JP6714907B2 - 回転子、電動機、密閉型圧縮機および回転子の製造方法 - Google Patents

回転子、電動機、密閉型圧縮機および回転子の製造方法 Download PDF

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    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
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Description

この発明は、密閉型圧縮機の永久磁石埋め込み型電動機の磁石固定方法に関するものである。
密閉型圧縮機は、電動機構部と、圧縮機構部と、から構成されている。例えば、電動機構部は、永久磁石埋め込み型電動機にて構成されている。永久磁石埋め込み型電動機は、積層電磁鋼板から構成され、密閉容器に焼嵌などにより固定される固定子と、固定子内に配置されるとともに、積層電磁鋼板から構成され、磁石挿入穴を有し、磁石挿入穴に永久磁石が挿入され保持された回転子と、から構成される。電動機構部と圧縮機構部とは、クランクシャフトによって、接続されている。クランクシャフトは、回転子の軸心に接続されるとともに、偏心部を有し、圧縮機構部内に配置されている。固定子には、巻線が施されており、電流を流すことにより回転磁界を発生する。固定子の回転磁界と回転子の永久磁石の吸引反発作用とにより、回転子が回転し、その回転運動がクランクシャフトに伝達され、圧縮機構部内でクランクシャフトの偏心部が回転する。すなわち、固定子に電流を流すことで、回転子とクランクシャフトとが回転し、圧縮機構部内で冷媒を圧縮する。
密閉型圧縮機の永久磁石埋め込み型電動機では、起動時、脱調時、または、電動機の駆動制御の協調が取れていないとき等、固定子からの回転磁界と回転子の永久磁石との同期ずれから、磁石挿入穴の中で、永久磁石が移動し、永久磁石の振動音が発生する。そのため、永久磁石を、磁石挿入穴の中で移動しないように、固定している。(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−289904号公報 特開2005−130688号公報
従来の永久磁石埋め込み型電動機の磁石挿入穴内における永久磁石の固定方法は、磁石挿入穴の内面に予め弾性力を保持した支持部を設け、永久磁石を挿入したときに支持部の弾性力すなわち付勢力によって保持する。このとき、永久磁石は、最も動きやすい回転方向すなわち回転子の円周方向および半径方向に支持部を配置し固定することが多い。したがって、支持部は、永久磁石の外周面に回転子の円周方向および半径方向から付勢力を与えて固定している。
永久磁石を磁石挿入穴に挿入するときには、永久磁石の外周面に回転子の軸方向から荷重をかけるが、支持部は、常に永久磁石の外周面に回転子の円周方向および半径方向から付勢力を与えている。したがって、永久磁石を磁石挿入穴に挿入するときには、磁石挿入穴の内周面からの摩擦力や支持部の付勢力などの抗力に、打ち勝つ荷重にて挿入されるので、大きな挿入する荷重が必要である。挿入性を良くするため、支持部の付勢力を弱めると、磁石挿入穴内で、永久磁石が固定できず、振動音が発生する。そのため、永久磁石を磁石挿入穴に挿入するときには、永久磁石にかかる大きな荷重によって、永久磁石の割れや欠けが発生する場合があり、課題であった。対策として、永久磁石に別途加工を施すなどの不要な加工が必要であり、さらに課題であった。また、永久磁石を磁石挿入穴に挿入するときには、磁石挿入穴の抗力に打ち勝ちながら挿入するので、その荷重を発生させる設備投資、製造コストも大きいという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、回転子の磁石挿入穴の内周面に永久磁石の支持部を備え、永久磁石の磁石挿入穴への挿入時に、永久磁石は磁石挿入穴からの抗力を受けずに挿入することができ、永久磁石の割れや欠けを防止し、製造工程数や製造コストも抑制した回転子、電動機、および、密閉型圧縮機を提供するものである。
この発明に係る回転子は、複数の電磁鋼板を積層し円柱形に形成された回転子鉄心と、回転子鉄心に磁界を形成する永久磁石と、回転子鉄心に設けられ永久磁石を内部に固定する磁石挿入穴と、を備え、磁石挿入穴は、永久磁石を挿入する磁石挿入空間と、久磁石を挟持し支持する支持部と、を有し、磁石挿入空間は、回転子鉄心の軸方向の端部に磁石挿入口を有し、支持部は、回転子鉄心の半径方向の中心側に磁石挿入空間へ開口した支持部入口を有し、磁石挿入口から磁石挿入空間に挿入された永久磁石は、支持部入口から支持部に挟入され、挟持されたものである。
この発明に係る電動機は、上記の回転子を備えたものである。
この発明に係る密閉型圧縮機は、上記の電動機を備えたものである。
この発明に係る回転子、電動機、および、密閉型圧縮機によれば、回転子の磁石挿入穴は、永久磁石を挿入する磁石挿入空間と、久磁石を挟持し支持する支持部と、を有し、磁石挿入空間は、回転子鉄心の軸方向の端部に磁石挿入口を有し、支持部は、回転子鉄心の半径方向の中心側に磁石挿入空間へ開口した支持部入口を有し、磁石挿入口から磁石挿入空間に挿入された永久磁石は、支持部入口から支持部に挟入され、挟持されたので、永久磁石の磁石挿入穴への挿入時に、永久磁石は磁石挿入穴からの抗力を受けずに挿入することができる。そして、永久磁石には大きな荷重をかけずに、磁石挿入穴の中に挿入し固定できるので、永久磁石の割れ、欠けの防止や、製造工程数、製造コストの抑制ができる。
この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の全体の説明図である。 この発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の電動機構部の断面図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の回転子鉄心を構成する電磁鋼板の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の第1の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第1の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の第2の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第1の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の第1の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第2の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の第2の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第2の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の第1の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第3の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の第2の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第3の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の回転子鉄心の磁石挿入穴を拡大した第1の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の回転子鉄心の磁石挿入穴を拡大した第2の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の回転子鉄心の磁石挿入穴を拡大した第3の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第1の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第2の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第3の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第4の説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第5の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の回転子鉄心を構成する電磁鋼板の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の第1の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第1の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の第2の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第1の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の第2の電磁鋼板の支持部の軸方向の断面図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の第1の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第2の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の第2の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第2の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の第1の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第3の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の第2の電磁鋼板の磁石挿入穴を拡大した第3の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の回転子鉄心の磁石挿入穴を拡大した第1の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の回転子鉄心の磁石挿入穴を拡大した第2の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の回転子鉄心の磁石挿入穴を拡大した第3の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第1の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第2の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第3の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第4の説明図である。 この発明の実施の形態2における電動機構部の永久磁石の着磁工程の第5の説明図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における密閉型の回転圧縮機を示す縦方向すなわちクランクシャフトの半径方向から見た断面図である。
圧縮機構部とその周囲の構成について、説明する。
図1に示すように、密閉型圧縮機100は、密閉容器1の内部に圧縮機構部2と、圧縮機構部2の上方に電動機構部3と、が収納されて構成されている。密閉容器1の内部は、圧縮された冷媒ガスにて満たされるので、密閉容器1は、機密性、耐熱性、強度が要求される容器である。密閉容器1は、上部容器11と下部容器12とで、構成されている。電動機構部3と圧縮機構部2とは、クランクシャフト4にて連結され、圧縮機構部2は電動機構部3によって駆動される。
クランクシャフト4は、主軸部41と副軸部42と偏芯軸部43とから構成され、軸方向に主軸部41、偏心軸部43、副軸部42の順に設けられている。すなわち、偏芯軸部43の軸方向の一方に主軸部41が、偏芯軸部43の軸方向のもう一方に副軸部42が、設けられている。主軸部41、副軸部42、偏芯軸部43は、それぞれ、ほぼ円柱状の形状をしており、主軸部41と副軸部42の軸の中心が一致するように、すなわち同軸に設けられている。一方、偏芯軸部43の軸の中心は、主軸部41、副軸部42の軸の中心からずらされて設けられている。主軸部41、副軸部42が軸の中心を中心に回転すると、偏芯軸部43は偏芯回転をする。偏心軸部43には円筒状の形状のローリングピストン21が摺動自在に装着されている。
圧縮機構部2は、シリンダ22、主軸受23、副軸受24などから構成されている。
シリンダ22には、ほぼ円筒形で、軸方向の両端が開口された内部空間が設けられている。内部空間の軸方向両端の開口部は、それぞれ、主軸受23および副軸受24にて閉塞されている。シリンダ22の内部空間には、クランクシャフト4の偏芯軸部43とローリングピストン21とが収納されている。シリンダ22には、その内部空間の半径方向に溝が設けられており、溝内を半径方向に往復運動する図示しないベーンが備えられている。ベーンは、その一端がローリングピストン21の外周面に当接され、ローリングピストン21の外径側の外周面とシリンダ22の内部空間の内周面とによって形成される空間を2つに分けている。これにより、シリンダ22内に、冷媒ガスを圧縮する圧縮室が形成される。
密閉容器1に隣接して、冷媒音を消音する役割を有する吸入マフラ101が設けられている。吸入マフラ101は吸入連結管5によりシリンダ22に連結する。吸入連結管5の一端は、吸入マフラ101内に開口し、他端は、シリンダ22に形成された圧縮室に開口する吸入口に接続されている。吸入マフラ101、吸入連結管5から吸入される冷媒ガスは、吸入口を介して、シリンダ22に形成された圧縮室に吸入される。
主軸受23には、クランクシャフト4の主軸部41を挿通する軸受孔が設けられている。主軸受23は、その軸受孔に挿通された主軸部41を支持することで、クランクシャフト4を回転自在に支持する。
同様に、副軸受24には、クランクシャフト4の副軸部42を挿通する軸受孔が設けられている。副軸受24は、その軸受孔に挿通された副軸部42を支持することで、クランクシャフト4を回転自在に支持する。
主軸受23には、冷媒音の消音を目的に吐出マフラ25が取り付けられている。主軸受23と吐出マフラ25との間には、第1の吐出空間であるマフラ室が形成されている。主軸受23には、図示しない吐出口が設けられており、シリンダ22に形成された圧縮室と連通している。圧縮室にて圧縮された冷媒ガスは、この吐出口を介して吐出マフラ25のマフラ室内に吐出される。この吐出口は、通常、図示しない吐出弁にて、閉塞されている。圧縮室内の冷媒ガスが、所定の圧力に達したところで、吐出弁は、吐出口を開口する。
吐出マフラ25の上部には、開口部25aが設けられており、マフラ室内の冷媒ガスは開口部25aを介して、密閉容器1内に放出される。
密閉容器1の上部すなわち上部容器11には、吐出管6が取り付けられている。密閉容器1内に放出された冷媒ガスは、吐出管6を介して、密閉容器1の外部に、冷媒ガスを吐出する。
圧縮機構部2の動作について、簡単に説明する。
まず、吸入マフラ101、吸入連結管5、吸入口を介して、シリンダ22に形成された圧縮室に冷媒ガスが吸入される。圧縮室では、ローリングピストン21、すなわち、偏芯軸部43が、偏芯軸部43の偏芯回転により、シリンダ22の内部空間を移動して、吸入口との連通が断たれる。さらに、ローリングピストン21が偏芯回転していくと、圧縮室の容積が縮小し、吸入した冷媒ガスを圧縮する。ローリングピストン21の偏芯回転が進むにしたがって、圧縮室は吐出口と連通する。圧縮室と吐出口が連通し、冷媒ガスが所定の圧力に到達すると、吐出口を閉塞している吐出弁が開口する。吐出口が開口すると、圧縮室内の冷媒ガスは、吐出口を介して、吐出マフラ25のマフラ室内に吐出される。ローリングピストン21が偏芯回転していくと、吐出ポートとの連通が断たれ、再び、吸入ポートと連通される。これが繰り返されることによって、圧縮機構部2は、冷媒ガスを吸入、圧縮、吐出を行う。一連の動作は、ローリングピストン21がシリンダ22の内部空間内を一回転する間に行われる。
密閉型圧縮機100の外部には、熱交換器や膨張弁などから構成される冷凍回路が設けられており、密閉型圧縮機100から吐出された冷媒ガスが、冷凍回路を循環して、再び、密閉型圧縮機100に戻るように接続されている。すなわち、圧縮機構部2にて、圧縮された冷媒ガスは、吐出管6から密閉容器1の外に吐出され、冷凍回路を循環し、吸入マフラ101および吸入連結管5を経由して、圧縮機構部2に吸入される。このように構成されている。
なお、圧縮機構部2の構成と動作とは、図1に示したロータリ型圧縮機を例に説明したが、本願における電動機構部3の電動機は、ロータリ型圧縮機に限定されるものではなく、スクロール型、レシプロ型、いずれの機構であっても構わない。ローリングピストンとベーンとは、別体であり、当接される構成を説明してきたが、これは、一体型であっても、構わない。また、圧縮機構部2と電動機構部3と配置についても、必ず、圧縮機構部2の上方に電動機構部3が配置される構成でなくても構わない。すなわち、上下逆であっても、横向きの配置で、左右に並んでいる構成であっても、構わない。これら、圧縮機構部2の構成は、一例であって、本願の特徴は、これらの構成に限られるものではない。
ローリングピストン21およびクランクシャフト4は、電動機構部3すなわち電動機によって、回転させられる。
電動機構部3の構成について、説明する。図2は、密閉型圧縮機100を電動機構部3の部分にて、クランクシャフト4に対して垂直な平面にて切断した断面図である。電動機構部3の構成は、図1と図2とを使用して、説明していく。
電動機構部3は、回転子31と、その回転子31の外側を囲むように設けられた固定子32と、から構成される。
回転子31は、回転子31の中心軸上に、軸方向に貫通するシャフト穴31bが設けられている。回転子31のシャフト穴31bには、クランクシャフト4の主軸部41が挿通され、焼嵌などにより、固定されている。
固定子32は、密閉容器1内に挿入され、焼嵌などにより、密閉容器1の内周面に固定されている。すなわち、固定子32の半径方向の外周面と密閉容器1の内周面とが接して、固定されている。
固定子32は、図2のように、全体が円筒形であり、内側の回転子31とは、0.3mmから1.0mm程度の空隙を持って、設置されている。固定子32は、薄板状の電磁鋼板をクランクシャフト4の軸方向に積み重ねた固定子鉄心32aから構成されている。
固定子鉄心32aは、外縁の円筒形部分を構成するバックヨーク32bと、バックヨーク32bの内側に設けられた複数の磁極歯すなわちティース32cと、から構成される。ティース32cは、固定子鉄心32aの中心軸、すなわち、クランクシャフト4に向かって延伸している。その先端は、回転子31の外周面と対向するように、逆円弧状に広がっている。ティース32cとティース32cとの間には、固定子巻線37が占有するスロット32dが形成される。
図2は、ティース32cごとに、バックヨーク32bにて分離して、形成し、固定子巻線37を巻き回した後、成形品を、バックヨーク32bにて、円環状につなぎ合わせて、固定子鉄心32a、すなわち、固定子32を形成したものである。これは、製造方法の一例であって、本願の特徴は、この方法に限られるものではない。
ティース32cには、図1のように、絶縁部材38を介して、固定子巻線37が巻き回されている。ティース32cに固定子巻線37が巻き回され、磁極を形成する。
固定子巻線37は、芯線と、芯線を覆う少なくとも1層の被膜とからなる。被膜の材質は、絶縁性の材質であり、AI(アミドイミド)/EI(エステルイミド)である。芯線の材質は、銅、アルミニウム、または、導通性のある合金である。固定子32は、固定子巻線37に電流を流すことによって、ティース32cごとに磁束を発生する。
絶縁部材38は、主に鉄で構成された固定子鉄心32aと、銅で構成された固定子巻線37とを絶縁する。絶縁部材38の材質は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などが使用される。
絶縁部材38は、固定子巻線37の末端である端末部を拘束する拘束部が設けられている。絶縁部材38が固定子鉄心32aに装着された状態では、拘束部はティース32cとつながるバックヨーク32bの軸方向の端面に配置される。拘束部には拘束溝が設けられている。拘束溝には、ティース32cに巻き回された固定子巻線37の端末の一方が拘束される。固定子巻線37の端末のもう一方は、固定子巻線37の端末の一方が拘束された拘束部とは、別の拘束部の拘束溝に拘束される。これにより、ティース32cに巻き回された固定子巻線37の端末は、拘束部に係止される。
なお、拘束部の拘束溝には、固定子巻線37以外に、渡り線やリード線39も、拘束される。
拘束部には、圧接端子が組み込まれる。圧接端子にも、溝が設けられており、その溝が、それぞれの線を挟みこむ構造となっている。圧接端子は、導電性のある金属でできている。そして、固定子巻線37、渡り線、リード線39を、電気的に接続する。すなわち、固定子巻線37は、拘束部と、拘束部に組み込まれる圧接端子とを介して、渡り線、リード線39と接続される。
渡り線は、異なるティース32cに巻き回された固定子巻線37どうしを接続する線である。例えば、複数の固定子巻線37を直列あるいは並列に接続したり、複数の固定子巻線37の端末を接続し、中性点を形成させたりする。
リード線39は、密閉容器1の外部の電源に接続する接続端子と固定子巻線37とを接続するための導線である。リード線39の一端は絶縁部材38の拘束部に拘束される。もう一端には、端子39aが取り付けられており、端子39aは、接続端子7と接続される。
接続端子7は、密閉容器1の上部容器11に設けられた端子で、密閉容器1の内外を電気的に接続する。これにより、絶縁部材38の拘束部に拘束された固定子巻線37および渡り線を、リード線39、端子39a、接続端子7を介して、外部の電源装置とつなぎ、電気的に導通させる。
なお、接続端子7は、下部容器12に設けられていても構わない。
接続端子7は、密閉型圧縮機100の外部に設けられた電源、例えば、インバータ装置などに接続される。この電源から、電動機構部3に通電され、電動機構部3が動作する。すなわち、固定子32が磁束を発生し、回転子31が回転運動を行う。そして、クランクシャフト4を介して、圧縮機構部2を駆動する。
回転子31は、図2のように、円柱形であり、クランクシャフト4の主軸部41に固定されている。回転子31は、薄板状の電磁鋼板をクランクシャフト4の軸方向に積み重ねた回転子鉄心31aから構成されている。回転子鉄心31aを構成する電磁鋼板は、電磁鋼板を一定の形状に打ち抜き、複数枚、軸方向に積み重ね、積み重ねた電磁鋼板どうしは、かしめまたは溶接により固定されている。その中心にはシャフト穴31bが設けられており、シャフト穴31bにはクランクシャフト4の主軸部41が挿通され、焼嵌などにより、固定されている。
回転子鉄心31aは、シャフト穴31bを囲むように、軸方向に貫通する磁石挿入穴31cが設けられている。磁石挿入穴31cは直方体状の穴であり、軸方向に開口し、4面の内周面から構成される。その磁石挿入穴31cには、平板形状の希土類などから形成された永久磁石33が挿入され、固定されている。磁石挿入穴31cおよび永久磁石33は、一般的に、偶数個、備えられ、回転子鉄心31aの半径方向の外周部、すなわち、回転子鉄心31aの中心と反対側の近傍に設けられている。
永久磁石33は磁束を発生し、回転子鉄心31aすなわち回転子31に磁界を形成する。
回転子鉄心31aの上部には、図1のように、上部バランスウェイト34a、下部には下部バランスウェイト34bが設けられている。上部バランスウェイト34a、下部バランスウェイト34bは、クランクシャフト4の偏芯軸部43が偏芯回転するときの荷重を打ち消すため、設けられている。さらに、上部バランスウェイト34a、下部バランスウェイト34bは、磁石挿入穴31cの軸方向の開口部を閉塞するので、永久磁石33の飛散も防止する。上部バランスウェイト34aと下部バランスウェイト34bと回転子鉄心31aとは、リベット35によって固定されている。回転子鉄心31a、上部バランスウェイト34a、下部バランスウェイト34bには、軸方向に貫通するリベット穴が設けられ、そのリベット穴に、リベット35が挿入され、固定される。なお、クランクシャフト4の偏芯軸部43が偏芯回転するときの荷重が小さく、打ち消す必要が無い場合には、上部バランスウェイト34a、下部バランスウェイト34bの代わりに、端板が取り付けられても構わない。端板が、磁石挿入穴31cの軸方向の開口部を閉塞し、永久磁石33の飛散を防止する。
また、回転子鉄心31aには、軸方向に連通する連通孔36が設けられている。連通孔36は、圧縮機構部2から吐出された冷媒ガスを、通過させるためのものである。すなわち、圧縮機構部2から吐出された冷媒ガスは、連通孔36を通過して、吐出管6へ送り出される。
なお、連通孔36以外にも、回転子31と固定子32との隙間や、固定子32の隙間、固定子32と密閉容器1との隙間を介して、圧縮機構部2から吐出された冷媒ガスは、吐出管6へ送り出される。
ところで、回転子31の磁石挿入穴31cには、その内壁に支持部が設けられている。具体的には、磁石挿入穴31cの中心を向いた付勢力を有する凸部すなわち突起で構成されている。その凸部は、磁石挿入穴31cの内周面に複数設けられ、永久磁石33に接して、永久磁石33を磁石挿入穴31cの適切な位置に固定している。また、支持部は、付勢力を有しており、永久磁石33の外周面を押圧し、固定している。
永久磁石33は、組立時に、磁石挿入穴31cの軸方向の開口部から挿入される。そのとき、永久磁石33には磁石挿入穴31cの内周面との摩擦力や支持部の付勢力がかかる。これらの抗力に、打ち勝つ荷重にて、挿入するため、大きな挿入する荷重が必要である。この荷重が大きすぎると、永久磁石33の割れや欠けなどの破損が発生する。永久磁石33の破損を避け、挿入性を良くするため、付勢力を弱めると、磁石挿入穴31c内で、永久磁石33が適正な位置で固定できない課題や、回転子31の回転運動中に、永久磁石33を磁石挿入穴31c内の適正な位置に固定しておくことができない課題がある。その結果、電動機構部3から振動音が発生する。強いては、回転子31に適正は磁束分布が形成されず、電動機構部3の発生トルクは低下し、効率も低下する。
なお、電動機構部3は、密閉容器1内に設けられているので、組立後は、永久磁石33の位置を修正などの作業はできない。
対策として、永久磁石33の破損を防止するため、永久磁石33に別途加工を施すなどの不要な加工が必要である。
そこで、本願では、永久磁石33を、荷重をかけずに磁石挿入穴31cへ挿入し、挿入後、支持部によって固定できるようにした。
具体的な構成は、図3にて説明していく。
図3は、回転子鉄心31aを構成する薄板状の電磁鋼板51、54を説明する図である。回転子鉄心31aは、ほぼ円形の電磁鋼板51、54の少なくとも2種類の薄板をクランクシャフト4の軸方向に積み重ねて構成されている。
第1の電磁鋼板51および第2の電磁鋼板54には、その板の中心にシャフト穴31bを構成する穴52、55が設けられている。同様に、第1の電磁鋼板51および第2の電磁鋼板54には、磁石挿入穴31cを構成する穴53、56が、板の中心すなわちシャフト穴31bを構成する穴52、55に対して外縁側に複数個設けられている。そして、磁石挿入穴31cを構成する穴53、56は、シャフト穴31bを構成する穴52、55を囲むように配置されている。
図4は、第1の電磁鋼板51のPの部分、すなわち穴53のうちの一つを拡大したものである。第1の電磁鋼板51の穴53は長方形状の穴で、その穴53の長辺53a、53bは第1の電磁鋼板51の半径と直交する向きに配置され、第1の長辺53aは第1の電磁鋼板51の外縁側、第2の長辺53bは中心側に配置されている。短辺53c、53dは、第1の電磁鋼板51の半径方向に配置されている。
図5は、第2の電磁鋼板54のQの部分、すなわち穴56のうちの一つを拡大したものである。第2の電磁鋼板54の穴56も長方形状の穴で、その穴56の長辺56a、56bは第2の電磁鋼板54の半径と直交する向きに配置され、第1の長辺56aは第2の電磁鋼板54の外縁側、第2の長辺56bは中心側に配置されている。短辺56c、56dは、第2の電磁鋼板54の半径方向に配置されている。
第2の電磁鋼板54の穴56の短辺56c、56dには、支持部57、58が設けられている。また、支持部57、58は、第2の電磁鋼板54の半径方向の外縁側、すなわち、穴56の第1の長辺56a側に、設けられている。すなわち、支持部57、58は、磁石挿入穴31cを構成する第2の電磁鋼板54の穴56において、短辺56c、56d、かつ、シャフト穴31bを構成する穴55とは反対側の第1の長辺56a側に設けられている。
また、支持部57、58は、対向する位置に配置されている。
第1の支持部57は、穴56の第1の短辺56cに対向する第2の短辺56dの方向に突き出した凸部であり、凸部の中央に設けられた小径の穴57aと、その小径の穴57aと磁石挿入穴31cを構成する穴56とに挟まれた薄肉部57bと、にて構成される。薄肉部57bは、穴56の短辺56dに向かって突き出している。
同様に、第2の支持部58も、穴56の第2の短辺56dに対向する第1の短辺56cの方向に突き出した凸部であり、凸部の中央に設けられた小径の穴58aと、その小径の穴58aと磁石挿入穴31cを構成する穴56とに挟まれた薄肉部58bと、にて構成される。薄肉部58bは、穴56の短辺56cに向かって突き出している。
穴57a、58aは、円形であっても、円形とは異なる形状であっても構わない。薄肉部57bの穴57aと穴56とを結ぶ最短距離は、穴57aの直径より小さい。薄肉部58bの穴58aと穴56とを結ぶ最短距離も、穴58aの直径より小さい。
穴57a、58aの直径は、任意であるが、少なくとも、短辺56c、56dより小さい。
なお、短辺56c、56dは、支持部57、58を含めて、短辺56c、56dと称し、支持部57、58を含まない短辺56c、56dの部分は、短辺56e、56fとする。
永久磁石33は、第1の支持部57と第2の支持部58の間に挟持され、固定される。第1の支持部57と第2の支持部58との間の寸法は、永久磁石33の長辺の寸法より、小さく形成されているが、永久磁石33が挟持されるとき、小径の穴57a、58aが変形することで、拡大する。
一方、小径の穴57a、58aは、復元力があり、元に戻る方向に、弾性力が働く。すなわち、第1の支持部57と第2の支持部58とは、互いに対向する方向に、弾性力である付勢力が働き、薄肉部57b、58bが挟持された永久磁石33を押圧し続ける。これにより、永久磁石33は、第1の支持部57と第2の支持部58との間に固定されることになる。
図6は、第1の電磁鋼板51の穴53に永久磁石33が挿入されたときの穴53に対する永久磁石33の配置を表した図である。同様に、図7は、第2の電磁鋼板54の穴56に永久磁石33が挿入されたときの穴56に対する永久磁石33の配置を表した図である。ただし、永久磁石33は、第1の支持部57と第2の支持部58との間に挟持されていない。
永久磁石33は、穴53、56に挿入された時点では、第1の電磁鋼板51、第2の電磁鋼板54の中心側、すなわち、穴53、56の長辺53b、56b側であって、短辺56eと56fとの間に配置される。永久磁石33と、穴53、56の長辺53a、56aとは、離れており、その間には隙間形成されている。また、永久磁石33と、穴53の短辺53c、53dと、穴56の短辺56c、56dとの間にも、隙間が形成されている。
なお、永久磁石33と、穴53、56の長辺53b、56bとの間も、永久磁石33の挿入時の摩擦となるので、接していないことが望ましい。
そのため、穴53の軸方向に直交する面積は、穴56の軸方向に直交する面積とほぼ同じ大きさであるが、永久磁石33の回転子鉄心31aの軸方向と直交する断面積より大きくなっている。
また、穴53の短辺53c、53dの寸法をA、穴56の支持部57、58の寸法をB、支持部57、58を含まない短辺56e、56fの寸法をC、とする。また、永久磁石33の短辺の寸法D、とすると、A≒B+Cであるが、A>D≧Cとなっている。
さらに、穴53の長辺53a、53bの寸法をE、穴56の長辺56a、56bの寸法をF、第1の支持部57と第2の支持部58との間の寸法をG、永久磁石33の長辺の寸法をHとすると、E≒Fであるが、F>H>Gとなる。
図8は、永久磁石33が、第1の支持部57と第2の支持部58との間に挟持されたときの第1の電磁鋼板51の穴53に対する永久磁石33の配置を表した図である。図9は、永久磁石33が、第1の支持部57と第2の支持部58との間に挟持されたときの第2の電磁鋼板54の穴56に対する永久磁石33の配置を表した図である。
永久磁石33が、第1の支持部57と第2の支持部58との間に挟持されると、永久磁石33は、第1の電磁鋼板51、第2の電磁鋼板54の中心と反対側の半径方向の外縁側に配置される。すなわち、穴53、56の長辺53a、56a側に配置される。永久磁石33と、穴53、56の長辺53b、56bとは離れ、その間には隙間形成される。また、永久磁石33と、穴53の短辺53c、53dとの間にも、隙間形成されている。一方、永久磁石33は、穴56の短辺56c、56d、すなわち、第1の支持部57の薄肉部57bおよび第2の支持部58の薄肉部58bと、接する配置となる。
第1の支持部57と第2の支持部58との間の寸法をGは、永久磁石33の長辺の寸法をHまで、広げられることになる。
以上のような構成の電磁鋼板51、54をクランクシャフト4の軸方向に、それぞれ任意の枚数ごと積み重ねることで、回転子鉄心31aを構成する。例えば、図10は、第1の電磁鋼板51と第2の電磁鋼板54とを交互に重ねたときの回転子鉄心31aの構成を説明する図であり、図の上方は、回転子鉄心31aを軸方向から見たもので、下方は、上方の図のX−X’の面、すなわち、第1の支持部57と第2の支持部58とを通る軸方向の面で、切断したときの断面図である。
磁石挿入穴31cは、回転子鉄心31aの半径方向の外周側の第1の内周面59aと、回転子鉄心31aの半径方向の中心側の第2の内周面59bと、回転子鉄心31aの円周方向の第3の内周面59c、第4の内周面59dと、の4面から構成される。そして、第1の内周面59aは、電磁鋼板51の穴53の第1の長辺53aおよび電磁鋼板54の穴56の第1の長辺56aから構成される。第2の内周面59bは、電磁鋼板51の穴53の第2の長辺53bおよび電磁鋼板54の穴56の第2の長辺56bから構成される。第3の内周面59cは、電磁鋼板51の穴53の第1の短辺53cおよび電磁鋼板54の穴56の第2の短辺56cから構成される。第4の内周面59dは、電磁鋼板51の穴53第2の短辺53dおよび電磁鋼板54の穴56の第2の短辺56dから構成されている。
支持部57、58は、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの円周方向の内周面59c、59dに配置される。そして、支持部57、58は、内周面59c、59dから円周方向に突き出して配置される。すなわち、支持部57は、第4の内周面59dに向かって、支持部58は、第3の内周面59cに向かって、突き出すように配置される。すなわち、支持部57、58は、対抗するように配置される。また、支持部57、58は、磁石挿入穴31cの中で、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの中心とは反対側すなわち回転子鉄心31aの半径方向の外周側に設けられている。
また、磁石挿入穴31cの支持部57、58の突き出した先端より回転子鉄心31aの中心側すなわち第2の内周面59b側には、永久磁石33を挿入する磁石挿入空間59eが形成されている。その磁石挿入空間59eの軸方向は開口しており、磁石挿入口59fを形成している。そして、支持部57、58の回転子鉄心31aの半径方向の中心側すなわち磁石挿入空間59e側には、磁石挿入空間59eに開口し、磁石挿入空間59eとつながり、永久磁石33を支持部57と58との間へ挟入させる支持部入口59gが形成されている。
なお、図10は、一例であり、電磁鋼板51、54の積み重ね方、枚数によって、支持部57、58の数と配置が変えられる。支持部57、58が多くなると、付勢力が大きくなり、しっかり固定される。しかしながら、支持部57と58との間に挿入する荷重も大きくなり、作業性が悪くなる。また、永久磁石33と回転子鉄心31aとの接触面積が増加すると、漏れ磁束の影響から、永久磁石33は減磁し易くなる。よって、電磁鋼板51、54の任意の枚数ごとの積み重ねの組合せを選択して、所望の条件となるよう調整する。
図11は、永久磁石33は磁石挿入口59fから磁石挿入空間59eに挿入されたところである。永久磁石33は、磁石挿入穴31cの内周面59a、59b、59c、59dおよび支持部57、58とは、接触することなく、磁石挿入空間59eに挿入することができるので、挿入に対し抗力が発生されることなく、スムーズに磁石挿入空間59eに挿入することができる。
磁石挿入空間59eに挿入された永久磁石33は、磁石挿入穴31cの中で、回転子鉄心31aの半径方向の外周側に移動することで、支持部57、58に挟持される。すなわち、支持部57、58は、磁石挿入空間59e側から支持部入口59gを介して永久磁石33が挟入されることで、挟持し、支持する。
図12は、永久磁石33が支持部57、58に挟持し、支持されたところである。なお、永久磁石33の外周面と磁石挿入穴31cの第2の内周面59bとの間、全面には、磁石背面隙間59hが形成される。
第1の支持部57と第2の支持部58との間の幅について、説明したが、図11、12からわかるように、第1の支持部57と第2の支持部58との間すなわち永久磁石33を挟持する幅は、永久磁石33の幅より狭い。また、第1の支持部57と第2の支持部58との幅は、磁石挿入空間59eの幅より狭い。しかし、磁石挿入空間59eのいずれの方向の幅も、永久磁石33のいずれの幅より、広い。
なお、本願の実施の形態1.の構造にて、支持部入口59gを介さず、直接、回転子鉄心31aの軸方向から磁石挿入穴31cの支持部57と58との間に挟入しようとすると、支持部57、58は、回転子鉄心31aの軸方向に変形し、永久磁石33を挟持できなくなる。さらに、支持部57、58は、回転子鉄心31aの軸方向には、復元力は持っていないので、変形したままとなる。また、永久磁石33に対して、付勢力も発生しない。よって、永久磁石33を固定できない。支持部57、58に、変形しない程度の剛性を持たせると、従来の支持部と変わらず、永久磁石33の挿入時に、大きな抗力を発生するので、永久磁石33に過度の荷重がかかり、損傷することになる。
次に、回転子鉄心31aの磁石挿入穴31cに永久磁石33を固定する方法について説明する。具体的には、永久磁石33を着磁するときの着磁の磁力を利用して、支持部57と58との間に永久磁石33を押し込み、固定する。
まず初めに、図13のように、電磁鋼板51、54にて形成された回転子鉄心31aの磁石挿入穴31cの磁石挿入空間59eに着磁されていない永久磁石の素体33aを挿入する。図13の右側の図は、支持部58付近を拡大した図である。以下、図14〜17も同じである。
永久磁石の素体33aは磁石挿入空間59eの開口部である磁石挿入口59fから磁石挿入空間59eに挿入される。磁石挿入空間59eには、永久磁石の素体33aの各面と接触する構造物は無い、つまり、磁石挿入穴31cの内周面59a、59b、59c、59dおよび支持部57、58とは、接触することなく、挿入できるので、永久磁石の素体33aは、軸方向から抗力は無く磁石挿入穴31cに挿入することができる。
支持部57、58は、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの半径方向の外周側、すなわち、回転子鉄心31aの中心とは反対側に設けられているので、永久磁石の素体33aは、支持部57、58と接触しても挟持はできていない。
次に、図14のように、永久磁石の素体33aに着磁するため、回転子31の外側に設置された着磁コイル200によって、回転子31の半径方向の外周側から着磁磁界を印加する。例えば、S極の着磁磁界を回転子31に加えると、永久磁石の素体33aは、着磁磁界を印加している側、すなわち、半径方向の外周側がN極、回転子31の中心側がS極となるように、永久磁石の素体33aの原子の磁気モーメントの向きが揃えられる。これによって、永久磁石の素体33aは磁化され、永久磁石33bとなる。
ここで、図15のように、一旦、着磁磁界の印加を止める。永久磁石の素体33aは、強磁性体なので、着磁磁界がなくなっても、残留磁化が生じ、永久磁石33bの極性は保持される。
続いて、図16のように、再度、着磁コイル200によって、回転子31の半径方向の外周側から着磁磁界を印加し、永久磁石33bに再着磁する。すなわち、図14の段階で、磁気モーメントの向きが揃わなかった原子に対して、磁気モーメントの向きを再び揃え、残留磁化の量を増加させる。これによって、永久磁石33cとなる。
このとき、永久磁石33bの持つ磁界と着磁コイル200の着磁磁界の相互作用によって、永久磁石33bを回転子鉄心31aの半径方向の外周側に引き寄せる磁気吸引力F1が働く。この磁気吸引力F1よって、永久磁石33bは磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの半径方向の外周側すなわち第1の内周面59a側に引き寄せる。その結果、支持部57と58との間に押し込まれる。すなわち、支持部入口59gを介して、支持部57と58との間に挟入される。支持部57、58は、変形と、弾性力を発生する。すなわち、支持部57、58から永久磁石33cに向かって付勢力F2が発生し、永久磁石33cを挟持する。そして、支持部57、58は、永久磁石33cを回転子鉄心31aの円周方向から押圧し、支持される。すなわち、永久磁石33cは磁石挿入穴31cの中で固定される。
最後に、着磁磁界の印加を止めたとき、磁気吸引力F1は減少するが、図17のように、支持部57、58の付勢力F2によって、永久磁石33cを挟持され固定された状態を維持する。
以上によって、磁石挿入穴31cの所定の位置に永久磁石33を固定することができる。なお、永久磁石33と永久磁石33cは同じものを示している。
なお、磁石挿入穴31cに永久磁石33が固定されると、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの中心側の第2の内周面59bと永久磁石33の回転子鉄心31aの中心側の外周面との間には、磁石背面隙間59hが形成される。
また、図13と図14との工程の間に、永久磁石の素体33aを磁石挿入穴31cに挿入した回転子鉄心31aの軸方向の両端に端板やバランスウェイト34a、34bとを装着し、固定する工程があるが、この説明では省略した。端板とバランスウェイト34a、34bとによって、回転子鉄心31aの磁石挿入穴31cの開口部は塞がれる。そして、回転子31が回転したとき、永久磁石33の飛散を防止する。
以上をまとめると、電動機構部の回転子の磁石挿入穴において、回転子の円周方向すなわち回転子の半径と直交する方向であって、回転子の半径方向の外周側すなわち回転子の中心とは反対側に、支持部を設けるとともに、支持部より回転子の中心側に、永久磁石を挿入できる磁石挿入空間を設けた。そして、磁石挿入空間に着磁前の永久磁石の素体を挿入した後、着磁工程のときの着磁の磁場と永久磁石が形成する磁場との相互作用によって、磁気吸引力を発生させ、永久磁石に着磁するとともに、永久磁石を回転子の半径方向の外周側、すなわち、回転子の中心とは反対側に吸引し、支持部の間に押し込む。その結果、永久磁石を支持部に挟持させる。永久磁石は、支持部の付勢力によって、支持部に支持され、所定の位置に固定、保持される。
なお、着磁工程の着磁磁場が無くなっても、永久磁石の磁場によって、永久磁石は、回転子鉄心に引き寄せられる磁気吸引力が働くので、永久磁石は磁石挿入穴の回転子の半径方向の外周側、すなわち、回転子の中心とは反対側の回転子鉄心を吸引し続ける。これにより、永久磁石は支持部から外れにくくなり、永久磁石を適切な位置に維持し続けることができる。
また、磁石挿入穴の支持部は、2つとも、弾性力を有するように、説明してきたが、少なくとも、一方が弾性力を有するだけでも、構わない。一方が、弾性力がない凸部であっても、もう一方の弾性力により、支持部は、永久磁石を挟持することができる。
さらに、支持部は、一方の内周面に設けられているだけでも構わない。もう一方の面が、弾性力を持たない構造であっても、支持部が弾性力を備えているので、支持部と内周面の間にて、永久磁石を挟持することができる。
これにより、永久磁石を磁石挿入穴に挿入するとき、支持部の付勢力や磁石挿入穴からの抗力は影響しなくなり、大きな荷重にて、永久磁石を磁石挿入穴に挿入する必要は無くなった。そして、挿入時の荷重による永久磁石の欠けや割れは、未然に防ぐことができ、永久磁石に特別な加工は必要なくなった。さらに、着磁の工程にて、永久磁石を支持部に挟持させ、所定の位置に固定させるので、永久磁石の挿入のため荷重をかける装置も必要なくなった。
また、回転子の組み立てが終わった後で、永久磁石を所定の位置に固定するので、回転子を組み立てた後でも、永久磁石を所定の位置に設定できるようになった。これにより、永久磁石が所定の適正な位置に設定されていない場合は、組み立て後でも、修正が可能となった。したがって、永久磁石の不適切な固定位置による振動音などは、回転子を解体することも無く、修正できるようなった。
なお、永久磁石が磁石挿入穴の中で、適切な位置に固定されているか確認するためには、回転子鉄心の両端面に装着する端板に、永久磁石の外周面および磁石挿入穴の内周面が確認できる小窓を設けておけば良い。その小窓から、磁石挿入穴に対する永久磁石の位置が確認できる。
また、回転子は、支持部を有する電磁鋼板および支持部を有さない電磁鋼板にて構成されているので、2つの電磁鋼板の組合せる枚数、組合せる順序によって、支持部の付勢力を調整することができる。さらに、支持部と永久磁石との接触面積も減らすことができるので、減磁耐力も向上させることができる。
また、回転子の支持部は、永久磁石の短辺の外周面、すなわち、回転子の半径方向と直交する外周面を挟持する仕組みであり、従来の永久磁石を挟持する仕組みに対し、永久磁石へかかる付勢力は軽減できる。さらに、従来の支持部に対し、永久磁石の外周面と磁石挿入穴の内周面との接触面積も減らすことができ、減磁耐力も向上させることができる。
また、永久磁石は、磁石挿入穴の中で、回転子の中心とは反対側に固定されているので、回転子が回転したとき、その遠心力によって、回転子の半径方向の外周側すなわち回転子の中心とは反対側に押圧される。これにより、永久磁石は支持部から外れにくくなり、永久磁石を適切な位置に維持し続けることができる。したがって、性能向上、信頼性向上に貢献できる。
なお、永久磁石は直方体すなわち平板形状のもので説明してきたが、円形でも、円弧形状のものであっても構わない。また、一磁極に使用する永久磁石も、1枚のもので説明してきたが、複数枚の構成であっても構わない。また、直方体形状の磁石挿入穴の長辺が半径方向と直交する向きのみ、説明してきたが、傾きがあっても構わない。いずれの場合であっても、回転子鉄心の半径方向の外周側へ、磁石が移動できるので、支持部への挟入が可能であり、本願の構成が実現可能である。また、本願の効果も発揮できる。
永久磁石は、回転子鉄心の半径方向の外周側に移動させ、支持部に挟持させるとしてきたが、必ずしも、半径方向である必要はない。すなわち、回転子鉄心の外周側の方向であれば、実現可能である。ただし、支持部が押圧する方向は、円周方向としてきたが、そのときは、円周に対して、所定の傾きを持った方向となる場合もある。例えば、それは、半径方向に、押圧する場合もある。
なお、永久磁石は、回転子鉄心の半径方向の外周側に移動させ、支持部に挟持させているが、永久磁石を中心側に移動し、支持部に挟持させた場合、固定子の磁極と永久磁石との距離が遠くなり、磁束損失が高く、適切ではない。特に、永久磁石の外周側に磁極鉄心と永久磁石との間に、隙間が形成され、磁束伝達の邪魔となる。
また、永久磁石が支持部に挟持されると、永久磁石と磁石挿入穴の回転子の中心側の内周面との間、全面に、その内周面と永久磁石とが全く接触しない磁石背面隙間が形成される。
クランクシャフトは、回転子鉄心に焼嵌などにより、嵌入、固定される。そのとき、加工熱が回転子鉄心に伝達される。永久磁石は、希土類にて構成されていると、熱による減磁が誘発される。一般的には、永久磁石とクランクシャフトとの間に、スリットを設けて、熱が伝達されないように、構成している。
しかしながら、本願の実施の形態1.構成の場合、クランクシャフトと永久磁石との間に磁石背面隙間が形成されており、この磁石背面隙間が加工熱の伝達を遮断する。加工熱を伝達させないように設けるスリットは不要となり、加工が簡素化できる。一方、磁石背面隙間が設けられることによって、従来同様、永久磁石の熱に対する減磁耐力を向上させることができ、信頼性の高い回転子、電動機を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、電動機構部の回転子において、回転子の半径と直交する方向の両方の内周面に支持部を設け、永久磁石の回転子の半径と直交する外周面を挟持する仕組みの例について説明した。しかしながら、永久磁石を挟持する方向は、必ずしも、永久磁石の回転子の半径と直交する方向でなくても構わない。実施の形態2では、回転子の軸方向で、永久磁石を挟持する仕組みにて、実現させる方法を説明する。圧縮機構部2および電動機構部3の回転子31の磁石挿入穴31cまでは、実施の形態1と同じであり、実施の形態1と同符号は同じものである。
図18は、実施の形態2の回転子鉄心31aを構成する薄板状の電磁鋼板61、64を説明する図であり、図19は、第1の電磁鋼板61のRの部分を、図20は、第2の電磁鋼板64のSの部分を、それぞれ拡大したものである。すなわち、図19は、穴63のうちの一つを拡大したものであり、図20は、穴66のうちの一つを拡大したものである。
第1の電磁鋼板61および第2の電磁鋼板64の中心に、シャフト穴31bを構成する穴62、65が設けられていること、磁石挿入穴31cを構成する穴63、66が、板の中心すなわちシャフト穴31bを構成する穴62、65に対して外縁側に、穴62、65を囲むように複数個設けられていることは、実施の形態1と同じである。
さらに、実施の形態2の回転子鉄心31aは、電磁鋼板61、64の少なくとも2種類の薄板をクランクシャフト4の軸方向に積み重ねて構成されている。組合せ方は、実施の形態1とは異なるが、その詳細は、後述する。
第1の電磁鋼板61の穴63は長方形状の穴で、その穴63の長辺63a、63bは第1の電磁鋼板61の半径と直交する向きに配置されている。第1の長辺63aは第1の電磁鋼板61の外縁側、第2の長辺63bは中心側に配置されている。短辺63c、63dは、第1の電磁鋼板61の半径方向に配置されている。
第2の電磁鋼板64の穴66も長方形状の穴で、その穴66の長辺66a、66bが第2の電磁鋼板64の半径と直交する向きに、配置されている。第1の長辺66aは第2の電磁鋼板64の外縁側、第2の長辺66bは中心側に配置されている。短辺66c、66dは、第2の電磁鋼板64の半径方向に配置されている。
第2の電磁鋼板64の穴66の第2の電磁鋼板64の半径方向の外縁側、すなわち、シャフト穴31bを構成する穴65とは反対側には、支持部67が少なくとも1個以上設けられている。支持部67は、穴66の長辺66aより、第2の電磁鋼板64の半径方向の外縁側に配置されている。
支持部67の数は、任意であり、付勢力によって、調整される。また、設ける箇所と間隔も、第2の電磁鋼板64の穴66の第2の電磁鋼板64の外縁側であれば、支障はない。
図21は、第2の電磁鋼板64の半径と直交し、支持部67を通る面にて切断した断面を拡大した図である。支持部67は、第2の電磁鋼板64の平面に対して、垂直にへこませた凹部67aから構成されている。第2の電磁鋼板64の表の面では凹部67aとなることに対して、裏の面は、そのまま、凸部67bとなって、形成される。
凹部67a、凸部67bは、円形、方形、楕円形などどのような形状であっても構わない。凹部67a、凸部67bの径や、突き出し量は、任意であり、付勢力によって、調整される。
電磁鋼板61、64を、回転子鉄心31aとなるように積層した場合、支持部67を有する第2の電磁鋼板64は、回転子鉄心31aの一方の端面に配置される。もう一方の端面には、支持部があっても、無くても構わない。もう一方の端面に、支持部が無い場合は、端板が配置され、磁石挿入穴31cが塞がれる。永久磁石33は、支持部67と端板との間で、挟持される。支持部67と端板との間の寸法は、永久磁石33の軸方向の寸法より、小さく形成されているが、永久磁石33が挟持されるとき、凸部67bが変形することで、拡大する。
一方、凸部67bには、復元力があり、元に戻る方向に、付勢力が働く。すなわち、の支持部67は、端板に向かって、付勢力が働き、凸部67bが永久磁石33を押圧し続ける。これにより、永久磁石33は、支持部67と端板との間に固定されることになる。
図22は、第1の電磁鋼板61の穴63に永久磁石33が挿入されたときの穴63に対する永久磁石33の配置を表した図である。同様に、図23は、第2の電磁鋼板64の穴66に永久磁石33が挿入されたときの穴66に対する永久磁石33の配置を表した図である。ただし、永久磁石33は、支持部67と端板との間に挟持されていない。
永久磁石33は、穴63、66に挿入された時点では、第1の電磁鋼板61の中心側、すなわち、穴63の長辺63b側に配置される。永久磁石33と、穴63の長辺63aとは、離れており、その間には隙間が形成されている。
永久磁石33と、第2の電磁鋼板64の穴66の長辺66a、66bとは、第1の電磁鋼板61のような配置状態や条件はないが、永久磁石33の挿入時の摩擦となるので、接していないことが望ましい。
なお、永久磁石33と、穴63の短辺63c、63dおよび長辺63bとの間、ならびに、永久磁石33と、穴66の短辺66c、66dとの間は、永久磁石33の挿入時の摩擦となるので、接していないことが望ましい。
そのため、穴63の軸方向に直交する断面積は、穴66の軸方向に直交する断面積、および、永久磁石33の回転子鉄心31aの軸方向と直交する断面積より大きくなっている。穴66の軸方向に直交する断面積は、永久磁石33の回転子鉄心31aの軸方向と直交する断面積より大きくなっている。
穴63の短辺63c、63dの寸法をJ、穴66の支持部67の寸法をK、短辺66c、66dの寸法をL、永久磁石33の短辺の寸法D、とすると、J≒K+Lであるが、J>L>D、J>K+Dとなっている。
つまり、永久磁石33が短辺66cと66dとに挟まれる空間に挿入されたとき、支持部67と永久磁石33との間、および、穴66の長辺66bと永久磁石33との間には、隙間が形成される。穴63の長辺63a、63bと永久磁石33との間にも、隙間が形成される。
また、永久磁石33が、支持部67と端板とに挟持されたときも、穴66の長辺66b、穴63の長辺63bと永久磁石33との間に、隙間が形成され、維持される。
穴63の長辺63a、63bの寸法をM、穴66の長辺66a、66bの寸法をN、永久磁石33の長辺の寸法をHとすると、M≒Nであり、M>H、N>H、となる。
永久磁石33が短辺66cと66dとに挟まれる空間に挿入されたとき、穴63の短辺63c、63d、穴66の短辺66c、66dと永久磁石33との間には、隙間が形成される。
図24は、永久磁石33が、支持部67と端板との間に挟持されたときの第1の電磁鋼板61の穴63に対する永久磁石33の配置を表した図である。図25は、永久磁石33が、支持部67と端板との間に挟持されたときの第2の電磁鋼板64の穴66に対する永久磁石33の配置を表した図である。
永久磁石33が、支持部67と端板との間に挟持されると、永久磁石33は、第1の電磁鋼板61、第2の電磁鋼板64の中心と反対側の半径方向の外縁側に配置される。すなわち、穴63の長辺63a側に配置される。第2の電磁鋼板64に対して、永久磁石33は、長辺66aより、外縁側に配置される。すなわち、永久磁石33は、支持部67の下側、第2の電磁鋼板64の下側に潜り込む。永久磁石33と、穴63、66の長辺63b、66bとは離れ、その間には隙間形成される。一方、永久磁石33は、支持部67の凸部67bと、接する配置となる。
支持部67と端板との間の寸法は、永久磁石33の高さ寸法まで、広げられることになる。
以上のような構成の電磁鋼板61、64をクランクシャフト4の軸方向に、積み重ねることで、回転子鉄心31aを構成する。例えば、図26は、第1の電磁鋼板61を積み重ね、その端部に第2の電磁鋼板64を重ね、回転子鉄心31aの端面を形成したときの回転子鉄心31aの構成を説明する図であり、図の上方は、回転子鉄心31aを軸方向から見たもので、下方は、上方の図のY−Y’の面、すなわち、回転子鉄心31aの半径方向かつ支持部67を通る面で、切断したときの断面図である。
磁石挿入穴31cは、回転子鉄心31aの半径方向の外周側の第1の内周面69aと、回転子鉄心31aの半径方向の中心側の第2の内周面69bと、回転子鉄心31aの円周方向の第3の内周面69c、第4の内周面69dと、の4面から構成される。そして、第1の内周面69aは、第1の電磁鋼板61の穴63の第1の長辺63aから構成される。第2の内周面69bは、第1の電磁鋼板61の穴63の第2の長辺63bから構成される。第2の電磁鋼板64の穴66の第1の長辺66aおよび第2の長辺66bも、第1の内周面69a、第2の内周面69bを構成するが、磁石挿入穴31cの端部だけである。同様に、第3の内周面69cは、第1の電磁鋼板61の穴63の第1の短辺63cから構成され、第4の内周面69dは、第1の電磁鋼板61の穴63の第2の短辺63dから構成されている。第2の電磁鋼板64の穴66の第1の短辺66cおよび第2の短辺66dも、第3の内周面69c、第4の内周面69dを構成するが、磁石挿入穴31cの端部を構成する。
支持部67は、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの軸方向の一方の端部に配置されている。磁石挿入穴31cのもう一方の端部は端板が配置されている。第2の電磁鋼板64は、第1の電磁鋼板61の穴63の一部を塞ぐように迫り出した部分を有し、その迫り出した部分に支持部67が配置されている。支持部67の凸部67bは、第2の電磁鋼板64から端板に向かって、軸方向に突き出すように配置される。また、支持部67は、磁石挿入穴31cにおいて、回転子鉄心31aの中心とは反対側すなわち回転子鉄心31aの半径方向の外周側に設けられている。
また、磁石挿入穴31cの支持部67より回転子鉄心31aの中心側には、永久磁石33を挿入する磁石挿入空間69eが形成されている。その磁石挿入空間69eの軸方向の一方は開口しており、磁石挿入口69fを形成している。そして、支持部67の回転子鉄心31aの半径方向の中心側すなわち磁石挿入空間69e側には、磁石挿入空間69eに開口し、磁石挿入空間69eとつながり、永久磁石33を支持部67と端板との間へ挟入させる支持部口69g(図27に図示)が形成されている。
第2の電磁鋼板64は、複数枚、積み重ねる用い方もできる。そのときは、支持部67の凹部と凸部を重ね合わせて積み重ねる。この用い方を行うと、支持部67の見かけ上の板厚が増加するので、その付勢力を増加させることもできる。また、付勢力の増加は、支持部67の個数を増やすことによっても可能である。ただし、磁石との接触面積が増加する。したがって、所望の条件となるように、付勢力と接触面積との調整を図る。
図27は、永久磁石33は磁石挿入口69fから磁石挿入空間69eに挿入されたところである。永久磁石33は、磁石挿入穴31cの内周面69a、69b、69c、69dおよび支持部67とは、接触することなく、磁石挿入空間69eに挿入することができるので、挿入に対し抗力が発生されることなく、スムーズに磁石挿入空間69eに挿入することができる。
磁石挿入空間69aに挿入された永久磁石33は、磁石挿入穴31cの中で、回転子鉄心31aの半径方向の外周側に移動することで、挟持される。すなわち、支持部67は、磁石挿入空間69e側から支持部入口69gを介して永久磁石33が挟入されることで、挟持し、支持する。
図28は、永久磁石33が支持部67に挟持し、支持されたところである。なお、永久磁石33の外周面と磁石挿入穴31cの第2の内周面69bとの間、全面には、磁石背面隙間69hが形成される。
支持部67と端板との間の幅すなわち永久磁石33を挟持する幅は、永久磁石33の幅より狭くなっている。一方、磁石挿入空間69eのいずれの方向の幅も、永久磁石33のいずれの幅より、広い。
なお、本願の実施の形態2.の構造にて、回転子鉄心31aの軸方向から磁石挿入穴31cの支持部67と端板の間に挟入しようとしても、直接、挟入することはできない。
次に、回転子鉄心31aの磁石挿入穴31cに永久磁石33を固定する方法について説明する。具体的には、実施の形態1と同じであるが、永久磁石33を着磁するときの着磁の磁力を利用して、支持部67との間に永久磁石33を押し込み、固定する。
まず初めに、図29のように、電磁鋼板61、64にて形成された回転子鉄心31aの磁石挿入穴31cに着磁されていない永久磁石の素体33aを磁石挿入穴31cの支持部67がない磁石挿入空間69aに挿入する。
永久磁石の素体33aは磁石挿入空間69eの開口部である磁石挿入口59fから磁石挿入空間69eに挿入される。磁石挿入空間69eには、永久磁石の素体33aの各面と接触する構造物は無い、つまり、磁石挿入穴31cの内周面69a、69b、69c、69dおよび支持部67とは、接触することなく、挿入できるので、永久磁石の素体33aは、軸方向から抗力は無く磁石挿入穴31cに挿入できる。
支持部67は、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの半径方向の外周側、すなわち、回転子鉄心31aの中心とは反対側に設けられているので、永久磁石の素体33aは、支持部67と接触しても挟持はできていない。
次に、図30のように、永久磁石の素体33aに着磁するため、回転子31の外側に設置された着磁コイル200によって、回転子31の半径方向の外周側から着磁磁界を印加する。例えば、S極の着磁磁界を回転子31に加えると、永久磁石の素体33aは、着磁磁界を印加している側、すなわち、半径方向の外周側がN極、回転子31の中心側がS極となるように、永久磁石の素体33aの原子の磁気モーメントの向きが揃えられる。これによって、永久磁石の素体33aは磁化され、永久磁石33bとなる。
ここで、図31のように、一旦、着磁磁界の印加を止める。永久磁石の素体33aは、強磁性体なので、着磁磁界がなくなっても、残留磁化が生じ、永久磁石33bの極性は保持される。
続いて、図32のように、再度、着磁コイル200によって、回転子31の半径方向の外周側から着磁磁界を印加し、永久磁石33bに再着磁する。すなわち、図30の段階で、磁気モーメントの向きが揃わなかった原子に対して、磁気モーメントの向きを再び揃え、残留磁化の量を増加させる。これによって、永久磁石33cとなる。
このとき、永久磁石33bの持つ磁場と着磁コイル200の着磁磁界の磁場の相互作用によって、永久磁石33bを回転子31の半径方向の外周側に引き寄せる磁気吸引力F1が働く。この磁気吸引力F1よって、永久磁石33bは磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの半径方向の外周側すなわち第1の内周面69a側に引き寄せる。その結果、支持部67と端板との間に押し込まれる。すなわち、支持部入口69gを介して、支持部67と端板との間に挟入される。支持部67は、変形と、弾性力を発生する。すなわち、支持部67から永久磁石33cに向かって付勢力F2が発生し、永久磁石33cを挟持する。そして、支持部67は、永久磁石33cを回転子鉄心31aの軸方向から押圧し、永久磁石33cは磁石挿入穴31cの中で支持し、固定される。
最後に、着磁磁界の印加を止めたとき、磁気吸引力F1は無くなるが、図33のように、支持部67の付勢力F2によって、永久磁石33cを挟持される状態を維持する。
以上によって、磁石挿入穴31cの所定の位置に永久磁石33を固定することができる。なお、永久磁石33と永久磁石33cは同じものを示している。
なお、磁石挿入穴31cに永久磁石33が固定されると、磁石挿入穴31cの回転子鉄心31aの中心側の第2の内周面69bと永久磁石33の回転子鉄心31aの中心側の外周面との間には、磁石背面隙間69hが形成される。
なお、図29と図30との工程の間に、永久磁石の素体33aを磁石挿入穴31cに挿入した回転子鉄心31aの軸方向の両端に端板とバランスウェイト34a、34bとを装着し、固定する工程があるが、この説明では省略している。端板とバランスウェイト34a、34bとによって、回転子鉄心31aの磁石挿入穴31cの開口部は塞がれる。そして、回転子31が回転したとき、永久磁石33の飛散を防止する。
以上をまとめると、電動機構部の回転子において、磁石挿入穴の回転子の軸方向であって、回転子の中心とは反対側に、支持部を設けるとともに、磁石挿入穴の支持部より回転子の中心側に、永久磁石を挿入できる空間を設けた。そして、磁石挿入穴の回転子の中心側の空間に着磁前の永久磁石の素体を挿入した後、着磁工程のときの着磁の磁場と永久磁石が形成する磁場との相互作用によって、磁気吸引力を発生させ、永久磁石に着磁するとともに、永久磁石を磁石挿入穴の回転子の半径方向の外周側、すなわち、回転子の中心とは反対側に吸引し、支持部と端板の間に押し込む。その結果、永久磁石は支持部に挟持させる。永久磁石は、支持部の付勢力によって、支持され、所定の位置に固定、保持される。
なお、着磁工程の着磁磁場が無くなっても、永久磁石の磁場によって、永久磁石は、回転子鉄心に引き寄せられるので、永久磁石は磁石挿入穴の回転子の半径方向の外周側、すなわち、回転子の中心とは反対側の回転子鉄心を吸引し続ける。これにより、永久磁石は支持部から外れにくくなり、永久磁石を適切な位置に維持し続けることができる。
また、磁石挿入穴の支持部は、端面の一方に備えられている例で、説明してきたが、両方に備えられていても構わない。そのとき、両方とも、弾性力を有する必要は無く、少なくとも、一方が弾性力を有するだけでも、構わない。一方が、弾性力がない凸部であっても、もう一方の弾性力により、支持部は、永久磁石を挟持することができる。
これにより、永久磁石を磁石挿入穴に挿入するとき、支持部の付勢力や磁石挿入穴からの抗力は影響しなくなり、大きな荷重にて、永久磁石を磁石挿入穴に挿入する必要は無くなった。そして、挿入時の荷重による永久磁石の欠けや割れは、未然に防ぐことができ、永久磁石に特別な加工は必要なくなった。さらに、着磁の工程にて、永久磁石を支持部に挟持させ、所定の位置に固定させるので、永久磁石の挿入のため荷重をかける装置も必要なくなった。
また、回転子の組み立てが終わった後で、永久磁石を所定の位置に固定するので、回転子を組み立てた後でも、永久磁石を所定の位置に設定できるようになった。これにより、永久磁石が所定の適正な位置に設定されていない場合は、組み立て後でも、修正が可能となった。したがって、永久磁石の不適切な固定位置による振動音などは、回転子を解体することも無く、修正できるようなった。
なお、永久磁石が磁石挿入穴の中で、適切な位置に固定されているか確認するためには、回転子鉄心の両端面に装着する端板に、永久磁石の外周面および磁石挿入穴の内周面が確認できる小窓を設けておけば良い。その小窓から、磁石挿入穴に対する永久磁石の位置が確認できる。
また、回転子は、支持部を有する電磁鋼板および支持部を有さない電磁鋼板にて構成されているが、回転子鉄心のほぼ全体は、支持部を有さない電磁鋼板にて構成される。支持部を有さない電磁鋼板を重ね合わせてできたものの軸方向の端部に、支持部を有する電磁鋼板を、少なくとも1枚配置する。したがって、回転子鉄心を組み立てるためには、主に、支持部を有さない電磁鋼板を作成するだけで良く、生産性が向上する。また、2種類の電磁鋼板を所定の枚数ごと、積み重ねるような複雑な生産作業は必要なく、簡素な構成で、さらに、生産性が良く、実現できる。
なお、支持部を有する電磁鋼板を、回転子鉄心の一方の端面に、少なくとも1枚、配置する例について、説明したが、複数枚、重ねて配置することで、支持部の付勢力を増加させる調整ができる。また、付勢力については、電磁鋼板の、複数枚、重ね合わせ以外に、支持部の設ける数によっても、調整できる。いずれの方法を選択しても、支持部の付勢力は、自由な調整ができる。
なお、実施の形態1.と同様、支持部と永久磁石との接触面積も減らすことができるので、減磁耐力も向上させることができる。
また、永久磁石は、磁石挿入穴の中で、回転子の中心とは反対側に固定されているので、回転子が回転したとき、その遠心力によって、回転子の半径方向の外周側すなわち回転子の中心とは反対側に押圧される。これによって、永久磁石は支持部から外れにくくなり、永久磁石を適切な位置に維持し続けることができる。したがって、性能向上、信頼性向上に貢献できる。
なお、永久磁石は直方体すなわち平板形状のもので説明してきたが、実施の形態1.と同様、円形でも、円弧形状のものであっても構わない。また、一磁極に使用する永久磁石も、1枚のもので説明してきたが、複数枚の構成であっても構わない。また、直方体形状の磁石挿入穴の長辺が半径方向と直交する向きのみ、説明してきたが、傾きがあっても構わない。いずれの場合であっても、回転子鉄心の半径方向の外周側へ、磁石が移動できるので、支持部への挟入が可能であり、本願の構成が実現可能である。また、本願の効果も発揮できる。
永久磁石は、回転子鉄心の半径方向の外周側に移動させ、支持部に挟持させるとしてきたが、実施の形態1.と同様、必ずしも、半径方向である必要はない。すなわち、回転子鉄心の外周側の方向であれば、実現可能である。ただし、支持部が押圧する方向は、円周方向としてきたが、そのときは、円周に対して、所定の傾きを持った方向となる場合もある。例えば、それは、半径方向に、押圧する場合もある。
なお、永久磁石は、回転子鉄心の半径方向の外周側に移動させ、支持部に挟持させているが、実施の形態1.と同様、永久磁石を中心側に移動し、支持部に挟持させた場合、固定子の磁極と永久磁石との距離が遠くなり、磁束損失が高く、適切ではない。特に、永久磁石の外周側に磁極鉄心と永久磁石との間に、隙間が形成され、磁束伝達の邪魔となる。
また、永久磁石が支持部に挟持されると、永久磁石と磁石挿入穴の回転子の中心側の内周面との間、全面に、磁石背面隙間が形成される。
本願の実施の形態1.同様に、クランクシャフトと永久磁石との間に磁石背面隙間が形成されることにより、この磁石背面隙間がクランクシャフトと回転子鉄心との加工時の加工熱が永久磁石に伝達されることを遮断する。従来、設けられていた加工熱を伝達させないスリットは不要となり、加工が簡素化できる。磁石背面隙間が設けられることによって、従来同様、永久磁石の熱に対する減磁耐力を向上させることができ、信頼性の高い回転子、電動機を得ることができる。
1 密閉容器、2 圧縮機構部、3 電動機構部、4 クランクシャフト、5 吸入連結管、6 吐出管、7 接続端子、11 上部容器、12 下部容器、21 ローリングピストン、22 シリンダ、23 主軸受、24 副軸受、25 吐出マフラ、25a 開口部、31 回転子、31a 回転子鉄心、31b シャフト穴、31c 磁石挿入穴、32 固定子、32a 固定子鉄心、32b バックヨーク、32c ティース、32d スロット、33 永久磁石、33a 永久磁石の素体、33b,33c 永久磁石、34a 上部バランスウェイト、34b 下部バランスウェイト、35 リベット、36 連通孔、37 固定子巻線、38 絶縁部材、39 リード線、39a 端子、41 主軸部、42 副軸部、43 偏芯軸部、51 第1の電磁鋼板、52,53 穴、53a 第1の長辺、53b 第2の長辺、53c 第1の短辺、53d 第2の短辺、54 第2の電磁鋼板、55,56 穴、56a 第1の長辺、56b 第2の長辺、56c 第1の短辺、56d 第2の短辺、56e,56f 支持部を含まない短辺、57 第1の支持部、57a 穴、57b 薄肉部、58 第2の支持部、58a 穴、58b 薄肉部、59a 第1の内周面、59b 第2の内周面、59c 第3の内周面、59d 第4の内周面、59e 磁石挿入空間、59f 磁石挿入口、59g 支持部入口、59h 磁石背面隙間、61 第1の電磁鋼板、62,63 穴、63a 第1の長辺、63b 第2の長辺、63c 第1の短辺、63d 第2の短辺、64 第2の電磁鋼板、65,66 穴、66a 第1の長辺、66b 第2の長辺、66c 第1の短辺、66d 第2の短辺、67 支持部、67a 凹部、67b 凸部、69a 第1の内周面、69b 第2の内周面、69c 第3の内周面、69d 第4の内周面、69e 磁石挿入空間、69f 磁石挿入口、69g 支持部入口、69h 磁石背面隙間、100 密閉型圧縮機、101 吸入マフラ、200 着磁コイル。

Claims (14)

  1. 複数の電磁鋼板を積層し円柱形に形成された回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心に磁界を形成する永久磁石と、
    前記回転子鉄心に設けられ前記永久磁石を内部に固定する磁石挿入穴と、
    を備え、
    前記磁石挿入穴は、
    前記永久磁石を挿入する磁石挿入空間と、
    記永久磁石を挟持し支持する支持部と、
    有し、
    前記磁石挿入空間は、前記回転子鉄心の軸方向の端部に磁石挿入口を有し、
    前記支持部は、前記回転子鉄心の半径方向の中心側に前記磁石挿入空間へ開口した支持部入口を有し、
    前記磁石挿入口から前記磁石挿入空間に挿入された前記永久磁石は、前記支持部入口から前記支持部に挟入され、挟持された回転子。
  2. 前記支持部の前記永久磁石を挟持する部分の幅は、前記永久磁石の挟持される部分の幅より狭く、前記磁石挿入空間の幅は、前記永久磁石の幅より広い請求項1に記載の回転子。
  3. 前記支持部は、前記回転子鉄心の半径方向の外周側に設けられた請求項に記載の回転子。
  4. 前記磁石挿入空間は、前記支持部より前記回転子鉄心の中心側に設けられた請求項に記載の回転子。
  5. 前記磁石挿入穴は、前記回転子鉄心の半径方向の外周側の第1の内周面と、前記回転子鉄心の半径方向の中心側の第2の内周面と、前記回転子鉄心の円周方向の第3の内周面および第4の内周面と、から構成され、
    前記支持部に挟持された前記永久磁石は、前記第2の内周面との間に、隙間を形成している請求項に記載の回転子。
  6. 前記支持部は、前記永久磁石を前記回転子鉄心の円周方向に押圧する請求項に記載の回転子。
  7. 前記支持部は、前記磁石挿入穴の前記第3の内周面および前記第4の内周面の少なくとも一方に設けられた請求項に記載の回転子。
  8. 前記支持部は、前記第3の内周面あるいは前記第4の内周面から円周方向に突き出した凸部であって、
    中央に設けられた穴と、前記第3の内周面あるいは前記第4の内周面から円周方向に突き出した薄肉部と、を有し、前記中央の穴が変形することによって、弾性力を発生させる請求項に記載の回転子。
  9. 前記支持部は、前記永久磁石を前記回転子鉄心の軸方向に押圧する請求項に記載の回転子。
  10. 前記回転子鉄心は、
    前記磁石挿入穴を構成する穴を備えた第1の電磁鋼板と、
    前記磁石挿入穴を構成する穴と前記支持部とを備えた第2の電磁鋼板と、
    を備え、
    前記第2の電磁鋼板は、前記第1の電磁鋼板が積層された軸方向の端部に配置され、
    前記第1の電磁鋼板の前記穴の軸方向の一部を塞ぐとともに、
    前記支持部は、前記第1の電磁鋼板の前記穴の軸方向の一部を塞ぐ部分に設けられた請求項に記載の回転子。
  11. 前記支持部は、前記第2の電磁鋼板から軸方向に突き出した凸部である請求項10に記載の回転子。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の回転子と、前記回転子の外側を囲む固定子と、を備えた電動機。
  13. 請求項12に記載の電動機と、クランクシャフトにて前記電動機と接続された圧縮機構部と、前記電動機および前記圧縮機構部を収納した密閉容器と、を備えた密閉型圧縮機。
  14. 請求項1から11のいずれかに記載の回転子において、
    前記永久磁石の磁界と前記永久磁石に着磁を行う着磁装置の磁界との相互作用による磁気吸引力によって、前記磁石挿入空間に挿入された前記永久磁石を、前記磁石挿入穴内で、前記回転子鉄心の半径方向の外周側に移動させ、前記支持部に挟持させる回転子の製造方法。
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