JP6103302B2 - 易開封性共押出多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、様々な材料に対し、優れた密閉性と易開封性を有し、内容物保護に対して有効な易開封性共押出多層フィルムに関する。
従来、食品や医療用用具、雑貨等を充填する包装体として、容易に開封できる易開封性フィルムの要望が強い。このような包装体に要求されることは、流通時に耐えうる強度、衛生性の保持ができるシール強度及び使用時の開封性である。
従来、十分強いシール強度を有して流通時には耐え得る強度を保持してきたが、開封時には治具等を使用し開封しなければ容易に開封できるものはなかった。更に近年の高齢者人口の増加に伴い高齢者自身でも容易に開封できる包装体の要望が高まってきた。そこで、この問題を解決する方法として、特定の比率でポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を混合したヒートシール層からなる共押出多層フィルムが提案されている。(例えば、特許文献1、2参照)
しかし、前記特許文献1、2で提供された共押出多層フィルムをシーラントフィルムとして使用した場合であっても、ゼリーなどの包装において広く実施されている満杯充填時には、シール部に夾雑物を噛み込んだ際にシール温度が落ちるためシール強度不良が発生し内容物が漏れ、流通時に衛生性(内容物の保護)を満足することができるものではなかった。また内容物を保護する目的でシール強度を得ようとすると、易開封性が損なわれる問題があり、良好な易開封性と内容物保護を両立できなかった。
特開2012−45884号公報 特開2007−168257号公報
本発明は、従来の易開封性包装に求められている易開封性能を損なうことなく、シール部に夾雑物を噛み込んでも安定して密閉でき、流通時の内容物保護ができる易開封性フィルムを提供することにある。
かかる課題を解決するための本発明は、次の構成を特徴とするものである。
(1)基材層(A)と中間層(B)とシール層(C)とを有する共押出多層フィルムであって、基材層(A)は、低密度ポリエチレン(a1)10〜90wt%と高密度ポリエチレン(a2)90〜10wt%を混合した樹脂組成物からなり、中間層(B)は、ポリエチレン系樹脂(b1)99〜80wt%とポリプロピレン系樹脂(b2)1〜20wt%を混合した樹脂組成物からなり、シール層(C)は厚さが20μm以下でポリプロピレン系樹脂(c)を主成分とし、シングルサイト触媒を用いて合成されたポリプロピレンを少なくとも30wt%含む樹脂組成物からなることを特徴とする易開封性共押出多層フィルム。
(2)シール層(C)とポリプロピレンシートをヒートシールした場合の極大強度と平均強度の差が、140〜160℃で1.0〜10N/15mm、180〜200℃で15N〜25N/15mmの範囲にあることを特徴とする易開封性共押出多層フィルム。
(3)ポリエチレン系樹脂(b1)が直鎖状低密度ポリエチレンであり、メルトフローレートが3〜25g/10分であることを特徴とする易開封性共押出多層フィルム。
(4)シール層(C)とポリプロピレン製容器を160℃でヒートシールした場合の初期開封力が10N以上であることを特徴とする易開封性共押出多層フィルム。
本発明の易開封性共押出多層フィルムは、広い温度範囲で安定してシールでき良好な易開封性を有し、更に流通時の内容物保護を満足することができる。さらに、2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1層を、前記易開封性共押出多層フィルムの基材層(A)側に積層することにより、易開封性と流通時の内容物保護を満足する包装体を得ることができる。
ヒートシール強度を測定し記録したチャートを示した図である。
本発明の易開封性共押出多層フィルムについて具体的に説明する。
本発明の易開封性共押出多層フィルムは、基材層(A)と、基材層(A)の片側に設けられた中間層(B)を有し、その基材層(A)とは反対側にシール層(C)を有することが必要である。中間層(B)とシール層(C)との2層構成のフィルムでは、フィルムが柔らかく製膜性が悪くなる。
本発明の易開封性共押出多層フィルムは、基材層(A)と中間層(B)とシール層(C)からなる複合フィルムであることが必須であるが、必要に応じて基材層(A)側に第4,第5のポリエチレン系樹脂層を積層し、4層以上の複合フィルムとしてもよい。
本発明における基材層(A)を構成する樹脂は、低密度ポリエチレン(a1)10〜90wt%と高密度ポリエチレン(a2)90〜10wt%を混合した樹脂組成物であることが必要である。この場合には、フィルムに適度の剛性があり、取り扱い性も優れたものであり、蓋材として適度な大きさにフィルムを打ち抜く際にフィルムの伸びが発生しにくく打ち抜くことができる。また低密度ポリエチレン(a)が90wt%を越えると、フィルムを打ち抜く際にフィルム伸びが発生しやすく、結晶性の高い高密度ポリエチレンが90wt%越えると剛性が増し取り扱いが悪く好ましくない。
前記低密度ポリエチレン(a1)は、通常、密度が0.905〜0.940g/cm、好ましくは0.910〜0.925g/cm、MFR(JIS K 7210、温度190℃)が0.5〜50g/10分、好ましくは1〜25g/10分のものである。
前記高密度ポリエチレン(a2)は、密度が0.942〜0.970g/cm、好ましくは0.950〜0.965g/cm、MFR(190℃)が1.0〜40.0g/10分、好ましくは6.0〜20.0g/10分のものである。
中間層(B)を構成する樹脂は、ポリエチレン系樹脂(b1)とポリプロピレン系樹脂(b2)を混合した樹脂組成物であることが必要であり、ポリエチレン系樹脂(b1)とポリプロピレン系樹脂(b2)を混合した樹脂組成物でなければ、易開封性および内容物保護のため十分強い落下衝撃性を有さない。また混合量の範囲を逸脱した樹脂組成物の場合、剥離する際糸引き、フェザリング、膜残りと呼ばれる剥離外観不良が発生する。
ここで、糸引きとは開封時にフィルムが糸のように伸びて剥離する状態をいい、内容物に混入する観点から剥離時に糸引き状態がない方が良い。また、フェザリング、膜残りは開封時に糸引きより多くフィルムが残って剥離してしまう状態のことをいう。
前記ポリエチレン系樹脂(b1)は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンとこれらの変性体およびこれらの混合物から選ばれる樹脂であり、融点が100℃以上のものを選ぶのが好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂(b1)としては、直鎖状低密度ポリエチレン(b1−1)と高密度ポリエチレン(b1−2)とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(b1−3)の混合した樹脂組成物とするのが好ましい。ここで、直鎖状低密度ポリエチレン(b1−1)は耐衝撃性、高密度ポリエチレン(b1−2)とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(b1−3)は開封時の剥離感、耐衝撃性が増すため、これらを混合した樹脂組成物とすることが好ましい。
前記直鎖状低密度ポリエチレン(b1−1)は、シングルサイト、マルチサイト何れの触媒を用いて得られたものであってもよい。通常、密度が0.905〜0.950g/cm、好ましくは0.910〜0.940g/cm、MFR(JIS K 7210に準じて求める。但し、温度は190℃とする。以下、同じ。)が0.5〜50g/10分、好ましくは1〜25g/10分のものである。
前記高密度ポリエチレン(b1−2)は、密度が0.940〜0.970g/cm、好ましくは0.950〜0.965g/cm、MFR(190℃)が1.0〜40.0g/10分、好ましくは6.0〜20.0g/10分のものである。MFRがこの範囲であれば、フィルムの製膜性が向上し、また相溶効果によりプロピレン系樹脂(b2)が適度に分散した海島構造を発現させることができることから、剥離時の力の分散効果が高くなる。
前記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(b1−3)は、密度が0.860〜0.900g/cm、好ましくは0.870〜0.895g/cm、MFR(190℃)が0.2〜20.0g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分のものであり、α−オレフィンは、プロピレン、ブテン、オクテンを選ぶことができるが、ブテンが特に好ましい。
前記ポリプロピレン(b2)は、プロピレン単独重合体であることが好ましく、MFR(230℃)が5.0〜12.0g/10分であるものとし、更に好ましくは、6.0〜10.0/10分のものである。
シール層(C)を構成する樹脂は、ポリプロピレン系樹脂(c)を主成分とすることが必要であり、さらにはシングルサイト触媒を用いて合成されたポリプロピレンが少なくとも30wt%含む樹脂組成物からなることが必要である。ここで主成分とは60wt%以上のことをいう。
シール層(C)を構成する樹脂は、マルチサイト触媒(チグラー・ナッタ触媒)を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂を使用してもよいが、シングルサイト触媒を用いて合成されたポリプロピレンが30重量%未満になると低温シール性が損なわれ、シール部に夾雑物を噛み込んだ際にシール強度が大きく落ちることとなり流通時の内容物保護が満足できない。
シングルサイト触媒として例えばメタロセン触媒(カミンスキー触媒)などを用いることができる。シングルサイト触媒は活性点が均一であるため、活性点が不均一なマルチサイト触媒と比較して、得られる樹脂の分子量分布がシャープになるため、フィルム製膜した際に低分子量成分の析出が少なくシール安定性に優れた物性の樹脂が得られる。
基材層(A)、中間層(B)、シール層(C)には本発明の目的を損なわない範囲で、フィルム加工に適した滑り性やラミネート適性を確保するため、特定の添加剤、具体的にはエルカ酸アミドなどの有機滑剤、分子量500以上の酸化防止剤、および、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウムなどの無機粒子や、ポリメチルメタクリレート架橋粒子などの有機粒子を選択して使用してもよい。また、製膜性を良好にする酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤等を含むことができる。基材層(A)、中間層(B)のポリマーには本発明の効果を阻害しない範囲であれば、必要に応じて本発明のフィルムを生産する際に生じる耳やスリット屑などを混合使用することができる。
本発明の易開封性共押出多層フィルムの厚さは30〜100μmが好ましい。
シール層(C)の厚さは2〜20μmが好ましく、更に好ましくは2〜10μmの範囲のものが好適である。シール層(C)の厚さが20μmを越えると剥離時の剥離外観が悪くなり、シール強度が強くなり易開封性を有さなくなる。
基材層(A)の厚さは2〜30μmが好ましく、更に好ましくは2〜20μmの範囲のものが好適である。
中間層(B)の厚さは10〜90μmが好ましく、更に好ましくは20〜60μmの範囲のものが好適であり、この範囲であると良好な押出性と包装フィルムとして用いる場合に十分な機械的強度を得ることができる。
本発明の易開封性共押出多層フィルムは、基材層(A)に、2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1層を、必要に応じて、単独、あるいは、組合せて積層して使用するのが好ましい。ポリアミドフィルムとしては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66などが挙げられ、中でも2軸延伸ナイロン66フィルムが、耐熱性、耐湿性の面でより好ましい。ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが、耐熱性とフィルム価格等で総合的により好ましい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが挙げられ、なかでもアルミ箔がより好ましい。印刷紙としては、合成紙、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、更紙などが挙げられるが、印刷の出来具合からアート紙が好ましい。
前記2軸延伸ポリアミドフィルムおよび2軸延伸ポリエステルフィルムの厚さは、10〜100μmの範囲が好ましく、特に、12〜50μmの範囲であると印刷加工適性が良く、蓋材とした場合に、耐衝撃性と取り扱い性から好ましい。
前記金属箔の厚さとしては、5〜30μmの範囲であることが、蓋材とした場合に、耐衝撃性、取り扱い性および経済性から好ましい。
基材層(A)にこれらの層を積層する方法としては特に限定されないが、接着剤、ホットメルト剤、低融点の押出ラミネート樹脂を介して積層する方法が挙げられる。
本発明の易開封性共押出多層フィルムのシール層(C)とポリプロピレンシートをヒートシールした場合、140℃〜160℃の極大強度と平均強度の差が1.0〜10.0N/15mm、かつ180℃〜200℃の極大強度と平均強度の差が15.0〜25.0N/15mmの範囲であることが流通時に衛生性(内容物の保護)の面で好ましい。140℃〜160℃の極大強度と平均強度の差が1.0N/15mm未満では、内容物の密封性に劣り、180℃〜200℃の極大強度と平均強度の差が25.0N/15mmを越えると易開封性に劣る場合があるので好ましくない。
次に本発明における上記の極大強度と平均強度を図1により説明する。極大強度は、図1に示す1であり、流通時の衛生性(内容物保護)に必要な強度であり、平均強度は、易開封性を有することを示す強度である。図1は、株式会社オリエンテック製のテンシロンにフラットベッドタイプ自動平衡式記録計(MODEL AR−6600−7)を使用し記録したチャート図であり、その中で1は極大強度、2は極大強度1を除いた時の最大強度、3は最小となる強度で、平均強度=(最大強度2+最小強度3)/2とした。
次に、本発明の易開封性共押出多層フィルムの製造法の一例を説明する。
3台の押出機を用いて、1台の押出機から低密度ポリエチレン樹脂(a1)として密度0.910〜0.925g/cm、MFR=1.0〜25g/10分の範囲の樹脂を10〜90wt%と高密度ポリエチレン(a2)として密度0.950〜0.965g/cm、MFR=6.0〜20.0g/10分の範囲の樹脂90〜10wt%混合した樹脂組成物を220〜230℃で押し出し[基材層(A)]、もう1台の押出機からポリエチレン系樹脂(b1)として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(b1−1)70〜85wt%と、高密度ポリエチレン(b1−2)5〜15wt%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(b1−3)5〜15wt%を混合した樹脂組成物99〜80wt%とプロピレン系樹脂(b2)としてMFR=6.0〜10.0/10分の範囲の樹脂1〜20wt%混合した樹脂組成物を220〜230℃で押し出し[中間層(B)]、さらにもう一台の押出機からプロピレン系樹脂(c)としてシングルサイト触媒を用いて合成されたポリプロピレンを少なくとも30wt%含む樹脂組成物を220〜230℃で溶融して押し出し[シール層(C)]、共押出多層ダイで積層させ、基材層(A)の厚さが5μmで、中間層(B)の厚さが40μmで、シール層(C)の厚さが5μmとなるようにして、ダイよりフィルム状に押し出し、25〜50℃の冷却ロールでキャスト冷却固化し易開封性共押出多層フィルムとする。
続いて、必要に応じ基材層(A)の表面にコロナ放電処理を施し、巻き取り、さらに所定の幅、長さにスリットする。以上のようにして得られた本発明の易開封性共押出多層フィルムは、2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1層と積層して、一般包装用、レトルト食品包装袋用、医療用輸液バック、流動食用パウチ等のシーラントフィルムとしても使用できる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明における特性の測定方法並びに効果の評価方法は、次の通りである。
(1)融点(Tm)
株式会社島津製作所製のDSC(DSC−60A)を使用し、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で250℃まで昇温して5分間保持した後に、10℃/分の冷却速度で10℃まで冷却し、再度10℃/分の速度で昇温していった際に、再度の昇温において、樹脂の融解に伴う吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とした。
(2)樹脂の密度
JIS K7112−1980に規定された密度勾配管法に従い密度を測定した。
(3)フィルム厚さ
ダイヤルゲージ式厚さ計(JIS B−7509−1992、測定子5mmφ平型)を用いて、フィルムの長手方向及び幅方向に10cm間隔で10点測定して、その平均値とした。
(4)各層の厚さ
フィルムの断面をミクロトームにて切り出し、その断面についてデジタルマイクロスコープVHX−100形(株式会社キーエンス製)を用いて1000倍に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、各層の厚さ方向の距離を計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚さを求めた。尚、各層の厚さを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真計5枚を使用し、それらの平均値として算出した。
(5)メルトフローレート(MFR)
JIS K−7210に準拠して、ポリエチレン系樹脂は190℃、ポリプリピレン系樹脂は230℃で測定した。
(6)シール用複合フィルムの作成方法
易開封性共押出多層フィルムの基材層(A層)と厚さ12μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム、P60(東レ株式会社製ルミラー)をポリウレタン接着剤で塗布量2g/mでドライラミネートし、40℃、72時間エージングしたサンプルをシール用複合フィルムとした。
(7)評価用ポリプロピレン(PP)シート
押出機からホモポリプロピレン(PP−1。後の原料の項で記載。)樹脂を温度220〜230℃で溶融し、押出厚み300μmとなるように、ダイよりフィルム状に押し出し、25〜50℃の冷却ロールでキャスト冷却固化し、評価用ポリプロピレンシートとした。
(8)ヒートシール強度
(6)で作成したシール用複合フィルムを100mm×15mmに切り出し、シール層(C層)と(7)で作成した300μmの評価用ポリプロピレンシートに重ねて、テスター産業株式会社製の平板ヒートシールテスター(TP−701B)を使用し、シール温度140℃〜160℃、180℃〜200℃、シール圧力2kg/cm、シール時間1秒の条件でヒートシールしたサンプルを、株式会社オリエンテック製のテンシロン(RTC−1210A)を使用して300mm/分の引張速度で、180°剥離したときのヒートシール強度を測定した。そのとき、1試料についてn数10の測定値の平均値を取った。
140℃〜160℃低温領域のヒートシール強度として極大強度と平均強度の差が1.0〜10N/15mmで、かつ、180℃〜200℃高温領域のヒートシール強度として極大強度と平均強度の差が15〜22N/15mmであるものを○とし、該範囲を外れ、密封性、内容物保護性、易開封性を両立できないものを×とした。
(9)ヒートシール強度の極大強度と平均強度
図1は、株式会社オリエンテック製のテンシロンにフラットベッドタイプ自動平衡式記録計(MODEL AR−6600−7)を使用し記録したチャート図である。1は極大強度、2は極大強度1を除いた時の最大強度、3は最小となる強度で、平均強度=(最大強度2+最小強度3)/2とした。
ここで極大強度は、流通時の衛生性(内容物保護)に必要な強度であり、平均強度は易開封性を有することを示す強度である。
(10)初期開封力
(6)で作成したシール用複合フィルムを100mm×100mmにサンプルを切り出し、シール層(C層)とポリプロピレン製容器(95φ×61.9H、東缶工業株式会社製)に重ねて、エーシンパック工業株式会社製のハンドシーラーを使用し、ヒートシール温度160℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒の条件でヒートシールしたサンプルを作成した。次いで株式会社オリエンテック製のテンシロン(RTC−1210A)を使用して、開封口をチャックに固定し、一方、カップを手に持ち、もう一方のチャックに手を添え300mm/分の引張速度で、シール用複合フィルムとポリプロピレン製容器が90°になるように開封したときの初期開封力を測定した。そのとき、1試料についてn数10の測定値の平均を取った。
ヒートシール温度160℃時に、初期開封力が10N以上/個であるものを○とし、該範囲を外れ、密封性、内容物保護性、易開封性を両立できないものを×とした。
(11)打ち抜き特性
(6)で作成したサンプルに針(先端rが0.5mm)を突き刺し、突き刺す際にフィルムが伸びるかどうかを目視で評価し、判定を行った。
○:フィルムの伸びが、3mm未満
×:フィルムの伸びが、3mm以上。
(12)落袋衝撃性
(10)で用いたポリプロピレン製容器に内容物として水とサラダ油を50/50にブレンドした液を180ml充填封入してから、ヒートシール温度180℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒の条件でヒートシールしたサンプルを常温雰囲気下において50cmの高さからコンクリート面へ蓋を下にして垂直落下させる。そのときに、1試料についてn数10のテストを行い、シール部が開封した個数で下記の通り判定した。
○:開封がなかった。
×:開封があった。
(13)剥離外観の評価
(8)で作成したサンプルを手で剥離したときに、糸引き、膜残りを目視で評価し、下記の通り判定した。
○:糸引き、膜残りがみえない
△:1mm未満の糸引き、膜残りが残る
×:1mm以上の長い糸引き、膜残りが残る。
(14)剥離感の評価
(8)で作成したサンプルを手で剥離したときに、固いあるいは弱い、良好を感応で評価し、下記の通り判定した。
○:適度な力で剥離することができる
×:剥離できない。
本実施例で使用した原料は次の通りである。
(1)高密度ポリエチレン(HD−1)
日本ポリエチレン製 ノバテック HF562、MFR=7.5g/10分、密度=0.961g/cm
(2)高密度ポリエチレン(HD−2)
京葉ポリエチレン製 KEIYOポリエチ G1900、MFR=16.0g/10分、密度=0.955g/cm
(3)低密度ポリエチレン(LD−1)
住友化学製 スミカセン L705、MFR=7.0g/10分、密度=0.919g/cm
(4)直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)
住友化学製 スミカセン−L GA801、MFR=20.0g/10分、密度=0.920g/cm
(5)直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)
住友化学製 スミカセン−L GA401、MFR=3.0g/10分、密度=0.935g/cm
(6)ホモポリプロピレン(PP−1)
プライムポリマー製 プライムポリプロ F107DJ、MFR=8.0g/10分、密度=0.900g/cm
(7)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)
三井化学製 タフマー A4085S、MFR=3.6g/10分、密度=0.885g/cm
(8)シングルサイト触媒を用いて合成されたエチレンプロピレンコポリマー(PP−2)
日本ポリプロ製 ウィンテック WMX03、MFR=25.0g/10分、密度=0.900g/cm
(9)マルチサイト触媒を用いて合成されたエチレンプロピレンコポリマー(PP−3)
住友化学製 住友ノーブレン FL6412、MFR=6.0g/10分、密度=0.900g/cm
実施例1
基材層(A)の樹脂として、高密度ポリエチレン(HD−1)50wt%と低密度ポリエチレン(LD−1)50wt%混合した樹脂組成物を用い、中間層(B)として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)60wt%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)10wt%とホモポリプロピレン(PP−1)10wt%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)10wt%と高密度ポリエチレン(HD−2)10wt%混合した樹脂組成物を用い、シール層(C)として、シングルサイト触媒系エチレンプロピレンコポリマー(PP−2)を、3種3層無延伸フィルム成形機の押出機3台に各々投入し、180〜230℃の押出温度で230℃のTダイより押し出し、30℃のキャスティングロールで急冷し易開封性フィルムを成形し、基材層(A)にコロナ処理を施した。得られた易開封性共押出多層フィルムの総厚さは50μmでシール層(C)の厚さが5μmであった。
実施例2
中間層(B)を直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)40wt%と直鎖状ポリエチレン(LL−2)30wt%とホモポリプロピレン(PP−1)10wt%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)10wt%と高密度ポリエチレン(HD−2)10wt%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に行った。
実施例3
中間層(B)を直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)70wt%と直鎖状ポリエチレン(LL−2)15wt%とホモポリプロピレン(PP−1)5wt%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)5wt%と高密度ポリエチレン(HD−2)5wt%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に行った。
実施例4
シール層(C)を、シングルサイト触媒を用いて合成されたエチレンプロピレンコポリマー(PP−2)40wt%とマルチサイト触媒を用いて合成されたエチレンプロピレンコポリマー(PP−3)60wt%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に行った。
実施例5
基材層(A)を高密度ポリエチレン(HD−1)80wt%と低密度ポリエチレン(LD−1)20wt%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に行った。
実施例6
基材層(A)を高密度ポリエチレン(HD−1)20wt%と低密度ポリエチレン(LD−1)80wt%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に行った。
実施例7
得られた易開封性共押出多層フィルムのシール層(C)の厚さを10μmと中間層(B)の厚さを35μmとする以外は、実施例1と同様に行った。
比較例1
中間層(B)を直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)80wt%と直鎖状ポリエチレン(LL−2)10wt%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)10wt%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に行った。
比較例2
中間層(B)を直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)60wt%と直鎖状ポリエチレン(LL−2)5wt%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(E−1)5wt%とホモポリプロピレン(PP−1)30wt%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に行った。
比較例3
シール層(C)をホモポリプロピレン(PP−1)とする以外は実施例1と同様に行った。
比較例4
シール層(C)を、シングルサイト触媒を用いて合成されたエチレンプロピレンコポリマー(PP−2)20wt%とマルチサイト触媒を用いて合成されたエチレンプロピレンコポリマー(PP−3)80wt%混合した樹脂組成物とする以外は実施例1と同様に行った。
比較例5
基材層(A)を高密度ポリエチレン(HD−1)とする以外は実施例1と同様に行った。
比較例6
基材層(A)を低密度ポリエチレン(LD−1)とする以外は実施例1と同様に行った。
比較例7
得られた易開封性共押出多層フィルムのシール層(C)の厚さを22μmと中間層(B)の厚さを23μmとする以外は、実施例1と同様に行った。
本発明の易開封性共押出多層フィルムは、広い温度範囲で安定してシールでき、内容物保護と良好な易開封性を両立し、さらに、2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔の少なくとも1層以上の他基材の片面に積層体とすることにより食品や医療用用具、雑貨等を充填する包装体として好適に用いることができる。
1:極大強度
2:極大強度を除いた時に最大となる強度
3:最小となる強度

Claims (4)

  1. 基材層(A)と中間層(B)とシール層(C)とを有する共押出多層フィルムであって、基材層(A)は、低密度ポリエチレン(a1)10〜90wt%と高密度ポリエチレン(a2)90〜10wt%を混合した樹脂組成物からなり、中間層(B)は、直鎖状低密度ポリエチレン(b1−1)と高密度ポリエチレン(b1−2)とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(b1−3)の混合した樹脂組成物(b1)99〜80wt%とポリプロピレン系樹脂(b2)1〜20wt%を混合した樹脂組成物からなり、シール層(C)は、厚さが20μm以下でポリプロピレン系樹脂(c)を主成分とし、シングルサイト触媒を用いて合成されたポリプロピレンを少なくとも30wt%含む樹脂組成物からなることを特徴とする易開封性共押出多層フィルム。
  2. 樹脂組成物(b1)が、直鎖状低密度ポリエチレン(b1−1)70〜85wt%と高密度ポリエチレン(b1−2)5〜15wt%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(b1−3)5〜15wt%を混合した樹脂組成物である請求項1に記載の易開封性共押出多層フィルム。
  3. シール層(C)とポリプロピレンシートをヒートシールした場合の極大強度と平均強度の差が、140〜160℃で1.0〜10N/15mm、180℃〜200℃で15〜25N/15mmの範囲にある請求項1または2に記載の易開封性共押出多層フィルム。
  4. シール層(C)とポリプロピレン製容器を160℃でヒートシールした場合の初期開封力が10N以上である請求項1〜3のいずれかに記載の易開封性共押出多層フィルム。
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