JP2001266809A - ポリマー電池用包装材料およびその製造方法 - Google Patents

ポリマー電池用包装材料およびその製造方法

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JP2001266809A
JP2001266809A JP2000073842A JP2000073842A JP2001266809A JP 2001266809 A JP2001266809 A JP 2001266809A JP 2000073842 A JP2000073842 A JP 2000073842A JP 2000073842 A JP2000073842 A JP 2000073842A JP 2001266809 A JP2001266809 A JP 2001266809A
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Yoichi Mochizuki
洋一 望月
Rikiya Yamashita
力也 山下
Masataka Okushita
正隆 奥下
Kazuki Yamada
一樹 山田
Hiroshi Miyama
洋 宮間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリマー電池包装に用いる材料として、ポリマ
ー電池本体の安定した保護物性とともに、生産性の良い
製造方法を提供する。 【解決手段】基材層、接着層、化成処理層、アルミニウ
ム、化成処理層、接着樹脂層、最内樹脂層からなり、接
着樹脂層が酸変性ポリプロピレンを種成分とし、最内樹
脂層が少なくともエチレンコンテントが5〜10mol
%であるエチレンリッチなランダムポリプロピレンから
なる層を含むフィルムからなり、最内樹脂層と接着樹脂
層とがサンドイッチラミネートされた積層体であること
を特徴とするポリマー電池用包装材料であり、また、得
られた積層体を後加熱により前記接着樹脂がその軟化点
以上になる条件で加熱するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性、耐内容物
性を有する、液体または固体有機電解質(高分子ポリマ
ー電解質)を持つポリマー電池用包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマー電池とは、リチウム2次電池と
もいわれ、高分子ポリマー電解質を持ち、リチウムイオ
ンの移動で電流を発生する電池であって、正極・負極活
物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。
リチウム2次電池の構成は、正極集電材(アルミニウ
ム、ニッケル)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボ
ンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリ
ル等の高分子正極材料)/電解質層(プロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレ
ンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチ
ウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質)/負極活
性物質(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリ
アクリロニトリルなどの高分子負極材料)/負極集電材
(銅、ニッケル、ステンレス)及びそれらを包装する外
装体からなる。ポリマー電池の用途としては、パソコ
ン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、ビデオカメ
ラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、
衛星等に用いられる。前記ポリマー電池の外装体として
は、金属をプレス加工して円筒状または直方体状に容器
化した金属製缶、あるいは、最外層、アルミニウム、シ
ーラント層から構成される積層体を袋状にしたものが用
いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、ポリマー電
池の外装体として、次のような問題があった。金属製缶
においては、容器外壁がリジッドであるため、電池自体
の形状が決められてしまう。そのため、ハード側を電池
にあわせる設計をするため、該電池を用いるハードの寸
法が電池により決定されてしまい形状の自由度が少なく
なる。そこで、積層体を袋状にしてポリマー電池本体を
収納するパウチタイプまたは、前記積層体をプレス成形
して凹部を形成し、該凹部にポリマー電池本体を収納す
るエンボスタイプが開発されている。エンボスタイプ
は、パウチタイプと比較して、よりコンパクトな包装体
が得られる。いずれのタイプの外装体であっても、ポリ
マー電池としての防湿性あるいは耐突き刺し性等の強
度、絶縁性等は、ポリマー電池の外装体として欠かせな
いものである。そして、ポリマー電池用包装材料として
は、少なくとも、基材層、バリア層、最内樹脂層からな
る積層体とする。そして、前記各層の層間の接着強度
が、ポリマー電池の外装体として必要な性質に影響をあ
たえることが確認されている。例えば、バリア層と最内
樹脂層との接着強度が不十分であると、外部から水分の
浸入の原因となり、ポリマー電池を形成する成分の中の
電解質と前記水分との反応により生成するフッ化水素酸
により前記アルミニウム面が腐食して、バリア層と最内
樹脂層との間にデラミネーションが発生する。また、前
記エンボスタイプの外装体とする際に、前記積層体をプ
レス成形して凹部を形成するが、この成形の際に最外層
とバリア層との間にデラミネーションが発生することが
ある。
【0004】そこで、本発明者らは、アルミニウム面に
対して、酸変性ポリプロピレンのエマルジョンを塗布、
焼付けして皮膜を形成し、酸変性ポリプロピレン樹脂を
接着樹脂とするサンドイッチラミネート法によりヒート
シール性フィルムをラミネートすると、接着強度は改善
されることを確認したが、前記酸変性ポリプロピレンの
エマルジョンコート後の焼付けに時間がかかり生産効率
が良くなかった。また、前記最内樹脂層としては、耐熱
性、ヒートシール性、防湿性等において安定した特性を
有するランダムポリプロピレンが用いられるが、従来の
ランダムタイプのポリプロピレンを用いた場合には、ポ
リマー電池用包装材料としてストレスを受けると、その
部位において、フィルムが白化したりクラックが発生す
ることがあった。本発明の目的は、ポリマー電池包装に
用いる材料として、ポリマー電池本体の安定した保護物
性とともに、生産性の良い製造方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材層、接着
層、化成処理層、アルミニウム、化成処理層、接着樹脂
層、最内樹脂層からなり、接着樹脂層が酸変性ポリプロ
ピレンを種成分とし、最内樹脂層が少なくともエチレン
コンテントが5〜10mol%であるエチレンリッチな
ランダムポリプロピレンからなる層を含むフィルムから
なり、最内樹脂層と接着樹脂層とがサンドイッチラミネ
ートされた層であることを特徴とするポリマー電池用包
装材料であって、化成処理がリン酸クロメート処理であ
ること、前記接着層がドライラミネート法により形成さ
れたこと、前記ヒートシール性フィルムがエチレンコン
テントを5〜10mol%含むランダムポリプロピレン
であること、前記最内樹脂層がエチレンリッチなランダ
ムポリプロピレンからなる樹脂層を少なくとも1層有す
る多層構成からなること、前記最内樹脂層にブロッキン
グ防止剤が添加されていることを含むものである。ま
た、その製造方法は、アルミニウムの両面に化成処理を
施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライ
ラミネートした後、前記化成処理を施した他の面と最内
樹脂層をエチレンリッチなランダムポリプロピレンフィ
ルムとし酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂として、
サンドイッチラミネート法によりラミネートする。そし
て得られた積層体を後加熱により、前記接着樹脂がその
軟化点以上になる条件に加熱する方法、また、アルミニ
ウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施
した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処
理を施した他の面と最内樹脂層をエチレンリッチなラン
ダムポリプロピレンを含む多層フィルムし、酸変性ポリ
プロピレン樹脂を接着樹脂として、サンドイッチラミネ
ート法によりラミネートして得られた積層体を後加熱に
より、前記接着樹脂がその軟化点以上になる条件に加熱
する方法、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材
と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネート
した後、前記化成処理を施した他の面を酸変性ポリプロ
ピレン樹脂の軟化点温度以上に加熱して、最内樹脂層を
エチレンリッチなランダムポリプロピレンフィルムと
し、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂としてサンド
イッチラミネート法により積層する方法、アルミニウム
の両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した
一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を
施した他の面を酸変性ポリオレフィンの軟化点温度以上
に加熱して、最内樹脂層をエチレンリッチなランダムポ
リプロピレン層を含む多層フィルムし、酸変性ポリプロ
ピレン樹脂を接着樹脂としてサンドイッチラミネート法
により積層する方法が利用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、防湿性、耐内容物性、
及び、生産性のよいポリマー電池用包装材料であって、
バリア層の両面に化成処理を施し、最内樹脂層をサンド
イッチラミネート法によりラミネートし、その後、加熱
により接着強度を向上することを特徴とする。図1は、
本発明のポリマー電池用包装材料における積層体の構成
を説明する断面図であり、(a)は、最内樹脂層が単層
の例であり、(b)は、最内樹脂層が多層の例である。
図2は、ポリマー電池のパウチタイプの外装体を説明す
る斜視図である。図3は、ポリマー電池のエンボスタイ
プの外装体を説明する斜視図である。図4は、エンボス
タイプにおける成形を説明する、(a)斜視図、(b)
エンボス成形された外装体本体、(c)X2−X2部断面
図、(d)Y1部拡大図である。図5は、ポリマー電池
用包装材料を製造するサンドイッチラミネートを説明す
る概念図である。図6は、ポリマー電池用包装材料とタ
ブとの接着における接着性フィルムの装着方法を説明す
る斜視図である。
【0007】ポリマー電池用包装材料が、例えばナイロ
ン/接着層/アルミニウム/接着層/キャストポリプロ
ピレンであり、前記接着層がドライラミネート法により
形成されていると、ポリマー電池の外装体がエンボスタ
イプの場合、プレス成形において、前記側壁部において
アルミニウムと基材層との間が剥離するデラミネーショ
ンがおこることが多く、また、ポリマー電池本体を外装
体に収納してその周縁をヒートシールする部分において
もデラミネーションの発生があった。また、電池の構成
要素である電解質と水分との反応により生成するフッ化
水素により、アルミニウムの内面側表面が侵され、デラ
ミネーションを起こすことがあった。
【0008】また、エンボス成形段階でキャストポリプ
ロピレン層部分に白化やクラックが生じることがあっ
た。また、パウチタイプの外装体等において、積層体を
折り曲げ加工したとき、キャストポリプロピレン層にク
ラックが入り、そのクラック部分からアルミニウムの腐
食を促進させる場合があった。
【0009】そこで、本発明者らはアルミニウムの両面
に化成処理を施し、また、アルミニウムの内容物側の化
成処理面に不飽和カルボン酸グラフトランダムプロピレ
ン等の酸変性ポリプロピレンを接着樹脂層として設ける
こと、及び、最内樹脂層としてエチレンリッチなランダ
ム重合タイプのポリプロピレン(以下、エチレンリッチ
なランダムポリプロピレン、または、ERRPと記載す
ることがある)とすることで、前記課題を解決できるこ
とを見出し、さらに、その製造方法としてアルミニウム
の両面に化成処理を施し、また、アルミニウムの内容物
側の化成処理面に、酸変性ポリプロピレンを接着性樹脂
として押出し、前記ERRPフィルムをサンドイッチラ
ミネート法(図5)により積層した後、得られた積層体
を後加熱することによって、前記課題を解決できること
を見出し本発明を完成するに到った。前記後加熱を行う
ことによって、バリア層と接着樹脂層あるいは接着樹脂
層と最内樹脂層との接着強度を向上させることができ
る。前記接着強度をあげる別の方法としては、前記サン
ドイッチラミネートの際に、酸変性ポリプロピレンの押
出し面、すなわち、アルミニウム面の表面温度が酸変性
ポリプロピレンの軟化点温度以上に加熱する方法であっ
てもよい。
【0010】本発明のポリマー電池用包装材料の層構成
は、図1(a)に示すように、少なくとも基材層11、
接着層16、化成処理層15(1)、アルミニウム1
2、化成処理層15(2)、接着樹脂層13、最内樹脂
層14からなる積層体であり、前記接着樹脂層13が酸
変性ポリプロピレンであり、最内樹脂層14がエチレン
リッチなランダムポリプロピレンフィルムであり、また
は、図1(b)に示すように、最内樹脂層14が少なく
ともエチレンリッチなランダムポリプロピレンからなる
層を含む多層フィルムであり、化成処理層15(2)に
サンドイッチラミネート法により積層体とするものであ
る。さらに、前記サンドイッチラミネート工程におい
て、アルミニウムのラミネート面を酸変性ポリプロピレ
ンの軟化点以上に加熱する、または、ラミネートされた
積層体を後加熱によって、酸変性ポリプロピレンの軟化
点以上に加熱するものである。
【0011】本発明は、図1(a)または図1(b)に
示すように、バリア層12の両面に化成処理層15を設
けること、エチレンリッチなランダムプロピレンからな
る最内樹脂層14をバリア層12の内面側に、接着樹脂
13を押出してサンドイッチラミネートして積層し、さ
らに、形成された積層体を後加熱、または、サンドイッ
チラミネート時にラミネート面の表面温度を、接着樹脂
の軟化点以上に加熱するものである。
【0012】ポリマー電池用包装材料はポリマー電池本
体を包装する外装体として用いられるものであって、そ
の外装体の形式によって、図2に示すようなパウチタイ
プと、図3(a)、図3(b)および図3(c)に示す
ようなエンボスタイプとがある。前記パウチタイプに
は、三方シール、四方シール等およびピロータイプ等の
袋形式があるが、図2は、ピロータイプとして例示して
いる。また、前記エンボスタイプとしては、図3(a)
に示すように、片面に凹部を形成しても良いし、図3
(b)に示すように、両面に凹部を形成してポリマー電
池本体を収納して周縁の四方をヒートシールして密封し
ても良い。また、図3(c)に示すような折り部をはさ
んで両側に凹部形成して、ポリマー電池を収納して3辺
をヒートシールする形式もある。エンボスタイプの外装
体の場合には、ポリマー電池本体を包装する収納部とな
る凹部を形成するために成形性の優れた積層体であるこ
とが要求される。
【0013】本発明におけるポリマー電池用包装材料の
層構成は、図1に示すように、少なくとも最外層11、
化成処理層15(1)、バリア層12、化成処理層15
(2)、接着樹脂層15および最内樹脂層14からなる
積層体であり、前記最内樹脂層14は、サンドイッチラ
ミネート法により積層するものである。そして、前記最
内樹脂層14を形成するフィルムはERRPからなるフ
ィルム、または、ERRPからなる層を少なくとも1層
以上含む多層フィルムとするものである。次に、積層体
の各層を構成する材料および貼り合わせについて説明す
る。
【0014】本発明における前記最外層11は、延伸ポ
リエステルまたはナイロンフィルムからなるが、この
時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエ
ステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロ
ンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、
ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重
合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミ
ド(MXD6)等が挙げられる。
【0015】前記最外層11は、ポリマー電池として用
いられる場合、ハードと直接接触する部位であるため、
基本的に絶縁性を有する樹脂層がよい。フィルム単体で
のピンホールの存在、および加工時のピンホールの発生
等を考慮すると、最外層は6μm以上の厚さが必要であ
り、好ましい厚さとしては12〜25μmである。
【0016】本発明においては、最外層11は耐ピンホ
ール性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させ
るために、積層化することも可能である。最外層11を
積層体化する場合、最外層11は2層以上の樹脂層を少
なくとも一つを含み、各層の厚みが6μm以上、好まし
くは、12〜25μmである。最外層11を積層化する
例としては、図示はしないが次の1)〜7)が挙げられ
る。 1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン 2)延伸ナイロン/延伸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト また、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中で
の搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質
性)、2次加工としてポリマー電池用の外装体をエンボ
スタイプとする際に、エンボス時の金型と最外層との摩
擦抵抗を小さくする目的で、最外層11を多層化、最外
層表面にフッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコー
ン系樹脂層等を設けることが好ましい。例えば、 3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート
(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティ
ング後乾燥で形成) 4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コ
ーティング後乾燥で形成) 5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/
延伸ナイロン 6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト/延伸ナイロン 7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂は
フィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化)
【0017】前記バリア層12は、外部からポリマー電
池の内部に特に水蒸気が浸入することを防止するための
層で、バリア層単体のピンホール、及び加工適性(パウ
チ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホール
をもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニ
ッケルなどの金属、又は、無機化合物、例えば、酸化珪
素、アルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられる
が、バリア層として好ましくは厚さが20〜80μmの
アルミニウムとする。ピンホールの発生をさらに改善
し、ポリマー電池の外装体のタイプをエンボスタイプと
する場合、エンボス成形におけるクラックなどの発生の
ないものとするために、本発明者らは、バリア層12と
して用いるアルミニウム12の材質が、鉄含有量が0.
3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%と
することによって、鉄を含有していないアルミニウムと
比較して、アルミニウムの展延性がよく、積層体として
折り曲げによるピンホールの発生が少なくなり、かつ前
記エンボスタイプの外装体を成形する時に側壁の形成も
容易にできることを見出した。前記鉄含有量が、0.3
重量%未満の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボ
ス成形性の改善等の効果が認められず、前記アルミニウ
ムの鉄含有量が9.0重量%を超える場合は、アルミニ
ウムとしての柔軟性が阻害され、積層体として製袋性が
悪くなる。
【0018】また、冷間圧延で製造されるアルミニウム
は焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・
腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるア
ルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、
多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にある
アルミニウムがよい。前記、アルミニウムの柔軟性・腰
の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、
加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定
すればよい。たとえば、エンボス成形時のしわやピンホ
ールを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなま
しされた軟質アルミニウムを用いることができる。
【0019】本発明の課題に対して、本発明者らは、鋭
意研究の結果、ポリマー電池用包装材料のバリア層12
であるアルミニウムの表、裏面に化成処理を施すことに
よって、前記包装材料として満足できる積層体とするこ
とができた。前記化成処理とは、具体的にはリン酸塩、
クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の
耐酸性皮膜を形成することによってエンボス成形時のア
ルミニウムと基材層との間のデラミネーション防止と、
ポリマー電池の電解質と水分とによる反応で生成するフ
ッ化水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、特に
アルミニウムの表面に存在する酸化アルミが溶解、腐食
することを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着性
(濡れ性)を向上させ、エンボス成形時、ヒートシール
時の基材層とアルミニウムとのデラミネーション防止、
電解質と水分との反応により生成するフッ化水素による
アルミニウム内面側でのデラミネーション防止効果が得
られた。各種の物質を用いて、アルミニウム面に化成処
理を施し、その効果について研究した結果、前記耐酸性
皮膜形成物質のなかでも、フェノール樹脂、フッ化クロ
ム(3)化合物、リン酸の3成分から構成されたものを
用いるリン酸クロメート処理が良好であった。
【0020】前記化成処理15は、ポリマー電池の外装
体がパウチタイプの場合には、アルミニウムの最内層側
の片面だけでよい。ポリマー電池の外装体がエンボスタ
イプの場合には、アルミニウムの両面に化成処理するこ
とによって、エンボス成形の際のアルミニウムと基材層
との間のデラミネーションを防止することができる。ア
ルミニウムの両面に化成処理した積層体をパウチタイプ
に用いてもよい。
【0021】さらに、本発明者らは、安定した接着強度
を示す積層方法について鋭意研究の結果、基材層と両面
に化成処理したバリア層の片面とをドライラミネート
し、バリア層の他の面に酸変性ポリプロピレンを接着樹
脂として酸変性ポリプロピレンを押出し、、最内樹脂層
となるエチレンリッチなランダムポリプロピレンフィル
ムをサンドイッチラミネートして積層体とした後、該積
層体を前記接着樹脂がその軟化点以上になる条件に加熱
することによって、所定の接着強度を有する積層体とす
ることができた。
【0022】前記加熱の具体的な方法としては、熱ロー
ル接触式、熱風式、近または遠赤外線等の方法がある
が、本発明においてはいずれの加熱方法でもよく、前述
のように、接着樹脂がその軟化点温度以上に加熱できれ
ばよい。
【0023】また、別の方法としては、前記、サンドイ
ッチラミネートの際に、アルミニウムの最内樹脂層側の
表面温度が酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点に到達す
る条件に加熱することによっても接着強度の安定した積
層体とすることができた。
【0024】最内樹脂層14に、用いる前記エチレンリ
ッチなランダムポリプロピレンは、エチレンコンテント
が5〜10mol%、好ましくは6〜8mol%の範囲
である。本発明者らは、このように、ポリマー電池用包
装材料の最内樹脂層にERRPを用いることによって、
外装体として、パウチ化、エンボス化における白化、ク
ラックの発生を防止できることを見出した。
【0025】本発明において最内樹脂層に用いるERR
Pは、通常のランダムプロピレンと比較して、樹脂が柔
軟であるため、滑り性が悪くなる。その対策しては、最
内樹脂層にアンチブロッキング剤(以下、AB剤記載)
を添加してもよい。AB剤の添加量は、添加する樹脂層
に対して0.1〜2.0重量%程度の範囲である。
【0026】最内樹脂層が多層の場合には、AB剤はシ
ール面を形成する層に添加すれば良い。AB剤を最内樹
脂層に添加することによって、シール層表面の摩擦係数
の低減によるすべり性が向上し、ポリマー電池用包装材
料の二次加工である製袋、エンボス加工性が良くなる。
添加するAB剤は、平均粒径15μmΦ以下のシリカ、
ゼオライト等の無機系滑材、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂からなる樹脂ビーズ等の有機系滑材を用いること
ができる。
【0027】本発明のポリマー電池用包装材料におけ
る、接着樹脂としての前記酸変性ポリプロピレンとして
は (1)ビガット軟化点115℃以上、融点150℃以上
のホモタイプ、 (2)ビガット軟化点105℃以上、融点130℃以上
のエチレンープロピレンとの共重合体(ランダム共重合
タイプ) (3)融点110℃以上である不飽和カルボン酸を用い
酸変性重合した単体又はブレンド物 等を用いることができる。また、前記前記酸変性ポリプ
ロピレンには、密度が900kg/m3以下の低結晶性
のエチレンーブテン共重合体、低結晶性のプロピレンー
ブテン共重合体、あるいは、非晶性のエチレンープロピ
レン共重合体、非晶性のプロピレンーエチレン共重合体
やエチレン−ブテン−プロピレン共重合体(ターポリマ
ー)等を5%以上添加して柔軟性を付与し、耐折り曲げ
性の向上、成形時でのクラック防止を行ってもよい。
【0028】本発明のポリマー電池用包装材料における
積層体の最内樹脂層14には、エチレンリッチなランダ
ムポリプロピレン(ERRP)が好適に用いられる。最
内樹脂層にERRPを用いるのは、ERRP同士でのヒ
ートシール性がよいこと、防湿性、耐熱性等のポリマー
電池用包装材料の最内樹脂層としての要求される保護物
性を有し、また、ラミネート加工性の良さ、エンボス成
形性の良さ等により、望ましい材質である。本発明のポ
リマー電池用包装材料としての前記ERRPは、厚さ3
0〜100μm、融点(120℃以上)のものが望まし
い。また、最内樹脂層としては、前記ERRP単層フィ
ルムでもよいし、少なくともERRPからなる層を一層
以上含む多層フィルムであっても良い。最内樹脂層の具
体的構成例を示す。なお、いずれの構成例も右側が内容
物側である。 (1)ERRP単体(AB剤添加) (2)ERRP/ERRP(AB剤添加) (3)ERRP/PP (4)ERRP/PP/ERRP(AB剤添加) (5)PP/ERRP(AB剤添加) (6)ERRP/LLDPE/ERRP(AB剤添加) (7)ERRP/ホモPP {略号等の説明 ERRP:エチレンリッチなランダム
ポリプロピレン、PP:エチレンコンテント3〜4mo
l%のランダムポリプロピレン、ホモPP:ホモタイプ
ポリプロピレン、LLDPE:線状低密度ポリエチレ
ン、/:共押出しを示す}前掲の(7)ERRP/ホモ
PPからなる最内樹脂層は、パウチ化等においてわずか
に白化することはあるが、ホモPPの滑りが良いため、
エンボス成形性がよい。
【0029】本発明のポリマー電池用包装材料の積層体
として、前記、基材層、バリア層、最内樹脂層の他に、
バリア層と最内樹脂層との間に中間層を設けてもよい。
中間層は、ポリマー電池用包装材料としての強度向上、
バリア性の改善安定化などのために積層されることがあ
る。
【0030】本発明の積層体における前記の各層には、
適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ
化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のため
に、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理
等の表面活性化処理をしてもよい。
【0031】エチレンリッチなランダムポリプロピレン
は金属に対するヒートシール性がないため、ポリマー電
池におけるタブ部のヒートシールの際には、図6
(a)、図6(b)、図6(c)に示すように、タブと
積層体の最内樹脂層との間に、金属とERRPとの双方
に対してヒートシール性を有する接着フィルムを介在さ
せることにより、タブ部での密封性も確実となる。前記
接着フィルムは、図6(d)、図6(e)、図6(f)
に示すように、タブの所定の位置に巻き付けても良い。
前記接着性フィルムとしては、前記不飽和カルボン酸グ
ラフトポリオレフィン、金属架橋ポリエチレン、エチレ
ンまたはプロピレンとアクリル酸、またはメタクリル酸
との共重合物からなるフィルムを用いることができる。
【0032】本発明のポリマー電池用包装材料における
基材とバリア層の化成処理面とは、ドライラミネート法
によって貼り合わせることが望ましい。前記、基材とア
ルミニウムのリン酸クロメート処理面とのドライラミネ
ートに用いる接着剤としては、ポリエステル系、ポリエ
チレンイミン系、ポリエーテル系、シアノアクリレート
系、ウレタン系、有機チタン系、ポリエーテルウレタン
系、エポキシ系、ポリエステルウレタン系、イミド系、
イソシアネート系、ポリオレフィン系、シリコーン系の
各種接着剤を用いることができる。
【0033】
【実施例】本発明のポリマー電池用包装材料について、
実施例によりさらに具体的に説明する。化成処理は、い
ずれも、処理液として、フェノール樹脂、フッ化クロム
(3)化合物、リン酸からなる水溶液を、ロールコート
法により、塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件
において焼き付けた。クロムの塗布量は、10mg/m2
(乾燥重量)である。本発明のポリマー電池用包装材料
について、実施例によりさらに具体的に説明する。ま
た、エンボスは片面エンボスとし、成形部の凹部(キャ
ビティ)の形状は、30mm×50mm、深さ3.5m
mとして成形して成形性の評価をした。実施例中で用い
た、酸変性ポリプロピレンは、軟化点105℃、融点1
46℃のランダムタイプポリプロピレンベース不飽和カ
ルボン酸変性ポリプロピレンを用いた。ERRP(エチ
レンリッチなランダムポリプロピレン)は、いずれも、
エチレンコンテント7mol%のランダムプロピレン
で、融点132℃のものを用いた。また、PP(ランダ
ムプロピレン)は、エチレンコンテント3mol%、融
点140℃のものを用いた。
【0034】実施例1(パウチタイプ) アルミニウム20μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸
変性ポリプロピレンを接着樹脂として、20μmの厚さ
に押出して、ERRPからなるフィルム(厚さ30μ
m)をサンドイッチラミネート法により積層し、得られ
た積層体を酸変性ポリプロピレンの軟化点以上となる条
件で加熱して検体実施例1を得た。なお、ERRPフィ
ルムの製膜において、シリカ(平均粒径 10μm)を
0.2重量%添加した。 実施例2(エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸
変性ポリプロピレンを接着樹脂として20μmの厚さに
押出して、ERRPからなるフィルム(厚さ30μm)
をサンドイッチラミネート法により積層し、得られた積
層体を酸変性ポリプロピレンの軟化点以上となる条件で
加熱して検体実施例2を得た。なお、ERRPフィルム
の製膜において、シリカ(平均粒径 10μm)を0.
2重量%添加した。 実施例3(エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面を赤外
線および熱風の吹き付けにより、その表面温度が150
℃とした状態で、酸変性ポリプロピレンを接着樹脂とし
て20μmの厚さに押出して、ERRPからなるフィル
ム(厚さ30μm)をサンドイッチラミネート法により
積層して検体実施例3を得た。なお、ERRPフィルム
の製膜において、シリカ(平均粒径 10μm)を0.
2重量%添加した。 実施例4(エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸
変性ポリプロピレンを接着樹脂として20μmの厚さに
押出して、ERRP(AB剤を下記により添加した4
種)からなるフィルム(厚さ30μm)をサンドイッチ
ラミネート法により積層し、得られたそれぞれの積層体
を酸変性ポリプロピレンの軟化点以上となる条件で加熱
して検体実施例(4−1)〜(4−4)を得た。 (4−1)平均筒部8μmのゼオライトを0.5重量%
添加 (4−2)平均筒部8μmのゼオライトを1.2重量%
添加 (4−3)平均筒部10μmのアクリル樹脂0.8重量
%添加 (4−4)平均筒部10μmのアクリル樹脂1.5重量
%添加 実施例5(エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸
変性ポリプロピレンを接着樹脂として20μmの厚さに
押出して、ERRP5/PP20/ERRP5からなる
多層フィルム(厚さ30μm)をサンドイッチラミネー
ト法により積層し、得られた積層体を酸変性ポリプロピ
レンの軟化点以上となる条件で加熱して検体実施例2を
得た。なお、ERRPフィルムの製膜において、最内層
となるERRP層(厚さ5μm)にシリカ(平均粒径
10μm)を0.2重量%添加した。
【0035】比較例1(パウチタイプ) アルミニウム20μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸
変性ポリプロピレンを接着樹脂として20μmの厚さに
押出して、PPからなるフィルム(厚さ30μm)をサ
ンドイッチラミネート法により積層し、得られた積層体
を酸変性ポリプロピレンの軟化点以上となる条件で加熱
して検体比較例1を得た。 比較例2(エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸
変性ポリプロピレンを接着樹脂として20μmの厚さに
押出して、PPからなるフィルム(厚さ30μm)をサ
ンドイッチラミネート法により積層して検体比較例2を
得た得られた積層体を酸変性ポリプロピレンの軟化点以
上となる条件で加熱して検体比較例2を得た。 比較例3(エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸
変性ポリプロピレンを接着樹脂として20μmの厚さに
押出して、ERRPからなるフィルム(厚さ30μm)
をサンドイッチラミネート法により積層して検体比較例
3を得た。なお、ERRPフィルムの製膜において、シ
リカ(平均粒径 10μm)を0.2重量%添加した。 比較例4(エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、酸
変性ポリプロピレンを接着樹脂として20μmの厚さに
押出して、ERRP(AB剤無添加)なるフィルム(厚
さ30μm)をサンドイッチラミネート法により積層し
て検体比較例4を得た得られた積層体を酸変性ポリプロ
ピレンの軟化点以上となる条件で加熱して検体比較例4
を得た。
【0036】<エンボス成形、包装>得られた各検体の
内、実施例1および比較例1は、縦65mm×横40m
mのピロータイプのパウチを製袋した。また、実施例2
〜実施例5および比較例2〜比較例4は、片面エンボス
タイプの外装体とし、そのためのエンボス部は、55m
m×30mm、深さは3.5mmとした。得られた、パ
ウチおよびエンボスシート、それぞれ100ケにポリマ
ー電池本体を包装して密封シールをして下記の評価を行
った。なお、実施例、比較例とも、シールの巾はすべて
5mmとした。
【0037】<評価方法> 1)パウチ化、エンボス成形時のデラミネーションおよ
び白化、クラックパウチ化、またはエンボス直後にアル
ミニウムと基材層とのデラミネーションの有無、白化、
クラックの発生を確認した。 2)耐内容物性 保存条件として、各検体にリチウム塩を添加したカーボ
ネート系溶剤を封入し、60℃、90%RHの恒温槽
に、7日間保存した後に、アルミニウムと接着基部樹脂
層との接着面におけるデラミネーションの有無を確認し
た。
【0038】<結果>実施例1〜実施例5は、パウチ
化、エンボス成形において、いずれも白化、クラックの
発生はなかった。比較例1においては、100検体中1
5検体にパウチ内面折り曲げ部にクラックが発生した。
また、比較例2においては、100検体中、50検体の
成形側壁部に白化が認められた。実施例3においては、
白化、クラック等まったく問題がなかったが、比較例3
においては、耐内容物性において、すべての検体におい
てデラミネーションとなつた。実施例4は添加剤の種
類、量の4条件ともに、安定したエンボス成形性を示
し、比較例4は、エンボス成形において、100検体全
ての成形部にシワが生じ、20検体にピンホールが発生
した。実施例5は、白化、クラック認められず、また耐
内容物性においても問題はなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリマー電池用包装材料におい
て、最内樹脂層をエチレンリッチなランダムプロピレン
としたことによって、パウチの折り曲げ部、エンボス成
形部での白化あるいはクラックの発生がなくなり、外装
体としての密封性が安定する効果が顕著であった。ま
た、アルミニウムの両面に施した化成処理によって、エ
ンボス成形時、及びヒートシール時の基材層とアルミニ
ウムとの間でのデラミネーションの発生を防止すること
ができ、また、ポリマー電池の電解質と水分との反応に
より発生するフッ化水素によるアルミニウム面の腐食を
防止できることにより、アルミニウムとの内容物側の層
とのデラミネーションをも防止できる顕著な効果を示
す。また、最内樹脂層のエチレンリッチなランダムポリ
プロピレンフィルムは、酸変性ポリプロピレンを接着性
樹脂としてサンドイッチラミネート法により積層できる
ので生産性がよく、また後加熱処理、または、アルミニ
ウムのラミネート面を加熱した状態において、サンドイ
ッチラミネートすることによってポリマー電池用包装材
料としての満足する接着強度を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマー電池用包装材料における積層
体の構成を説明する断面図であり、(a)は、最内樹脂
層が単層の例であり、(b)は、最内樹脂層が多層の例
である。
【図2】ポリマー電池のパウチタイプの外装体を説明す
る斜視図である。
【図3】ポリマー電池のエンボスタイプの外装体を説明
する斜視図である。
【図4】エンボスタイプにおける成形を説明する、
(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、
(c)X2−X2部断面図、(d)Y1部拡大図である。
【図5】ポリマー電池用包装材料を製造するサンドイッ
チラミネートを説明する概念図である。
【図6】ポリマー電池用包装材料とタブとの接着におけ
る接着性フィルムの装着方法を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 ポリマー電池 2 ポリマー電池本体 3 セル(蓄電部) 4 タブ(電極) 5 外装体 6 接着フィルム(タブ部) 7 凹部 8 側壁部 9 シール部 10 積層体(ポリマー電池用包装材料) 11 基材層 12 アルミニウム(バリア層) 13 接着樹脂層 14 最内樹脂層 15 化成処理層 16 接着層 20 プレス成形部 21 オス型 22 メス型 23 キャビティ 30 サンドイッチラミネート装置 31 押出機 32 ダイ 33 溶融樹脂膜 34 チルロール 35 圧着ロール 36 最内樹脂層となるフィルム 37 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥下 正隆 東京都新宿区市ヶ谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 山田 一樹 東京都新宿区市ヶ谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 宮間 洋 東京都新宿区市ヶ谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA22B AB10B AK01A AK01D AK07C AK48 AK64D AL03D AL07C AR00C AT00A BA04 BA05 BA10A BA10D BA14D EJ68B EJ69B GB15 GB16 JD04 JL11C 5H011 AA17 CC02 CC06 CC10 DD00 DD14 KK02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材層、接着層、化成処理層、アルミニウ
    ム、化成処理層、接着樹脂層、最内樹脂層からなり、接
    着樹脂層が酸変性ポリプロピレンを種成分とし、最内樹
    脂層が少なくともエチレンコンテントが5〜10mol
    %であるエチレンリッチなランダムポリプロピレンから
    なる層を含むフィルムからなり、最内樹脂層と接着樹脂
    層とがサンドイッチラミネートされた層であることを特
    徴とするポリマー電池用包装材料。
  2. 【請求項2】化成処理がリン酸クロメート処理であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポリマー電池用包装材
    料。
  3. 【請求項3】前記接着層がドライラミネート法により形
    成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のポリマー電池用包装材料。
  4. 【請求項4】前記最内樹脂層がエチレンコンテントを5
    〜10mol%含むランダムポリプロピレンであること
    を特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載のポリ
    マー電池用包装材料。
  5. 【請求項5】前記最内樹脂層がエチレンリッチなランダ
    ムポリプロピレンからなる樹脂層を少なくとも1層有す
    る多層構成からなることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載のポリマー電池用包装材料。
  6. 【請求項6】前記最内樹脂層にブロッキング防止剤が添
    加されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のい
    ずれかに記載のポリマー電池用包装材料。
  7. 【請求項7】アルミニウムの両面に化成処理を施し、基
    材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネー
    トした後、前記化成処理を施した他の面と最内樹脂層を
    エチレンリッチなランダムポリプロピレンフィルムと
    し、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂としてサンド
    イッチラミネート法によりラミネートして得られた積層
    体を後加熱により、前記接着樹脂がその軟化点以上にな
    る条件に加熱することを特徴とするポリマー電池用包装
    材料の製造方法。
  8. 【請求項8】アルミニウムの両面に化成処理を施し、基
    材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネー
    トした後、前記化成処理を施した他の面と最内樹脂層を
    エチレンリッチなランダムポリプロピレン層を含む多層
    フィルムとし、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂と
    して、サンドイッチラミネート法によりラミネートして
    得られた積層体を後加熱により、前記接着樹脂がその軟
    化点以上になる条件に加熱することを特徴とするポリマ
    ー電池用包装材料の製造方法。
  9. 【請求項9】アルミニウムの両面に化成処理を施し、基
    材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネー
    トした後、前記化成処理を施した他の面を酸変性ポリプ
    ロピレンの軟化点温度以上に加熱して、最内樹脂層をエ
    チレンリッチなランダムポリプロピレンフィルムとし、
    酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂としてサンドイッ
    チラミネート法により積層することを特徴とするポリマ
    ー電池用包装材料の製造方法。
  10. 【請求項10】アルミニウムの両面に化成処理を施し、
    基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネ
    ートした後、前記化成処理を施した他の面を酸変性ポリ
    プロピレン樹脂の軟化点温度以上に加熱して、最内樹脂
    層をエチレンリッチなランダムポリプロピレン層を含む
    多層フィルムし、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂
    としてサンドイッチラミネート法により積層することを
    特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法。
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