JP5740143B2 - 易開封性共押出複合フィルム、医療用包装袋および医療用包装体 - Google Patents

易開封性共押出複合フィルム、医療用包装袋および医療用包装体 Download PDF

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Description

本発明は、紙とのヒートシール性および易開封性を兼ね備え、さらに、開封時のひげ残り、ケバ立ちや紙粉の発生を抑え得る易開封性共押出複合フィルム、および該フィルムと紙の一部がヒートシールされている医療用包装袋および医療用包装体に関する。本発明において、医療用包装体は、深絞りなどにより所望の形状に賦形された医療用の包装体をいう。
ヒートシール性および易開封性を付与した複合フィルムは、医療用包装袋、食品や薬品などの包装袋、容器などの材料として、種々用いられている(先行文献1〜3など)。特に、医療用包装袋や医療用容器などは、成形性、汎用性および安全性などの点から、ポリプロピレンやポリエチレンなどを含む複合フィルムを用いて製造される(特許文献4など)。そのため、これらの複合フィルムは、プラスチックに対するヒートシール性と、内容物への汚染防止の点から、開封時に、ひげ残りやケバ立ちなどを防止し得る易開封性が要求される。
また、医療分野では、医療用品を包装する場合、内容物を清潔に管理するために、包装、密封後に滅菌を行う。
しかしながら、これらのプラスチックからなる複合フィルムでは、包装後に、内容物の滅菌処理を施すことが難しく、γ線照射など、特殊な滅菌方法を必要とする。そのため、製造工程が非常に煩雑である。
医療用包装体用の易開封性フィルムでは、紙あるいは不織布容易にヒートシールすることができ、且つ易開封性を有すると共に、開封時のひげ残り、ケバ立ちや紙粉の発生を抑制することが必要になる。さらにまた、ガーゼや脱脂綿などの内容物を包装、密封した後に滅菌処理が可能であるため、内容物をより清潔に管理できるものであることが必要になる。
特開平10−264330号公報 特開2004−268490号公報 特開2004−268491号公報 特開2010−77391号公報
本発明は、剥離の際に糸引き現象などを引き起こすことがなく、特に医療用の包装袋あるいは包装体を形成するのに好適な易開封性共押出複合フィルムを提供することを目的としている。
また、本発明は、上記のような易開封性共押出複合フィルムと、交絡を有する繊維集合体とが一方の辺を開口し、他の辺がヒートシールされた医療用包装袋あるいは医療用包装体を提供することを目的としている。
本発明の易剥離性共押出複合フィルムは、基材層と、該基材層に一方の面に積層された凝集破壊層と、該凝集破壊層の表面に積層された厚さ2〜10μmのシーラント層とを有し、該シーラント層を形成する樹脂についてJIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-1)が3.5g/10分〜8g/10分の範囲内にあり、凝集破壊層は、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-2)が0.8g/10分〜2g/10分である直鎖状低密度ポリエチレンと、ポリブテンとを含有し、該凝集破壊層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン100重量%に対してポリブテンを20〜50重量%の範囲内の量で含有してなり、加熱下に加圧することにより該シーラント層が、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体中に含浸可能に形成され、該繊維集合体から引き剥がす際に、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体中に浸入したシーラント層が、繊維集合体中に留置されると共に、該凝集破壊層の層内剥離により剥離可能にされていることを特徴としている。
上記易開封性共押出複合フィルムは、紙あるいは不織布などの交絡を有する繊維集合体にヒートシールして医療用包装袋あるいは医療用包装体を形成するフィルムに好適に使用することができる。
また、本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体は、基材層と、該基材層に一方の面に積層された凝集破壊層と、該凝集破壊層の表面に積層された厚さ2〜10μmのシーラント層とを有し、該シーラント層を形成する樹脂について、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-1)が3.5g/10分〜8g/10分の範囲内にあり、凝集破壊層は、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-2)が0.8g/10分〜2g/10分である直鎖状低密度ポリエチレンと、ポリブテンとを含有し、該凝集破壊層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン100重量%に対してポリブテンを20〜50重量%の範囲内の量で含有してなる複合フィルムのシーラント層が、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体の表面に対面するように配置され、該繊維集合体と対面するシーラント層を少なくとも一方の辺が開口され、他の辺のシーラント層が該繊維集合体の厚さ方向に侵入して一体化されるように加圧下に加熱して溶着されてなり、シーラント層が、交絡を有する繊維集合体の内部に浸入していると共に、該繊維集合体から引き剥がす際に、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体中に浸入したシーラント層が、繊維集合体中に留置されると共に、該凝集破壊層の層内剥離により剥離することを特徴としている。
本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体に、医療品を収納した後、開口部をヒートシールすることにより、医療品を密封することができ、上記のようにして密封された医療品は、この密封状態のまま殺菌処理することができる。こうして本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体に収容する際に、包装袋内に医療品と共にEOGを封入することにより、密封された医療品を容易に殺菌消毒することができる。
上記のような医療用包装袋あるいは医療用包装体に用いる交絡を有する繊維集合体は、具体的には紙または不織布であるが、医療用包装袋あるいは医療用包装体として使用する場合、上記のような繊維集合体には、毛羽立ちを無くすためにカレンダー処理がなされている。このようなカレンダー処理を施すことによって、繊維集合体は目が詰まり、シーラント層を形成する樹脂との親和性が低下し、シーラント層を形成する樹脂が繊維集合体内に侵入しにくくなり、安定した接着強度が得られない。さらに繊維集合体の表面にシーラント層を形成する樹脂が局在して、剥離の際に繊維集合体表面を毛羽立たせることがある。こうした繊維集合体からの繊維の毛羽立ちを防止するために、本発明では特定のMFR−1を有する樹脂を用いてシーラント層を形成し、シーラント層形成樹脂が、カレンダー処理して目が詰まった繊維集合体中に侵入し易くしている。同時に、基材層とシーラント層との間に特定のMFR−2値を有するポリエチレンと、ポリブテンからなる凝集破壊層を形成し、ヒートシールした共押出複合フィルムを剥離する際に、この共押出複合フィルムのシーラント層は繊維集合体中に留置したまま、この凝集破壊層から共押出複合フィルムが剥離するようにしている。即ち、この凝集破壊層では、特定のMFR−2値を示すポリエチレンと、ポリブテンとが海島構造を形成している。これに対してシーラント層は、繊維集合体中に侵入して一体化しているために、繊維集合体からは引き剥がれにくい。このために複合フィルムを引き剥がす際には海島構造を採る凝集破壊層の強度が最も弱くなるので、この凝集破壊層から剥離することになる。
本発明の易開封性共押出複合フィルムは、シーラント層に特定のMFR−1を有するポリエチレンを使用することにより、例えばカレンダー処理などの表面処理をした紙あるいは不織布である交絡を有する繊維集合体に対しても、MFR−1が高く、加圧下に加熱することにより、シーラント層が上記繊維集合体に深部にまで浸透して繊維集合体を相互にバインドする。このため本発明の易開封性共押出複合フィルムを紙若しくは不織布のような交絡を有する繊維集合体から剥離する際には、シーラント層は繊維集合体内に深く侵入して繊維集合体に対し強い投錨効果が発現しているので、このシーラント層が繊維集合体から剥離する事はない。これに代わって特定の値であるMFR−2を有するポリエチレンと、ポリブテンとからなる凝集破壊層は、MFR−2の値が低く、これは加熱下にポリエチレンとポリブテンが、相互に溶解して均一な組成物を形成していると解するよりも、海部がポリエチレンで、このポリエチレンからなる海部にポリブテンが島状に分布した海島構造を有していると推定される。本発明において、シーラント層の一部は繊維集合体内に侵入して繊維集合体と強固に接着しているので、ヒートシールされた易開封性共押出複合フィルムを剥離する際にはシーラント層が破壊されることはなく、高いMFR−2が海部を形成し、ポリブテンが島部を形成している海島構造を採る凝集破壊層内あるいは凝集層の前後の層間で剥離する。
従ってシーラント層は繊維集合体内に残り、繊維集合体が毛羽立つことはない。また、剥離の際に凝集剥離層で剥離するので、毛羽立ち、紙粉の発生を抑制することができ、さらに糸引き現象なども生じない。
図1は、本発明の易開封性共押出複合フィルムの断面の一例を模式的に示す図である。 図2は、本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体の断面の一例を模式的に示す図である。 図3は、本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体のヒートシール部を剥離する際の状態を模式的に示す図である。
以下、本発明の易開封性共押出複合フィルムおよびこれを用いた医療用包装袋あるいは医療用包装体について、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
本発明の易開封性共押出複合フィルム10は、図1に示すように、基材層22とこの基材層22の表面に形成された凝集破壊層18と、シーラント層20とからなる。
本発明の易開封性共押出複合フィルムを形成する基材層22は、単一層であっても良いが、良好な強度を有するようにするためには、図1に示すように複数の層の積層体であることが好ましい。
このような多層構成を有する基材層22は、通常は、接着性樹脂層14を介してポリエチレン層16と強度保持層12とが積層された層構成を有する。
基剤層22を構成するポリエチレン層は、本発明の易開封性共押出複合フィルム全体の形態を保持する層であり、通常は、エチレン(共)重合体が使用される。
この基剤層に使用されるエチレン系(共)重合体の例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用することが好ましいが、これらの他に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体(EMMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を挙げることができる。ここで(メタ)アクリル酸のエステルとしては、例えば、炭素数1〜8のアルキルエステルと(メタ)アクリル酸とのエステルを挙げることができる。本発明においては、これらの(共)重合体の中でも、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体(EMMA)またはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用することが好ましい。これらの(共)重合体は、低融点の点から好ましく、さらに基材層22の形態を保持するのに好適であり、平均分子量は、通常は100000〜1000000の範囲にある樹脂が使用される。
なお、基剤層22を構成するエチレン系(共)重合体には、本発明の目的を損なわない範囲において、通常、オレフィン系重合体に添加される酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料などの添加剤が添加されていてもよい。
このような基材層22中におけるポリエチレン層16の平均厚さは、通常は15〜150μm、好ましくは20〜100μmの範囲内にある。
本発明の開封性共押出複合フィルムを形成する基材層22は、上記のポリエチレン層16と、強度保持層12とが、接着性樹脂層14を介して積層されている。
ここで使用される接着性樹脂層14は、ポリエチレン層と強度保持層とを接着することができる樹脂であれば特に制限無く使用することができる。このような接着性樹脂層の例としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、接着性ポリオレフィンを挙げることができる。この基材層20は共押出しによって形成されることが好ましく、このような共押出しでポリエチレン層12と強度保持層16とを接着するためには、無水マレイン酸変性ポリエチレンが特に好ましい。
この接着性樹脂層14の平均厚さは、通常5〜30μm、好ましくは5〜20μmの範囲内にある。このように接着性樹脂層14の厚さを上記のようにすることによりポリエチレン層16と強度保持層12とを良好に接着することができると共に、基材層12良好な可撓性を有し、また共押出しも良好に行うことができる。
上記のような接着性樹脂層14によりポリエチレン層16に接着される強度保持層12は本発明の基材層22に形態保持性を付与すると共に、強度を付与することができる。
本発明における強度保持層を形成する樹脂の例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、6−ナイロン、66−ナイロン、6−66ナイロン、12−ナイロン、6−12ナイロンおよびアモルファスナイロンなどのナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンを挙げる事ができる。これらの中でも、共押出し成形が容易に行え、さらに高い強度を有することから、ナイロン系樹脂が好ましい。
また、強度保持層の平均膜厚は、通常は10〜80μm、好ましくは15〜50μmである。
上記のような構成を有する基材層20の合計の平均厚さは、通常は30〜200μm、好ましくは50〜150μmの範囲内にある。上記のように基材層20を設定することにより、共押出し成形が容易に行うことができる。
また、ポリエチレン層16と強度保持層12とを接着する接着性樹脂層14は、この基材層22の合計の厚さ(100%)に対して、通常は5〜30%、好ましくは、10〜20%の範囲内にある。
上記のような基材層22を形成する積層体は、上記のような平均厚さになるようにそれぞれの層を形成して調製することもできるし、上記ポリエチレン層16、接着剤層14および強度保持層12の積層体が市販されていれば、こうした市販品を使用することができる。
なお、ポリエチレン層、接着性樹脂層および強度保持層の各層間、またはポリエチレン層または強度保持層の外層には、この基材層の特性を損なわない範囲で他の層を積層して基材層とすることもできる。
また、各層には、この基材層の特性を損なわない範囲で無機フィラー、有機フィラー、酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤あるいは顔料などの各種添加剤が配合されていてもよい。
本発明の易開封性共押出複合フィルム10は、上記のような基材層22の表面に凝集破壊層18およびシーラント層20がこの順序で積層されてなる。本発明において凝集破壊層18は、通常は基材層22のポリエチレン層16側に配置される。
この凝集破壊層18は、ポリエチレンとポリブテンを含有して構成されている。
ここで使用されるポリエチレンは、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR−2)が、0.5g/10分以上3g/10分未満であることが必要であり、さらに0.8〜2g/10分の範囲内にあるポリエチレンであることが好ましい。
このようなMFR−2の値を有するポリエチレンの例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体を挙げることができる。本発明では、凝集破壊層18を形成するポリエチレンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。これは凝集破壊層18を形成する他の成分であるポリブテンと混練した際にポリブテンが微細に分散した海島構造を形成し易いからである。
本発明において、上記ポリエチレンと共に凝集破壊層18を形成する成分は、ポリブテンである。このポリブテンと上記ポリエチレンとを混練すると、ポリエチレンが海部を形成し、ポリブテンが島部を形成する海島構造を形成する。このような海島構造を形成させるためにはポリブテンの配合量は、上記ポリエチレン100重量%に対して、20〜50重量%の範囲内の量であることが必要であり、30〜40重量%の範囲内にあることが好ましい。このような量でポリエチレンに対するポリブテンの配合量の下限を20重量%とすることにより、この凝集破壊層18が剥離の際に破壊層として充分に機能する。また、ポリブテンの含有量が50重量%までこの機能は継続するが、50重量%を超えるとこの凝集破壊層18が海島構造を採りにくくなり、凝集破壊層としての機能が損なわれる。
すなわち、この凝集破壊層18がポリエチレンを海部とし、ポリブテンを島部とする海島構造を採ることにより、この凝集破壊層18に外部から引き裂き応力が係ると海島構造の境界を連結するように凝集破壊が連鎖的に進行する。このような凝集破壊の連鎖が円滑に行われるためには、この凝集破壊が進行する凝集破壊層18におけるポリエチレンのMFR−2が上記のような低い値を採ることが必要になる。このようにポリエチレンのMFR−2が低い値を採る凝集破壊層は、引き裂き応力がかかると、島部を連結するように海部に亀裂が入り層内剥離がすることができる。このポリエチレンのMFR−2が本発明で規定するよりも高いと、この凝集破壊層18の剛性が高くなり、引き裂き応力がかかっても層内剥離は生じない。
この凝集破壊層18の平均厚さは、通常は2〜20μm、好ましくは2〜10μmの範囲内にある。このような平均厚さの凝集破壊層18は、ヒートシール後、剥離の際に容易に厚さ方向に層内剥離を起こして本発明の易開封性共押出複合フィルムに良好な易開封性を付与することができる。この凝集破壊層の平均厚さが2μmに満たないと、本発明の易開封性共押出複合フィルムに良好なイージーピール性を付与することができないし、また20μmを超える凝集破壊層を形成してもイージーピール性能の向上は望めない。むしろ、本発明の易開封性共押出複合フィルムの透明性に悪影響を及ぼすことがある。
本発明の易開封性共押出複合フィルム10に形成された凝集破壊層18の表面にはシーラント層20が積層されている。このシーラント層20を形成する樹脂についてJIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR−1)が3g/10分〜10g/10分の範囲内にあることが必要で在り、3.5〜8g/10分の範囲内にあることが好ましい。すなわち、このシーラント層20は、交絡を有する繊維集合体である紙若しくは不織布内に浸入して本発明の易開封性共押出複合フィルムと繊維集合体とを接着する。この接着はヒートシールバーを用いて加熱下に圧着することにより、シーラント層20を形成する樹脂を溶融状態にして、交絡を形成した繊維の間隙に浸入させることから、このシーラント層を形成する樹脂についてJIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR−1)は3g/10分〜10g/10分の範囲内という流動性のよい樹脂を使用することが必要であり、特に3.5g/10分〜8g/10分の範囲内にある樹脂を使用することが好ましい。
このシーラント層を形成する樹脂はエチレン系(共)重合体から形成されている。ここで使用されるエチレン系(共)重合体の例としては、エチレン系(共)重合体としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体(EMMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。ここでアクリル酸またはメタクリル酸のエステルとしては、例えば、炭素数1〜8のアルキルエステルが挙げられる。これらの(共)重合体の中で、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体(EMMA)またはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が、低融点であり良好にヒートシールすることができる点で好ましく、また低密度ポリエチレン(LDPE)が、シーラント層の切断が容易であることからさらに好ましい。
このシーラント層の平均厚さは、通常は2〜10μm、好ましくは2〜7μmの範囲内にある。
なお、シーラント層は、上記のようにエチレン(共)重合体を含有する層であるが、このシーラント層の特性を損なわない範囲内で、通常、オレフィン系重合体に添加される酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料などの添加剤が添加されていてもよい。特に本発明ではシーラント層に無機物を配合することができ、ここで使用される無機物としては、合成ゼオライト、合成シリカ、炭酸カルシウムを挙げることができる。特に本発明では、平均粒子径が3〜15μmの範囲内にある無機物を配合することができる。このような無機物を使用する場合に無機物の添加量は、このシーラント層を形成する樹脂100重量部に対して、通常は1〜10重量部、好ましくは3〜8重量部の範囲内の量で使用する。
本発明において、ヒートシール性を向上させるために、シーラント層には、粘着付与剤を含むことが好ましい。粘着付与剤としては、特に限定されないが、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、水素テルペン樹脂、石油樹脂、水素石油樹脂などが挙げられる。粘着付与剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば限定されないが、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは、10〜20重量%である。これらの中でも粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、水素テルペン樹脂が好ましい。これらは単独であるいは組合わせて使用することができる。
上記のようなシーラント層20は、交絡を有する繊維集合体40の表面に当接して加熱圧着することにより、溶融状態になり、交絡を有する繊維集合体である紙あるいは不織布内に浸入して硬化し、易開封性共押出複合フィルム10と繊維集合体40とを一体化させる。本発明においては、交絡を有する繊維集合体40は通常は毛羽立ちしないようにカレンダー処理がなされている。このようにカレンダー処理すると繊維集合体40の表面は、目が詰まっており、シーラント層20を形成する樹脂が浸入しにくくなり、投錨効果が発現しにくくなる。しかしながら、本発明のシーラント層20は特定MFR値(MFR−1)を有するので、繊維が加熱によって流れ込み易くなり、良好な投錨効果が発現し、易開封性共押出複合フィルム10と交絡を有する繊維集合体とが、ヒートシール部24で強固に接合する。
本発明の易開封性共押出し複合フィルム10は、上記基材層22の一方の面に凝集破壊層18を積層し、さらにシーラント層20を積層することにより製造することができる。この際、凝集破壊層18は、通常は基材層22のポリエチレン層16の表面に形成される。
本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体は、図2に示すように上記易開封性共押出し複合フィルム10と交絡を有する繊維集合体40とからなり、易開封性共押出し複合フィルム10と繊維集合体40とが、内容物50を収容する空隙を形成するように易開封性共押出し複合フィルム10と繊維集合体40との縁部で収容物を挿入する辺を残してヒートシールされて袋を形成している。
本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体は、袋状であってもよいし、深絞り成形加工機によりフィルムを深絞りした容器であってもよい。この場合、深絞り成形加工機により、フィルムを成形しながら、内容物を入れ、密封する。
本発明において、上記易開放性共押出し複合フィルム10を形成する医療用包装袋あるいは医療用包装体30を形成する交絡を有する繊維集合体40は、具体的には紙または不織布である。本発明で使用される紙または不織布は、自己支持作用がある程度の厚さを有していることが好ましく、通常は100〜200μmの平均厚さを有しており、このような平均厚さを有する紙または不織布の目付は、通常は60〜100g/m2の範囲内にある。
本発明で使用する繊維集合体40は、好適にはウエブ加工した繊維を抄紙して繊維集合体内に多数の交絡点を有しており、通常は上記の繊維の交絡点に微量のバインダーを存在させて、繊維を交絡点で相互に固定することにより、毛羽立ち、繊維の脱落、耐水性あるいは耐薬品性などを賦与している。
医薬用包装袋30を構成する交絡を有する繊維集合体40、即ち具体的には紙または不織布は毛羽立ちなどによる繊維によって医薬用部材を汚染しないように、加圧ローラーを通して交絡を有する繊維集合体40の表面にある繊維を基材層本体内に押し込むカレンダー処理がなされている。このようにカレンダー処理を施された繊維集合体40の表面は、繊維の目が詰まっており、通常のヒートシールフィルムでは、繊維集合体40内にシーラント層を形成する樹脂が浸入しにくく、良好なヒートシールを行うことが難しい。
本発明では、このように表面の目が詰まった繊維集合体にシーラント層の樹脂が容易に浸入するように、MFRの高い該シーラント層を形成する樹脂としてメルトフローレート(MFR−1)が3g/10分〜10g/10分の範囲内、好ましくは3.5〜8g/10分の範囲内にある樹脂を用いているのである。このようなMFR−1の値を有するシーラント層20は、加熱することにより流れ易くなるので、ヒートシールバーを当接して加熱下に加圧することにより、目詰まりした繊維集合体40の表面から深さ方向に浸入し、繊維とシーラント層を形成する樹脂が一体化してヒートシール部24を形成する。
このようにして繊維集合体40内に浸入してヒートシール部24を形成した樹脂は、交絡を形成している繊維と一体となることにより交絡を有する繊維集合体である紙または不織布40と易開封性共押出し複合フィルム10とを強固に接合する。このために両者を引き剥がそうとしてもこのヒートシール部24は繊維集合体40と一体化して非常に強固な投錨作用を示すのでヒートシール部24から易開封性共押出し複合フィルム10が剥離することはなく、図3に示されるように、このヒートシール部24に積層された凝集破壊層18が厚さ方向に層内剥離を起こして易開封性共押出し複合フィルム10が引き剥がされる。そして、シーラント層20は、投錨効果により、交絡を有する繊維集合体40内に留置され繊維集合体のヒートシール部を固定するので、ヒートシール部24における繊維集合体の毛羽立ち、糸引きなどは発生しない。
一般に医薬品包装袋では、ヒートシールされたフィルムを剥離する際にヒートシールしていた樹脂フィルム側に紙などの繊維集合体の表面がシーラント層の糸引き現象を伴いながら転写され、繊維集合体の表面に繊維が露出すると共に樹脂フィルム表面にも繊維が存在する。こうした繊維が医療品に付着して傷口などに付着すると、付着した繊維部分の衛生性が保ち難くなり、化膿などの原因となる。従って、ヒートシール部からの毛羽立ち、繊維のほつれなどがでないように、本発明の易開封性共押出し複合フィルム10のように、シーラント層を繊維集合体内に深く浸入させて、これを繊維集合体40のヒートシール部24に留置して、繊維集合体を固定する必要があり、このシーラント層20とは別に剥離強度が低く、引き剥がしの際に層内(あるいは層間)で剥離する層を設ける必要がある。この層が本発明で言う凝集破壊層18である。
本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体(医療用包装体)は、たとえば、その周辺端部を、側面シール形、二方シール形、三方シール形、四方シール形、封筒貼りシール形、合掌貼りシール形(ピローシール形)、ひだ付シール形、平底シール形、角底シール形、その他等のヒートシール形態によりヒートシールすることにより製造することができる。内容物50は、上記のように周縁部をシールする際に密封してシールしても良いし、シールする辺の一方を開口して他の辺をシールした後、開口された辺から内容物50を空隙に収納し、未シール部分をシールすることにより密封することができる。本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体30に収納される医薬用に部材としては、ガーゼ、脱脂綿、メス、クーパー、鉗子、ピンセットなどの医療用品(内容物)などの医療用に使用する器具、医療用部材を挙げることができる。
本発明におけるシールは、その包装袋の形態に合わせて、ヒートシールバー、高周波シール、超音波シール等のシール手段を用いてシール部を形成することができる。本発明においてシール手段としては、ヒートシールバーが好ましい。このときの加熱温度は、シーラント層が繊維集合体内に浸入することができる温度以上の温度に加熱する。通常は100〜170℃、好ましくは130〜150℃の範囲内の温度で、加熱時間は通常は(1)〜5秒間、好ましくは2〜4秒間である。
なお、本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体は、必要な強度およびガスバリアー性を有しているので、医療用に使用する器具、医療用部材と共にEOG(エチレンオキサイドガス)などの滅菌剤を封入して内容物をより清潔に管理できる。
本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体に上記のような医療用具を収納し開口部をシールした後、紫外線、電子線による光学的殺菌等の公知の殺菌処理を施すことにより収納されている医療用具を殺菌することができる。こうして一旦殺菌した後は本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体を開封しない限り衛生状態は破壊されることはない。
また、本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体は、一方の面が透明性の高い易開封性共押出複合フィルムで形成されているので、内容物を視覚的に容易に確認することができるとの利点もある。
特に本発明の医療用包装袋あるいは医療用包装体は、深絞りした包装袋であっても強度、成形性等に問題を生じない。
上記のようにして空隙に内容物50を収納してヒートシールして密封した医療用包装袋あるいは医療用包装体30は、ヒートシール部24を引き剥がすことにより、図3に示すように凝集破壊層18が層内で引き裂かれて、基材層22側に引き裂かれた凝集破壊層18Bと、繊維集合体40側に引き裂かれた凝集破壊層18Aとに分離されることにより剥離する。
次に本発明の易開封性共押出複合フィルムおよび医療用包装袋あるいは医療用包装体について実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔測定・評価方法〕
[MFR(g/10分)]
メルトフローレートは、JIS K 7210(1999年、190℃、21.18N荷重)に従って測定した。
[膜厚(μm)]
本発明において膜厚は押出し成形の際に設定した膜厚である。
[剥離後のヒートシール部の表面状態]
剥離後のヒートシール部の表面状態は、目視により観察すると共に、表面の毛羽立ちなどは、光学顕微鏡を用いて観察した。
〔実施例1〕
平均厚さ20μmのポリアミドフィルムと平均厚さ6μmのマレイン酸変性ポリエチレン、平均厚さ30μmのポリエチレンフィルムの基材層の内側に、平均厚さ3μmの凝集破壊層および平均厚さ3μmのシーラント層を配するフィルムを共押出し法により成型した。
ここで凝集破壊層は、MFR(MFR−2)が1g/10分のLLDPEと、ポリブテンとを、70:30の重量比で混錬りした樹脂組成物からなり、LLDPEが海部、ポリブテンが島部を形成していることが光学顕微鏡を用いた観察により確認した。この凝集破壊層の平均厚さは3μmである。
また、シーラント層は、LDPEからなりこのシーラント層のMFR(MFR−1)は6.8g/10分であり、共押出しにより形成されたシーラント層の平均厚さは3μmであった。
また、こうして調製した易開封性共押出複合フィルムを18cm×10cmの長方形に切り出して、同一形状の紙(交絡を有する繊維集合体、カレンダー処理済み、目付80g/m2)の表面に易開封性共押出複合フィルムのシーラント層とが当接するように配置し三辺を170℃に加熱したヒートシールバーを用いて1秒間ヒートシールして包装袋を製造しシール部のシール強度を測定した。
また、ガーゼ入りの医療用包装袋あるいは医療用包装体を開封した後にヒートシール部にシーラント層が残っているかどうかを光学顕微鏡を用いて観察した。実施例および比較例において、「フィルム残り」に関して、「少々あり」との表現はヒートシール部の横断面においてヒートシールされていないシーラント層がヒートシールされたシーラント層から完全に解離せずに基材層側に引張られて基材層側に引き戻された状態をいうものとする。
組成および結果を表1に示す。
〔実施例2〜6,比較例1〜
実施例2〜6,比較例1〜において、表1に示したように構成を変えた以
外は、実施例1と同様にして易開封性共押出複合フィルムおよび医療用包装袋あるいは医療用包装体を製造した。
結果を表1に併せて記載する。
なお、本発明で使用した不織布はHDPEからなる繊維の交絡集合体であり、シーラント層を形成する樹脂としてLLDPEを使用した場合、シーラント層が融解して不織布内に浸透する前に不織布が融解し、医療用包装袋あるいは医療用包装体として外観不良となる。
Figure 0005740143
10・・・易開封性共押出複合フィルム
12・・・強度保持層
14・・・接着性樹脂層
16・・・ポリエチレン層
18・・・凝集破壊層
18A・・・分離した凝集破壊層
18B・・・分離した凝集破壊層
20・・・シーラント層
22・・・基材層
24・・・ヒートシール部
30・・・医療用包装袋あるいは医療用包装体
40・・・交絡を有する繊維集合体
50・・・内容物

Claims (4)

  1. 基材層と、該基材層に一方の面に積層された凝集破壊層と、該凝集破壊層の表面に積層された厚さ2〜10μmのシーラント層とを有し、該シーラント層を形成する樹脂についてJIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-1)が3.5g/10分〜8g/10分の範囲内にあり、凝集破壊層は、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-2)が0.8g/10分〜2g/10分である直鎖状低密度ポリエチレンと、ポリブテンとを含有し、該凝集破壊層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン100重量%に対してポリブテンを20〜50重量%の範囲内の量で含有してなり、加熱下に加圧することにより該シーラント層が、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体中に含浸可能に形成され、該繊維集合体から引き剥がす際に、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体中に浸入したシーラント層が、繊維集合体中に留置されると共に、該凝集破壊層の層内剥離により剥離可能にされていることを特徴とする易開封性共押出複合フィルム。
  2. 基材層と、該基材層に一方の面に積層された凝集破壊層と、該凝集破壊層の表面に積層された厚さ2〜10μmのシーラント層とを有し、該シーラント層を形成する樹脂について、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-1)が3.5g/10分〜8g/10分の範囲内にあり、凝集破壊層は、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-2)が0.8g/10分〜2g/10分である直鎖状低密度ポリエチレンと、ポリブテンとを含有し、該凝集破壊層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン100重量%に対してポリブテンを20〜50重量%の範囲内の量で含有してなる複合フィルムのシーラント層が、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体の表面に対面するように配置され、該繊維集合体と対面するシーラント層を少なくとも一方の辺が開口され、他の辺のシーラント層が該繊維集合体の厚さ方向に侵入して一体化されるように加圧下に加熱して溶着されてなり、シーラント層が、交絡を有する繊維集合体の内部に浸入していると共に、該繊維集合体から引き剥がす際に、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体中に浸入したシーラント層が、繊維集合体中に留置されると共に、該凝集破壊層の層内剥離により剥離することを特徴とする医療用包装袋。
  3. 基材層と、該基材層に一方の面に積層された凝集破壊層と、該凝集破壊層の表面に積層された厚さ2〜10μmのシーラント層とを有し、該シーラント層を形成する樹脂について、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-1)が3.5g/10分〜8g/10分の範囲内にあり、凝集破壊層は、JIS-K-7210-1999に準じて190℃、21.18N荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR-2)が0.8g/10分〜2g/10分である直鎖状低密度ポリエチレンと、ポリブテンとを含有し、該凝集破壊層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン100重量%に対してポリブテンを20〜50重量%の範囲内の量で含有してなる複合フィルムのシーラント層が、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体の表面に対面するように配置され、該繊維集合体と対面するシーラント層を少なくとも一方の辺が開口され、他の辺のシーラント層が該繊維集合体の厚さ方向に侵入して一体化されるように加圧下に加熱して溶着されてなり、シーラント層が、交絡を有する繊維集合体の内部に浸入していると共に、該繊維集合体から引き剥がす際に、カレンダー処理を施した交絡を有する繊維集合体中に浸入したシーラント層が、繊維集合体中に留置されると共に、該凝集破壊層の層内剥離により剥離することを特徴とする医療用包装体。
  4. 上記医療用包装体が、深絞り容器であることを特徴とする請求項第3項記載の医療用包装体。

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