WO2004069473A1 - 無段変速機の無端ベルト用金属リングの研磨方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

バレル研磨や砥石による研磨を行うことなく金属リングの側端縁を研磨することができる金属リングの研磨方法及びその装置を提供する。金属リングＷを投入手段６により投入する投入工程に続いて金属リングＷの一方の端縁を研磨ブラシ６０により研磨する第１のブラシ研磨工程を行なう。次いで、第１のブラシ研磨工程により一方の端縁が研磨された金属リングＷを反転手段１０により反転させる反転工程を行なう。続いて、反転工程により反転された金属リングＷの他方の端縁を研磨ブラシ６０により研磨する第２のブラシ研磨工程を行なう。そして、第２のブラシ研磨工程により他方の端縁が研磨された金属リングを払出手段７により払い出す払出工程を行なう。

Description

無段変速機の無端ベルト用金属リングの研磨方法及びその装置

技術分野

本発明は、 無段変速機の無端ベルトに用いられる薄板状の金属リング を研磨する方法及び装置に関する。 明

背景技術

例えば、 無段変速機に採用される動力書伝達用のベルトにおいては、 環 状に積層配列された複数のエレメントを複数の金属リングを積層してな る積層リングにより結束したものが用いられている。 この種の積層リン グを構成する金属リングは、 円筒状の金属ドラムを薄板円板状の砥石に より所定幅毎に輪切りにすることによって無端帯状に形成される。 そし て、 円筒状のドラムから切断された金属リングは側端縁にバリが生じて いるため、 そのバリを研磨することが必要となる。 また、 金属リングの 側端縁でのバリ発生が少なくても、 金属リングの側端縁を研磨して側端 縁を高精度な湾曲形状に仕上げることが必要となる。

従来の金属リングの側端緣を研磨する方法としては、 例えば、 特開 2 0 0 1 - 2 4 1 5 1 2号公報に開示されている方法が知られている。 こ の金属リングの研磨方法はバレル研磨と呼ばれ、 メディァと呼ばれる砥 石で満たされたバレル内にワークである金属リングを混合し、 金属リン グをメディアと共にバレルを回転させる。 このように、 メディアと共に 金属リングをバレル内で撹拌することによりメディアを金属リングの側 端縁に接触させ、 金属リングの側端緣を研磨するものである。

しかしながら、 バレル研磨を行った場合、 金属リングの内側よりも外 周面側に多くのメディァが当接するため、 金属リングの側端縁の内側角 部と外側角部との研磨が不均一となる不都合があった。 また、 金属リン グをバレル内に投入した際、 及びバレル研磨時に金属リング同士が衝突 して傷が生じるおそれがある。 このような金属リングは検査により除去 されるが、 歩留まりを悪化させる原因になっていた。

一方、 特開 2 0 0 2— 2 4 8 5 2 2号公報においては、 金属リングの 側端縁を砥石により研磨する方法が開示されている。 しかしながら、 砥 石による研磨は、 砥石の形状によって金属リングの側端縁の形状が左右 されるため、 頻繁に砥石の交換等を行なう必要があり作業効率が低下す る不都合がある。

かかる不都合を解消して、 本発明は、 前記不都合を解消するために、 バレル研磨や砥石による研磨を行うことなく金属リングの側端縁を研磨 することができる金属リングの研磨方法及びその装置を提供することを 目的とする。 発明の開示

かかる目的を達成するために、 本発明の方法は、 無段変速機の無端べ ルトに用いられる薄板筒状の金属リングを研磨する方法であって、 前記 金属リングを投入する投入工程と、 該投入工程により投入された金属リ ングの一方の端緣を研磨ブラシにより研磨する第 1のブラシ研磨工程と、 該第 1のブラシ研磨工程により一方の端縁が研磨された金属リングを反 転させる反転工程と、 該反転工程により反転された金属リングの他方の 端縁を研磨ブラシにより研磨する第 2のブラシ研磨工程と、 該第 2のブ ラシ研磨工程により他方の端縁が研磨された金属リングを払出す払出ェ 程とを備えることを特徴とする。

本発明の研磨方法によれば、 先ず、 前記第 1 のブラシ研磨工程によつ て金属リングの一方の端緣を研磨する 。 次いで、 前記反転工程により金 属リングを反転させ、 前記第 2のブラ シ研磨工程によって金属リングの 他方の端縁を研磨する。 前記第 1の二ブ ラシ研磨工程及び前記第 2のブラ シ研磨工程は前記研磨ブラシにより ^ JSリングの側端縁を研磨するので、 従来のバレル研磨と異なり、 リ ング ¾ 面に砥石が付着するおそれがなく 精度良く研磨を行なうことができる。 しかも、 前記反転工程を設けたこ とにより金属リングの一方の端縁と lfi の端縁とを効率よく研磨するこ -とができる。

本発明の方法の前記第 1のブラシ 磨工程及び前記第 2のブラシ研磨 工程においては、 金属リングを略円^ に保持して円周方向に回転させる と共に、 金属リングより大径の環状 こ 形成されて回転する研磨ブラシを、 回転する金属リングの端縁を横切るよ うに該金属リングに当接させ、 該 研磨ブラシが回転する金属リングの^ 緣を横切るとき、 該研磨ブラシは、 前記回転する金属リングの軌道に対 し て所定の入射角で該金属リングの 内部に進入し、 該金属リングの内周 と該金属リングの回転中心との間 を通り、 該金属リングの軌道に対し一 C 所定の退出角で前記金属リングか ら離反することを特徴とする。.

このとき、 前記入射角及び前記退 角は、 2 0 ° 乃至 4 5 ° であるこ とが好ましい。

前記入射角及び退出角が 2 0 ° 未 であると、 金属リングの側端縁の 研磨量が少なくなるため、 研磨ブラ シ の速度を高くするか研磨時間を長 く しなければならない。 また、 入射^ が 2 0 ° 未満であると研磨ブラシ が金属リングの内周面にも当接して Ρ 周面まで研磨されてしまう。 一方、 入射角及び退出角が 4 5 ° を越える と 、 金属リ ングの側端縁の頂部のみ が研磨され、 良好な面取りを行うこ 二 ができない。 従って、 前記研磨ブ ラシの前記金属リングに対する入 ~ 及び前記退出角を 2 0 ° 乃至 4 5 ° とすることにより、 前記金属リングの側端縁の良好な面取りを行う ことができる。

また、 本発明の方法において、 前記投入工程により投入される前記金 属リングは、 該投入工程に先に設けられた切出工程により薄板筒状の金 属ドラムを輪切り状に切出して形成されたものであり、 該切出工程にお いては、 刃面が山形のカツ夕一で前記金属ドラムを押し切ることが好ま しい。

従来のように薄板円盤状の砥石により金属ドラムを切断して金属リン グを切り出すと、 金属リングの側端縁は断面視で四角形状となるため、 この状態から金属リングの側端縁を面取りするためには削り代を大きく しなければならない。 本発明においては、 前記金属リングを刃面が山形 のカッターにより押し切りしているので、 金属リングの側端緣は当該力 ッタ一の形状が転写されて面取りされた状態となる。 従って、 従来のよ うに砥石により切断した場合に比べて削り代を少なくすることができる。 また、 本発明の方法の前記第 1のブラシ研磨工程及び前記第 2のブラ シ研磨工程においては、 金属リングに研磨ブラシが当接した際に該研磨 ブラシを回転駆動するモータの負荷電流値を検出し、 該検出された負荷 電流値が予め設定された所定範囲の負荷電流値となるように、 研磨ブラ シの金属リングへの切込み量を増減させることを特徴とする。

前記第 1のブラシ研磨工程及び前記第 2のブラシ研磨工程においては、 研磨形状を制御する研磨力を表すモータ回転軸トルクの代用特性として 研磨ブラシのモー夕から検出される負荷電流値に応じて研磨ブラシの金 属リングへの切込み量を増減させる。 即ち、 研磨ブラシが回転しつつ金 属リングの側端縁に当接して研磨を行っているときには、 研磨ブラシの モータに負荷がかかる。 モータにかかる負荷はモータの負荷電流値とし て検出される。 このとき、 研磨ブラシの金属リングへの切込み量が大の ときモータの負荷電流値も大となり、 切込み量が小のときには負荷電流 値も小となる。 一方、 研磨ブラシの金属リングへの切込み量が大であれ ば、 研磨ブラシによる金属リングの側端縁の研磨量が大であり、 切込み 量が小であれば研磨量も小となる。 従って、 モー夕の負荷電流値が大で あれば研磨量が大であることが確認でき、 モータの負荷電流値が小であ れば研磨量が小であることが確認できる。 このことから、 良好な研磨量 が得られる負荷電流値の範囲 （所定範囲の負荷電流値） を予め定めてお く ことができる。

そして、 例えば研磨ブラシが磨耗したときには、 モー夕の負荷電流値 が減少するので、 それに応じて研磨ブラシの金属リングへの切込み量を 増加させることで磨耗した研磨ブラシであっても確実に所定の研磨量と することができる。 このように、 モ一夕の負荷電流値が予め設定された 所定範囲となるように研磨ブラシの金属リングへの切込み量を増減させ ることにより、 研磨ブラシの磨耗状態に左右されずに所定の研磨量を得 ることができる。

そして、 本発明においては、 前記第 1のブラシ研磨工程と前記第 2の ブラシ研磨工程との各ブラシ研磨工程に先立つて、 前記研磨ブラシと前 記金属リングとが非当接状態で該研磨ブラシを回転駆動した際の前記モ —夕の第 1の電流値を測定する工程と、 前記研磨ブラシを前記金属リン グに当接して該金属リングの端縁が研磨された際の研磨量と前記モー夕 の第 2の電流値とを測定する工程と、 第 1の電流値に対する第 2の電流 値の増加分を負荷電流値として該負荷電流値と研磨量との相関関係を算 出する工程と、 該算出された負荷電流値と研磨量との相関関係に基づい て、 各ブラシ研磨工程における所定範囲の負荷電流値を設定する工程と を備えることを特徴とする。

前記モータの負荷電流値は、 前記第 1の電流値に対する前記第 2の電 流値の増加分から容易に求めることができる。 また、 負荷電流値と研磨 量との相関関係からは、 所定の研磨量が得られるときの負荷電流値の範 囲を容易に求めることができる。 こうして求められた負荷電流値の範囲 を前記の各ブラシ研磨工程に先立って設定することにより、 前記の各ブ ラシ研磨工程においては負荷電流値に応じた研磨ブラシの金属リングへ の切込み量の増減を正確に行うことができる。

また、 本発明の装置は、 無段変速機の無端ベルトに用いられる薄板筒 状の金属リングを研磨する装置であって、 前記金属リングをその一方の 端縁を露出させて着脱自在に保持して該金属リングを周方向に回転させ る保持手段と、 前記金属リングより大径の環状に形成され、 前記保持手 段により回転される金属リングの端縁を横切るように該金属リングの端 縁に当接しつつ回転する研磨ブラシとを備えることを特徴とする。

本発明の装置によれば、 前記研磨ブラシにより金属リングの端緣を研 磨するため、 従来のバレル研磨のようにリング表面に砥石が付着するお それがなく、 精度の高い研磨加工を効率よく行うことができる。

また、 本発明の装置は、 前記金属リングをその一方の端緣を露出させ て着脱自在に保持する保持テーブルと、 該保持テーブルに前記金属リン グを投入する投入手段と、 前記保持テーブルに保持された金属リングの 一方の端緣を研磨ブラシにより研磨する第 1の研磨手段と、 該第 1の研 磨手段により一方の端縁が研磨された金属リングを反転させ、 前記保持 テーブルに金属リングをその他方の端縁を露出させて保持させる反転手 段と、 該反転手段により反転されて前記保持テーブルに保持された金属 リングの他方の端緣を研磨ブラシにより研磨する第 2の研磨手段と、 該 第 2の研磨手段により他方の端縁が研磨された金属リングを前記保持テ —ブルから払出す払出手段とを備えることを特徴とする。

前記金属リングは前記保持テ一ブルに保持されて第 1の研磨手段及び 第 2の研磨手段のそれぞれの研磨ブラシによって研磨されるので、 従来 のバレル研磨のような金属リングが互いに衝突することがなく、 金属リ ングの傷付きを防止してその端縁の研磨を精度良く行なうことができる。 本発明の装置において、 前記保持テーブルは、 前記金属リングを着脱 自在に保持して該金属リングを周方向に回転させる保持手段を備え、 前 記第 1の研磨手段及び前記第 2の研磨手段は、 それぞれ、 金属リングよ り大径の環状に形成されて回転する研磨ブラシを備え、 前記保持手段に より回転される金属リングの端緣を横切るように前記研磨ブラシを金属 リングに当接させることを特徴とする。

これにより、 回転する研磨ブラシが金属リングを横切って当接され、 しかも研磨ブラシが金属リングに当接するとき、 金属リングは前記保持 手段によって周方向に回転されるので、 研磨ブラシによる研磨を金属リ ングの全周にわたって効率良く行なうことができる。

また、 本発明の装置において、 前記保持テーブルは、 同一円周上に所 定間隔を存して配設された複数の前記保持手段を備え、 前記研磨ブラシ は、 該保持テーブル上の各保持手段に保持された各金属リングに同時に 当接する径寸法に形成されている'ことを特徴とする。

これによれば、 保持テーブル上に複数の金属リングを保持することが でき、 保持テ一ブル上の複数の金属リングに対して一つの研磨ブラシに よって研磨することができるので、 研磨に係る作業効率を飛躍的に向上 させることができる。

また、 本発明の装置における一態様として、 前記保持テーブルは、 所 定角度毎に間欠回転するターンテーブルの回転軸周りに所定間隔を存し て複数配設され、 該ターンテーブルにより回転される各保持テーブルの 回転軌道に沿って上流から下流に向かって順次前記投入手段、 前記第 1 の研磨手段、 前記反転手段、 前記第 2の研磨手段及び前記払出手段が配 設されているものを挙げることができる。

これによれば、 夕一ンテ一ブルが 1回転することで金属リングの両端 縁の研磨が行なえるので、 研磨に係る作業を効率良く行なうことができ、 しかも、 装置をコンパク トに構成することができる。

また、 本発明の装置における他の態様として、 回転軸周りに所定間隔 を存して複数の前記保持テーブルを備えて所定角度毎に間欠回転する第 1のターンテーブルと、 該第 1のターンテ一ブルに隣設され、 回転軸周 りに所定間隔を存して複数の前記保持テーブルを備えて所定角度毎に間 欠回転する第 2のターンテーブルとを備え、 前記第 1のターンテーブル により回転される各保持テーブルの回転軌道に沿って上流から下流に向 かって順次前記投入手段及び前記第 1の研磨手段が配設され、 前記第 2 のターンテ一ブルにより回転される各保持テーブルの回転軌道に沿って 上流から下流に向かって順次前記第 2の研磨手段及び前記払出手段が配 設され、 前記反転手段は、 前記第 1のターンテーブルの前記第 1の研磨 手段の下流に位置する保持テーブル上の金属リングを反転させて、 該金 属リングを前記第 2のターンテーブルの前記第 1の研磨手段の上流に位 置する保持テーブルに移載するものを挙げることができる。

これによれば、 第 1のターンテーブルが 1回転するなかで金属リング の一方の端縁の研磨が行なわれ、 第 2のターンテーブルが 1回転するな かで金属リングの他方の端縁の研磨が行なわれるので、 ー のターンテ —ブル当りの作業間隔を比較的広くすることができ、 例えば、 第 1の研 磨手段を複数設けて金属リングの研磨精度を向上させることが可能とな る。

また、 それ以外の本発明の装置の態様として、 前記投入手段、 前記第 1の研磨手段、 前記反転手段、 前記第 2の研磨手段及び前記払出手段は、 それぞれ前記保持テーブルを備え、 各保持テ一ブル間には、 互いに隣り 合う一方の保持テーブルから他方の保持テーブルへ金属リングを移載す る移載手段が設けられているものを挙げることができる。

これによれば、 前記移載手段によって一方の保持テーブルから他方の 保持テーブルへ金属リングを移載する際に一方の保持テーブルから金属 リングが取除かれるので、 例えば、 金属リングが取除かれた保持テープ ルの洗浄等の他の作業を容易に挿入することができる。

この場合には、 前記投入手段、 前記第 1の研磨手段、 前記反転手段、 前記第 2の研磨手段及び前記払出手段が略直線状に配置されていること が挙げられる。

また、 それ以外には、 前記保持テーブルは、 所定距離毎に間欠移送す る無端状の移送路に沿って巡回され、 該移送路により移送される保持テ 一ブルの各停止位置の上流から下流に向かって順次前記投入手段、 前記 第 1の研磨手段、 前記反転手段、 前記第 2の研磨手段及び前記払出手段 が配設されていてもよい。

これによつても、 例えば、 金属リングが取除かれた保持テーブルの洗 浄等の他の作業を容易に挿入することができる。

なお、 本発明において、 前記第 1及び第 2 'の研磨手段は、 それぞれ、 比較的目が粗い粗加工用研磨ブラシにより研磨を行う粗研磨手段と、 該 粗研磨手段による研磨に続いて前記粗加工用研磨ブラシより目が細かい 中間加工用研磨ブラシにより研磨を行う中間研磨手段と、 該中間研磨手 段による研磨に続いて前記中間加工用研磨ブラシより目が細かい仕上げ 加工用研磨ブラシにより研磨を行う仕上げ研磨手段とを備えることが好 ましい。

これにより、 前記第 1の研磨手段においては、 順に粗研磨、 中間研磨、 仕上げ研磨が行なわれて金属リングの一方の端縁を高精度に研磨するこ とができ、 前記第 2の研磨手段においても、 順に粗研磨、 中間研磨、 仕 上げ研磨が行なわれて金属リングの他方の端縁を高精度に研磨すること ができる。

本発明の装置における前記保持テ一ブルは、 複数の金属リングを保持 可能とされ、 前記投入手段は、 複数の金属リングを搬送する搬送路と、 該搬送路の終端に設けられ、 該搬送路に沿って搬送された最前端の金属 リングを載置して昇降自在の昇降テーブルと、 複数の金属リングを保持 して該昇降テーブルと前記保持テーブルとの間を移動自在に設けられた 回転自在の円盤状の保持部材と、 前記保持テーブルの各金属リングの保 持位置に対応して該保持部材の回転軸周りに所定数配.設され、 該金属リ ングより大径に形成されて該金属リングを収容する収容部と、 前記保持 部材が前記昇降テーブルの上方に位置して該保持部材の何れかの収容部 が前記昇降テーブル上の金属リングに対向したとき、 該昇降テーブルを 上昇させて収容部内に金属リングを収容させる昇降手段と、 各収容部に 設けられ、 該収容部に収容された金属リングの外周壁に圧接して該収容 部内に金属リングを保持し、 前記保持テーブルの保持位置において金属 リングの外周壁への圧接を解除する圧接保持手段と、 該収容部内に金属 リングが保持された後に、 未収容の収容部を昇降テーブル上の金属リン グに対向させるベく前記保持部材を回転させる回転駆動手段と、 該保持 部材の各収容部内に金属リングが保持された後に該保持部材を該昇降テ 一ブルから前記保持テーブルへ移動させる移動手段とを備えることを特 徴とする。

前記投入手段によって前記搬送路の金属リングを保持テーブルに投入 するときには、 先ず、 前記搬送路の終端において最前端の金属リングが 前記昇降テーブルに載置される。 一方、 前記昇降テーブルの上方には前 記保持部材が位置される。 このとき、 前記昇降テ一ブル上の金属リング と保持部材の収容部とが対向した状態とされる。 次いで、 前記昇降手段 により昇降テ一ブルが上昇され、 金属リングが保持部材の収容部にされ る。 このとき、 収容部に設けられた圧接保持手段により収容部内に金属 リングが保持される。 続いて、 昇降テーブルが下降され、 前記搬送路の 終端において最前端の金属リングが該昇降テーブルに載置される。 そし て、 保持部材は、 その未収容の収容部 （即ち金属リングが収容されてい ない収容部） が該昇降テーブル上の金属リングに対向するまで、 前記回 転'駆動手段により回転され、 前述と同様にして昇降テーブルの上昇によ る収容部への金属リングの受渡しが行なわれる。 これを繰り返すことに より、 全部の収容部に金属リングを収容することができる。 その後、 前 記移載手段により保持部材が前記保持テーブル上に移動し、 各収容部の 圧接保持手段が各金属リングへの圧接が解除される。 これにより保持部 材における各金属リングの保持が解除され、 各金属リングが同時に保持 テーブル上に移載される。

このように、 本発明によれば、 前記保持部材の全部の収容部に金属リ ングを保持してから該保持部材を保持テーブルに向かって移動させるの で、 移載のための保持部材の移動は一回のみで保持テーブルの所定の保 持位置に金属リングを投入することができるので、 複数の金属リングを 効率良く投入することができる。 しかも、 前記保持部材の各収容部にお いては前記圧接保持手段が金属リングの外周壁に圧接することで金属リ ングを保持するので、 従来のような金属リングを摘むように把持する把 持手段に比べて構造を簡単としてコンパク トに構成することができる。

また、 前記投入手段において、 前記収容部は、 前記保持テーブルの各 金属リングの保持位置に対応して前記保持部材に偶数設けられ、 前記昇 降テ一ブルは、 前記保持部材の何れか一対の収容部に対応する位置に一 対の金属リングを載置することが好ましい。

これによれば、 前記昇降テ一ブルから前記保持部材へ、 リングが一対 ずつ受渡されるので、 前記昇降テーブルの昇降回数や保持部材の停止回 数を減らすことができ、 効率を向上させることができる。

しかも、 保持部材に設けられた偶数の収容部に一対ずつリングを受渡 すので、 2列のリングを直線的に搬送するだけで 2列のままその最前部 のリングを昇降テーブルに載置することができ、 昇降テーブルから一対 の収容部への受渡しを、 昇降テーブルの構成を複雑化させることなく効 率良く行なうことができる。

また、 本発明の装置において、 前記保持テーブルは、 前記金属リング を着脱自在に保持して該金属リングを周方向に回転させる保持手段を備 え、 該保持手段は、 前記金属リングを載置する載置台と、 該載置台に形 成され、 該載置台に載置された金属リングの軸心側から該金属リングの 内側面に向かって延びる複数のレールと、 各レールに沿って摺動自在に 設けられ、 該載置台に載置された金属リングの内側面に当接自在の複数 の当接部材と、 各レールに沿って各当接部材を摺動させて各当接部材の 金属リングの内側面への当接と離反とを行なう当接部材駆動手段とを備 え、 前記当接部材駆動手段は、 前記載置台に載置された金属リングの軸 心に沿って上下方向に移動自在の移動部材と、 該移動部材と各当接部材 とを連結して該移動部材が上方に移動したとき各当接部材を金属リング の内側面に当接させ該移動部材が下方に移動したとき各当接部材を金属 リングの内側面から離反させるリンク手段と、 該移動部材を上方に付勢 し、 この付勢力により該リンク手段を介して各当接部材を金属リングの 内周面に当接させる付勢手段と、 該付勢手段の付勢力に抗して移動部材 を下方に移動させ、 前記リンク手段を介して各当接部材を金属リングの 内周面から離反させる保持解除手段とを備えることを特徴とする。 前記保持手段によれば、 載置台に複数のレールを設け、 各レールに沿 つて摺動する複数の当接部材を金属リングの内側面に当接するので、 金 属リングを精度良く保持することができる。 そして、 前記保持手段は、 前記当接部材駆動手段を備えたことにより、 前記移動部材が前記付勢手 段によって上方に付勢され、 リンク手段を介して各当接部材がリングの 内周面に当接されるので、 金属リングの高精度な保持状態を確実に維持 することができる。

載置台に保持された金属リングを載置台から取り外すときには、 前記 保持解除手段により移動部材を下方に移動させる。 これにより、 前記リ ンク手段によって当接部材が金属リングの内方へ摺動される。 このよう に、 移動部材を下方に移動させるだけで各当接部材が一斉に金属リング の内側面から離反し、 極めて迅速に金属リングの保持を解除することが できる。 しかも、 移動部材と各当接部材との間に前記リンク手段を設け ておくだけで、 各当接部材の摺動を駆動することができるので、 構造が 簡単であり装置をコンパクトに構成することができる。 金属リングを未 載置の載置台に保持させるときにも同様にして、 前記保持解除手段によ り移動部材を下方に移動させることで、 各当接部材同士を近接させるこ とができ、 各当接部材の外側に金属リングを載置した後、 前記付勢手段 による付勢力を移動部材に付与することにより極めて迅速に金属リング を保持することができる。

更に、 前記載置台は同一円周上に複数配設されており、 前記保持解除 手段は、 各載置台の配列円周の中心位置に上下方向に移動自在に設けら れた他の移動部材と、 該他の移動部材を各載置台の前記移動部材に連結 する連結部材とを備え、 該他の移動部材の下方への移動により各載置台 の前記移動部材を同時に下方へ移動させて、 各載置台の各当接部材を金 属リングの内周面から同時に離反させることを特徴とする。

これにより、 他の移動部材を下方に移動させたとき、 連結部材を介し て各載置台の前記移動部材が同時に下方へ移動するので、 前記載置台が 複数設けられていても、 各載置台で同時に金属リングの保持及び保持解 除することができ、 複数の金属リングに対する保持動作を迅速に効率良 く行なうことができる。

また、 本発明の装置における前記反転装置は、 前記第 1の研磨手段に よって研磨された金属リングを解除自在に保持して所定位置に移動自在 のリング保持部材と、 金属リングを保持した該リング保持部材を反転さ せて所定位置に移動させる移動手段とを備え、 前記リング保持部材は、 金属リングの外径に対応して該金属リングの軸線方向に貫通し、 内部に 該金属リングを収容して該金属リングを解除自在に保持するリング保持 孔を備え、 該リング保持孔は、 一方の開口から金属リングを挿入し、 他 方の開口から金属リングを離脱させることを特徴とする。

前記第 1のブラシ研磨手段によって金属リングを研磨するとき、 該金 属リングは一方の端縁が上方に露出されている。 この状態で一方の端縁 が研磨された金属リングは、 前記第 2のブラシ研磨手段での研磨に先立 つて、 未だ研磨されていない他方の端縁を上方に露出させる必要がある。 そこで、 前記反転装置は、 先ず、 第 1のブラシ研磨手段によって研磨さ れた金属リングを前記リング保持部材により保持する。 該リング保持部 材には、 金属リングを収容して保持するリング保持孔が設けられている。 このとき、 該リング保持孔へは、 の一方の開口から金属リングが挿入 される。 この時点では、 金属リングは第 1のブラシ研磨手段によって研 磨された一方の端縁が上方に露出されているので、 リング保持孔の下方 を向いている一方の開口には、 金属リングの研磨された一方の端縁側か ら揷入される。

こうして金属リングを保持したリング保持部材は、 前記移動手段によ り反転され所定位置に移動される。 これにより、 リング保持部材に保持 された金属リングは、 リング保持部材と共に反転され、 研磨された一方 5 の端縁が下方に向けられる。 このときには、 金属リングを挿入した際に 下方を向いていたリング保持孔の一方の開口が上方に向けられ、 同時に 他方の開口が下方に向けられる。

そして、 下方に向いたリング保持孔の他方の開口から金属リングを離 脱させる。 これにより、 金属リングは研磨された一方の端縁が下方を向 いてリング保持孔の他方の開口から離脱され、 リング保持部材による保 持を解除された金属リングは未研磨の他方の端縁が上方に向けられる。

このように、 本発明によれば、 リング保持部材に金属リングの軸線方 向に貫通するリング保持孔を設け、 該リング保持孔の一方の開口から金 属リングを挿入し、 他方の開口から金属リングを離脱させるようにした ので、 リング保持部材を反転させるだけで、 極めて迅速に金属リングを 反転させることができる。

このとき、 前記リング保持孔は、 金属リングより大径に形成されてお り、 該リング保持孔には、 該リング保持孔の内部に収容された金属リン グの外周壁に圧接して該金属リングを解除自在に保持する圧接保持手段 が設けられていることが好ましい。

該圧接保持手段によれば、 リング保持孔の内部において金属リングを 圧接保持するので、 リング保持孔の各開口からの金属リングの揷脱を阻 害することなく金属リングを保持することができる。 しかも、 金属リン グは、 リング保持孔の内部において前記圧接保持手段による外周壁への 圧接により該リング保持孔に保持されるので、 金属リングが撓みやすく ても、. 該金属リングを殆ど変形させることなく確実に保持することがで さる。

また、 前記第 1の研磨手段と前記第 2の研磨手段とにおいては、 複数 の金属リングを所定の配列状態で保持して各金属リングの研磨を行ない、 前記リング保持部材は、 前記第 1の研磨手段及び前記第 2の研磨手段の 各金属リングの配列位置に対応する複数の前記リング保持孔を備えるこ とを特徴とする。

これによれば、 各リング保持孔が、 前記第 1のブラシ研磨装置と前記 第 2のブラシ研磨装置とにおける所定の配列状態を維持して金属リング を保持することができるので、 一度に複数の金属リングを所定の配列状 態を維持して効率良く反転させることができる。

また、 本発明の装置においては、 前記研磨ブラシの軌道上に位置する 前記保持テーブル上に、 該研磨ブラシの毛先を整えるドレツシング部を 設けることができる。 これによつて、 研磨ブラシは、 金属リングの研磨 を行なう一方で、 前記ドレッシング部によって毛先が整えられ、 ドレツ シング作業を行なうための研磨ブラシの取外しや交換を頻繁に行なうこ となく、 研磨作業を行ないながら研磨ブラシの毛先を整えることができ る。

また、 本発明の装置においては、 前記保持テーブルの保持手段におけ る前記研磨ブラシに当接する位置に、 該研磨ブラシの毛先を整えるドレ ッシング部を設けることができる。 これにより、 前記ドレッシング部が • 回転しつつ研磨ブラシに当接するので、 研磨ブラシとドレツシング部と の摩擦が比較的大きく、 研磨ブラシがリング保持手段上を通過する僅か な時間で効率よく研磨ブラシの毛先を均一に整えることができる。 しか もこれによって、 回転する該ドレッシング部が研磨ブラシの軌道を確実 に横切つて研磨ブラシに当接させることができ、 該ドレッシング部を設 置するためのスペースが小さくても、 リング保持手段の一部に該ドレツ シング部を設けておくだけで確実に研磨ブラシの毛先を均一に整えるこ とができる。 図面の簡単な説明 図 1は本実施形態おいて両端縁が研磨された金属リングを示す説明図、 図 2は本発明の第 1の実施形態の研磨装置を模式的に示す説明図、 図 3 は投入手段の投入用保持部材を示す説明的平面図、 図 4は投入手段の作 動を示す説明図、 図 5は保持テーブルの説明的平面図、 図 6は保持テー ブルの説明的縦断面図、 図 7は保持テーブルの保持手段の作動を示す説 明図、 図 8は保持テーブルの保持手段の他の例を示す説明図、 図 9は研 磨手段を示す説明的断面図、 図 1 0は研磨ブラシの作動を模式的に示す 説明図、 図 1 1は研磨ブラシによる金属リングの研磨状態を示す説明図、 図 1 2は反転手段の説明的側面図、 図 1 3は反転手段の反転用保持部材 を示す説明図、 図 1 4は反転手段の作動を示す説明図、 図 1 5は第 2の 実施形態の研磨装置を模式的に示す説明図、 図 1 6は第 3の実施形態の 研磨装置を模式的に示す説明図、 図 1 7は第 4の実施形態の研磨装置を 模式的に示す説明図、 図 1 8は金属リングと研磨ブラシの軌道の関係を 示す説明図、 図 1 9は金属リングと研磨ブラシの軌道の関係を示す説明 図、 図 2 0は金属ドラムから金属リングを切出す工程を示す説明図、 図 1は金属リングが切り出された状態の切断端緣を示す説明図、 図 2 2 は保特テーブル及び研磨ブラシの作動を模式的に示す説明図、 図 2 3は 金属リングの研磨時の研磨ブラシのドレツシングを示す説明図、 図 2 4 は研磨ブラシによる金属リングの研磨状態を示す説明図、 図 2 5は研磨 ブラシの切込み量とモータの負荷電流値との関係を示す線図、 図 2 6は 切込み量に応じた研磨量を示す説明図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

金属リング Wは、 図 1に示すように、 薄板状の無端帯状に形成され、 無段変速機の無端ベルトに用いられる。 その断面形状は、 図 1の拡大図 に示すように、 両端縁が略円弧状に研磨される。

本発明の第 1の実施形態における研磨装置 1は、 図 2に示すように、 金属リング Wを搬送するターンテーブル 2を備えている。 該タ一ンテ一 ブル 2は支柱 3の周りを間欠回転され、 その周縁部に所定間隔を存して 複数の保持テーブル 4 (本実施形態においては 8つの保持テーブル 4 ) を備えている。 該保持テーブル 4は複数の金属リング W (本実施形態に おいては 6つの金属リング W) を同一円周上に配列した状態で保持する。 該ターンテーブル 2は、 8つのステージ A〜H毎に保持テーブル 4上 の金属リング Wを所定時間停止させた後に所定角度回転し、 各ステージ A〜H間の金属リング Wの搬送を行なう。 該ターンテーブル 2の回転方 向において、 最上流に位置するステージ Aは投入 ·払出ステージであり、 該投入 ·払出ステージ Aには、 投入手段 5 と、 払出手段 6とが設けられ ている。 該投入 · 払出ステージ Aの下流に隣設されたステージ Bは第 1 の粗研磨ステージであり、 該第 1の粗研磨ステージ Bには、 第 1の粗研 磨手段 7が設けられている。 該第 1の粗研磨ステージ Bの下流に隣設さ れたステージ Cは第 1の中間研磨ステージであり、 該第 1の中間粗研磨 ステージ Cには、 第 1の中間研磨手段 8が設けられでいる。 該第 1の中 間研磨ステージ Cの下流に隣設されたステージ Dは第 1の仕上げ研磨ス テージであり、 該第 1の仕上げ粗研磨ステージ Dには、 第 1の仕上げ研 磨手段 9が設けられている。 第 1の粗研磨手段 7、 第 1の中間研磨手段 8、 及び第 1の仕上げ研磨手段 9は、 金属リング Wの一方の端縁を研磨 する本発明の第 1の研磨手段を構成している。

該第 1の仕上げ研磨ステージ Dの下流に隣設されたステージ Eは反転 ステージであり、 該反転ステージ Eには、 反転手段 1 0が設けられてい る。 更に、 該反転ステージ Eの下流に隣設されたステージ Fは第 2の粗 研磨ステージであり、 該第 2の粗研磨ステージ Fには、 第 2の粗研磨手 9 段 1 1が設けられている。 該第 2の粗研磨ステージ Fの下流に隣設され たステージ Gは第 2の中間研磨ステージであり、 該第 2の中間粗研磨ス テ一ジ Gには、 第 2の中間研磨手段 1 2が設けられている。 該第 2の中 間研磨ステ一ジ Gの下流に隣設されたステージ Hは第 2の仕上げ研磨ス テージであり、 該第 2の仕上げ研磨ステージ Hには、 第 2の仕上げ研磨 手段 1 3が設けられている。 第 2の粗研磨手段 1 1、 第 2の中間研磨手 段 1 2、 及び第 2の仕上げ研磨手段 1 3は、 金属リング Wの他方の端縁 を研磨する本発明の第 2の研磨手段を構成している。

次に、 各部を詳細に説明する。 前記投入手段 5は、 図 2に示すように、 複数の金属リング Wを投入方向に搬送する投入搬送コンペャ 1 4と、 該 投入搬送コンペャ 1 4の金属リング Wを保持して前記投入 · 払出ステ一 ジ Aに位置する保持テーブル 4に金属リング Wを移載する投入用移載手 段 1 5とによって構成されている。 投入用移載手段 1 5は、 保持テープ ル 4の金属リング Wの保持位置に対応する状態で複数の金属リング Wを 保持する投入用保持部材 1 6 と、 該投入用保持部材 1 6を投入搬送コン べャ 1 4から前記投入 ·払出ステージ Aに位置する保持テーブル 4へ移 動させる移載アーム 1 7と、 該移載アーム 1 7の水平方向の揺動と上下 方向の揺動とを駆動するアーム駆動手段 1 8とを備えている。 なお、 図 示しないが、 該移載アーム 1 7は、 水平方向の揺動及び上下方向の揺動 が行なわれるときにも、 常に投入用保持部材.1 6を水平状態に維持する 構成を備えている。

投入用保持部材 1 6は、 図 3に示すように、 同一円周上に所定間隔を 存して形成された複数の保持孔 1 9を備えている。 各保持孔 1 9は、 前 記保持テーブル 4における金属リング Wの保持位置に対応して、 本実施 形態においては 6箇所に設けられている。 更に、 各保持孔 1 9の内径は 金属リング Wの外径よりも大きく形成されている。 また、 該投入用保持 部材 1 6は、 各保持孔 1 9に対応して複数のシリンダ 2 0を備え、 各シ リンダ 2 0により伸縮されるピストンロッ ド 2 1が各保持孔 1 9の内方 に突出されている。 各保持孔 1 9に収容された金属リング Wは、 ピスト ンロッ ド 2 1の伸長により各保持孔 1 9の内周壁に圧接されて各保持孔 1 9内に保持される。 該投入用保持部材 1 6は、 前記移載アーム 1 7の 先端に回転自在に連結され、 所定角度毎に間欠回転させる回転用モータ 2 2を備えている。

一方、 図 3に示すように、 前記投入搬送コンペャ 1 4の終端には昇降 テーブル 2 3が連設されている。 該昇降テーブル 2 3は、 前記投入搬送 コンべャ 1 4の終端部に設けられた整列部 2 4によって二列とされて投 入搬送コンペャ 1 4の終端に搬送された一対の金属リング Wを保持して、 図示しない昇降手段によって昇降される。 該昇降テーブル 2 3は、 金属 リング Wの内径より小径の保持凸部 2 5 と、 該保持凸部 2 5に保持され た金属リング Wを検知するセンサ 2 6とを備え、 該センサ 2 6により金 属リング Wが検知されたとき前記昇降手段によって昇降テーブル 2 3が 上昇される。 更に、 図 4 ( a ) に示すように、 投入搬送コンペャ 1 4の 終端には該投入搬送コンべャ 1 4の底部から突没するストッパー · 2 7が 設けられている。 該ストッパー 2 7は、 前記センサ 2 6による金属リン グ Wの検知時に投入搬送コンペャ 1 4の終端に位置する金属リング Wを 係止して、 金属リング Wの前進を停止させる。

該投入手段 5によりターンテ一ブル 2の保持テーブル 4に金属リング Wを投入するときには、 先ず、 図 4 ( a ) に示すように、 前記昇降テー ブル 2 3の直上に投入用保持部材 1 6を位置させる。 このとき、 図 3に 示すように、 前記昇降テーブル 2 3の一対の保持凸部 2 5と、 投入用保 持部材 1 6の各保持孔 1 9のうち隣り合う何れか一対の保持孔 1 9 とを 対向させる。 次いで、 一対の保持凸部 2 5に金属リング Wが保持される と、 センサ 2 6の検知により昇降テーブル 2 3が上昇され、 図 4 ( b ) に示すように、 一対の保持凸部 2 5の金属リング Wが投入用保持部材 1 6の一対の保持孔 1 9に収容される。 このとき、 図 3に示すように、 両 保持孔 1 9のシリンダ 2 0が作動してそのピス トンロッ ド 2 1が金属リ ング Wに当接し、 金属リング Wが両保持孔 1 9内に保持されたところで、 昇降テーブル 2 3が下降される。 その後、 投入用保持部材 1 6が前記回 転用モ一夕 2 2により所定角度回転され、 前述の図 4 ( a ) 及び図 4 ( b ) に示す昇降テーブル 2 3の昇降によって一対の金属リング Wの受 渡しが行なわれる。 同じように、 投入用保持部材 1 6の回転と、 昇降テ —ブル 2 3の昇降による一対の金属リング Wの受渡しが行なわれ、 これ によって投入用保持部材 1 6の各保持孔 1 9の全てに金属リング Wが保 持される。

このように、 投入用保持部材 1 6が 6箇所の保持孔 1 9を備えていて も、 一対の金属リング W毎に 3回の受渡しにより投入用保持部材 1 6の 保持孔 1 9の全てに金属リング Wを保持させることができるので、 複数 の金属リング Wを短時間で効率良く投入用保持部材 1 6に保持させるこ とができる。

その後、 図 2を参照して、 前記移載アーム 1 7が、 投入 · 払出ステ一 ジ Aに位置する保持テーブル 4に向かって水平方向に揺動し、 更に、 該 移載アーム 1 7が下方に揺動して投入用保持部材 1 6から保持テーブル 4への金属リング Wの移載が行なわれる。

次に、 該保持テ一ブル 4の構成を詳しく説明する。 該保持テーブル 4 は、 図 5に示すように、 各金属リング Wの保持位置に対応して同一円周 上に所定間隔を存して配設された複数 （ 6つ） の保持手段 2 8を備えて いる。 該保持手段 2 8は、 金属リング Wをその内側から保持して回転自 在に構成されている。 即ち、 図 6に示すように、 保持手段 2 8は、 夕一 ンテ一ブル 2に固設された保持テ一ブル 4のフレーム 2 9に複数のベア リング 3 0を介して回転自在に支持された筒状の回転軸 3 1 と、 該回転 軸 3 1の上部に連設されて金属リング Wを載置する回転台 3 2とを備え ている。

該回転軸 3 1はその下端部に従動ギヤ 3 3を備え、 該従動ギヤ 3 3は 中間ギヤ 3 4及び駆動ギヤ 3 5を介して駆動モー夕 3 6により回転され る。 なお、 駆動モータ 3 6は前述した各研磨ステージ B , C， D， F， G , Hにそれぞれ設けられており、 投入 · 払出ステージ A及び反転ステ —ジ Eには設けられていない。

また、 回転台 3 2には、 支軸 3 7を介して揺動自在に支持された複数 の揺動部材 3 8が放射状に配設されている。 該揺動部材 3 8は、 回転台

3 2の径方向に延びる第 1延設部 3 9と、 該第 1延設部 3 9に一体に連 設されて支軸 3 7を介して屈曲して上方に延びる第 2延設部 4 0とを備 えている。 該第 2延設部 4 0の上端には連結部 4 1 (図 7参照） を介し て当接部材 4 2が連結されている。 各当接部材 4 2は回転台 3 2に形成 された複数のレール 3 2 a (図 7参照） のそれぞれに沿って放射状に摺 動自在に設けられ、 揺動部材 3 8の揺動により回転台 3 2の外方に摺動 してその外側面が金属リング Wの内周面に当接される。 該揺動部材 3 8 は、 本発明のリンク手段を構成するものである。

更に、 回転軸 3 1及び回転台 3 2には、 その軸線に沿って上下方向に 摺動自在の第 1摺動シャフト 4 3が揷通保持されている。 第 1摺動シャ フト 4 3はパネ 4 4により上方に付勢されている。 第 1摺動シャフト 4 3の上端には、 揺動部材 3 8の第 1延設部 3 9の端部を挟持する挟持部

4 5が設けられている。 そして、 各保持手段 2 8の中心部には、 パネ 4 6により上方に付勢された第 2摺動シャフト 4 7が保持されている。 該 第 2摺動シャフト 4 7は、 その下端部に設けられた連結部材 4 8を介し て各第 1摺動シャフト 4 3の下端部に連結されている。

各保持手段 2 8の作動を説明すれば、 図 6に仮想線示すように、 前記 投入用保持部材 1 6の中央部に設けられた押圧突起 4 9が第 2摺動シャ フ ト 4 7を押圧すると、 第 2摺動シャフト 4 7が下方へ摺動する。 これ により連結部材 4 8を介して各第 1摺動シャフ卜 4 3が下方に摺動する。 このとき、 図 7 ( a ) に示すように、 挟持部 4 5が下降して各揺動部材 3 8の第 1延設部 3 9を押し下げる。 これに伴う各揺動部材 3 8の第 2 延設部 4 0の揺動により、 各当接部材 4 2が回転台 3 2の中央に向かつ て摺動する。 この状態で、 前記投入用保持部材 1 6の各保持孔 1 9に保 持された金属リング Wを回転台 3 2上に載置すると、 各当接部材 4 2が 金属リング Wの内側に入る。 次いで、 図 6を参照して、 投入用保持部材 1 6の各保持孔 1 9による金属リング Wの保持が解除され、 投入用保持 部材 1 6が上昇すると、 押圧突起 4 9による第 2摺動シャフト 4 7の押 圧が解除される。 これに伴い、 第 2摺動シャフト 4 7がパネ 4 6の付勢 により上方に摺動され、 第 1摺動シャフト 4 3の押し下げが解除される。 そして、 図 7 ( b ) に示すように、 第 1摺動シャフト 4 3がパネ 4 4の 付勢によって挟持部 4 5を押し上げることで、 各揺動部材 3 8が揺動し、 各当接部材 4 2がレール 3 2 aに沿って摺動して金属リング Wの内側に 当接される。 このように、 本実施形態によれば、 投入用保持部材 1 6の 下降及び上昇に連動して各当接部材 4 2による複数の金属リング Wの保 持が行なえ、 迅速に効率良く複数の金属リング Wを保持テーブル 4上に 保持することができる。

ここで、 図 7 ( a ) 及び図 7 ( b ) に示すように、 前記当接部材 4 2 は、 回転台 3 2の中心側から周縁側に向かう摺動距離を比較的大きくす ることにより、 金属リング Wが小径であっても大径であっても保持可能 とされている。 これによると、 金属リング Wを受け取る際に回転台 3 2 の中心側に集合する各当接部材 4 2が比較的小さく形成されている必要 . がある。 このため、 大径の金属リング Wを保持したときには各当接部材 4 2の間隔が大となり、 金属リング Wの当接部材 4 2の間に位置する部 分が略直線状に変形される。 この状態は、 研磨する場合に特に支障のな いものであるが、 本実施形態の当接部材 4 2に替えて、 図 8に示すよう に、 小径の金属リング W 1の内面に当接する第 1当接部 5 0 と、 大径の 金属リング W 2の内面に当接する第 2当接部 5 1 とを一体に備える当接 部材 5 2を設けてもよい。 これにより、 各当接部材 5 2の、 回転台 3 2 の中心側から周縁側に向かう摺動距離を比較的小さくすることができ、 大径の金属リング Wを保持したときに各当接部材 5 2の間隔を小として 金属リング Wを真円に近い形状で保持することができる。

次に、 第 1の粗研磨手段 7について説明する。 該第 1の粗研磨手段 7 は、 図 2に示す第 1の粗研磨ステージ Bに設けられており、 該第 1の粗 研磨ステージ Bに停止する保持テーブル 4に保持された各金属リング W の一方の端縁を研磨する。 該第 1の粗研磨手段 7は、 図 9に示すように、 前記ターンテーブル 2 (図 2参照） の軸線に沿って起立する支柱 3に設 けられたレール 5 3に沿って昇降自在の昇降フレーム 5 4と、 該昇降フ レーム 5 4に複数のベアリング 5 5を介して回転自在に支持され、 下端 にブラシへッ ド 5 6が連結された回転軸 5 7と、 該回転軸 5 7をベルト 5 8を介して回転駆動する駆動モータ 5 9 とを備えている。 前記昇降フ レーム 5 4は図示しない昇降手段により前記ターンテーブル 2の停止時 に下降され、 前記ターンテーブル 2の回転時に上昇される。

前記ブラシへッ ド 5 6は、 研磨材入りのナイロン線材が束ねられた研 磨ブラシ 6 0を円形状に配列保持する。 該研磨ブラシ 6 0は、 粗研磨用 に番手の小さい （粗い） ものが用いられている。 図 1 0に示すように、 円形に配列された研磨ブラシ 6 0は、 回転したときに、 保持テ一ブル 4 上の各金属リングに同時に当接する径寸法とされている。 そして、 図 9 示のブラシヘッ ド 5 6が下降されると、 図 1 0に示すように、 各金属リ ング Wを横切ってその一方の端縁に研磨ブラシ 6 0が当接し、 該研磨ブ ラシ 6 0の回転と金属リング Wの回転とにより、 金属リング Wの一方の 端縁全周にわたる研磨が行なわれる。 このとき、 図 1 1 に示すように、 研磨ブラシ 6 0が金属リング Wの一方の端縁を乗り越えて金属リング W の一方の端縁が良好に研磨される。

なお、 図 9示のブラシヘッ ド 5 6は、 前記駆動モー夕 5 9により正転 及び逆転を交互に繰り返すように制御してもよい。 具体的には、 研磨ブ ラシ 6 0を時計回りに回転させて所定時間金属リング Wの研磨を行った 後、 研磨ブラシ 6 0を反時計回りに回転させて所定時間研磨を行う。 こ のように研磨ブラシ 6 0を時計回りと反時計回りに回転させることによ り、 金属リング Wの研磨をむらなく行うことができると共に、 研磨ブラ シ 6 0に癖が付くのを防止することができる。

また、 前記第 1の中間研磨手段 8及び第 1の仕上げ研磨手段 9は、 そ れぞれ、 研磨ブラシ 6 0の番手 （細かさ） が異なるのみで、 他の構成は 前記第 1の粗研磨手段 7 と同様である。 即ち、 図 2を参照して、 前記第 1の中間研磨手段 8の研磨ブラシ 6 0は、 第 1の粗研磨手段 7の研磨ブ ラシ 6 0よりも番手の大きい （細かい） ものが採用され、 前記第 1の仕 上げ研磨手段 9の研磨ブラシ 6 0は、 第 1の中間研磨手段 8の研磨ブラ シ 6 0よりも番手の大きい （細かい） ものが採用されている。 本実施形 態においては、 具体的には、 第 1の粗研磨手段 7の研磨ブラシ 6 0の番 手は # 4 6、 第 1の中間研磨手段 8の研磨ブラシ 6 0の番手は # 1 2 0 、 第 1の仕上げ研磨手段 9の研磨ブラシ 6 0の番手は # 3 2 0とされてい る。

次に、 前記反転手段 1 0について説明する。 図 2に示すように、 該反 転手段 1 0は、 反転ステージ Eに設けられ、 該反転ステージ Eに位置す る保持テーブル 4から各金属リング Wを離反させて反転し、 反転した各 金属リング Wを再び保持テーブル 4に保持させるものである。 即ち、 該 反転手段 1 0は、 保持テーブル 4上の各金属リング Wを一度に保持する 反転用保持部材 6 2 と、 該反転用保持部材 6 2を支持し、 該反転用保持 部材 6 2を介して金属リング Wを反転させる反転ァ一ム 6 3 と、 該反転 アーム 6 3の水平方向の揺動と上下方向の揺動とを駆動するアーム駆動 手段 6 4とを備えている。 反転アーム 6 3は、 図 1 2に示すように、 円 盤状の反転用保持部材 6 2を反転自在に支持すると共に、 反転用保持部 材 6 2を反転させる反転用駆動モータ 6 5を備えている。 また、 反転用 保持部材 6 2は、 図 1 3に示すように、 同一円周上に所定間隔を存して 形成された複数の保持孔 6 6を備えている。 各保持孔 6 6は、 前記保持 テーブル 4における金属リング Wの保持位置に対応して、 本実施形態に おいては 6箇所に設けられている。 更に、 各保持孔 6 6の内径は金属リ ング Wの外径よりも大きく形成されている。 また、 該反転用保持部材 6 2は、 各保持孔 6 6に対応して複数のプランジャー 6 7を備えている。 各保持孔 6 6に収容された金属リング Wは、 各プランジャー 6 7よりそ の外周から当接把持される。 更に、 該反転用保持部材 6 2の中央部の表 裏には、 前述した前記保持テーブル 4の保持手段 2 8に備える前記第 2 摺動シャフ ト 4 7 (図 6参照） を押し下げるための押圧突起 6 8が設け られている。

また、 図 2に示すように、 反転手段 1 0には洗浄手段 6 9が連設され ている。 該洗浄手段 6 9は、 反転アーム 6 3に連設された支持ァ一ム 7 0と、 該支持アーム 7 0の先端に設けられた複数の洗浄ノズル 7 1 とを 備えている。 各洗浄ノズル 7 1は反転手段 1 0の反転アーム 6 3が水平 方向に揺動して保持テーブル 4の上方からその外方へ反転用保持部材 6 2が移動されたときに保持テーブル 4上に臨み、 金属リング Wが取除か れた保持テーブル 4に付着する研磨屑等を洗い落とす。

該反転手段 1 0によって金属リング Wを反転させるときには、 図 1 4 ( a ) に示すように、 先ず、 反転アーム 6 3によって保持テーブル 4の 直上に反転用保持部材 6 2が位置され下降される。 図 2に示すように、 反転用保持部材 6 2の各保持孔 6 6は保持テーブル 4上に保持された各 金属リング Wに対応しているので、 反転用保持部材 6 2の下降により各 保持孔 6 6内には、 保持テーブル 4に保持されている各金属リング Wが 収容される。 同時に、 前述した図 6に示す投入用保持部材 1 6よる保持 手段 2 8の作動と同様にして、 反転用保持部材 6 2の押圧突起 6 8が第 2摺動シャフト 4 7を押し下げるので、 各保持手段 2 8による各金属リ ング Wの保持が解除される。 そして、 反転用保持部材 6 2の各保持孔 6 6においては、 図 1 4 ( b ) に示すように、 複数のプランジャー 6 7に よる金属リング Wの係止が行なわれ、 各保持孔 6 6内に金属リング が 保持された状態となる。

次いで、 反転アーム 6 3によって反転用保持部材 6 2が上昇されて保 持テーブル 4の上方からその外方に水平に移動され、 図 1 2示の反転用 駆動モータ 6 5の駆動により、 図 1 4 ( c ) に示すように、 反転用保持 部材 6 2が反転される。 これにより、 反転用保持部材 6 2の各保持孔 6 6内の金属リング Wが反転される。 この間、 図 2に示すように、 金属リ ング Wが保持されていない保持テーブル 4が洗浄されることは前述した 通りである。 そして、 反転された反転用保持部材 6 2は、 反転アーム 6 3によって保持テーブル 4の上方位置に移動され下降される。 これによ り、 保持テーブル 4の各保持手段 2 8には、 研磨されていない他方の端 縁を上方に露出された金属リング Wが保持される。 このように、 反転用 保持部材 6 2を反転させるだけで、 極めて効率良く複数の金属リング W を反転させることができる。

該反転手段 1 0の下流には、 図 2に示すように、 第 2の粗研磨手段 1 1、 第 2の中間研磨手段 1 2、 及び第 2の仕上げ研磨手段 1 3が設けら れている。 これらの研磨手段 1 1 , 1 2 , 1 3は、 前述の第 1の粗研磨 手段 7、 第 1の中間研磨手段 8、 及び第 1の仕上げ研磨手段 9と同様の 構成であるので、 その説明を省略する。

次に、 前記払出手段 6について説明する。 該払出手段 6は、 図 2に示 すように、 複数の金属リング Wを払出方向に搬送する払出搬送コンべャ 7 2と、 前記投入 ·払出ステージ Aに位置する保持テーブル 4に保持さ れた金属リング Wを保持して払出搬送コンべャ 7 2の始端部に移載する 払出用移載手段 7 3とによって構成されている。 払出用移載手段 7 3は、 保持テーブル 4の金属リング Wの保持位置に対応する状態で複数の金属 リング Wを保持する払出用保持部材 7 4と、 該払出用保持部材 7 4を前 記投入 · 払出ステージ Aに位置する保持テーブル 4から払出搬送コンペ ャ 7 2へ移動させる移載アーム 7 5と、 該移載アーム 7 5の水平方向の 揺動と上下方向の揺動とを駆動するアーム駆動手段 7 6とを備えている。 なお、 図示しないが、 該移載アーム 7 5は、 水平方向の揺動及び上下方 向の揺動が行なわれるときにも、 常に払出用保持部材 7 4を水平状態に 維持する構成を備えている。 払出用保持部材 7 4は、 図 3に示す投入用 保持部材 1 6と同様の構成を備えている。 なお、 払出用保持部材 7 4は 移載アーム 7 5の先端に回転不能に連結されている。

また、 払出手段 6には洗浄手段 7 7が連設されている。 該洗浄手段 7 7は、 移載アーム 7 5に連設された支持アーム 7 8と、 該支持アーム 7 8の先端に設けられた複数の洗浄ノズル 7 9とを備えている。 各洗浄ノ ズル 7 9は払出手段 6の移載アーム 7 5が水平方向に揺動して保持テー ブル 4の上方からその払出搬送コンペャ 7 2上へ払出用保持部材 7 4が 移動されたときに保持テーブル 4上に臨み、 金属リング Wが取除かれた 保持テーブル 4に付着する研磨屑等を洗い落とす。

以上のように構成された本実施形態の研磨装置 1によれば、 図 2に示 すように、 先ず、 前記投入手段 5によって夕一ンテ一ブル 2の投入 · 払 出ステージ Aに位置する保持テーブル 4に金属リ ング Wが投入される (投入工程）。 これにより、 金属リング Wは、 その一方の端部を上方に 向けた状態で保持テーブル 4に保持される。 次いで、 金属リング Wを保 持した保持テ一ブル 4がターンテーブル 2の間欠回転により第 1の粗研 磨ステージ Bに停止すると、 前記第 1の粗研磨手段 7によって金属リン グ Wの一方の端部が研磨ブラシ 6 0により粗研磨される。 同じく、 第 1 の中間研磨ステージ Cにおいては前記第 1の中間研磨手段 8の研磨ブラ シ 6 0により中間研磨が行なわれ、 第 1の仕上げ研磨ステージ Dにおい ては前記第 1の仕上げ研磨手段 9の研磨ブラシ 6 0により仕上げ研磨が 行なわれる （第 1のブラシ研磨工程）。

その後、 一方の端縁の研磨が完了した金属リング Wを保持する保持テ —ブル 4が反転ステージ Eに停止されると、 前記反転手段 1 0により金 属リング Wが反転される （反転工程）。 これにより、 金属リング Wは、 他方の端部を上方に向けた状態で保持テーブル 4に保持される。 続いて、 ターンテーブル 2の間欠回転により保持テーブル 4上の金属リング Wが 第 2の粗研磨ステージ Fに搬送されると、 第 2の粗研磨手段 1 1の研磨 ブラシ 6 0により金属リング Wの他方の端部が粗研磨される。 同じく順 次第 2の中間研磨ステージ G、 及び第 2の仕上げ研磨ステージ Hに搬送 されることで、 金属リング Wの他方の端縁のブラシ研磨が完了する （第 2のブラシ研磨工程）。 そして、 両端縁の研磨が完了した金属リング W は払出手段 6によりターンテーブル 2から払い出される。 このように、 本実施形態によれば、 金属リング Wの両端縁のブラシ研磨が極めて効率 良く行なえ、 また、 従来のバレル研磨のような金属リング W同士の衝突 ゃメディァの付着がないので、 精度の高い研磨を行なうことができる。 次に、 本発明の第 2の実施形態を図 1 5に基づいて説明する。 第 2の 実施形態の研磨装置 8 0は、 図 1 5に示すように、 第 1のターンテ一ブ ル 8 1 と該第 1のターンテーブル 8 1に隣設された第 2のターンテープ ル 8 2 とを備えている。 第 1のターンテーブル 8 1及び第 2の夕一ンテ 一ブル 8 2は、 前述の第 1の実施形態の夕一ンテーブル 2と同様の構成 であり、 第 1のターンテーブル 8 1及び第 2のターンテーブル 8 2に備 える保持テーブル 4及び保持手段 2 8も前述の第 1の実施形態のものと 同様の構成とされている。 その他、 第 1の実施形態において説明したも のにおいては図中同一の符号を付すことによりその説明を省略する。

第 1のターンテーブル 8 1においては、 金属リング Wの一方の端縁を 研磨する第 1のブラシ研磨工程が行なわれ、 第 2のターンテーブル 8 2 においては、 金属リング Wの他方の端縁を研磨する第 2のブラシ研磨ェ 程が行なわれる。 第 1のターンテーブル 8 1は、 8つのステージ A l， B l， B 2 , C 1 , C 2， D， E l , I 1を停止位置として間欠回転す る。 第 1のターンテーブル 8 1における 8つのステージ A 1 , B 1， B 2， C 1 , C 2 , D , E 1 , I Iは順に、 投入ステージ A 1、 ブラシ正 転粗研磨ステージ B l、 ブラシ逆転粗研磨ステージ B 2、 ブラシ正転中 間研磨ステージ C l、 ブラシ逆転中間研磨ステ一ジ C 2、 仕上げ研磨ス テージ D、' 払出 （反転） ステージ E l、 洗浄ステージ I 1である。 なお、 第 1の実施形態と同様であるため図示は省略するが、 投入ステージ A 1 には投入手段が設けられている。 ブラシ正転粗研磨ステージ B 1 とブラ シ逆転粗研磨ステージ B 2とにはそれぞれ同一構成の第 1の粗研磨手段 が設けられている。 ブラシ正転中間研磨ステージ C 1 とブラシ逆転中間 研磨ステージ C 2とにはそれぞれ同一構成の第 1の中間研磨手段が設け られている。 そして、 仕上げ研磨ステージ Dには第 1の仕上げ研磨手段 が設けられ、 洗浄ステージ I 1 には洗浄手段が設けられている。

第 2のターンテーブル 8 2も同様に、 8つのステージ E 2， F 1 , F 2 , G 1 , G 2 , H , A 2 , I 2を停止位置として間欠回転する。 第 2 のターンテ一ブル 8 2における 8つのステージ E 2 , F 1 , F 2 , G 1 , G 2 , H , A 2 , 1 2は順に、 投入 （反転） ステージ E 2、 ブラシ正転 粗研磨ステージ F l、 ブラシ逆転粗研磨ステージ F 2、 ブラシ正転中間 研磨ステージ G l、 ブラシ逆転中間研磨ステージ G 2、 仕上げ研磨ステ 一ジ11、 払出ステージ A 2、 洗浄ステージ I 2 とされている。 なお、 第 1のターンテ一ブル 8 1における払出ステージ E 1 と第 2のターンテ一 ブル 8 2における投入ステージ E 2どの間には、 反転手段が設けられて いる。

前記ブラシ正転粗研磨ステージ B 1， F 1とブラシ逆転粗研磨ステー ジ B 2， F 2とにおいては、 それぞれに設けられている研磨手段は同一 構成であるが、 研磨ブラシ 6 0の回転方向の正逆が異なっている。 こう することにより、 金属リング Wに対する研磨ブラシ 6 0の当接方向が一 方に偏ることがなく； 高精度に研磨することができる。 ブラシ正転中間 研磨ステージ C l， G 1及びブラシ逆転中間研磨ステージ C 2， G 2に おいても同様に、 研磨ブラシ 6 0の回転方向が異なることで高精度に研 磨することができる。 また、 洗浄ステージ I 1， I 2においては、 保持 テーブル 4に金属リング Wが保持されていないので、 保持テーブル 4を 洗浄して研磨屑等を確実に取除く ことができる。

このように、 第 2の実施形態の研磨装置 8 0においては、 第 1の夕一 ンテーブル 8 1 と第 2のターンテーブル 8 2とを設けたことにより、 洗 浄ステージ I 1， 1 2等の複数のステージを追加して設けることができ、 より高精度な金属リング Wの研磨を行なうことができる。 次に、 本発明の第 3の実施形態を図 1 6に基づいて説明する。 なお、 第 1の実施形態において既に説明したものについては図 1 6.中同一の符 号を付すことによりその説明を省略する。 第 3の実施形態の研磨装置 8 3は、 前記ターンテーブル 2を用いることなく、 図 1 6に示すように、 7つのステージ B〜Hが略直線状に配置されている。 第 1の粗研磨ステ —ジ Bには第 1の粗研磨手段 7が、 第 1の中間研磨ステージ Cには第 1 の中間研磨手段 8が、 第 1の仕上げ研磨ステージ Dには第 1の仕上げ研 磨手段 9が設けられている。 また、 反転ステージ Eには反転手段 1 0が 設けられている。 更に、 第 2の粗研磨ステージ Fには第 2の粗研磨手段 1 1が、 第 2の中間研磨ステージ Gには第 2の中間研磨手段 1 2が、 第 2の仕上げ研磨ステージ Hには第 2の仕上げ研磨手段 1 3が設けられて いる。 そして、 各ステージ B〜Hにはそれぞれ第 1の実施形態において 示したものと同じ構成の保持テーブル 4及び保持手段 2 8 (図 5及び図 6参照） が設けられている。

また、 各保持テ一ブル 4の間には、 互いに隣り合う一方の保持テ一ブ ル 4から他方の保持テーブル 4に金属リング Wを移載する移載手段 8 4 が設けられている。 第 1の粗研磨ステージ Bの上流側には投入搬送コク べャ 1 4が設けられ、 投入搬送コンペャ 1 4と第 1の粗研磨ステージ B との間には投入手段 5が設けられている。 また、 第 2の仕上げ研磨ステ ージ Hの下流側には払出搬送コンペャ 7 2が設けられ、 第 2の仕上げ研 磨ステージ Hと払出搬送コンペャ 7 2との間には払出手段 6が設けられ ている。 各移載手段 8 4は、 前記排出手段 6と同様の構成を備えている。 第 3の実施形態の研磨装置 8 3においては、 各ステージ B〜Hが略直 線状に配置されるので、 第 1の実施形態の研磨装置 1のターンテーブル 2のような投入 · 払出ステージ Aを不要とすることができる。 また、 前 記移載手段 8 4によって一方の保持テーブル 4から他方の保持テーブル 4へ金属リング Wを移載する際に一方の保持テーブル 4から金属リング Wが取除かれるので、 各移載手段 8 4に洗浄ノズル 8 5を備えておくこ とで、 金属リング Wが取除かれた保持テーブル 4や研磨後の金属リング Wの洗浄作業を容易に挿入することができる。

次に、 本発明の第 4の実施形態を図 1 7に基づいて説明する。 なお、 第 1の実施形態において既に説明したものについては図 1 7中同一の符 号を付すことによりその説明を省略する。 第 4の実施形態の研磨装置 8 6は、 前記ターンテーブル 2に替えて無端状の移送コンペャ 8 7を設け たものであり、 その作動は前記ダーンテーブル 2と同様である。 即ち、 移送コンペャ 8 7は、 大略楕円軌道に沿って複数の保持テ一ブル 4を所 定距離間隔で間欠移送する。 第 4の実施形態においては、 第 1のブラシ 研磨工程が行なわれる各ステージ B， C , Dと第 2のブラシ研磨工程が 行なわれる各ステージ F， G， Hとが平行に配列され、 第 1の仕上げ研 磨ステージ Dと第 2の粗研磨ステージステージ Fとの間の折返し位置に 反転ステージ Eが設けられている。 これによつて、 前述した第 3の実施 形態の研磨装置 8 3のような各移載手段 8 4は不要となり、 装置構成を 簡略化することができる。 なお、 第 4の実施形態の研磨装置 8 6におい ては、 図 1 7に示すように、 第 2の仕上げ研磨ステージ Hと第 1の粗研 磨ステージ Bとの間で、 金属リング Wを保持していない保持テーブル 4 が移送される。 このとき、 図示しないが、 保持テーブル 4を洗浄す'るこ とができる。

なお、 前記の各実施形態においては、 第 1のブラシ研磨手段が第 1の 粗研磨手段 7、 第 1の中間研磨手段 8、 及び第 1の仕上げ研磨手段 9に より構成され、 第 2のブラシ研磨手段が第 2の粗研磨手段 1 1、 第 2の 中間研磨手段 1 2、 及び第' 2の仕上げ研磨手段 1 3により構成されたも のを挙げたが、 これに限るものではなく、 例えば、 第 1のブラシ研磨手 段を第 1の粗研磨手段 7及び第 1の仕上げ研磨手段 9により構成し、 第 2のブラシ研磨手段を第 2の粗研磨手段 1 1及び第 2の仕上げ研磨手段 1 3により構成してもよい。

また、 先に図 1 0に基づいて説明した通り、 研磨ブラシ 6 0は、 各金 属リング Wを横切って当接し、 該研磨ブラシ 6 0の回転と金属リング W の回転とにより、 金属リング Wの一方の端縁全周にわたる研磨が行なわ れる。 このとき、 研磨ブラシ 6 0は、 金属リング Wに対して入射角及び 退出角を共に 2 0 ° 乃至 4 5 ° とすることが好ましく、 前述した各実施 形態において正確には図 1 8に示すように入射角 Θ及び退出角 Θが約 3 6 ° に設定されている。

ここで、 図 1 9 ( a ) 及び図 1 9 ( b ) を参照して、 金属リング Wに 対して研磨ブラシ 6 0の入射角 Θ及び退出角 0が 2 0 ° 未満及び 4 5 ° を越えている場合について説明する。 図 1 9 ( a ) に示すように金属リ ング Wに対する研磨ブラシ 6 0の入射角 0及び退出角 0が 2 0 ° 未満の ときは、 研磨ブラシ 6 0全体に金属リング Wが当接されず、 金属リング Wの端縁の研磨が不十分となる。 しかも、 金属リング Wが研磨ブラシ 6 0の中にに入り込んで金属リング Wの内側と外側の周面にも研磨ブラシ 6 0が当接するので、 金属リング Wの内側と外側の周面に傷つきが発生 するおそれがある。 そして、 このような事態を回避するためには、 図 1 9 ( a ) において仮想線で示すように外径の小さな研磨ブラシ 6 0 s を 用いなければならない。 しかしながら、 外径の小さな研磨ブラシ 6 0 s は撓み量が大きくなり、 研磨が不十分となるおそれがある。

一方、 図 1 9 ( b ) に示すように金属リング Wに対する研磨ブラシ 6 0の入射角 Θ及び退出角 0が 4 5 ° を越えるときは、 研磨ブラシ 6 0が 金属リング Wに当接している時間が極めて小となり、 やはり研磨が不十 分となる。 このような理由から、 金属リング Wに対する研磨ブラシ 6 0 の入射角 Θ及び退出角 Θを 2 0 乃至 4 5 ° とすることが好ましく、 前 述した各実施形態においては約 3 6 ° に設定されている。

更に、 前述した各実施形態においては、 金属リング Wの研磨をより効 率よく行うために、 研磨を行う前の金属リング Wの端縁の形状が予め面 取りされている。 即ち、 各実施形態においては、 図 2 0に示すように、 金属ドラム Xから金属リング Wを切出す際に金属リング Wの切断端縁が 面取りされた形状となるように、 切断装置 8 8を採用している。 該切断 装置 8 8は、 図 2 0に模式的に示すように、 金属ドラム Xを円筒状に保 持する保持部材 8 9と、 刃面が山形となっている円盤状のカッター 9 0 と、 カッター 9 0を回転自在に保持するカッター保持部 9 1 と、 金属ド ラム Xの外周面に当接し金属ドラム Xの回転に伴って回転する受け口一 ラ 9 2とを備えている。 受けローラ 9 2は弹性を有する合成樹脂製であ り、 カッター 9 0で内周側から金属ドラム Xを押し切る際に外周側から 金属ドラム Xを押さえている。

そして、 図 2 0及び図 2 1に示すように、 カッター 9 0により金属ド ラム Xから金属リング Wを切り出す。 具体的には、 図 2 0に示すように、 保持部材 8 9に装着された金属ドラム Xを回転させながら、 カッター保 持部 9 1によりカツ夕一 9 0を金属ドラム Xの内周面に押しつける。 こ のとき、 図 2 1に示すように、 カッター 9 0が押しつけられた金属ドラ ム Xの外周面は受けローラ 9 2によって保持されている。 この受け口一 ラ 9 2は弾性を有する合成樹脂であるため、 カツ夕一 9 0によって押し 上げられた金属ドラム Xは受けローラ 9 2側に撓みながらカッター 9 0 によって押し切られる。 これにより、 図 2 1に示すように切断端縁が面 取りされた形状の金属リング Wを得ることができる。 なお、 本実施形態 では、 金属ドラム Xの内周面側からカッター 9 0を押し当てる例を示し たが、 それ以外に、 図示しないが、 金属ドラム Xを内周面側で保持し、 金属ドラム Xの外周面側からカッターを押し当てて金属リング Wを切断 しても、 面取りされた切断端縁を形成することができる。

また、 前述した各実施形態においては、 図 2 2に示すように、 保持テ —ブル 4には、 各保持手段 2 8の間に第 1のドレツシング部 9 3を配設 しておく ことができる。 第 1のドレツシング部 9 3は、 研磨ブラシ 6 0 の軌道に沿って複数配設され、 回転される研磨ブラシ 6 0の先端に当接 する砥石により形成されている。

更に、 各保持手段 2 8の各当接部材 4 2の上面に、 第 2のドレツシン グ部 9 4を設けておくことができる。 第 2のドレッシング部 9 4は、 各 当接部材 4 2の上面に砥石を接着することによって形成されている。 保 持手段 2 8は回転するので、 各当接部材 4 2の上面に設けられている第 2のドレッシング部 9 4も回転する。 これにより、 図示するように、 第 2のドレツシング部 9 4を各当接部材 4 2の金属リング Wの内側近傍に 細長く設けておいても、 回転する第 2のドレツシング部 9 4が必ず研磨 ブラシ 6 0の軌道を横切って研磨ブラシ 6 0に当接する。

回転される研磨ブラシ 6 0は、 図 2 2及び図 2 3に示すように、 その 軌道に設けられた第 1のドレツシング部 9 3に接し、 研磨ブラシ 6 0の 毛先が不揃いとなつていた場合には第 1のドレッシング部 9 3によって 削られて毛先が整えられる。

更に、 回転される研磨ブラシ 6 0は、 図 2 2及び図 2 3に示すように、 金属リング Wを保持して回転する保持手段 2 8の各当接部材 4 2に設け られた第 2のドレツシング部 9 4に接する。 第 2のドレツシング部 9 4 は、 各当接部材 4 2と一体に金属リング Wと共に回転することによって、 研磨ブラシ 6 0の軌道を横切って該研磨ブラシ 6 0に当接する。 このと き、 研磨ブラシ 6 0に対して第 2のドレッシング部 9 4が回転して当接 するので、 第 2のドレツシング部 9 4と研磨ブラシ 6 0との摩擦が大で あり、 第 2のドレッシング部 9 4が保持手段 2 8上を通過する僅かな時 間内に効率良く確実に研磨ブラシ 6 0の毛先を整えることができる。

このように、 第 1のドレツシング部 9 3や第 2のドレツシング部 9 4 を設けることで、 研磨ブラシ 6 0による金属リング Wの研磨を行ないな がら、 同時に研磨ブラシ 6 0の毛先を整えるドレッシングが行なわれる ので、 研磨ブラシ 6 0の取外してのドレッシング作業や交換等の保守作 業を軽減することができるだけでなく、 研磨ブラシ 6 0の毛先が揃い、 金属リング Wに均等に当接して研磨精度を向上させることができる。

なお、 第 1のドレッシング部 9 3と第 2のドレッシング部 9 4とは、 その何れか一方のみを設けても十分に研磨ブラシ 6 0の毛先を整えるこ とができることは言うまでもない。

また、 図 9における前記第 1の実施形態の第 1の粗研磨手段 7を例に 説明すれば、 該研磨手段 7には、 図 9に模式的に示すように、 モータ 5 9の負荷電流値を検出する負荷電流値検出手段 9 5と、 該負荷電流値検 出手段 9 5によって検出された電流値に応じて前記昇降手段を制御する 昇降制御手段 9 6とが設けられている。 該負荷電流値検出手段 9 5 と昇 降制御手段 9 6の作動を以下に説明する。

金属リング Wの研磨においては、 前述した通り、 6個の金属リング W が保持テーブル 4の各保持手段 2 8に装着された後に各保持手段 2 8が 回転され、 これによつて各金属リング Wが回転する。 このとき、 モータ 5 9 (図 9参照） の駆動によりブラシヘッ ド 5 6を回転させると共に、 研磨手段 7を下降させ、 研磨ブラシ 6 0が金属リング Wに対して所定の 切込量となるところで研磨手段 7を固定する。 これによつて、 図 2 4に 示すように、 研磨ブラシ 6 0が金属リング Wの一方の側端縁に当接し、 研磨ブラシ 6 0が金属リング Wの一方の端縁を乗り越えて金属リング W の一方の端縁が研磨される。 ところで、 金属リング Wを研磨すると、 研磨ブラシ 6 0の磨耗に応じ てモータ 5 9の負荷電流値が変化する。 この負荷電流値の変化は前記負 荷電流値検出手段 9 5により検出されるので、 検出された負荷電流値が 予め設定された所定範囲の負荷電流値となるように、 前記昇降制御手段 9 6により昇降手段を介してブラシヘッ ド 5 6が下降され、 これによつ て、 切込量が一定となるように制御される。 なお、 図 9において符号 5 6 aで示すものは、 研磨ブラシ 6 0の先端部を支持する支持プレートで あり、 支持プレート 5 6 aから下方に突出する研磨ブラシ 6 0を所定の 突出量とすることで研磨ブラシ 6 0に適切な剛性及び加工力を付与する。 そして、 金属リング Wを研磨する際には、 研磨ブラシ 6 0の磨耗に応じ て研磨ブラシ 6 0の突出量が一定となるようにブラシへッ ド 5 6が下降 される。 従って、 研磨ブラシ 6 0による金属リング Wへの切込量が一定 とされる。

ここで、 前記負荷電流値検出手段 9 5及び前記昇降制御手段 9 6の作 動について更に詳しく説明する。 前記負荷電流値検出手段 9 5は、 研磨 ブラシ 6 0が金属リング Wに非接触状態にあるとき （空転時） に測定さ れた電流値 （第 1-の電流値） と、 研磨ブラシ 6 0が金属リング Wに接触 状態にあるとき （研磨時） に測定された電流値 （第 2の電流値） との差 を算出して負荷電流値を検出する。

一方、 前記昇降制御手段 9 6には、 予め算出された負荷電流値と研磨 量との相関関係に基づいて、 良好な研磨量に対応する負荷電流値の範囲 が記憶されている。 負荷電流値と研磨量との相関関係は次のようにして 求められる。 即ち、 研磨ブラシ 6 0が回転しつつ金属リング Wの側端縁 に当接して研磨を行っているときには、 研磨ブラシ 6 0のモータ 5 9に 負荷がかかる。 モータ 5 9にかかる負荷はモータ 5 9の負荷電流値とし て前記負荷電流値検出手段 9 5により検出される。 このとき、 図 2 5に 示すように、 研磨ブラシ 6 0の金属リング Wへの切込み量 Lが大のとき モー夕 5 9の負荷電流値 I も大となり、 切込み量 Lが小のときには負荷 電流値 I も小となる。

また、 図 2 6 ( a ) は、 円筒状の金属ドラムから切断された直後の (研磨加工前の） 金属リング Wの側端縁の形状を示すが、 図 2 6 ( b ) に示すように、 研磨ブラシ 6 0の金属リング Wへの切込み量 Lを小とし て研磨を行うと研磨量が小となり、 金属リング Wの側端緣はその先端半 径が比較的大きな湾曲形状に研磨される。 図 2 6 ( c ) に示すように、 研磨ブラシ 6 0の金属リング Wへの切込み量 Lを大として研磨を行うと 研磨量が大となり、 金属リング Wの側端緣はその先端半径が比較的小さ な湾曲形状に研磨される。 このことから、 良好な湾曲形状に研磨するた めに必要な切込み量 Lを求めることができる。 そして、 図 2 5に示す切 込み量 Lと負荷電流値 I との関係から、 良好な切込み量 Lの範囲 L i〜 L ₂となる負荷電流値 Iの範囲 I i〜 I ₂を求めることができる。

前記昇降制御手段 9 6は、 前記負荷電流値検出手段 9 5により検出さ れた負荷電流値が所定範囲 Iェ〜 I ₂ (良好な研磨量に対応する負荷電 流値の範囲） にあるか否かを監視して、 負荷電流値が範囲上限 I ₂より 大となったときにはブラシへッ ド 5 6を上昇させて切込み量 Lを減少さ せ、 負荷電流値が範囲下限 I ₂より小となったときにはブラシへッ ド 5 6を下降させて切込み量 Lを増加させる。

これによつて、 具体的には、 研磨ブラシ 6 0が磨耗して切込み量 が 小となっても、 ブラシヘッ ド 5 6が下降して切込み量 Lが増加され、 良 好な研磨量を維持することができる。 即ち、 研磨ブラシ 6 0が磨耗する と図 2 6 ( ) のように切込み量 Lが小となるので、 研磨ブラシ 6 0の モータ 5 9の負荷電流値が低下する。 このときの負荷電流値は前記負荷 電流値検出手段 9 5によって検出され、 前記昇降制御手段 9 6に送られ る。 昇降制御手段 9 6は、 負荷電流値の低下に応じてブラシヘッ ド 5 6 を下降させるので、 切込み量 Lが増加して図 2 4に示すように良好な研 磨量を得ることができる。

なお、 前記昇降制御手段 9 6においては、 ブラシヘッ ド 5 6の下降限 界位置が設定されている。 そして、 前記負荷電流値検出手段 9 5により 検出された負荷電流値に応じて切込み量 Lを増加させる際に、 研磨ブラ シ 6 0が極めて磨耗した場合等にブラシへッ ド 5 6の下降限界位置を越 えたときには、 研磨ブラシ 6 0の磨耗が過剰となり研磨ブラシ 6 0の研 磨能力が極度に低下して交換時期がきたことを容易に判断することがで さる。 産業上の利用可能性

本発明は、 金属リングの側端縁を研磨ブラシによって高精度に研磨す ることができるので、 無段変速機の無端ベル卜に用いられる薄板筒状の 金属リングを研磨する際の利用が可能となる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 無段変速機の無端ベルトに用いられる薄板筒状の金属リングを研磨 する方法であって、 前記金属リングを投入する投入工程と、 該投入工程 により投入された金属リングの一方の端縁を研磨ブラシにより研磨する 第 1のブラシ研磨工程と、 該第 1のブラシ研磨工程により一方の端縁が 研磨された金属リングを反転させる反転工程と、 該反転工程により反転 された金属リングの他方の端縁を研磨ブラシにより研磨する第 2のブラ シ研磨工程と、 該第 2のブラシ研磨工程により他方の端縁が研磨された 金属リングを払出す払出工程とを備えることを特徴とする無段変速機の 無端ベルト用金属リングの研磨方法。

2 . 前記第 1のブラシ研磨工程及び前記第 2のブラシ研磨工程において は、 金属リングを略円形に保持して円周方向に回転させると共に、 金属 リングより大径の環状に形成されて回転する研磨ブラシを、 回転する金 属リングの端縁を横切るように該金属リングに当接させ、 該研磨ブラシ が回転する金属リングの端緣を横切るとき、 該研磨ブラシは、 前記回転 する金属リングの軌道に対して所定の入射角で該金属リングの内部に進 入し、 該金属リングの内周面と該金属リングの回転中心との間を通り、 該金属リングの軌道に対して所定の退出角で前記金属リングから離反す ることを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の無段変速機の無端ベル ト用金属リングの研磨方法。

3 . 前記入射角及び前記退出角は、 2 0 ° 乃至 4 5 ° であることを特徴 とする特許請求の範囲第 2項記載の無段変速機の無端ベルト用金属リン グの研磨方法。

4 . 前記投入工程により投入される前記金属リングは、 該投入工程に先 に設けられた切出工程により薄板筒状の金属ドラムを輪切り状に切出し て形成されたものであり、 該切出工程においては、 刃面が山形のカツ夕 —で前記金属ドラムを押し切ることを特徴とする特許請求の範囲第 1項 記載の無段変速機の無端ベルト用金属リングの研磨方法。

5 . 前記第 1のブラシ研磨工程及び前記第 2のブラシ研磨工程において は、 金属リングに研磨ブラシが当接した際に該研磨ブラシを回転駆動す るモータの負荷電流値を検出し、 該検出された負荷電流値が予め設定さ れた所定範囲の負荷電流値となるように、 研磨ブラシの金属リングへの 切込み量を増減させることを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の無 段変速機の無端ベルト用金属リングの研磨方法。

6 . 前記第 1のブラシ研磨工程と前記第 2のブラシ研磨工程との各ブラ シ研磨工程に先立って、 前記研磨ブラシと前記金属リングとが非当接状 態で該研磨ブラシを回転駆動した際の前記モータの第 1の電流値を測定 する工程と、 前記研磨ブラシを前記金属リングに当接して該金属リング の端縁が研磨された際の研磨量と前記モータの第 2の電流値とを測定す る工程と、 第 1の電流値に対する第 2の電流値の増加分を負荷電流値と して該負荷電流値と研磨量との相関関係を算出する工程と、 該算出され た負荷'電流値と研磨量との相関関係に基づいて、 各ブラシ研磨工程にお ける所定範囲の負荷電流値を設定する工程とを備えることを特徴とする 特許請求の範囲第 5項記載の無段変速機の無端ベルト用金属リングの研 磨方法。

7 . 無段変速機の無端ベルトに用いられる薄板筒状の金属リングを研磨 する装置であって、 前記金属リングをその一方の端縁を露出させて着脱 自在に保持して該金属リングを周方向に回転させる保持手段と、 前記金 属リングより大径の環状に形成され、 前記保持手段により回転される金 属リングの端緣を横切るように該金属リングの端縁に当接しつつ回転す る研磨ブラシとを備えることを特徴とする無段変速機の無端ベルト用金 属リングの研磨装置。

8 . 無段変速機の無端ベルトに用いられる薄板筒状の金属リングを研磨 する装置であって、 前記金属リングをその一方の端緣を露出させて着脱 自在に保持する保持テーブルと、 該保持テーブルに前記金属リングを投 入する投入手段と、 前記保持テーブルに保持された金属リングの一方の 端縁を研磨ブラシにより研磨する第 1の研磨手段と、 該第 1の研磨手段 により一方の端縁が研磨された金属リングを反転させ、 前記保持テープ ルに金属リングをその他方の端縁を露出させて保持させる反転手段と、 該反転手段により反転されて前記保持テーブルに保持された金属リング の他方の端緣を研磨ブラシにより研磨する第 2の研磨手段と、 該第 2の 研磨手段により他方の端縁が研磨された金属リングを前記保持テーブル から払出す払出手段とを備えることを特徴とする無段変速機の無端ベル ト用金属リングの研磨装置。

9 . 前記保持テーブルは、 前記金属リングを着脱自在に保持して該金属 リングを周方向に回転させる保持手段を備え、 前記第 1の研磨手段及び 前記第 2の研磨手段は、 それぞれ、 金属リングより大径の環状に形成さ れて回転する研磨ブラシを備え、 前記保持手段により回転される金属リ ングの端縁を横切るように前記研磨ブラシを金属リングに当接させるこ とを特徴とする特許請求の範囲第 8項記載の無段変速機の無端ベルト用 金属リングの研磨装置。

1 0 . 前記保持テーブルは、 同一円周上に所定間隔を存して配設された 複数の前記保持手段を備え、 前記研磨ブラシは、 該保持テーブル上の各 保持手段に保持された各金属リングに同時に当接する径寸法に形成され ていることを特徴とする特許請求の範囲第 9項記載の無段変速機の無端 ベルト用金属リングの研磨装置。

1 1 . 前記保持テーブルは、 所定角度毎に間欠回転するターンテーブル の回転軸周りに所定間隔を存して複数配設され、 該ターンテーブルによ り回転される各保持テーブルの回転軌道に沿って上流から下流に向かつ て順次前記投入手段、 前記第 1の研磨手段、 前記反転手段、 前記第 2の 研磨手段及び前記払出手段が配設されていることを特徴とする特許請求 の範囲第 1 0項記載の無段変速機の無端ベルト用金属リングの研磨装置。

1 2 . 回転軸周りに所定間隔を存して複数の前記保持テーブルを備えて 所定角度毎に間欠回転する第 1のターンテ一ブルと、 該第 1のターンテ 一ブルに隣設され、 回転軸周りに所定間隔を存して複数の前記保持テ一 ブルを備えて所定角度毎に間欠回転する第 2のターンテーブルとを備え、 前記第 1のターンテーブルにより回転される各保持テーブルの回転軌道 に沿って上流から下流に向かって順次前記投入手段及び前記第 1の研磨 手段が配設され、 前記第 2のターンテーブルにより回転される各保持テ —ブルの回転軌道に沿って上流から下流に向かって順次前記第 2の研磨 手段及び前記払出手段が配設され、 前記反転手段は、 前記第 1のターン テーブルの前記第 1の研磨手段の下流に位置する保持テーブル上の金属 リングを反転させて、 該金属リングを前記第 2のターンテーブルの前記 第 1の研磨手段の上流に位置する保持テーブルに移載することを特徴と する特許請求の範囲第 8項記載の無段変速機の無端ベルト用金属リング の研磨装置。

1 3 . 前記投入手段、 前記第 1の研磨手段、 前記反転手段、 前記第 2の 研磨手段及び前記払出手段は、 それぞれ前記保持テーブルを備え、 各保 持テーブル間には、 互いに隣り合う一方の保持テーブルから他方の保持 テーブルへ金属リングを移載する移載手段が設けられていることを特徴 とする特許請求の範囲第 8項記載の無段変速機の無端ベルト用金属リン グの研磨装置。

1 4 . 前記投入手段、 前記第 1の研磨手段、 前記反転手段、 前記第 2の 研磨手段及び前記払出手段が略直線状に配置されていることを特徴とす る特許請求の範囲第 1 3項記載の無段変速機の無端ベルト用金属リング の研磨装置。

1 5 . 前記保持テーブルは、 所定距離毎に間欠移送する無端状の移送路 に沿って巡回され、 該移送路により移送される保持テ一ブルの各停止位 置の上流から下流に向かって順次前記投入手段、 前記第 1の研磨手段、 前記反転手段、 前記第 2の研磨手段及び前記払出手段が配設されている ことを特徴とする特許請求の範囲第 8項記載の無段変速機の無端ベルト 用金属リングの研磨装置。

1 6 . 前記第 1及び第 2の研磨手段は、 それぞれ、 比較的目が粗い粗加 ェ用研磨ブラシにより研磨を行う粗研磨手段と、 該粗研磨手段による研 磨に続いて前記粗加工用研磨ブラシより目が細かい中間加工用研磨ブラ シにより研磨を行う中間研磨手段と、 該中間研磨手段による研磨に続い て前記中間加工用研磨ブラシより目が細かい仕上げ加工用研磨ブラシに より研磨を行う仕上げ研磨手段とを備えることを特徴とする特許請求の 範囲第 8項記載の無段変速機の無端ベルト用金属リングの研磨装置。

1 7 . 前記保持テーブルは、 複数の金属リングを保持可能とされ、 前記 投入手段は、 複数の金属リングを搬送する搬送路と、 該搬送路の終端に 設けられ、 該搬送路に沿って搬送された最前端の金属リングを載置して 昇降自在の昇降テーブルと、 複数の金属リングを保持して該昇降テープ ルと前記保持テーブルとの間を移動自在に設けられた回転自在の円盤状 の保持部材と、 前記保持テーブルの各金属リングの保持位置に対応して 該保持部材の回転軸周りに所定数配設され、 該金属リングょり大径に形 成されて該リングを収容する収容部と、 前記保持部材が前記昇降テープ ルの上方に位置して該保持部材の何れかの収容部が前記昇降テーブル上 の金属リングに対向したとき、 該昇降テーブルを上昇させて収容部内に リングを収容させる昇降手段と、 各収容部に設けられ、 該収容部に収容 された金属リングの外周壁に圧接して該収容部内にリングを保持し、 前 記保持テーブルの保持位置においてリングの外周壁への圧接を解除する 圧接保持手段と、 該収容部内に金属リングが保持された後に、 未収容の 収容部を昇降テーブル上の金属リングに対向させるベく前記保持部材を 回転させる回転駆動手段と、 該保持部材の各収容部内に金属リングが保 持された後に該保持部材を該昇降テーブルから前記保持テーブルへ移動 させる移動手段とを備えることを特徴とする特許請求の範囲第 8項記載 の無段変速機の無端ベルト用金属リングの研磨装置。

1 8 . 前記収容部は、 前記保持テーブルの各金属リングの保持位置に対 応して前記保持部材に偶数設けられ、 前記昇降テーブルは、 前記保持部 材の何れか一対の収容部に対応する位置に一対の金属リングを載置する ことを特徴とする特許請求の範囲第 1 7項記載の無段変速機の無端ベル ト用金属リングの研磨装置。

1 9 . 前記保持テーブルは、 前記金属リングを着脱自在に保持して該金 属リングを周方向に回転させる保持手段を備え、 該保持手段は、 前記金 属リングを載置する載置台と、 該載置台に形成され、 該載置台に載置さ •れたリングの軸心側から該リングの内側面に向かって延びる複数のレー ルと、 各レールに沿って摺動自在に設けられ、 該載置台に載置された金 属リングの内側面に当接自在の複数の当接部材と、 各レールに沿って各 当接部材を摺動させて各当接部材の金属リングの内側面への当接と離反 とを行なう当接部材駆動手段とを備え、 前記当接部材駆動手段は、 前記 載置台に載置された金属リングの軸心に沿って上下方向に移動自在の移 動部材と、 該移動部材と各当接部材とを連結して該移動部材が上方に移 動したとき各当接部材を金属リングの内側面に当接させ該移動部材が下 方に移動したとき各当接部材を金属リングの内側面から離反させるリン ク手段と、 該移動部材を上方に付勢し、 この付勢力により該リンク手段 を介して各当接部材を金属リングの内周面に当接させる付勢手段と、 該 付勢手段の付勢力に抗して移動部材を下方に移動させ、 前記リンク手段 を介して各当接部材を金属リングの内周面から離反させる保持解除手段 とを備えることを特徴とする特許請求の範囲第 8項記載の無段変速機の 無端ベルト用金属リングの研磨装置。

2 0 . 前記載置台は同一円周上に複数配設されており、 前記保持解除手 段は、 各載置台の配列円周の中心位置に上下方向に移動自在に設けられ た他の移動部材と、 該他の移動部材を各載置台の前記移動部材に連結す る連結部材とを備え、 該他の移動部材の下方への移動により各載置台の 前記移動部材を同時に下方へ移動させて、 各載置台の各当接部材を金属 リングの内周面から同時に離反させることを特徴とする特許請求の範囲 第 1 9項記載の無段変速機の無端ベルト用金属リングの研磨装置。

2 1 . 前記反転装置は、 前記第 1の研磨手段によって研磨された金属リ ングを解除自在に保持して所定位置に移動自在のリング保持部材と、 金 属リングを保持した該リング保持部材を反転させて所定位置に移動させ る移動手段とを備え、 前記リング保持部材は、 金属リングの外径に対応 して該金属リングの軸線方向に貫通し、 内部に該金属リングを収容して 該金属リングを解除自在に保持するリング保持孔を備え、 該リング保持 孔は、 一方の開口から金属リングを揷入し、 他方の開口から金属リング を離脱させることを特徴とする特許請求の範囲第 8項記載の無段変速機 の無端ベルト用金属リングの研磨装置。

2 2 . 前記リング保持孔は、 金属リングより大径に形成されており、 該 リング保持孔には、 該リング保持孔の内部に収容された金属リングの外 周壁に圧接して該金属リングを解除自在に保持する圧接保持手段が設け られていることを特徴とする特許請求の範囲第 2 1項記載の無段変速機 の無端ベルト用金属リングの研磨装置。

2 3 . 前記第 1の研磨手段と前記第 2の研磨手段とにおいては、 複数の 金属リングを所定の配列状態で保持して各金属リングの研磨を行ない、 前記リング保持部材は、 前記第 1の研磨手段及び前記第 2の研磨手段の 各金属リングの配列位置に対応する複数の前記リング保持孔を備えるこ とを特徴とする特許請求の範囲第 2 1項又は第 2 2項記載の無段変速機 の無端ベルト用金属リングの研磨装置。

2 4 . 前記研磨ブラシの軌道上に位置する前記保持テーブル上に、 該研 磨ブラシの毛先を整えるドレツシング部を設けたことを特徴とする特許 請求の範囲第 9項又は第 1 0項記載の無段変速機の無端ベル卜用金属リ ングの研磨装置。

2 5 . 前記保持テーブルの保持手段における前記研磨ブラシに当接する 位置に、 該研磨ブラシの毛先を整えるドレツシング部を設けたことを特 徴とする特許請求の範囲第 9項又は第 1 0項記載の無段変速機の無端べ ルト用金属リングの研磨装置。