JP2004042477A - 積層体および包装材料 - Google Patents

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吉永 雅信
Tadashi Hongo
本郷 忠志
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Abstract

【課題】強浸透性物質を内容物として保存しても、バリア層とシーラント層間のラミネート強度が低下することなく密着強度に優れ、またこの積層体同士をヒートシールした場合に充分強いシール強度及び夾雑物シール性を持たせることが可能で、さらに耐熱性を付与させることができる積層体及び包装材料を提供すること。
【解決手段】少なくとも最外層a/アルミニウム箔層b/アンカーコート層c/サンド樹脂層d/シーラント層eの構成からなり、アルミニウム箔層b、アンカーコート層c、サンド樹脂層dがそれぞれ以下に示すような層であることを特徴とする積層体。
(1)アルミニウム箔層b;厚さ9〜200μmからなり、シーラント層側もしくは両面に表面処理が施されている層。
(2)アンカーコート層c;イオン高分子錯体を有する層。
(3)サンド樹脂層d;熱可塑性樹脂からなる層。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理を施したアルミニウム箔にイオン高分子錯体をコートした上にエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体、もしくはエチレン−α−オレフィン共重合体をベースに酸無水物変性した高分子、もしくはそれら2種以上の混合物系を押出ラミネーションにより作成した積層体に関するものであり、またアルミニウム箔に対する密着性、およびリチウム電池の電解液や浴用剤のような強浸透性物質への耐性に優れた包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラ、衛星などに用いられる電池として、超薄型化、小型化の可能なリチウム電池が盛んに開発されている。このリチウム電池用の外層体としては、従来電池包材として用いられていた金属製缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、多層フィルム(例えば最外層/バリア層/シーラント層のような構成)を袋状にしたものが用いられるようになってきた。
【0003】
リチウム電池は、電池内容物として正極材、負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性溶媒にリチウム塩を溶解した電解液、もしくはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層を含んでいる。このような強浸透性の溶媒がシーラント層を通過すると、バリア層としてアルミニウム箔層用いた場合、アルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度を低下させ、最終的には電解液が漏れ出すといった問題があり、アルミニウム箔とシーラント層との層間密着強度を強め、内容物耐性を持たせることは必須である。
【0004】
また、電池の電解質であるリチウム塩としてはLiPF、LiBF等の物質が用いられているが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ酸を発生し、このことは金属面の腐食、多層フィルムの各層間のラミネート強度低下を引き起こす。アルミニウム箔をバリア層に用いることで、包材の表面からの水分侵入はほぼ遮断される。しかし、リチウム電池用の外装材は多層フィルムをヒートシールによって貼り合わせた構造をしており、最内層であるシーラント層のシール部端面からの水分の侵入を防ぐ必要もある。そこでシーラント層に水蒸気透過度の低い高密度な樹脂を用いるなどの工夫もなされていた。
【0005】
しかしながら、そのように高密度な樹脂は一般的に硬くて脆いために、基材への接着性、ヒートシール性が悪く、シーラント層に用いた場合にヒートシール強度がそれほど強くないという問題点があった。リチウム電池は内容物に上記したような危険物質を含んでいるため、包材として用いるためには内容物の漏れが起こらない程充分強いヒートシール強度を持ち、また充填時に内容物が付着したとしてもシールが可能な夾雑物シール性を有している必要がある。
【0006】
また、リチウム電池は携帯型のモバイルに使用されることが多く、その使用環境が真夏の車内等の60〜70℃という高温下になる場合もあり、このような状況下においても充分なシール強度を保持できるような耐熱性を兼ね備えていることも重要である。
【0007】
一方、浴用剤に含まれる香料由来の成分も強浸透性を有し、密閉された空間内で気化された成分はシーラント層を通過し、バリア層としてアルミニウム箔層用いた場合、アルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度を低下させ、最終的には剥がれてしまうといった問題があり、アルミニウム箔とシーラント層との層間密着強度を強め、内容物耐性を持たせることは必須である。
【0008】
多層フィルムを作成する方法として最も一般的なものはドライラミネーションである。しかしながら、このラミネート用の接着剤にはポリエステル系、ポリエステル−ポリウレタン系あるいはポリエーテル−ポリウレタン系などを用いており、これらは強浸透性内容物に対する耐性が低く、ラミネート強度の低下を引き起こすという欠点がある。
【0009】
さらに最近では、上記のような様々な機能を満たすために、アルミニウム箔上に溶液型の接着性樹脂を塗布し、その上からシーラント層を加熱圧着して貼り合わせを行うという、熱ラミネーションという方式を用いることが多くなっている。しかし、この方式では基材を加熱しながら、ゆっくりとした速度で圧力をかけながらラミネーションを行うために作業効率が悪く、またコストもかかるものであった。
【0010】
そこで、押出ラミネーションのように、高速で効率よく、樹脂の押出しを行うことでラミネートができる方法を用いることは有効である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を克服するためになされたものであり、強浸透性物質を内容物として保存しても、バリア層とシーラント層間のラミネート強度が低下することなく密着強度に優れ、またこの積層体同士をヒートシールした場合に充分強いシール強度及び夾雑物シール性を持たせることが可能で、さらに耐熱性を付与させることができる積層体及び包装材料を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、少なくとも最外層/アルミニウム箔層/アンカーコート層/サンド樹脂層/シーラント層の構成からなり、アルミニウム箔層、アンカーコート層、サンド樹脂層がそれぞれ以下に示すような層であることを特徴とする積層体。
(1)アルミニウム箔層;厚さ9〜200μmからなり、シーラント層側もしくは両面に表面処理が施されている層。
(2)アンカーコート層;イオン高分子錯体を有する層。
(3)サンド樹脂層;熱可塑性樹脂からなる層。
【0013】
請求項2記載の発明は、アンカーコート層を形成するイオン高分子錯体が、ポリエチレンイミンとカルボキシル基を有する多糖類からなることを特徴とする請求項1記載の積層体である。
【0014】
請求項3記載の発明は、アンカーコート層を形成するイオン高分子錯体が、ポリエチレンイミンおよびエチレンとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体からなることを特徴とする請求項1記載の積層体である。
【0015】
請求項4は、イオン高分子錯体をアルミニウム箔表面上に1.0g/m以下の範囲で塗布した後に、サンド樹脂層を積層させたことを特徴とする、請求項1〜3記載の積層体である。
【0016】
請求項5記載の発明は、サンド樹脂層を形成する熱可塑性樹脂が、エチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体、もしくはそれらをベースに酸無水物変性した高分子、もしくはそれら2種以上の混合物系であることを特徴とする請求項1〜4記載の積層体である。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1記載のアルミニウム箔に施した表面処理が、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理のような化成処理、陽極酸化処理もしくはベーマイト処理のような熱水変成処理のうちの少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1〜5記載の積層体である。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を最小単位として用いたことを特徴とする包装材料である。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を、リチウム電池用包装材料として用いたことを特徴とする包装材料である。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を、浴用剤用の包装材料や蓋材として用いたことを特徴とする包装材料である。
【0021】
【発明の実体の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、図1に示すように、少なくとも最外層a/アルミニウム箔層b/アンカーコート層c/サンド樹脂層d/シーラント層eの構成からなり、アルミニウム箔層、アンカーコート層、サンド樹脂層がそれぞれ以下に示すような層であることを特徴とする積層体である。
アルミニウム箔層は、厚さ9〜200μmからなり、シーラント層側もしくは両面に表面処理が施されている層である。
アンカーコート層は、イオン高分子錯体からなる層である。
サンド樹脂層は、熱可塑性樹脂からなる層である。
【0023】
アルミニウム箔層は外からの水分を遮断するバリア層として用いられ、樹脂層との密着強度(ラミネート強度)を向上させるために、シーラント層側の表面もしくは両面に表面処理が施されている。
【0024】
このようなアルミニウム箔の表面処理方法としては、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理のような化成処理、アルマイトを形成する陽極酸化処理もしくはベーマイト処理のような熱水変成処理などの、公知の表面処理技術を用いることが出来、これらの処理は2種類以上行ってもよい。
【0025】
上記のような表面処理をアルミニウム箔表面に施すことで、表面に凹凸を作って表面形状を粗くすることができ、また同時に、水酸基などの官能基を表面に形成させることも可能である。その官能基とアンカーコート層のイオン高分子錯体とが共有結合もしくは水素結合などを形成することにより、アルミニウム箔層とアンカーコート層及び樹脂層との密着強度を強くすることができる。密着強度を向上させることで、ヒートシール強度の向上や、層間からの水分の侵入遮断することが可能となる。
【0026】
アルミニウム箔としては、バリア性、耐ピンホール性、加工性を考慮して厚みを9〜200μm、好ましくは15〜100μm範囲のものを使用できる。また、その材質は一般の軟質アルミニウム箔を用いることができるが、さらなる耐ピンホール性、及び成形時の延展性を付与させる目的で、鉄含有率が0.1〜9.0wt%、好ましくは0.5〜2.0wt%の範囲のアルミニウム箔を用いるのがよい。鉄含有率が0.1wt%以下では耐ピンホール性、延展性を十分に付与させることができず、9.0wt%以上になると柔軟性が損なわれる。
【0027】
各種表面処理を施したアルミニウム箔上に直接熱可塑性樹脂を押出ラミネートしても、十分なラミネート強度は得られるが、強浸透性の内容物に対する耐性を持たせるために、アルミニウム箔上にアンカーコート層をグラビアコーティングなどの方法により設けることが出来る。
【0028】
アンカーコート剤にはイオン高分子錯体を用いる。一つは、ポリエチレンイミンを主成分とし、カルボキシル基を有する多糖類とのキレート錯体である。多糖類としてはデンプン、セルロース、キチン、ペクチン、植物ゴム(例えばアラビアゴム)が挙げられるがそれらに限られない。それら多糖類をカルボキシル基に誘導体化したものが用いられる。
もう一つは、同様にポリエチレンイミンを主成分とし、エチレンとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体とのキレート錯体である。カルボキシル基を有するモノマーとしてはα、β−不飽和カルボン酸などのアクリル酸、メタクリル酸が代表的で、それらをエチレンなどと共重合させイオン架橋したアイオノマーもキレート錯体を形成できる。さらにはフマル酸やマレイン酸などもエチレンやα−オレフィンなどと共重合して用いることも可能である。
両アンカーコート剤ともポリエチレンイミンとのキレート錯体で、ポリエチレンイミン単独と比較するとアルミ箔に対する濡れ特性が向上することにより、耐湿性、耐熱性及び耐内容物特性に優れる。
【0029】
アンカーコート層は塗布量1.0g/m以下の範囲、好ましくは0.5g/m以下の範囲である。塗布量が1.0g/m以上であると、アンカーコート層の凝集剥離が起きてラミネート強度が低くなる場合がある。
【0030】
次にサンド樹脂層について詳細な説明をする。包材のシーラント層とアンカーコート層を施したアルミニウム箔層とを貼り合わせる方法としては、ドライラミネーション、ウエットラミネーション等の接着剤を使用する方法とがある。しかしながら、このような方法に使用する接着剤には強浸透性の内容物に対する耐性がないものが多く、特にリチウム電池用の電解液や香料を含んだ浴用剤のような内容物を入れると、接着剤が膨潤や溶解などしてデラミネーションが起こる。
【0031】
従って、シーラント層とアルミニウム箔層とを接着する場合には、接着剤を必要としない押出ラミネーションを用いるのがよい。そこでサンド樹脂としては、リチウム電池用包装材料の場合、特にベースとなる樹脂はエチレン−α−オレフィン共重合体で、密度は0.925g/cm以上のものを用いることにより水蒸気透過率を低くすることができ、シーラント層の端面からの微量な水分の侵入を確実に遮断することが可能になる。仮に、低密度ポリエチレンを用いた場合には水蒸気透過率が高くなり、高密度ポリエチレンを用いると結晶性が高いため脆く、満足のいくシール強度が発現しない可能性がある。
【0032】
一方、シングルサイト系触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体で、密度が0.870〜0.910g/cmの範囲のもの、好ましくは密度0.880〜0.900g/cmの範囲のものは粘着性を有しており、接着強度を大幅に向上することが出来る。この粘着性を有する樹脂とイオン高分子錯体との組み合わせで、水素結合もしくは共有結合により、さらに接着性を向上させることが可能である。
【0033】
さらに熱可塑性の接着性樹脂としては、上記の様なエチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体をベースとした酸無水物変性が施された高分子が挙げられる。酸無水物により変性された樹脂を用いることで、アルミニウム箔上に塗布したイオン高分子錯体の官能基と水素結合もしくは共有結合する可能性があり、その結果として層間の密着強度を向上させることができる。
【0034】
サンド樹脂層の厚みは5〜30μmであることが好ましい。5μmより薄いと膜厚を調整することが困難で加工に支障をきたし、30μmより厚いと樹脂自身の凝集力が弱くなり、層内で凝集破壊が生じる可能性もあり、またシーラント層と貼り合わせた際の全体の厚みが厚くなり、シール不良を引き起こす原因となることがある。
【0035】
シーラント層は包装材料を形成する際に、積層体同士をヒートシールするために積層するものである。シーラント層としては、密度が0.925g/cm以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることができる。エチレン−α−オレフィン共重合体を用いることで、サンド樹脂層と確実に接着され、また前記したようにシーラント層端面からの微量な水分の侵入を確実に遮断できる。さらに、夾雑物シール性も付与することが可能であり、シール性向上にもつながる。
【0036】
密度0.925g/cm以下になると、樹脂の融点が低くなるため耐熱性が低くなり、高温時での使用時にシール劣化等が起こる可能性がある。
【0037】
シーラント層の厚みは20〜100μmの範囲がよく、好ましくは30〜70μmの範囲のものである。厚みが薄すぎるとシール強度が弱くなり、厚すぎると積層体全体の厚みが厚くなるためにシール不良が起こる、またシーラント端面からの水分侵入が起こりやすくなる可能性がある。
【0038】
バリア層として用いるアルミニウム箔が最外層になった場合、加工、流通等の時にピンホールが発生する恐れがあるため、これを防ぐ目的でアルミニウム箔の外に最外層を設けることができる。また、リチウム電池用包装材料として用いる場合には、アルミニウムとハードウェアとの直接の接触を避ける必要もある。これらのことを考慮して、最外層は絶縁性のある樹脂層がよい。そのような樹脂層の例として、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の延伸もしくは未延伸フィルムを単層または2層以上積層した多層フィルムを使用することができる。耐ピンホール性、絶縁性を向上させるために9μm以上、また成形性を考慮すると200μm以下の厚みのフィルムがよく、好ましくは30〜50μmのものである。
【0039】
最外層フィルムとアルミニウム箔層はドライラミネーション、ウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーション等の公知の手法により貼り合わせることができる。
【0040】
本発明の積層体は、単体もしくは各層間に中間層を設けることで、各種包装材料として用いることが可能である。以下に、構成例を示す。
・熱可塑性樹脂層(最外層)/熱可塑性樹脂層(中間層)/アルミ箔/AC/サンド/シーラント層
・熱可塑性樹脂層(最外層)/紙層(中間層)/アルミ箔/AC/サンド/シーラント層
・熱可塑性樹脂層(最外層)/アルミ箔/AC/サンド/シーラント層
なお、上記のACはアンカーコート層、サンドはサンド樹脂層をそれぞれ現す。最外層および中間層はドライラミネーション、ウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーション等の公知の手法により貼り合わせることができる。
【0041】
本発明の積層体は、リチウム電池用の包装材料及び浴用剤用包装材料や蓋材などに用いることも可能である。本発明の積層体をリチウム電池用包装材料として応用したときの実施例を、図2に示す
【0042】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
(使用材料)
<アルミニウム箔>
・AL−1 クロム酸クロメート処理を施したもの
・AL−2 ベーマイト処理を施したもの
・AL−3 処理を行っていないもの
<アンカーコート剤>
・AC−1 ポリエチレンイミン/カルボキシメチルセルロース 錯体
・AC−2 ポリエチレンイミン/エチレン−アクリル酸共重合体 錯体
<サンド用樹脂>
・サンド−1 酸無水物変性LLDPE(d=0.900g/cm
・サンド−2 シングルサイト系触媒仕様LLDPE(d=0.890g/cm
・サンド−3 マルチサイト系触媒仕様LLDPE(d=0.930g/cm
<シーラントフィルム(40μm)>
・シ−1(d=0.940g/cm、融点125℃)
・シ−2(d=0.915g/cm、融点105℃)
(評価)
<評価方法1>
評価用サンプルのシーラント層同士を、190℃、3.0kg/cm、3.0sec、シール幅;15mmの条件にてヒートシールしたサンプルの剥離試験を行い、ヒートシール強度を測定した。
<評価方法2>
100℃雰囲気下におけるヒートシール強度を、評価方法1と同様の方法で測定した。
<評価方法3>
炭酸エチル/炭酸エチルメチル=1/1溶液にLiPFを1.5Nとなるように調整したリチウム電池用電解液中に、15mm幅にカットした評価用サンプルを浸漬して、85℃で2週間保存した後に、アルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度及び外観を評価した。
<評価方法4>
強浸透性の内容物である香料を含んだ浴用剤粉末を、三方製袋したサンプルに入れシールして密封、40℃で1ヶ月保存した後、アルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度及び外観を評価した。
(実施例)
<実施例1>
AL−1を、最外層として厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルムとドライラミネーションによって貼り合わせた。次に、AL−1の処理面にアンカーコート層としてAC−1の固形分;1.0wt%水−メタノール溶液を、乾燥後の塗布量が0.5g/m以下になるように塗布した。さらに、サンド−1を押出ラミネーションすることによりシーラント層であるシ−1を貼り合わせた。サンド樹脂層は15μmとした。この評価用サンプルを用いて前記評価方法1〜4を行った。結果を表1に示した。
<実施例2>
アルミニウム箔にAL−2、アンカーコート剤にAC−2、サンド樹脂にサンド−2、シーラント層にシ−1を用いた以外は実施例1と同様にして評価用サンプルを作成した。この評価用サンプルを用いて前記評価方法1〜4を行った。結果を表1に示した。
<実施例3>
アルミニウム箔にAL−1、アンカーコート剤にAC−1、サンド樹脂にサンド−2、シーラント層にシ−1を用いた以外は実施例1と同様にして評価用サンプルを作成した。この評価用サンプルを用いて前記評価方法1〜4を行った。結果を表1に示した。
<実施例4>
アルミニウム箔にAL−2、アンカーコート剤にAC−2、サンド樹脂にサンド−1、シーラント層にシ−1を用いた以外は実施例1と同様にして評価用サンプルを作成した。この評価用サンプルを用いて前記評価方法1〜4を行った。結果を表1に示した。
<比較例1>
アルミニウム箔にAL−3、アンカーコート剤にAC−1、サンド樹脂にサンド−1、シーラント層にシ−2を用いた以外は実施例1と同様にして評価用サンプルを作成した。この評価用サンプルを用いて前記評価方法1〜4を行った。結果を表1に示した。
<比較例2>
アルミニウム箔にAL−3、アンカーコート剤にAC−1、サンド樹脂にサンド−3、シーラント層にシ−2を用いた以外は実施例1と同様にして評価用サンプルを作成した。この評価用サンプルを用いて前記評価方法1〜4を行った。結果を表1に示した。
<比較例3>
アルミニウム箔にAL−1、アンカーコート層はなし、サンド樹脂にサンド−1、シーラント層にシ−2を用いた以外は実施例1と同様にして評価用サンプルを作成した。この評価用サンプルを用いて前記評価方法1〜4を行った。結果を表1に示した。
<比較例4>
アルミニウム箔にAL−2、アンカーコート層はなし、サンド樹脂にサンド−3、シーラント層にシ−2を用いた以外は実施例1と同様にして評価用サンプルを作成した。この評価用サンプルを用いて前記評価方法1〜4を行った。結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
Figure 2004042477
【0045】
【発明の効果】
本発明の積層体は、表面処理を施したアルミニウム箔上に、アンカーコート層としてイオン高分子錯体を塗工し、エチレンあるいはエチレン―α―オレフィン共重合体、もしくはそれらをベースにした酸無水物変成の熱可塑性接着性樹脂、もしくはそれら2種以上の混合物系樹脂を押出しラミネートすることでシーラント層を貼り合わせた構成である。
表面処理にて表面を粗し官能基を形成させた上に、イオン高分子錯体、上記熱可塑性樹脂を積層させることで、アルミニウム箔とシーラント層との密着強度を向上することができ、強浸透性の内容物に対する耐性を十分に持たせることが可能である。
【0046】
本発明の積層体およびそれを用いた包装材料は、リチウム電池用包装材料や浴用剤の包装材料及び蓋材以外にも、その強浸透性内容物耐性から、殺菌剤、湿布剤等の包装材料として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の断面模式図。
【図2】本発明の積層体をリチウム電池用包装材料として応用したときの実施例を示す模式図。
【符号の説明】
a…最外層
b…アルミニウム箔層
c…アンカーコート層
d…サンド樹脂層
e…シーラント層
f…本発明の積層体
g…電極

Claims (9)

  1. 少なくとも最外層/アルミニウム箔層/アンカーコート層/サンド樹脂層/シーラント層の構成からなり、アルミニウム箔層、アンカーコート層、サンド樹脂層がそれぞれ以下に示すような層であることを特徴とする積層体。
    (1)アルミニウム箔層;厚さ9〜200μmからなり、シーラント層側もしくは両面に表面処理が施されている層。
    (2)アンカーコート層;イオン高分子錯体を有する層。
    (3)サンド樹脂層;熱可塑性樹脂からなる層。
  2. アンカーコート層を形成するイオン高分子錯体が、ポリエチレンイミンとカルボキシル基を有する多糖類からなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. アンカーコート層を形成するイオン高分子錯体が、ポリエチレンイミンおよびエチレンとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体からなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  4. イオン高分子錯体をアルミニウム箔表面上に1.0g/m以下の範囲で塗布した後に、サンド樹脂層を積層させたことを特徴とする、請求項1〜3記載の積層体。
  5. サンド樹脂層を形成する熱可塑性樹脂が、エチレンあるいはエチレン−α−オレフィン共重合体、もしくはそれらをベースに酸無水物変性した高分子、もしくはそれら2種以上の混合物系であることを特徴とする請求項1〜4記載の積層体。
  6. 請求項1記載のアルミニウム箔に施した表面処理が、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理のような化成処理、陽極酸化処理もしくはベーマイト処理のような熱水変成処理のうちの少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1〜5記載の積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を最小単位として用いたことを特徴とする包装材料。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を、リチウム電池用包装材料として用いたことを特徴とする包装材料。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を、浴用剤用の包装材料や蓋材として用いたことを特徴とする包装材料。
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