JP5460944B2 - シーラントフィルム、積層フィルムおよびポリプロピレン製容器用蓋材 - Google Patents

シーラントフィルム、積層フィルムおよびポリプロピレン製容器用蓋材 Download PDF

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Description

本発明は、シーラントフィルム、積層フィルムおよびポリプロピレン製容器用蓋材に関し、特にイージーピール性シーラントフィルム、このイージーピール性シーラントフィルムを含む積層フィルムおよびポリプロピレン製容器用イージーピール性蓋材に関する。
現在市場に供給されているイージーピール性シーラントフィルムには、主に界面剥離タイプのシーラントフィルム、凝集破壊タイプのシーラントフィルム及び層間剥離タイプのシーラントフィルムがある。界面剥離タイプのシーラントフィルムは、被着体との界面で剥がれ、はがした後の状態がきれいだが、シール強度、耐熱性、安定性の点で問題があり、ボイル適性やシール耐性が低いという欠点がある。凝集剥離タイプのシーラントフィルムは、ピール強度が安定しているが、被着体に凝集破壊痕が残るという欠点がある。層間剥離タイプのシーラントフィルムはピール安定性とシール安定性の両者を有するが、ピール時に被着体上に薄皮を残す欠点がある。
このように上記した三つのタイプのシーラントフィルムはそれぞれ長所と欠点を有しており、製品の状況と必要な物性を考慮に入れて選択する必要がある。
凝集破壊性のシーラントフィルムに関しては、少なくとも二層からなり、シール層となる第1層は、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸メチル共重合体、アイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体およびエチレン・アクリル酸メチル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種のポリマーと、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン・プロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種のポリマーとのブレンドポリマーを含有する層であり、前記第1層の厚みおよび凝集破壊強度がそれぞれ特定されており、第1層に隣接する第2層は、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体およびそれらのマレイン酸グラフト共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種のポリマーを含有する層であって、第2層の凝集破壊強度が第1層の凝集破壊強度の1.5倍以上であるイージーピール性共押出積層フィルムが知られている(特許文献1参照)。
さらに、凝集破壊性のシーラントフィルムに関して、ポリプロピレンよりなる基材層に、外層、中間層およびシール層からなり、シール層が50〜90重量%のエチレン・メタクリル酸共重合体と10〜50重量%のポリプロピレンとの混合物からなるクッション層とポリエチレンからなるシーラント層の両層からなり、且つシーラント層が10μm以下であり、且つクッション層のエチレン・メタクリル酸共重合体メルトフローレートAとシーラント層のメルトフローレートBが1.5≦B/A≦5.0である多層フィルムが知られている(特許文献2参照)。
また、層間剥離性のシーラントフィルムに関しては、結晶性プロピレンランダム共重合体、ポリエチレンおよびオレフィン系共重合体ゴムとからなる組成物を中間層(A)とし、この中間層(A)の片面にホモポリプロピレン層(B)を、他の片面にシール層として結晶性プロピレンランダム共重合体層(C)を積層してなるポリプロピレン系多層フィルムが知られている(特許文献3参照)。
特開平5−212835号公報 特開2002−283513号公報 特開昭62−117741号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載のシーラントフィルムは、材料費用が高く、製膜条件における自由度(ブレンド条件、製膜手法など)も低く、また、シール層が異なる材料をブレンドした組成物からなるので、シールの安定性が不十分であるという欠点を有する。
また、特許文献3に記載のシーラントフィルムは、シール性の安定は高いものの、強くシールすることで層間剥離性が破壊され、イージーピール製が消失してしまうことや、それを意識して弱くシールすることで、シール層としての結晶性プロピレンランダム共重合体からなる薄膜層が被着体に異物として残存してしまう可能性が懸念される。
本発明が解決しようとする課題は、高い材料費用を必要とすることなく、また製膜条件における自由度もあり、シールの安定性もあるシーラントフィルム、このシーラントフィルムを含む積層フィルムおよびポリプロピレン製容器用蓋材を提供することである。
請求項1に記載の発明は、上記のシーラントフィルムに関する課題を解決するもので、基材層、オレフィン系凝集破壊層及びヒートシール層を共押出積層してなるシーラントフィルムを要旨とする。
本発明において、ヒートシール層は、ポリプロピレン、望ましくは低融点ポリプロピレンからなる。低融点ポリプロピレンとしては、融点が105℃〜155℃の、メタロセンランダムポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィン、例えばエチレン、ブテン等とのランダム共重合体、ブロック共重合体を用いることができ、また、市販品として、メタロセン触媒を使用したポリプロピレン系ランダム共重合体である、日本ポリプロ株式会社製「ウィンテックWFX4TA」、日本ポリプロ株式会社製「ノバテックFW4BT」等を用いることができる。ヒートシール層の厚さは、0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。10μmを超えると、ヒートシール層の切れが悪くなりイージーピール性が損なわれるので好ましくない。一方0.5μmよりも薄いとシールの安定性が悪くなり、剥離しやすくなるので好ましくない。
またヒートシール層を低融点ポリプロピレンに代えてポリオレフィン系樹脂で構成しても良い。
本発明によれば、オレフィン系凝集破壊層は、ポリプロピレンをベースとする、ポリプロピレンとポリエチレンを混練した樹脂組成物からなる層、高密度ポリエチレンをベースとする、高密度ポリエチレンとポリブテン系樹脂を混練した樹脂組成物からなる層または線状低密度ポリエチレンをベースとする、線状低密度ポリエチレンとポリブテン系樹脂を混練した樹脂組成物からなる層で構成されているので、高い材料費用を必要とすることなく、また製膜条件における自由度もあり、シールの安定性もあるシーラントフィルムを提供することができる。
本発明において、オレフィン系凝集破壊層において、ベースとなるポリプロピレン、高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンと、添加物であるポリエチレン、ポリブテン系樹脂の配合比は、特に限定されるものではないが、好ましい配合比は、ベース70部、添加物30部である。また、凝集破壊性を得るために、ベースとなるポリプロピレン、高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンのメルトインデックス値と、添加物であるポリエチレン、ポリブテン系樹脂のメルトインデックス値は5以上離れていることが必要である。
請求項6に記載の発明は、上記の積層フィルムに関する課題を解決するもので、請求項1乃至5の何れかに記載のシーラントフィルムの基材層側に少なくとも一層のバリア性フィルムを積層した積層フィルムを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、上記のポリプロピレン製容器用蓋材に関する課題を解決するもので、基材層、オレフィン系凝集破壊層及び低融点ポリプロピレンからなるヒートシール層を共押出積層してなるシーラントフィルムの基材層側に少なくとも一層のバリア性フィルムを積層してなるポリプロピレン製容器用蓋材を要旨とする。
本発明のシーラントフィルムは、基材層、オレフィン系凝集破壊層及びヒートシール層を共押出積層してなるもので、その場合において、オレフィン系凝集破壊層は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンをベースとし、それに添加物としてポリエチレン、ポリブテン系樹脂を混練した樹脂組成物で構成されているので、本発明によれば、高い材料費用を必要とすることなく、また製膜条件における自由度もあり、シールの安定性もあるシーラントフィルムを提供することができる。また、本発明の積層フィルムは、包装材料として用いてイージーピール性包装袋を形成することができる。
また、本発明のポリプロピレン製容器用蓋材は、ポリプロピレン製容器のイージーピール性および安定したシール性を有する蓋材として有効に活用することができる。
図1は本発明のシーラントフィルムの断面図を示す。
図1に示すように、本発明のシーラントフィルム1は、基材層2、オレフィン系凝集破壊層3及びヒートシール層4を共押出積層してなるものである。
基材層2の材料は、プロピレンのホモポリマー、あるいはプロピレンとエチレン等のα−オレフィン等とのコポリマー等のプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧重合法による低密度ポリエチレン(LDPE)、マルチサイト系チグラーナッタ触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂、アイオノマー、ポリアミド樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂その他の広範囲から選択することができる。
オレフィン系凝集破壊層3は、ポリプロピレンをベースとする、ポリプロピレンとポリエチレンを混練した樹脂組成物からなる層、高密度ポリエチレンをベースとする、高密度ポリエチレンとポリブテン系樹脂を混練した樹脂組成物からなる層または線状低密度ポリエチレンをベースとする、線状低密度ポリエチレンとポリブテン系樹脂を混練した樹脂組成物からなる層で構成される。而してポリプロピレンをベースとするオレフィン系凝集破壊層3は、単純な凝集破壊により、剥離を促す。また、高密度ポリプロピレンまたは線状低密度ポリエチレンをベースとするオレフィン系凝集破壊層3は、凝集破壊と共に層間剥離のファクタが加わったものである。
オレフィン系凝集破壊層3は上記したような材料からなるので、高い材料費用を必要とすることなく、また製膜条件における自由度もある。
本発明において、オレフィン系凝集破壊層において、ベースとなるポリプロピレン、高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンと、添加物であるポリエチレン、ポリブテン系樹脂の配合比は、特に限定されるものではないが、好ましい配合比は、ベース70部、添加物30部である。また、凝集破壊性を得るために、ベースとなるポリプロピレン、高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンのメルトインデックス値と、添加物であるポリエチレン、ポリブテン系樹脂のメルトインデックス値は5以上離れていることが必要である。
ヒートシール層4は、ポリプロピレン、望ましくは低融点ポリプロピレンからなる。低融点ポリプロピレンとしては、融点が105℃〜155℃の、メタロセンランダムポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィン、例えばエチレン、ブテン等とのランダム共重合体、ブロック共重合体を用いることができ、また、市販品として、メタロセン触媒を使用したポリプロピレン系ランダム共重合体である、日本ポリプロ株式会社製「ウィンテックWFX4TA」、日本ポリプロ株式会社製「ノバテックFW4BT」等を用いることができる。ヒートシール層の厚さは、0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。10μmを超えると、シール層の切れが悪くなりイージーピール性が損なわれるので好ましくない。一方0.5μmよりも薄いとシールの安定性が悪くなり、剥離しやすくなるので好ましくない。
ヒートシール層4はポリプロピレン系樹脂に代えてポリエチレン系樹脂で構成しても良い。
次に、本発明において、上記のシーラントフィルム1の各層の樹脂組成物を使用してシーラントフィルム7を製造する方法について説明する。先ず、上記のようにシーラントフィルムの各層の樹脂組成物を調製し、次いでそれらの樹脂組成物を、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機を使用して、共押出成形して、第1層が基材層2、第2層がオレフィン系凝集破壊層3、第3層がヒートシール層4の順に積層した構成からなる3種3層のシーラントフィルム1を製造することができる。
次に本発明において、シーラントフィルム1を構成する各層の樹脂組成物について更に詳しく説明する。
先ず、基材層2を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記のポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂その他を主成分とし、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗黴性、電気的特性、強度その他を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種乃至2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して基材層2の樹脂組成物を調製することができる。
次にオレフィン系凝集破壊層3を形成する樹脂組成物としては、ベースとなるポリプロピレン、高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンと、添加物であるポリエチレン、ポリブテン系樹脂を含み、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗黴性、電気的特性、強度その他を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種乃至2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練してオレフィン系凝集破壊層3の樹脂組成物を調製することができる。
次にヒートシール層4を形成する樹脂組成物としては、ポリプロピレン、特に、融点が105℃〜155℃の、メタロセンランダムポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィン、例えばエチレン、ブテン等とのランダム共重合体、ブロック共重合体を用いることができ、また、市販品として、メタロセン触媒を使用したポリプロピレン系ランダム共重合体である、日本ポリプロ株式会社製「ウィンテックWFX4TA」、日本ポリプロ株式会社製「ノバテックFW4BT」等、またはポリエチレン系樹脂を含み、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗黴性、電気的特性、強度その他を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種乃至2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して第1の遮光性接着樹脂層3及び第2の遮光性接着樹脂層5を形成する樹脂組成物を調製することができる。
更に、上記の配合剤や添加剤として、具体的には、それ自身が滑性を有し、且つ、樹脂中における移行が少ない滑剤を使用することができ、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、石油系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、炭素数が8〜22の高級脂肪酸、または高級脂肪酸アルミニウム、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸マグネシウム、高級脂肪酸亜鉛、高級脂肪酸リチウム等の高級脂肪酸またはその金属塩、炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコール、グリセリン、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコール等の脂肪族アルコール類、炭素数が4〜22の高級脂肪酸と炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコートとのエステル類、アセチルクエン酸トリブチル、アジピン酸ジ−2エチル−ヘキシル、アゼライン酸−n−ヘキシル、エタンジオールモンタン酸エステル、ポリ(1,3−ブタンジオールアジピン酸)エステル、アセチルリシノール酸メチル、ポリ(1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、アジピン酸オクチルアルコール)エステル、糖アルコールと脂肪酸とのエステル類、水添食用油脂、ヒマシ油、スパームアセチワックス、アセチル化モノグリセライド等のグリセライド類、炭素数が16〜18の、例えばエチレンビスオレイルアミドに代表されるエチレンビス脂肪酸アミド、炭素数が8〜22の高級脂肪酸アミド、ステアリルエルカアミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミトアミド等の高級脂肪酸アミド類、その他、メチルヒドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油やロジンやマレイン酸変性ロジンのグリセリンエステル等の1種乃至2種以上を使用することができる。
尚、本発明において、上記のような滑剤の中でも、特にエルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性を持ち、極めて有効な材料である。
次に上記のシーラントフィルムを用いてなる積層フィルムについて説明する。
図2は本発明の積層フィルムの実施の形態を示す。また、図3は本発明の積層フィルムの別の実施の形態を示す。
図2に示す積層フィルム5は、基材層2、オレフィン系凝集破壊層3及びヒートシール層4を共押出積層してなるシーラントフィルム1の基材層2側にラミネート用接着剤層7を介してバリア性フィルム6を積層してなるものである。
また図3に示す積層フィルム5は、基材層2、オレフィン系凝集破壊層3及びヒートシール層4を共押出積層してなるシーラントフィルム1の基材層2側にラミネート用接着剤層7を介して第1のバリア性フィルム6aを積層し、さらにこの第1のバリア性フィルム6aの上にラミネート用接着剤層7を介して第2のバリア性フィルム6bを積層してなるものである。
而して、バリア性フィルム6,6a、6bとしては、機械的、物理的、化学的その他において優れた性質を有し、強度、強靭性等に優れ、更に、耐熱性、防湿性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性その他に優れた樹脂のフィルムを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂その他の各種の樹脂のフィルムを使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルムの何れも使用することができる。
また、上記のフィルムは、強度、耐突き刺し性、剛性その他を必要最低限に保持する厚さを有するものでよく、厚すぎると、コストを上昇するという欠点もあり、反対に薄すぎると、強度、耐突き刺し性、剛性その他が低下して好ましくない。
上記のような理由からバリア性フィルム6の厚さは、約10μm乃至100μm位、好ましくは約12μm乃至50μm位が最も好ましい。
上記した樹脂のフィルム乃至シートの中でも、特に、厚さ9μm〜30μm位の二軸延伸ポリエステル系フィルム、二軸延伸ポリアミド系フィルム、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムが好ましい。
次にまた、本発明において、バリア性フィルム6、6a、6bとしては、例えば、太陽光等の光を遮光する性質、あるいは、水蒸気、水、酸素等のガスを透過しない性質を有する材料を使用することができ、これは単体フィルムのみならず、二種以上の材料を組み合せた複合フィルムも使用することができる。
具体的には、例えばバリア性を有する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、水蒸気、水等のバリア性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルム、ガスバリア性を有するポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ナイロンMXD6等の樹脂のフィルム、樹脂に顔料等の着色剤その他を混練してフィルム化した遮光性を有する各種の着色樹脂フィルム等を使用することができる。
上記のバリア性フィルム6、6a、6bの厚さは、通常、5μm乃至300μm位、好ましくは10μm乃至100μmである。
更に、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物フィルムその他を使用することができる。
尚、無機酸化物の蒸着層を構成する無機酸化物としては、例えば、珪素酸化物(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等を使用することができる。
更に、無機酸化物として、一酸化珪素と二酸化珪素の混合物、あるいは珪素酸化物と酸化アルミニウムの混合物も使用することができる。
本発明において、無機酸化物の薄膜層を形成する方法としては、イオンビーム法、電子ビーム法等の真空蒸着法、スパッタリング法等を採用することができる。
無機酸化物の薄膜層の厚さは、十分なバリア性を得るために、通常、100Å〜2000Åであることが好ましく、特に本発明においては、200Å〜1500Å位が望ましい。無機酸化物の薄膜層の厚さが1500Åを超えると、特に2000Åを超えると、無機酸化物の蒸着層にクラック等が入りやすくなり、それにより、バリア性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点があるので好ましくなく、また、200Å未満、特に100Å未満の場合、無機酸化物の薄膜層のバリア性効果が認められることが困難になり、好ましくない。
本発明において、バリア性フィルム6、6a、6bとしては、包装する包装内容物中に含まれる香料成分等の吸着が少なく、保香性に富み、更に、変味、異臭等を生じない性質を有する樹脂のフィルムを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリメタクリロニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂もしくはそのエチレン成分および/またはテレフタレート成分の一部を多価アルコール成分またはジカルボン酸成分で共重合乃至変性した樹脂あるいはポリエチレンナフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂その他の樹脂フィルムを使用することができる。
而して、本発明においては、上記した樹脂のフィルムの中でも、保香性を有すると共に酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性を有する樹脂フィルムを使用することが望ましく、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等からなる保香性、バリア性等に富む樹脂のフィルムを使用することが望ましい。
本発明のシーラントフィルム1の基材層2またはバリア性フィルム6の上に、文字、図形、記号、絵柄等の印刷層を設けることができる。
印刷層としては、具体的に、樹脂等の1種乃至2種以上からなるインキ用ビヒクルを主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤その他の添加剤の1種乃至2種以上を任意に添加し、更に、染料、顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等を加えて十分に混練してインキ組成物を調製し、次いで、このインキ組成物を使用して、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷その他の印刷方式により、シーラントフィルム1の基材層2あるいはバリア性フィルム6の上に文字、図形、記号、絵柄その他の印刷を施すことができる。
インキ用ビヒクルとしては、公知のもの、例えば、亜麻仁油、桐油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴムその他の1種乃至2種以上を使用することができる。
次に、ラミネート用接着剤層7について説明する。
ラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロにトリル、スチレン等の共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等の無機系接着剤その他の接着剤を使用することができる。これらの接着剤の組成系は、水系型、溶剤型、エマルジョン型、分散型等の何れの形態のものでもよい。また、その形状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等の何れの形態のものでもよい。更に、接着機構は、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等の何れの形態のものでもよい。
而して、上記のラミネート用接着剤は、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法その他のコート法あるいは印刷法によって施すことができる。ラミネート用接着剤のコーティング量は、0.1〜10g/m2(乾燥状態)位が望ましい。
シーラントフィルム1の基材層2側へのバリア性フィルム6の積層方式として、ドライラミネート法に代えて、プライマー層またはアンカーコート層等による接着助剤層、溶融押出樹脂層等を設け、次いで接着助剤層、溶融押出樹脂層を介してシーラントフィルム7の基材層2側にバリア性フィルム6を積層する溶融押出積層方式を採用することもできる。
本発明において、プライマー層としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体乃至変性樹脂、セルロース系樹脂その他を主成分とする樹脂組成物を使用してプライマー層を使用することができる。
本発明において、アンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネート等の有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系その他の水性乃至油性の各種のアンカーコート剤を使用することができる。その場合、アンカーコート剤のコーティング量は、0.1〜5g/m2(乾燥状態)位が望ましい。
本発明の積層フィルム5を用いて包装用袋を製袋する方法について説明する。上記のような積層フィルム5を包装用材料として使用し、そのヒートシール層面が内側にくるように積層フィルムを折り重ねるか、あるいは二枚の方形の積層フィルムをヒートシール層面が内側にくるように重ね合わせ、更に周辺端部をヒートシールして、種々の形態の包装用袋を製造することができる。その場合、ヒートシールの形態としては、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型その他がある。
その他、自立性包装袋(スタンディングパウチ)も製造することができる。
また、ヒートシールは、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
尚、包装用袋には、例えば、ワンピースタイプ、ツーピースタイプその他の注出口あるいは開封用ジッパー等を任意に取り付けることができる。
図4は、本発明の積層フィルムからなる蓋材9をポリプロピレン製カップ容器10の開口部を密封した状態を示す。その場合、積層フィルム5のヒートシール層4を、ポリプロピレン製カップ容器10に対する完全な接着を目指して、ポリプロピレン、望ましくは低融点ポリプロピレンで構成した積層フィルム5は、ポリプロピレン製容器用蓋材として有効に活用することができるものである。このポリプロピレン製容器用蓋材はポリプロピレン製カップ容器10に対して安定したシール性を有すると共に適度のイージーピール性を有する。
図5は、上記のようにポリプロピレン製容器用蓋材9で密封したポリプロピレン製カップ容器10からポリプロピレン製容器用蓋材9を、ポリプロピレン製容器用蓋材9のヒートシール層4が破断し、オレフィン系凝集破壊層3が破壊して剥離した状態を示す。
次に本発明について、以下に実施例を挙げて詳細に説明する。
三種三層の上吹きインフレーション共押出製膜を行うにあたり、三層の材料を下記のように調製した。
第一層用樹脂組成物として、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製ノバテックFW4BT、密度=0.900g/cm3、MFR=6.5g/10分)100重量部からなる基材層用樹脂組成物を調製した。
第二層用樹脂組成物として、ポリプロピレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックFL02C、密度=0.900g/cm3、MFR=18g/10分)70重量部と、低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックLC522、密度=0.923g/cm3、MFR=3.7g/10分)30重量部を十分に混練してオレフィン系凝集破壊層用樹脂組成物を調製した。
第三層用樹脂組成物として、低融点ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製ウィングWFX4TA、密度=0.900g/cm3、MFR=7.0g/10分)100重量部からなるヒートシール層用樹脂組成物を調製した。
三種三層のTダイ共押出製膜機を用いて、第一層用樹脂組成物22μm、第二層用樹脂組成物5μm、第三層用樹脂組成物3μmからなる三層の総厚30μmの遮光性積層シーラントフィルムを得た。
得られた遮光性積層シーラントフィルムの第一層の表面へコロナ処理を施し、その表面に二液硬化型ウレタン接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族イソシアネート)を塗布し、ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製二軸延伸PETフィルム[E5200]、両面処理、厚さ12μm)およびポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製二軸延伸PETフィルム[E5100]、片面処理、厚さ12μm)の二層を貼り合わせ、積層フィルムを得た。
この積層フィルムを蓋材として用い、水が充填されたポリプロピン製カップ容器のフランジに、平シールで、シール温度200℃、シール圧1kg/cm2、シール時間1秒の条件でシールして、水が充填されたカップ容器を作成した。シール後、包装内容物の漏れ、蓋材の破れは認められなかった。更に高さ1mのところからの落下テストを三回行ったが、蓋材の破れ、漏れ等は認められなかった。また、蓋材の剥離試験の結果、ヒートシール層の一部が破断し、次いでオレフィン系凝集破壊層の凝集破壊がおこり、蓋材を良好なピール感で剥離することができた。また、剥離時の蓋材の裂け、破れ、ヒートシール層の糸引き等は認められなかった。
また、高圧で行われる線シール(リングシール)を行ったところ、ヒートシール層の破壊は見られず、非常に安定したピール挙動を示した。
三種三層の上吹きインフレーション共押出製膜を行うにあたり、三層の材料を下記のように調製した。
第一層用樹脂組成物として、シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井住友化学株式会社製エボリューSP2020、密度=0.916g/cm3、MFR=1.5g/10分)100重量部からなる基材層用樹脂組成物を調製した。
第二層用樹脂組成物として、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックHJ580、密度=0.960g/cm3、MFR=11g/10分)70重量部と、ポリブテン系樹脂(エチレン−プロピレン−ブテン1のコポリマー樹脂:三井化学株式会社製タフマーBL400、密度=0.915g/cm3、MFR=1.8g/10分)30重量部を十分に混練してオレフィン系凝集破壊層用樹脂組成物を調製した。
第三層用樹脂組成物として、低融点ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製ウィングWFX4TA、密度=0.900g/cm3、MFR=7.0g/10分)100重量部からなるヒートシール層用樹脂組成物を調製した。
三種三層の上吹き空冷インフレーション共押出製膜機を用いて、第一層用樹脂組成物22μm、第二層用樹脂組成物5μm、第三層用樹脂組成物3μmからなる三層の総厚30μmの遮光性積層シーラントフィルムを得た。
得られた遮光性積層シーラントフィルムの第一層の表面へコロナ処理を施し、その表面に二液硬化型ウレタン接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族イソシアネート)を塗布し、ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製二軸延伸PETフィルム[E5200]、両面処理、厚さ12μm)およびポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製二軸延伸PETフィルム[E5100]、片面処理、厚さ12μm)の二層を貼り合わせ、積層フィルムを得た。
この積層フィルムを蓋材として用い、水が充填されたポリプロピレン製カップ容器のフランジに、平シールで、シール温度200℃、シール圧1kg/cm2、シール時間1秒の条件でシールして、水が充填されたカップ容器を作成した。シール後、包装内容物の漏れ、蓋材の破れは認められなかった。更に高さ1mのところからの落下テストを三回行ったが、蓋材の破れ、漏れ等は認められなかった。また、蓋材の剥離試験の結果、ヒートシール層の一部の破断が起こり、次いで凝集破壊層の凝集破壊と、凝集破壊層とヒートシール層の間の層間剥離が起こり、蓋材を良好なピール感で剥離することができた。また、剥離時の蓋材の裂け、破れ、ヒートシール層の糸引き等は認められなかった。
また、高圧で行われる線シール(リングシール)を行ったところ、ヒートシール層の破壊は見られず、非常に安定したピール挙動を示した。
三種三層の上吹きインフレーション共押出製膜を行うにあたり、三層の材料を下記のように調製した。
第一層用樹脂組成物として、シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井住友化学株式会社製エボリューSP2020、密度=0.916g/cm3、MFR=1.5g/10分)100重量部からなる基材層用樹脂組成物を調製した。
第二層用樹脂組成物として、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックHJ590N、密度=0.960g/cm3、MFR=40g/10分)70重量部と、ポリブテン系樹脂(エチレン−プロピレン−ブテン1のコポリマー樹脂:三井化学株式会社製タフマーBL400、密度=0.915g/cm3、MFR=1.8g/10分)30重量部を十分に混練してオレフィン系凝集破壊層用樹脂組成物を調製した。
第三層用樹脂組成物として、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製ウィングWFX4TA、密度=0.900g/cm3、MFR=7.0g/10分)100重量部からなるヒートシール層用樹脂組成物を調製した。
三種三層の上吹き空冷インフレーション共押出製膜機を用いて、第一層用樹脂組成物22μm、第二層用樹脂組成物5μm、第三層用樹脂組成物3μmからなる三層の総厚30μmの遮光性積層シーラントフィルムを得た。
得られた遮光性積層シーラントフィルムの第一層の表面へコロナ処理を施し、その表面に二液硬化型ウレタン接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族イソシアネート)を塗布し、ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製二軸延伸PETフィルム[E5200]、両面処理、厚さ12μm)およびポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製二軸延伸PETフィルム[E5100]、片面処理、厚さ12μm)の二層を貼り合わせ、積層フィルムを得た。
この積層フィルムを蓋材として用い、水が充填されたポリプロピレン製カップ容器のフランジに、平シールで、シール温度200℃、シール圧1kg/cm2、シール時間1秒の条件でシールして、水が充填されたカップ容器を作成した。シール後、包装内容物の漏れ、蓋材の破れは認められなかった。更に高さ1mのところからの落下テストを三回行ったが、蓋材の破れ、漏れ等は認められなかった。また、蓋材の剥離試験の結果、ヒートシール層の一部の破断が起こり、次いで凝集破壊層の凝集破壊と、凝集破壊層とヒートシール層の間の層間剥離が起こり、蓋材を良好なピール感で剥離することができた。また、剥離時の蓋材の裂け、破れ、ヒートシール層の糸引き等は認められなかった。
また、高圧で行われる線シール(リングシール)を行ったところ、ヒートシール層の破壊は見られず、非常に安定したピール挙動を示した。
三種三層の上吹きインフレーション共押出製膜を行うにあたり、三層の材料を下記のように調製した。
第一層用樹脂組成物として、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製ノバテックFW4BT、密度=0.900g/cm3、MFR=6.5g/10分)100重量部からなる基材層用樹脂組成物を調製した。
第二層用樹脂組成物として、ポリプロピレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックFL02C、密度=0.900g/cm3、MFR=18g/10分)70重量部と、低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製ノバテックLC522、密度=0.923g/cm3、MFR=3.7g/10分)30重量部を十分に混練してオレフィン系凝集破壊層用樹脂組成物を調製した。
第三層用樹脂組成物として、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製ウィングWFX4TA、密度=0.900g/cm3、MFR=7.0g/10分)100重量部からなるヒートシール層用樹脂組成物を調製した。
三種三層の上吹き空冷インフレーション共押出製膜機を用いて、第一層用樹脂組成物22μm、第二層用樹脂組成物5μm、第三層用樹脂組成物3μmからなる三層の総厚30μmの遮光性積層シーラントフィルムを得た。
得られた遮光性積層シーラントフィルムの第一層の表面へコロナ処理を施し、その表面に二液硬化型ウレタン接着剤(主剤:ポリエステルポリオール、硬化剤:脂肪族イソシアネート)を塗布し、ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製二軸延伸PETフィルム[E5200]、両面処理、厚さ12μm)およびポリエステルフィルム(大日本印刷株式会社製シリカ蒸着延伸PETフィルム[IB−PET−RB]、片面処理、厚さ12μm)の二層を貼り合わせ、積層フィルムを得た。
この積層フィルムを蓋材として用い、水が充填されたポリプロピレン製カップ容器のフランジに、平シールで、シール温度200℃、シール圧1kg/cm2、シール時間1秒の条件でシールして、水が充填されたカップ容器を作成した。シール後、包装内容物の漏れ、蓋材の破れは認められなかった。更に高さ1mのところからの落下テストを三回行ったが、蓋材の破れ、漏れ等は認められなかった。また、蓋材の剥離試験の結果、ヒートシール層の一部の破断が起こり、次いで凝集破壊層の凝集破壊が起こり、蓋材を良好なピール感で剥離することができた。また、剥離時の蓋材の裂け、破れ、ヒートシール層の糸引き等は認められなかった。
また、高圧で行われる線シール(リングシール)を行ったところ、ヒートシール層の破壊は見られず、非常に安定したピール挙動を示した。
[実験例]
上記の実施例1〜4の積層フィルムについて、(1)膜厚、(2)ピール強度を測定し、測定結果に基づいて評価を行った。
(1)膜厚の測定
これは、ソニー株式会社製μ−メータを使用して、断面写真から測定した。
(2)ピール強度の測定
ポリプロピレン製カップ容器へ、平シール、シール温度200℃、シール圧1kg/cm2、シール時間1秒の条件で蓋材をシールした。次いで15mm幅の短冊状試験片を切り出し、この試験片について、引張試験機を用いて、300mm/minで引張試験
上記の測定結果を下記の表1に示す。
Figure 0005460944
表1に示す測定結果から明らかなように、実施例1〜4の積層フィルムは、適度なピール強度で剥離することができるものである。
本発明のシーラントフィルムは、シールの安定性を有し、適度のピール強度で剥離することができるものであり、且つこのシーラントフィルムを含む積層フィルムは、包装材料として用いてイージーピール性包装袋を提供することができる。
また、本発明の積層フィルムからなるポリプロピレン製容器用蓋材は、ポリプロピレン製容器のイージーピール性および安定したシール性を有する蓋材として有効に活用することができる。
本発明のシーラントフィルムの拡大断面図である。 本発明の積層フィルムの実施の形態の拡大断面図である。 本発明の積層フィルムの別の実施の形態の拡大断面図である。 本発明の積層フィルムからなる蓋材で開口部を密封したポリプロピレン製カップ容器の側面図である。 本発明の積層フィルムからなる蓋材をポリプロピレン製カップ容器から剥離した状態を示す説明図である。
符号の説明
1 シーラントフィルム
2 基材層
3 オレフィン系凝集破壊層
4 ヒートシール層
5 積層フィルム
6、6a、6b バリア性フィルム
7 ラミネート用接着剤層
9 本発明の積層フィルムからなる蓋材
10 ポリプロピレン製カップ容器

Claims (6)

  1. ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、または、ポリエステル樹脂を主成分とする、基材層を形成する樹脂組成物と、
    ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンをベ−スとし、更に、上記のポリプロピレン系樹脂をベ−スとする場合には、添加物であるポリエチレンを含む、また、上記の高密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンをベ−スとする場合には、添加物であるポリブテン系樹脂を含む、オレフィン系凝集破壊層を形成する樹脂組成物と、
    融点が105℃〜155℃の、低融点ポリプロピレン系樹脂を主成分とする、ヒートシール層を形成する樹脂組成物とを調製し、
    次いで、上記の各樹脂組成物を使用し、これらを共押出成形により製膜化し、
    そして、上記の基材層を形成する樹脂組成物による基材層、上記のオレフィン系凝集破壊層を形成する樹脂組成物によるオレフィン系凝集破壊層および上記のヒートシール層を形成する樹脂組成物による、厚さ0.5〜10μmからなるヒートシール層を共押出積層した構成からなることを特徴とするシーラントフィルム。
  2. オレフィン系凝集破壊層を形成する樹脂組成物が、ポリプロピレンをベースとする、ポリプロピレンとポリエチレンを混練した樹脂組成物からなることを特徴とする上記の請求項1に記載のシーラントフィルム。
  3. オレフィン系凝集破壊層を形成する樹脂組成物が、高密度ポリエチレンをベースとする、高密度ポリエチレンとポリブテン系樹脂を混練した樹脂組成物からなることを特徴とする上記の請求項1に記載のシーラントフィルム。
  4. オレフィン系凝集破壊層を形成する樹脂組成物が、線状低密度ポリエチレンをベースとする、線状低密度ポリエチレンとポリブテン系樹脂を混練した樹脂組成物からなることを特徴とする上記の請求項1に記載のシーラントフィルム。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のシーラントフィルムの基材層側に少なくとも一層のバリア性フィルムを積層したことを特徴とする積層フィルム。
  6. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のシーラントフィルムの基材層側に少なくとも一層のバリア性フィルムを積層してなるポリプロピレン製容器用蓋材。
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