JP7243462B2 - 多層フィルム - Google Patents
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Description
前記外層は、プロピレン系重合体を含有する層であり、
前記中間層は、プロピレン系重合体とエチレン単独重合体とを含有する層であり、
前記中間層中のエチレン単独重合体の含有量は5~35重量%であり、
前記シール層は、融点が150℃以下であるプロピレン系ランダム共重合体を含有する層である、多層フィルム。
[2]前記中間層が、2種以上のプロピレン系重合体を含有する層であり、
少なくとも1種のプロピレン系重合体が、プロピレン単独重合体またはプロピレン系ランダム共重合体であり、
少なくとも1種のプロピレン系重合体が、プロピレン系ブロック共重合体である、[1]に記載の多層フィルム。
[3]前記中間層中のプロピレン系ブロック共重合体の含有量が、5~40重量%である、[2]に記載の多層フィルム。
[4]前記中間層に含まれるエチレン単独重合体の密度が、930kg/m3以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の多層フィルム。
[5]前記中間層は、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが1~30g/10分である組成物からなる層である、[1]~[4]のいずれかに記載の多層フィルム。
[6]前記外層に含まれるプロピレン系重合体が、融点が155℃以上のプロピレン系重合体である、[1]~[5]のいずれかに記載の多層フィルム。
[7]外層、中間層およびシール層の合計厚みを100%として、前記シール層の厚みが5%以上20%以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の多層フィルム。
プロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体またはプロピレンに由来する構成単位を50重量%以上含むプロピレン系共重合体である。プロピレン系共重合体に含まれるプロピレン以外の構成単位としては、エチレン及び炭素数4~12のα-オレフィンに由来する構成単位が挙げられる。
プロピレン系共重合体としては、プロピレン系ランダム共重合体およびプロピレン系ブロック共重合体が挙げられる。
プロピレン系ランダム共重合体としては、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体およびプロピレン-エチレン-α-オレフィン三元共重合体が挙げられる。
プロピレン系ブロック共重合体は、プロピレンに由来する構成単位を90重量%以上含む重合成分(A)、ならびに、プロピレンに由来する構成単位と、エチレンおよび炭素数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される1種以上に由来する構成単位とを含む共重合成分(B)を、二段階以上の多段階で製造して得られるプロピレン系共重合体である。
チーグラー・ナッタ型触媒としては、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分とを組み合わせて用いる触媒が挙げられる。メタロセン触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を少なくとも1個有する周期表第4族~第6族の遷移金属化合物と助触媒成分とを組み合わせて用いる触媒が挙げられる。
重合方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒中で行われるスラリー重合法および溶液重合法、並びに、溶媒の不存在下に行われる液相重合法および気相重合法が挙げられる。
プロピレン系重合体の製造において、残留溶媒、製造時に副生する超低分子量のオリゴマー等を除去するために、生成したプロピレン系重合体が融解する温度以下の温度で、プロピレン系重合体の乾燥を行ってもよい。乾燥方法としては、例えば、特開昭55-75410号、特許第2565753号公報に記載された方法が挙げられる。
外層に含まれるプロピレン系重合体は、好ましくは、プロピレン単独重合体またはプロピレン系ランダム共重合体であり、より好ましくは、プロピレン単独重合体またはプロピレン-エチレンランダム共重合体である。外層は、プロピレン系重合体を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。
外層に含まれる全成分の合計重量を100重量%として、プロピレン系重合体の含有量は、好ましくは90重量%以上である。外層に含まれる重合体成分の95重量%以上がプロピレン系重合体であることが好ましい。
外層に含まれるプロピレン系重合体がプロピレン-エチレン-α-オレフィン三元共重合体である場合、エチレンに由来する構成単位の含有量は、通常、0.1~20重量%であり、好ましくは、0.1~10重量%であり、より好ましくは、0.1~5重量%であり、さらに好ましくは、0.1~3重量%である。また、α-オレフィンに由来する構成単位の含有量は、通常、0.1~20重量%であり、好ましくは、0.1~10重量%であり、より好ましくは、0.1~5重量%である。
中間層に含まれるプロピレン系重合体は、好ましくは、プロピレン単独重合体またはプロピレン系ランダム共重合体であり、より好ましくは、プロピレン単独重合体またはプロピレン-エチレンランダム共重合体である。中間層は、プロピレン系重合体を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。
少なくとも1種のプロピレン系重合体が、プロピレン単独重合体またはプロピレン系ランダム共重合体であり、少なくとも1種のプロピレン系重合体が、プロピレン系ブロック共重合体であることが好ましく、
少なくとも1種のプロピレン系重合体が、プロピレン単独重合体であり、少なくとも1種のプロピレン系重合体が、プロピレン系ブロック共重合体であることがより好ましい。
中間層に含まれるプロピレン系重合体がプロピレン-エチレン-α-オレフィン三元共重合体である場合、エチレンに由来する構成単位の含有量は、通常、0.1~20重量%であり、好ましくは、0.5~10重量%であり、より好ましくは、0.5~5重量%であり、さらに好ましくは、0.5~3重量%である。また、α-オレフィンに由来する構成単位の含有量は、通常、0.1~20重量%であり、好ましくは、0.5~10重量%であり、より好ましくは、1~10重量%であり、さらに好ましくは、3~10重量%である。
中間層に含まれるプロピレン系重合体がプロピレン系ブロック共重合体である場合、重合成分(A)に含まれるプロピレンに由来する構造単位の含有量は、90~100重量%であり、好ましくは95~100重量%である。共重合成分(B)に含まれるエチレンの含有量は、通常、10~60重量%であり、好ましくは、15~50重量%であり、より好ましくは、20~40重量%である。プロピレン系ブロック共重合体に含まれる共重合成分(B)の含有量としては、通常、7~70重量%であり、好ましくは10~50重量%であり、さらに好ましくは10~40重量%である。
中間層に含有されるプロピレン系重合体の含有量は、中間層中のプロピレン系重合体及びエチレン単独重合体の合計量を100重量%として、65~95重量%であり、好ましくは、75~95重量%であり、より好ましくは、75~90重量%であり、さらに好ましくは、80~90重量%である。
中間層に含有されるエチレン単独重合体の含有量は、中間層の全量を100重量%として、5~35重量%であり、好ましくは、10~30重量%であり、より好ましくは、15~30重量%であり、さらに好ましくは、20~30重量%である。
中間層に含有される2種以上のプロピレン系重合体の合計量は、中間層中の全量を100重量%として、65~95重量%であり、好ましくは、70~90重量%であり、より好ましくは、70~85重量%であり、さらに好ましくは、70~80重量%である。
中間層に含有されるプロピレン系ブロック共重合体の含有量は、中間層中の全量を100重量%として、好ましくは5~40重量%であり、より好ましくは5~30重量%であり、さらに好ましくは、10~30重量%である。
シール層に含まれるプロピレン系ランダム共重合体は、好ましくは、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体またはプロピレン-エチレン-α-オレフィン三元共重合体であり、より好ましくは、プロピレン-エチレンランダム共重合体またはプロピレン-エチレン-α-オレフィン三元共重合体であり、さらに好ましくは、プロピレン-エチレンランダム共重合体である。シール層は、プロピレン系ランダム共重合体を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。
シール層に含まれるプロピレン系ランダム共重合体がプロピレン-エチレン-α-オレフィン三元共重合体である場合、エチレンに由来する構成単位の含有量は、通常、1~20重量%であり、好ましくは、1~10重量%であり、より好ましくは、1~5重量%であり、さらに好ましくは、1~3重量%である。また、α-オレフィンに由来する構成単位の含有量は、通常、1~20重量%であり、好ましくは、1~10重量%であり、より好ましくは、1~10重量%であり、さらに好ましくは、1~5重量%である。
中間層に含有されるプロピレン系重合体と、シール層に含有されるプロピレン系ランダム共重合体と、外層に含有されるプロピレン系重合体は、それぞれ独立である。少なくとも一部が同じ重合体であってもよい。
トコフェロール類としては、α-トコフェロールであるビタミンEが挙げられ、好ましくは、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、テトラキス[メチレン-3(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートまたはビタミンEであり、より好ましくは、テトラキス[メチレン-3(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートまたはビタミンEである。
本発明の多層フィルムは、外層、中間層およびシール層を含み、中間層が外層とシール層との間に配置された多層フィルムであって、シール層は、多層フィルムの一方の表層である。本発明の多層フィルムは、外層と中間層とが隣接し、中間層とシール層とが隣接することが好ましい。
プロピレン重合体成分(A)およびエチレン-プロピレン共重合体成分(B)を重合する際の物質収支から、プロピレン系ブロック共重合体におけるプロピレン重合体成分(A)の含有量(Pa)およびエチレン-プロピレン共重合体成分(B)の含有量(Pb)を求めた。
まず、プロピレン系ブロック共重合体を構成するプロピレン重合体成分(A)が得られた時点で、プロピレン重合体成分(A)のIRスペクトル測定を行い、プロピレン重合体成分(A)におけるエチレンに由来する構成単位の含有量(単位:重量%)を求めた。
次に、プロピレン系ブロック共重合体のIRスペクトル測定を行い、高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている「(ii)ブロック共重合体に関する方法」に従って、プロピレン系ブロック共重合体におけるエチレンに由来する構成単位の含有量(単位:重量%)を求めた。
そして、以下の式(1)により、エチレン-プロピレン共重合体成分(B)におけるエチレンに由来する構成単位の含有量(単位:重量%)を求めた。
EB=(ET×100-EA×Pa)/Pb 式(1)
(式中、EBは、エチレン-プロピレン共重合体成分(B)におけるエチレンに由来する構成単位の含有量を示す。ETは、プロピレン系ブロック共重合体におけるエチレンに由来する構成単位の含有量を示す。Paは、プロピレン系ブロック共重合体におけるプロピレン重合体成分(A)の含有量を示す。Pbは、プロピレン系ブロック共重合体におけるエチレン-プロピレン共重合体成分(B)の含有量を示す。EAは、プロピレン重合体成分(A)におけるエチレンに由来する構成単位の含有量を示す。)
プロピレン単独重合体およびプロピレン系ランダム共重合体のメルトフローレートは、JIS K7210に規定された方法に従って、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
エチレン単独重合体、エチレン-ヘキセン共重合体およびエチレン-ブテン共重合体のメルトフローレートは、JIS K7210に規定された方法に従って、温度190℃、荷重21.18Nで測定した。
エチレン単独重合体、エチレン-ヘキセン共重合体およびエチレン-ブテン共重合体の密度は、JIS K7112-1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760-1995に記載のアニーリングを行った。
パーキンエルマー社製示差走査熱量計により、窒素雰囲気下で、約10mgの試料を封入したアルミニウムパンを、(1)240℃で5分間保持し、次に(2)10℃/分の速度で240℃から40℃まで降温した。次に(3)40℃で5分保持し、次に(4)10℃/分の速度で40℃から240℃まで昇温した。過程(4)における熱量測定により得られた融解吸熱カーブの最大ピークの温度を融点(Tm)とした。
なお、上記過程(4)において、5℃/分の速度で昇温したこと以外は、上記と同じ方法で測定したインジウム(In)の融点は、156.6℃であった。
下記実施例で得られた複合フィルムのシール層と、厚み200μmのポリプロピレンシートが接するように、複合フィルムとポリプロピレンシートを重ね、東洋テスター工業株式会社製ヒートシーラーにより、次の条件でヒートシールして、サンプルを得た。上部シールバーと複合フィルムの二軸延伸ナイロンフィルムとが接し、下部シールバーとポリプロピレンシートが接するようにして、ヒートシールし、サンプルを得た。
シールバー:平面両面加熱
シール温度:上部シールバー:180℃、下部シールバー:80℃
シール圧力:2.0kg/cm2
シール時間:1.0sec
シール幅:10mm
得られたサンプルについて、シール幅方向と平行な方向を長辺、シール幅方向に対して直角方向を短辺とし、短辺の長さが15mmの試験片を切り出した。試験片には、10mm×15mmのシール部が含まれる。各サンプルにつき、それぞれ5つの試験片を作製した。次に、得られた試験片のシール部を、引張試験機(オリエンテック製テンシロン)により、剥離角180°、引張速度200mm/minで、剥離長さ25mm(チャック間距離60mm)になるまで剥離し、剥離長さ-剥離荷重の剥離強度曲線を得た。各サンプルにつき、それぞれ5つの試験片で剥離試験を行い、下記「(7)封緘強度」および「(8)剥離強度」の方法により、封緘強度および剥離強度を求めた。封緘強度および剥離強度は、各サンプル5つの試験結果の平均値を表2に記載した。
剥離長さ0mm~5mmの範囲内で剥離荷重が極大値を示し、該極大値が10N/15mm以上であれば、封緘強度に優れる。剥離長さ0mm~5mmの範囲内における剥離荷重の極大値を幅15mmあたりの封緘強度とした。
剥離長さ0mm~5mmの範囲内で剥離荷重が極大値を示し、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であり、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の平均値が5~16N/15mmであり、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差が5N/15mm以下であれば、人が剥離する際、適度な易剥離性であると感じられる。剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の平均値を幅15mmあたりの剥離強度とした。
特開2008-208362号公報の実施例1に記載の触媒の存在下、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合し、230℃で測定したメルトフローレートが2.5g/10分であり、融点が158℃であるプロピレン-エチレンランダム共重合体の粉末を得た。得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体を、以下、PP1と称する。
特開2008-208362号公報の実施例1に記載の触媒の存在下、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合し、230℃で測定したメルトフローレートが1.5g/10分であり、融点が133℃であるプロピレン-エチレンランダム共重合体の粉末を得た。得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体を、以下、PP2と称する。
チーグラー・ナッタ型触媒の存在下、気相中でプロピレンを重合し、230℃で測定したメルトフローレートが2.1g/10分であり、融点が133℃であるプロピレン単独重合体の粉末を得た。得られたプロピレン単独重合体を、以下、PP3と称する。
チーグラー・ナッタ型触媒の存在下、第一工程で、気相中でプロピレンを重合し、次いで第二工程で、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合し、プロピレン重合体成分(A)とエチレン-プロピレン共重合体成分(B)とからなるプロピレン系ブロック共重合体を得た。得られたプロピレン系ブロック共重合体を、以下、PP4と称す。PP4は、プロピレン重合体成分(A)の含有量が77重量%であり、エチレン-プロピレン共重合体成分(B)の含有量が23重量%であり、エチレン-プロピレン共重合体成分(B)におけるエチレンに由来する構成単位の含有量が30重量%であった。
特開2008-208362号公報の実施例1に記載の触媒の存在下、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合し、230℃で測定したメルトフローレートが6.0g/10分であり、融点が142℃であるプロピレン-エチレンランダム共重合体の粉末を得た。得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体を、以下、PP5と称する。
特開2008-208362号公報の実施例1に記載の触媒の存在下、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合し、230℃で測定したメルトフローレートが7.0g/10分であり、融点が158℃であるプロピレン-エチレンランダム共重合体を得た。得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体を、以下、PP6と称する。
エチレン単独重合体であるスミカセンG201(商品名)(住友化学株式会社製)を用いた。190℃で測定したメルトフローレートは2.0g/10分であり、密度は920kg/m3、融点は106℃であった。
エチレン単独重合体であるスミカセンG201-F(商品名)(住友化学株式会社製)を用いた。190℃で測定したメルトフローレートは2.0g/10分であり、密度は919kg/m3、融点は106℃であった。
エチレン単独重合体であるスミカセンL712(商品名)(住友化学株式会社製)を用いた。190℃で測定したメルトフローレートは9.0g/10分であり、密度は919kg/m3、融点は105℃であった。
エチレン-1-ヘキセン共重合体であるスミカセンHi-α FZ203-0(商品名)(住友化学株式会社製)を用いた。190℃で測定したメルトフローレートは2.0g/10分であり、密度は930kg/m3、融点は120℃であった。
エチレン-1-ヘキセン共重合体であるスミカセンE FV203(商品名)(住友化学株式会社製)を用いた。190℃で測定したメルトフローレートは2.0g/10分であり、密度は913kg/m3、融点は118℃であった。
エチレン-ブテン共重合体であるタフマーA1085s(商品名)(三井化学株式会社製)を用いた。190℃で測定したメルトフローレートは1.2g/10分であり、密度は885kg/m3、融点は66℃であった。
中間層用組成物:PP1 90重量%、PE1 10重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010(BASF社製、酸化防止剤)0.05重量%およびイルガフォス168(BASF社製、酸化防止剤)0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して中間層用組成物ペレットを得た。得られたペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、2.7g/10分であった。
外層用組成物:PP6 100重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.15重量%およびイルガフォス168 0.15重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して外層用組成物ペレットを得た。得られたペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、7.0g/10分であった。
シール層用組成物:PP5 100重量%、ステアリン酸カルシウム0.05重量%、イルガノックス1010 0.175重量%、イルガフォス3114(BASF社製、酸化防止剤)0.075重量%およびアンチブロッキング剤としてサイリシア550(富士シリシア化学社製)0.14重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練してシール層用組成物ペレットを得た。得られたペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、6.0g/10分であった。
押し出された溶融膜を、20m/分で回転する冷却温度40℃のチルロールで冷却固化させ、外層/中間層/シール層という構成の厚さ30μmの多層フィルムを得た。多層フィルムの中間層に含まれる重合体成分の含有量を表1に示す。
中間層用組成物として、PP1 80重量%、PE1 20重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、2.9g/10分であった。剥離強度曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は22N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であった。剥離強度は10N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は3N/15mmであった。剥離部位は、中間層内部の凝集破壊であった。
中間層用組成物として、PP1 80重量%、PE1 20重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%、イルガフォス168 0.05重量%、および、メルトフローレート調整剤として2,5-ジメチル-2,5-ジ(ターシャリ-ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、5.8g/10分であった。剥離強度曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は12N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であった。剥離強度は9N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は2N/15mmであった。剥離部位は、中間層内部の凝集破壊であった。
中間層用組成物として、PP1 75重量%、PE1 25重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、3.2g/10分であった。剥離強度曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は13N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であった。剥離強度は5N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は1N/15mmであった。剥離部位は、中間層内部の凝集破壊であった。
中間層用組成物として、PP2 80重量%、PE1 20重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、1.8g/10分であった。剥離強度曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は17N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であった。剥離強度は16N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は4N/15mmであった。剥離部位は、中間層内部の凝集破壊であった。
中間層用組成物として、PP2 80重量%、PE1 20重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%、イルガフォス168 0.05重量%、および、メルトフローレート調整剤として2,5-ジメチル-2,5-ジ(ターシャリ-ブチルパーオキシ)ヘキサン0.2重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、4.0g/10分であった。剥離強度曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は13N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であった。剥離強度は8N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は3N/15mmであった。剥離部位は、中間層内部の凝集破壊であった。
中間層用組成物として、PP3 50重量%、PP4 20重量%、PE2 30重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、2.1g/10分であった。剥離強度曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は10N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であった。剥離強度は8N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は2N/15mmであった。剥離部位は、中間層内部の凝集破壊であった。
中間層用組成物として、PP3 50重量%、PP4 20重量%、PE3 30重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、3.3g/10分であった。剥離強度曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は11N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であった。剥離強度は9N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は2N/15mmであった。剥離部位は、中間層内部の凝集破壊であった。
中間層用組成物として、PP1 100重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、2.5g/10分であった。剥離は多層フィルムのシール層とポリプロピレンシートの間で進み、剥離曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示さず、剥離長さ7mmで破断した。破断時の剥離荷重は35Nであり、易剥離性に劣る。剥離部位は、ポリプロピレンシートとシール層との間の層間剥離であった。
中間層用組成物として、PP1 80重量%、PE4 20重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、2.9g/10分であった。剥離は多層フィルムのシール層とポリプロピレンシートの間で進み、剥離曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示さず、剥離長さ20mmで破断した。破断時の剥離荷重は45Nであり、易剥離性に劣る。剥離部位は、ポリプロピレンシートとシール層との間の層間剥離であった。
中間層用組成物として、PP1 80重量%、PE5 20重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物ペレットの230℃で測定したメルトフローレートは、2.9g/10分であった。剥離は多層フィルムのシール層とポリプロピレンシートの間で進み、剥離曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は18N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であった。剥離強度は13N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は7N/15mmであった。剥離部位は、中間層内部の凝集破壊であった。
中間層用組成物として、PP1 80重量%、PE6 20重量%、ハイドロタルサイト0.01重量%、イルガノックス1010 0.05重量%およびイルガフォス168 0.05重量%を、20Lスーパーミキサー(SMV-20型、川田製作所社製)で混合して混合物を得た。得られた混合物を、直径40mmの単軸押出機(VS40-28型、田辺プラスチックス機械社製、フルフライト型スクリュー付き)により、250℃で溶融混練して得た中間層用組成物ペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、多層フィルムを得て、評価を行った。得られた中間層用組成物の230℃で測定したメルトフローレートは、2.5g/10分であった。剥離強度曲線は剥離長さ0mm~5mmの間で極大値を示し、該極大値は25N/15mmであり、剥離長さ25mmまで試験片が破断することなく剥離が可能であったが、剥離強度が20N/15mm、剥離長さ10mm~20mmの範囲内における剥離荷重の最大値と最小値の差は8N/15mmであり、易剥離性に劣る。
Claims (5)
- 外層、中間層およびシール層を含み、中間層が外層とシール層との間に配置された多層フィルムであって、
前記外層は、プロピレン系重合体を含有する層であり、
前記中間層は、プロピレン系重合体とエチレン単独重合体とを含有する層であり、
前記中間層中のエチレン単独重合体の含有量は5~35重量%であり、
前記シール層は、融点が150℃以下であるプロピレン系ランダム共重合体を含有する層であり、
前記中間層が、2種以上のプロピレン系重合体を含有する層であり、
少なくとも1種のプロピレン系重合体が、プロピレン単独重合体またはプロピレン系ランダム共重合体であり、
少なくとも1種のプロピレン系重合体が、プロピレン系ブロック共重合体であり、
前記中間層に含まれるエチレン単独重合体の密度が、930kg/m 3 以下である、
多層フィルム。 - 前記中間層中のプロピレン系ブロック共重合体の含有量が、5~40重量%である、請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記中間層は、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレートが1~30g/10分である組成物からなる層である、請求項1または2に記載の多層フィルム。
- 前記外層に含まれるプロピレン系重合体が、融点が155℃以上のプロピレン系重合体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の多層フィルム。
- 外層、中間層およびシール層の合計厚みを100%として、前記シール層の厚みが5%以上20%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の多層フィルム。
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