JP3137321B2 - 多層シート - Google Patents
多層シートInfo
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Description
衝撃性、成形性、昜開封性、密封性に優れ、レトルト殺
菌処理に耐えられる容器用の多層シートに関するもので
ある。さらに詳しくいえば、本発明は容器のフランジ厚
みのバラツキによるシール不良を解消し、フランジ部と
蓋材を平シールのみをすることによりレトルト殺菌時に
加えられる圧力、熱に耐える密封性を有し、且つ易開封
性を有する上にシール部のみで剥離し、容器、蓋材共に
剥離面の外観が良好な容器用多層シートに関するもので
ある。
けられるイージーオープン式のプラスチック製密封容器
が汎用されている。従来からおこなわれている最も一般
的なイージーオープン方法は、蓋材のシール層を構成す
る樹脂の組成を変えることによって容器とのシール強度
を適度に制御し(通常500〜1500g/15m
m)、蓋材と容器の界面をピールして開封する界面剥離
又は凝集剥離タイプが使用されている。
ル時の条件、環境温度、内容物の付着等の影響を受け易
く、往々にして強弱のバラツキが発生する。このバラツ
キが弱い方に偏るとシール漏れを生じる危険性を招き、
逆に強い方に偏るとピール性が悪くなり開封が困難とな
る。しかし、シール漏れは致命的な欠陥となるので、こ
の現象を避けて安全性の確保を図るためにはイージーオ
ープン性を犠牲にしてもシール強度を高めに設定する必
要がある。このような問題を改善するために、シール層
とそれに隣接する層とのデラミネーションにより開封す
る方法が試みられているが、通常のシールではシール層
がうまく破断せず、内容物が取り出しにくいという難点
がある。
にするためフランジ部に切り込みを設ける構造も提案さ
れている(特開昭62−251363号公報、同63−
78号公報、同63−25037号公報)。しかしこれ
らの構造容器の場合には、製造段階において切り込み部
分の外側をシールしなければならないため、シール時の
位置設定に厳密な管理が必要となる製造上の問題があ
る。そのうえ、本体容器シール層を剥離する方式におい
ては、フランジ部の周縁端部までシールを行う関係上、
剥離を周縁端部から開始する必要があり、このため容器
形状の面でも制約を受けるという欠点がある。
されているようにフランジ部外側に剥離開始用弱め線と
フランジ部内側に剥離停止用弱め線と孔部を設置するこ
とにより、シール盤の位置精度を厳密に設定しなければ
ならないという製造工程上の不都合を解消した構造も提
案されている。しかしこの構造容器の場合には、フラン
ジ部外側、内側に弱め線を入れ、更に孔部を設置する工
程が必要となりコストがかかるという欠点がある。
148464号公報に記載されているように、フランジ
部の蓋材とのシール部の最内層厚み、変曲点部の最内層
厚み、最内層材料の破断強度を限定し、変曲点部の最内
層の破断強度が最内層と最内層に接する層の剥離強度よ
り小さいことを特徴とした容器を用いることにより平シ
ールのみで開封容易にシールすることができる構造も提
案されている。しかしこの構造容器の場合は変曲点を成
形するには特殊な金型、クランプが必要となり、また蓋
材を開封後、最内層シール部内縁からフランジ内側、ま
たはフランジ段落とし部の変曲点にかけての最内層非シ
ール部が蓋材に付着し外観を損ねる欠点がある。
において容器フランジ部の厚み精度は重要であり、厚み
のバラツキが大きくなると蓋材とのシールの工程におい
てシール漏れにより密封性を損なう恐れがある。通常、
シール面圧力は約15kg/cm2でシールが行われて
いる。フランジ部の厚みバラツキによるシール漏れを防
止するために、シールの圧力を上げたり線状にシールす
る方法が行われているが、蓋材が切れることによるシー
ル漏れの恐れがある。また容器成形においてフランジ部
の厚み調整はシート加熱温度、加熱時間及びアシストプ
ラグのタイミング等によって行うが、その制御は困難な
ものであった。
いて背反性能である密封性と層間剥離によるイージーオ
ープン性を製造工程上の不都合、容器形状の制約なし
に、容器フランジ部に平シールのみをすることにより両
立させ、且つフランジ部の厚みのバラツキによるシール
不良を解消する易開封密封容器用シートの提供を目的と
するものである。
リプロピレン系樹脂を採用し、シール層に隣接してポリ
プロピレン系樹脂とエチレン−メタクリル酸共重合体等
の樹脂からなる緩衝層を設けることにより、シール時の
諸条件が多少振れても多層容器におけるシール部の密封
性と層間剥離性とを両立させ、更に耐熱性を向上させた
ものである。即ち、剥離機能を有するシール層がポリプ
ロピレン系樹脂からなり、シール層に隣接する緩衝層が
ポリプロピレン系樹脂とエチレン−メタクリル酸共重合
体、ポリプロピレン系樹脂とエチレン−メチルメタクリ
レート共重合体またはこれらの混合物からなる少なくと
も2層以上である多層シートであり、シール層の厚みが
1〜30μmであり、緩衝層の厚みが10μm以上であ
り、緩衝層の共重合体樹脂のポリプロピレン系樹脂の割
合が10〜90重量%である多層シートである。
ン系樹脂からなり、ポリプロピレン系樹脂を用いること
により耐熱性、耐油性を有するシートが得ることができ
る。用いられるポリプロピレン系樹脂としては、ホモポ
リプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリ
プロピレン等があり、単体及びこれらの少なくとも1種
以上の混合物からなる。シール層の厚みは1〜30μm
が好ましく、更に好ましくは3〜20μmである。1μ
m未満になると密封不足や衝撃、振動への耐性を招き、
逆に30μmを越えるとカット性が悪くなり、開封感を
損ねたり、毛羽立ちや糸引きによる外観を損ねる恐れが
ある。シール層の微妙なシール強度や耐熱性を考慮して
低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合
体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン酢酸
ビニル共重合体、ポリブテン、不飽和カルボン酸変性ポ
リオレフィン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等
少なくとも1種以上を3〜30重量%ブレンドすること
も可能である。
系樹脂とエチレン−メタクリル酸共重合体(以下EMA
Aという)、5〜70重量%のポリプロピレン系樹脂と
エチレン−メチルメタクリレート共重合体(以下EMM
Aという)の少なくとも1種以上の混合物からなる。ポ
リプロピレン系樹脂の割合が5重量%未満になと、シー
ル層との層間剥離強度が高くなり易開封性の効果が少な
くなり、70重量%を越えると緩衝層としての効果が得
られなくなる。また、緩衝層の厚みは10μm以上が好
ましく10μm未満では緩衝層の効果が得られない。
てはプロピレンのホモポリマー、エチレンとのランダム
コポリマー、ブロックコポリマー等あるがいずれも任意
に用いることができる。さらに緩衝層の外側に任意の樹
脂を積層する事ができる。積層する樹脂としてはポリエ
チレンテレフタレート(以下PETという)、ポリカー
ボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン(以下PPという)、ポリアミド(以下Nyとい
う)、塩化ビニリデン樹脂、エチレンビニルアルコール
共重合体(以下EVOHという)等がある。またこれら
の積層する樹脂は単層に限らず多層に積層したもの等任
意に選択できる。この場合その接着層(以下ADとい
う)としては不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンが好
ましい。酸素ガスバリアや成形性等を考慮して積層する
多層体としては、例えば、AD/EVOH/PP、AD
/EVOH/PET等が任意に選択できる。本発明の容
器用多層シートの製造方法としては共押出法、ドライラ
ミネート法、押出ラミネート法で製造することができ
る。
は単なる例示であり、本発明はこれに限定するものでは
ない。 (実施例1〜10及び比較例1〜5)実施例、比較例の
シール層、緩衝層は表1、2に示す樹脂、層厚みにより
構成した。緩衝層の外側はAD(50μm)/EVOH
(50μm)/AD(50μm)/PP(500μm)
とし、共押出法により多層シートを成形した。
りである。 ・LLDPE:直鎖状低密度ホ゜リエチレン MI=2 三井石油化学
(株)製ウルトセ゛ックス2022L ・HDPE :高密度ホ゜リエチレン MI=8 日本ホ゜リオレフィン(株)製シ゛
ェイレックスA6080A ・PP1 :ホモホ゜リフ゜ロヒ゜レン MI=2.5 住友化学工業(株)製
住友ノ―フ゛レンFS2011D ・PP2 :ランタ゛ムホ゜リフ゜ロヒ゜レン MI=5 日本ホ゜リオレフィン(株)製
シ゛ェイアロマ―FD332 ・PP3 :フ゛ロックホ゜リフ゜ロヒ゜レン MI=5 三菱化学(株)製三菱
ホ゜リフ゜ロBC4LA ・PP4 :ホモホ゜リフ゜ロヒ゜レン MI=9 住友化学工業(株)製住
友ノ―フ゛レンFL7013 ・EMAA :エチレン−メタクリル酸共重合体 MI=3 三井
テ゛ュホ゜ンホ゜リケミカル製ニュクレルN0903HC ・EMMA :エチレン−メタクリレート共重合体 MI=2
住友化学工業(株)製アクリフトWD201
m)/LLDPE(60μm)のフィルムを用いた。容
器はこの多層シートを真空成形により65mmφ、70
ccのフランジ付き(フランジ巾5mm)の丸形形状の
容器を42個/1ショット(7列×6個)の多数個取り
の成形を行い、中抜きリング状のシール板を用い温度1
80℃、面圧力8kg/cm2、シール時間1.5秒の条
件で2回蓋材のLLDPE側とシールしたものを用い
た。
い、評価結果を表1、2に示した。 ・パンク圧は耐内圧試験法として、蓋材をシールした容
器に中空の針を通して空気を少しずつ注入し、破裂した
時の容器の内圧を測定した。 ・ピール感は、蓋材を手でピールし、容易にピールでき
るものを○、容易にピールできないものを×とした。 ・外観はピール感を評価した後、容器、蓋材のシール部
付近に糸引き、毛羽立ち、ヒゲの無いものを○、目立っ
て発生したものを×とした。 ・シール性はフランジ部の厚みバラツキが発生しやすい
シート流れ方向の両端の成形品を無作為に5個サンプリ
ングし、フランジ部のシール漏れを目視で観察しシール
漏れのないものを○、1つでもあると×とした。 ・総合評価はピール感、外観、シール性共に○で、且つ
パンク圧が0.5kg/cm2以上のものを○とし、そ
の他は×とした。
器は、従来技術において背反性能である蓋材との密封性
と層間剥離によるイージーオープン性を製造工程上の不
都合、容器形状の制約なしに、容器フランジ部に平シー
ルのみをすることにより両立させることができ、且つ容
器のフランジ厚みのバラツキによるシール不良を解消す
る容器用多層シートとして適している。
Claims (4)
- 【請求項1】 剥離機能を有するシール層がポリプロピ
レン系樹脂からなり、シール層に隣接してポリプロピレ
ン系樹脂とエチレン−メタクリル酸共重合体、ポリプロ
ピレン系樹脂とエチレン−メチルメタクリレート共重合
体またはこれらの混合物からなる緩衝層よりなる多層シ
ート。 - 【請求項2】 該シール層の厚みが1〜30μmである
ことを特徴とする請求項1記載の多層シート。 - 【請求項3】 該緩衝層の厚みが10μm以上であるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の多層シート。 - 【請求項4】 該緩衝層の共重合体樹脂中のポリプロピ
レン系樹脂の割合が5〜70重量%であることを特徴と
する請求項1、2または3記載の多層シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09006530A JP3137321B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 多層シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09006530A JP3137321B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 多層シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10193531A JPH10193531A (ja) | 1998-07-28 |
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Family
ID=11640920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09006530A Expired - Fee Related JP3137321B2 (ja) | 1997-01-17 | 1997-01-17 | 多層シート |
Country Status (1)
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Families Citing this family (4)
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JP7136176B2 (ja) * | 2020-12-23 | 2022-09-13 | 住友ベークライト株式会社 | 多層フィルム及び包装体 |
-
1997
- 1997-01-17 JP JP09006530A patent/JP3137321B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10193531A (ja) | 1998-07-28 |
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