JPH07298589A - アキシャル・エアギャップ・モータ - Google Patents

アキシャル・エアギャップ・モータ

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JPH07298589A
JPH07298589A JP7031968A JP3196895A JPH07298589A JP H07298589 A JPH07298589 A JP H07298589A JP 7031968 A JP7031968 A JP 7031968A JP 3196895 A JP3196895 A JP 3196895A JP H07298589 A JPH07298589 A JP H07298589A
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ジョン・ジー・フロレスタ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率的で低廉且つ信頼性の高いアキシャル・
エアギャップ・モータを提供すること。 【構成】 第一の端板及び対向する第二の端板１０８、
１１０を有するハウジング１０２と、該ハウジング１０
２内に回転可能に取り付けられたロータ組立体１０６と
を備えるアキシャル・エアギャップ・モータ１００であ
る。該ロータ組立体１０６は、環状の円板状アマチュア
１３０を備え、該アマチュア１３０が正面及び背面を有
する。更に、ステータ組立体１０４は、第一の端板１０
８に取り付けられた第一の透磁性磁束戻り板１４０と、
第一の磁束戻り板１４０に取り付けられた磁石組立体と
を備えている。磁石組立体は、該アマチュア１３０の面
に対して直角の方向に磁界を該アマチュア１３０に向け
得るように、第一の磁束戻り板１４０と該アマチュア１
３０の正面との間に配置されている。ステータは、第二
の端板１１０に取り付けられた第二の透磁性磁束戻り板
１４２を更に備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電気モータに関する。
より具体的には、本発明は、アキシャル・エアギャップ
（ａｘｉａｌ ａｉｒ ｇａｐ）・直流モータに関す
る。
【０００２】
【従来の技術】アキシャル・エアギャップ・モータは、
長年に亙って使用されている。この間に、これらのモー
タは、多くの形態を取って来た。該モータは、回転する
偏平な形状の巻線部分と組み合わせて磁石を使用し、そ
の巻線はプレス加工品により、エッチング処理品によ
り、又は直流モータ及び交流モータである期間使用され
てきた従来通りの線を巻いて形成されている。
【０００３】アキシャル・エアギャップ・モータは、偏
平型又は「パンケーキ型」モータと称されることが多
く、その長さ寸法が重要な設計上の考慮事項である多数
の適用例で採用されている。一般に、アキシャル・エア
ギャップ・アマチュアの構造は、現在利用可能なものの
内で長さが最も短かいモータの形状を提供する。モータ
は、アキシャル・エアギャップと、プリント加工、プレ
ス加工により、又は線を巻いて形成したアマチュアとを
特徴とする。また、該モータは、軸方向又は半径方向の
整流のため、軸方向又は半径方向に方向決めしたブラシ
／ばね組み合わせ体を特徴とする。
【０００４】アキシャル・エアギャップ・モータは、そ
の所望の目的上、それ自体、有利であることが実証され
ているが、今日、長さ寸法の短縮化を一層、最適なもの
にしなければならない多数の適用例がある。例えば、ラ
ジエータ、復水器の冷却モジュール、及びウィンドリフ
ト（ｗｉｎｄｏｗ ｌｉｆｔｓ）、ブロア組立体等にお
けるように、多数の自動車の適用例で使用されるモータ
の場合がある。自動車のエンジン室及び車体は利用可能
なスペースが狭くなる傾向にある一方、乗員スペースは
同一か、又は広くなっている。そのため、自動車の適用
例においてのみならず、例えば、宇宙、産業用及びその
他の商業的利用分野のような、「パンケーキ型」モータ
の他の適用例においても、長さ、重量及びコストを最小
にする一方で、馬力を最大にすることが重要な配慮事項
となっている。
【０００５】従来技術の典型的なエアギャップ・モータ
が図１に示してある。永久磁石１０は、ステータの端板
１２に強固に固着されている。これらの端板１２は、透
磁性材料（例えば、鋼又は鉄）から成っており、磁束戻
り路として機能する。ハウジング１４は、端板１２の間
にアルミニウム製の円筒形の外側リング１６を配置する
ことによって完成される。回転軸２０に取り付けたアマ
チュア１８が永久磁石１０の間のスペースに設けられて
いる。電気は、ブラシ２２を通ってアマチュア１８に流
される。アマチュア１８は、プレス加工品、エッチング
処理品又は従来の線を巻いて形成した、従来形状の巻線
である。
【０００６】現在、図１に示したようなアキシャル・エ
アギャップ・モータは、アマチュア１８の片側に、又は
両側に設けた一組みの永久磁石１０から成るステータ組
立体を備える構造とされている。永久磁石１０は、例え
ば、冷間圧延鋼又は鉄のような透磁性材料から成る端板
１２に一般に結合されている。永久磁石は、最も一般的
には、アルニコ材料から成っているが、近年、希土類元
素を含む高保磁力の磁石を含むモータが利用可能となっ
ている。従来技術のモータは、波形座金２４及び充電コ
イル巻線２６を更に含んでいる。
【０００７】アキシャル・エアギャップ・モータのアマ
チュアは、通常、プレス加工品、エッチング処理品又は
従来の線を巻いて形成した巻線である。次の米国特許が
現在利用されているアマチュアの型式の一例である。
【０００８】米国特許第３，４８８，５３９号 「タッ
カー（Ｔｕｃｋｅｒ）」 米国特許第３，５７５，６２４号 「ケーグ（Ｋｅｏｇ
ｈ）」 米国特許第３，７３７，６９７号「キタモリ、その他
（Ｋｉｔａｍｏｒｉ ｅｔ ａｌ．）」 米国特許第４，３２１，４９９号 「グプタ（Ｇｕｐｔ
ａ）」 米国特許第４，３４１，９７３号 「マルコ、その他（Ｍａｒｕｋｏ ｅｔ ａｌ．）」 米国特許第４，４１３，８９５号 「リー（Ｌｅｅ）」 米国特許第４，７９４，２９３号「フキサキ、その他
（Ｆｉｋｉｓａｋｉ ｅｔ ａｌ．）」 米国特許第５，０９９，１６２号 「サワダ（Ｓａｗａ
ｄａ）」 米国特許第５，１４４，１８３号「ファーレンコフ（Ｆ
ａｒｒｅｎｋｏｐｆ）」
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術のアキシャル・エアギャップ・モータは、磁束の戻り
路としてモータの端板を利用する。その結果、該端板
は、酸化の防止のためめっき処理しなければならない鋼
又は鉄のような高価な材料で形成することを要する。ア
ルミニウムのような、より軽量で且つより低廉な材料を
使用すれば、著しい節約になるであろうが、アルミニウ
ムは、磁束の戻り路として使用するのに必要な透磁性を
欠くから、現在のモータは、アルミニウム製端板を使用
することが出来ない。
【００１０】更に、従来技術のモータのステータ（即
ち、磁石、端板及びブラシ）は、「連続的」に製造され
るため、組み立て時間が長い。即ち、組み立て工程の各
段階は、その前の組み立てが完了することに依存し、そ
の前の工程が完了する迄、開始することが出来ない。そ
の結果、端板が製造される迄、磁石を端板に結合するこ
とが出来ず、又、磁石が結合される迄、ブラシ及び軸受
を挿入することが出来ない。このため、製造サイクルが
長くなり、在庫量が増す傾向となり、顧客に迅速に対応
する点で製造業者の能力が著しく損なわれる。
【００１１】従来技術のモータにアルニコ磁石を使用す
るためには、現場で磁石の充電を行う必要がある。その
ため、モータ内に内部充電線を組み込み且つその状態を
保つことを要する。しかしながら、希土類元素から成る
高飽和保磁力の磁石をアキシャル・エアギャップ・モー
タ内に使用するという近年の方法がこの問題を解決して
いる。こうした進歩にも拘わらず、アキシャル・エアギ
ャップ・モータの設計は、こうした高飽和保磁力の磁石
が実現するコスト上の利点を完全には実現し得ない。
【００１２】更に、既存のアキシャル・エアギャップ・
モータのモータ性能を変更すること（即ち、トルク及び
／又は出力を増大させること）が一般に困難であり、著
しい設計変更を必要とする。具体的には、材料の品質を
上げるか、エアギャップを少なくし、又は磁石の寸法
（典型的に長さ寸法）を大きくしない限り、トルクを増
大させることが出来ない。この場合には、設計コストが
著しく増し、また、採用、維持且つ在庫しなければなら
ない新たな部品の普及が必要となり、モータのメンテナ
ンスが困難となり、又、在庫費用が増大する。更に、よ
り高トルクモータに必要とされる長い磁石に対応し得る
ように、一般にモータの長さ寸法を長くしなければなら
ない。モータの長さ寸法が増すことは、アキシャル・エ
アギャップ・モータによって得られる偏平な形状による
利点を失う結果となる。
【００１３】最後に、現在のアキシャル・エアギャップ
・モータは、製造が難しく、顕著な組み立て、加工及び
装置を必要とし、又、組み立てに非常な熟練が必要であ
り、製造サイクル時間が長く、又在庫コストも高くな
る。
【００１４】現在、利用可能なアキシャル・エアギャッ
プ・モータによって得られる利点にも拘わらず、依然と
して、効率的で低廉且つ信頼性の高いモータが要望され
ていることは明らかである。本発明は、この課題を達成
するものである。
【００１５】故に、本発明の一つの目的は、製造時間が
短かいモータを提供することである。
【００１６】本発明の別の目的は、共通の部品にて、多
数の型式の特定寸法のハウジングを形成することを可能
にすることにより、在庫コストが著しく削減されるモー
タを提供することである。
【００１７】本発明の更に別の目的は、モータ内にシム
又はスペーサを使用するだけで単一のハウジング寸法で
多数のトルク性能を実現可能にするモータを提供するこ
とである。
【００１８】本発明の別の目的は、組み立て工程が、そ
の前の組み立て工程に依存せず、その他の組み立て工程
と同時に行うことの出来る、並列的製造が可能なモータ
を提供することである。
【００１９】本発明の更に別の目的は、コスト、融通性
及び性能の点で顕著な利点を有するモータを提供するこ
とである。
【００２０】本発明の別の目的は、材料コスト及び労働
コストが低廉なモータを提供することである。
【００２１】本発明の一つの目的は、修理及び現場での
交換コストを著しく軽減し、組立工に必要とされる技術
及びノウハウが著しく少なくて済み、又、加工及び固定
が極めて簡単で、部品（特にブラシ）の現場での交換が
容易であり、又、既存のアキシャル・エアギャップ・直
流モータよりも軽量なモータを提供することである。
【００２２】
【課題を達成するための手段】本願の一つの発明による
アキシャル・エアギャップ・モータは、第一の端板及び
対向する第二の端板を有するハウジングと、該ハウジン
グ内に取り付けられたステータ組立体と、前記ハウジン
グ内に回転可能に取り付けられたロータ組立体であっ
て、正面及び背面を有する環状円板状のアマチュアを有
するロータ組立体と、を備え、前記ステータ組立体が、
前記第一の端板に取り付けられた第一の透磁性の磁束戻
り板と、該第一の磁束戻り板と前記アマチュアの前記正
面との間で前記第一の磁束戻り板に取り付けられ、前記
アマチュアの面に対して直角の方向に磁界を前記アマチ
ュアに向ける磁石組立体と、を備え、前記ステータが、
前記第二の端板に取り付けられた第二の透磁性の磁束戻
り板を更に備えて構成されている。また、本願の他の発
明によるアキシャル・エアギャップ・直流モータは、非
磁性で且つ非透磁性の第一の端板及び対向する非磁性で
且つ非透磁性の第二の端板を有するハウジングと、該ハ
ウジング内に取り付けられたステータ組立体と、該ハウ
ジング内に回転可能に取り付けられたロータ組立体であ
って、正面及び背面を有する環状の円板形アマチュアを
有するロータ組立体と、前記アマチュアに電気エネルギ
を送り得るように前記ハウジングに取り付けられた成形
ブラシブロックと、を備え、前記ステータ組立体が、前
記第一の端板に取り付けられた磁性で且つ透磁性の環状
の第一の磁束戻り板と、該第一の磁束戻り板に取り付け
られた、極性が交互に変わる一連の独立の磁石とを含
み、該一連の独立の磁石が、前記アマチュアの面に対し
て直角な方向に磁界を前記アマチュアに向け得るよう
に、前記第一の磁束戻り板と前記アマチュアの前記正面
との間に配置され、前記ステータが、前記第二の端板に
取り付けられた磁性で且つ透磁性の環状の第二の磁束戻
り板を更に含んで構成されている。
【００２３】本発明の上記及びその他の目的は、第一の
端板及び対向する第二の端板を有するハウジングと、該
ハウジング内に取り付けたステータ組立体と、該ハウジ
ング内で回転可能に取り付けられたロータ組立体とを備
える、アキシャル・エアギャップ・モータによって達成
される。該ロータ組立体は、環状の円板状アマチュアを
備え、該アマチュアが正面と、背面とを有している。更
に、ステータ組立体は、第一の端板に取り付けられた透
磁性の第一の磁束戻り板と、該第一の磁束戻り板に固着
された磁石組立体とを備えている。該磁石組立体は、第
一の磁束戻り板とアマチュアの正面との間に配置され
て、アマチュアの面に対して直角の方向に磁界をアマチ
ュアに案内する。ステータは、第二の端板に取り付けら
れた透磁性の第二の磁束戻り板を更に含んでいる。
【００２４】
【実施例】本発明のその他の目的、利点及び顕著な利点
は、添付図面に関して、本発明の好適な実施例を開示す
る以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【００２５】図２を参照すると、本発明によるアキシャ
ル・エアギャップ・直流モータ１００が開示されてい
る。該モータ１００は、ハウジング１０２と、ステータ
組立体１０４と、ロータ組立体１０６とを備えている。
【００２６】ハウジング１０２は、第一の端板１０８及
び第二の端板１１０と、円筒形の外側リング１１２とか
ら形成されている。該円筒形の外側リング１１２は、第
一及び第二の端板１０８、１１０の周縁１１４、１１６
の間で接続されて、円筒形のハウジング１０２を形成し
ている。該ハウジング１０２は、第一の端板１０８と第
二の端板１１０との間に通したボルト（図示せず）によ
り互いに保持されている。このボルトによって付与され
た圧縮力が第一の端板１０８及び第二の端板１１０及び
円筒形の外側リング１１２を所定の形状に保つ働きをす
る。また、これらの端板１０８、１１０の各々は、以下
に更に詳細に説明する方法にてロータ組立体１０６の回
転軸１２２を受け入れ得るようにしたそれぞれの中央穴
１１８、１２０を有する。
【００２７】これらの端板１０８、１１０は、軽量で非
磁性の非透磁性材料から成っている。例えば、これらの
端板は、アルミニウムで形成することが望ましい。その
結果、端板は低コストの鋳造法又は押出し成形方法によ
って製造することが出来る。また、端板は、本発明の精
神に属するその他の低コストで非磁性、非透磁性の材料
で形成することも可能である。例えば、端板は成形プラ
スチックにて形成してもよい。端板は軽量で非透磁性の
材料で製造することが出来るから、これらの端板は、鉄
又は鋼製端板が必要とする酸化を防止するための高価な
めっき処理が不要である。端板は軽量、非磁性で非透磁
性の材料で製造することが望ましいが、これらの端板
は、鋼又は鉄で製造してもよい。しかしながら、その場
合、本発明による多くの利点が失われる。
【００２８】同様にして、円筒形の外側リング１１２
は、アルミニウム、プラスチック又は円筒形ハウジング
の製造に利用可能であろうその他の任意の軽量で非透磁
性の材料で製造することが望ましい。
【００２９】ハウジング１０２は、ロータ組立体１０６
及びステータ組立体１０４を収容している。該ロータ組
立体１０６は回転可能に取り付けた軸１２２を備えてお
り、該軸１２２は、それぞれ、各端板１０８、１１０の
中央穴１１８、１２０内に配置された一対の軸受１２
４、１２６に支持されている。アマチュアのハブ１２８
が回転軸１２２の中央部分に固着されており、アマチュ
ア１３０に対する取り付け構造体を提供する。更に、ア
マチュアのハブ１２８と軸受１２４との間には、波形座
金１３２が配置されており、アマチュア１３０をその適
正な位置に維持する。
【００３０】アマチュア１３０、即ち、回転巻線は、ア
マチュアのハブに配置された棚状突起に取り付けらた環
状円板から成っている。好適な実施例において、アマチ
ュア１３０は、アマチュアのハブ１２８に接着した（例
えば、エポキシにより）プレス加工した巻線である。好
適な実施例は、プレス加工による巻線を利用するが、本
発明によれば、線を巻いて形成した巻線及びエッチング
処理による巻線を利用することも可能である。
【００３１】第二の端板１１０に固着した従来の成形ブ
ラシブロック１３６、１３８によりアマチュア巻線に対
する給電が行われる。成形ブラシブロック１３６、１３
８はボルト又は接着剤（図示せず）によって第二の端板
１１０に固着することが出来る。成形ブラシブロック１
３６、１３８は、組み立てコストを軽減し、当該モータ
の非連続的な製造を可能にし、又、現場でのブラシの交
換を容易にする。本発明の好適な実施例は、直流電源に
使用することを目的とするものであるから、整流子がプ
レス加工した巻線アマチュア１３０内に組み込まれてお
り、該整流子には、成形ブラシブロック１３６、１３８
が接触して、かかる電気モータが必要とする交流を発生
させる。
【００３２】ステータ組立体１０４は、第一の端板１０
８に固着された第一の環状磁束戻り板１４０と、第二の
端板１１０に固着された第二の環状磁束戻り板１４２と
を備えている。これらの磁束戻り板１４０、１４２は、
鋼、鉄又はその他の任意の許容可能な透磁性材料で製造
することが出来る。磁束戻り板１４０、１４２は、端板
１０８、１１０及び磁束戻り板１４０、１４２のそれぞ
れの穴１４６、１４８の間を伸長する止めピン１４４に
よってそれぞれの端板１０８、１１０上に正確に位置決
めされている。磁束戻り板１４０、１４２は、その各磁
束戻り板１４０、１４２を貫通して伸長する４本のボル
ト（図示せず）により所定位置に強固に保持されてい
る。
【００３３】図２の実施例に示すように、別個の一連の
希土類磁石１５０（例えば、サマリウムコバルト、又は
ネオジウム系磁石）は、第一の磁束戻り板１４０に固着
されている。図示したモータは、８極モータであり、従
って、第一の磁束戻り板１４０に８つの独立した磁石１
５０が固着されている。これらの磁石１５０は、軸１２
２を中心とする円周方向に均一に配分されて、一列の極
表面を形成し、その各々はエポキシセメントのような接
着剤によって第一の磁束戻り板１４０に接着されてい
る。磁石１５０は、磁化されて、反対の北極及び南極の
磁極面を提供する。
【００３４】好適な実施例にて希土類磁石が使用されて
いるが、本発明によれば、フェライトのような任意の高
保磁力の磁石を使用することが可能である。高飽和保磁
力の磁石は、典型的に、同一の磁界を得るのにより長い
寸法を必要とするアルニコ磁石と異なり、極めて短かい
寸法で形成することが出来る。更に、高飽和保磁力の磁
石は現場で磁化する必要はない。これらの磁石は、その
磁力を失う虞れを伴わずに、モータの外部で磁化するこ
とが出来る。長さが短く、しかも高飽和保磁力である結
果、磁石を磁束戻り板に取り付ける形態を設計すること
が容易となる。
【００３５】本発明の好適な実施例は、環状の磁束戻り
板１４０、１４２と、独立の磁石１５０とを利用する
が、本発明の範囲内で各種の変形例が可能である。例え
ば、環状リングは、ハウジング内に配置した独立の要素
にて形成することも可能である。更に、極性が交互に変
わる領域を有する環状磁石を使用することも可能であ
る。磁束戻り板及び磁石の構造の決定は、モータの所望
の特性（例えば、極数、磁界の強さ、モータの寸法）に
基づくことを要する。
【００３６】図２に示すように、磁束戻り板１４０、１
４２と端板１０８、１１０との間には、シム又はスペー
サ１５２を配置して、ロータ組立体１０６とステータ組
立体１０４との間の距離を変化させることが出来る。こ
のことは、モータの環境条件に依存して、当該アキシャ
ル・エアギャップ・モータ１００の性能特性を容易に変
更することを可能にするものである。具体的には、ロー
タ組立体１０６とステータ組立体１０４との間の距離を
変更することは、モータ１００のトルク及び出力を変更
することを可能にする。本発明の性能特性の変更は、ハ
ウジングの寸法、即ち、モータの直径又は長さ寸法を変
更することなく実現される。
【００３７】図２には、磁石が回転巻線の片側にのみあ
る、即ち、単一ケージ構造の本発明が示してある。図３
には、磁石が回転巻線の両側にある、即ち二重ケージ構
造の選択可能な実施例が示してある。具体的には、図２
に示した実施例と図３に示した実施例との唯一の相違点
は、第二の一連の独立の磁石１５４を追加し、第二の磁
束戻り板１４２に固着した点である。図２及び図３の構
造上の類似点を考慮し、追加的な磁石１５４は別にし
て、図３のモータは、図２に使用したものと同一の参照
符号で表示する。
【００３８】本発明によれば、二重ケージの構造は、モ
ータに対する共通のハウジング寸法範囲内で共通の部品
（例えば、磁石、磁束板、端板等）及び組み立て技術を
利用して容易に製造される。この場合にも、本発明は、
簡単な変更を加えるだけでモータの性能特徴を変更する
ことが可能である。
【００３９】図４に示すように、また、モータ２００
は、線を巻いたアマチュア２３０で形成することも出来
る。図４の実施例は、図２に示した実施例と同一のハウ
ジング構造体２０２及びステータ構造体２０４を備えて
いる。しかしながら、図４に示した実施例は、回転軸２
２２に固着された線巻きアマチュア２３０を備えてい
る。モータ２００が必要とする交流を促進すべく、整流
子２３１がアマチュア２３０上に配置されている。図２
及び図３に示したプレス加工による巻線で形成したアマ
チュアを交換しても、モータの性能には影響がなく、本
発明の精神に属する限り、利用可能である多数の選択的
な実施例の一つにしか過ぎない。
【００４０】
【発明の効果】上述のように、本発明は、アキシャル・
エアギャップ・モータの組み立てを容易にするという利
点がある。具体的には、磁束戻り板及び磁石は、その他
の部品と別個に組み立て、これにより、製造工程を短縮
することが可能である。更に、本発明は、その時点にて
利用可能な任意の低廉な材料を使用して、機械加工、又
は鋳造の何れかでハウジングを形成することが出来る。
例えば、ハウジング部品はプラスチックで成形し、又は
アルミニウムで押出し成形することが出来る。実際に
は、ハウジングを押出し成形アルミニウムで形成するな
らば、モータの性能及びコストの点で最良の利点が得ら
れることが判明している。
【００４１】本発明は、直流の電源に利用する場合につ
いて説明したが、この好適な実施例は、本発明の精神か
ら逸脱せずに、交流の電源に使用し得るように変更する
ことも可能である。更に、この好適な実施例は、本発明
の精神を維持しつつ、ブラシレスのモータ構造に変更す
ることも可能である。
【００４２】本発明の好適な実施例を図示し且つ説明し
たが、これは開示内容を限定するものではなく、本発明
は、特許請求の範囲に記載し又はその均等物の範囲に属
する限り全ての変形例、及び選択的な方法及び装置を包
含することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来技術のアキシャル・エアギャップ・モータ
の断面図である。
【図２】本発明の単一ケージの実施例の断面図である。
【図３】本発明の二重ケージの実施例の断面図である。
【図４】本発明の選択可能な実施例の断面図である。
【符号の説明】
１０ 永久磁石 １２ 端板 １４ ハウジング １６ 外側ハウ
ジング １８ アマチュア ２０ 回転軸 ２２ ブラシ ２４ 波形座金 ２６ 充電コイル １００ アキシャル・エアギャップ・モータ １０２ ハウジング １０４ ステー
タ組立体 １０６ ロータ組立体 １０８、１１０
端板 １１２ 外側リング １１４、１１６
周縁 １１８、１２０ 中央穴 １２２ 回転軸 １２４、１２６ 軸受 １２８ アマチ
ュアハブ １３０ アマチュア １３２ 波形座
金 １３６、１３８ 成形ブラシブロック １４０、１４２ 環状磁束戻り板 １４４ 止めピ
ン １４６、１４８ 穴 １５０ 希土類
磁石 １５２ シム（スペーサ） １５４ 磁石
【手続補正書】
【提出日】平成７年７月１４日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２２
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２２】
【課題を解決するための手段】本願の一つの発明は、ア
キシャル・エアギャップ・モータにして、一対の隔てら
れた端板を有するハウジングと、前記ハウジング内に取
り付けられたステータ組立体と、前記ハウジング内に回
転可能に取り付けられたロータ組立体であって、アキシ
ャルエアギャップ内に配置された環状円板状のアマチュ
アを有するロータ組立体と、を備え、前記ステータ組立
体が、前記端板間に固定された磁石組立体と、一対の磁
束戻り板とを有し、前記磁束戻り板は、前記磁石組立体
と共に、前記エアギャップを与えるように前記端板間の
すき間をほぼ満たし、磁界を前記アマチュアの面に対し
て直角の方向にエアギャップを横切って向け、前記ステ
ータが、更に、前記ハウジングの寸法を変えることなく
前記アキシャル・エアギャップモータの性能特性を調節
する手段を備えて構成されている。本願の他の発明は、
アキシャル・エアギャップ・直流モータにして、一対の
隔てられた非磁性で且つ非透磁性の端板を有するハウジ
ングと、該ハウジング内に取り付けられたステータ組立
体と、該ハウジング内に回転可能に取り付けられたロー
タ組立体であって、エアギャップ内に配置された環状の
円形形アマチュアを有するロータ組立体と、前記アマチ
ュアに電気エネルギを送り得るように前記ハウジングに
取り付けられた成形ブラシブロックと、を備え、前記ス
テータ組立体が、前記端板間に取り付けられた磁性で且
つ透磁性の環状の磁束戻り板と、前記磁束戻り板間に取
り付けられた、極性が交互に変わる一連の独立の磁石と
を含み、前記一連の独立の磁石は、前記磁界を前記アマ
チュアの平面に直角の方向で前記アマチュアに向けるよ
うに、配置され、前記ステータ組立体が、前記アキシャ
ルエアギャップモータの性能特性を調整するための手段
を備えて構成されている。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 アキシャル・エアギャップ・モータにし
    て、 第一の端板及び対向する第二の端板を有するハウジング
    と、 該ハウジング内に取り付けられたステータ組立体と、 前記ハウジング内に回転可能に取り付けられたロータ組
    立体であって、正面及び背面を有する環状円板状のアマ
    チュアを有するロータ組立体と、を備え、 前記ステータ組立体が、前記第一の端板に取り付けられ
    た第一の透磁性の磁束戻り板と、該第一の磁束戻り板と
    前記アマチュアの前記正面との間で前記第一の磁束戻り
    板に取り付けられ、前記アマチュアの面に対して直角の
    方向に磁界を前記アマチュアに向ける磁石組立体と、を
    備え、前記ステータが、前記第二の端板に取り付けられ
    た第二の透磁性の磁束戻り板を更に備えるアキシャル・
    エアギャップ・モータ。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載のモータにして、前記磁
    石組立体が極性が交互に変わる独立の磁石を含むモー
    タ。
  3. 【請求項３】 請求項２に記載のモータにして、前記磁
    石組立体が高飽和保磁力の磁石を含むモータ。
  4. 【請求項４】 請求項３に記載のモータにして、前記磁
    石が希土類磁石又はフェライト磁石であるモータ。
  5. 【請求項５】 請求項１に記載のモータにして、前記第
    一及び第二の磁束戻り板が環状であるモータ。
  6. 【請求項６】 請求項１に記載のモータにして、前記第
    一及び第二の磁束戻り板が鉄又は鋼でつくられているモ
    ータ。
  7. 【請求項７】 請求項１に記載のモータにして、前記ア
    マチュアに電気エネルギを送るブラシを更に含むモー
    タ。
  8. 【請求項８】 請求項７に記載のモータにして、前記ブ
    ラシが成形したブラシブロックであるモータ。
  9. 【請求項９】 請求項１に記載のモータにして、直流電
    源により作動するモータ。
  10. 【請求項１０】 請求項１に記載のモータにして、前記
    第一及び第二の端板が非磁性で且つ非透磁性であるモー
    タ。
  11. 【請求項１１】 請求項１０に記載のモータにして、前
    記第一及び第二の端板がアルミニウムでつくられている
    モータ。
  12. 【請求項１２】 請求項１１に記載のモータにして、前
    記第一及び第二の端板が押出し成形アルミニウムでつく
    られているモータ。
  13. 【請求項１３】 請求項１に記載のモータにして、前記
    アマチュアがプレス加工による巻線を含むモータ。
  14. 【請求項１４】 請求項１に記載のモータにして、前記
    第二の磁石組立体が前記第二の磁束戻り板と前記アマチ
    ュアの前記背面との間に位置するように、前記第二の磁
    束戻り板に取り付けられるモータ。
  15. 【請求項１５】 請求項１に記載のモータにして、前記
    ロータ組立体と前記ステータ組立体との間の距離を変化
    させるため、前記端板と前記磁束戻り板との間にシムが
    配置されるモータ。
  16. 【請求項１６】 請求項１に記載のモータにして、前記
    アマチュアが線巻線を含むモータ。
  17. 【請求項１７】 アキシャル・エアギャップ・直流モー
    タにして、 非磁性で且つ非透磁性の第一の端板及び対向する非磁性
    で且つ非透磁性の第二の端板を有するハウジングと、 該ハウジング内に取り付けられたステータ組立体と、 該ハウジング内に回転可能に取り付けられたロータ組立
    体であって、正面及び背面を有する環状の円板形アマチ
    ュアを有するロータ組立体と、 前記アマチュアに電気エネルギを送り得るように前記ハ
    ウジングに取り付けられた成形ブラシブロックと、を備
    え、 前記ステータ組立体が、前記第一の端板に取り付けられ
    た磁性で且つ透磁性の環状の第一の磁束戻り板と、該第
    一の磁束戻り板に取り付けられた、極性が交互に変わる
    一連の独立の磁石とを含み、該一連の独立の磁石が、前
    記アマチュアの面に対して直角な方向に磁界を前記アマ
    チュアに向け得るように、前記第一の磁束戻り板と前記
    アマチュアの前記正面との間に配置され、前記ステータ
    が、前記第二の端板に取り付けられた磁性で且つ透磁性
    の環状の第二の磁束戻り板を更に含むアキシャル・エア
    ギャップ・直流モータ。
  18. 【請求項１８】 請求項１７に記載のモータにして、前
    記第二の磁束戻り板に取り付けられた、極性が交互に変
    わる第二の一連の独立の磁石を更に備えるモータ。
  19. 【請求項１９】 請求項１７に記載のモータにして、前
    記アマチュアが線を巻いて形成した巻線を含むモータ。
  20. 【請求項２０】 請求項１７に記載のモータにして、前
    記アマチュアがプレス加工した巻線を含むモータ。
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