WO2004065241A1

WO2004065241A1 - リシール性を備えた易開封性容器蓋及びその製法

Info

Publication number: WO2004065241A1
Application number: PCT/JP2004/000571
Authority: WO
Inventors: Mamoru Shibasaka; Tatsuya Osafune; Daisuke Imoda
Original assignee: Toyo Seikan Kaisha, Ltd.
Priority date: 2003-01-24
Filing date: 2004-01-23
Publication date: 2004-08-05
Also published as: KR100951133B1; EP1607341A4; KR20050095865A; EP1607341A1; US20060201944A1

Abstract

本発明は、予め形成された開口部を備えた蓋部材と該蓋部材の外面側に該開口部を覆い且つ開口周辺部で密封接着するように施された開封用タブとからなる易開封性容器蓋に関するものであり、開封用タブが、可撓性タブ部材と該タブ部材に接着一体化すると共に前記蓋部材の開口部に嵌合可能に形成されたプラグ部材とから成り、且つ前記可撓性タブ部材が、前記蓋部材開口周辺部で引剥し可能に密着固定されていることにより、一旦開封した開口を再び仮封止する等の暫定再封止が繰り返し可能なリシール性を有すると共に、リシール封止性、開封明示機能、易開封性等の優れた効果を発現できるという利点を有している。

Description

明細書リシール性を備えた易開封性容器蓋及びその製法技術分野

本発明は、易開封性容器蓋及びその製造方法に関し、特に、パーシャルオーブンタイプの容器蓋で、一旦開封した開口を再び仮封止する等の暫定再封止が可能なリシール性を備えた易開封性容器蓋及びその製造方法に関する。背景技術

易開封性容器蓋（イージー■オープン蓋）は、食缶や飲料缶等の食品容器蓋として広く使用されているが、これには、コーラ、ビール、ジュース等の各種飲料を収容する飲料缶の缶蓋に主に使用されるパーシャルオープンタイプの容器蓋と、主に缶詰、インスタントラーメン、スナック菓子等の食缶の缶蓋に使用されるフルオープンタイプの容器蓋とがある。

また、パーシャルオープンタイプの容器蓋には、易破断開口片が引剥がし開封によリ容器蓋から完全に切り離されるプルトップ■タブ 'タイプのものと易破断開口片の一部を容器蓋に連結させたまま容器内に押し込む等により、開封後も破断開口片が容器蓋から切り離されないスティオン'タブ'タイプのものとがある。し力、し、開口片が容器蓋から完全に切り離される、所謂、プルトップ■タブ' タイプのものは、単にゴミとして環境を汚すだけでなく、切り離された開口片が鋭利な破断面を有する等のため、近年、上記のような問題がないスティオン -夕ブ■タイプのものが多く使用されるようになってきている。

このような容器蓋には、易開封性や密封性と共に内容物の性質如何によつては耐内圧強度ゃ耐腐食性、特に内容物中への溶出がないことが強く求められる。このため、従来から高強度で、可撓性に富み、且つ耐食性に優れた積層材、特に、金属箔ゃ樹脂薄板等の基材に非溶出性の樹脂を被覆した積層材からなる蓋本体ゃタブが多く用いられている。

例えば、特開平 1 1—0 1 1 5 2 6号公報には、易開封性とバリヤ性に優れ、且つ、耐内圧強度を強化する目的で、開口を有する蓋体となる基材（熱可塑性樹脂）にヒートシール性を有する積層体を接着層を介して接着し、積層体の接着強度が積層体の層間接着強度よリ強く、接着層の引張強度が積層体の層間接着強度より弱く構成したことを特徴とする易開封性蓋体が開示されている。

また、特公昭 6 0—1 2 1 6号公報には両面樹脂被覆した金属箔積層体からなる開封片と予め開口形成され、該開口の周縁端部が特定構造に保護被覆された樹脂被覆金属板蓋体とを熱接着させて成る易開封性容器蓋の発明が開示されている。発明の開示

ところが、このようにパーシャルオープンタイプのス亍イオン■タブ 'タイプの容器蓋が一般的となった極最近に至り、この容器蓋にリシール性を持たせ、一旦開封した開口を再び軽く仮止する等によリ容器内を暫時再密閉したリ、蓋付きのままレトル卜処理したリできる易開封性容器蓋の提供が俄に要望されるようになってきた。

しかし、易開封性容器は、本来一回限りの使い捨て使用が原則で、開封も一回限りで、開封された後の容器蓋開口のリシール（再封止）は、従来考えられなかつたといって過言ではない。

事実、本発明者が調査した限りにおいて、一旦開封した開口部のリシールを目的とした易開封性容器蓋の提案は一件も見出すことはできなかった。

しかも、実質的に内容物の漏れを生じることなく、且つ、安全、確実に容器蓋をリシールするには、リシール時に、ある程度の開口密封性が必要であると共に、更に、少なくとも一度開封され、その後リシールされた蓋と未だ未開封の蓋とが容易に識別でき、缶の内容物が知らぬ間に変更されていない保証を容易に得ることができるようにすることが悪戯や犯罪予防等の見地から特に重要である。

既に述べた従来の樹脂被覆金属箔タブ又は開封片等では、それを用いてリシ一ルした場合、密封性が殆ど得られなかつたり、或いはリシール時の密閉性が得られるものであっても既開封と未開封との識別がつき難かつたり、上記目的を充分に達成することが困難である。

本発明者等は、上記課題の解決に向け鋭意研究を重ねた結果、開封片である開封用タブに、蓋体の開口に嵌合し得るプラグ部材を付設する構成により、上記リシール性が充分に達成できると共に、既開封、未開封の識別も容易に可能となることを見出しその知見に基づいて本発明を完成させるに至った。

従って、本発明の目的は、リシール性を備えた易開封性容器蓋、特に、パーシャルオープンタイプのスティ 'オン，タブ付き容器蓋で、一旦開封した開口を再び仮封止する等の暫定再封止が繰り返し可能な開封口リシール性を備え、樹脂被覆タブのみで開口部をカバーする形態のものに比べて顕著にリシール封止性に優れた易開封性容器蓋を提供することである。

本発明の他の目的は、少なくとも一度は開封され、その後リシールされた蓋と未だ未開封の蓋とが容易に識別でき、個々の缶内容物が知らぬ間に変更されていない保証が容易に得られる開封明示機能を兼ね備えた易開封性容器蓋を提供することである。

また本発明の他の目的は、従来品に比べ、耐圧、落下強度が大幅に向上した易開封性容器を形成し得る容器蓋を提供することである。

また本発明の更に他の目的は、開封用タブを蓋部材に接着固定する際の接着性樹脂又は接着剤のはみ出しが有効に防止され、外観特性や飲み口の感触に優れた易開封性容器蓋を提供することである。

また本発明の更に別の目的は、易開封性が顕著に向上した容器蓋を提供することである。

更に、本発明の別の目的は、従来のスティ ■オン 'タブ付き容器蓋のように開口片が缶内に入らないため、衛生的に優れた易開封性容器蓋を提供することである。

更にまた本発明の目的は、上記リシール性を備えた易開封性容器蓋を製造する方法を提供することである。

本発明によれば、予め形成された開口部を備えた蓋部材と該蓋部材の外面側に該開口部を覆い且つ開口周辺部で密封接着するように施された開封用タブとからなる易開封性容器蓋において、前記開封用タブは、可撓性タブ部材と該タブ部材に接着一体化すると共に前記蓋部材の開口部に嵌合可能に形成されたプラグ部材とから成り、且つ前記可撓性タブ部材が、前記蓋部材開口部周辺で引剥し可能に密着固定されていることを特徴とするリシール性を備えた易開封性容器蓋が提供される。

本発明の易開封性容器蓋は、開封用タブ（開封片）が可撓性タブ部材部分とプラグ部材部分とから成り、ブラグ部材は蓋部材の開口部に嵌合する形状構造に形成されると共に前記タブ部材に接着して一体化され、一方、可撓性タブ部材は蓋部材開口周辺部で引剥し可能に密封接着されていることが構造上の顕著な特徴で (S3る。

開封用タブが上記特定構造を有することにより、本発明の易開封性容器蓋は一度開封した後でもプラグを開口部に押し込むことで幾度でも簡易に暫定的な再シールが可能で、従来の樹脂膜被覆金属箔タブ（テープタブ〉のみで開口部を覆う場合に比べて格段に優れたリシ一ル性を示す。しかも、開封部分における接着面積が開口周縁部のみの小面積で接着強度を比較的小さくできるため開口性が向上する。

また、一度開封され、その後リシ一ルされた蓋と未開封の蓋とが夫々の状態での形状から容易に識別でき、容器蓋が一旦開封されたものであることを示す開封明示機能をも有している。

更に、上記易開封性容器蓋の特定構成によリ、従来のものに比べて容器の耐圧、落下強度が大幅に向上される。

更にまた、全体としてその形状が扁平で上下方向に高い凹凸が無いため本発明の蓋を同時に多数積み上げても比較的安定で所謂積載スタック性にも優れる等数多くの利点を有する。

本発明の易開封性容器蓋においては、開口部の端縁が、蓋外側への折り曲げ又はカール加工、或いは塗料又は樹脂による被覆で端縁処理されていることが好ましく、これにより開封後の開口端縁が先鋭でなく、しかも腐食等からも保護される。また端縁処理された態様のものは、開封用タブのプラグ部材との嵌合馴染みが良く、リシールを繰り返してもブラグ部材を傷つけることが無いため嵌合状態を長く良好に維持することができるので好ましい。

また、可撓性タブ部材は、金属箔の両面に樹脂被膜が形成された積層体、例えば 2軸延伸ポリエチレンテレフタレ一ト層アルミニウム層シ一ラン卜フィルム層から成り、各層間をゥレタン系接着剤を用いたドライラミネートによリ作製されたものが、タブ引裂き時の引張り強度と可撓性とのバランス上、及び腐食耐性の点から好ましい。

蓋部材は、周縁部に卷締加工部を有する金属製の部材から成ることが好ましく、また蓋部材の外面側は少なくとも前記可撓性タブ部材に対し熱接着性を有し、内面側は可撓性タブ部材及びブラグ部材に対し非接着性であることにより、可撓性タブ部材ゃプラグ部材との密着性と内容物への非溶出性の両方を確保する観点から特に望ましい。

また開封用タブが、その可撓性タブ部材に加えて、更に、プラグ部材も前記蓋部材の開口周辺部に接着されている態様のものは、特に、高温、衝撃等の過酷な条件に曝される容器の密閉性確保の観点からより好ましい。

開封用タブが、その開封開始端部から前記開口を挟んだ対向側に位置して脱離困難に蓋部材に付着した部分を有し、開封後においても開封用タブが蓋部材から脱離しない容器蓋、特に、蓋部材に付着した部分の直前部分で、引剥がし方向にほぼ直交する方向に両側が切欠かれ該部分のタブ幅が狭められた形状である容器蓋構成のものは、該部分で引剥がし進行が容易に停止するため好ましい。

本発明の易開封性容器蓋において、可撓性タブ部材は、蓋部材の外面側に接着固定されると共にプラグ部材が接着一体化される密封部と、該密封部の開封開始端部で密封部と連続する折返し部から成り、該折返し部は開封のための把持部を有すると共に、開封前は密封部又は蓋部材に固定されていることが好ましい。特にこの折返し部が、少なくとも前記把持部を除いて、密封部又は蓋部材外面に接着固定されており、開封後折返し部を密封部又は蓋部材に固定できないようにすること、例えば折返し部の密封部又は蓋部材外面との接着固定を剥離すると折返し部又は密封部の一部が破断される態様にすることによリ、容器蓋が一旦開封したものであることが一目でわかリ、より明確な開封明示機能が発揮される。また可撓性タブ部材が、蓋部材と接着される側の面に接着層が形成されており、折返し部の端部が蓋部材側に折リ曲げ又はカール加工されて接着固定されていることにより、密封部及び折返し部の接着固定が容易であると共に、別途接着剤を塗布する工程が不要となり、生産性に優れているという効果を有することができ、しかも折り曲げ加工部よリも外側に接着性樹脂又は接着剤がはみ出すことを防止できるという利点もある。

更に可撓性タブ部材が、蓋部材に接着固定されていると共に開口部周辺の端部が蓋部材側に折り曲げ加工されていることにより、接着性樹脂又は接着剤がこの折り曲げられた部分よりも外側にはみ出すことがないため、開封後蓋部材に筋状の接着性樹脂又は接着剤が残ることがなく外観特性に優れていると共に、蓋部材に直接口を付けて飲む場合の飲み口の感触を改善することが可能となる。

また蓋部材には、予めガス抜き孔が形成されていると共に、前記折返し部が少なくとも該ガス抜き孔を密封するように蓋部材外面側に接着固定されており、該折返し部を蓋部材外面側から剥離することによリ開口部よリも先にガス抜き孔が開通するようにすることにより内容物が炭酸飲料等のように容器内が陽圧になる場合でも、先にガス抜き孔が開通するため、内容物が吹き出すことを有効に防止できる。

更に、本発明の易開封性容器蓋においては、プラグ部材の開口部からの引き抜きに先立って、前記可撓性タブ部材の密封部と折返し部の境界線である折返し線の両端近傍で、密封部と蓋部材の接着が剥離乃至弱接着化されること、例えば、可撓性タブ部材が、折返し線の両端近傍で密封部と折返し部が接着固定されていること等によリ、プラグ部材の引き抜きよリも先にプラグ部材の引き抜きが開始される部分の周辺の密封部の接着を剥離することができ、プラグ部材を引き抜くときの可撓性タブの部材の引き剥がしに要する力を低減させ、全体として開封に要する力を低減させることが可能になる。

本発明の易開封性容器蓋において、プラグ部材は射出成形又は圧縮成形によリ形成された樹脂製プラグ部材或いはプレス成形により形成された金属製プラグ部材であることが好ましく、特に樹脂製プラグ部材としては、ォレフィン系樹脂と、熱可塑性エラストマ一及びゴム状組成物から選ばれた少なくとも一種との樹脂組成物から成り、且つ、 2 5 °Cにおけるヘプタン溶出量が 1 5 0 p p m以下、 1 0 0 °Cでの変形率（J I S K 6 7 2 3 ) が 3 0 %未満、 7 0 °Cにおける圧縮永久歪み（J I S K 6 2 6 2 ) が 5 0〜 9 5 %の範囲にあるものであることにより、高温充填時或いはレトルト殺菌時のシール製を確保することができ、更に容器蓋開封後のリシールに必要な反復弾性も付与される。

またプラグ部材を構成する樹脂組成物の常温下での硬度が、加硫ゴムの永久歪み試験方法（J I S K 6 2 6 2 ) に準じた、タイプ Aデュロメータ圧子よる測定値で 8 0乃至 9 5、タイプ Dデュロメータ圧子よる測定値で 5 0乃至 7 5の範囲に夫々あることが、容器落下などによる変形応力、押圧応力等に杭して形状保持とシール性、リシール製を保持する観点から好ましい。

本発明によればまた、予め形成された開口部を備えた蓋部材の該開口部の端縁処理をする工程、可撓性タブ部材とプラグ部材を一体化して開封用タブを成形する工程、蓋部材の外面側となる面に前記開封用タブを施し、開口周辺部において可撓性タブ部材と蓋部材外面を接着させる工程、とから成ることを特徴とする易開封性容器蓋の製法が提供される。

本発明の易開封性容器蓋の上記製法においては、開封用タブが、可撓性タブ部材上にプラグ部材を射出成形或いは圧縮成形により一体成形して形成されることが、開封用タブ形状を正確且つ効率的に形成できる観点から特に好ましい。更に本発明によれば、予め形成された開口部を備えた蓋部材の該開口部の端縁処理をする工程、可撓性タブ部材及びプラグ部材を夫々成形する工程、蓋部材の外面側となる面に、前記可撓性タブ部材及ぴプラグ部材を、プラグ部材が蓋部材の開口部に嵌合し、プラグ部材を可撓性タブ部材が覆うように蓋部材外面上に設置して、可撓性タブ部材とプラグ部材を接着一体化して開封用タブを成形すると同時に蓋部材外面に可撓性タブ部材を接着する工程、とから成ることを特徴とする易開封性容器蓋の製法が提供される。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の容器蓋の主要構成部材を示す斜視図である。

図 2は、図 1の容器蓋が完成後開封された状態を示す斜視図である。

図 3は、本発明の他の態様の容器蓋の主要構成部材を示す斜視図である。図 4は、図 3の容器蓋の完成後未開封状態の断面構造を示す斜視図である。図 5は、樹脂プラグを用いた本発明の容器蓋の一例を示す図であり、 ( a )は平面図、（b ) は断面図、（c ) は部分拡大図をそれぞれ示す。図 6は、樹脂プラグを用いた本発明の容器蓋の他の一例を示す図であり、（a ) は平面図、（b ) は断面図、（c ) は部分拡大図をそれぞれ示す。

図 7は、メタルプラグを用いた本発明の容器蓋の一例を示す図であり、（a )は平面図、（b ) は断面図、（c ) は部分拡大図をそれぞれ示す。

図 8は、メタルプラグを用いた本発明の容器蓋の他の一例を示す図であり、 ( a ) は平面図、（b ) は断面図、（c ) は部分拡大図をそれぞれ示す。

図 9は、本発明の容器蓋において、特に開封明示機能に優れた態様の一例を示す斜視図である。

図 1 0は、図 9の X部分の拡大断面図である。

図 1 1は、図 9における X部分の他の態様を示す拡大断面図である。

図 1 2は、図 9における X部分の他の態様を示す拡大断面図である。

図 1 3は、図 9における X部分の他の態様を示す拡大断面図である。

図 1 4は、図 9における X部分の他の態様を示す拡大断面図である。

図 1 5は、本発明の容器蓋において、特にガス抜き孔が設けられた態様の一例を示す斜視図である。

図 1 6は、図 1 5とガス抜き孔の位置が異なる他の態様を示す平面図である。図 1 7は、図 1 5とガス抜き孔の位置が異なる他の態様を示す平面図である。図 1 8は、本発明の容器蓋において、特に易開封性に優れた態様を説明するための平面図である。

図 1 9は、最初の開封操作における開封に要する力を示すチャートである。図 2 0は、図 1 8に示す態様の可撓性タブ部材を示す平面図である。

図 2 1は、可撓性タブ部材の他の例を示す図である。

図 2 2は、可撓性タブ部材の他の例を示す図である。

図 2 3は、可撓性タブ部材の他の例を示す図である。

図 2 4は、図 4の容器蓋断面の一部を拡大した図である。

図 2 5は、本発明の蓋部材の樹脂被覆による開口端縁部処理の一例を示す模式断面図である。

図 2 6は、本発明の樹脂プラグを用いた容器蓋の製法を説明するための工程図である。図 2 7は、本発明の樹脂プラグを用いた容器蓋の他の製法を説明するためのェ程図である。

図 2 8は、本発明の樹脂プラグを用いた容器蓋の別の製法を説明するためのェ程図である。

図 2 9は、本発明の樹脂プラグを用いた容器蓋の更に別の製法を説明するための工程図である。

図 3 0は、本発明のメタルプラグを用いた容器蓋の製法を説明するための工程図である。

図 3 1は、本発明のメタルプラグを用いた容器蓋の他の製法を説明するための工程図である。

図 3 2は、本発明の可撓性タブ部材の製法を説明するための工程図である。図 3 3は、本発明の容器蓋開口端縁部の折曲げによる処理法を説明するための工程図（樹脂プラグ）である。

図 3 4は、本発明の容器蓋開口端縁部の折曲げによる別の処理法を説明するための工程図（樹脂プラグ）である。

図 3 5は、本発明の容器蓋開口端縁部の折曲げによる処理法を説明するための工程図（メタルプラグ）である。

図 3 6は、本発明の容器蓋開口端縁部の折曲げによる処理法を説明するための工程図（メタルプラグ）である。発明を実施するための最良の形態

(易開封性容器蓋の基本態様）

以下に本発明のリシール性を備えた易開封性容器蓋の基本態様を図面を参照して詳細に述べる。

図 1乃至図 4は、本発明の易開封性容器蓋の一例の全体構成を説明するための斜視図であって、図 1は組込前の状態での容器蓋の主要構成部材を示し、図 2は容器蓋が開封された状態を示す。

また図 3は、一部部材形状が異なる以外、図 1及び図 2で示した容器蓋と同じ本発明の容器蓋の組込前主要構成部材を示し、図 4はその容器蓋の未開封状態とその状態での蓋の断面構造を示す。

図 1及び図 2から明らかなように、本発明の容器蓋は、全体として示す蓋部材 1と全体として示す開封用タブ 1 0とからなる。

蓋部材 1は、予め形成された開口 2を有し、開封用タブ 3は可撓性のタブ部材 1 0とブラグ部材 2 0とからなり、ブラグ部材 2 0は蓋部材 1の開口 2に嵌合するように、この図の容器の場合、ほぼ円錐台形に形成され、底面側が可撓性タブ部材 1 0の符号 1 1で表されている部分に接着される。

そして、開封用タブ 3は、単一の可撓性タブ部材 1 0を折り曲げて、蓋部材 1 の開口 2を覆い、且つ、開口 2の周辺部と接着して密封する密封部 1 2と密封部の開封開始端となる折返し線 1 3を介して密封部 1 2と連続する折返し部 1 4から成っており、折返し部 1 4には、把持部 1 5が形成されている。

尚、この態様においては、開封操作を容易にするため、単一の可撓性タブ部材を折り曲げ、密封部と折返し部を形成しているが、勿論これに限定されず、密封部の開封開始端に直接把持部が形成されている態様を採用することができる。この容器蓋では開封用タブ 2の接着は可撓性タブ部材 1 0の部分のみで行われているが、可撓性タブ部材 1 0のみでなくプラグ部材 2 0とも接着させることも可能で、この態様のものは、高温、衝撃等の過酷な条件に曝される容器の未開封時密閉性だけでなく、リシール時の密閉性をも含めてより良好な密閉性を確保できる観点から好ましい。

また開封用タブ 3は、それが蓋部材 1の開口部 2上に配設された状態での開封開始端 1 3から開口を挟んだ対向側部分に蓋部材 1と強固に結合する部分を有し、図示した態様の容器蓋では、当該部分には 3筋のカール 1 6が形成されている。この 3筋のカール形状は蓋部材 1の対応する位置にも設けられ、両者のこれらカール同志が接着されることによリ両部材が強固に接合固定されている。

これにより、開封用タブ 3をその開封開始端 1 3から引剥して容器開封した後においてもタブ 3が蓋部材 1から脱離しない構成となっている（図 2参照：ステイオン，タブ，タイプ)。

図 3及び図 4に示した容器蓋は、蓋部材 1と開封用タブ 3とからなり、蓋部材 1が開口 2を有し、開封用タブ 3は、可撓性タブ部材 1 0とプラグ部材 2 0からなり、プラグ部材が開口 2に嵌合するように形成されて可撓性タブ部材 1 0に接着一体化される点は前記図 1 , 2の容器と同じである。

そして、この容器蓋でも、開封用タブ 3は、開口 2を覆い且つ開口周辺部と可撓性タブ部材 1 0とが接着固定するように設けられている。

ただ、この容器蓋には、前記図 1及び図 2の容器のカールは設けられておらず、蓋部材 1 と可撓性タブ部材 1 0との接着部は平坦面である。

その替わりに、図 3及び図 4の容器蓋では、両部材の接着固定部 1 7の直前部分 1 8で可撓性タブ部材 1 0が幅方向に両側から切欠かれ、ここで引剥進行が停止するように構成されている。

上記本発明の易開封性容器蓋を開封するには、前記開封用タブ 3の把持部 1 5 を指でつまみながら折返し部 1 4を引き起こし、該折返し部 1 4を、その開封開始端部（折返し線） 1 3から手前側に引いて密封部の接着を剥離しながらプラグ部材 2 0を開口 2から引き抜き、接着固定部 1 7の前で停止する。

また一度開封した後のリシ一ルは、開封用タブ 3のプラグ部材 2 0の接着部 1 1上面を押圧する等によりプラグを開口に再嵌着させることができる。

以下に、本発明の容器蓋における蓋部材の開口端縁部と開封用タブの可撓性タブ部材との接着態様及びプラグ部材との嵌合態様について、各種の具体例を挙げて更に詳細に説明する。

図 5は、樹脂プラグを用いた場合の本発明の容器蓋（未開封）の一例を示す平面図（a )、断面図（b ) 及び開口端縁と可撓性タブ部材との接着部位及び開口端縁とプラグ部材との嵌合封止態様を説明するための部分拡大図（c ) である。図 5の容器蓋では、開口端縁 4は蓋部材 1の外面側（図では上方側）に向けてスムーズな曲面を形成するように折曲げられ、その嵌合封止面は符号 Cで示された部分、即ち蓋の中心方向に向いている。

この態様の嵌合では封止は主として樹脂プラグ部材の径方向反発弾性力によリ維持される。

そしてこの図の容器蓋では可撓性タブ部材 1 0が A部分で蓋部材 1に接着されている。

図 6は同様に樹脂プラグを用いた本発明の容器蓋の他の一例を示す平面図（a ) 断面図（b ) 及び、部分拡大図（c ) であるが、折曲げられた開口端縁 4の嵌合部分（封止部分）は符号 Cで示され、その面は蓋の周縁方向を向いている。そして蓋部材 1は可撓性タブ部材 1 0と A部で、プラグ部材 2 0と B部で夫々接着されている。

この態様の嵌合では、例え、容器蓋が加熱を受けた場合でも、可撓性タブ部材 1 0の端縁近く（図では傾斜部分近傍）と開口端縁 4の間に挟まれた部分のブラグ部材の膨張が抑制されるため封止が損なわれ難く、またリシールを繰リ返してもブラグ樹脂のクリープ発生が遅延され弾性の耐久性に優れる利点を有する。また図 7は、メタルプラグを用いた場合の本発明の容器蓋の一例を示す平面図 ( a )、断面図（b ) 及び部分拡大図（c ) である。

図 7の容器蓋では、開口端縁 4は蓋部材 1の外側（上方）に向けて折曲げられ、その嵌合封止面は、符号 Cで示されているように、蓋の中心方向に向いている。そしてこの図の容器蓋では蓋部材 1は可撓性タブ部材 1 0と A部分で接着されている。

これに対し、図 8はメタルプラグを用いた場合の容器蓋の別の一例の平面図 ( a ) 断面図（b ) 及び、部分拡大図（c ) であるが、折曲げられた開口端縁 4 の嵌合封止面（符号 Cの部分）は蓋の周縁方向に向いている。そして蓋部材は可撓性タブ部材と A部分で接着されている。

(改良態様）

本発明の易開封性容器蓋においては、上述した基本構造を有する限り種々の変更が可能であり、この種々の変更により上述した種々の作用効果を兼ね備えることが可能となる。

図 9乃至図 1 3は、本発明の易開封性容器蓋において、開封明示機能（タンパ —ェビデント性）をより明確にした態様を説明するための図であり、図 9は、易開封性容器蓋の斜視図であり、図 1 0は、図 9の X部分の拡大断面図、図 1 1乃至 1 3は、図 9の X部分の他の態様を示す拡大断面図である。

この態様における易開封性容器蓋においても基本的な構成は、前述した図 1乃至図 4と同様である。この態様においては、可撓性タブ部材 1 0の折返し部 1 4 力蓋部材 1或いは密封部 1 2と接着により固定されていることが重要な特徴である。このため、最初の開封の際に折返し部の接着部分を引き剥がすと折返し部を蓋部材又は密封部に再度固定することができなくなリ、その結果折返し部は、一旦開封された後は密封部と開封開始端以外では密封部から離れたフリーの状態になるので、一目で一旦開封されたものであることが判断可能となる。

すなわち、図 9及び図 1 0に示すように、可撓性タブ部材の折返し部 1 4のリング状部分の外周部には、密封部 1 2側に折り曲げ加工した折り曲げ加工部 3 0 が形成されている。この折り曲げ加工部 3 0は、開封前の状態において蓋部材 1 に接着固定されている。

開封用タブ 3の蓋部材 1への固定は、蓋部材 1に予め接着剤を塗布して開封用タブの密封部 1 2を蓋部材 1に固定することもできるし、開封用タブを構成する可撓性部材の少なくとも一方の面に接着層を形成し、この接着層を密封部の蓋部材と接する面とすることにより容易に固定することができる。

図 1 1乃至図 1 3は、密封部及び折返し部の他の接合状態を説明するための図であり、図 1 1乃至図 1 3に示すように、密封部 1 2の蓋部材 1に接する面に接着層 4 1 aが形成されている場合には、折返し部 1 4の密封部 1 2と接しない方の面が接着層 4 1 bとなる。このため、折返し部 1 4の少なくとも開封開始端 1 3及び把持部 1 5を除く端縁を蓋部材側にカール或いは折リ曲げることによリ接着層 4 1 aが蓋部材 1側に位置することになリ、折返し部 1 4の固定を密封部 1 2の固定と同様に行うことが可能となる。

図 1 1に示す態様においては、折返し部 1 4の端部にスコア 4 2を形成しておくことにより、開封のために折返し部 1 4を引き剥がすと、スコア 4 2で折返し部が破断し、折返し部 1 4の蓋部材 1と接着固定されている端縁 1 4 aの部分が蓋部材 1に残るため、一旦開封されたものであることを一目で判断することが可能となる。尚、スコア 4 2を形成せず、開封のために折返し部 1 4を引き剥がした際に、折返し部 1 4が端縁 1 4 aの部分と共にはがれるようにしてもよい。この場合も折返し部 1 4は蓋部材 1に再固定できないので、一旦開封されたものであることは明らかとなる。

また図 1 2に示す態様においては、密封部 1 2の端縁 1 2 aを折返し部側に力ール或いは折り曲げることにより、密封部 1 2の端縁 1 2 aは折返し部側に接着層 4 1 3カ《位置することになリ、折返し部 1 4を密封部に接着固定することが可能となる。この態様においても、折返し部 1 4の端部にスコア 4 2を形成しておくことにより、折返し部 1 4の密封部端縁 1 2 aに接着固定されている端縁 1 4 aの部分が密封部に残るため、一旦開封されたものであることを一目で判断することが可能となる。

更に図 1 3に示すように、図 1 2の態様において更に折返し部 1 4の端縁を密封部側にカール或いは折り曲げることにより、密封部の接着層 4 1 aと折返し部の接着層 4 1 bが面することになリ、より強固に接着固定することが可能となる。この態様においても、図 1 2に示す例と同様にように折返し部 1 4の端縁 1 4 a にスコア 4 2を設けることにより、折返し部 1 4の密封部端縁 1 2 aに接着固定されている端縁 1 4 aの部分が密封部に残るため、一旦開封されたものであることを一目で判断することが可能となる。

また図 1 2及び図 1 3において、スコアは密封部側に設けてもよく、この場合には密封部の端縁が折返し部側に移行して、一旦開封されたものであることを明確に示すことが可能となる。

図 1 4に示す態様においては、開封用タブの端部が蓋部材側に折り曲げ又は力ール加工されていることが重要な特徴である。

すなわち、図 1 4に示すように、開封用タブ 3或いは蓋部材 1に形成された接着性樹脂又は塗布された接着剤 4 0が溶融し押圧されて蓋部材 1及び開封用タブ 3の間にはみ出した（はみ出した部分 4 0 a ) としても、この折り曲げられた端部 9よりも外側にはみ出ることがなく、しかもはみ出した接着性樹脂又は接着剤 4 0 aは、開封用タブを開封のために剥離する際、開封用タブ 3の接着性樹脂又は接着剤 4 0に強接着しているため、開封用タブ 3に伴つて蓋部材 1から剥離され、開封後の蓋部材に筋状の接着性樹脂又は接着剤が残ることがないのである。このためこの態様の易開封性容器蓋は、外観特性と共に蓋部材に口を付けたときの感触にも優れ、またこのような接着性樹脂又は接着剤を誤つて飲んでしまうことも有効に防止されるのである。

図 1 5乃至 1 7に示す態様は、特に容器内が陽圧となる場合に開口部の開封よリも先にガス抜きを可能にし、内容物の吹き出し防止を可能にした易開封性容器蓋を示す。

本発明の易開封性容器蓋は、開封用タブが、可撓性タブ部材と蓋部材の開口部に嵌合可能に形成されたブラグ部材とから成り、かかるブラグ部材が開口部に嵌合されていることから、耐圧性に優れている。このため炭酸飲料等のように容器内が陽圧となるような内容物にも適用できるが、特に蓋部材に最初に引き剥がす折返し部が蓋部材に設けられたガス抜き孔を密封するように蓋部材外面側に接着固定することにより、折返し部を蓋部材外面側から剥離することにより開口部よリも先にガス抜き孔が開通して内圧の解放ができるので、容器内が陽圧になる場合でも内容物の吹き出しを有効に防止することが可能になる。

すなわち、図 1 5に示すように、蓋部材 1には、内容物の流出口と成る開口部 2及び開口部 2に比して小径のガス抜き孔 5 0が、蓋部材の直径上に並んで予め形成されており、密封部の開封開始端（折返し線） 1 3が蓋部材の開口部 2側に位置し、開封開始端 1 3から蓋部材の開口部 2、次いでガス抜き孔 5 0と並ぶ方向が密封部の引き剥がし方向となるように蓋部材 1に接着固定されている。密封部 1 2は、蓋部材の開口部 2を覆うように蓋部材に接着固定されるが、ガス抜き孔 5 0に対応する部分には開口 5 1が形成されており、蓋部材のガス抜き孔 5 0 に対応する部分は折返し部 1 4が接触するようになっている。折返し部 1 4の開封開始端 1 3の他方の端部には把持用リング 5 2が形成されている。またこの態様においては、把持用リング 5 2と相対する位置に突出部 5 3が形成されており、この突出部 5 3が密封部 1 2側に折り曲げられて、ガス抜き孔 5 0を覆うように接着固定されている。

図 1 5に示す態様においては、可撓性タブ部材 1 0は、密封部 1 2を蓋部材 1 に接着固定するために、密封部 1 2の蓋部材 1と接する側の面にヒートシール性樹脂から成る層が形成されている。従って、折返し部 1 4の外面側もヒートシ一ル性樹脂から成る層が形成されているため、上述したように突出部 5 3を密封部側に折り曲げることにより、別途接着剤等を用いることなく、ガス抜き孔 5 0を密封し得ると共に、折返し部 1 4を蓋部材に固定することが可能となる。

この態様の易開封性容器蓋の開封に際しては、まず折返し部 1 4の把持用リング（把持部） 5 2を把持して開封開始端（折返し線） 1 3を支点として上方に引き上げる。これにより、ガス抜き孔 5 0の周囲に接着する突出部 5 3の接着部分が引き剥がされ、容器内の内圧が解放される。次いで、折返し部 1 4の把持用リング 5 2に指を掛けて密封部の引き剥がし方向に引っ張り、密封部 1 2と蓋部材 1の接着部分を引き剥がす。この密封部 1 2の引き剥がしと同時にプラグ部材 2 0も開口部 2から取リ除かれることにより開封される。

ガス抜き孔の位置は、図 1 5に示す態様のものに限定されるものでなく開口部 2よりも先に開封される限り、ガス抜き孔 5 0は任意の箇所に設けることができる。

例えば、図 1 6に示すように、ガス抜き孔 5 0を密封部の固定部 1 7の端部 1 9よりも外側位置に形成し、折返し部 1 4の把持部 1 5を密封部の端部 1 9よりも長くして、このガス抜き孔 5 0を覆うようにしてもよいし、また図 1 7に示すように、密封部 1 2の切り欠き 1 8の位置にガス抜き孔 5 0を形成し、折返し部 1 4がこの切り欠き 1 8を覆うようにすること等もできる。

図 1 8乃至図 2 3は、易開封性を更に改善し、開封に要する力を低減させた態様を示す図である。

本発明の易開封性容器蓋に用いる、可撓性部材と蓋部材の開口部に嵌合可能なプラグ部材から成る開封用タブにおいては、開封に際して、可撓性部材の蓋部材からの引き剥がしに要する力と、プラグ部材の開口部からの引き抜きに要する力が必要であり、特にプラグ部材が開口部から引き抜かれる際に、最も大きな力が作用するため、最初の開封操作には比較的大きな力を要する場合がある。

この態様においては、プラグ部材の開口部からの引き抜きに先立って、プラグ部材の引き抜き開始端のライン近傍に位置する密封部の接着を予め剥離或いは弱接着の状態にしておくことにより、最も大きな力を要するブラグ部材の弓 Iき抜きの際の可撓性タブの引き剥がしに要する力を低減し、これにより全体として開封に要する力を低減することが可能になる。

図 1 8は、開封用タブ 3が、密封部 1 2及び折返し部 1 4から成る可撓性部材 1 0と、プラグ部材 2 0から成る易開封性容器蓋の、密封部 1 2と折返し部 1 4 の接着が剥離された状態を示す平面図であるが、プラグ部材 2 0を開口部から引き抜く際には、プラグ部材 2 0の引き抜きに要する力のほか、プラグ部材 2 0の引き抜き開始端 Dとほぼ同時に蓋部材 1と密封部 1 2の間の接着の引き剥がしが進行する位置を示すライン Lの近傍に位置する密封部 1 2と蓋部材 1の接着部分 E 1及び E 2を引き剥がすのに要する力が必要となる。

すなわち図 1 9に示すようにプラグ部材の引き抜きに要する力は、易開封性容器蓋を一旦開封しリシールしたものを開封する際に要する力とほぼ同等であるが、易開性容器蓋を最初に開封する際には、上述したようにプラグ部材の引き抜きに要する力の他、その周囲の密封部 1 2と蓋部材 1の間の接着を引き剥がすのに要する力が加算されるため、開封に要する力はかなり大きくなつてしまう（図 1 9 ( A ) 参照）。

これに対しこの態様の易開封性容器蓋においては、プラグ部材の引き剥がしに先立って、上記接着部分 E 1及び E 2を剥離或いは部分的に剥離され接着強度が弱められた弱接着の状態にしておくことにより、プラグ部材の引き抜きに要する力以外の力を低減させることができ、全体として開封に要する力を低減させることが可能となるのである（図 1 9 ( B )参照）。しかも上記接着部分 E 1及び E 2 は開封操作に伴って剥離或いは弱接着の状態にされるので、開封操作前の密封性が確保されていると共に、開口部周辺が汚染されることもなく衛生的である。図 2 0に示す易開封性容器蓋においては、密封部 1 2及び折返し部 1 4の折返し線 1 3の両端 1 3 a , 1 3 b近傍の端縁がそれぞれ内側に折り曲げられ接着部 6 0 a , 6 O b及び 6 1 a , 6 1 bを形成し、密封部 1 2及び折返し部 1 4が折返し線 1 3で折り曲げ、蓋部材 1に固定された状態で密封部の接着部 6 0 aと折返し部の接着部 6 1 a及び密封部の接着部 6 0 bと折返し部の接着部 6 1 bが互いに接着されるようになっている。その結果この易開封性容器蓋を開封すべく、まず折返し部 1 4の把持部 1 5をつまんで折返し線 1 3を支点として、折返し部 1 4を上方に引っ張ると、最初に折返し部のリング状部分の折り曲げ加工部 6 2 a， 6 2 bの接着が破壊されるが、折返し線の両端 1 3 a， 1 3 b近傍における密封部 1 2及び折返し部 1 4の接着部 6 0 aと 6 1 a及び 6 O bと 6 1 b同士が接着されたままの状態で折返し部 1 4の蓋部材 1からの引き剥がしが終了する。次いで折返し部 1 4のリング状部分に指を掛け折返し線 1 3を密封部 1 3の引き剥がしの開始端として、密封部 1 2を蓋部材 1から引き剥がそうとすると、折返し線の両端 1 3 a, 1 3 b近傍における密封部 1 2及び折返し部 1 4の接着部 6 O aと 6 1 a及び 60 bと 6 1 b同士が接着された状態で密封部 1 2の蓋部材 1 からの剥離が開始するため、結果として、図 1 8に示す接着領域 E 1及び E 2がプラグ部材 20の開口部 2からの引抜よりも先に剥離或いは弱接着化する。このため、密封部 1 2の蓋部材 1からの剥離をそのまま進行すると、プラグ部材 20 の開口部 2からの引き抜きが開始される際には開口部 2の引き抜き開始端 D周辺の密封部 1 2と蓋部材 1の間の接着は既に剥離或いは部分的に剥離され接着強度が弱められた弱接着の状態になっているので、プラグ部材 20の引き抜きに要する力に周辺に残る接着部分の剥離に要する力のみが加算されるので、プラグ部材

20は開口部 2から容易に引き抜くことが可能となる。

図 2 1乃至図 23は、それぞれ本発明の易開封性容器蓋における可撓性部材の他の例を示す図である。

図 2 1に示す可撓性部材 1 0の基本的な構成は図 20と同様であるが、折返し線 1 3の両端 1 3 a、 1 3 b近傍に設ける密封部 1 2及び折返し部 1 4の接着部 60 a, 60 b及び 6 1 a, 6 1 bが異なっている。すなわち図 20においては、密封部 1 2及び折返し部 1 4の折返し線 1 3の両端 1 3 a, 1 3 b近傍の端縁に突出部を設けこれを内側に折り曲げて接着部を形成していたが、図 2 1においては、このような折り曲げ加工部を設けることなく、折返し線 1 3の両端 1 3 a, 1

3 bを密封部 1 2と折返し部 1 4の間に折り込まれるような山折とし、山部分の内側（図の 60 aと 6 1 a及び 6 O bと 6 1 bの裏側）をそれぞれ接着している。図 22に示す可撓性部材 1 0は、密封部 1 2及び折返し部 1 4の形状が図 20 及び図 2 1とは異なるが基本的には同様であり、折返し線 1 3の両端 1 3 a、 1 3 b近傍に設ける密封部 1 2及び折返し部 1 4の接着部 60 aと 6 1 a及び 60 bと 6 1 bを、密封部 1 2及び折返し部 1 4が重ね合わされた状態で直接接着している。

また図 23に示す可撓性部材 1 0も、図 22と同様に、折返し線 1 3の両端 1 3 a、 1 3 b近傍に設ける密封部 1 2及び折返し部 1 4の接着部 60 aと 6 1 a 及び 6 O bと 6 1 bを、密封部 1 2及び折返し部 1 4が重ね合わされた状態で直接接着している。尚、図 2 0乃至図 2 3のいずれの態様においても、可撓性部材の折返し線 1 3 の両端 1 3 a , 1 3 bは密封部 1 2及び折返し部 1 4の外縁よりも内側に切り欠かれた状態になっており、これにより、密封部及び折返し部の接着部をプラグ部材の円弧に沿った領域にすることができ、プラグ部材の引き抜きに先立って剥離乃至弱接着化される蓋部材及び密封部の接着領域もプラグ部材の円弧に沿った領 ¾1Hこすることが可能となる。

(プラグ部材）

本発明の容器蓋の重要な特徴は、開封用タブに、開口に嵌合する形状のプラグ部材を付設した点にある。

このプラグ部材がやや肉厚であることによリ、リシール時の弾性反発力等が強く、従来のテープタブのみで開口部を覆う場合に比べて格段に優れたリシール密封性を示す。

上記本発明のプラグ部材には、必ずしもこれに限定される訳ではないが、樹脂製プラグとメタル製プラグとが好適に使用できる。

比較的低温で使用される容器、腐食性内容物を収容する容器、特に高い耐圧性能が求められない容器等の場合には柔軟でシール弾性に富み、より多く繰り返しリシールが可能な樹脂製のプラグの使用が好ましく、一方ホット充填、レトルト処理等、特に高い温度に曝される容器や特に高い耐圧性能を求められる容器或いはプラグ部材の厚さが制限される容器等には高強度で高温耐性の良いメタル乃至樹脂被覆メタル製プラグの使用が好ましい。

また樹脂プラグの場合、内容物への溶出性が低いことが重要であり、メタルプラグの場合、内容物に対し耐食性を有することが重要である。

このような樹脂プラグに用いられる樹脂材料としては、ポリプロピレン（P P )、高密度ポリエチレン等のポリオレフイン樹脂類、ポリエチレンテレフタレート（P E丁）、ポリブチレンテレフタレート（P B丁）、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート等のポリエステル類、 6ナイロン、 6、 6ナイロン等のポリアミド類及びこれらのブレンド組成物等を挙げることができるが、特に高いレベルの耐熱性とシール性、更に耐溶出性が要求される場合には、ォレフィン系樹脂と、熱可塑性エラストマ一及びゴム状組成物から選ばれた少なくとも一種との樹脂組成物から成るものを用いることが望ましく、特に耐熱性の高いォレフィン系樹脂成分、柔軟な粘弾性体樹脂乃至エラストマ一成分、顕著なゴム弾性を示す成分の 3 成分をバランス良く配合した樹脂組成物を用いることが好ましい。

ォレフィン系樹脂としては、好適には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びエチレン又はプロピレンに少量の他ォレフインを共重合させた共重合体樹脂及びそれらの混合組成物を挙げることができる。

より具体的には、チグラー法（低圧法）やフィリップス法（中圧法）、スタンダード法（中圧法）等により製造された高密度ポリエチレン（HDPE)、高圧法で製造された低密度ポリエチレン（ L D P E)、メタ口セン触媒等を用いて製造された線状低密度ポリエチレン（し LDPE)等のポリエチレン樹脂類、ナッタ触媒，メタ口セン触媒等を用いて製造された結晶性のランダム又はプロックポリプロピレン樹脂及びエチレン又はプロピレンに少量、通常 10%未満の他のォレフイン、例えば炭素数 3〜18の 0?—ォレフィン、ノルボルネン等、を共重合させた結晶性共重合体樹脂乃至非晶性共重合体樹脂及びそれら樹脂の混合組成物等を例示できる。

また、ォレフィン系樹脂と共に本発明のプラグの必須構成材として用いられる熱可塑性エラストマ一又はゴム状組成物としては、エチレンにプロピレン、 1一ブテン、 1—ペンテン、 1—へキセン、 1—ヘプテン、 1ーォクテン、 1—ノネン、 1—デセン、 1—ゥンデセン、 1一ドデセン、 1ーブテン等を共重合させた、例えばエチレン 'プロピレン共重合ゴ厶（EPR) 等のエチレン ' ーォレフィン共重合ゴ厶、エチレン'プロピレン■ジェン共重合ゴム（E P DM)、エチレン ' 酢酸ビニル共重合ゴム（EVA)、酸変性エチレン'酢酸ビニル共重合ゴム（acid modけ iedEVA)、スチレン'イソプレン'スチレンブロック共重合ゴム（S I S)、スチレン■ブタジエン■スチレンブロック共重合ゴ厶（SBS)、スチレン■ェチレン■ブチレン■スチレンブロック共重合ゴム（S EBS)、スチレン'エチレン ' プロピレン■スチレンブロック共重合ゴム（SEP S)、水素添加スチレン■ブタジェン 'スチレンブロック共重合ゴム（H S BS)、水素添加スチレン 'エチレン■ ブチレン'スチレンブロック共重合ゴム（HS EBS)、水素添加スチレン■ェチレン'プロピレン'スチレンブロック共重合ゴム（HSEPS)、メチルシリコンゴム（MQ) 等のシリコンゴム、シラン架橋ポリエチレン、シラン架橋ポリプロピレン、シラン架橋エチレン '酢酸ビニル共重合ゴム等の熱可塑性エラス卜マ一、ゴム状組成物又はこれらゴムの 2種以上のプレンド組成物を挙げることができる。本発明においては、上記ォレフィン系樹脂と上記熱可塑性エラストマ一又はゴム状組成物の少なくとも一種をとを組み合わせ、 25°Cにおけるヘプタン溶出量が 1 50 p pm以下、 1 00°Cでの変形率（ J I S K 6723) が 30%未満、 70°Cに於ける圧縮永久歪み（J I S K 6262) が 50〜95%の範囲にある特定物性を具備した樹脂組成物とするが、特に、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂に、エチレン ' 一才レフイン共重合ゴム及びスチレン■ェチレン 'ブチレン■スチレンブロック共重合ゴム又はその水添物又はスチレン■ エチレン■プロピレン■スチレンブロック共重合ゴム又はその水添物の三種類の重合体を組み合わせて混合した組成物が、上記本発明のプラグとして必要な物性が容易に得られる点から好ましい。

これら樹脂とゴムの配合割合は、ォレフィン系樹脂の種類と組合せで用いる熱可塑性エラストマ一又はゴム状組成物の種類により変動し、選択される組合せに応じて上記物性が具現される範囲の組成に適宜設定されるが、溶出性とプラグ材質の物性を考慮すると、例えば、ポリエチレンノエチレン ' 一才レフイン共重合体 EBS三成分配合組成物の場合、 5巳83を3乃至25、好ましくは 5 乃至 20重量¹ ½、 S EBSと比較的低密度のエチレン ' 一ォレフィン共重合体の総和が 1 0乃至 60重量％、好ましくは 1 5乃至 50重量％の範囲である必要がある。

また、ポリプロピレンエチレン · 一ォレフィン共重合体 S E P S三成分配合組成物の場合、 S EPSを 3乃至 35、好ましくは 5乃至 25重量％、 S E PSと比較的低密度のエチレン ' ーォレフイン共重合体の総和が 1 0乃至65 重量％、好ましくは 1 5乃至 55重量％の範囲である必要がある。

本発明のプラグ部材は、その 25°Cにおけるヘプタン溶出量が 1 50 p pm以下、好ましくは 1 00 p pm以下、 1 00°Cでの変形率（J I S K 6723) が 30%未満、好ましくは 25%以下、 70°Cにおける圧縮永久歪み（ J I S K 6262)力《50〜95%、好ましくは 55〜90の範囲となるように素材組成、成形態様を選択調整する。

これにより、例え、容器の内容物が、脂肪含有食品等であっても、また容器が、熱間充填、充填後レトルト殺菌処理等により高温に曝されても、該プラグから樹脂成分、低分子量物質等の内容物への溶出、移行が無く、溶出耐性に優れ、且つ、充分な耐熱性と完全な密封シール性を確保でき、更に、開口のリシールが可能な反復弾性を備える。

更に、常温下での硬度が、加硫ゴムの永久歪み試験方法（J I S K 6 2 6 2 ) に準じた、タイプ Aデュロメータ圧子よる測定値で、 8 0〜9 5、より好ましくは 8 0〜9 0、タイプ Dデュロメータ圧子よる測定値で 5 0〜7 5、より好ましくは 5 5〜 8 5の範囲に夫々あることが密封シール性、特に密封強度性と開口リシール性の観点から好ましい。

本発明のプラグ部材を構成する樹脂組成物には上記必須構成成分に、少量の流動パラフィン、石油樹脂を添加しても良く、これにより組成物により柔軟性や基材密着性を付与できる。

上記プラグ部材の成形法としては、射出成形又は圧縮成形等の方法を挙げることができ、可撓性タブ部材との接合は、夫々の材質に応じて、適宜、接着剤による接着、或いは熱接着等を用いて良い。

また開封用タブ製作時にィンサート成形により同時形成させることもできる。メタルプラグに用いられる金属材料としては、アルミニウム、スチール等を挙げることができ、ラミネートメタルプラグの場合、ラミネート材としては可撓性タブ部材と接する面側は、少なくとも、該部材の構成材と接着性を有する材料で、例えば、ポリプロピレン等を用いることが必要であり、蓋部材と接する面側は該蓋開口端部に対する嵌合シール性に優れ且つ内容物に対し保護作用を奏する例えばポリエス亍ル、ポリアミド等の使用が好ましい。

金属製プラグ部材の成形法としてはプレス成形等による。

又、開封用タブ製作時にィンサート成形により同時形成させることもできる。 (可撓性タブ部材）

上記プラグ部材が接着される可撓性タブ部材の構成材としては、通常この種の容器蓋に用いられる開封片ゃタブ構成材であって前記プラグ材と接合可能な材料であれば必ずしもこれに限定されるものではないが、金属箔の両面に樹脂皮膜が形成された積層体からなるものがタブ引裂き時の引張り強度と可撓性とのバランス上、及び、腐食耐性の点から特に好ましい。

このような積層材の具体的な好適例として、アルミニウム箔（A I ) の片面側に P E Tを他面側に P Pを夫々ラミネートした積層材を挙げることができる。 (蓋部材）

次に、本発明の蓋部材について更に詳細に説明する。

本発明の蓋部材において、開口部の端縁は、例えば、図 4の Yで示した蓋部材の開口端縁部の拡大断面図である図 2 に符号 5で示したように蓋部材の外側に向けてスムーズな曲面形状に折曲げられているか、端縁部カーリング処理或いは図 2 5に示したように、 P E T、 P P等でリング状に樹脂被覆処理 6され、鋭利な角等のないスムーズな曲線形状に形成されていることが、開封後の蓋体端縁部がスムーズで仮に該部分に不用意に接触しても、切傷等の損傷を与える危険が無く、且つ、腐食等からも保護され、しかも開封用タブのプラグ部材との嵌合馴染みが良いため、リシールを繰り返してもプラグ部材を傷つけることがない等良好な嵌合状態を長く維持でき好ましい。

また蓋部材の周縁部には缶胴体部との巻締加工による密閉接合が可能なように卷締加工部を有するものがより好ましい。

更に、蓋部材表面は、外面側が少なくとも前記可撓性タブ部材と熱接着性を有し、プラグも接着される態様のものの場合は該プラグ部材とも熱接着性を有することが好ましく、一方、内面側は可撓性タブ部材及びプラグ部材に対し非接着性であることが、可撓性タブ部材やプラグ部材との密着と内容物への非溶出の両方を担保する観点から特に望ましい。

(製法）

上記した本発明の易開封容器蓋を製造する方法としては、プラグ部材が樹脂製で、その嵌合封止面が蓋の外周縁方向を向いている図 6に示した態様の容器蓋の場合、例えば、組立工程図、図 2 6に示した方法を例示することができる。即ち、この製造方法では、先ず、開口 2が設けられた蓋部材 1の開口端縁部 4 を外面側（図では上方側）に向けてスムーズな曲面を形成するように折曲げ、端縁処理する（エンド成形）。

一方、開封用タブ 3の可撓性タブ部材 1 0の素材（P E T ZA I Z P P積層シート）を該タブ形状（図 6 ( a )、（b ) 参照）に成形する（タブ成形)。

この成形された可撓性タブ部材 1 0にプラグ部材 2 0形成用樹脂（P E T ) を射出成形又は圧縮成形によリタブ部材 1 0内に一体形成させて開封用タブ 3を作製する（プラグインサート成形)。

次いで、開封用タブ 3のプラグ 2 0を焼鈍熱処理し（プラグアニーリング)、その後、該開封用タブ 3の可撓性タブ部材 1 0とプラグ部材 2 0の各所定接着部分を蓋部材端縁部 4に接着させる（接着)。

接着終了後、開封用タブの端縁 7 0を端縁処理する等の仕上げ処理を施して完成品とする（完成）。

図 2 7は、図 2 6と同じ態様の樹脂プラグ容器蓋の別の製造方法を示した組立工程図で、前記図 2 6の方法とは、プラグ 2 0のインサート射出成形、可撓性タブ部材 1 0の蓋体開口端部 4への接着、プラグ部材 2 0の蓋体開口端部への接着をほぼ連続して逐次的に実施し、その後に焼鈍熱処理する点が異なる。

図 2 8は、図 2 6と同じ態様の樹脂プラグ容器蓋の更に別の製造方法を示した組立工程図で、この方法では、プラグ 2 0のインサート射出成形と蓋部材開口端縁 4への接着とを可撓性タブ部材 1 0の成形とは別個に実施し、次いで該蓋部材 1に接着されたプラグ 2 0を焼鈍処理した後に、別に成形した可撓性タブ部材 1 0をプラグ 2 0と蓋部材開口端部 4に夫々接着し、その後、仕上げ処理して完成する。

図 2 9も、図 2 6と同じ態様の樹脂プラグ容器蓋の更に別の製造方法を示した組立工程図で、この方法では、蓋部材 1の開口端縁 4処理と、プラグ部材 2 0成形及びその焼鈍と、可撓性タブ部材 1 0成形とを夫々個別に行い、先ずプラグ部材 2 0を蓋開口端部 4に嵌め込み、しかる後、蓋部材 1、プラグ 2 0、可撓性タブ部材 1 0を夫々接着し、仕上げて完成品とする。

またプラグ部材がメタル製で、その嵌合封止面が蓋の中心方向を向いている図に示した態様の容器蓋の場合、例えば、組立工程図、図 3 0に例示した方法で製造することができる。即ち、この方法では、蓋部材 1の開口端縁 4処理（エンド成形）とメタルブラグ部材 2 0成形 (プラグ成形) と可撓性タブ部材 1 0成形（タブ成形）を夫々個別に行い、先ずメタルプラグ 2 0を蓋開口端部 4に嵌め込み（エンド〜プラグはめ込み）、その密封性を検査した後、可撓性タブ部材 1 0を接着し、最後に仕上げ処理して完成品とする。

図 3 1は、図 3 0と同じ態様のメタルプラグ容器蓋の別の製造方法を示した組立工程図で、この方法では、夫々個別に成形した蓋部材 1の開口端縁 4とメタルプラグ部材 2 0と可撓性タブ部材 1 0の内、先ず、プラグ部材 2 0と可撓性タブ部材 1 0とを仮接着し、その後、仮接着されたプラグ部材 2 0と可撓性タブ部材 1 0とを本接着すると共に蓋部材 1と接着させ、仕上げ完成品とする。

また本発明の開封タブの可撓性タブ部材を積層シー卜等の素材シー卜から成形するには、例えば、図 3 2 (可撓性タブ部材の製造工程説明図）に示すように、素材シートを、第 1工程； Bl anking (穴開け）、第 2工程； Bl ank i ng (切進め）、第 3工程； Panel ing (張り出し）、第 4工程; Cur l i ng (曲げ縮め）、第 5工程; B lanki ng (切抜き）の各工程順に処理して成形する。

また各態様のプラグ部材と嵌合する蓋部材の開口端縁部曲面形状の折曲加工方法についてその好適態様の工程順を、プラグ部材が樹脂製で、その嵌合封止面が蓋の中心方向に向いている図 5に示した容器蓋の場合を図 3 3に、プラグ部材が樹脂製で、その嵌合封止面が蓋の外周縁方向に向いている図 6の容器蓋の場合を図 3 4に、及びプラグ部材がメタル製で、その嵌合封止面が蓋の中心方向に向いている図 7の容器蓋の場合を図 3 5に、プラグ部材がメタル製で、その嵌合封止面が蓋の外周縁方向に向いている図 8の容器蓋の場合を図 3 6に夫々示した。

Claims

1 . 予め形成された開口部を備えた蓋部材と該蓋部材の外面側に該開口部を覆い且つ開口周辺部で密封接着するように施された開封用タブとからなる易開封性容器蓋において、

前記開封用タブは、可撓性タブ部材と該タブ部材に接着一体化すると共に前記蓋部材の開口部に嵌合可能に形成されたプラグ部材とから成り、且つ前記可撓性請

タブ部材が、前記蓋部材開口部周辺で引剥し可能に密着固定されていることを特徴とするリシール性を備えた易開封性容器蓋。

の

2. 前記開口部の端縁が、蓋外側への折り曲げ又はカール加工、或いは塗料又範

は樹脂による被覆で端縁処理されている請求項 1記載の容器蓋。

囲

3 . 前記可撓性タブ部材が、金属箔の両面に樹脂被膜が形成された積層体からなる請求項 1記載の容器蓋。

4. 前記積層体が 2軸延伸ポリエチレンテレフタレート層アルミニウム層シーラントフィルム層から成り、各層間をウレタン系接着剤を用いたドライラミネー卜により作製した請求項 3記載の容器蓋。

5 . 前記蓋部材が、周縁部に卷締加工部を有する金属製の部材である請求項 1 記載の容器蓋。

6. 前記蓋部材が、外面側は少なくとも前記可撓性タブ部材に対し熱接着性を有し、内面側は可撓性タブ部材及びプラグ部材に対し非接着性である請求項 1記載の容器蓋。

7 . 前記可撓性タブ部材に加えて、更に、プラグ部材も前記蓋部材の開口部周辺に接着されている請求項 1に記載の容器蓋。

8 . 前記開封用タブが、その開封開始端部から前記開口部を挟んだ対向側に位置して脱離困難に蓋部材に強固に付着した部分を有し、開封後においても開封用タブが蓋部材から脱離しないように構成されている請求項 1記載の容器蓋。

9 . 前記開封用タブは、前記蓋部材に強固に付着した部分の直前部分で、弓 I剥がし方向にほぼ直交する方向に両側から切欠かれ、該部分のタブ幅が狭められた形状である請求項 8記載の容器蓋。

1 0. 前記可撓性タブ部材が、前記蓋部材の外面側に接着固定されると共にプラグ部材が接着一体化される密封部と、該密封部の開封開始端部で密封部と連続する折返し部から成り、該折返し部は開封のための把持部を有すると共に、開封前においては密封部又は蓋部材に固定されている請求項 1記載の容器蓋。

1 1 . 前記折返し部が、少なくとも前記把持部を除いて、密封部又は蓋部材外面に接着固定されており、開封後折返し部を密封部又は蓋部材に固定できないことを特徴とする請求項 1 0記載の容器蓋。

1 2. 前記折返し部の密封部又は蓋部材外面との接着固定を剥離することによリ、折返し部又は密封部の一部が破断される請求項 1 1記載の容器蓋。

1 3 . 前記可撓性タブ部材が、蓋部材と接着される側の面に接着層が形成されておリ、折返し部の端部が蓋部材側に折リ曲げ又はカール加工されて接着固定されている請求項 1 1記載の容器蓋。

1 . 前記可撓性タブ部材が、蓋部材に接着固定されていると共に開口部周辺の端部が蓋部材側に折リ曲げ加工されていることを特徴とする請求項 1記載の容器蓋。

1 5 . 前記可撓性タブ部材が、蓋部材と接する面にのみ接着層が形成されている請求項 1 4記載の容器蓋。

1 6 . 前記蓋部材には、予めガス抜き孔が形成されていると共に、前記折返し部が少なくとも該ガス抜き孔を密封するように蓋部材外面側に接着固定されておリ、該折返し部を蓋部材外面側から剥離することにより開口部よリも先にガス抜き孔が開通することを特徴とする請求項 1 0記載の容器蓋。

1 7 . 前記プラグ部材の開口部からの引き抜きに先立って、前記可撓性タブ部材の密封部と折返し部の境界線である折返し線の両端近傍で、密封部と蓋部材の接着が剥離乃至弱接着化されることを特徴とする請求項 1 0記載の容器蓋。

1 8 . 前記可撓性タブ部材は、折返し線の両端近傍で密封部と折返し部が接着固定されている請求項 1 7記載の容器蓋。

1 9. 前記プラグ部材が、射出成形又は圧縮成形により形成された樹脂製ブラグ部材或いはプレス成形により形成された金属製プラグ部材である請求項 1記載の容器蓋。

20. 前記樹脂製プラグ部材が、ォレフィン系樹脂と、熱可塑性エラストマ一及びゴム状組成物から選ばれた少なくとも一種との樹脂組成物から成り、且つ、

25°Cにおけるヘプタン溶出量が 1 50 p pm以下、 1 00°Cでの変形率（J I S K 6723)が 30%未満、 70°Cにおける圧縮永久歪み（ J I S K 6 262)が 50〜95%の範囲にあることを特徴とする請求項 1 9記載の容器蓋。

21. 前記プラグ部材を構成する樹脂組成物のォレフィン系樹脂成分が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びエチレン又はプロピレンに少量の他ォレフィンを共重合させた共重合体樹脂から選ばれた少なくとも一種である請求項 20 記載の容器蓋。

22. 前記プラグ部材を構成する樹脂組成物の熱可塑性エラストマ一成分、ゴ厶状組成物成分が、エチレン ' 一才レフイン共重合ゴム、エチレン 'プロピレン■ジェン共重合ゴム、エチレン '酢酸ビニル共重合ゴム、酸変性エチレン■酢酸ビニル共重合ゴム、スチレン 'イソプレンブロック共重合ゴム、スチレン 'ブタジェン 'スチレンプロック共重合ゴム、スチレン 'エチレン 'ブチレン■スチレンプロック共重合ゴム、スチレン■エチレン 'プロピレン■スチレンプロック共重合ゴム、水素添加スチレン■ブタジエン 'スチレンブロック共重合ゴム、水素添加スチレン 'エチレン ' ブチレン 'スチレンブロック共重合ゴム、水素添加スチレン■エチレン'プロピレン'スチレンブロック共重合ゴム、シリコンゴム、シラン架橋ポリエチレン、シラン架橋ポリプロピレン、シラン架橋エチレン '酢酸ビニル共重合ゴムから選ばれた 1種、又はこれらゴムの 2種以上のプレンド組成物である請求項 20記載の容器蓋。

23. 前記エチレン ' ーォレフイン共重合ゴムのーォレフイン成分がプロピレン、 1—ブテン、 1一ペンテン、 1一へキセン、 1—ヘプテン、 1一ォクテン、 1一ノネン、 1ーデセン、 1—ゥンデセン、 1ードデセンから選ばれた少なくとも 1種である請求項 20記載の容器蓋。

24. 前記プラグ部材が、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂ェチレン · ーォレフイン共重合ゴムノスチレン■エチレン · ブチレン 'スチレンプロック共重合ゴム又はその水添物又はスチレン 'エチレン■プロピレン■スチレンプロック共重合ゴム又はその水添物、の 3種類の重合体を混合して成る樹脂組成物である請求項 2 0記載の容器蓋。

2 5 . 前記プラグ部材を構成する樹脂組成物の常温下での硬度が、加硫ゴムの永久歪み試験方法（J I S K 6 2 6 2 ) に準じた、タイプ Aデュロメータ圧子よる測定値で 8 0乃至 9 5、タイプ Dデュロメータ圧子よる測定値で 5 0乃至 7 5の範囲に夫々ある請求項 2 0記載の容器蓋。

2 6 . 予め形成された開口部を備えた蓋部材の該開口部の端縁処理をする工程、可撓性タブ部材とプラグ部材を一体化して開封用タブを成形する工程、蓋部材の外面側となる面に前記開封用タブを施し、開口周辺部において可撓性タブ部材と蓋部材外面を接着させる工程、とから成ることを特徴とする易開封性容器蓋の製法。

2 7 . 前記開封用タブが、可撓性タブ部材上にブラグ部材を射出成形或いは圧縮成形によリー体成形して形成される請求項 2 6記載の製法。

2 8 . 予め形成された開口部を備えた蓋部材の該開口部の端縁処理をする工程、可撓性タブ部材及びプラグ部材を夫々成形する工程、蓋部材の外面側となる面に、前記可撓性タブ部材及びプラグ部材を、プラグ部材が蓋部材の開口部に嵌合し、プラグ部材を可撓性タブ部材が覆うように蓋部材外面上に設置して、可撓性タブ部材とプラグ部材を接着一体化して開封用タブを成形すると同時に蓋部材外面に可撓性タブ部材を接着する工程、とから成ることを特徴とする易開封性容器蓋の製法。