明細書
鉱物繊維用バインダー組成物及び鉱物繊維マツト 技術分野
'本発明は、 鉱物繊維用バインダー組成物に関十る。 より詳細には、 ラスウール、 口ックウール等の耐熱性不織材料の鉱物繊維を結合するのに好適なホルムアルデヒ ド非含有パインダ一組成物及び鉱物繊維マットに関する。 背景技術
グラスウール、 ロックウール等の耐熱性不織材料は繊維から構成されており、 該繊 維は不織材料を形成する前に、 形成中に、 又は形成後に、 バインダー組成物を用いて 処理するような純粋な機械的手段により、又は機械的手段及び化学的手段の組み合わ せにより、 マツト状等に成形されて、建築物や各種装置の斬熱材等として広い分野で 使用されている。 このバインダー組成物については、 従来からフエノール性化合物と ホルムアルデヒドとの縮合物である水溶性フヱノール樹脂が多く使用されてきた(特 開昭 5 8— 7 0 7 6 0号公報)。
し力 しながら、 昨今の環境に対する関心の高まりから、 法規制等によりホルムアル デヒドの放出を制限又は禁止することが提案されており、架橋の際にホルムアルデヒ ドを放出しないバインダー組成物が求められている。 発明の概要
本発明者らは、 上記状況に鑑み鋭意検討した結果、 本発明に到達した。
本発明の第 1の目的は、 グラスゥール、 ロックゥ一ル等の耐熱性不織材料の鉱物繊 維を結合するのに好適なバインダ一組成物を提供することにある。
本発明の第 2の目的は、架橋の際にホルムアルデヒドを放出しないバインダ一組成 物を提供することにある。
本発明の別の目的は、 ホルムアルデヒドを放出せず、 経時劣化後もホルムアルデヒ ドを放出せずに復元性に優れた鉱物繊維マットを提供することにある。
すなわち、 本発明は下記 [ 1 ]、 [ 2 ] の発明である。
[ 1 ]下記一般式( 1 )で表される環状エーテル基( a )を 2個以上有する化合物 (A)、 及ぴ求核性基を有し且つ重量平均分子量が 1, 000〜 500, 000の (共) 重合 体 (塩) (B) を含有することを特徴とする鉱物繊維用パインダー組成物である。
一般式
【化 1〗 '
R O (1)
[式 (1) 中、 R1は炭素数 2〜10の炭化水素基である。]
[ 2 ]上記バインダ一組成物と鉱物繊維との混合物を硬化してなる鉱物繊維マットで ある。 発明の詳細な開示
レィンダ一組成物]
本発明の組成物において、 環状エーテル基 (a) は前記一般式 (1) で示され、 環 内に酸素原子を 1個有するものならば特に限定されない。
式 (1) 中、 R1は環状エーテル基中の酸素原子以外の環を構成する残基 である。 これは炭素数 2〜 1 0の炭化水素基であり、 3価の炭化水素基 > C H ( C H 2) ra— (mは 1〜 9の整数) で示される基であり、 例えば > C H C H 2—、 > C H C H 2 C H2—、 > C H C H 2 C H 2 C H 2—、 > CH CH2 C H2 CH2 CH2 CH2—等が挙げられ、 好ましくは、 > CH C H2—、 > C H C H2 C H 2—である。
即ち、 環状エーテル基 (a) の例として、 好ましくはエポキシ基 (a 1) 、 ォキ セタン基 (a 2) 等が挙げられ、 特に好ましくはエポキシ基 (a 1) である。
本発明の組成物中の化合物 (A) としては、 分子内にエポキシ基を 2個以上有する エポキシ化合物 (A1) 及び分子内にォキセタン基を 2個以上有するォキセタン化合 物 (A2) 等が挙げられ、 好ましくはエポキシ化合物 (A1) である。
該 (A1) は、 分子内にエポキシ基を有してレ、れば特に限定されず、 用途、 目的に 応じて適宜選択することができる。 好ましいものは、分子内にエポキシ基を 2〜 6個
有するものであり、 より好ましくは 2〜 3個有するものである。 エポキシ化合物のェ ポキシ当量 (エポキシ基 1個当たりの分子量) は、 好ましくは 6 5〜5, 0 0 0でぁ り、 より好ましくは 9 0〜3 , 0 0 0である。 エポキシ当量が 5, 0 0 0以下である と、架橋構造がルーズにならず硬化物の鉱物繊維に対する結合力が良好であり、一方、 エポキシ当量が 6 5以上であると硬化物の鉱物繊維に対する接着性等が良好な架橋 構造となる。
該 (A 1 ) の例としては、 下記 (A l l ) から (A 1 5 ) が挙げられる。
(A l l ) ダリシジルエーテル型
( i ) 2価フェノール類のジグリシジルエーテル
炭素数 6〜7 0 0の 2価フエノール類のジグリシジルエーテル、 例えば、 ビスフエ ノール Fジグリシジルエーテル、 ビスフエノール Aジグリシジルエーテル、 ビスフェ ノール Cジグリシジルエーテル、 ビスフエノール A Eジグリシジルエーテル、 ビスフ ェノール Sジグリシジルエーテル、 ハロゲン化ビスフエノール Aジグリシジルエーテ ル、 テトラクロ口ビスフエノ一ノレ Aジグリシジルエーテル、 力テキンジグリシジルェ 一テル、 レゾルシノールジグリシジルエーテル、 ハイ ドロキノンジグリシジルエーテ ノレ、 1, 5—ジヒ ドロキシナフタレンジグリシジノレエーテ^ ^ ジヒ ドロキシビフエ二 ルジグリシジルエーテル、 オタタクロロ一 4, 4 ' ージヒ ドロキシビフエニルジグリ シジルエーテル、テトラメチルビフエ二ルジグリシジルエーテル、 9, 9 '一ビス (4 —ヒ ドロキシフエニル) フロオレンジグリシジルエーテル、 ビスフエノール A nモル とェピクロロヒ ドリン (n + l ) モルの反応 (nは 2〜 3 5の整数を表す) から得ら れるジグリシジルエーテル等;
( i i ) 3〜 6価又はそれ以上の、 多価フエノール類のポリグリシジルエーテル 炭素数 6〜 5 0又はそれ以上で、 分子量 2 5 0〜3, 0 0 0の 3〜6価又はそれ以 上の多価フエノール類のポリグリシジルエーテル、 例えば、 ピロガロールトリグリシ ジノレエーテノレ、ジヒ ドロキシナフチノレクレゾールトリグリシジノレエーテル、 トリス(ヒ ドロキシフエエル) メタントリグリシジルエーテル、 ジナフチルトリオールトリグリ シジルエーテル、 テトラキス ( 4ーヒ ドロキシフエニル) エタンテトラグリシジルェ 一テル、 p—グリシジルフェ二ルジメチルトリ一ノレビスフエノール Aグリシジルエー テル、 トリスメチノレー t e r t一プチルーブチルヒ ドロキシメタントリグリシジルェ
一テル、 4, 4, 一ォキシビス (1, 4一フエニルェチル) テトラクレゾールグリシ ジノレエーテノレ、 4, 4, 一ォキシビス (1, 4—フエニノレエチノレ) フエニノレグリシジ ルエーテル、 ビス (ジヒ ドロキシナフタレン) テトラダリシジノレエーテノレ、 フエノー ルまたはクレゾールノボラック樹脂 (分子量 400〜5, 000) のグリシジルエー テル、 リモネンフエノールノボラック樹脂 (分子量 400〜5, 000) のグ'リシジ ルエーテル、 フエノーノレとグリオキザーノレ、 ダルタールアルデヒ ド、 又はホノレムァノレ デヒドの縮合反応によって得られるポリフヱノール (分子量 400〜5, 000) の ポリダリシジルエーテル、及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られる分 子量 400〜 5 , 000のポリフエノ一ルのポリグリシジルエーテル等;
(i i i) 脂肪族 2価アルコールのジグリシジルエーテル
炭素数 2〜: 100、分子量 150〜5, 000のジオールのジグリシジルエーテル、 例えば、 エチレングリコールジグリシジルエーテル、 プロピレンダリコールジグリシ ジルエーテル、 テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、 1, 6—へキサン ジオールジグリシジルエーテル、 ポリエチレングリコール (分子量 150〜 4 , 00 0 ) ジグリシジルエーテル、 ポリプロピレングリコール(分子量 1 80〜 5, 000) ジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコール(分子量 200〜 5, 000) ジグリシジルエーテル、 ネオペンチルグリコ一ルジグリシジルエーテル、 ビスフエノ ール Aのアルキレンォキシド 〔エチレンォキシド又はプロピレンォキシド (1〜20 モル) 〕 付加物のジグリシジルエーテル等;
( i ν)' 3〜 6価又はそれ以上の脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル 炭素数 3〜 50又はそれ以上で、 分子量 92〜10, 000の 3〜6価又はそれ以 上の多価アルコール類のグリシジルエーテル、 例えば、 トリメチロールプロパントリ グリシジルエーテル、 グリセリントリグリシジルエーテル、 ペンタエリスリ トールテ トラグリシジノレエーテノレ、 ソノレビトーノレへキサグリシジノレエーテノレ、 ポリ (η = 2〜 5) グリセ口一ルポリグリシジルエーテル等;
(A 1 2) グリシジルエステル型
( i ) 炭素数 6〜 20又はそれ以上で、 2〜 6価又はそれ以上の芳香族ポリカルボ ン酸のグリシジルエステル
芳香族ポリカルボン酸のジグリシジルエステル、例えば、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、 トリメリット酸等のフタル酸類のグリシジルエステル等;
( i i ) 炭素数 6〜 2 0又はそれ以上で、 2〜 6価又はそれ以上の脂肪族若しくは 脂環式ポリカルボン酸のグリシジルエステル
脂肪族若しくは脂環式ポリカルボン酸のグリシジルエステル、 例えば、 上記フエノ ール系のグリシジルエステルの芳香核水添加物、 ダイマー酸ジグリシ、;ルエステル、 ジグリシジノレォキサレート、 ジグリシジノレマレート、 ジグリシジノレスクシネート、 ジ グリシジルグルタレート、 ジグリシジルアジぺート、 ジグリシジルピメレート、 グリ シジル (メタ) アタリレート、 グリシジル (メタ) アタリレートの (共) 重合体 (重 合度は例えば 2〜 1 0 ) 、 トリ力ルバリル酸トリダリシジルエステル等;
( A 1 3 ) ダリシジルァミン型
( i ) 炭素数 6〜 2 0又はそれ以上で、 1〜1 0又はそれ以上の活性水素原子をも つ芳香族ァミン類のグリシジルァミン
芳香族ァミン類のグリシジルァミン、例えば、 N, N—ジグリシジルァニリン、 N, N—ジグリシジルトルイジン、 N, N, N, , N ' —テトラグリシジルジアミノジフ ェニルメタン、 N, N, N,, N ' —テトラグリシジルジアミノジフエニルスルホン、 N, N, Ν ' , N, 一テトラグリシジルジェチルジフエニルメタン、 N, N, O—ト リグリシジルァミノフエノール等;
( i i ) 炭素数 6〜 2 0又はそれ以上で、 1〜 1 0又はそれ以上の活性水素原子を もつ脂肪族ァミン類のグリシジルァミン
脂肪族ァミンのグリシジルァミン、 例えば、 N, N, N ' , N, ーテトラグリシジ ルキシリレンジァミン、 N, N, N, , N, ーテトラグリシジルへキサメチレンジァ ミン等;
( i i i ) 炭素数 6〜 2 0又はそれ以上で、 1〜 1 0又はそれ以上の活性水素原子 をもつ脂環式ァミン類のグリシジ^^アミン
脂環式ァミンのグリシジルァミン、 例えば N, N, N, , N ' —テトラグリシジル キシリレンジァミンの水添化合物等;
( i V ) 炭素数 6〜 2 0又はそれ以上で、 1〜 1 0又はそれ以上の活性水素原子を もつ複素環式ァミン類のグリシジルァミン
複素環式ァミンのグリシジルァミン、 例えば、 トリスグリシジルメラミン等;
(A 1 4 ) 鎖状脂肪族エポキシ化合物
炭素数 6〜 5 0又はそれ以上で 2〜 6価又はそれ以上の鎖状脂肪族エポキシ化合 物、 例えばエポキシ当量 1 3 0〜1 , 0 0 0のエポキシ化ポリブタジエン (分子量 9 0〜2, 5 0 0 ) 、 エポキシ化大豆油 (分子量 1 3 0〜2 , 5 0 0 ) 等;
(A 1 5 ) 脂環式エポキシ化合物 ' '
炭素数 6〜 5 0又はそれ以上で、 分子量 9 0〜 2, 5 0 0、 エポキシ基の数 2〜 4 又はそれ以上の脂環式エポキシ化合物、 例えば、 ビニルシク口へキセンジォキシド、 リモネンジォキシド、 ジシクロペンタジェンジォキシド、 ビス (2, 3—エポキシシ ク口ペンチル) エーテノレ、 エチレングリコーノレビスエポキシジシクロペンチノレエーテ ノレ、 3 , 4一エポキシ一 6—メチノレシクロへキシノレメチノレー 3, 、 4 ' 一エポキシ一 6 ' ーメチノレシクロへキサン力ノレボキシレート、 ビス ( 3, 4 _エポキシ一 6—メチ ルシクロへキシルメチル) アジペート、 及ぴビス (3, 4一エポキシ一 6—メチルシ ク口へキシルメチル) ブチルァミン、 前記フヱノール類のエポキシ化合物の核水添化 物等;等が挙げられる。
なお (A l l ) 〜 (A 1 5 ) 以外のものでも、 求核性基と反応可能なグリシジル基 を 2個以上もつエポキシ樹脂であれば使用できる。 また、 これらのエポキシ化合物は 二種以上併用できる。 これらのうち、好ましいものはグリシジルエステル型 (A 1 2 ) であり、 特に好ましいものはグリシジルエーテル型 (A l l ) である。
ォキセタン化合物 (A 2 ) としては、 2官能以上のものであり、 具体的には炭素数 6〜2 0の脂肪族系ォキセタン化合物 (マレートビスォキセタン等) 、 炭素数 7〜3 0の芳香族系ォキセタン化合物 (キシリレンビスォキセタン等) 、 炭素数 6〜3 0の 脂肪族カルボン酸系ォキセタン化合物 (アジペートビスォキセタン等) 、 炭素数 8〜 3 0の芳香族カルボン酸系ォキセタン化合物 (テレフタレートビスォキセタン等) 、 炭素数 8〜 3 0の脂環式カルボン酸系ォキセタン化合物(シクロへキサンジカルボン 酸ビスォキセタン等) 、 芳香族イソシァネート系ォキセタン化合物 (MD Iビスォキ セタン等) 等が挙げられる。
また、 上記 (A) は (a ) を 2個以上有する化合物であるが、 さらに (a ) を 1個 有する化合物を配合して組成物に用いると性能が向上するので好ましい。 (a ) を 1 個有する化合物の配合量は(A) 1 0 0重量部に対して 3〜 1 5 0重量部が好ましく、
5〜100重量部がより好ましい。
( a ) を 1個有する化合物としては、 具体的には下記の (i ) 〜 (V) ものが挙げ られる。
( i ) フエノール類のモノグリシジルエーテル
炭素数 (エポキシ基中の炭素数を除く) 6〜 30のフエノール類のモノグリシジ'ル エーテル、 例えば、 フエニルダリシジルエーテル、 4ーメチノレーフェニノレグリシジル エーテル等;
( i i ) 脂肪族アルコールのモノダリシジルエーテル
炭素数 3〜 20の脂肪族モノグリシジルエーテル、 例えば、 ブチルダリシジルエー テル、 2ーェチルへキシルク'リシジルエーテル、 炭素数 12〜: 15の高級アルコール モノグリシジルエーテル等;
( i v)炭素数 6〜 20又はそれ以上の芳香族モノカルボン酸のグリシジルエステ ノレ
芳香族モノカルボン酸のグリシジルエステル、 例えば、 安息香酸、 m—二トロ安息 香酸、 ァセチルサリチル酸等のグリシジルエステル等;
(V ) モノォキセタン化合物
3—ェチルー 3—ヒ ドロキシメチルォキセタン、 ベンジルォキセタン、 了ジぺー トビスォキセタン、 シクロへキサン力ノレボン酸ォキセタン
これらの内、 好ましくは (i)、 (i i) であり、 より好ましくは (i i) である。 求核性基を有し且つ重量平均分子量が 1, 000〜 500, 000の (共) 重合体 (塩) (B) における求核性基としては、 Swa i n— S c o t tの求核性パラメ一 ター (CH3 Iに対する) (J. Am. Ch em. S o c. , 90卷, 1 7号, 31 9頁, 1 968年) が 0〜12の範囲のものであれば特に限定されず、 例えば、 カル ボキシル基、 カルボン酸塩基、 カルボン酸無水物基、 スルホン酸 (塩) 基、 1, 2級 アミノ基、 フヱノキシド基、 水酸基、 チオール基、 スルフィ ド基、 ホスフィン基、 ホ スフアイ ト基、 リン酸基、 アルシン基、 有機セレン基、 ヒ ドロキシド基、 ハロゲンィ オン (例えば塩素イオン) 等が挙げられる。 これらの求核性基からプロトンが解離し て生成したイオンも本発明の範囲内である。
これらの内で好ましくはカルボキシル基、 カルボン酸無水物基、 スルホン酸基及ぴ
これらの塩基、 フ ノキシド基及び水酸基であり、 より好ましくはカルボキシル基、 力ルボン酸無水物基、 スルホン酸基及ぴこれらの塩である。
(B) の重量平均分子量は 1, 000〜 500, 000であり、 好ましくは 3, 0 00〜200, 000であり、 より好ましくは 5, 000〜 100, 000である。 重量平均分子量が 1, 000未満であると架橋構造がルーズになり、 硬化物の鉱物繊 維に対する結合力が不十分となり、 500, 000を超えると組成物の経時安定性お よび鉱物繊維に対する接着性が悪くなる。 重量平均分子量は G PC法 (ゲルパーミエ ーシヨンクロマトグラフィ一法) によって測定できる。
該 (B) として具体的には、 硬ィ匕速度及ぴ組成物の安定性の観点から好ましくは、 カルボキシル基含有(共)重合体(塩)、カルボン酸無水物基含有(共)重合体(塩)、 及びスルホン酸基含有 (共) 重合体 (塩) から選ばれる 1種以上である。 より好まし くはカルボキシル基含有 (共) 重合体 (塩) 及ぴカルボン酸無水物基含有 (共) 重合 体 (塩) である。
カルボキシル基含有 (共) 重合体 (塩) 及びカルボン酸無水物基含有 (共) 重合体 (塩) は、 分子内にカルボキシル基若しくはカルボン酸無水物基若しくはこれらの塩 基を有する (共) 重合体 (塩) (B 1) であり、 好ましくは上記基を重合体中に 8〜 600個又はそれ以上を有する化合物であり、 より好ましくは 10〜 400個有する 化合物である。
該 (B 1) の官能基当量 (カルボキシル基又はカルボン酸無水物基 (若しくはそれ らの塩) 1個当たりの分子量) は、 好ましくは 70〜1, 000であり、 より好まし くは 100〜 500である。 官能基当量が 1, 000以下であると、 架橋構造がルー ズにならず硬化物の接着性等の物性が良好であり、 一方、官能基当量が 70以上であ ると硬化物の接着性等の物性が良好である。
該 (B 1) として具体的には下記のものが挙げられる。 以下炭素数はカルボキシル 基又はカルボン酸無水物基の炭素数は含めない。
メタアクリル酸 (共)重合体、 アクリル酸 (共)重合体、 クロトン酸 (共)重合体、 桂皮酸 (共) 重合体、 ビニル安息香酸 (共) 重合体、 好ましくは炭素数 4〜12のァ ルケン酸 (例えば、 ビニル酢酸、 2—ブテン酸、 3—メチルー 3—ブテン酸、 3—ぺ ンテン酸、 4一ペンテン酸、 4—へキセン酸、 5—へキセン酸等) (共) 重合体等の
不飽和モノカルボン酸 (共) 重合体;マレイン酸、 フマル酸、 シトラコン酸、 イタコ ン酸等の不飽和ジカルボン酸(共)重合体;マレイン酸モノアルキル(炭素数 1〜 8 ) エステル、 フマル酸モノアルキル (炭素数 1〜 8 ) エステル、 マレイン酸のェチルカ ノレビトーノレモノエステノレ、 フマノレ酸のェチノレカノレビトーノレモノエステノレ、 シトラコン 酸モノアルキル (炭素数 1〜 8 ) エステル、 ィタコン酸ダリコールモノエステル等の 不飽和ジカルボン酸のモノアルキノレ (炭素数 1〜8 ) エステル (共) 重合体;等 および上記のアルカリ金属 (ナトリウム、 カリウム等) 塩、 アルカリ土類金属 (力 ルシゥム、 マグネシウム等) 塩、 ァミン [アンモニア、 炭素数 1〜 3 0のアルキルァ ミン (メチルァミン、 ェチルァミン、 n—プチノレアミン、 ジェチノレアミン、 トリェチ ルァミン等) 、 炭素数 6〜3 0の芳香族ァミン (ァニリン等) 等] 塩、 アンモニゥム (テトラメチルアンモニゥム、 テトラェチルアンモニゥム、 メチルトリェチルアンモ ニゥム等) 塩等;
これらの (共) 重合体の製造法は特に限定はないが、 従来公知の溶液重合法が好ま しく挙げられる。重合温度、重合時間、重合濃度等の重合条件、重合開始触媒、溶媒、 連鎖移動剤等も従来公知のものが使用できる。溶媒を使用した場合は脱溶媒してもよ くそのまま用いてもよい。
共重合体中の不飽和力ルポン酸以外の重合'生単量体としては、
( i ) (メタ) アクリルアミド、 N—アルキル (炭素数 1〜4 ) (メタ) アクリルァ ミ ド、 ヒ ドロキシアルキル (炭素数 1〜 4 ) (メタ) アクリルアミド等、 アルコキシ (炭素数 1〜4 ) アルキル (炭素数 1〜5 ) (メタ) アクリルアミ ド、 N, N—ジァ ルキル(炭素数 1〜 5 ) (メタ)アクリルアミ ド、アミノアルキル(炭素数 1〜 5 ) (メ タ) アクリルアミド、 N—アルキル(炭素数 1〜5 ) アミノアルキル(炭素数 1〜5 ) (メタ) アクリルアミ ド、 N, N—ジアルキル (炭素数 1〜5 ) アミノアルキル (炭 素数 1〜5 ) (メタ) ァクリルアミ ド、 ジアセトン (メタ) ァクリルアミ ド、 N—ビ ニルホルムアミ ド、 N—ビュルァセトアミ ド、 N—ビニルピロリ ドン等のアミ ド系単 量体;
( i i ) アルキル (炭素数 1〜1 8 ) (メタ) アタリレート、 ヒ ドロキシアルキノレ (炭素数 1〜5 ) (メタ) アタリレート、 3価〜 8価又はそれ以上の多価アルコール のモノ (メタ) アタリレート、 ポリアルキレングリコール (重合度 2〜 3 0 0又はそ
れ以上、 アルキレン基の炭素数 2〜4) のモノ (メタ) アタリレート、 及びそれらの 低級アルキル (炭素数 1〜4) エーテル、 アミノアルキル (炭素数 1〜5) (メタ) ァクリ レート、 N—アルキル (炭素数 1〜5) アミノアルキル (炭素数 1〜5) (メ タ) アタリ レート ; N, N—ジァルキル (炭素数 1〜5) アミノアルキル (炭素数 1 〜5) (メタ) アタリレート、 N— (アルキル) アミノアルキル (炭素数 1〜 5 ) ァ ミノアルキル (炭素数 1〜 5 ) (メタ) アタリレート等のアタリレート系単量体
( i i i ) ビニルアルキル (炭素数 1〜20) エーテル、 N—アルキル (炭素数 1 〜5) ビュルアミン、 N, N—ジアルキル (炭素数 1〜5) ビニルァミン、 N—ビニ ノレピリジン、 N—ビニルイミダゾール、 N— (アルキル) アミノアルキル (炭素数 1 〜 5 ) ビニルァミン等のビュル系単量体
( i v) N—ァリルァミン、 N—アルキル (炭素数 1〜5) ァリルァミン、 N, N ージアルキルァリルァミン等のァリル系単量体
(V) (メタ) アクリロニトリル等の二トリル系単量体
(V i ) エチレン、 プロピレン、 イソブチレン、 イソプレン、 ブタジエン等の炭素 数 2〜 30の脂肪族不飽和炭化水素
(V i i ) スチレン、 α—メチノレスチレン、 ρ—メ トキシスチレン、 ビニノレトノレエ ン、 ρ—ヒ ドロキシスチレン、 ρ—ァセトキシスチレン等の炭素数 8〜30のスチレ ン系単量体
(V i i i ) 酢酸ビュル、 プロピオン酸ビニル等の炭素数 3〜 30のビニルエステ ル系単量体
等が挙げられる。 これらは 1種又は 2種以上を併用することができる。
共重合体中の不飽和カルボン酸の量はモル当量で好ましくは 20〜 80モル%、 よ り好ましくは 25〜 75モル0 /0、 特に好ましくは 30〜 70モル0 /。である。
これらの内、好ましくは硬化速度及ぴ組成物の安定性の観点から不飽和カルボン酸 とアタリレート系単量体との共重合体、不飽和カルボン.酸とァクリレート系単量体と の共重合体、 不飽和カルボン酸とビュル系単量体との共重合体、 不飽和カルボン酸と 脂肪族不飽和炭化水素との共重合体、不飽和カルボン酸とスチレン系単量体との共重 合体、 及びその塩である。
スルホン酸基含有 (共) 重合体 (塩) は分子内にスルホン酸基若しくはこの塩基を
有する (共) 重合体 (塩) (B 2) であり、 好ましくは上記基を重合体中に 10〜5 00個又はそれ以上を有する化合物であり、 より好ましくは 15〜400個有する化 合物である。
(B 2)の官能基当量 (スルホン酸基若しくはそれらの塩 1個当たりの分子量)は、 好ましくは 107〜 1 , 000であり、 より好ましくは 107〜 600である。 官能 基当量が 1, 000以下であると、架橋構造がルーズにならず硬化物の接着性等の物 性が良好であり、 一方、 官能基当量が 107以上であると硬化物の接着性等の物性が 良好である。
該 (B 2) の例としては、 以下の (B 21) 〜 (B 23) がそれぞれ挙げられる。
(B 21) 脂肪族スルホン酸 (共) 重合体
ビニルスルホン酸 (共) 重合体、 (メタ) ァリルスルホン酸 (共) 重合体等の (メ タ) アクリルアルキル (炭素数 2〜12) スルホン酸 〔例えば、 (メタ) アタリロキ シプロピルスルホン酸、 2—ヒ ドロキシ一 3— (メタ) アタリロキシプロピルスルホ ン酸、 2— (メタ) ァクリロイルァミノ _ 2, 2—ジメチルエタンスルホン酸、 3—
(メタ) アタリロキシエタンスルホン酸、 2— (メタ) アクリルアミ ド一 2—メチル プロパンスルホン酸、 3— (メタ) アクリルアミ ドー 2—ヒ ドロキシプロパンスルホ ン酸等〕 (共) 重合体、 アルケンスルホン酸 (炭素数 3〜 12) (例えば、 2—ブテン 一 4ースルホン酸、 2—プテン一 3—スルホン酸等) (共) 重合体等、 アルキル (炭 素数 3〜1 8) (メタ) ァリルスルホコハク酸エステル (共) 重合体等;
(B 22) 芳香族スルホン酸 (共) 重合体
スチレンスルホン酸 (共)重合体、 a—メチルスチレンスルホン酸 (共)重合体等; (B 23) (B 21) 及び (B 22) の塩
前記(B 21 )及ぴ(B 22 )のアル力リ金属塩、アル力リ土類金属塩、ァミン塩、 アンモニゥム塩等の前記 (B 1) に挙げられた対イオンと同じ対イオンの塩; これらの (共) 重合体の製造法は特に限定はないが、 従来公知の溶液重合法が好ま しく拳げられる。重合温度、重合時間、重合濃度等の重合条件、重合開始触媒、溶媒、 連鎖移動剤等も従来公知のものが使用できる。溶媒を使用した場合は脱溶媒してもよ くそのまま用いてもよい。
共重合体中の不飽和スルホン酸以外の重合性単量体としては、カルボキシル基含有
重合体に用いたものと同じものが使用できる。 また、 不飽和カルボン酸を共重合して もよい。 この場合の使用比率は任意でよい。
共重合体中の不飽和スルホン酸の量はモル当量で 20〜 80モル%、 より好ましく は 25〜 75モル0 /0、 特に好ましくは 30〜 70モル%である。
上記 (B 21) 〜 (B 23) のうち、 硬化速度及ぴ組成物の安定性の観点から好ま しいのは (B 22) 及びその塩である。
前記 (A) と前記 (B) からなる本発明の組成物中において、 (A) と (B) の比 率は、 (A) 中の環状エーテル基 (a) 1個に対し、 (B) 中の求核性基が、 好ましく は 0. 2〜5. 0であり、 より好ましくは、 0. 3〜3. 0である。 この比率が 0. 2以上、 あるいは 5. 0以下であると、 硬化性の低下がなく、 硬化物の接着性の低下 もなく好ましい。
本発明の硬化性組成物には、 前記 (A)、 (B) に加え、 硬化速度をより促進する目 的で、 必要により硬化促進剤 (C) を含有させることができる。
硬化促進剤 (C) としては、
(C 1 )芳香族ジメチルゥレア、脂肪族ジメチルゥレア等のジメチルゥレア化合物、 (C 2) 脂肪族 3級ァミン (トリメチルァミン、 トリェチルァミン等)、 芳香族 3 級ァミン 〔ジメチルベンジルァミン、 N, N—ジメチルァミノメチルフエノール (通 称「DMP— 1 0」)、 トリス (N, N—ジメチルアミノメチル) フエノール(通称「D MP-30J) 等〕、 複素環 3級ァミン化合物 〔ィミダゾール、 2—メチルイミダゾー ノレ、 2ー工チノレ一 4—メチノレイミダゾーノレ、 1—ベンジノレー 2—メチノレイミダゾーノレ 等のイミダゾール類、 1, 8—ジァザビシクロ (5, 4, 0) 一ゥンデセン一 7 (サ ンァプロ社商標: 「DBU」;)、 1, 5—ジァザビシクロ (4, 3, 0) 一ノネン一 5 (サンァプロ社商標: 「DBN」) 等〕 等の 3級ァミン化合物、
(C 3) ソジゥムメチラート、 カセィソーダ、 カセイカリ、 炭酸リチウム等のアル カリ化合物、
(C 4) トリェチルホスフィン、 トリフエニルホスフィン等のルイス塩基化合物、 (C 5) 三フッ化ホウ素、 塩化亜鉛等のルイス酸化合物及ぴそれらのアミン錯体、 等が挙げられる。これらの内好ましいものは、ジメチルゥレア化合物(C 1)であり、 より好ましいものは 3級ァミン化合物 (C2) である。
該 (c) は、 得ようとする硬化速度、 可使時間に応じて、 種類、 添加量とも適宜選 択すればよいが、 化合物 (A) 1 0 0重量部に対して、 好ましくは 0 . 1〜5 0重量 部、 より好ましくは 1〜 3 0重量部、 特に好ましくは 2〜 1 5重量部添加される。 ま た、 (B ) 1 0 0重量部に対しては、 好ましくは 0 . 1〜5 0重量部、 より好ましく は 1〜 4 0重量部、 特に好ましくは 2〜 2 0重量部添加される。
本発明の硬化性組成物には熱可塑性樹脂 (D) 及び/又は密着性向上剤 (E ) を含 んでいてもよい。 (D) としては特に限定されないが、 ゴム、 汎用樹脂、 エンジニア リングプラスチック、 特殊ェンジニアリングプラスチック等が挙げられる。 ゴムは、 液状であっても固体状であってもよく、 天然ゴム及ぴ合成ゴムが挙げられる。 これら
(D ) の数平均分子量は好ましくは 2 , 0 0 0〜5 0 0, 0 0 0である。
合成ゴムとしては、 ジェン系、 ォレフィン系、 ビニル系、 多硫化物系、 含珪素系、 含フッ素系、 ウレタン系及ぴ含リン系が挙げられる。
ジェン系としては、 ブタジエンゴム、 イソプレンゴム、 メチ ゴム、 プチ ゴム、 ポリペンタジェン、 二トリルゴム (アクリロニトリルノブタジエン共重合体、 アタリ ロニトリル Ζイソプレン共重合体)、 スチレン Ζブタジエンゴム (S A R)、 アタリ レ ート ブタジエン共重合体、 イソプチレン Zイソプレン共重合体、 アクリロニトリル zクロ口プレン共重合体、 クロロプレンゴム、 ポリエチレン zプチルグラフト共重合 体、 及びスチレン Zブタジエン Zビニルピリジン共重合体が挙げられる。
ォレフィン系としては、 エチレンプロピレンゴム (E P R)、 エチレンプロピレン ジェンゴム (E P T)、 イソブチレン重合体、 イソブチルエーテル重合体、 ポリシク 口ペンテン、 塩素化ポリエチレン、 塩素化ポリプロピレン、 塩素化プチルゴム、 及ぴ クロロスルホン化ポリエチレンが挙げられる。
ビュル系としては、 アクリルゴム (アクリル酸エステル zァクリ口-トリル共重合 体)およびアクリル酸エステル Zク口口ェチルビュルエーテル共重合体が挙げられる。 多硫化物系としては、 ボリアルキレンサルフアイドゴム (エチレンサルフアイドゾ プロピレンサルファイ ド共重合体) が挙げられる。
含珪素系としては、 シリコーンゴム (アルキルシロキサン縮合物) が挙げられる。 含フッ素系としては、 フッ素ゴム (トリフルォロクロ口エチレンノビ二リデンフル ォライ ド共重合体、 へキサフルォロプロピレン/ビニリデンフルオラィ ド共重合体、
ジヒ ドロパーフルォロアルキルアタリレート重合体)、 ニトロソゴム、 及ぴポリフッ 化チォカルボニルゴムが挙げられる。
ゥレタン系としては、ポリエーテルゥレタンゴム及びポリエステルゥレタンゴムが 挙げられる。
含リン系としては、 ポリフォスファゼンが挙げられる。 '
また、 本発明におけるゴムには、 クロロヒドリンゴム、 ポリプロピレンォキシドゴ ム、 及びポリエーテルポリエステルプロック共重合体も用いることができる。 前記ブ タジェン系ゴムはシス型又はトランス型のいずれであってもよい。
前記液状ゴムは、 好ましくは数平均分子量が 2, 0 0 0〜 1 0, 0 0 0であって、 ポリブタジエン又はブタジエン Zスチレン共重合体等の重合体鎖の末端に水酸基、 メ ルカプト基、 アミノ基、 カルボキシル基、 イソシァネート基、 あるいはハロゲノ基等 の官能基を有するものも挙げられる。
汎用樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、 ポリ塩化ビュル、 ポリスチレン等が挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、 ポリアセタール、 ナイロン、 ポリカーボ ネート、 変性ポリフエ二レンォキシド、 ポリブチレンテレフタレート、 超高分子量ポ リエチレン、 メチルペンテンポリマー、 ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。 特殊エンジニアリングプラスチックとしては、 ポリス^/フォン、 ポリフエ二レンス ルフィ ド、 ポリエーテルスルフォン、 ポリアリレート、 ポリアミ ドイミ ド、 ポリイミ ド、 ポリエーテルエーテルケトン、 ポリエーテルイミ ド、 芳香族ポリアミド、 フッ素 樹脂等が挙げられる。
これらのうち、 好ましいのは、 ゴム、 特殊エンジニアリングプラスチックであり、 さらに好ましいのは、 ポリエーテルスルフォンである。 必要に応じて、 これらの樹脂 の 2種以上を混合使用することも可能である。
また、 添加量としては重量比で、 好ましくは化合物 (A) :熱可塑性樹脂 (D) = 1 : 0 . 0 1〜2、 好ましくは、 1 : 0 . 1〜1である。
密着性向上剤 ( E ) としては、 シランカップリング剤、 チタンカツプリング剤等が 挙げられる。
シランカツプリング剤としては、 γ—グリシドキシプロピルトリメ トキシシラン、
y—グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、 ツーダリシ
ェトキシシラン等のグリシジル基含有シランカツプリング剤、 ビニルートリスー (/3 ーメ トキシェトキシ) シラン、 N— 一 (アミノエチル) —γ—ァミノプロピルメチ ルジメ トキシシラン、 Ν- j3 - (アミノエチル) 一 γ—ァミノプロピノレトリメ トキシ シラン、 Ν— β— (ァミノェチノレ) 一 γーァミノプロピルトリエトキシシラン、 γ - ァミノプロビルトリメ トキシシラン、 γ—ァミノプロピルトリエトキシシラン等のァ ミノ基含有シランカツプリング剤等が挙げられる。
チタンカツプリング剤としては、 ジヒ ドロキシ一ビス (ラクタド) チタン、 ジアル キル一ビス (トリエタノールァミナト) チタン、 ォキソチタン一ビス (モノアンモニ ゥムォキサレート) 等が挙げられる。
これらのうち、 好ましいのは、 シランカップリング剤であり、 より好ましいのは、 グリシジル基含有シランカップリング剤である。 また、 必要に応じて、 これらの 2種 以上を混合使用することも可能である。
また、 該 (Ε) を含有させる場合、 その添加量は重量比で、 好ましくは (Α) : (Ε) = 1 00 : 0. 0 1〜: L 0であり、 より好ましくは 1 00 : 0. 0 1〜 5であり、 特 に好ましくは 0. 0 1〜0. 09である。
さらに、 本発明の硬化性組成物には粘度調整剤 (F) を含んでいてもよい。
粘度調整剤 (F) としては特に限定されないが、 例えば、 前記 (Β) の記載した重 合体以外の (メタ) アクリルアミ ド (共) 重合体、 アルキル (メタ) アクリルアミド (共) 重合体、 ジァルキノレ (メタ) アクリルアミ ド (共) 重合体、 ビュルピロリ ドン (共) 重合体、 ポリビニルアルコール (共) 重合体であって、 重量平均分子量が好ま しくは 5, 000〜500, 000のもの、カゼイン、ゼラチン、 メチルセルロース、 ェチノレセノレロース、 ヒ ドロキシメチノレセノレロース、 カルボキシメチルセルロース、 力 ルボキシメチルェチルセルロース、 でんぷん、 アルギン酸ナトリウム、 ポリエチレン ダリコール等が挙げられる。
また、該(F) を含有させる場合、その添加量としては重量比で、好ましくは (Α) : (F) = 1 : 0. 0 1〜 2、 好ましくは、 1 : 0. 1〜1である。
本発明の硬化性組成物にはその他の添加剤として、 必要に応じて、 (1) ヒンダ一 ドアミン類、 ヒドロキノン類、 ヒンダードフエノール類、 硫黄含有化合物等の酸化防
止剤、 (2) ベンゾフエノン類、 ベンゾトリアゾ一ル類、 サリチル酸エステノレ類、 金 属錯塩類等の紫外線吸収剤、 (3) 金属石けん類、 重金属 (例えば亜鉛、 錫、 鉛、 力 ドミゥム等) の無機及ぴ有機塩類、 有機錫化合物等の安定剤、 (4) フタル酸エステ ル、 リン酸エステル、 脂肪酸エステル、 エポキシ化大豆油、 ひまし油、 流動パラフィ ンァルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、 (5) パラフィンワックス、 マイクロク リスタリンワックス、 重合ワックス、 密ロウ、 鯨ロウ、 低分子量ポリオレフイン等の ワックス類、 (6) カーボンブラック、酸化チタン、赤色酸化鉄、鉛丹、パラレツド、 紺青等の顔料または染料、 (7) 帯電防止剤、 (8) 抗菌剤、 (9) 防かび剤、 (10) 香料、 (1 1) 難燃剤、 (12) 触媒、 (13) 分散剤、 (14) 造膜助剤、 (15) 湿 潤剤等を添加することができる。 これらのうち 2種以上を併用することも可能である。 これらの添加剤の添加量は重量比で、好ましくは化合物(A):添加物 = 1. 0 : 0. 01〜2であり、 より好ましくは 1 : 0. 02〜1である。
本発明の硬化性組成物の各成分の使用及ぴ貯蔵形態としては、 以下の (1)、 (2) が例示される。
(1) (A) 及ぴ (B) を独立した 2液の形で保存し、 使用時に 2成分を混合し硬 化させる (任意成分である硬化促進剤 (C) は、 第 3成分として単独で保存し、 使用 時に他の成分と混合して用いることも、 (A) 及ぴ Z又は (B) 中に添加した形で保 存することもできる。)。
(2) (A)及び(B) の混合物を 1液の形で保存し、使用時に加熱硬化させる (任 意成分である硬化促進剤 (C) は、 第 2成分として単独で保存し、 使用時に他の成分 と混合して用いることも、 (A) 及ぴ (B) の混合物中に添加した形で保存すること もできる。)。
これらの使用及び貯蔵形態は、 用途、 目的、 使用時の温度、 湿度等の条件に応じて 適宜選択することができる。
本発明の鉱物繊維用バインダー組成物は、 水性,組成物であることが好ましい。 水性 組成物であると、 安全性、 環境適応性、 作業性等が良好となり、 また過剰の塗布液の 回収等も容易となる。
水性組成物とは、 水溶性組成物及び/又は水分散性組成物をいう。
水溶性組成物とは、 (A) 及び (B) が水に対して 1重量%以上溶解する化合物で
ある組成物をいう。
水分散性組成物とは、 (A) 及びノ又は (B ) が、 水に対して 1重量%以上溶解し なレ、水不溶性〜水難溶性の化合物であるが、水中で自己分散性を有しエマルションと なる化合物である組成物か、又は下記の適当な界面活性剤等の分散剤によつて水に対 してエマルションとなる化合物である組成物をいう。 .
本発明の鉱物繊維用バインダー組成物が水溶性組成物の場合、その製造方法として は、 (A) 及ぴ (B ) の水溶液と必要に応じて加えられる添加剤を混合、 分散できる 方法であれば特に限定されず、 例えば、 以下の方法等が例示される。
( i ) ガラスビーカー、 缶、 プラスチックカップ等の適当な容器中にて、 攪拌棒、 へら等により手で混練する。
( i i ) ダブルヘリカルリポン翼、 ゲート翼等により混練する。
( i i i ) プラネタリーミキサー、 ビーズミル、 3本ロール等により混練する。
( i v ) ェクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
一方、本発明の鉱物繊維用バインダー組成物が水分散性組成物の場合、 その製造方 法としては、 水に分散されていれば特に限定されず、 予め (A) 及ぴ (B ) を混合さ せたものを分散させる方法、 (A) 及び (B ) を各々分散体とした後、 これを混合す る方法、 どちらか一方を分散させたものにもう一方を混合する方法等が挙げられる。 これらは、 (A) 及ぴ (B ) の水溶解性及び用途 · 目的等に応じて適宜選択すればよ レ、。
分散方法としては、 水に分散できれば特に限定されず、 転相乳化法、 機械的強制乳 化法、 ペースト法、 同時 化法等が挙げられ、 好ましくは分散剤を用いた転相乳化法 である。 分散剤としては、 反応を阻害せず、 (A) 及ぴノ又は (B ) と混合できるも のであれば特に制限はなく、例えば従来公知の非イオン系界面活性剤、 ァニオン系界 面活性剤、 カチオン系界面活性剤あるいは両性界面活性剤、 及ぴこれらの 2種以上の 混合物が使用できる。 好ましくは非イオン系界面活性剤、 ァニオン系界面活性剤又は これらの混合物であり、 より好ましくは非ィオン系界面活性剤である。 また、 乳化機 としては、 万能混練機、 携拌翼を備えた乳ィヒ槽、 ボールミル、 ガウリンホモジナイザ 一、 ホモディスパー、 ビーズミル等を用いることができる。
水分散性組成物の製造方法の内、 転相乳化法の一例としては、 例えば、 万能混練機
等の乳化機を使用して、 (A) 及ぴ 又は (B) を好ましくは 20〜150°Cの温度 において混合溶融し、 さらに分散剤を加えて混合した後、好ましくは 20〜 95 の 温度において水を (A) 及び Z又は (B) の混合物 100質量部に対して好ましくは 30〜300質量部、 より好ましくは 35〜250質量部、 特に好ましくは 40〜2 00質量部投入し、 均一になるまで混合する方法が挙げられる。 投'入する水の量が 3 0質量部以上であると水分散物の粘度が適当な範囲であり、 300質量部以下である と十分な有効成分量を有するため、適度な反応速度を有し、得られた硬化物の物性が 良好である。
上記非イオン界面活性剤としては、 具体的には例えば脂肪族系アルコール (炭素数 8-24) (ポリ) アルキレンォキシド (炭素数 2〜 8) 付加物 (重合度 =1〜10 0) [ラウリルアルコールエチレンォキシド 20モル付カ卩物、 ォレイルアルコールェ チレンォキシド 10モル付カ卩物、 マッコ一アルコールエチレンォキシド 35モノレ付カロ 物等]、 (ポリ) ォキシアルキレン (炭素数 2〜8、 重合度 =1〜100) 高級脂肪酸 (炭素数 8〜 24) エステル [モノステアリン酸ポリエチレングリコール (重合度 = 20)、 ジステアリン酸ポリエチレングリコール (重合度 =30) 等]、 多価 (2価〜 10価又はそれ以上) アルコール脂肪酸 (炭素数 8〜24) エステル [モノステアリ ン酸グリセリン、 モノステアリン酸エチレングリコール、 ソルビタンラウリン酸 (モ ノ ジ) エステル、 ソルビタンパルミチン酸 (モノダジ) エステル、 ソルビタンステ アリン酸 (モノ/ジ) エステル、 ソルビタンォレイン酸 (モノズジ) エステル、 ソル ビタンヤシ油 (モノ/ジ) エステル等]、 (ポリ) ォキシアルキレン (炭素数 2〜8, 重合度 =1~100) 多価 (2価〜 10価又はそれ以上) アルコール高級脂肪酸 (炭 素数 8〜 24) エステル [ポリオキシエチレン (重合度 =10) ソルビタンラウリン 酸 (モノ Zジ) エステル、 ポリオキシエチレン (重合度 =20) ソルビタンパルミチ ン酸 (モノ Zジ) エステル、 ポリオキシエチレン (重合度 =1 5) ソルビタンステア リン酸 (モノ Zジ) エステル、 ポリオキシエチレン (重合度 = 10) ソルビタンォレ イン酸 (モノ Zジ) エステル、 ポリオキシエチレン (重合度 =25) ラウリン酸 (モ ノ /ジ) エステル、 ポリオキシエチレン (重合度 =50) ステアリン酸 (モノ/ジ) エステル、 ポリオキシエチレン (重合度 =18) ォレイン酸 (モノ/ジ) エステル、 ソルビタン、ポリォキシエチレン(重合度二 50 )ジォレイン酸メチルダルコシド等]、
脂肪酸アル力ノールアミ ド [1 : 1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミ ド、 1 : 1型ラ ゥリン酸ジエタノールアミ ド等]、 (ポリ) ォキシアルキレン (炭素数 2〜8、 重合度 =1〜100) アルキル (炭素数 1〜22) フエニルエーテル (ポリオキシエチレン (重合度 = 20) ノユルフェニルエーテル等)、 (ポリ) ォキシアルキレン (炭素数 2 〜 8、 重合度 = 1〜 100 ) アルキル (炭素数 8〜 24 ) ァミノエーテル及ぴアルキ ル (炭素数 8〜 24) ジアルキル (炭素数 1〜 6 ) アミンォキシド [ラウリルジメチ ルァミンォキシド等]、 ポリジメチルシロキサンボリォキシエチレン付加物、 ポリオ キエチレン.ポリオキシプロピレンブロックポリマー (重量平均分子量 =150〜1 0, 000) 及ぴこのゥレタン結合物 (重量平均分子量 = 400〜 20, 000) 等 が挙げられる。
ァニオン性界面活性剤としては、炭素数 8〜 24の炭化水素系エーテルカルボン酸 又はその塩、 [ (ポリ) ォキシエチレン (重合度 =1〜100) ラウリルエーテル酢 酸ナトリウム、 (ポリ) ォキシエチレン (重合度 =1〜100) ラウリルスルホコハ ク酸 2ナトリウム等]、 炭素数 8〜24の炭化水素系硫酸エステル塩 [ラウリノレ硫酸 ナトリウム、 (ポリ) ォキシエチレン (重合度 =1〜100) ラウリル硫酸ナトリウ ム、 (ポリ) ォキシエチレン (重合度 =1〜100) ラウリル硫酸トリエタノールァ ミン、 (ポリ) ォキシエチレン (重合度 =1〜100) ヤシ油脂肪酸モノエタノール アミ ド硫酸ナトリウム等]、 炭素数 8〜 24の炭化水素系スルホン酸塩 [ドデシルべ ンゼンスルホン酸ナトリゥム等]及ぴ炭素数 8〜 24の炭化水素系リン酸エステル塩
[ラウリルリン酸ナトリウム、 (ポリ) ォキシエチレン (重合度 =1〜100) ラウ リルエーテルリン酸ナトリウム等]、 脂肪酸塩 [ラウリン酸ナトリウム、 ラウリン酸 トリエタノールァミン等]、 ァシル化ァミノ酸塩 [ヤシ油脂肪酸メチルタゥリンナト リウム、 ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、 ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノー ルァミン、 N—ヤシ油脂肪酸ァシルー L一グルタミン酸トリエタノールァミン、 N— ヤシ油脂肪酸ァシル— L -グルタミン酸ナトリゥム、 ラウロイルメチル _ —ァラニ ンナトリゥム等]、 その他 [スルホコハク酸 (ポリ) 才キシエチレン (重合度 = 1〜 100) ラウロイルエタノールアミ ド 2ナトリウム等] 等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、 第 4級アンモニゥム塩型 [塩ィ匕ステアリルトリメ チルアンモニゥム、 塩化べへニルトリメチルアンモニゥム、 塩化ジステアリルジメチ
ルアンモ-ゥム、 ェチル硫酸ラノリン脂肪酸ァミノプロピルェチルジメチルアンモニ ゥム等]、 アミン塩型 [ステアリン酸ジェチルアミノエチルアミド乳酸塩、 ジラウリ ルァミン塩酸塩、 ォレイルァミン乳酸塩等] 等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤 [ヤシ油脂肪酸アミドプロピ ルジメチルァミノ酢酸べタイン、 ラウリルジメチノレアミノ酢酸ベタィン、 2—アルキ ルー N—力ノレボキシメチルー N—ヒ ドロキシェチノレイミダゾリニゥムベタイン、 ラウ リルヒ ドロキシスノレホべタイン、 ラウロイノレアミ ドエチノレヒ ドロキシェチルカノレボキ シメチルベタインヒ ドロキシプロピルリン酸ナトリ ゥム等]、 ァミノ酸型両性界面活 性剤 [ /3—ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等] が挙げられる。
界面活性剤を使用する場合の量は、 該 (A) 及び Z又は (B ) の合計 1 0 0重量部 に対して、 好ましくは 1〜3 0重量部、 より好ましくは 3〜2 0重量部である。 3 0 重量部以下であると硬化物の接着性が良好であり、 1重量部以上であると分散性、保 存安定性が良好となる。
[鉱物繊維マツト]
本発明の鉱物繊維用パインダ一組成物は、鉱物繊維等の耐熱性不織材料用のバイン ダ一として好適に用いられる。
鉱物繊維とは、 石、 スラグ、 ガラス、 又は他の溶融物の様なガラス質溶融物から繊 維化して得られるものをいう。 この溶融物は、 所望の物性値を有する岩、 又は鉱物を 混合した鉱物組成物を炉内で溶融することによって形成される。
鉱物繊維の具体例としては、 グラスウール、 ロックウール、 ストーンウール等が挙 げられる。
グラスウールの製造方法としては、 従来公知の遠心法 (ロータリー法) の他、 火焰 吹付法、 吹き飛ばし法等が例示でき、 特に限定されない。 ロックウールの製造方法と しては、 従来公知の吹き飛ばし法の他、 遠心法 (ロータリー法)、 火焰吹付法等が例 示でき、 特に限定されない。
本発明の組成物の鉱物繊維に対する付着方法としては、例えばエアスプレー法また はエアレススプレー法、 パッデイング法、 含浸法、 ロール塗布法、 カーテンコーチン グ法、ビーターデポジション法、凝固法等の如き公知の方法が用いられる力 S、通常は、
前記鉱物,組成物を炉内で溶融し、繊維化した直後にエアスプレー又はエアレススプレ 一される方法が用いられる。
本発明の組成物の鉱物繊維に対する付着量は特に限定されず、 鉱物繊維製品の用 途 · 目的等に応じて適宜選択できるが、 例えば、 好ましくは 1〜 5 0重量%、 より好 ましくは 2〜3 0重量%、 特に好ましくは 2〜1 5重量%である。 ここで、 本発明に おける組成物の付着量とは、 強熱減量法又は L O I ( L o s s o f I g n i t i o n ) と呼ばれる方法により測定される量であり、約 5 5 0 °Cで組成物付着後の鉱物 繊維または鉱物繊維マツトの乾燥試料を強熱し、減量をすることにより失われる物質 の重量の割合を意味する。
本発明の組成物は、鉱物 維に適当量付着後、必要に応じて加熱して乾燥および硬 化させることができる。 加熱する場合の温度及び時間は、 乾燥の速度、 加工性、 及び 鉱物繊維製品の用途 ·目的等に応じて適宜選択できる力 S、例えば、加熱温度としては、 好ましくは 1 0 0 °C〜 4 0 0 °C、 より好ましくは 2 0 0〜 3 5 0 °Cである。加熱時間 としては、 好ましくは 3秒〜 9 0 0秒、 より好ましくは 1 0秒〜 6 0 0秒である。 鉱物繊維と組成物を硬化して得られる鉱物繊維マツトの密度は、断熱材や吸音材等 の建材に使用されている密度でよく、好ましくは 5〜1 2 0 k g Zm 3の範囲である。 更に鉱物繊維がグラスウールの場合には、鉱物繊維マツトの密度は 5〜6 4 k g /m 3の範囲であることがより好ましい。
本発明の鉱物繊維マツトの好ましい製造方法としては、繊維化した鉱物繊維にエア スプレー装置によって組成物を付着させる。 次いで、組成物が付着した鉱物繊維がコ ンベア上に堆積して搬送され、上部のコンベアによって所定厚さに圧縮成形されつつ、 熱風循環式の乾燥炉に導入されて組成物が硬化して、 鉱物繊維マツトが形成される。 発明を実施するための最良の形態
以下本発明を実施例により具体的に説明する力 本発明はこれらの実施例に限定さ れるものではない。 なお、 部は重量部を表わす。
環状エーテル基 ( a ) を有する化合物 (A) としては下記のものを使用した。
ェピコ一ト 1 0 0 1 (ジャパンエポキシレジン社製; ビスフエノール A型ェポキ シ樹脂、 エポキシ当量 4 7◦)
ェピコ一ト 1003 (ジャパンエポキシレジン社製; ビスフエノール A型ェポキ シ樹脂、 エポキシ当量 730)
AED— 9 (ピィ 'ティ 'アイ 'ジャパン社製;高級アルコールモノグリシジル エーテル、 エポキシ当量 290)
求核性基を有し且つ重量平均分子量が 000〜 500, 000の (共) 重合体 (塩) (B) としては下記のものを使用した。
ィソバン 104 (クラレ社製;アンモニア変成ィソブテン一無水マレイン酸共重 合物 (重量平均分子量;約 60 , 000))
SMAH 1000 (サートマ一社製;スチレン一マレイン酸共重合体アンモニゥ ム塩 (重量平均分子量;約 5, 500) の 37 %水溶液)
VEMA (ダイセル化学工業社製;メチルビュルエーテル一無水マレイン酸共重 合体 (重量平均分子量;約 100, 00〇))
キヤリボン L— 400 (三洋ィ匕成工業社製;ポリアクリル酸ナトリウム (重量平 均分子量;約 10, 000) の 43 %水溶液)
ケミスタツト SA—9 (三洋化成工業社製;ポリスチレンスルホン酸ナトリウム (重量平均分子量;約 20, 000) の 33 %水溶液)
硬化促進剤 (C) としては下記のものを使用した。
2MZ (四国化成工業社製; 2ーメチルイミダゾール)
2 E 4MZ (四国化成工業社製; 2—ェチルー 4—メチルイミダゾール) 熱可塑性樹脂 (D) としては下記のものを使用した。
工業用澱粉糊 (大阪製糊製;小麦粉澱粉)
密着性向上剤 (E) としては下記のものを使用した。
KBM-403 (信越化学工業社製;グリシジル基含有シラン系カツプリング剤) [製造例 1 ]
容量 5 Lの万能混練機に、 「ェピコート 1001」 450部、 「AED— 9」 5 0部、 「ニューポール PE— 64」 〔三洋化成工業社製;ポリォキシエチレン 'ポリオ キシプロピレンブロックポリマー (重量平均分子量 =3, 000)〕 75部を仕込ん で、 90°Cで撹拌溶融した後、 70°C以下に保ち、 攪拌しながら水を 5分間隔で 20 部ずつ、 合計で 575部投入し、 転相乳化して、 粘度 1 5mP a · s (25 °C)、 不
揮発分 50% (105°C、 90分間) の水分散物 (A— 1) を得た。
[製造例 2]
容量 5 Lの万能混練機に、 「ェピコート 1003」 500部、 「ニューポール PE 一 64」 75部を仕込んで、 90°Cで撹拌溶融した後、 70°C以下に保ち、 攪拌しな がら水を 5分間隔で 20部ずつ、 合計で 575部投入し、 転相乳化して、 粘度 8mP a · s (25°C)、 不揮発分 50% (105°C、 90分間) の水分散物 (A— 2) を 得た。
[比較製造例 1 ]
反応容器に、フエノール 94部及ぴ 40%ホルムアルデヒド水溶液 225部を仕込 み、 20 %水酸化ナトリウム水溶液で p Hを 9. 0とした後、 65 °Cで 6時間攪拌し た。 その後、塩酸にて pHを 7. 5に調整し、不揮発分 40% (105°C、 90分間) のフエノール樹脂 (P— 1) を得た。
[実施例:!〜 10]、 [比較例 1]
表 1に示した配合量で各成分を混合、攪拌して実施例 1〜 10となる組成物及び比 較例 1となる糸且成物を調製した。
本発明の組成物の鉱物繊維に対する接着性、鉱物繊維の復元性を評価するため、 ガ ラスビーズに対して以下の評価を実施した。 結果を表 1に示した。
(接着性 ·復元性評価)
平均粒径 3 mmのガラスビーズを用いて、得られるガラスビーズ成形体中の組成物 の固形分が 2重量%となるように、ガラスビーズに組成物を添カ卩し、十分に混合した。 これを 4 OmmX 4 OmmX 16 Ommの型枠に注入、成型し、循風乾燥機中で 25 0°Cで 30分間硬化させた。 得られた成形品の曲げ強さ (下記) を測定し、 鉱物繊維 に対する接着性、 鉱物繊維の復元性の指標とした。
(曲げ強さ測定方法)
所定の成形品を 10 mmノ m i nの試験速度で、 J I S R 5201に準じ測定温 度 23 °Cで測定した。
【表 1】
[実施例 1 1 ]
遠心法により繊維化したガラスの繊維に、 実施例 1の組成物を、付与锋の質量基準
(固形分換算) で、 所定の付与量になるようにスプレーで塗布した。 吸引装置で吸引 しながら組成物が付着したガラスの繊維をコンベア上に集積させた。集積したガラス 繊維マット (グラスウール) を上部のコンベアを用いて押圧しながら、 前記グラスゥ ールを 2 8 0 °Cの熱風中で 3分間加熱して、組成物を硬化させた。 これにより実施例 1 1の鉱物繊維マツトとなる、 密度 1 6 k g /m 3、 呼ぴ厚さ 1 0 O mm、 組成物の 付与量 (固形分換算) 5重量%のグラスウールを連続的に得た。 このグラスウールを 長さ 4 3 O mm、 幅 1 1 7 O mmに切断加工し、 この加工したグラスウール 1 0枚を 厚さ方向に 4倍圧縮して包装し、 J I S A 9 5 2 1に規定されるグラスウールの
梱包体を得た。
[実施例 1 2 ]
組成物として実施例 2の組成物を用いる以外は実施例 1 1と同様のグラスウール 製造方法により、 鉱物繊維マツトとなるグラスウールを連続的に得た。
[比較例 2 ] ' '
糸且成物として比較例 1を用いて、 組成物の付与量 (固形分換算) 3重量%とした以 外は実施例 1 1と同様のグラスウール製造方法により、鉱物繊維マツトとなるグラス ウールを連続的に得た。
(復元性評価)
鉱物繊維マツトは保管や輸送の効率を上げるために、製品は一定数量以上の鉱物繊 維マツトをまとめて圧縮して密封梱包する場合がある。鉱物繊維マツトの梱包体につ いて、 該鉱物繊維マットを圧縮梱包してから、 1日 (2 4時間)、 1 4日間、 2 8日 間保管する。保管期間経過後にそれぞれの梱包を解いて、梱包内の鉱物繊維マツトの 厚さをそれぞれ測定して平均値 ( d x ) を求める。 圧縮梱包前の鉱物繊維マットの厚 さ (d ) を基準にして、 復元率 (R e : R e = d x / d * 1 0 0 ) を求めて、 復元性 を評価する。
得られた実施例 1 1、 1 2及ぴ比較例 2の鉱物繊維マットの復元性評価を実施した。 その結果を表 2に示す。
【表 2】
実施例 1 1、 1 2の鉱物繊維マツトは、架橋の際にホルムアルデヒドを放出しない という課題を達成した上で、 その復元率は、表 2から明らかなように比較例 2の復元 率と同程度で、 優れた復元率を示すことが判る。 なお、 実施例 1 1、 1 2及ぴ比較例 2の鉱物繊維マッ トの厚さは、 いずれも 1 0 0 mm以上あり、 J I S A 9 5 2 1
に合致していた。 産業上の利用可能性
本発明の鉱物繊維用バインダー組成物及び鉱物繊維マツトは、下記の効果を奏する。
( 1 ) バインダ一組成物はホルムアルデヒドを含有せず、 また架; fiの際にホルムアル デヒドを放出しない、 グラスウール 'ロックウール等の耐熱性不織材料の鉱物繊維を 結合するのに好適なバインダ一となる。
( 2 ) バインダ一組成物の硬化物は鉱物繊維に対する接着性に優れる。
( 3 ) バインダ一組成物が水性組成物の場合は環境適応性に優れ、 また回収使用も容 易である。
( 4 ) 鉱物繊維マットは鉱物繊維の復元性に優れる。
従って、 本発明の糸且成物は鉱物繊維のバインダー組成物として最適である。 また、 本発明の鉱物繊維マツトは、 ホルムアルデヒドを放出せず、 経時劣化後もホルムアル デヒドの放出がなく、 復元性に優れるため、 建築材料、 車両、 造船、 一般工業向けの 断熱材又は吸音材として最適である。