JP4177159B2 - 電線、端子付き電線及び端子金具の取り付け方法 - Google Patents

電線、端子付き電線及び端子金具の取り付け方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性の芯線と、この芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを備えた電線と端子付きの電線及び電線に端子金具を取り付ける端子金具の取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車としての電気自動車、ハイブリット車及び燃料電池車には、種々の電子機器が搭載される。また、前述した電気自動車、ハイブリット車及び燃料電池車には、電子機器として走行用の動力を発生するモータと、該モータに電力を供給するためのバッテリと、バッテリの電力をモータに供給する際に直流電力から交流電力に変換するインバータなどを備えている。
【0003】
前述したモータ、バッテリ及びインバータなどは、電線と該電線の両端部に取り付けられた端子金具により互いに接続される。前記電線は、導電性の芯線と該芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを備えた所謂被覆電線である。端子金具は、前記電線の両端部の被覆部が除去されることで露出した芯線などに加締められて電線に取り付けられる。
【0004】
両端部に端子金具が取り付けられた電線(以下端子付きの電線)は、端子金具がモータ、バッテリ及びインバータなどに取り付けられて、これらを電気的に接続する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した端子付きの電線は、電力を伝えるため、前記電線が太くなっている。このため、端子付き電線は、電線のねじれを防止するために両端部に端子金具を所定の向きで取り付ける必要があった。前記電線が長くなると、端子金具を所定の向きで電線に取り付けにくくなるとともに、取り付けにかかる手間及び工数が増加して、端子金具を電線に取り付ける作業の効率が低下する傾向であった。
【0006】
また、勿論、端子金具を任意の向きで電線に取り付け、端子金具をモータ、バッテリ及びインバータなどに取り付けると前述した電線がねじれることが多く、望ましくない。
【0007】
したがって、本発明の目的は、電線の両端部に端子金具を所定の向きで容易に取り付けることができる電線と、所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線と、電線の両端部に端子金具を所定の向きで容易に取り付けることができる電線の端子金具の取り付け方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電線は、外表面に、周方向に沿って互いに間隔をあけて、全長に亘って長手方向に沿って直線状に伸びた印を複数設けた電線において、前記印を周方向に沿って等間隔に設けたことを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の本発明の電線は、請求項1に記載の電線において、周方向に沿って互いに間隔をあけて複数設けられた印のうち少なくとも2つは、互いに色が異なることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の本発明の電線は、請求項1又は請求項2に記載の電線において、前記印は、着色材が一定量ずつ前記外表面に滴射されて、該着色材により前記外表面が着色されて形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の本発明の端子付き電線は、外表面に、周方向に沿って互いに間隔をあけて、全長に亘って長手方向に沿って直線状に伸びた印を複数設けた電線と、前記印に基づいて、前記電線の両端部に取り付けられた端子金具と、を備えた端子付き電線において、前記印を電線の周方向に沿って等間隔に設けたことを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の本発明の端子付き電線は、請求項4に記載の端子付き電線において、前記電線の周方向に沿って互いに間隔をあけて複数設けられた印のうち少なくとも2つは、互いに色が異なることを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の本発明の端子付き電線は、請求項4又は請求項5に記載の端子付き電線において、前記印は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記外表面が着色されて形成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項7に記載の本発明の端子金具の取り付け方法は、電線の両端部に端子金具を取り付ける端子金具の取り付け方法において、電線の両端部の外表面に周方向に沿って互いに等間隔に間隔をあけて全長に亘って長手方向に沿って直線状に伸びた印を複数設け、前記印に基づいて、前記端子金具を所定の向きで前記電線の両端部それぞれに取り付けることを特徴としている。
【0021】
請求項8に記載の本発明の端子金具の取り付け方法は、請求項7に記載の端子金具の取り付け方法において、前記印は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記外表面が着色されて形成されていることを特徴としている。
【0022】
請求項1に記載された本発明によれば、両端部に複数の印を周方向に沿って互いに間隔をあけて設けている。このため、印に基づいて端子金具を取り付けることで、容易に両端部に端子金具を所定の向きで取り付けることができる。
また、両端部に設けられた印が互いに対応しており、互いに対応する印が同一直線上に位置している。このため、印に基づいて端子金具を取り付けることで、容易に両端部に端子金具を所定の向きで取り付けることができる。
さらに、印が直線状に形成されているので、印に基づいて端子金具を取り付けることで、電線に所定の向きで端子金具を確実に取り付けることができる。
【0023】
数の印を周方向に沿って互いに等間隔に設けている。このため、印に基づいて端子金具を取り付けることで、容易に両端部に端子金具を所定の向きで取り付けることができる。
【0026】
請求項2に記載された本発明によれば、少なくとも2つの印の色が異なるので、印同士の識別が容易になる。
【0027】
請求項3に記載された本発明によれば、印が、着色材により外表面が着色されて形成されている。このため、印が、電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。
【0028】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、印を形成している。このため、必要以上に印が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【0029】
請求項4に記載された本発明によれば、電線の両端部に複数の印を周方向に沿って互いに間隔をあけて設けている。印に基づいて端子金具を電線に取り付けている。このため、電線の両端部に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線を得ることができる。
また、電線の両端部に設けられた印が互いに対応しており、互いに対応する印が同一直線上に位置している。印に基づいて端子金具を電線に取り付けている。このため、電線の両端部に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線を確実に得ることができる。
さらに、印が直線状に形成されており、印に基づいて電線に端子金具を取り付けている。このため、電線に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線を確実に得ることができる。
【0030】
数の印を電線の周方向に沿って等間隔に設けている。印に基づいて端子金具を電線に取り付けている。このため、電線の両端部に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線を得ることができる。
【0033】
請求項5に記載された本発明によれば、少なくとも2つの印の色が異なるので、印同士の識別が容易になる。
【0034】
請求項6に記載された本発明によれば、印が、着色材により電線の外表面が着色されて形成されている。このため、印が、電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。
【0035】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、印を形成している。このため、必要以上に印が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【0036】
請求項7に記載された本発明によれば、電線の両端部に複数の印を周方向に沿って互いに間隔をあけて設けている。印に基づいて電線に端子金具を取り付ける。このため、容易に電線の両端部に端子金具を所定の向きで取り付けることができる。
【0037】
請求項8に記載された本発明によれば、印が、着色材により外表面が着色されて形成されている。このため、印が、電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。
【0038】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、印を形成している。このため、必要以上に印が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【0039】
なお、本明細書でいう着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、本明細書でいう着色材とは、着色液と塗料との双方を示している。着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液で被覆部の外表面を着色すると、染料が被覆部内にしみ込み、塗料で被覆部の外表面を着色すると、顔料が被覆部内にしみ込むことなく外表面に接着する。即ち、本明細書でいう電線の外表面を着色するとは、電線の外表面の一部を染料で染めることと、電線の外表面の一部に顔料を塗ることとを示している。
【0040】
また、前記溶媒と分散液は、被覆部を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部内に確実にしみ込んだり、顔料が被覆部の外表面に確実に接着することとなる。
【0041】
さらに、本明細書に記した滴射とは、液状の着色材が液滴の状態即ち滴の状態で、電線の外表面に向かって付勢されて打ち出されることを示している。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる電線及び端子付き電線を図1ないし図7を参照して説明する。図1に示す電線1は、両端部1bに端子金具としてのLA端子7が取り付けられて、図4に示す端子付き電線2を構成する。このため、図3に示す端子付き電線2は、図1などに示す電線1と、LA端子7とを備えている。電線1は、図5に示す着色装置3により、所定の長さに切断され、外表面1aに複数の印6が形成されて得られる。即ち、着色装置3は、電線1の外表面1aを着色する即ちマーキング(Marking)する。
【0043】
電線1は、図1及び図2に示すように、導電性の芯線4と、絶縁性の被覆部5とを備えている。芯線4は、複数の導線が撚られて形成されている。芯線4を構成する導線は、導電性の金属からなる。また、芯線4は、一本の導線から構成されても良い。被覆部5は、例えば、絶縁性の合成樹脂からなる。被覆部5は、芯線4を被覆している。このため、電線1の外表面1aとは、被覆部5の外表面をなしている。
【0044】
また、被覆部5は、単色Pである。なお、被覆部5を構成する合成樹脂に所望の着色剤を混入して、電線1の外表面1aを単色Pにしても良く、被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入することなく、単色Pを合成樹脂自体の色としても良い。被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、単色Pが合成樹脂自体の色の場合、被覆部5即ち電線1の外表面1aは、無着色であるという。このように、無着色とは、被覆部5を構成する合成樹脂に着色剤を混入せずに、電線1の外表面1aが合成樹脂自体の色であることを示している。
【0045】
電線1の外表面1aには、図1及び図2に示すように、複数の印6が形成されている。それぞれ、印6は、電線1の長手方向に沿って直線状に伸びており、電線1の全長に亘って設けられている。即ち、印6は、電線1の外表面1a上に、該電線1の長手方向に沿った直線状に形成されている。
【0046】
複数の印6は、電線1の周方向に沿って、互いに間隔をあけて設けられている。複数の印6は、電線1の周方向に沿って等間隔D1に配されているとともに、電線1の周方向の幅Hが互いに等しい。このため、複数の印6の電線1の周方向の幅Hを二等分する点Rは、電線1の周方向に沿って等間隔D2に配されることとなる。なお、本明細書では、前述した点Rが電線1の周方向に沿って等間隔D2に配されることを、複数の印6が電線1の周方向に沿って等間隔に配されているという。
【0047】
また、印6が電線1の全長に亘って直線状に形成されており、電線1の周方向に沿って等間隔に配されている。このため、勿論、電線1は、その両端部1bの外表面1aに、周方向に等間隔に印6を複数設けている。
【0048】
図示例では、印6は、8つ設けられている。これら8つの印6のうち図1中最も上方に位置する印6を以下第1の印と呼び、符号6aで示す。この第1の印6aから図3中の時計回りに順に、第2の印、第3の印、第4の印、第5の印、第6の印、第7の印、第8の印と呼び、符号6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hで示す。図示例では、これら第1ないし第8の印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hの色は、互いに異なっている。
【0049】
又、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hが電線1の全長に亘って直線状に形成されており、電線1の周方向に沿って等間隔に配されている。このため、電線1の一方の端部1bに形成された印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hは、それぞれ、他方の端部1bに形成された印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hと対応している。さらに、互いに対応した印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hは、電線1の長手方向に沿った同一直線上に位置している。
【0050】
前述した電線1の両端部1bに取り付けられるLA端子7は、厚手の板金などからなり、電線接続部8と、電気接触部9とを一体に備えている。電線接続部8は、底板8aと、一対の芯線かしめ片8bと、一対の被覆部かしめ片8cとを備えている。
【0051】
底板8aは、板状に形成されかつ表面上に電線1の端部1bが位置付けられる。一対の芯線かしめ片8bは、底板8aの幅方向の両縁から立設している。芯線かしめ片8bは、底板8aに向かって曲げられることで、端部1bから露出した芯線4を加締める。被覆部かしめ片8cは、底板8aの幅方向の両縁から立設している。被覆部かしめ片8cは、底板8aに向かって曲げられることで、端部1bに位置する被覆部5を加締める。このとき、被覆部かしめ片8cの底板8aから離れた側の先端部8dが互いに接触する。
【0052】
電気接触部9は、リング状に形成されており、内側に図示しないボルトなどが通されて該ボルトにナットが螺合することで、前述したバッテリ、モータ及びインバータの端子などと電気的に接続する。
【0053】
前述した構成の電線1は、図5に示す着色装置3により印6が形成され即ち着色されかつ所定の長さに切断される。そして、電線1は、両端部1bに位置する被覆部5が除去される。そして、前述した両端部1bにLA端子7が取り付けられて、図4に示す端子付き電線2になる。端子付き電線2のLA端子7がバッテリ、モータ及びインバータなどに取り付けられる。
【0054】
また、図4に示す端子付き電線2は、電線1の両端部1bに取り付けられたLA端子7が電線1に対し予め定められる所定の向きとなっている。このため、端子付き電線2は、電線1がねじれることなく、LA端子7がバッテリ、モータ及びインバータなどに取り付けられるようになっている。
【0055】
図示例では、電線1がねじれていない状態で、両端部1bそれぞれに取り付けられたLA端子7の電気接触部9の表面9aが互いに平行となる(同一平面上に位置する)ようになっている。このため、図示例では、LA端子7が正規の向きで取り付けられると、電線1がねじれていない状態で、両端部1bそれぞれに取り付けられたLA端子7の電気接触部9の表面9aが互いに平行となる(同一平面上に位置する)。また、図示例では、被覆部かしめ片8cの先端部8dが第1の印6a上に重なって、LA端子7が正規の向きで電線1に取り付けられている。このように、端子付き電線2は、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hに基づいて電線1にLA端子7が取り付けられている。
【0056】
また、図示例では、LA端子7の電気接触部9の表面9aが沿う方向は、本明細書に記した端子金具の向きに相当する。さらに、前述した印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hは、図5に示す着色装置3により、着色材が一定量ずつ電線1の外表面1aに滴射されて、該着色材により電線1の外表面1aが着色されて、形成されている。
【0057】
着色装置3は、図5に示すように、装置本体としてのフレーム10と、ガイドロール11と、移動手段としての送り出しロール12と、電線矯正手段としての矯正ユニット13と、弛み吸収手段としての弛み吸収ユニット14と、着色ユニット15と、ダクト16と、測定手段としてのエンコーダ17と、加工手段としての切断機構18と、制御手段としての制御装置19とを備えている。
【0058】
フレーム10は、工場などのフロア上などに設置される。フレーム10は、水平方向に伸びている。ガイドロール11は、フレーム10の一端部に回転自在に取り付けられている。ガイドロール11は、長尺でかつ印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hが形成されていない電線1を巻いている。ガイドロール11は、矯正ユニット13と弛み吸収ユニット14と着色ユニット15とダクト16とエンコーダ17と切断機構18とに順に、電線1を送り出す。
【0059】
送り出しロール12は、フレーム10の他端部に一対設けられている。これら一対の送り出しロール12は、フレーム10に回転自在に支持されかつ鉛直方向に沿って並べられている。送り出しロール12は、図示しないモータなどにより、互いに逆方向に同回転数で回転される。一対の送り出しロール12は、互いの間に電線1を挟み、かつこの電線1の長手方向に沿ってガイドロール11から引っ張る。
【0060】
送り出しロール12は、電線1の長手方向に沿って該電線1を引っ張って移動させる引っ張り手段をなしている。このように、送り出しロール12は、電線1の長手方向に沿って該電線1を移動させることで、電線1の長手方向に沿って着色ユニット15の後述する着色ノズル31と、電線1とを相対的に移動させる。このため、電線1は、ガイドロール11から送り出しロール12に向かって図5中の矢印Kに沿って移動する。矢印Kは、電線1の移動方向をなしている。
【0061】
矯正ユニット13は、ガイドロール11の送り出しロール12側に設けられており、ガイドロール11と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、矯正ユニット13は、ガイドロール11より電線1の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの上流側に設けられている。矯正ユニット13は、板状のユニット本体20と、複数の第1ローラ21と、複数の第2ローラ22とを備えている。ユニット本体20は、フレーム10に固定されている。
【0062】
第1及び第2ローラ21,22は、それぞれ、ユニット本体20に回転自在に支持されている。複数の第1ローラ21は、水平方向(前述した移動方向K)に沿って並べられ、電線1の上方に配されている。複数の第2ローラ22は、水平方向(前述した移動方向K)に沿って並べられ、電線1の下方に配されている。第1ローラ21と第2ローラ22とは、図5に示すように、千鳥状に配されている。
【0063】
矯正ユニット13は、送り出しロール12によりガイドロール11から送り出される電線1を、第1ロール21と第2ロール22との間に挟む。そして、矯正ユニット13は、電線1を直線状にする。また、矯正ユニット13は、第1ロール21と第2ロール22との間に挟むことにより、電線1に摩擦力を付与する。即ち、矯正ユニット13は、送り出しロール12が電線1を引っ張る方向(前述した移動方向K)の逆向きの第1の付勢力H1を電線1に付与する。この第1の付勢力H1は、送り出しロール12が電線1を引っ張る力よりも弱い。このため、矯正ユニット13は、長手方向に沿った張力を電線1に付与する。
【0064】
弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13の送り出しロール12側に設けられており、矯正ユニット13と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13より電線1の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの上流側に設けられている。弛み吸収ユニット14は、矯正ユニット13と着色ユニット15の後述する着色ノズル31との間に設けられている。
【0065】
弛み吸収ユニット14は、図5に示すように、一対の案内ローラ支持フレーム23と、一対の案内ローラ24と、移動ローラ支持フレーム25と、移動ローラ26と、付勢手段としてのエアシリンダ27とを備えている。案内ローラ支持フレーム23は、フレーム10に固定されている。案内ローラ支持フレーム23は、フレーム10から上方に立設している。一対の案内ローラ支持フレーム23は、電線1の移動方向Kに沿って、互いに間隔をあけて並べられている。
【0066】
一対の案内ローラ24は、案内ローラ支持フレーム23に回転自在に支持されている。案内ローラ24は、電線1の下方に配され、外表面に電線1と接触することにより、移動方向Kから電線1が脱落しないように、電線1を案内する。このため、案内ローラ24は、電線1の移動方向Kを案内する。
【0067】
移動ローラ支持フレーム25は、フレーム10に固定されている。移動ローラ支持フレーム25は、フレーム10から上方に立設している。移動ローラ支持フレーム25は、一対の案内ローラ支持フレーム23間に設けられている。
【0068】
移動ローラ26は、移動ローラ支持フレーム25に回転自在に支持されているとともに、鉛直方向に沿って移動自在に支持されている。移動ローラ26は、電線1の上方に配されている。移動ローラ26は、鉛直方向に沿って移動自在に支持されることで、電線1の移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って、移動自在に支持されている。また、移動ローラ26は、案内ローラ24間の中央に設けられている。
【0069】
エアシリンダ27は、シリンダ本体28と、このシリンダ本体28から伸縮自在な伸縮ロッド29とを備えている。シリンダ本体28は、移動ローラ支持フレーム25に固定されており、電線1の上方に配されている。伸縮ロッド29は、シリンダ本体28から下方に向かって伸長する。即ち、伸縮ロッド29は、シリンダ本体28から電線1に近づく方向に伸長する。
【0070】
伸縮ロッド29には、移動ローラ26が取り付けられている。エアシリンダ27は、シリンダ本体28内に加圧された気体が供給されることで、伸縮ロッド29即ち移動ローラ26を第2の付勢力H2(図5に示す)で移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って、下方に付勢する。このため、エアシリンダ27は、移動ローラ26を、第2の付勢力H2で電線1に近づく方向に付勢する。第2の付勢力H2は、第1の付勢力H1より弱い。
【0071】
切断機構18の後述の一対の切断刃48,49が互いに近づいて、電線1を切断するために一旦電線1が停止した際に、慣性により矢印Kに沿って電線1が進むと、該電線1が一対の案内ロール24間で弛む。このとき、前述した構成の弛み吸収ユニット14は、エアシリンダ27が移動ロール26を第2の付勢力H2で付勢しているため、エアシリンダ27の伸縮ロッド29が伸長して、移動ロール26が例えば図5中に二点鎖線で示す位置まで変位する。そして、弛み吸収ユニット14は、前述した案内ロール24間で弛んだ電線1を移動方向Kに直交(交差)する方向に沿って付勢して、弛みを吸収して、電線1を張った状態に保つ。
【0072】
着色ユニット15は、弛み吸収ユニット14の送り出しロール12側に設けられており、弛み吸収ユニット14と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、着色ユニット15は、弛み吸収ユニット14より電線1の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの上流側に設けられている。このため、着色ユニット15即ち後述の着色ノズル31は、送り出しロール12と、矯正ユニット13との間に配されている。
【0073】
着色ユニット15は、図6に示すように、ユニット本体30と、複数の着色ノズル31と、複数の着色材供給源32(図中には一つのみ図示し、他を省略している)と、加圧気体供給源33とを備えている。ユニット本体30は、フレーム10に固定される。ユニット本体30は、複数の着色ノズル31を支持する。
【0074】
前述した構成の着色ノズル31は、後述の着色材供給源32からの液状の着色材を、電線1の外表面1aに向かって一定量ずつ滴射する。着色ノズル31は、滴射した着色材の液滴を電線1の外表面1aに付着させて、該電線1の外表面1aの少なくとも一部を着色する(マーキング)する。
【0075】
着色ノズル31は、図7に示すように、円筒状のノズル本体34と、このノズル本体34内に収容されたインサート部材35と、流入管36と、第1のノズル部としてのノズル部材37と、弁機構38とを備えている。
【0076】
インサート部材35は、円筒状に形成されているとともに、内側に着色材を通す流路39が形成されている。流路39内には、着色材供給源32などから供給される着色材で満たされる。インサート部材35は、本明細書に記した液状の着色材を収容する収容部をなしている。流入管36は、流路39と連通しており、着色材供給源32からの着色材を流路39内に導く。
【0077】
ノズル部材37は、円筒状に形成されているとともに、流路39内と連通しており、流路39内の着色材を着色ノズル31外に導く。ノズル部材37の内径Dは、ノズル本体34の内径即ち流路39の外径より小さい。ノズル部材37は、ノズル本体34と同軸に配されている。ノズル部材37は、ステンレス鋼からなる。ノズル部材37は、内側にノズル部材37の長手方向に沿う矢印Qに沿って、着色材が流れる。矢印Qは、着色材が流れる方向をなしている。
【0078】
弁機構38は、コイル40と、弁本体41と、コイルばね42を備えている。コイル40は、流路39の外側に設けられインサート部材35内に埋設されている。コイル40は、外部から印加される。弁本体41は、導電性の本体部43と、弁体44とを備えている。本体部43は、円柱状の円柱部45と、この円柱部45の一端に連なる円板状の円板部46とを一体に備えている。
【0079】
本体部43は、円板部46がノズル部材37の基端部37aと相対し、円柱部45の長手方向がノズル本体34の長手方向と平行な状態で、流路39内に収容されている。また、本体部43即ち弁本体41は、円柱部45の長手方向即ちノズル本体34の長手方向に沿って移動自在に設けられている。
【0080】
弁体44は、本体部43の円板部46に取り付けられている。即ち、弁体44は、インサート部材35内に収容されている。弁体44は、ノズル部材37の基端部37aと相対する。弁体44は、ノズル部材37の基端部37aに接離する。なお、接離とは、近づいたり離れたりすることである。
【0081】
弁体44は、ノズル部材37の基端部37aに接触すると、この基端部37aとの間を水密に保ち、流路39内の着色材がノズル部材37内に侵入することを防止する。また、弁体44は、ノズル部材37の基端部37aから離れると、ノズル部材37内を通って着色材が電線1の外表面1aに向かって滴射されることを許容する。
【0082】
このように、弁体44は、図7中に二点鎖線で示す開位置と、図7中に実線で示す閉位置とに亘って基端部37aに接離する。開位置では、弁体44は、基端部37aから離れて着色材をノズル部材37内を通して電線1に向かって滴射させる。閉位置では、弁体44は、基端部37aに接触して着色材をノズル部材37内を通して電線1に向かって滴射することを規制する。
【0083】
コイルばね42は、円板部46を弁体44がノズル部材37の基端部37aに近づく方向に付勢している。
【0084】
前述した構成の着色ノズル31は、着色材供給源32からの着色材を、流入管36を通して、流路39内に導く。そして、コイル40に印加されていない状態で、コイルばね42の付勢力により、弁体44がノズル部材37の基端部37aに接触して、着色材が流路39内に位置付けられている。
【0085】
そして、着色ノズル31は、コイル40に印加されると、コイルばね42の付勢力に抗して、円板部46に取り付けられた弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れて、流路39内の着色材を矢印Qに沿ってノズル部材37の内側を通す。そして、着色ノズル31は、ノズル部材37から着色材を滴射する。また、コイル40は、制御装置19からの命令に基づいて、予め定められる一定時間印加される。このため、着色ノズル31は、一定量ずつ着色材を電線1の外表面1aに向かって滴射する。
【0086】
また、着色ノズル31は、ユニット本体30に取り付けられ、電線1の移動方向Kに沿って複数並べられるとともに、図6に示すように、電線1を中心とした周方向に沿って等間隔に複数並べられている。
【0087】
着色材供給源32は、着色材を収容するとともに、着色ノズル31の流入管36内に着色材を供給する。着色材供給源32は、各着色ノズル31に一つ対応している。着色材供給源32が、着色ノズル31に供給する着色材の色は、互いに異なっていても良く、互いに同じであっても良い。
【0088】
加圧気体供給源33は、加圧された気体を着色材供給源32内に供給する。加圧気体供給源33は、加圧された気体を着色材供給源32内に供給することで、着色ノズル31の弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れると、流路39内の着色材が速やかにノズル部材37から滴射するようにする。
【0089】
前述した構成の着色ユニット15は、制御装置19からの命令に基づいて、任意の着色ノズル31のコイル40に印加されて弁体44がノズル部材37の基端部37aから離れる。そして、着色ユニット15は、任意の着色ノズル31の流路39内の着色材を一定量ずつ電線1に向かって滴射する。
【0090】
前述した着色材とは、色材(工業用有機物質)が水またはその他の溶媒に溶解、分散した液状物質である。有機物質としては、染料、顔料(大部分は有機物であり、合成品)があり、時には染料が顔料として、顔料が染料として用いられることがある。より具体的な例として、着色材とは、着色液または塗料である。
【0091】
着色液とは、溶媒中に染料が溶けているもの又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示している。このため、着色液が電線1の外表面1aに付着すると、染料が被覆部5内にしみ込み、塗料が電線1の外表面1aに付着すると、顔料が被覆部5内にしみ込むことなく外表面1aに接着する。即ち、着色ユニット15は、電線1の外表面1aの一部を染料で染める又は電線1の外表面1aに顔料を塗る。このため、電線1の外表面1aを着色するとは、電線1の外表面1aの一部を染料で染める(染色する)ことと、電線1の外表面1aの一部に顔料を塗ることとを示している。
【0092】
また、前記溶媒と分散液は、被覆部5を構成する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場合、染料が被覆部5内に確実にしみ込んだり、顔料が外表面1aに確実に接着することとなる。
【0093】
さらに、前述した滴射とは、着色ノズル31から液状の着色材が、液滴の状態即ち滴の状態で、電線1の外表面1aに向かって付勢されて打ち出されることを示している。
【0094】
なお、図示例では、着色材として着色液を用いている。
【0095】
ダクト16は、着色ユニット15の送り出しロール12側に設けられており、着色ユニット15と送り出しロール12との間に設けられている。即ち、ダクト16は、着色ユニット15より電線1の移動方向Kの下流側に設けられ、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの上流側に設けられている。ダクト16は、筒状に形成されており、内側に電線1を通す。ダクト16には、真空ポンプなどの図示しない吸引手段が連結している。吸引手段は、ダクト16内の気体を吸引して、着色材中の溶媒と分散液などが着色装置3外に充満することを防止する。
【0096】
エンコーダ17は、送り出しロール12より電線1の移動方向Kの下流側に設けられている。エンコーダ17は、図5に示すように、回転子47を一対備えている。回転子47は、軸芯周りに回転可能に支持されている。回転子47の外表面は、一対の送り出しロール12間に挟まれた電線1の外表面1aと接触している。回転子47は、矢印Kに沿って、芯線4即ち電線1が走行(移動)すると、回転する。即ち、回転子47は、矢印Kに沿った芯線4即ち電線1の走行(移動)とともに、軸芯周りに回転する。勿論、矢印Kに沿った芯線4即ち電線1の走行(移動)量と、回転子47の回転数とは比例する。
【0097】
エンコーダ17は、制御装置19に接続している。エンコーダ17は、回転子47が所定角度ずつ回転すると、制御装置19に向かってパルス状の信号を出力する。即ち、エンコーダ17は、矢印Kに沿った電線1の移動量に応じた情報を、制御装置19に向かって出力する。このように、エンコーダ17は、電線1の移動量に応じた情報を測定して、電線1の移動量に応じた情報を制御装置19に向かって出力する。通常エンコーダ17では電線1と回転子47の摩擦で電線1の移動量に応じたパルス信号が出力される。しかし、電線1の外表面1aの状態により移動量とパルス数が必ずしも一致しない場合は、別の場所で速度情報を入手し、その情報をフィードバックし、比較演算しても良い。
【0098】
切断機構18は、エンコーダ17の一対の回転子47より電線1の移動方向Kの下流側に配されている。切断機構18は、一対の切断刃48,49を備えている。一対の切断刃48,49は、鉛直方向に沿って並べられている。一対の切断刃48,49は、鉛直方向に沿って互いに近づいたり離れたりする。一対の切断刃48,49は、互いに近づくと、一対の送り出しロール12によって送り出された電線1を互いの間に挟んで、切断する。一対の切断刃48,49は、互いに離れると、勿論、前記電線1から離れる。
【0099】
制御装置19は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置19は、送り出しロール12と、エンコーダ17と、切断機構18と、着色ノズル31などと接続しており、これらの動作を制御することにより、着色装置3全体の制御をつかさどる。
【0100】
制御装置19は、予め印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hのパターンを記憶している。制御装置19は、エンコーダ17から所定のパルス状の信号即ち電線1の移動量に応じた情報が入力すると、予め定められた着色ノズル31のコイル40に一定時間印加して、該着色ノズル31から電線1に向かって着色材を一定量ずつ滴射させる。制御装置19は、予め記憶した印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hのパターンにしたがって、電線1の移動速度が速くなると着色ノズル31から着色材を滴射する時間間隔を短くし、電線1の移動速度が遅くなると着色ノズル31から着色材を滴射する時間間隔を長くする。こうして、制御装置19は、予め記憶したパターンにしたがって、電線1を着色する。制御装置19は、エンコーダ17が測定した電線1の移動量に基づいて、着色ノズル31に着色材を一定量ずつ滴射させる。
【0101】
また、制御装置19は、エンコーダ17からの情報により、電線1が所定量移動したと判定すると、送り出しロール12を停止した後、一対の切断刃48,49を互いに近づけて電線1を切断する。
【0102】
前述した構成の端子付き電線2を組み立てる際には、まず、前述した構成の着色装置3で、電線1の外表面1aに印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hを形成する即ち電線1の外表面1aを着色して、所定の長さに切断する。この際には、まず、ガイドロール11をフレーム10に取り付ける。一対の切断刃48,49を互いに離しておき、ガイドロール11に巻かれた電線1を矯正ユニット13と弛み吸収ユニット14と着色ユニット15とダクト16とに順に通して、一対の送り出しロール12間に挟む。そして、着色ユニット15のユニット本体30の所定箇所に着色ノズル31を取り付け、各着色ノズル31に着色材供給源32を連結する。さらに、加圧気体供給源33を着色材供給源32に連結し、吸引手段でダクト16内の気体を吸引する。
【0103】
そして、送り出しロール12を回転駆動して、電線1をガイドロール11から引っ張って、該電線1の長手方向に沿って移動させるとともに、矯正ユニット13により電線1に第1の付勢力H1の摩擦力を付与して、該電線1を張っておく。そして、エアシリンダ27で移動ローラ26即ち電線1を第2の付勢力H2で付勢しておく。
【0104】
そして、エンコーダ17から所定の順番のパルス状の信号が制御装置19に入力すると、制御装置19は、予め定められた着色ノズル31のコイル40に一定時間、所定間隔毎に印加する。すると、着色ノズル31は、着色材を一定量ずつ電線1の外表面1aに向かって滴射する。
【0105】
そして、電線1の外表面1aに付着した着色材から前述した溶媒または分散液が蒸発して、電線1の外表面1aを染料で染める又は外表面1aに顔料を塗る。電線1の外表面1aに付着した着色材から蒸発した溶媒または分散液は、ダクト16内から吸引手段に吸引される。こうして、電線1の外表面1aが着色される。
【0106】
エンコーダ17などからの情報により、制御装置19が所定の長さの電線1を送り出したと判定すると、この制御装置19は、送り出しロール12を停止する。すると、特に、弛み吸収ユニット14の一対の案内ローラ24間で電線1が弛んで、第2の付勢力H2で付勢された移動ローラ26が図5中に二点鎖線で示す位置に変位する。すると、弛み吸収ユニット14のエアシリンダ27の伸縮ロッド29が伸長する。そして、弛み吸収ユニット14は、電線1の弛みを吸収する。
【0107】
そして、一対の切断刃48,49が互いに近づいて、これら切断刃48,49間に電線1を挟んで切断する。こうして、図3などに示された外表面1aに印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hが形成された電線1が得られる。
【0108】
そして、電線1の両端部1bに位置する被覆部5を除去する(皮むきする)。その後、被覆部かしめ片8cの先端部8dが第1の印6a上に重ねるように、即ち、LA端子7が所定の向きとなるように、かしめ片8b,8cを加締めて、両端部1bにLA端子7を取り付ける。こうして、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hに基づいて、LA端子7を電線1に取り付けて、端子付き電線2が得られる。
【0109】
本実施形態によれば、電線1の両端部1bに複数の印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hを周方向に沿って等間隔に(互いに間隔をあけて)設けている。このため、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hに基づいてLA端子金具7を取り付けることで、容易に両端部1bにLA端子7を所定(正規)の向きで取り付けることができる。したがって、端子付き電線2のLA端子7を、電線1がねじれることなく、モータ、バッテリ及びインバータに取り付けることができる。又、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hに基づいてLA端子金具7を取り付けているので、LA端子7を所定(正規)の向きで電線1に取り付けた端子付き電線2を確実に得ることができる。
【0110】
印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hが電線1の長手方向に沿って直線状に形成されているので、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hに基づいて端子金具を取り付けることで、電線1に所定(正規)の向きでLA端子金具7を確実に取り付けることができる。又、LA端子7を所定(正規)の向きで電線1に取り付けた端子付き電線2を確実に得ることができる。
【0111】
印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hの色が異なるので、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h同士の識別が容易になる。このため、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hに基づいてLA端子7を取り付けることで、容易に両端部1bにLA端子金具7を所定(正規)の向きで確実に取り付けることができる。又、LA端子7を所定(正規)の向きで電線1に取り付けた端子付き電線2を確実に得ることができる。
【0112】
電線1の両端部1bに複数の印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hを周方向に沿って等間隔に設けている。電線1に、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hに基づいてLA端子7を取り付ける。このため、容易に電線1の両端部1bにLA端子7を所定(正規)の向きで取り付けることができる。又、LA端子7を所定(正規)の向きで電線1に取り付けた端子付き電線2を確実に得ることができる。
【0116】
また、前述した実施形態では、該印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hの色を互いに異ならせている。しかしながら、本発明では、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hのうち少なくとも2つの色が互いに異なっていれば良い。
【0117】
印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hが、着色材により電線1の外表面1aが着色されて形成されている。このため、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hが、電線1の外表面1aから不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hが電線1の外表面1aから不意に脱落して、電線1即ち端子付き電線2の美観を不意に損ねることを確実に防止できる。
【0118】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hを形成している。このため、必要以上に印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hが厚くなることを防止でき、電線1の外径が増大することを防止できる。
【0119】
また、前述した実施形態では、液状の着色材を一定量ずつ滴射して、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hを形成している。しかしながら、本発明では、噴霧などの種々の方法で着色材を電線1の外表面1aに付着させて、印6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hを形成しても良いことは勿論である。
【0120】
さらに、前述した実施形態では、バッテリ、モータ及びインバータなどに取り付けられる電線1について記載している。しかしながら、本発明では、種々の用途に用いられる電線1に適用しても良いことは勿論である。
【0121】
さらに、本発明では、着色液及び塗料として、アクリル系塗料、インク(染料系、顔料系)、UVインクなどの種々のものを用いても良い。
【0122】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、両端部に複数の印を周方向に沿って互いに間隔をあけて設けているため、印に基づいて端子金具を取り付けることで、容易に両端部に端子金具を所定の向きで取り付けることができる。
また、両端部に設けられた印が互いに対応しており、互いに対応する印が同一直線上に位置している。このため、印に基づいて端子金具を取り付けることで、容易に両端部に端子金具を所定の向きで取り付けることができる。
さらに、印が直線状に形成されているので、印に基づいて端子金具を取り付けることで、電線に所定の向きで端子金具を確実に取り付けることができる。
【0124】
数の印を周方向に沿って等間隔に設けているため、印に基づいて端子金具を取り付けることで、容易に両端部に端子金具を所定の向きで取り付けることができる。
【0127】
請求項2に記載された本発明は、少なくとも2つの印の色が異なるので、印同士の識別が容易になる。このため、印に基づいて端子金具を取り付けることで、容易に両端部に端子金具を所定の向きで確実に取り付けることができる。
【0128】
請求項3に記載の本発明は、印が着色材により外表面が着色されて形成されているため、印が電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、印が電線の外表面から不意に脱落して、電線の美観を不意に損ねることを確実に防止できる。
【0129】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、印を形成している。このため、必要以上に印が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【0130】
請求項4に記載された本発明は、電線の両端部に複数の印を周方向に沿って互いに間隔をあけて設けている。印に基づいて端子金具を電線に取り付けているので、電線の両端部に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線を得ることができる。
また、電線の両端部に設けられた印が互いに対応しており、互いに対応する印が同一直線上に位置している。印に基づいて端子金具を電線に取り付けている。このため、電線の両端部に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線を確実に得ることができる。
さらに、印が直線状に形成されており、印に基づいて電線に端子金具を取り付けている。このため、電線に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線を確実に得ることができる。
【0131】
数の印を電線の周方向に沿って等間隔に設けている。印に基づいて端子金具を電線に取り付けているので、電線の両端部に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線を得ることができる。
【0134】
請求項5に記載された本発明は、少なくとも2つの印の色が異なるので、印同士の識別が容易になる。印に基づいて端子金具を取り付ける。このため、電線に所定の向きで端子金具を取り付けた端子付き電線をより確実に得ることができる。
【0135】
請求項6に記載の本発明は、印が着色材により外表面が着色されて形成されているため、印が電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、印が電線の外表面から不意に脱落して、電線即ち端子付き電線の美観を不意に損ねることを確実に防止できる。
【0136】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、印を形成している。このため、必要以上に印が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【0137】
請求項7に記載された本発明は、電線の両端部に複数の印を周方向に沿って互いに間隔をあけて設けている。印に基づいて電線に端子金具を取り付ける。このため、容易に電線の両端部に端子金具を所定の向きで取り付けることができる。
【0138】
請求項8に記載の本発明は、印が着色材により外表面が着色されて形成されているため、印が電線の外表面から不意に脱落することを確実に防止できる。したがって、印が電線の外表面から不意に脱落して、電線即ち端子付き電線の美観を不意に損ねることを確実に防止できる。
【0139】
また、着色材を一定量ずつ滴射して、印を形成している。このため、必要以上に印が厚くなることを防止でき、電線の外径が増大することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる電線の斜視図である。
【図2】 図1に示された電線の平面図である。
【図3】 図2中のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】 図1に示された電線を備えた本発明の一実施形態にかかる端子付き電線の斜視図である。
【図5】 図1に示された電線に印を形成する着色装置の構成を示す側面図である。
【図6】 図5中のVI−VI線に沿う着色装置の着色ユニットの断面図である。
【図7】 図6に示された着色ユニットの各着色ノズルの構成を示す断面図である
【符号の説明】
1 電線
1a 外表面
1b 端部(両端部)
2 端子付き電線
6,6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h 印
7 LA端子(端子金具)

Claims (8)

  1. 表面に、周方向に沿って互いに間隔をあけて、全長に亘って長手方向に沿って直線状に伸びた印を複数設けた電線において、
    前記印を周方向に沿って等間隔に設けたことを特徴とする電線。
  2. 周方向に沿って互いに間隔をあけて複数設けられた印のうち少なくとも2つは、互いに色が異なることを特徴とする請求項1に記載の電線。
  3. 前記印は、着色材が一定量ずつ前記外表面に滴射されて、該着色材により前記外表面が着色されて形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電線。
  4. 表面に、周方向に沿って互いに間隔をあけて、全長に亘って長手方向に沿って直線状に伸びた印を複数設けた電線と、
    前記印に基づいて、前記電線の両端部に取り付けられた端子金具と、を備えた端子付き電線において、
    前記印を電線の周方向に沿って等間隔に設けたことを特徴とする端子付き電線。
  5. 前記電線の周方向に沿って互いに間隔をあけて複数設けられた印のうち少なくとも2つは、互いに色が異なることを特徴とする請求項4に記載の端子付き電線。
  6. 前記印は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記外表面が着色されて形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の端子付き電線。
  7. 電線の両端部に端子金具を取り付ける端子金具の取り付け方法において、
    電線の外表面に周方向に沿って互いに等間隔に間隔をあけて全長に亘って長手方向に沿って直線状に伸びた印を複数設け、
    前記印に基づいて、前記端子金具を所定の向きで前記電線の両端部それぞれに取り付けることを特徴とする端子金具の取り付け方法。
  8. 前記印は、着色材が一定量ずつ前記電線の外表面に滴射されて、該着色材により前記外表面が着色されて形成されていることを特徴とする請求項7に記載の端子金具の取り付け方法。
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