WO2004079883A1 - 着磁治具とそれを用いた着磁方法ならびにそれらを用いた電動圧縮機の組み立て方法 - Google Patents

Abstract

マグネットを内蔵した回転子を有する電動圧縮機において、安くて信頼性の高い電動圧縮機を実現できる着磁、組み立ての方法を提供する。非磁性体材料で形成された着磁治具（１００）に設けた複数の治具スロット（１０４）にマグネット（１３０）を挿入し、着磁後に着磁治具（１００）を回転子に嵌装して、マグネットスロットへマグネット（１３０）を移送する。

Description

明細書

着磁治具とそれを用いた着磁方法 ならびにそれらを用いた電動圧縮機の組み立て方法 技術分野

本発明は、 電動圧縮機の回転子に挿入されるマグネッ トの着磁 治具とそれを用いた着磁方法に関する。 さ らにそれらを用いた回 転子および電動圧縮機の組み立て方法に関する。 背景技術

近年、 地球環境に対する要求から家庭用冷蔵庫やエアコンは、 ますます省エネルギー化への動きが加速されている。 そういった 中、 冷媒電動圧縮機の分野では回転子の中に磁石を内蔵した電動 機の採用が増えている。 従来の磁石の着磁方法が特開 2 0 0 2 — 3 0 0 7 6 2号公報に開示されている。 それは、 固定子の卷線に 通電することで回転子の中に内蔵した磁石を着磁する方法である 以下、 図 1 1 と 1 2 を参照しながら上記従来の着磁方法につい て説明する。 図 1 1 は従来の電動圧縮機 （以後圧縮機という） の 密閉容器の縦断面図である。 図 1 2は従来の圧縮機の密閉容器を 二分割した後の上面図である。 密閉容器 1 には電動機 5およびこ の電動機 5 によって駆動される口一リ ングピス トン式の圧縮要素 1 0が収容されている。 電動機 5は未着磁のマグネッ ト 7 を内蔵 する回転子 8および密閉容器内周に固定される固定子 9から構成 される。 圧縮要素 1 0 を構成するシャフ ト 1 1 には回転子 8が嵌 装される。 固定子 9の卷線 1 3はワニスの含浸により固着されて いる。

以上のような構成の圧縮機において、 着磁方法を説明する。 シャフ ト 1 1 を回転しないよう所定の位置で固定し、 固定子の 巻線 1 3に所定の電流を供給する。 そして、 発生した磁界によつ て未着磁のマグネッ ト 7 は着磁される。 このような着磁方法は、 回転子に内蔵したマグネッ トへの着磁方法として従来から最も一 般的に採用されている。

しかしながらマグネッ トがネオジム系等の希土類磁石から構成 されている場合、 着磁には通常使用されているフェライ ト磁石に 比べ数倍の磁界の強さを必要とする。

磁界の強さは電流に比例するので、 強い磁界を得るには大電流 を必要とする。

着磁する場合、 一般にコンデンサ一に溜めた電気エネルギーを 瞬時に放電することで、 着磁に必要な大電流を得る。 この時、 固 定子の巻線は上記大電流によって加熱され、 また強力な磁界の影 響も加わり大きく変形し、 また損傷を起こしやすい。

特に回転子を構成する回転子鉄心部の周辺部に 2次導体を設け た同期モータの場合、 この 2次導体が着磁を阻害するため、 更に 強い電気エネルギーを必要とする。 その結果、 通常の巻線への通 電による着磁は巻線へのダメージが大きくなり、 実施が非常に困 難である。 これを防ぐために従来技術では、 固定子の巻線をヮニ スに含浸して固着する技術を提案している。 しかし、 ワニス含浸 にはかなりの工数増加を伴い、 コス トが高くなるとう欠点を有す る。 一方、 磁力の小さいマグネッ トであれば 既着磁のマグネ ッ トを回転子に内蔵することも可能である。 しかし、 磁力のはる かに大きいネオジム等の希土類磁石が着磁されていると、 マグネ ッ 卜が回転子鉄心に吸着してしまい、 極めて作業性が悪くなると いった欠点を有する。

本発明は、 上記諜題を解決し、 安くて信頼性の高い圧縮機およ びそれを実現するための着磁治具と着磁方法を提供する。 発明の開示

非磁性体材料からなる着磁治具であって、 マグネッ トを挿入す る複数の治具スロッ トを有する着磁治具を提供する。

さらに、 マグネッ トを挿入する複数の治具スロッ トを有する非 磁性体材料からなる着磁治具に、 未着磁の前記マグネッ トを挿入 する行程と、 前記着磁治具の外周に旋回させたコイルに通電する ことで前記マグネッ トを着磁する工程と、 前記着磁治具を回転子 の端部に嵌合する工程と、 既着磁マグネッ トを前記治具スロッ ト から押し出し、 マグネッ トスロッ トに移送挿入する工程とを備え た回転子の組み立て方法を提供する。 図面の簡単な説明

図 1 は本発明の実施の形態 1 の着磁治具の上面図である、。

図 2は本発明の実施の形態 1 の着磁治具の縦断面図である。 図 3は本発明の実施の形態 1 の回転子の上面図である。

図 4は本発明の実施の形態 1 の回転子の縦断面図である。

図 5は本発明の実施の形態 2のマグネッ ト挿入工程を示す斜視 図である。

図 6は本発明の実施の形態 2の着磁および計測工程を説明する 断面図である。

図 7は本発明の実施の形態 2の着磁治具嵌合工程を示す断面図 である。

図 8 は本発明の実施の形態 2 のマグネッ ト移送挿入工程を示す 断面図である。

図 9 は本発明の実施の形態 3の圧縮機の縦断面図である。

図 1 0 は本発明の実施の形態 4の圧縮機の縦断面図である。 図 1 1 は従来の圧縮機の縦断面図である。

図 1 2は従来の圧縮機の密閉容器を二分割した後の上面図であ る。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明の実施の形態を、 図面を参照しながら説明する。 なお、 本発明で用いられるマグネッ トはエネルギー積の大きい 磁石が望ましい。 特に希土類磁石、 例えば、 サマリウムーコバル ト系磁石、 ネオジム系磁石などが好ましく用いられる。 本実施の 形態では一例として、 ネオジム系磁石を用いる。

また、 鉄心部は軟磁性体材料を積層して構成される。 本実施の 形態では軟磁性体材料の一例として、 珪素鋼鈑を用いる。

なお、 図面は模式図であり各寸法位置を正しく示したものでは ない。

(実施の形態 1 )

図 1〜図 4に示すように、 着磁治具 1 0 0は略円筒形をなし、 非磁性体材料であるステンレススチ一ルから形成される。

着磁治具 1 0 0は、 その中心にシャフ トを嵌合するために穿孔 した貫通孔 1 0 2 と、 この貫通孔の軸心方向にマグネッ トを揷入 するための治具ス ロ ッ ト 1 0 4 とを有している。 治具ス ロ ッ ト 1 0 4は、 貫通孔 1 0 2 を囲うように 4箇所に穿孔されている。 各治具スロッ ト 1 0 4 の中心近傍には 各治具ス ロ ッ ト 1 0 4 の幅より大きい径の押し出しピン穴 1 0 6 を設ける。

2極の磁石型電動機を形成する回転子 1 1 0は、 珪素鋼板を積 層することで形成された鉄心部 1 1 2 と、 鉄心部 1 1 2の両端面 にアルミのダイキャス トで形成されたエンドリ ング 1 1 4 とを備 えている。

鉄心部 1 1 2 の外周近傍にはエンドリ ング 1 1 4を連通するァ ルミのダイキャス トでできた複数の 2次導体部 1 1 5が設けられ る。 また鉄心部 1 1 2 にはシャフ トが圧入されるシャフ ト穴 1 1 6が穿孔され、 その周囲を囲うように、 マグネッ トを収容するマ グネッ トスロッ ト 1 1 8が設けられている。 エンドリ ング 1 1 4 の内周形状は、 両端が削られた略楕円状をなしている。 鉄心部 1 1 2の下端面にはマグネッ トスロッ ト 1 1 8の下端開口端を封止 する端版 1 1 9が固定されている。

着磁治具 1 0 0の外周形状は、 回転子 1 1 0のエンドリ ング 1 1 4が形成する、 両端が削られた略楕円である。 そして、 着磁治 具 1 0 0 は、回転子 1 1 0の上端面に嵌合するようになつている。

また、 着磁治具 1 0 0 に設けた 4つの治具スロッ ト 1 0 4は着 磁治具 1 0 0が回転子 1 1 0 に嵌装された時、 回転子 1 1 0 のマ グネッ トス口ッ ト 1 1 8 と対向一致するように形成されている。 以上のような構成において、 着磁されたマグネッ トが揷入され た着磁治具 1 0 0 を回転子 1 1 0 の上端面に嵌装する。 そして、 マグネッ トを着磁治具 1 0 0から回転子 1 1 0 のマグネッ トス口 V ト 1 1 8へ押し出す。 このようにして、 マグネッ トをマグネッ トスロッ ト 1 1 8へ装填することができる。

この際、 着磁治具 1 0 0 を形成しているステンレススチ一ルは 非磁性体材料であるため、 マグネッ トは着磁治具 1 0 0 には吸着 しない。 その結果、 マグネッ トを着磁治具 1 0 0から回転子 1 1 0のマグネッ トスロッ ト 1 1 8へ押し出す際に、 小さな抵抗で押 し出すことができる。 つまり、 スムーズな作業が可能であり、 且つマグネッ ト本体への傷付き等を防ぐことができる。 このこと は、 ネオジゥムのような強力な磁力を有するマグネッ トを取り扱 う時には、 非常に重要である。

またマグネッ トはマグネッ ト同士の磁力によって、 着磁治具 1 0 0内に保持されている。 その結果、 治具スロッ ト 1 0 4が重力 方向に向いてもマグネッ トは落下しないので、 作業性が非常に良 い。 そして、 マグネッ トを着磁治具 1 0 0から回転子 1 1 0 のマ グネッ トスロッ ト 1 1 8へ押し出す際には、 各治具スロッ ト 1 0 4に設けた押し出しピン穴に各々 ピンを挿入して押し出す。 この ようにして、 同時にしかも確実に各マグネッ トをそれぞれのマグ ネッ トスロッ ト 1 1 8の所定の位置に装填することができる。 以上のように本実施の形態によれば、 圧縮機の組み立て工程に おいて極めて良好な作業性をもたらす着磁治具が実現できる。

なお、 本実施の形態において着磁治具 1 0 0は非磁性体材料で あるステンレススチ一ルから形成したが、 他の非磁性体材料材料 である、 非鉄系金属や樹脂材料を用いてよい。

例えば、 アルミ合金にアルマイ ト処理を施し表面硬度を高めた 非鉄金属や、 四フッ化工チレンのように自己潤滑性のある樹脂材 料などが好ましい。

(実施の形態 2 )

本実施の形態においては本発明による回転子および圧縮機の組 み立て方法について述べる。

まず、 マグネッ トを着磁治具に挿入する工程を説明する。

図 5 において、 着磁治具 1 0 0 に設けた 4つの治具スロッ ト 1 0 4に、 未着磁のマグネッ ト 1 3 0 をそれぞれ挿入する。 挿入後 に、 マグネッ ト 1 3 0が自重で治具スロッ ト 1 0 4から落下しな いよう、 着磁治具 1 0 0を重力に対し略垂直の向きに保持する。 重力に対し略垂直の向きに保持したここでマグネッ ト 1 3 0は未 着磁であるため、 治具スロッ ト 1 0 4への挿入時はマグネッ ト 1

3 0相互間の磁気引力が働かない。 そのため、 揷入は極めて容易 である。 以上で未着磁のマグネッ トを着磁治具に挿入する工程は 完了する。 次に、 マグネッ トを着磁する工程を説明する。

図 6 に示すように、 略円筒状に巻回された着磁コイル 1 4 0 に は、 大電流を供給できる電源 （図示せず） が接続されるとともに、 略円筒状に巻回されたサーチコイル 1 4 2が併設されている。

なお、 着磁コイル 1 4 0、 サーチコイル 1 4 2 ともにワニスの 含浸によって固着されている。

未着磁のマグネッ トが挿入された着磁治具は治具スロッ ト 1 0 4を重力に対し略垂直の向きに保持した状態のまま着磁コイル 1

4 0内に搬入される。 搬入は専用の治具 （図示せず） によって着 磁コイル 1 4 0内の所定の位置に保持される。

その後、 上記電源 （図示せず） から着磁コイル 1 4 0 に所定の 電流が供給されることで、 マグネッ ト 1 3 0の着磁は完了する。 所定の電流とは、 使用するマグネッ トを十分に着磁できる磁界 を与えるのに十分な電流を意味している。 その後、 サーチコィル 1 4 2 によってマグネッ ト 1 3 0 の磁束を測定するので、 着磁ミ スを予防することができる。

以上で着磁治具の外周に旋回させたコイルに通電することでマ グネッ トを着磁する工程と、 サーチコイルによってマグネッ 卜の 磁束を測定する工程は完了する。

次に、 着磁治具を回転子の端部に嵌合する工程について説明す る。 図 7 に示すように、 圧縮機の機械部 1 9 0は、 固定子 2 0 3 および回転子 1 1 0からなる電動機 2 0 5 と、 電動機 2 0 5 によ つて駆動される圧縮要素 2 1 0 とから成っている。 機械部 1 9 0 は、 回転運動するシャフ ト 2 1 2 と、 シャフ ト 2 1 2 を軸支する とともに圧縮室 2 1 4を形成するシリ ンダー 2 1 6 とを備えてい る。 シャフ ト 2 1 2 に回転子 1 1 0 を固定した後、 シリ ンダー 2 1 6 には一定の厚さを持ったスぺ一サーを回転子 1 1 0 との間 に挟んで固定子 2 0 3 を固定する。 その後、 スぺ一サ一を取り除 く。 このようにして、 固定子 2 0 3 は回転子 1 1 0 との間に、 所 定の隙間 2 2 0 を保持する。 所定の隙間とは、 通常 1 m m以下で あり、 好ましくは 0 . 5 m m程度である。

この際、 回転子 1 1 0には未だマグネッ ト 1 3 0は挿入されて いないため、 マグネッ トの磁力の影響による偏りを生ずることな い。 そして、 固定子 2 0 3 と回転子 1 1 0 との隙間 2 2 0は全周 に渡ってほぼ均一な寸法精度が維持されている。

以上のように組み立てられた機械部 1 9 0 に対して、 回転子 1 1 0の上端面に着磁の完了したマグネッ ト 1 3 0 を収納した着磁 治具 1 0 0 を嵌装する。

以上で着磁治具を回転子の端部に嵌合する工程は完了する。 最後に、 マグネッ 卜をマグネッ トスロッ トに移送挿入する工程 を説明する。 図 8 に示すように、 回転子 1 1 0 には着磁治具 1 0 0が嵌装されている。 そして、 押し出しピン穴 1 0 6 に各々揷入 された棒状の押し出しピン 1 8 0 を、 部材 1 8 2 を介して下方に 揷圧する。 このようにして、 マグネッ ト 1 3 0は鉄心部 1 1 2 に 設けられたマグネッ トスロッ ト 1 1 8 に移送される。 そしてマグ ネッ ト 1 3 0は端版 1 1 9に当り止ることで所定の位置に収納さ れる。 以上で既着磁マグネッ ト 1 3 0 を治具スロッ ト 1 0 4から 押し出し、 マグネッ トスロッ ト 1 1 8 に移送揷入する工程は完了 する。

以上のように本実施の形態によれば既着磁のマグネッ トを極め て容易にかつスムーズに回転子に収納することができる。 そのた め、 作業性がよい。 さ らに、 固定子に過大な電流を流すことが無 いので、 固定子の巻線をヮ ίニス含浸する必要もない。 これらの結 果、 安価で信頼性の高い圧縮機を得ることができる組み立て方法 を提供できる。

(実施の形態 3 )

図 9 において、 密閉容器 2 0 0は、 固定子 2 0 3および回転子 1 1 0からなる電動機 2 0 5 と、 電動機 2 0 5 によって駆動され る圧縮要素 2 1 0 とを収容している。

圧縮要素 2 1 0 は回転運動するシャフ ト 2 1 2 と .. シャフ ト 2 1 2 を軸支するとともに圧縮室 2 1 4を形成するシリ ンダー 2 1 6 とを備えている。 シャフ ト 2 1 2 には回転子 1 1 0が固定さ れ、 シリ ンダー 2 1 6 には固定子 2 0 3が回転子 1 1 0 と所定の 隙間 2 2 0 を保ってシャフ ト 2 1 2 と同軸状に固定されている。

回転子 1 1 0は、 鉄心部 1 1 2 と、 鉄心部 1 1 2 の両端面にァ ルミのダイキャス 卜で形成されたエンドリ ング 1 1 4 とを備えて いる。 鉄心部 1 1 2 の外周近傍にはェン ド リ ング 1 1 4を連通す るアルミのダイキャス トでできた複数の 2次導体部 1 1 5が設け られる。 さらに、 マグネッ トを収容するマグネッ トスロッ ト 1 1 8にはマグネッ ト 1 3 0 を収容している。 このようにして、 2極 の磁石型電動機を形成している。 鉄心部 1 1 2の下端面にはマグ ネッ トスロッ ト 1 1 8 の下端開口端を封止する端版 1 1 9が固定 されている。 そして、 マグネッ トスロッ ト 1 1 8の上端開口端は 封止用の端版を設けることなく開放した状態としている。 また、 圧縮機の組み立て方法は実施の形態 2 と同様である。

以上のような構成において次に動作を説明する。

固定子 2 0 3 に、 家庭用電源より通電されると回転子 1 1 0は シャフ ト 2 1 2 とともに回転する。 これに伴い圧縮要素 2 1 0は 圧縮室 2 1 4内で吸入ガスを圧縮する所定の圧縮動作をおこなう 圧縮機の組み立て方法は実施の形態 2で述べた方法を用いてい るため、 作業性がよく、 かつ固定子に過大な電流を流すことが無 いので信頼性の高い圧縮機を得ることができる。

また固定子の巻線をワニス含浸する必要も無く安価な圧縮機を 得ることができる。

更には所定の位置に収納されたマグネッ ト 1 3 0 はマグネッ ト スロッ 卜 1 1 8内で珪素鋼板に吸着しているため、 相当の力がか からないと所定の位置からずれることは無い。 従って少なく とも マグネッ トスロッ ト 1 1 8の挿入側開口部 （上端面） を封止する 必要が無いので、 挿入側開口部側の端板は不要となる。

加えて押し出しピン穴 1 0 6 に各々挿入された棒状の押し出し ピン 1 8 0 を、 部材 1 8 2 を介して下方に所定距離挿圧すること により、 マグネッ ト 1 3 0は鉄心部 1 1 2 に設けられたマグネッ トスロッ ト 1 1 8の所定の位置に収納される。 従って本実施の形 態で述べた端板 1 1 9 を省く ことも可能である。 その結果、 部品 点数の少ない安価な圧縮機を得ることができる。

以上のように本実施の形態によれば信頼性が高く、 部品点数の 少ない安価な圧縮機を得ることができる。

(実施の形態 4 )

実施の形態 3 と同一構成については、 同一符号を付して詳細な 説明を省略する。

図 1 0 に示すように、 密閉容器 2 0 0は固定子 3 0 3および回 転子 3 1 0からなる電動機 3 0 5 と、 電動機 3 0 5 によって駆動 される圧縮要素 2 1 0 とを収容している。

圧縮要素 2 1 0は、 回転運動するシャフ ト 2 1 2 と、 シャフ ト 2 1 2 を軸支するとともに圧縮室 2 1 4を形成するシリ ンダー 2 1 6 とを備えている。

シャフ ト 2 1 2 には回転子 3 1 0が固定され、 シリ ンダ一 2 1 6 には固定子 3 0 3が回転子 3 1 0 と所定の隙間 3 2 0 を保って シャフ ト 2 1 2 と同軸状に固定されている。

回転子 3 1 0 は、 鉄心部 3 1 2 にマグネッ トを収容するマグネ ッ トスロッ ト 3 1 8 を形成し、 マグネッ トスロッ ト 3 1 8 にはマ グネッ ト 3 3 0 を収容している。 このようにして、 インバー夕駆 動用 D Cモ一夕を構成している。 鉄心部 3 1 2の下端面にはマグ ネッ トスロッ ト 3 1 8 の下端開口端を封止する端版 3 1 9が固定 されている。圧縮機の組み立て方法は実施の形態 2 と同様である。 以上のような構成において次に動作を説明する。

固定子 3 0 3 にインバ一タ駆動回路 （図示せず） より通電がさ れると、 回転子 3 1 0はシャフ ト 2 1 2 とともに回転する。

これに伴い圧縮要素 2 1 0は、 圧縮室 2 1 4内で吸入ガスを圧 縮する所定の圧縮動作をおこなう。

圧縮機の組み立て方法は実施の形態 2で述べた方法を用いてい るため、 作業性がよい。 かつ固定子に過大な電流を流すことが無 いので、 信頼性の高い電動圧縮機を得ることができる。

また固定子の巻線をワニス含浸する必要も無いので、 安価な圧 縮機を得ることができる。

更には所定の位置に収納されたマグネッ 卜 3 3 0はマグネッ ト スロッ ト 3 1 8内で珪素鋼板に吸着しているため、 相当の力がか からないと所定の位置からずれることは無い。 従って少なく とも マグネッ トスロッ ト 3 1 8の揷入側開口部 （上端面） を封止する 必要が無いので、 挿入側開口部側の端板は不要となる。

加えて押し出しピン穴 1 0 6 に各々挿入された棒状の押し出し ピン 1 8 0 を、 部材 1 8 2 を介して下方に所定距離揷圧すること で、 マグネッ ト 3 3 0 は鉄心部 3 1 2 に設けられたマグネッ トス ロッ ト 3 1 8の所定の位置に収納される。 従つて本実施の形態で 述べた端板 3 1 9 を省く ことも可能である。 その結果、 部品点数 の少ない安価な圧縮機を得ることができる。 以上のように本実施の形態によれば信頼性が高く、 部品点数の 少ない安価な圧縮機を得ることができる。

以上説明したように、 本発明は以下の効果を有している。

着磁後のマグネッ トの押圧搬出が容易であるため、 作業性の良 好な着磁治具が得られる。

また、 強い磁力を有する希土類磁石からなるマグネッ トにおい ても作業性の良好な着磁治具が得られる。

着磁後のマグネッ トを治具スロッ 卜から回転子スロッ トへと押 圧移送しやすい作業性の良好な着磁治具が得られる。

固定子巻線に通電せずに着磁できるため、 信頼性が高く、 かつ 安価な圧縮機が実現できる回転子の組み立て方法を提供できる。

マグネッ トの着磁済みを確認できるので、 確実に着磁されたマ グネッ トを備えた回転子の組み立て方法が得られる。

固定子が回転子と所定の隙間を保って固定されているため、 マ グネッ トの影響で前記所定の隙間が狂う ことが無い、 信頼性の高 い圧縮機を組み立てることができる。

電動機は回転子を構成する回転子鉄心部の周辺部に設けられた 2次導体と、 前記回転子鉄心部に埋め込まれたマグネッ トとを備 えた 2極の永久磁石型電動機であるので、 容易にかつ確実に 2極 の永久磁石型電動機を備えた圧縮機を組み立てることができる。

さらに、 容易にかつ確実にインバー夕駆動用 D Cモー夕を備え た圧縮機を組み立てることができる。

磁化されたマグネッ 卜がマグネッ トスロッ ト内で自己保持され 封止するための部材が不要となるので、 部品点数が少なく、 安価 な圧縮機を提供できる。 部品点数と組み立て工数の少ない安く て信頼性の高い 2極の永 久磁石型電動機を実現できる。

部品点数と組み立て工数の少ないインバータ駆動用 D Cモータ を備えた圧縮機を実現できる。 産業上の利用の可能性

本発明は、 部品点数が少なく 、 容易にかつ確実に組み立てられ る電動圧縮機を提供できる。

Claims

請求の範囲

1 . 非磁性体材料からなる着磁治具であって、 マグネッ トを 挿入する複数の治具スロッ トを有する着磁治具。

2 . 前記マグネッ トは希土類磁石からなる請求項 1 に記載の 着磁治具。

3 . 前記着磁治具は、 回転子端部の所定の位置に嵌合する形 状を有し、 前記回転子に前記着磁治具を嵌合した時、 前記回転子 を構成する回転子鉄心部に設けられた複数のマグネッ トスロッ ト に前記複数の治具スロッ トが各々対応するようにした請求項 1 に 記載の着磁治具。

4 . 未着磁の前記マグネッ トを請求項 3 に記載の前記着磁治 具に挿入する工程と、 前記着磁治具の外周に旋回させたコイルに 通電することで前記マグネッ トを着磁する工程と、 前記着磁治具 を前記回転子に嵌合する工程と、 既着磁前記マグネッ トを前記治 具スロッ トから押し出し、 前記マグネッ トスロッ トに移送挿入す る工程とを有する回転子の組み立て方法。

5 . 前記マグネッ トを着磁する工程の後に、 着磁のコイルと は別に設けたサーチコイルによって前記マグネッ トの磁束を測定 する工程を有する請求項 4に記載の回転子の組み立て方法。

6 . 密閉容器内に固定子および回転子からなる電動機と、 前 記電動機によって駆動される圧縮要素とを収容し、 前記圧縮要素 は、 回転運動するシャフ トと、 前記シャフ トを軸支するとともに 圧縮室を形成するシリ ンダーとを有する電動圧縮機であって、 前 記シャフ トに前記回転子が固定され、 前記シリ ンダ一に前記固定 子が前記回転子と所定の隙間を保って同軸状に固定された後、 請 求項 4に記載の組み立て方法によって前記マグネッ トスロッ トに 既着磁マグネッ 卜が移送挿入される電動圧縮機の組み立て方法。

7 . 請求項 6 に記載の組み立て方法によって組み立てられた 電動圧縮機。

8 . 前記電動機は、 前記回転子を構成する前記回転子鉄心部 の周辺部に設けられた 2次導体と、 前記回転子鉄心部に嵌装され た前記マグネッ トとを有する 2極の永久磁石型電動機である請求 項 7 に記載の電動圧縮機。

9 . 前記電動機はインバー夕駆動用 D Cモータである請求項 7 に記載の電動圧縮機。

1 0 . 密閉容器内に、 固定子およびマグネッ トを内蔵した回 転子からなる電動機と、 前記電動機によって駆動される圧縮要素 とを収容した電動圧縮機であって、 前記回転子を構成する回転子 鉄心部には前記マグネッ トを収納する複数のマグネッ トスロッ ト を連通形成するとともに、 前記マグネッ トスロ ッ トのマグネッ ト 揷入側開口部を開放したことを特徴とする電動圧縮機。

1 1 . 前記マグネッ トは希土類磁石からなる請求項 1 0 に記 載の電動圧縮機。

1 2 . 前記電動機は、 前記回転子を構成する回転子鉄心部の 周辺部に設けられた 2次導体と、 前記回転子鉄心部に嵌装された 前記マグネッ トとを有する 2極の永久磁石型電動機である請求項 1 0 に記載の電動圧縮機。

1 3 . 前記電動機はインバ一タ駆動用 D Cモータである請求 項 1 0 に記載の電動圧縮機。

1 4 . 請求項 1 0 、 1 2 、 1 3のいずれか 1項に記載の電動 圧縮機であって、 請求項 4から請求項 6のいずれか 1項に記載の 組み立て方法によって組み立てられた電動圧縮機。