JP3634475B2 - 包装用ポリプロピレン複合フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装用ポリプロピレン複合フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品や一般の物品の包装材料として、延伸したポリプロピレンフィルムを基材とし、これにシール層としてのポリプロピレン樹脂を押出し被覆するダイレクトラミネーション複合フィルムが知られている。
【0003】
しかし、この方法により得られる複合フィルムは、基材フィルム層とシール層との接着強度が十分でなく、透明性が劣り、又、この複合フィルムを用いて、ヒートシールにより製袋した場合、ヒートシール強度が小さいという問題がある。これらの問題点を改良するために、押出し被覆する樹脂面からの数多くの試みなされているが、未だ不十分である。
【0004】
一方、基材としての延伸したポリプロピレンフィルムと、ポリプロピレン樹脂フィルムとを、接着剤を介して複合フィルムとするドライラミネーション法も行われている。この方法により得られる複合フィルムは、両フィルム間の接着強度や透明性は良好であるが、複合フィルムの使用目的によっては望ましくないこととなる接着剤やその溶剤の使用が必要であったり、その工程を新たに設ける必要があることから、押出し被覆法に比べ、装置上や作業性上不利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、延伸したポリプロピレンフィルムを基材とし、これにシール層としてのポリプロピレン樹脂を押出し被覆してなる複合フィルムを包装に用いた場合、基材層とシール層間の層間剥離が無く、ヒートシール強度が大きく、透明性の良好な包装用ポリプロピレン複合フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、基材となるポリプロピレンと低温ヒートシール性のポリプロピレン系樹脂とを二層共押出しし,延伸したフィルムに、特定の樹脂組成物を押出し被覆した複合フィルムが本発明の目的を達成し得ることを見出して、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、110〜130℃のヒートシール温度を有するポリプロピレン樹脂層(a)と結晶性ポリプロピレン層(b)とからなる二層共押出し延伸フィルム(A)の樹脂層(a)側に、メルトフローレイト(MFR)が0.1〜3.0g/10分、エチレン含有量が2.0〜5.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる結晶性ポリプロピレン樹脂を、有機過酸化物の存在下減成してなるMFRが7〜30g/10分のポリプロピレン樹脂(e)と低密度ポリエチレン及び/又は無定形ないし低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体からなるポリエチレン系樹脂(d)とからなるポリプロピレン樹脂組成物(B)を押出し被覆してなる包装用ポリプロピレン複合フィルムを要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂層(a)となる該樹脂(以下、樹脂(a)という。)は、110〜130℃のヒートシール温度を有する樹脂である。なお、ここで110〜130℃のヒートシール温度を有するとは、110〜130℃の温度でヒートシールが可能なことを意味する。
【0009】
樹脂(a)としては、プロピレン−オレフィンランダム共重合体又は該ランダム共重合体とオレフィン系共重合体ゴムの混合物が望ましい。プロピレン−オレフィンランダム共重合体のオレフィンとしては、エチレン又は炭素数4以上のα−オレフィンが挙げられ、該α−オレフィンとしては、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等が例示できる。これらのオレフィンの中でも特にエチレンが望ましい。
【0010】
望ましく用いられるプロピレンとエチレンとのランダム共重合体としては、エチレンの含有量が6重量%以下、特に3〜6重量%のものが望ましく、又、そのメルトフローレイト(MFR:JIS K7210;荷重2.16kg/10分,230℃で測定)が0.5〜9.0g/10分、特に1.0〜6.0g/10分のものが望ましい。エチレンの含有量が上記の範囲外となると110〜130℃という低温ヒートシール性を示さないことがある。
【0011】
プロピレン−オレフィンランダム共重合体と併用されることがあるオレフィン系共重合体ゴムとしては、エチレン及びプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンから選ばれる2種又は3種以上のオレフィンを共重合して得られるゴムが挙げられ、具体的にはエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−1−ブテン共重合体ゴム(PBR)等が例示できる。
【0012】
樹脂(a)としては、プロピレン−オレフィンランダム共重合体とオレフィン系共重合体ゴムを併用するのが望ましく、特にプロピレン−オレフィンランダム共重合体の使用割合を40〜90重量%とすると、得られるフィルムは透明性及びヒートシール強度がより良好となる。
【0013】
本発明で用いられる結晶性ポリプロピレン層(b)の結晶性ポリプロピレン(以下、樹脂(b)という。)は、沸騰n−ヘプタン不溶分が70重量%以上のポリプロピレンである。樹脂(b)としては。プロピレンの単独重合体の他に、プロピレンとエチレン又は1−ブテン、1−ヘキデン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体が挙げられる。
【0014】
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物(B)の一成分であるポリプロピレン樹脂(c)(以下、樹脂(c)という。)としては、どのようなポリプロピレン樹脂も使用可能であるが、特にメルトフローレイト(MFR:測定法は前記と同じ。)が0.1〜3.0g/10分の結晶性ポリプロピレン樹脂を、有機過酸化物の存在下減成してなるMFRが7〜30g/10分のポリプロピレン樹脂(e)(以下、樹脂(e)という。)を用いるのが望ましい。
【0015】
樹脂(e)の原料である結晶性ポリプロピレン樹脂は、上記のMFRを有し前記の樹脂(b)の中から選ばれるが、特にエチレン含有量が2.0〜5.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体が望ましい。
【0016】
本発明では、この結晶性ポリプロピレン樹脂を、有機過酸化物の存在下、減成してそのMFRを7〜30g/10分としたものを用いるのが望ましい。MFRが7g/10分未満では、押出し被覆の際にサージングの発生等により膜厚が一定にならないことがあり、又、30g/10分を超えると押出し被覆されたフィルムの機械的強度が不十分となることがある。
【0017】
結晶性ポリプロピレン樹脂を減成する際に用いる有機過酸化物としては、ベンゾイルパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、t−ブチルクミルパ−オキサイド、1,1−ビス−(t−ブチルパ−オキシ))−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパ−オキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパ−オキシ)バレレ−ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ−オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチル−ハイドロパ−オキサイド、キュメンハイドロパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、ジ−t−ブチル−ジパ−オキシフタレ−ト、t−ブチルパ−オキシマレイン酸、t−ブチルパ−オキシイソプロピルカ−ボネ−ト、イソプロピルパ−カ−ボネ−ト等が挙げられる。
【0018】
これらは、1種に限らず2種以上を組み合せて使用することができる。これらの中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼンが特に好ましい。
【0019】
減成方法は、有機過酸化物を、結晶性ポリプロピレン樹脂100重量部当たり、0.005〜0.01重量部用いて、両者を該樹脂の溶融温度以上の温度、例えば180〜300℃で、加熱混練すれば良く、その方法としてはどのような方法も採用できるが、特に押出機中で行うのが好適である。又、有機過酸化物が結晶性ポリプロピレン樹脂に均一に分散するように、両者を加熱混練する前に、予め両者をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブラベンダー・プラストグラフ(登録商標)等の混合機を用いて十分混合しても良い。更に、有機過酸化物の分散性を向上するために、有機過酸化物を適当な媒体に混合したものも使用することができる。かくすることにより、樹脂(e)を製造することができる。
【0020】
本発明で用いられるポリエチレン系樹脂(d)(以下、樹脂(d)という。)は、低密度ポリエチレン及び/又は無定形ないし低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体からなる。
【0021】
樹脂(d)として用いられる低密度ポリエチレンは、特に密度が0.925g/cm以下のものが望ましく、密度が0.925g/cmを超えるものを用いると、高速成形性に劣ることとなる。このような低密度ポリエチレンは、公知の方法、特に高圧法により製造される。
【0022】
樹脂(d)として用いられる無定形ないし低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンの1種又は2種以上との共重合体、並びにエチレンとα−オレフィン(好ましくはプロピレン)及び1,3−ブタジエン、イソプレン、(ジ)シクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等のジオレフィンとの共重合体が挙げられる。これらの中でも、エチレンとプロピレン又は1−ブテンとの共重合体、特にエチレンと1−ブテンとの共重合体が好ましい。
【0023】
上記共重合体は、密度が0.86〜0.90g/cm、特に0.870〜0.890g/cmのものが好ましく、又、メルトインデックス(MI:JISK 7210;荷重2.16kg,190℃で測定)が0.5〜30g/10分、特に1〜7g/10分のものが好ましい。
【0024】
樹脂(d)の内の上記低密度ポリエチレンの使用は、ポリプロピレン樹脂組成物(B)の高速押出し被覆加工性をより改良し、上記無定形ないし低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体の使用は、ヒートシール温度をより低温化する。又、両者の使用は、それらの相乗効果を発揮する。両者を使用する場合、上記低密度ポリエチレンと上記無定形ないし低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体との使用割合が、重量比で1:0.5〜1:2.0となるようにするのが好ましい。
【0025】
前記樹脂(c)と前記樹脂(d)との使用割合は、前者を70〜90重量%、後者を30〜10重量%とするのが望ましい。前記樹脂(c)と前記樹脂(d)との混合方法は、特に制限されるものではないが、両者を溶融下混練する方法が、両者が均一に混合されるので特に望ましい。溶融混練は、押出機を用いるのが好ましい。特に、前記樹脂(c)と前記樹脂(d)を用いて、延伸フィルム(A)に押出し被覆する際に、上記のように両者を混合するのが望ましい。
【0026】
上記のようにして、ポリプロピレン樹脂組成物(B)は調製されるが、この樹脂組成物(B)は、必要に応じて公知の添加剤、例えば酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、滑剤、着色剤等を添加しても良い。又、これらの添加剤は、前記樹脂(a)及び/又は前記樹脂(b)に添加することができる。
【0027】
本発明の複合フィルムは、前記樹脂層(a)と結晶性ポリプロピレン層(b)とからなる二層共押出し延伸フィルム(A)の樹脂層(a)側に、前記樹脂(c)と前記樹脂(d)とからなるポリプロピレン樹脂組成物(B)を、押出し被覆してなるものである。
【0028】
上記延伸フィルム(A)は、前記樹脂(a)と前記樹脂(b)を共押出しして、二層からなるフィルム状に成形した後、延伸することにより得られる。樹脂(a)と樹脂(b)の共押出しは、通常行われる方法に従えば良い。又、フィルム状成形体を延伸する方法は、該成形体を通常の方法で一軸又は二軸に延伸すれば良いが、特に二軸に延伸するのが望ましい。
【0029】
該成形体の延伸は、延伸フィルム(A)の厚さが、1〜100μm、好ましくは5〜50μmとなるような延伸倍率で行われるが、延伸倍率は通常4〜15倍である。延伸フィルム(A)における前記樹脂層(a)と結晶性ポリプロピレン層(b)の厚さは、結晶性ポリプロピレン層(b)の方が、前記樹脂層(a)よりも厚くなるようにするのが望ましい。
【0030】
上記のようにして得られた延伸フィルム(A)の樹脂層(a)側に、上記樹脂組成物(B)を押出し被覆して、本発明の複合フィルムとする。
【0031】
押出し被覆の方法は、通常の方法、代表的には上記延伸フィルム(A)上に、上記樹脂組成物(B)を溶融、Tダイから押出して、両者を熱時圧着して成形することによりなされる。樹脂組成物(B)からなる被覆層の厚さは、任意であるが、通常は5〜50μmである。
【0032】
上記のようにして、本発明の複合フィルムは製造されるが、該複合フィルムは、その片面又はその両面に他の部材を積層することができる。他の部材としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂のフィルム若しくはシート、アルミニウム、鉄、銅等の金属、それら金属の合金等の箔若しくは板、セロファン、紙、布、不織布等が挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。なお、例におけるパーセント(%)は、ヘイズ以外は重量基準であり、複合フィルムの物性の測定は、次の試験法に従った。
【0034】
ヘイズ
ASTM D1003
樹脂層(a)のヒートシール温度
二層共押出し延伸フィルム(A)の樹脂層(a)面同志を、シール時間1.0秒、シール面圧2.0kgf/cmにて、各シール温度でヒートシールし、得られた積層物から15mm幅の試験片を切り取り、引張り速度300mm/分でヒートシール部を剥離し、この時の剥離強度が300gf/15mmに対応するヒートシール温度を求めた。
【0035】
ヒートシール性
複合フィルムの押出被覆層(B)同志を、シール時間1.0秒、シール面圧2.0kgf/cmにて、各シール温度でヒートシールし、得られた積層物から15mm幅の試験片を切り取り、引張り速度300mm/分でヒートシール部を剥離した時の強度を示した。
【0036】
ラミ剥離強度
幅15mmの複合フィルムの、二層共押出し延伸フィルム(A)の樹脂層(a)と押出被覆層(B)との間の接着強度を、180度の角度で引張り速度300mm/分で剥離した時の強度を示した。
【0037】
(実施例1〜3)(比較例1,2)
樹脂(a)としてプロピレン−エチレンランダム共重合体(RCP)(エチレン含有量3.8%,MFR1.8g/10分)とプロピレン−ブテン共重合体ゴム(PBR)(1−ブテン含有量30.0%,密度0.89g/cm,MI3.2g/10分)を表1に示す割合で用いて得た樹脂組成物と、結晶性ポリプロピレン(b)としてMFR2.5g/10分のホモポリプロピレンとを、押出成形機のTダイから共押出しして、フィルム状成形体を得た後、二軸延伸機により延伸して厚さ25μm((a)層3μm)の二層共押出し延伸フィルム(A)を得た。
【0038】
樹脂(c)としてエチレン含有量3.8%,MFR0.2g/10分のRCP100部(重量部、以下同じ)に、酸化防止剤0.15部、中和剤0.05部、アンチブロッキング剤0.3部、滑剤0.1部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン20%と流動パラフィン80%とからなる混合物を有機過酸化物として0.16部をそれぞれ加え、ヘシェルミキサーで混合した後、押出機に供給し、押出温度240℃で押出して、ペレット(MFR25g/10分)とし、この減成RCPのペレット80%及び樹脂(d)として低密度ポリエチレン(LDPE)(密度0.925g/cm,MI6.7g/10分)20%からなる混合物を押出機で混練して樹脂組成物(B)のペレットを得た。
【0039】
65mmφ押出機、ダイ幅1,200mmのTダイ方式押出し被覆加工装置を用い、上記で得られた二層フィルムの上記(a)層の上に、上記で得られた樹脂組成物(B)のペレットを、押出し被覆層の厚さが、表1に示す厚さとなるように、300℃で押出し被覆して、本発明の複合フィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、それらの結果を表1に示した。
【0040】
なお、比較例1では、二層共押出し延伸フィルム(A)が成形できなかった。
(実施例4)
樹脂(a)としてRCP(エチレン含有量5.2%,MFR3.0g/10分)のみを用いた以外は、実施例1〜3と同様にして複合フィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0041】
(実施例5)
樹脂(a)としてRCP(エチレン含有量3.8%,MFR1.8g/10分)とエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)(1−ブテン含有量20.0%,密度0.88g/cm,MI3.6g/10分)を表2に示す割合で用いて得た樹脂組成物を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして複合フィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0042】
(比較例3)
樹脂(d)としてのLDPEの代わりに、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして複合フィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0043】
(比較例4)
樹脂組成物(B)として、樹脂(d)としてのLDPEの代わりにHDPE及びEBR(1−ブテン含有量20.0%,密度0.88g/cm,MI3.6g/10分)を用いて得た、表2に示す組成割合の樹脂組成物(B)を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして複合フィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0044】
(比較例5)
樹脂組成物(B)として、樹脂(c)としての減成RCPの代わりに減成してないRCPを用い、かつ樹脂(d)としてのLDPEの代わりにHDPE及びEBR(1−ブテン含有量20.0%,密度0.88g/cm,MI3.6g/10分)を用いて得た、表2に示す配合割合の樹脂組成物(B)を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして複合フィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0045】
(比較例6)
二層共押出し延伸フィルム(A)に代えて、ホモポリプロピレン(MFR2.5g/10分)の単層延伸フィルム(OPP)(厚さ25μm)を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして複合フィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0046】
(比較例7)
ホモポリプロピレン(MFR3.0g/10分)のOPP(厚さ20μm)とホモポリプロピレン(MFR9.0g/10分)の無延伸フィルム(厚さ20μm)を、ポリエ−テル−ウレタン系接着剤を用いて(塗布量3g/m)ドライラミネーションして積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0047】
【表1】
Figure 0003634475
【表2】
Figure 0003634475
【0048】
【発明の効果】
本発明の複合フィルムは、包装に用いた場合、基材層とシール層間の層間剥離が無く、ヒートシール強度が大きく、良好な透明性を有する。

Claims (3)

  1. 110〜130℃のヒートシール温度を有するポリプロピレン樹脂層(a)と結晶性ポリプロピレン層(b)とからなる二層共押出し延伸フィルム(A)の樹脂層(a)側に、メルトフローレイト(MFR)が0.1〜3.0g/10分、エチレン含有量が2.0〜5.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる結晶性ポリプロピレン樹脂を、有機過酸化物の存在下減成してなるMFRが7〜30g/10分のポリプロピレン樹脂()と低密度ポリエチレン及び/又は無定形ないし低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体からなるポリエチレン系樹脂(d)とからなるポリプロピレン樹脂組成物(B)を押出し被覆してなる包装用ポリプロピレン複合フィルム。
  2. ポリプロピレン樹脂層(a)が、プロピレン−オレフィンランダム共重合体又は該ランダム共重合体とオレフィン系重合体ゴムとからなる請求項1に記載の包装用ポリプロピレン複合フィルム。
  3. ポリプロピレン樹脂組成物(B)が、メルトフローレイト(MFR)が0.1〜3.0g/10分、エチレン含有量が2.0〜5.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる結晶性ポリプロピレン樹脂を、有機過酸化物の存在下減成してなるMFRが7〜30g/10分のポリプロピレン樹脂(e)70〜90重量%並びに低密度ポリエチレン及び/又は無定形ないし低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体からなるポリエチレン系樹脂(d)30〜10重量%からなる樹脂組成物である請求項1又は2に記載の包装用ポリプロピレン複合フィルム。
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