JP4082589B2 - ワイヤハーネス - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性の芯線と、この芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを備えた電線などを備え、自動車などに配索されるワイヤハーネスに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、種々の電子機器が搭載される。自動車は、前述した電子機器に電力や信号を伝えるために、例えば図9に示すワイヤハーネス100を配索している。図9に例示されたワイヤハーネス100は、複数の電線101と、該電線101の端部に取り付けられたコネクタ102と、これら電線101などの外周に巻かれる図示しないハーネス用テープを備えている。
【0003】
電線101は、導電性の芯線と、該芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを備えている。コネクタ102は、電線101の芯線と電気的に接続する端子金具と、該端子金具を収容する絶縁性の合成樹脂からなるコネクタハウジング103とを備えている。ハーネス用テープは、電線101と前記コネクタ102の電線101寄りの端部102aに亘って、これらの外周に巻かれる。
【0004】
前述したワイヤハーネス100は、コネクタ102が前述した電子機器のコネクタなどと結合する。そして、ワイヤハーネス100は、自動車などに配索されて、前述した電子機器などに必要な電力や信号を伝える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のワイヤハーネス100は、ハーネス用テープが電線101とコネクタ102の電線101寄りの端部102aに亘って巻かれている。勿論、電線101の幅及び厚みは、コネクタ102の幅及び厚みより十分に小さい。このように、電線101からコネクタ102に向かってハーネス用テープを巻いていくと、該ハーネステープを巻く箇所の幅と厚みが急激に変化する。このため、ハーネス用テープを、電線101からコネクタ102の端部102aに亘って、非常に巻きづらかった。このため、ワイヤハーネス100の組立にかかる手間及び工数が増加して、ワイヤハーネス100の組立作業効率が低下する傾向となっていた。
【0006】
また、電線101からコネクタ102の端部102aに亘って、幅と厚みが急激に変化するため、電線101とコネクタ102との間では、これらに巻かれたハーネス用テープに、多くの皺が生じて、美観を損ねる傾向であった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、容易に組み立てることができ、美観を損ねることを防止できるワイヤハーネスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のワイヤハーネスは、電線と、該電線の端部に取り付けられたコネクタと、前記電線の外周に巻かれたハーネス用テープとを備えたワイヤハーネスにおいて、ネクタ寄りの端部の外表面に前記ハーネス用テープと同じ色に着色された着色領域が設けられた前記電線の前記端部に端子金具を取り付け、当該端子金具をコネクタハウジングの端子収容室内に挿入して、前記コネクタを組み立てた後、前記ハーネス用テープが前記電線の中央部から前記着色領域の前記電線の中央部寄りの外縁に亘って巻かれて、前記着色領域が露出して構成されたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項1に記載のワイヤハーネスにおいて、前記着色領域の前記電線の中央部寄りの外縁に前記ハーネス用テープの縁が重ねられていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項2に記載のワイヤハーネスにおいて、前記電線は複数設けられ、これらの電線の着色領域の中央部寄りの外縁を結んで形成される線分は、前記電線の長手方向と、前記電線の径方向との双方に対して交差していることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネスにおいて、前記着色領域は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記電線の外表面が着色されて形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載された本発明によれば、電線の外表面に着色領域が設けられ、この着色領域がハーネス用テープと同じ色であるとともに露出している。このため、ハーネス用テープをコネクタの外周に巻く必要が生じない。
【0013】
請求項2に記載された本発明によれば、ハーネス用テープの縁が着色領域の外縁に重ねられている。このため、ハーネス用テープを着色領域の外縁に沿って巻くことで容易に組み立てることができる。
【0014】
請求項3に記載された本発明によれば、着色領域の外縁が、電線の長手方向と電線の径方向との双方に対して交差している。このため、容易に着色領域の外縁に沿って、ハーネス用テープを巻くことができる。
【0015】
請求項4に記載された本発明によれば、着色領域が、着色材により外表面が着色されて形成されている。このため、着色領域が、電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。
【0016】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、着色領域を形成している。このため、必要以上に着色領域が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【0017】
なお、本明細書でいう着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、本明細書でいう着色材とは、着色液と塗料との双方を示している。着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液で被覆部の外表面を着色すると、染料が被覆部内にしみ込み、塗料で被覆部の外表面を着色すると、顔料が被覆部内にしみ込むことなく外表面に接着する。即ち、本明細書でいう電線の外表面を着色するとは、電線の外表面の一部を染料で染めることと、電線の外表面の一部に顔料を塗ることとを示している。
【0018】
また、前記溶媒と分散液は、被覆部を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部内に確実にしみ込んだり、顔料が被覆部の外表面に確実に接着することとなる。
【0019】
さらに、本明細書に記した滴射とは、液状の着色材が液滴の状態即ち滴の状態で、電線の外表面に向かって付勢されて打ち出されることを示している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるワイヤハーネスを図1ないし図8を参照して説明する。ワイヤハーネス1は、図1及び図2に示すように、コネクタ2と、電線3と、ハーネス用テープ(以下単にテープと記す)4とを備えている。
【0021】
コネクタ2は、図5に示すように、コネクタハウジング5と、端子金具6とを備えている。コネクタハウジング5は、絶縁性の合成樹脂からなり箱状に形成されている。コネクタハウジング5は、端子金具6を収容する端子収容室7を複数備えている。端子収容室7は、予め収容する端子金具6が定められている。
【0022】
端子金具6は、導電性の板金からなり、電線3の端部3aに取り付けられる。端子金具6は、後述の芯線即ち電線3と電気的に接続する。端子金具6は、予め定められた所定の端子収容室7内に収容される。
【0023】
電線3は、導電性の芯線と、絶縁性の被覆部とを備えている。芯線は、複数の導線が撚られて形成されている。芯線を構成する導線は、導電性の金属からなる。また、芯線は、一本の導線から構成されても良い。被覆部は、例えば、絶縁性の合成樹脂からなる。被覆部は、芯線を被覆している。このため、電線3の外表面3bとは、被覆部の外表面をなしている。
【0024】
また、被覆部は、単色Pである。なお、被覆部を構成する合成樹脂に所望の着色剤を混入して、電線3の外表面3bを単色Pにしても良く、被覆部を構成する合成樹脂に着色剤を混入することなく、単色Pを合成樹脂自体の色としても良い。被覆部を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、単色Pが合成樹脂自体の色の場合、被覆部即ち電線3の外表面3bは、無着色であるという。このように、無着色とは、被覆部を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、電線3の外表面3bが合成樹脂自体の色であることを示している。
【0025】
端部3aに端子金具6が取り付けられて、前記端子金具6が所定の端子収容室7内に収容される複数の電線3は、図1ないし図5中の直線状の矢印Nに沿って並んでいる。矢印Nは、複数の電線3が並ぶ方向をなしている。また、矢印Nは、電線3の径方向をなしている。
【0026】
電線3の外表面3bには、図3ないし図5に示すように、着色領域50と、印51が形成されている。着色領域50は、電線3のコネクタ2寄りの端部3aの外表面3bに形成されている。着色領域50は、テープ4と同じ色(図1ないし図5中に平行斜線で示す)に着色されている。着色領域50は、後述の着色材が電線3の外表面3bに向かって一定量ずつ滴射され、該着色材が電線3の外表面3bに付着するとともに、付着した着色材が電線3の外表面3bを着色することで形成されている。
【0027】
また、着色領域50は、端部3aに取り付けられた端子金具3が所定の端子収容室7内に収容されると、コネクタハウジング5外に露出する。複数の電線3の着色領域50の電線3の中央部寄りの外縁50aを互いに結んで形成される線分M(図2及び図3中に一点鎖線で示す)は、端子金具6が予め定められる所定の端子収容室7内に収容された状態で、電線3の長手方向と矢印N(電線3の径方向)との双方に対して交差する直線になっている。
【0028】
印51は、複数の点52からなる。点52の色は、単色Pと異なる。点52の平面形状は、丸形である。点52は、複数設けられており、予め定められるパターンにしたがって、電線3の長手方向に沿って並べられている。図示例では、電線3の長手方向に沿って、点52が等間隔に並べられている。また、互いに隣り合う点52の中心間の距離は、予め定められている。
【0029】
印51は、着色領域50と電線3の長手方向に間隔をあけている。印51は、着色材が電線3の外表面3bに向かって一定量ずつ滴射され、該着色材が電線3の外表面3bに付着するとともに、付着した着色材が電線3の外表面3bを着色することで形成されている。
【0030】
また、前述した印51の各点52の色が種々の色に変更されることにより、電線3同士を識別可能としている。図示例では、一本の電線3の全ての点52の色を同じにしているが、必要に応じて点52毎に色を変更して、点52同士の色を異ならせても良い。印51の各点52の色は、ワイヤハーネス1の電線3の線種、系統(システム)の識別などを行うために用いられる。即ち、前述した印51の各点52の色は、ワイヤハーネス1の各電線3の線種及び使用目的を識別するために用いられる。
【0031】
テープ4は、端子金具6が所定の端子収容室7内に収容された状態で、電線3の少なくとも中央部から端部3aに設けられた着色領域50に亘って、複数の電線3の外周を巻いている。また、テープ4のコネクタ2寄りの縁4aは、前述した着色領域50の電線3の中央部寄りの外縁50aに重ねられる。このため、テープ4は、電線3の中央部から前記外縁50aに亘って、電線3の外周に巻かれている。
【0032】
テープ4の縁4aが前述した着色領域50の中央部寄りの外縁50aに重ねられるので、複数の電線3の着色領域50の中央部寄りの外縁50aに沿って、テープ4の縁4aは位置付けられる。さらに、ワイヤハーネス1では、着色領域50は、露出している。また、前述した着色領域50と印51は、図6に示す着色装置53により形成される。
【0033】
着色装置53は、図6に示すように、装置本体としてのフレーム10と、ガイドロール11と、移動手段としての送り出しロール12と、電線矯正手段としての矯正ユニット13と、弛み吸収手段としての弛み吸収ユニット14と、着色ユニット15と、ダクト16と、測定手段としてのエンコーダ17と、加工手段としての切断機構18と、制御手段としての制御装置19とを備えている。
【0034】
フレーム10は、工場などのフロア上などに設置される。フレーム10は、水平方向に伸びている。ガイドロール11は、フレーム10の一端部に回転自在に取り付けられている。ガイドロール11は、長尺でかつ着色領域50及び印51が形成されていない電線3を巻いている。ガイドロール11は、矯正ユニット13と弛み吸収ユニット14と着色ユニット15とダクト16とエンコーダ17と切断機構18とに順に、電線3を送り出す。
【0035】
送り出しロール12は、フレーム10の他端部に一対設けられている。これら一対の送り出しロール12は、フレーム10に回転自在に支持されかつ鉛直方向に沿って並べられている。送り出しロール12は、図示しないモータなどにより、互いに逆方向に同回転数で回転される。一対の送り出しロール12は、互いの間に電線3を挟み、かつこの電線3の長手方向に沿ってガイドロール11から引っ張る。
【0036】
送り出しロール12は、電線3の長手方向に沿って該電線3を引っ張って移動させる引っ張り手段をなしている。このように、送り出しロール12は、電線3の長手方向に沿って該電線3を移動させることで、電線3の長手方向に沿って着色ユニット15の後述する着色ノズル31と、電線3とを相対的に移動させる。このため、電線3は、ガイドロール11から送り出しロール12に向かって図6中の矢印Kに沿って移動する。矢印Kは、電線3の移動方向をなしている。
【0037】
矯正ユニット13は、ガイドロール11の送り出しロール12側に設けられており、ガイドロール11と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、矯正ユニット13は、ガイドロール11より電線3の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの上流側に設けられている。矯正ユニット13は、板状のユニット本体20と、複数の第1ローラ21と、複数の第2ローラ22とを備えている。ユニット本体20は、フレーム10に固定されている。
【0038】
第1及び第2ローラ21,22は、それぞれ、ユニット本体20に回転自在に支持されている。複数の第1ローラ21は、水平方向(前述した移動方向K)に沿って並べられ、電線3の上方に配されている。複数の第2ローラ22は、水平方向(前述した移動方向K)に沿って並べられ、電線3の下方に配されている。第1ローラ21と第2ローラ22とは、図6に示すように、千鳥状に配されている。
【0039】
矯正ユニット13は、送り出しロール12によりガイドロール11から送り出される電線3を、第1ロール21と第2ロール22との間に挟む。そして、矯正ユニット13は、電線3を直線状にする。また、矯正ユニット13は、第1ロール21と第2ロール22との間に挟むことにより、電線3に摩擦力を付与する。即ち、矯正ユニット13は、送り出しロール12が電線3を引っ張る方向(前述した移動方向K)の逆向きの第1の付勢力H1を電線3に付与する。この第1の付勢力H1は、送り出しロール12が電線3を引っ張る力よりも弱い。このため、矯正ユニット13は、長手方向に沿った張力を電線3に付与する。
【0040】
弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13の送り出しロール12側に設けられており、矯正ユニット13と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13より電線3の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの上流側に設けられている。弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13と着色ユニット15の後述する着色ノズル31との間に設けられている。
【0041】
弛み吸収ユニット14は、図6に示すように、一対の案内ローラ支持フレーム23と、一対の案内ローラ24と、移動ローラ支持フレーム25と、移動ローラ26と、付勢手段としてのエアシリンダ27とを備えている。案内ローラ支持フレーム23は、フレーム10に固定されている。案内ローラ支持フレーム23は、フレーム10から上方に立設している。一対の案内ローラ支持フレーム23は、電線3の移動方向Kに沿って、互いに間隔をあけて並べられている。
【0042】
一対の案内ローラ24は、案内ローラ支持フレーム23に回転自在に支持されている。案内ローラ24は、電線3の下方に配され、外表面に電線3と接触することにより、移動方向Kから電線3が脱落しないように、電線3を案内する。このため、案内ローラ24は、電線3の移動方向Kを案内する。
【0043】
移動ローラ支持フレーム25は、フレーム10に固定されている。移動ローラ支持フレーム25は、フレーム10から上方に立設している。移動ローラ支持フレーム25は、一対の案内ローラ支持フレーム23間に設けられている。
【0044】
移動ローラ26は、移動ローラ支持フレーム25に回転自在に支持されているとともに、鉛直方向に沿って移動自在に支持されている。移動ローラ26は、電線3の上方に配されている。移動ローラ26は、鉛直方向に沿って移動自在に支持されることで、電線3の移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って、移動自在に支持されている。また、移動ローラ26は、案内ローラ24間の中央に設けられている。
【0045】
エアシリンダ27は、シリンダ本体28と、このシリンダ本体28から伸縮自在な伸縮ロッド29とを備えている。シリンダ本体28は、移動ローラ支持フレーム25に固定されており、電線3の上方に配されている。伸縮ロッド29は、シリンダ本体28から下方に向かって伸長する。即ち、伸縮ロッド29は、シリンダ本体28から電線3に近づく方向に伸長する。
【0046】
伸縮ロッド29には、移動ローラ26が取り付けられている。エアシリンダ27は、シリンダ本体28内に加圧された気体が供給されることで、伸縮ロッド29即ち移動ローラ26を第2の付勢力H2(図6に示す)で移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って、下方に付勢する。このため、エアシリンダ27は、移動ローラ26を、第2の付勢力H2で電線3に近づく方向に付勢する。第2の付勢力H2は、第1の付勢力H1より弱い。
【0047】
切断機構18の後述の一対の切断刃48,49が互いに近づいて、電線3を切断するために一旦電線3が停止した際に、慣性により矢印Kに沿って電線3が進むと、該電線3が一対の案内ロール24間で弛む。このとき、前述した構成の弛み吸収ユニット14は、エアシリンダ27が移動ロール26を第2の付勢力H2で付勢しているため、エアシリンダ27の伸縮ロッド29が伸長して、移動ロール26が例えば図6中に二点鎖線で示す位置まで変位する。そして、弛み吸収ユニット14は、前述した案内ロール24間で弛んだ電線3を移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って付勢して、弛みを吸収して、電線3を張った状態に保つ。
【0048】
着色ユニット15は、弛み吸収ユニット14の送り出しロール12側に設けられており、弛み吸収ユニット14と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、着色ユニット15は、弛み吸収ユニット14より電線3の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの上流側に設けられている。このため、着色ユニット15即ち後述の着色ノズル31は、送り出しロール12と、矯正ユニット13との間に配されている。
【0049】
着色ユニット15は、図7に示すように、ユニット本体30と、複数の着色ノズル31と、複数の着色材供給源32(図中には一つのみ図示し、他を省略している)と、加圧気体供給源33とを備えている。ユニット本体30は、フレーム10に固定される。ユニット本体30は、複数の着色ノズル31を支持する。
【0050】
前述した構成の着色ノズル31は、後述の着色材供給源32からの液状の着色材を、電線3の外表面3bに向かって一定量ずつ滴射する。着色ノズル31は、滴射した着色材の液滴を電線3の外表面3bに付着させて、該電線3の外表面3bの少なくとも一部を着色する(マーキング)する。
【0051】
着色ノズル31は、図8に示すように、円筒状のノズル本体34と、このノズル本体34内に収容されたインサート部材35と、流入管36と、第1のノズル部としてのノズル部材37と、弁機構38とを備えている。
【0052】
インサート部材35は、円筒状に形成されているとともに、内側に着色材を通す流路39が形成されている。流路39内には、着色材供給源32などから供給される着色材で満たされる。インサート部材35は、本明細書に記した液状の着色材を収容する収容部をなしている。流入管36は、流路39と連通しており、着色材供給源32からの着色材を流路39内に導く。
【0053】
ノズル部材37は、円筒状に形成されているとともに、流路39内と連通しており、流路39内の着色材を着色ノズル31外に導く。ノズル部材37の内径Dは、ノズル本体34の内径即ち流路39の外径より小さい。ノズル部材37は、ノズル本体34と同軸に配されている。ノズル部材37は、ステンレス鋼からなる。ノズル部材37は、内側にノズル部材37の長手方向に沿う矢印Qに沿って、着色材が流れる。矢印Qは、着色材が流れる方向をなしている。
【0054】
弁機構38は、コイル40と、弁本体41と、コイルばね42を備えている。コイル40は、流路39の外側に設けられインサート部材35内に埋設されている。コイル40は、外部から印加される。弁本体41は、導電性の本体部43と、弁体44とを備えている。本体部43は、円柱状の円柱部45と、この円柱部45の一端に連なる円板状の円板部46とを一体に備えている。
【0055】
本体部43は、円板部46がノズル部材37の基端部37aと相対し、円柱部45の長手方向がノズル本体34の長手方向と平行な状態で、流路39内に収容されている。また、本体部43即ち弁本体41は、円柱部45の長手方向即ちノズル本体34の長手方向に沿って移動自在に設けられている。
【0056】
弁体44は、本体部43の円板部46に取り付けられている。即ち、弁体44は、インサート部材35内に収容されている。弁体44は、ノズル部材37の基端部37aと相対する。弁体44は、ノズル部材37の基端部37aに接離する。なお、接離とは、近づいたり離れたりすることである。
【0057】
弁体44は、ノズル部材37の基端部37aに接触すると、この基端部37aとの間を水密に保ち、流路39内の着色材がノズル部材37内に侵入することを防止する。また、弁体44は、ノズル部材37の基端部37aから離れると、ノズル部材37内を通って着色材が電線3の外表面3bに向かって滴射されることを許容する。
【0058】
このように、弁体44は、図8中に二点鎖線で示す開位置と、図8中に実線で示す閉位置とに亘って基端部37aに接離する。開位置では、弁体44は、基端部37aから離れて着色材をノズル部材37内を通して電線3に向かって滴射させる。閉位置では、弁体44は、基端部37aに接触して着色材をノズル部材37内を通して電線3に向かって滴射することを規制する。
【0059】
コイルばね42は、円板部46を弁体44がノズル部材37の基端部37aに近づく方向に付勢している。
【0060】
前述した構成の着色ノズル31は、着色材供給源32からの着色材を、流入管36を通して、流路39内に導く。そして、コイル40に印加されていない状態で、コイルばね42の付勢力により、弁体44がノズル部材37の基端部37aに接触して、着色材が流路39内に位置付けられている。
【0061】
そして、着色ノズル31は、コイル40に印加されると、コイルばね42の付勢力に抗して、円板部46に取り付けられた弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れて、流路39内の着色材を矢印Qに沿ってノズル部材37の内側を通す。そして、着色ノズル31は、ノズル部材37から着色材を滴射する。また、コイル40は、制御装置19からの命令に基づいて、予め定められる一定時間印加される。このため、着色ノズル31は、一定量ずつ着色材を電線3の外表面3bに向かって滴射する。
【0062】
また、着色ノズル31は、ユニット本体30に取り付けられ、電線3の移動方向Kに沿って複数並べられるとともに、図7に示すように、電線3を中心とした周方向に沿って等間隔に複数並べられている。
【0063】
着色材供給源32は、着色材を収容するとともに、着色ノズル31の流入管36内に着色材を供給する。着色材供給源32は、各着色ノズル31に一つ対応している。着色材供給源32が、着色ノズル31に供給する着色材の色は、互いに異なっていても良く、互いに同じであっても良い。
【0064】
加圧気体供給源33は、加圧された気体を着色材供給源32内に供給する。加圧気体供給源33は、加圧された気体を着色材供給源32内に供給することで、着色ノズル31の弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れると、流路39内の着色材が速やかにノズル部材37から滴射するようにする。
【0065】
前述した構成の着色ユニット15は、制御装置19からの命令に基づいて、任意の着色ノズル31のコイル40に印加されて弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れる。そして、着色ユニット15は、任意の着色ノズル31の流路39内の着色材を一定量ずつ電線3に向かって滴射する。
【0066】
前述した着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、着色材とは、着色液または塗料である。
【0067】
着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液が電線3の外表面3bに付着すると、染料が被覆部内にしみ込み、塗料が電線3の外表面3bに付着すると、顔料が被覆部内にしみ込むことなく外表面3bに接着する。即ち、着色ユニット15は、電線3の外表面3bの一部を染料で染める又は電線3の外表面3bに顔料を塗る。このため、電線3の外表面3bを着色するとは、電線3の外表面3bの一部を染料で染める(染色する)ことと、電線3の外表面3bの一部に顔料を塗ることとを示している。
【0068】
また、前記溶媒と分散液は、被覆部を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部内に確実にしみ込んだり、顔料が外表面3bに確実に接着することとなる。
【0069】
さらに、前述した滴射とは、着色ノズル31から液状の着色材が、液滴の状態即ち滴の状態で、電線3の外表面3bに向かって付勢されて打ち出されることを示している。
【0070】
ダクト16は、着色ユニット15の送り出しロール12側に設けられており、着色ユニット15と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、ダクト16は、着色ユニット15より電線3の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの上流側に設けられている。ダクト16は、筒状に形成されており、内側に電線3を通す。ダクト16には、真空ポンプなどの図示しない吸引手段が連結している。吸引手段は、ダクト16内の気体を吸引して、着色材中の溶媒と分散液などが着色装置53外に充満することを防止する。
【0071】
エンコーダ17は、送り出しロール12より電線3の移動方向Kの下流側に設けられている。エンコーダ17は、図6に示すように、回転子47を一対備えている。回転子47は、軸芯周りに回転可能に支持されている。回転子47の外表面は、一対の送り出しロール12間に挟まれた電線3の外表面3bと接触している。回転子47は、矢印Kに沿って、芯線即ち電線3が走行(移動)すると、回転する。即ち、回転子47は、矢印Kに沿った芯線即ち電線3の走行(移動)とともに、軸芯周りに回転する。勿論、矢印Kに沿った芯線即ち電線3の走行(移動)量と、回転子47の回転数とは比例する。
【0072】
エンコーダ17は、制御装置19に接続している。エンコーダ17は、回転子47が所定角度ずつ回転すると、制御装置19に向かってパルス状の信号を出力する。即ち、エンコーダ17は、矢印Kに沿った電線3の移動量に応じた情報を、制御装置19に向かって出力する。このように、エンコーダ17は、電線3の移動量に応じた情報を測定して、電線3の移動量に応じた情報を制御装置19に向かって出力する。通常エンコーダ17では電線3と回転子47の摩擦で電線3の移動量に応じたパルス信号が出力される。しかし、電線3の外表面3bの状態により移動量とパルス数が必ずしも一致しない場合は、別の場所で速度情報を入手し、その情報をフィードバックし、比較演算しても良い。
【0073】
切断機構18は、エンコーダ17の一対の回転子47より電線3の移動方向Kの下流側に配されている。切断機構18は、一対の切断刃48,49を備えている。一対の切断刃48,49は、鉛直方向に沿って並べられている。一対の切断刃48,49は、鉛直方向に沿って互いに近づいたり離れたりする。一対の切断刃48,49は、互いに近づくと、一対の送り出しロール12によって送り出された電線3を互いの間に挟んで、切断する。一対の切断刃48,49は、互いに離れると、勿論、前記電線3から離れる。
【0074】
制御装置19は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置19は、送り出しロール12と、エンコーダ17と、切断機構18と、着色ノズル31などと接続しており、これらの動作を制御することにより、着色装置53全体の制御をつかさどる。
【0075】
制御装置19は、予め、着色領域50と印51のパターンを記憶している。制御装置19は、エンコーダ17から所定のパルス状の信号即ち電線3の移動量に応じた情報が入力すると、予め定められた着色ノズル31のコイル40に一定時間印加して、該着色ノズル31から電線3に向かって着色材を一定量ずつ滴射させる。制御装置19は、予め記憶した着色領域50と印51のパターンにしたがって、電線3の移動速度が速くなると着色ノズル31から着色材を滴射する時間間隔を短くし、電線3の移動速度が遅くなると着色ノズル31から着色材を滴射する時間間隔を長くする。こうして、制御装置19は、予め記憶したパターンにしたがって、電線3を着色する。制御装置19は、エンコーダ17が測定した電線3の移動量に基づいて、着色ノズル31に着色材を一定量ずつ滴射させる。
【0076】
また、制御装置19は、エンコーダ17からの情報により、電線3が所定量移動したと判定すると、送り出しロール12を停止した後、一対の切断刃48,49を互いに近づけて電線3を切断する。
【0077】
前述した構成のワイヤハーネス1を組み立てる際には、まず、前述した構成の着色装置53で、前述した着色領域50と印51とが形成されていない電線3の外表面3bに着色領域50と印51を形成する即ち電線3の外表面3bを着色して、所定の長さに切断する。この際には、まず、ガイドロール11をフレーム10に取り付ける。一対の切断刃48,49を互いに離しておき、ガイドロール11に巻かれた電線3を矯正ユニット13と弛み吸収ユニット14と着色ユニット15とダクト16とに順に通して、一対の送り出しロール12間に挟む。そして、着色ユニット15のユニット本体30の所定箇所に着色ノズル31を取り付け、各着色ノズル31に着色材供給源32を連結する。さらに、加圧気体供給源33を着色材供給源32に連結し、吸引手段でダクト16内の気体を吸引する。
【0078】
そして、送り出しロール12を回転駆動して、電線3をガイドロール11から引っ張って、該電線3の長手方向に沿って移動させるとともに、矯正ユニット13により電線3に第1の付勢力H1の摩擦力を付与して、該電線3を張っておく。そして、エアシリンダ27で移動ローラ26即ち電線3を第2の付勢力H2で付勢しておく。
【0079】
そして、エンコーダ17から所定の順番のパルス状の信号が制御装置19に入力すると、制御装置19は、予め定められた着色ノズル31のコイル40に一定時間、所定間隔毎に印加する。すると、着色ノズル31は、着色材を一定量ずつ電線3の外表面3bに向かって滴射する。
【0080】
そして、電線3の外表面3bに付着した着色材から前述した溶媒または分散液が蒸発して、電線3の外表面3bを染料で染める又は外表面3bに顔料を塗る。電線3の外表面3bに付着した着色材から蒸発した溶媒または分散液は、ダクト16内から吸引手段に吸引される。こうして、電線3の外表面3bが着色される。
【0081】
エンコーダ17などからの情報により、制御装置19が所定の長さの電線3を送り出したと判定すると、この制御装置19は、送り出しロール12を停止する。すると、特に、弛み吸収ユニット14の一対の案内ローラ24間で電線3が弛んで、第2の付勢力H2で付勢された移動ローラ26が図6中に二点鎖線で示す位置に変位する。すると、弛み吸収ユニット14のエアシリンダ27の伸縮ロッド29が伸長する。そして、弛み吸収ユニット14は、電線3の弛みを吸収する。
【0082】
そして、一対の切断刃48,49が互いに近づいて、これら切断刃48,49間に電線3を挟んで切断する。こうして、外表面3bに着色領域50と印51が形成された電線3が得られる。
【0083】
そして、電線3の端部3aに位置する被覆部を除去する(皮むきする)。その後、端部3aに端子金具6を取り付ける。各端子金具6を、予め定められた所定の端子収容室7に挿入する。そして、テープ4を少なくとも電線3の中央部からコネクタ2寄りの端部3aに亘って、該電線3の外周に巻く。そして、テープ4の端4aを着色領域50の電線3の中央部寄りの外縁50aに重ねる。こうして、図1及び図2に示されたワイヤハーネス1が得られる。
【0084】
こうして、組み立てられたワイヤハーネス1は、コネクタ2が電子機器のコネクタなどと結合して、該電子機器に各種の信号や電力を伝える。
【0085】
本実施形態によれば、電線3の外表面3bに着色領域50が設けられ、この着色領域50がテープ4と同じ色であるとともに露出している。このため、テープ4をコネクタ2の外周に巻く必要が生じない。これにより、テープ4を巻く箇所の幅と厚みが急激に変化しない。このため、作業員が容易にテープ4を巻くことができ、作業員が容易にワイヤハーネス1を組み立てることができ、該ワイヤハーネス1の組立作業の作業効率の低下を防止できる。
【0086】
また、テープ4をコネクタ2に巻く必要がないので、該テープ4を巻く箇所の幅と厚みが急激に変化することがないので、巻かれたテープ4に皺が生じにくくなって、ワイヤハーネス1の美観を損ねることを防止できる。また、着色領域50がテープ4と同じ色であるので、より一層、ワイヤハーネス1の美観を損ねることを防止できる。
【0087】
さらに、着色領域50がテープ4と同じ色であり、電線3が複数設けられた際に、これら複数の電線3の着色領域50は勿論互いに同じ色になる。このため、電線3同士の識別が困難となり、例えばワイヤハーネス1が自動車の電子機器としてのイグニッションスイッチに取り付けられた際に、盗難防止の効果を奏する。
【0088】
テープ4の縁4aが着色領域50の外縁50aに沿って位置付けられる。このため、テープ4を着色領域50の外縁50aに沿って巻くことで、ワイヤハーネス1を組み立てることができる。したがって、作業員がより容易にワイヤハーネス1を組み立てることができ、該ワイヤハーネス1の組立作業の作業効率の低下を防止できる。また、テープ4の縁4aが着色領域50の外縁50aに沿って位置付けられるので、テープ4の無駄を極力防止できる。
【0089】
着色領域50の外縁50aを結んで形成される線分Mが、電線3の長手方向と矢印N(電線3の径方向)との双方に対して交差している。このため、着色領域50の外縁50aに沿って、テープ4を容易に巻くことができる。したがって、作業員が容易にワイヤハーネス1を組み立てることができ、該ワイヤハーネス1の組立作業の作業効率の低下を防止できる。さらに、所望の端子収容室7に端子金具6を収容すると、線分Mが直線となるので、端子金具6の誤挿入を防止できる。
【0090】
着色領域50が、着色材により電線3の外表面3bが着色されて形成されている。このため、着色領域50が、電線3の外表面3bから不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、着色領域50が電線3の外表面3bから不意に脱落して、電線3即ちワイヤハーネス1の美観を不意に損ねることを確実に防止できる。
【0091】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、着色領域50を形成している。このため、必要以上に着色領域50が厚くなることを防止でき、電線3の外径が増大することを防止できる。
【0092】
前述した実施形態では、液状の着色材を一定量ずつ滴射して、着色領域50と印51を形成している。しかしながら、本発明では、噴霧などの種々の方法で着色材を電線3の外表面3bに付着させて、着色領域50と印51を形成しても良いことは勿論である。
【0093】
さらに、本発明では、着色液及び塗料として、アクリル系塗料、インク(染料系、顔料系)、UVインクなどの種々のものを用いても良い。
【0094】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、ハーネス用テープをコネクタの外周に巻く必要が生じないので、ハーネス用テープを巻く箇所の幅と厚みが急激に変化することがない。これにより、作業員が容易にハーネス用テープを巻くことができ、作業員が容易にワイヤハーネスを組み立てることができ、該ワイヤハーネスの組立作業の作業効率の低下を防止できる。
【0096】
また、ハーネス用テープを巻く箇所の幅と厚みが急激に変化することがないので、巻かれたハーネス用テープに皺が生じにくくなって、ワイヤハーネスの美観を損ねることを防止できる。また、着色領域がハーネス用テープと同じ色であるので、より一層、ワイヤハーネスの美観を損ねることを防止できる。
【0097】
さらに、着色領域がハーネス用テープと同じ色であり、電線が複数設けられた際に、これら複数の電線の着色領域は勿論互いに同じ色になる。このため、電線同士の識別が困難となり、例えばワイヤハーネスが自動車の電子機器としてのイグニッションスイッチに取り付けられた際に、盗難防止の効果を奏する。
【0098】
請求項2に記載の本発明は、ハーネス用テープの縁が着色領域の外縁に重ねられている。このため、ハーネス用テープを着色領域の外縁に沿って巻くことで組み立てることができる。したがって、作業員が容易にワイヤハーネスを組み立てることができ、該ワイヤハーネスの組立作業の作業効率の低下を防止できる。また、ハーネス用テープの縁が着色領域の外縁に重ねられるので、ハーネス用テープの無駄を極力防止できる。
【0099】
請求項3に記載の本発明は、着色領域の外縁が、電線の長手方向と電線の径方向との双方に対して交差している。このため、容易に着色領域の外縁に沿って、ハーネス用テープを巻くことができる。したがって、作業員が容易にワイヤハーネスを組み立てることができ、該ワイヤハーネスの組立作業の作業効率の低下を防止できる。さらに、コネクタの所望の端子収容室に端子金具を収容すると、線分が直線となるので、端子金具の誤挿入を防止できる。
【0100】
請求項4に記載の本発明は、着色領域が着色材により外表面が着色されて形成されているため、着色領域が電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、着色領域が電線の外表面から不意に脱落して、電線即ちワイヤハーネスの美観を不意に損ねることを確実に防止できる。
【0101】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、着色領域を形成している。このため、必要以上に着色領域が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるワイヤハーネスの斜視図である。
【図2】図1に示されたワイヤハーネスの平面図である。
【図3】図1に示されたワイヤハーネスの電線にテープが巻かれる前の状態の斜視図である。
【図4】図3に示されたワイヤハーネスの電線にテープが巻かれる前の状態の平面図である。
【図5】図3に示されたワイヤハーネスのコネクタハウジング内に端子金具を挿入する前の状態の斜視図である。
【図6】図1に示されたワイヤハーネスの電線に着色領域と印を形成する着色装置の構成を示す側面図である。
【図7】図6中のVII−VII線に沿う着色装置の着色ユニットの断面図である。
【図8】図7に示された着色ユニットの各着色ノズルの構成を示す断面図である。
【図9】従来のワイヤハーネスの一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ワイヤハーネス
2 コネクタ
3 電線
3a 端部
3b 外表面
4 ハーネス用テープ
4a 縁
5 コネクタハウジング
6 端子金具
7 端子収容室
50 着色領域
50a 外縁
M 線分
N 電線が並ぶ方向(電線の径方向)

Claims (4)

  1. 電線と、該電線の端部に取り付けられたコネクタと、前記電線の外周に巻かれたハーネス用テープとを備えたワイヤハーネスにおいて、
    ネクタ寄りの端部の外表面に前記ハーネス用テープと同じ色に着色された着色領域が設けられた前記電線の前記端部に端子金具を取り付け、当該端子金具をコネクタハウジングの端子収容室内に挿入して、前記コネクタを組み立てた後、
    前記ハーネス用テープが前記電線の中央部から前記着色領域の前記電線の中央部寄りの外縁に亘って巻かれて、前記着色領域が露出して構成されたことを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記着色領域の前記電線の中央部寄りの外縁に前記ハーネス用テープの縁が重ねられていることを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス。
  3. 前記電線は複数設けられ、これらの電線の着色領域の中央部寄りの外縁を結んで形成される線分は、前記電線の長手方向と、前記電線の径方向との双方に対して交差していることを特徴とする請求項2記載のワイヤハーネス。
  4. 前記着色領域は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記電線の外表面が着色されて形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載のワイヤハーネス。
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