JP2007291292A - 2液型硬化性組成物、それよりなる接着剤及びそれを用いた複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯蔵安定性に優れ、かつ低湿度の環境下で金属又は有機物からなる基材上に使用する際に、硬化反応が迅速に進行する2液型硬化性組成物を提供し、また該2液型硬化性組成物を硬化させ十分な硬化性を有する接着剤と、基材上に該接着剤を用いて外装材を接着させて密着性に優れた複合材料を提供する。
【解決手段】加水分解性シリル基を有する化合物(a1)、金属触媒(a2)及びアミノ化合物(a3)からなる混合物(A)と、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)からなる混合物(B)とを配合してなり、かつ、混合物(A)と混合物(B)との配合割合を、(a1)と(b1)との重量比で1:100〜100:1に設定することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】加水分解性シリル基を有する化合物(a1)、金属触媒(a2)及びアミノ化合物(a3)からなる混合物(A)と、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)からなる混合物(B)とを配合してなり、かつ、混合物(A)と混合物(B)との配合割合を、(a1)と(b1)との重量比で1:100〜100:1に設定することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、2液型硬化性組成物、それよりなる接着剤及びそれを用いた複合材料に関し、さらに詳しくは、貯蔵安定性に優れ、かつ低湿度の環境下で金属又は有機物からなる基材上に使用する際に、硬化反応が迅速に進行する2液型硬化性組成物に関し、また該2液型硬化性組成物を硬化させて得られる十分な硬化性を有する接着剤、及び基材上に該接着剤を用いて外装材を接着させて得られる密着性に優れた複合材料に関する。
従来、加水分解性シリルを有す化合物、金属触媒、アミノ化合物、及びエポキシ化合物を含有する硬化性組成物は、塗装剤、パテ、接着剤などに使用されている。例えば、主に貯蔵安定性に優れた2液型接着剤として、加水分解性シリルを有す化合物とアミノ化合物等のエポキシ樹脂硬化剤を含有する組成物、並びにエポキシ樹脂、金属触媒等のゴム系有機重合体の硬化触媒及び酸性系充填剤を含有する組成物からなる2液型接着剤が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような2液型硬化性組成物を接着剤として使用する際に、基材により、または使用される環境の湿度等により、硬化反応が迅速に進行しなくなり、十分な硬化性が得られないという問題があった。例えば、このような2液型硬化性組成物を基材上に塗装し、タイル等の外装材を接着させて複合材料を製造する際に、木片セメント板等の無機物材料からなる基材のようにそれ自体に水分をある程度含有している基材の場合には、冬場のような低湿度の環境下においても硬化反応が進行する。ところが、基材として金属又は有機物のように水分を含有しない材料を低湿度の環境下で使用する場合には、硬化速度が極めて遅くなり、硬化反応が迅速に進行しなくなる。
以上の状況から、2液型硬化性組成物に対して、各組成物を長期間保管するときの貯蔵安定性に優れ、かつ低湿度の環境下で金属又は有機物からなる基材上に使用する際に、硬化反応が迅速に進行し十分な硬化性が得られることが求められている。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、貯蔵安定性に優れ、かつ低湿度の環境下で金属又は有機物からなる基材上に使用する際に、硬化反応が迅速に進行する2液型硬化性組成物を提供し、また該2液型硬化性組成物を硬化させ十分な硬化性を有する接着剤と、基材上に該接着剤を用いて外装材を接着させて密着性に優れた複合材料を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、2液型硬化性組成物について、鋭意研究を重ねた結果、所定の水分を予め配合した形態で、2液型成分の配合組成自体を見直し、加水分解性シリル基を有する化合物(a1)、金属触媒(a2)及びアミノ化合物(a3)からなる混合物(A)(以下、単に「A剤」と呼称する。)と、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)からなる混合物(B)(以下、単に「B剤」と呼称する。)とに調製した後、これらA剤とB剤とを所定の割合で配合したところ、貯蔵安定性に優れ、かつ低湿度の環境下で金属又は有機物からなる基材上に使用する際に、硬化反応が迅速に進行する2液型硬化性組成物が得られること、また該2液型硬化性組成物を硬化させるときに十分な硬化性を有する接着剤が得られること、さらに基材上に該接着剤を用いて外装材を接着させて、密着性に優れた複合材料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、加水分解性シリル基を有する化合物(a1)、金属触媒(a2)及びアミノ化合物(a3)からなる混合物(A)と、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)からなる混合物(B)とを配合してなり、かつ、混合物(A)と混合物(B)との配合割合を、(a1)と(b1)との重量比で1:100〜100:1に設定することを特徴とする2液型硬化性組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、混合物(A)及び/又は混合物(B)に、充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、発泡剤から選ばれる少なくとも1種の配合剤を添加することを特徴とする2液型硬化性組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、(a1)と(b2)との配合割合を、重量比で5:1〜1:5に設定することを特徴とする2液型硬化性組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、金属触媒(a2)は有機スズ塩類であり、かつアミノ化合物(a3)は第3級アミン塩類であることを特徴とする2液型硬化性組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4いずれかの発明の2液型硬化性組成物を硬化させてなる接着剤が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明の接着剤により基材上に外装材を接着させてなる複合材料が提供される。
本発明の2液型硬化性組成物は、第1の発明によれば、各組成物を長期間保管するときの貯蔵安定性に優れ、かつ低湿度の環境下で金属又は有機物からなる基材上に使用する際に、硬化反応が迅速に進行する2液型硬化性組成物を得ることができるので、その工業的価値は極めて大きい。第2の発明では、他の成分が混合して用いれ、また、第3の発明では物性調整上の範囲が規定され、また、第4の発明では、硬化反応がより迅速に進行するので、より有利である。
また、本発明の接着剤である第5の発明では、本発明の2液型硬化性組成物を硬化させて十分な硬化性を有する接着剤が得られる。また、本発明の複合材料である第6の発明では、本発明の接着剤により基材上に外装材を接着させて、密着性に優れた複合材料が得られる。
以下、本発明の2液型硬化性組成物、それよりなる接着剤及びそれを用いた複合材料を詳細に説明する。
本発明の2液型硬化性組成物は、加水分解性シリル基を有する化合物(a1)、金属触媒(a2)及びアミノ化合物(a3)からなる混合物(A)と、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)からなる混合物(B)とを配合してなり、かつ、混合物(A)と混合物(B)との配合割合を、(a1)と(b1)との重量比で1:100〜100:1に設定することを特徴とする。
本発明の2液型硬化性組成物は、加水分解性シリル基を有する化合物(a1)、金属触媒(a2)及びアミノ化合物(a3)からなる混合物(A)と、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)からなる混合物(B)とを配合してなり、かつ、混合物(A)と混合物(B)との配合割合を、(a1)と(b1)との重量比で1:100〜100:1に設定することを特徴とする。
本発明において、A剤とB剤の各々を上記構成成分とすること、特に、B剤の構成成分として水を用いることが重要な意義をもつ。これによって、上記2液型硬化性組成物を硬化させるときに、硬化反応が迅速に進行し、十分な硬化性を有する接着剤を得ることができる。すなわち、B剤に水を配合することにより、2液型硬化性組成物に含まれる加水分解性シリル基を有する化合物の硬化反応に必要とされる水分が付与されるので、使用する基材中の水分、使用時の環境の湿度等による硬化反応への影響を抑制し、さらには制御することができる。しかも、金属触媒をA剤中に、水をB剤中にと分離して配合することにより、組成物の保管中での金属触媒の失活を抑止し、硬化反応の進行への支障が生じることを未然に防止することができる。
本発明の2液型硬化性組成物の製造方法としては、特に限定されるものではなく、所定の構成成分からなるA剤とB剤をそれぞれ調製し、使用時に所定の割合で混合することにより行なわれる。ここで、A剤とB剤の混合割合としては、(a1)と(b1)との重量比で1:100〜100:1に設定することが好ましく、10:100〜100:10がより好ましい。すなわち、エポキシ基を有する化合物の配合量が少な過ぎると、得られる接着剤の弾性率等の機械的強度が不十分になり、一方その配合量が多過ぎると、得られる接着剤が脆くなり、いずれも好ましくない。
1.A剤とその調製方法
A剤の調製方法としては、加水分解性シリル基を有する化合物、金属触媒、及びアミノ化合物の各々の所定量を秤量し、その後、三本ペイントロール、ディゾルバー等の混練装置を用いて撹拌、混合される。ここで、必要に応じて、A剤の構成成分として、所望の充填剤、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、発泡剤等の配合剤を配合することもできる。
A剤の調製方法としては、加水分解性シリル基を有する化合物、金属触媒、及びアミノ化合物の各々の所定量を秤量し、その後、三本ペイントロール、ディゾルバー等の混練装置を用いて撹拌、混合される。ここで、必要に応じて、A剤の構成成分として、所望の充填剤、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、発泡剤等の配合剤を配合することもできる。
(1)加水分解性シリル基を有する化合物(a1)とその製造方法
上記加水分解性シリル基を有する化合物としては、特に限定されるものではなく、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素原子含有基を少なくとも1個を有するゴム系有機重合体である。
上記加水分解性シリル基を有する化合物としては、特に限定されるものではなく、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素原子含有基を少なくとも1個を有するゴム系有機重合体である。
上記加水分解性シリル基を有する化合物の骨格をなす重合体としては、例えば、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの重合により得られるポリエーテル系;アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとの縮合又はラクトン類の開環重合により得られるポリエステル系;エチレン−プロピレン共重合体系;ポリイソブチレン又はイソブチレンとイソプレン等との共重合体系;ポリクロロプレン;ポリイソプレン又はイソプレントブタジエン、スチレン、アクロニトリル等との共重合体系;ポリブタジエン又はブタジエンとスチレン、アクリロニトリル等との共重合体系;ポリイソプレン、ポリブタジエン又はイソプレンとブタジエンとの共重合体を水素添加して得られるポリオレフィン系;エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のモノマーをラジカル重合して得られるポリアクリル酸エステル又は該アクリル酸エステルと酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、エチレン等との共重合体系;上記ゴム系有機重合体中でビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体系;ポリサルファイド系等の重合体等が挙げられる。
この中で、特に反応性ケイ素基を分子末端に導入させやすく、また無溶剤で液状重合体を製造しやすいこと等の点から、ポリプロピレンオキシド系ポリエーテル等の一般式:−R−O−(式中のRは、炭素数2〜4の2価のアルキレン基を表す。)で表わされる繰返し単位を有するポリエーテル、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテルの存在下でアクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等のビニルモノマーを重合させて得られるグラフト重合体等の重合体又は共重合体、或いは、ポリアクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステルを50重量%以上含有するアクリル酸アルキルエステルと、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、エチレン等との共重合体が好適である。
上記加水分解性シリル基を有する化合物に用いる反応性ケイ素基としては、特に限定されるものではないが、代表的なものとして、化1に示す一般式(1)で表わされる基が挙げられる。
ここで、式中のR1、R2は、いずれも炭素数1〜20の炭化水素基、又は一般式:(R′)3SiO−(式中のR′は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、3個のR′は同一であってもよく、また異なっていてもよい。)で表わされるトリオルガノシロキシ基を表し、R1、又はR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよくまた異なっていてもよい。また、式中のXは、水酸基又は加水分解性基を表し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよくまた異なっていてもよい。また、式中のaは、0、1、2又は3を、式中のbは、0、1又は2をそれぞれ表す。また、式中のmは、0、又は1〜19の整数を表し、m個のそれぞれのbは同一である必要はない。但し、次式の関係式を満足するものである。
a+(bの和)≧1
a+(bの和)≧1
上記a+(bの和)は、上記加水分解性基又は水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができるので、1〜5の範囲が好ましい。ここで、加水分解性基又は水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、また異なっていてもよい。
式中のXが水酸基である場合には、上記反応性ケイ素基はシラノール縮合触媒の存在下又は非存在下で、シラノール縮合反応を起こし架橋する。また、式中のXが加水分解性基である場合には、上記反応性ケイ素基はシラノール縮合触媒の存在下又は非存在下で、水分により加水分解反応及びキラノール縮合反応を起こし架橋する。
上記加水分解性基としては、特に限定されるものではなく、従来公知の加水分解性基が包含される。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられるが、これらの中で、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかなアルコキシ基がより好ましい。
上記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子としては、1個でもよく、また2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個程度まであってもよい。特に入手が容易な、化2に示す一般式(2)で表わされる反応性ケイ素基が好ましい。
ここで、式中のR2、X及びaは、一般式(1)の説明で行なったものと同様である。
また、一般式(1)におけるR1及びR2の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げられるが、より具体的にはメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシルコアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。また、トリオルガノシロキシ基としては、具体的には、R′がメチル基、フェニル基等であるトリオルカノシロキシ基等が挙げられるが、この中で、メチル基が特に好ましい。
上記加水分解性シリル基を有する化合物において、上記反応性ケイ素基はゴム系有機重合体主鎖と化学的に結合しているが、反応性ケイ素基とゴム系重合体主鎖間の結合において、→Si−O−C←結合のような結合があることは、水分による結合の開裂があり得るため望ましくない。したがって、ゴム系有機重合体主鎖に最も近い反応性ケイ素基中のケイ素原子は、→Si−O−C←結合で結合されていることが好ましい。
上記結合としては、反応性ケイ素基がゴム系有機重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.2〜6個存在するのがよい。すなわち、ゴム系有機重合体1分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満では、硬化性が不充分になり良好なゴム弾性挙動が発現されにくい。上記反応性ケイ素基の存在箇所としては、ゴム系有機重合体分子鎖の末端に存在してもよく、また内部に存在してもよく、或いは両方に存在してもよい。特に、反応性ケイ素基が分子鎖末端に存在する場合には、形成される硬化物において架橋点間の分子鎖長が長くなるため、ゴム弾性特性が効果的に現れやすい。このため、B剤含まれるエポキシ基を有する化合物の脆さが改善されやすくなり、またゴム系有機重合体主体のゴム硬化物の場合には高強度が得られやすくなる。
上記加水分解性シリル基を有する化合物の製造方法において、ゴム系有機重合体への反応性ケイ素基の導入の方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられるが、例えは下記の(イ)〜(二)の方法が挙げられる。
(イ)ビニルトリアルコキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルメチルジアルコキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン等のような共重合可能な不飽和基と反応性ケイ素基とを分子中に有するモノマーを、エチレン、プロピレン、イソブチレン、クロロプレン、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸エステル等の重合性モノモーと共重合させたり、或いはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のような共重合可能なエポキシ基及び反応性ケイ素基を分子中に含有するモノマーを、プロピレンオキシド又はエチレンオキシド等と共重合させる。これにより、分子側鎖に反応性ケイ素基を導入することができる。
(ロ)ラジカル重合において連鎖移動反応を起こし得るメルカプトプロピルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルメチルジアルコキシシラン等のようなメルカプト基又はジスルフィド基等と反応性ケイ素基とを分子中に有する化合物を連鎖移動剤として使用してラジカル重合性モノマーを重合させる。これにより、反応性ケイ素基が重合体分子末端に導入される。
(ハ)アゾビス−2−(8−メチルジエトキシシリル−2−シアノヘキサン)等の反応性ケイ素基を含有するアゾ系又は過酸化物系重合開始剤を使用してラジカル重合性モノマーを重合させる。これにより、反応性ケイ素基が重合体分子末端に導入される。
(二)重合体の側鎖及び/又は末端に水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基(以下、Y官能基という場合がある。)を有する重合体を使用し、該Y官能基と反応し得る官能基を分子中に含有し、かつ反応性ケイ素基を有する化合物をY官能基と反応させる。
(イ)ビニルトリアルコキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルメチルジアルコキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン等のような共重合可能な不飽和基と反応性ケイ素基とを分子中に有するモノマーを、エチレン、プロピレン、イソブチレン、クロロプレン、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸エステル等の重合性モノモーと共重合させたり、或いはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のような共重合可能なエポキシ基及び反応性ケイ素基を分子中に含有するモノマーを、プロピレンオキシド又はエチレンオキシド等と共重合させる。これにより、分子側鎖に反応性ケイ素基を導入することができる。
(ロ)ラジカル重合において連鎖移動反応を起こし得るメルカプトプロピルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルメチルジアルコキシシラン等のようなメルカプト基又はジスルフィド基等と反応性ケイ素基とを分子中に有する化合物を連鎖移動剤として使用してラジカル重合性モノマーを重合させる。これにより、反応性ケイ素基が重合体分子末端に導入される。
(ハ)アゾビス−2−(8−メチルジエトキシシリル−2−シアノヘキサン)等の反応性ケイ素基を含有するアゾ系又は過酸化物系重合開始剤を使用してラジカル重合性モノマーを重合させる。これにより、反応性ケイ素基が重合体分子末端に導入される。
(二)重合体の側鎖及び/又は末端に水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基(以下、Y官能基という場合がある。)を有する重合体を使用し、該Y官能基と反応し得る官能基を分子中に含有し、かつ反応性ケイ素基を有する化合物をY官能基と反応させる。
上記加水分解性シリル基を有する化合物の数平均分子量としては、特に限定されるものではないが、500〜50000程度が好ましく、1000〜20000がより好ましい。
なお、本発明の2液型硬化性組成物を構成するA剤の調製方法において、上記加水分解性シリル基を有する化合物としては、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
(2)金属触媒(a2)
上記金属触媒としては、特に限定されるものではなく、シラノール縮合触媒として従来公知のものが用いられる。例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、カクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセテトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛等が挙げられるが、この中で、特にスズカルボン酸塩類及びその化合物からなる有機スズ塩類が好ましい。これらの触媒は単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
上記金属触媒としては、特に限定されるものではなく、シラノール縮合触媒として従来公知のものが用いられる。例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、カクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセテトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛等が挙げられるが、この中で、特にスズカルボン酸塩類及びその化合物からなる有機スズ塩類が好ましい。これらの触媒は単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
上記金属触媒の配合割合としては、特に限定されるものではなく、加水分解性シリル基を有する化合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.02〜5重量部である。すなわち、0.01重量部未満では、加水分解性シリル基を有する化合物の硬化反応が遅くなり、一方10重量部を超えると、触媒が可塑剤として作用し物性を低下させる。
(3)アミノ化合物(a3)
上記アミノ化合物は、エポキシ基同士を重合せさせるものとして作用する。上記アミノ化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2、4、6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモリホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、或いはこれらのカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;アミノ基を有するシランカップリング剤、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。この中で、特に第3級アミン塩類が好ましい。これらのアミノ化合物は単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
上記アミノ化合物は、エポキシ基同士を重合せさせるものとして作用する。上記アミノ化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2、4、6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモリホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、或いはこれらのカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;アミノ基を有するシランカップリング剤、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。この中で、特に第3級アミン塩類が好ましい。これらのアミノ化合物は単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
上記アミノ化合物の配合割合としては、特に限定されるものではなく、B剤に配合するエポキシ基を有する化合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.02〜50重量部である。すなわち、0.01重量部未満では、エポキシ基を有する化合物の硬化反応が遅くなり、一方10重量部を超えると、可塑剤として作用し物性を低下させたり、アミンが酸化して黄変し外観に影響を及ぼすようになる。
2.B剤とその調製方法
B剤の調製方法としては、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)の各々の所定量を秤量し、その後、三本ペイントロール、ディゾルバー等の混練装置を用いて撹拌、混合される。ここで、必要に応じて、B剤の構成成分として、所望の充填剤、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、発泡剤等の配合剤を配合することもできる。
B剤の調製方法としては、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)の各々の所定量を秤量し、その後、三本ペイントロール、ディゾルバー等の混練装置を用いて撹拌、混合される。ここで、必要に応じて、B剤の構成成分として、所望の充填剤、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、発泡剤等の配合剤を配合することもできる。
上記エポキシ基を有する化合物としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものが用いられ、例えば、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン−ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N、N−ジグリシジルアニリン、N、N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化合物等が挙げられる。
この中で、特にエポキシ基を少なくとも分子中に2個含有するものが、硬化に際し反応性が高く、また硬化物が3次元的網目を作りやすい等の点から好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。これらのエポキシ基を有する化合物は、1種単独で、又は2種以上混合して用いられる。
上記水としては、特に限定されるものではないが、2液型硬化性組成物を硬化させる際に、硬化反応に悪影響を及ぼす成分を含有しないものが用いられる。水の配合割合としては、特に限定されるものではなく、A剤に含まれる加水分解性シリル基を有する化合物の硬化反応に必要とされる水分量が配合されるが、例えば、加水分解性シリル基を有する化合物(a1)と水(b2)との配合割合を、モル比で1:0.01〜1:100に設定することが好ましく、1:0.02〜50:1がより好ましい。すなわち、モル比で1:0.01未満では、硬化反応が遅くなり、一方モル比で1:100を超えると、残存した水が可塑剤になり物性を低下させる。
本発明に用いる配合剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知の充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、発泡剤が用いられる。例えば、充填剤としては、二酸化チタン、シリカ、クレ木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、グラファイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、炭酸マグネシウム、石英、アルミニウム微粉末、フリント粉末、亜鉛粉等が挙げられ、これらは1種又は2種以上混合して用いることができる。
上記配合剤の配合割合としては、特に限定されるものではないが、A剤に配合する加水分解性シリル基を有する化合物とB剤に配合するエポキシ基を有する化合物の合計量100重量部に対して、1〜200重量部が好ましく、2〜100重量部がより好ましい。この配合割合の配合剤が、A剤及び/又はB剤に分割して配合される。
本発明の接着剤は、上記2液型硬化性組成物を硬化させてなるものである。
上記硬化の方法としては、特に限定されるものではなく、2液型硬化性組成物の使用に際して従来より行なわれる方法が用いられるが、例えば、A剤とB剤を所定の割合で混合して得られる2液型硬化性組成物を、基板上に塗装した後に、5〜150℃の温度条件で硬化させ、その後、必要に応じて硬化養生させる。
上記硬化の方法としては、特に限定されるものではなく、2液型硬化性組成物の使用に際して従来より行なわれる方法が用いられるが、例えば、A剤とB剤を所定の割合で混合して得られる2液型硬化性組成物を、基板上に塗装した後に、5〜150℃の温度条件で硬化させ、その後、必要に応じて硬化養生させる。
本発明の複合材料は、基材上に上記接着剤により外装材を接着させてなるものである。これによって、密着性に優れた複合材料が得られる。
上記基板としては、特に限定されるものではなく、製造する複合材料の用途に応じて、セメント材等の無機化合物系、金属系、有機樹脂系、木材系等の種々の材料、及び合板、表面被覆材料等のこれらの加工材が用いられるが、本発明の2液型硬化性組成物の使用効果が顕著である金属系、有機樹脂系等の基材自体に水分の含有量が少ない材料が好ましく用いられる。
上記外装材としては、特に限定されるものではなく、製造する複合材料の用途に応じて、タイル、無機材料で作った化粧材等が用いられる。これによって、密着性に優れた複合材料が得られる。
上記基板としては、特に限定されるものではなく、製造する複合材料の用途に応じて、セメント材等の無機化合物系、金属系、有機樹脂系、木材系等の種々の材料、及び合板、表面被覆材料等のこれらの加工材が用いられるが、本発明の2液型硬化性組成物の使用効果が顕著である金属系、有機樹脂系等の基材自体に水分の含有量が少ない材料が好ましく用いられる。
上記外装材としては、特に限定されるものではなく、製造する複合材料の用途に応じて、タイル、無機材料で作った化粧材等が用いられる。これによって、密着性に優れた複合材料が得られる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた接着剤の硬化性の評価方法は、以下の通りである。
{接着剤の硬化性の評価方法}
得られた2液型硬化性組成物を用いて、湿度10%の環境下、ポリエステルメラミン塗装鋼板の上に、ヘラで500μmの厚みで2液型硬化性組成物を塗り、90℃で60分間加温した後、JISA−5758に規定するタックフリー試験により指触して表面硬化(タックの有無)を確認した。ここで、「タックなし」は表面硬化したことを表す。なお、硬化性の評価は、2液型硬化性組成物を構成するそれぞれの組成物、例えばA剤とB剤の調整直後と、それぞれを5℃の環境下3ヶ月間貯蔵後において混合するときに行なった。
{接着剤の硬化性の評価方法}
得られた2液型硬化性組成物を用いて、湿度10%の環境下、ポリエステルメラミン塗装鋼板の上に、ヘラで500μmの厚みで2液型硬化性組成物を塗り、90℃で60分間加温した後、JISA−5758に規定するタックフリー試験により指触して表面硬化(タックの有無)を確認した。ここで、「タックなし」は表面硬化したことを表す。なお、硬化性の評価は、2液型硬化性組成物を構成するそれぞれの組成物、例えばA剤とB剤の調整直後と、それぞれを5℃の環境下3ヶ月間貯蔵後において混合するときに行なった。
また、実施例及び比較例で用いた加水分解性シリル基を有する化合物(a)、(b)の製造方法は、以下の通りである。
{加水分解性シリル基を有する化合物(a)の製造方法}
数平均分子量3000のポリプロピレングリコール300gを撹拌機付プラスコに仕込み、次にトリレンジイソシアネート26gとジブチルスズジラウレート0.2gとを添加した後、100℃で5時間窒素ガス気流下にて撹拌しながら反応させた。その後、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン22.1gを添加し、100℃で3時間撹拌しながら反応させ、数平均分子量6600、末端にトリエトキシシリル基を有し、分子中に約2個の反応性ケイ素基を有するポリエーテルを得た。
{加水分解性シリル基を有する化合物(a)の製造方法}
数平均分子量3000のポリプロピレングリコール300gを撹拌機付プラスコに仕込み、次にトリレンジイソシアネート26gとジブチルスズジラウレート0.2gとを添加した後、100℃で5時間窒素ガス気流下にて撹拌しながら反応させた。その後、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン22.1gを添加し、100℃で3時間撹拌しながら反応させ、数平均分子量6600、末端にトリエトキシシリル基を有し、分子中に約2個の反応性ケイ素基を有するポリエーテルを得た。
{加水分解性シリル基を有する化合物(b)の製造方法}
ブチルアクリレート80g、ステアリルメタクリレート20g、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン2.2g、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン1.8g及び2、2´−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを混合撹拌し、均一に溶解させた。該混合物25gを撹拌機及び冷却管付の200mL4つ口フラスコに入れ、窒素ガスを通じながら油浴で80℃に加熱した。数分後重合が始まり発熱したが、その発熱が穏やかになってから、滴下ロートを用いて残りの混合液を3時間かけて徐々に滴下して重合させた。滴下終了後、15分後及び30分後にそれぞれAIBN0.15gずつを追加した。追加終了後、30分間撹拌を続け重合反応を終了させた。得られた液状ポリマーをゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)で測定したところ、数平均分子量は約10000であった。
ブチルアクリレート80g、ステアリルメタクリレート20g、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン2.2g、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン1.8g及び2、2´−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを混合撹拌し、均一に溶解させた。該混合物25gを撹拌機及び冷却管付の200mL4つ口フラスコに入れ、窒素ガスを通じながら油浴で80℃に加熱した。数分後重合が始まり発熱したが、その発熱が穏やかになってから、滴下ロートを用いて残りの混合液を3時間かけて徐々に滴下して重合させた。滴下終了後、15分後及び30分後にそれぞれAIBN0.15gずつを追加した。追加終了後、30分間撹拌を続け重合反応を終了させた。得られた液状ポリマーをゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)で測定したところ、数平均分子量は約10000であった。
また、実施例及び比較例で用いた2液型硬化性組成物を構成する組成物C(C−1、C−2、C−3、C−4)及び組成物D(D−1、D−2、D−3)の調整方法は、以下の通りである。
{C−1の調整方法}
加水分解性シリル基を有する化合物(a)100重量部、ジブチルスズジラウレート0.1重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及び炭酸カルシウム46重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{C−2の調整方法}
加水分解性シリル基を有する化合物(b)100重量部、ジブチルスズジラウレート0.1重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及び炭酸カルシウム46重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{C−3の調整方法}
加水分解性シリル基を有する化合物(a)100重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及び炭酸カルシウム46重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{C−4の調整方法}
加水分解性シリル基を有する化合物(b)100重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及び炭酸カルシウム46重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{C−1の調整方法}
加水分解性シリル基を有する化合物(a)100重量部、ジブチルスズジラウレート0.1重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及び炭酸カルシウム46重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{C−2の調整方法}
加水分解性シリル基を有する化合物(b)100重量部、ジブチルスズジラウレート0.1重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及び炭酸カルシウム46重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{C−3の調整方法}
加水分解性シリル基を有する化合物(a)100重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及び炭酸カルシウム46重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{C−4の調整方法}
加水分解性シリル基を有する化合物(b)100重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部及び炭酸カルシウム46重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{D−1の調整方法}
エピコート828(油化シェルエポキシ製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)50重量部、炭酸カルシウム25重量部、水2重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{D−2の調整方法}
エピコート828(油化シェルエポキシ製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)50重量部、ジブチルスズジラウレート0.1重量部、炭酸カルシウム25重量部、水2重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{D−3の調整方法}
エピコート828(油化シェルエポキシ製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)50重量部、及び炭酸カルシウム25重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
エピコート828(油化シェルエポキシ製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)50重量部、炭酸カルシウム25重量部、水2重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{D−2の調整方法}
エピコート828(油化シェルエポキシ製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)50重量部、ジブチルスズジラウレート0.1重量部、炭酸カルシウム25重量部、水2重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
{D−3の調整方法}
エピコート828(油化シェルエポキシ製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)50重量部、及び炭酸カルシウム25重量部を、三本ペイントロールを用いてよく攪拌した。
(実施例1)
組成物C−1の20重量部と組成物D−1の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
組成物C−1の20重量部と組成物D−1の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
組成物C−2の20重量部と組成物D−1の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
組成物C−2の20重量部と組成物D−1の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
組成物C−3の20重量部と組成物D−2の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
組成物C−3の20重量部と組成物D−2の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
組成物C−4の20重量部と組成物D−2の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
組成物C−4の20重量部と組成物D−2の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
組成物C−1の20重量部と組成物D−3の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
組成物C−1の20重量部と組成物D−3の10重量部とを混合して2液型硬化性組成物を製造し、その後上記{接着剤の硬化性の評価方法}にしたがって、硬化性を評価した。結果を表1に示す。
表1より、実施例1又は2では、2液型硬化性組成物が本発明のA剤とB剤を混合して製造され、本発明の方法に従って行われたので、3ヶ月後の硬化性も良好であり貯蔵安定性に優れ、かつ{接着剤の硬化性の評価方法}で用いられた低湿度の環境下かつ水分の含有量の低い基材においても、硬化反応が短時間で進行し十分な硬化性を有する接着剤が得られることが分かる。これに対して、比較例1〜3では、2液型硬化性組成物に用いられた組成物のいずれかの構成成分が、本発明のA剤とB剤の条件に合わないので、貯蔵安定性に問題があるとともに硬化性において満足すべき結果が得られないことが分かる。
(実施例3)
湿度10%の環境下、ポリエステルメラミン塗装鋼板の上に、500μmの厚みで実施例1と同様の方法で製造した2液型硬化性組成物を塗装し、その上にタイル板を貼り付けた。次いで、90℃で60分間加温し硬化させて、タイル板を接着させたの建材を得た。
得られた建材の密着性は外壁材として十分なものであった。これより、低湿度の環境下かつ水分の含有量の低い基材においても、硬化反応が短時間で進行し十分な硬化性を有する接着剤が得られ、さらに密着性に優れた複合材料が得られることが分かった。
湿度10%の環境下、ポリエステルメラミン塗装鋼板の上に、500μmの厚みで実施例1と同様の方法で製造した2液型硬化性組成物を塗装し、その上にタイル板を貼り付けた。次いで、90℃で60分間加温し硬化させて、タイル板を接着させたの建材を得た。
得られた建材の密着性は外壁材として十分なものであった。これより、低湿度の環境下かつ水分の含有量の低い基材においても、硬化反応が短時間で進行し十分な硬化性を有する接着剤が得られ、さらに密着性に優れた複合材料が得られることが分かった。
以上より明らかなように、本発明の2液型硬化性組成物、それよりなる接着剤及びそれを用いた複合材料は、特に建築材料分野で利用される塗装剤、パテ及び接着剤として好適である。
Claims (6)
- 加水分解性シリル基を有する化合物(a1)、金属触媒(a2)及びアミノ化合物(a3)からなる混合物(A)と、エポキシ基を有する化合物(b1)及び水(b2)からなる混合物(B)とを配合してなり、かつ、混合物(A)と混合物(B)との配合割合を、(a1)と(b1)との重量比で1:100〜100:1に設定することを特徴とする2液型硬化性組成物。
- 混合物(A)及び/又は混合物(B)に、充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、発泡剤から選ばれる少なくとも1種の配合剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の2液型硬化性組成物。
- (a1)と(b2)との配合割合を、重量比で5:1〜1:5に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の2液型硬化性組成物。
- 金属触媒(a2)は有機スズ塩類であり、かつアミノ化合物(a3)は第3級アミン塩類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2液型硬化性組成物。
- 請求項1〜4に記載の2液型硬化性組成物を硬化させてなる接着剤。
- 請求項5に記載の接着剤により基材上に外装材を接着させてなる複合材料。
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WO2006006512A1 (ja) * | 2004-07-14 | 2006-01-19 | Kaneka Corporation | 硬化性組成物 |
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2006
- 2006-04-27 JP JP2006123264A patent/JP2007291292A/ja active Pending
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