JP6714907B2 - 回転子、電動機、密閉型圧縮機および回転子の製造方法 - Google Patents
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Description
永久磁石を磁石挿入穴に挿入するときには、永久磁石の外周面に回転子の軸方向から荷重をかけるが、支持部は、常に永久磁石の外周面に回転子の円周方向および半径方向から付勢力を与えている。したがって、永久磁石を磁石挿入穴に挿入するときには、磁石挿入穴の内周面からの摩擦力や支持部の付勢力などの抗力に、打ち勝つ荷重にて挿入されるので、大きな挿入する荷重が必要である。挿入性を良くするため、支持部の付勢力を弱めると、磁石挿入穴内で、永久磁石が固定できず、振動音が発生する。そのため、永久磁石を磁石挿入穴に挿入するときには、永久磁石にかかる大きな荷重によって、永久磁石の割れや欠けが発生する場合があり、課題であった。対策として、永久磁石に別途加工を施すなどの不要な加工が必要であり、さらに課題であった。また、永久磁石を磁石挿入穴に挿入するときには、磁石挿入穴の抗力に打ち勝ちながら挿入するので、その荷重を発生させる設備投資、製造コストも大きいという課題があった。
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における密閉型の回転圧縮機を示す縦方向すなわちクランクシャフトの半径方向から見た断面図である。
図1に示すように、密閉型圧縮機100は、密閉容器1の内部に圧縮機構部2と、圧縮機構部2の上方に電動機構部3と、が収納されて構成されている。密閉容器1の内部は、圧縮された冷媒ガスにて満たされるので、密閉容器1は、機密性、耐熱性、強度が要求される容器である。密閉容器1は、上部容器11と下部容器12とで、構成されている。電動機構部3と圧縮機構部2とは、クランクシャフト4にて連結され、圧縮機構部2は電動機構部3によって駆動される。
シリンダ22には、ほぼ円筒形で、軸方向の両端が開口された内部空間が設けられている。内部空間の軸方向両端の開口部は、それぞれ、主軸受23および副軸受24にて閉塞されている。シリンダ22の内部空間には、クランクシャフト4の偏芯軸部43とローリングピストン21とが収納されている。シリンダ22には、その内部空間の半径方向に溝が設けられており、溝内を半径方向に往復運動する図示しないベーンが備えられている。ベーンは、その一端がローリングピストン21の外周面に当接され、ローリングピストン21の外径側の外周面とシリンダ22の内部空間の内周面とによって形成される空間を2つに分けている。これにより、シリンダ22内に、冷媒ガスを圧縮する圧縮室が形成される。
同様に、副軸受24には、クランクシャフト4の副軸部42を挿通する軸受孔が設けられている。副軸受24は、その軸受孔に挿通された副軸部42を支持することで、クランクシャフト4を回転自在に支持する。
吐出マフラ25の上部には、開口部25aが設けられており、マフラ室内の冷媒ガスは開口部25aを介して、密閉容器1内に放出される。
まず、吸入マフラ101、吸入連結管5、吸入口を介して、シリンダ22に形成された圧縮室に冷媒ガスが吸入される。圧縮室では、ローリングピストン21、すなわち、偏芯軸部43が、偏芯軸部43の偏芯回転により、シリンダ22の内部空間を移動して、吸入口との連通が断たれる。さらに、ローリングピストン21が偏芯回転していくと、圧縮室の容積が縮小し、吸入した冷媒ガスを圧縮する。ローリングピストン21の偏芯回転が進むにしたがって、圧縮室は吐出口と連通する。圧縮室と吐出口が連通し、冷媒ガスが所定の圧力に到達すると、吐出口を閉塞している吐出弁が開口する。吐出口が開口すると、圧縮室内の冷媒ガスは、吐出口を介して、吐出マフラ25のマフラ室内に吐出される。ローリングピストン21が偏芯回転していくと、吐出ポートとの連通が断たれ、再び、吸入ポートと連通される。これが繰り返されることによって、圧縮機構部2は、冷媒ガスを吸入、圧縮、吐出を行う。一連の動作は、ローリングピストン21がシリンダ22の内部空間内を一回転する間に行われる。
電動機構部3の構成について、説明する。図2は、密閉型圧縮機100を電動機構部3の部分にて、クランクシャフト4に対して垂直な平面にて切断した断面図である。電動機構部3の構成は、図1と図2とを使用して、説明していく。
電動機構部3は、回転子31と、その回転子31の外側を囲むように設けられた固定子32と、から構成される。
回転子31は、回転子31の中心軸上に、軸方向に貫通するシャフト穴31bが設けられている。回転子31のシャフト穴31bには、クランクシャフト4の主軸部41が挿通され、焼嵌などにより、固定されている。
固定子32は、密閉容器1内に挿入され、焼嵌などにより、密閉容器1の内周面に固定されている。すなわち、固定子32の半径方向の外周面と密閉容器1の内周面とが接して、固定されている。
図2は、ティース32cごとに、バックヨーク32bにて分離して、形成し、固定子巻線37を巻き回した後、成形品を、バックヨーク32bにて、円環状につなぎ合わせて、固定子鉄心32a、すなわち、固定子32を形成したものである。これは、製造方法の一例であって、本願の特徴は、この方法に限られるものではない。
なお、拘束部の拘束溝には、固定子巻線37以外に、渡り線やリード線39も、拘束される。
接続端子7は、密閉容器1の上部容器11に設けられた端子で、密閉容器1の内外を電気的に接続する。これにより、絶縁部材38の拘束部に拘束された固定子巻線37および渡り線を、リード線39、端子39a、接続端子7を介して、外部の電源装置とつなぎ、電気的に導通させる。
なお、接続端子7は、下部容器12に設けられていても構わない。
永久磁石33は磁束を発生し、回転子鉄心31aすなわち回転子31に磁界を形成する。
なお、連通孔36以外にも、回転子31と固定子32との隙間や、固定子32の隙間、固定子32と密閉容器1との隙間を介して、圧縮機構部2から吐出された冷媒ガスは、吐出管6へ送り出される。
永久磁石33は、組立時に、磁石挿入穴31cの軸方向の開口部から挿入される。そのとき、永久磁石33には磁石挿入穴31cの内周面との摩擦力や支持部の付勢力がかかる。これらの抗力に、打ち勝つ荷重にて、挿入するため、大きな挿入する荷重が必要である。この荷重が大きすぎると、永久磁石33の割れや欠けなどの破損が発生する。永久磁石33の破損を避け、挿入性を良くするため、付勢力を弱めると、磁石挿入穴31c内で、永久磁石33が適正な位置で固定できない課題や、回転子31の回転運動中に、永久磁石33を磁石挿入穴31c内の適正な位置に固定しておくことができない課題がある。その結果、電動機構部3から振動音が発生する。強いては、回転子31に適正は磁束分布が形成されず、電動機構部3の発生トルクは低下し、効率も低下する。
なお、電動機構部3は、密閉容器1内に設けられているので、組立後は、永久磁石33の位置を修正などの作業はできない。
対策として、永久磁石33の破損を防止するため、永久磁石33に別途加工を施すなどの不要な加工が必要である。
そこで、本願では、永久磁石33を、荷重をかけずに磁石挿入穴31cへ挿入し、挿入後、支持部によって固定できるようにした。
具体的な構成は、図3にて説明していく。
第1の電磁鋼板51および第2の電磁鋼板54には、その板の中心にシャフト穴31bを構成する穴52、55が設けられている。同様に、第1の電磁鋼板51および第2の電磁鋼板54には、磁石挿入穴31cを構成する穴53、56が、板の中心すなわちシャフト穴31bを構成する穴52、55に対して外縁側に複数個設けられている。そして、磁石挿入穴31cを構成する穴53、56は、シャフト穴31bを構成する穴52、55を囲むように配置されている。
第2の電磁鋼板54の穴56の短辺56c、56dには、支持部57、58が設けられている。また、支持部57、58は、第2の電磁鋼板54の半径方向の外縁側、すなわち、穴56の第1の長辺56a側に、設けられている。すなわち、支持部57、58は、磁石挿入穴31cを構成する第2の電磁鋼板54の穴56において、短辺56c、56d、かつ、シャフト穴31bを構成する穴55とは反対側の第1の長辺56a側に設けられている。
また、支持部57、58は、対向する位置に配置されている。
同様に、第2の支持部58も、穴56の第2の短辺56dに対向する第1の短辺56cの方向に突き出した凸部であり、凸部の中央に設けられた小径の穴58aと、その小径の穴58aと磁石挿入穴31cを構成する穴56とに挟まれた薄肉部58bと、にて構成される。薄肉部58bは、穴56の短辺56cに向かって突き出している。
穴57a、58aは、円形であっても、円形とは異なる形状であっても構わない。薄肉部57bの穴57aと穴56とを結ぶ最短距離は、穴57aの直径より小さい。薄肉部58bの穴58aと穴56とを結ぶ最短距離も、穴58aの直径より小さい。
穴57a、58aの直径は、任意であるが、少なくとも、短辺56c、56dより小さい。
なお、短辺56c、56dは、支持部57、58を含めて、短辺56c、56dと称し、支持部57、58を含まない短辺56c、56dの部分は、短辺56e、56fとする。
一方、小径の穴57a、58aは、復元力があり、元に戻る方向に、弾性力が働く。すなわち、第1の支持部57と第2の支持部58とは、互いに対向する方向に、弾性力である付勢力が働き、薄肉部57b、58bが挟持された永久磁石33を押圧し続ける。これにより、永久磁石33は、第1の支持部57と第2の支持部58との間に固定されることになる。
永久磁石33は、穴53、56に挿入された時点では、第1の電磁鋼板51、第2の電磁鋼板54の中心側、すなわち、穴53、56の長辺53b、56b側であって、短辺56eと56fとの間に配置される。永久磁石33と、穴53、56の長辺53a、56aとは、離れており、その間には隙間形成されている。また、永久磁石33と、穴53の短辺53c、53dと、穴56の短辺56c、56dとの間にも、隙間が形成されている。
なお、永久磁石33と、穴53、56の長辺53b、56bとの間も、永久磁石33の挿入時の摩擦となるので、接していないことが望ましい。
永久磁石33が、第1の支持部57と第2の支持部58との間に挟持されると、永久磁石33は、第1の電磁鋼板51、第2の電磁鋼板54の中心と反対側の半径方向の外縁側に配置される。すなわち、穴53、56の長辺53a、56a側に配置される。永久磁石33と、穴53、56の長辺53b、56bとは離れ、その間には隙間形成される。また、永久磁石33と、穴53の短辺53c、53dとの間にも、隙間形成されている。一方、永久磁石33は、穴56の短辺56c、56d、すなわち、第1の支持部57の薄肉部57bおよび第2の支持部58の薄肉部58bと、接する配置となる。
第1の支持部57と第2の支持部58との間の寸法をGは、永久磁石33の長辺の寸法をHまで、広げられることになる。
磁石挿入空間59eに挿入された永久磁石33は、磁石挿入穴31cの中で、回転子鉄心31aの半径方向の外周側に移動することで、支持部57、58に挟持される。すなわち、支持部57、58は、磁石挿入空間59e側から支持部入口59gを介して永久磁石33が挟入されることで、挟持し、支持する。
図12は、永久磁石33が支持部57、58に挟持し、支持されたところである。なお、永久磁石33の外周面と磁石挿入穴31cの第2の内周面59bとの間、全面には、磁石背面隙間59hが形成される。
支持部57、58は、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの半径方向の外周側、すなわち、回転子鉄心31aの中心とは反対側に設けられているので、永久磁石の素体33aは、支持部57、58と接触しても挟持はできていない。
このとき、永久磁石33bの持つ磁界と着磁コイル200の着磁磁界の相互作用によって、永久磁石33bを回転子鉄心31aの半径方向の外周側に引き寄せる磁気吸引力F1が働く。この磁気吸引力F1よって、永久磁石33bは磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの半径方向の外周側すなわち第1の内周面59a側に引き寄せる。その結果、支持部57と58との間に押し込まれる。すなわち、支持部入口59gを介して、支持部57と58との間に挟入される。支持部57、58は、変形と、弾性力を発生する。すなわち、支持部57、58から永久磁石33cに向かって付勢力F2が発生し、永久磁石33cを挟持する。そして、支持部57、58は、永久磁石33cを回転子鉄心31aの円周方向から押圧し、支持される。すなわち、永久磁石33cは磁石挿入穴31cの中で固定される。
さらに、支持部は、一方の内周面に設けられているだけでも構わない。もう一方の面が、弾性力を持たない構造であっても、支持部が弾性力を備えているので、支持部と内周面の間にて、永久磁石を挟持することができる。
なお、永久磁石が磁石挿入穴の中で、適切な位置に固定されているか確認するためには、回転子鉄心の両端面に装着する端板に、永久磁石の外周面および磁石挿入穴の内周面が確認できる小窓を設けておけば良い。その小窓から、磁石挿入穴に対する永久磁石の位置が確認できる。
クランクシャフトは、回転子鉄心に焼嵌などにより、嵌入、固定される。そのとき、加工熱が回転子鉄心に伝達される。永久磁石は、希土類にて構成されていると、熱による減磁が誘発される。一般的には、永久磁石とクランクシャフトとの間に、スリットを設けて、熱が伝達されないように、構成している。
しかしながら、本願の実施の形態1.構成の場合、クランクシャフトと永久磁石との間に磁石背面隙間が形成されており、この磁石背面隙間が加工熱の伝達を遮断する。加工熱を伝達させないように設けるスリットは不要となり、加工が簡素化できる。一方、磁石背面隙間が設けられることによって、従来同様、永久磁石の熱に対する減磁耐力を向上させることができ、信頼性の高い回転子、電動機を得ることができる。
実施の形態1では、電動機構部の回転子において、回転子の半径と直交する方向の両方の内周面に支持部を設け、永久磁石の回転子の半径と直交する外周面を挟持する仕組みの例について説明した。しかしながら、永久磁石を挟持する方向は、必ずしも、永久磁石の回転子の半径と直交する方向でなくても構わない。実施の形態2では、回転子の軸方向で、永久磁石を挟持する仕組みにて、実現させる方法を説明する。圧縮機構部2および電動機構部3の回転子31の磁石挿入穴31cまでは、実施の形態1と同じであり、実施の形態1と同符号は同じものである。
第1の電磁鋼板61および第2の電磁鋼板64の中心に、シャフト穴31bを構成する穴62、65が設けられていること、磁石挿入穴31cを構成する穴63、66が、板の中心すなわちシャフト穴31bを構成する穴62、65に対して外縁側に、穴62、65を囲むように複数個設けられていることは、実施の形態1と同じである。
さらに、実施の形態2の回転子鉄心31aは、電磁鋼板61、64の少なくとも2種類の薄板をクランクシャフト4の軸方向に積み重ねて構成されている。組合せ方は、実施の形態1とは異なるが、その詳細は、後述する。
第2の電磁鋼板64の穴66も長方形状の穴で、その穴66の長辺66a、66bが第2の電磁鋼板64の半径と直交する向きに、配置されている。第1の長辺66aは第2の電磁鋼板64の外縁側、第2の長辺66bは中心側に配置されている。短辺66c、66dは、第2の電磁鋼板64の半径方向に配置されている。
第2の電磁鋼板64の穴66の第2の電磁鋼板64の半径方向の外縁側、すなわち、シャフト穴31bを構成する穴65とは反対側には、支持部67が少なくとも1個以上設けられている。支持部67は、穴66の長辺66aより、第2の電磁鋼板64の半径方向の外縁側に配置されている。
支持部67の数は、任意であり、付勢力によって、調整される。また、設ける箇所と間隔も、第2の電磁鋼板64の穴66の第2の電磁鋼板64の外縁側であれば、支障はない。
凹部67a、凸部67bは、円形、方形、楕円形などどのような形状であっても構わない。凹部67a、凸部67bの径や、突き出し量は、任意であり、付勢力によって、調整される。
一方、凸部67bには、復元力があり、元に戻る方向に、付勢力が働く。すなわち、の支持部67は、端板に向かって、付勢力が働き、凸部67bが永久磁石33を押圧し続ける。これにより、永久磁石33は、支持部67と端板との間に固定されることになる。
永久磁石33は、穴63、66に挿入された時点では、第1の電磁鋼板61の中心側、すなわち、穴63の長辺63b側に配置される。永久磁石33と、穴63の長辺63aとは、離れており、その間には隙間が形成されている。
永久磁石33と、第2の電磁鋼板64の穴66の長辺66a、66bとは、第1の電磁鋼板61のような配置状態や条件はないが、永久磁石33の挿入時の摩擦となるので、接していないことが望ましい。
なお、永久磁石33と、穴63の短辺63c、63dおよび長辺63bとの間、ならびに、永久磁石33と、穴66の短辺66c、66dとの間は、永久磁石33の挿入時の摩擦となるので、接していないことが望ましい。
つまり、永久磁石33が短辺66cと66dとに挟まれる空間に挿入されたとき、支持部67と永久磁石33との間、および、穴66の長辺66bと永久磁石33との間には、隙間が形成される。穴63の長辺63a、63bと永久磁石33との間にも、隙間が形成される。
また、永久磁石33が、支持部67と端板とに挟持されたときも、穴66の長辺66b、穴63の長辺63bと永久磁石33との間に、隙間が形成され、維持される。
永久磁石33が短辺66cと66dとに挟まれる空間に挿入されたとき、穴63の短辺63c、63d、穴66の短辺66c、66dと永久磁石33との間には、隙間が形成される。
永久磁石33が、支持部67と端板との間に挟持されると、永久磁石33は、第1の電磁鋼板61、第2の電磁鋼板64の中心と反対側の半径方向の外縁側に配置される。すなわち、穴63の長辺63a側に配置される。第2の電磁鋼板64に対して、永久磁石33は、長辺66aより、外縁側に配置される。すなわち、永久磁石33は、支持部67の下側、第2の電磁鋼板64の下側に潜り込む。永久磁石33と、穴63、66の長辺63b、66bとは離れ、その間には隙間形成される。一方、永久磁石33は、支持部67の凸部67bと、接する配置となる。
支持部67と端板との間の寸法は、永久磁石33の高さ寸法まで、広げられることになる。
磁石挿入空間69aに挿入された永久磁石33は、磁石挿入穴31cの中で、回転子鉄心31aの半径方向の外周側に移動することで、挟持される。すなわち、支持部67は、磁石挿入空間69e側から支持部入口69gを介して永久磁石33が挟入されることで、挟持し、支持する。
図28は、永久磁石33が支持部67に挟持し、支持されたところである。なお、永久磁石33の外周面と磁石挿入穴31cの第2の内周面69bとの間、全面には、磁石背面隙間69hが形成される。
支持部67は、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの半径方向の外周側、すなわち、回転子鉄心31aの中心とは反対側に設けられているので、永久磁石の素体33aは、支持部67と接触しても挟持はできていない。
このとき、永久磁石33bの持つ磁場と着磁コイル200の着磁磁界の磁場の相互作用によって、永久磁石33bを回転子31の半径方向の外周側に引き寄せる磁気吸引力F1が働く。この磁気吸引力F1よって、永久磁石33bは磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの半径方向の外周側すなわち第1の内周面69a側に引き寄せる。その結果、支持部67と端板との間に押し込まれる。すなわち、支持部入口69gを介して、支持部67と端板との間に挟入される。支持部67は、変形と、弾性力を発生する。すなわち、支持部67から永久磁石33cに向かって付勢力F2が発生し、永久磁石33cを挟持する。そして、支持部67は、永久磁石33cを回転子鉄心31aの軸方向から押圧し、永久磁石33cは磁石挿入穴31cの中で支持し、固定される。
なお、永久磁石が磁石挿入穴の中で、適切な位置に固定されているか確認するためには、回転子鉄心の両端面に装着する端板に、永久磁石の外周面および磁石挿入穴の内周面が確認できる小窓を設けておけば良い。その小窓から、磁石挿入穴に対する永久磁石の位置が確認できる。
本願の実施の形態1.同様に、クランクシャフトと永久磁石との間に磁石背面隙間が形成されることにより、この磁石背面隙間がクランクシャフトと回転子鉄心との加工時の加工熱が永久磁石に伝達されることを遮断する。従来、設けられていた加工熱を伝達させないスリットは不要となり、加工が簡素化できる。磁石背面隙間が設けられることによって、従来同様、永久磁石の熱に対する減磁耐力を向上させることができ、信頼性の高い回転子、電動機を得ることができる。
Claims (14)
- 複数の電磁鋼板を積層し円柱形に形成された回転子鉄心と、
前記回転子鉄心に磁界を形成する永久磁石と、
前記回転子鉄心に設けられ前記永久磁石を内部に固定する磁石挿入穴と、
を備え、
前記磁石挿入穴は、
前記永久磁石を挿入する磁石挿入空間と、
前記永久磁石を挟持し支持する支持部と、
を有し、
前記磁石挿入空間は、前記回転子鉄心の軸方向の端部に磁石挿入口を有し、
前記支持部は、前記回転子鉄心の半径方向の中心側に前記磁石挿入空間へ開口した支持部入口を有し、
前記磁石挿入口から前記磁石挿入空間に挿入された前記永久磁石は、前記支持部入口から前記支持部に挟入され、挟持された回転子。 - 前記支持部の前記永久磁石を挟持する部分の幅は、前記永久磁石の挟持される部分の幅より狭く、前記磁石挿入空間の幅は、前記永久磁石の幅より広い請求項1に記載の回転子。
- 前記支持部は、前記回転子鉄心の半径方向の外周側に設けられた請求項2に記載の回転子。
- 前記磁石挿入空間は、前記支持部より前記回転子鉄心の中心側に設けられた請求項3に記載の回転子。
- 前記磁石挿入穴は、前記回転子鉄心の半径方向の外周側の第1の内周面と、前記回転子鉄心の半径方向の中心側の第2の内周面と、前記回転子鉄心の円周方向の第3の内周面および第4の内周面と、から構成され、
前記支持部に挟持された前記永久磁石は、前記第2の内周面との間に、隙間を形成している請求項4に記載の回転子。 - 前記支持部は、前記永久磁石を前記回転子鉄心の円周方向に押圧する請求項5に記載の回転子。
- 前記支持部は、前記磁石挿入穴の前記第3の内周面および前記第4の内周面の少なくとも一方に設けられた請求項6に記載の回転子。
- 前記支持部は、前記第3の内周面あるいは前記第4の内周面から円周方向に突き出した凸部であって、
中央に設けられた穴と、前記第3の内周面あるいは前記第4の内周面から円周方向に突き出した薄肉部と、を有し、前記中央の穴が変形することによって、弾性力を発生させる請求項7に記載の回転子。 - 前記支持部は、前記永久磁石を前記回転子鉄心の軸方向に押圧する請求項5に記載の回転子。
- 前記回転子鉄心は、
前記磁石挿入穴を構成する穴を備えた第1の電磁鋼板と、
前記磁石挿入穴を構成する穴と前記支持部とを備えた第2の電磁鋼板と、
を備え、
前記第2の電磁鋼板は、前記第1の電磁鋼板が積層された軸方向の端部に配置され、
前記第1の電磁鋼板の前記穴の軸方向の一部を塞ぐとともに、
前記支持部は、前記第1の電磁鋼板の前記穴の軸方向の一部を塞ぐ部分に設けられた請求項9に記載の回転子。 - 前記支持部は、前記第2の電磁鋼板から軸方向に突き出した凸部である請求項10に記載の回転子。
- 請求項1から11のいずれかに記載の回転子と、前記回転子の外側を囲む固定子と、を備えた電動機。
- 請求項12に記載の電動機と、クランクシャフトにて前記電動機と接続された圧縮機構部と、前記電動機および前記圧縮機構部を収納した密閉容器と、を備えた密閉型圧縮機。
- 請求項1から11のいずれかに記載の回転子において、
前記永久磁石の磁界と前記永久磁石に着磁を行う着磁装置の磁界との相互作用による磁気吸引力によって、前記磁石挿入空間に挿入された前記永久磁石を、前記磁石挿入穴内で、前記回転子鉄心の半径方向の外周側に移動させ、前記支持部に挟持させる回転子の製造方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2017/035101 WO2019064403A1 (ja) | 2017-09-28 | 2017-09-28 | 回転子、電動機、密閉型圧縮機および回転子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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