巻き方を表示することを特徴とするワイヤハーネス用電線。
  2. 前記外装品表示印は、着色材が一定量ずつ外表面に滴射されて、該着色材により外表面が着色されて形成されていることを特徴とする請求項に記載のワイヤハーネス用電線。
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