JP3804183B2 - 貼合用共押出多層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
貼合用共押出多層フィルムおよびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インフレーション成形によるポリエチレン・フィルムにおいて、これまでにない高透明性と高耐衝撃性を合わせ持つ、物性バランスの良好な貼合用多層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等からなる包装基材は、透明性や機械的強度に優れるが、ヒートシール温度が高いため包装速度を速くすることができない、ヒートシール時にフィルムが収縮し包装外観が悪い、あるいはシール強度が低い等の問題がある。このため、上記の包装基材が単独で使用されることは少なく、通常はヒートシール層を設けた積層フィルムとして使用される。
【0003】
この積層フィルムの製造方法としては、ナイロン等の基材フィルムと、インフレーション成形やキャスト成形により別に製造したヒートシールフィルムとを、ドライラミネート法、サンドラミネート法等の種々の方法で貼り合わせる製造法が一般的であり、貼り合わせ用のヒートシール層を有するフィルムを当業界では「貼合用フィルム」と呼称している。
【0004】
貼合用フィルムの材料としては、高圧ラジカル重合法により製造される低密度ポリエチレン(以下「LDPE」と略すことがある)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」と略すことがある)、アイオノマー、高密度ポリエチレン(以下「HDPE」と略すことがある)、エチレン・α−オレフィン共重合体(いわゆる直鎖状低密度ポリエチレン、以下「L−LDPE」と略すことがある)等が一般的に使用される。
【0005】
LDPEおよびEVAは、低温ヒートシール性は良好であるが、耐熱性やホットタック性(製袋工程における高速充填性の目安となる)および引張強度等に劣り、屈曲により屈曲部にピンホールが発生しやすい。HDPEは、ヒートシール強度には優れているが、低温ヒートシール性や透明性に劣り、またキャスト成形時のネックインが大きく加工性が悪い。アイオノマーは、ヒートシール強度やホットタック性に優れるが、押出加工性に劣り、フィルムにフィッシュアイが発生しやすい。これに対しL−LDPEは、引張り強度、ヒートシール強度、ホットタック性、および夾雑物シール性に優れるため、貼合用フィルム材料として多用されている。
【0006】
L−LDPE貼合用フィルムの製造方法として、広く採用されているインフレーション成形では、L−LDPEフィルムの透明性の改良および耐衝撃性の改良が要求されている。特に、食品包装を主とする包装用フィルムでは、内容物の視認性や製品外観の向上をもたらすことから、より透明度の高いフィルムが、また充填した製品の破袋による不良率低減をもたらすことから、より耐衝撃性の高いフィルムが望まれている。
【0007】
一般にL−LDPEのインフレーション・フィルムの透明性は、これを構成する樹脂の密度が低くなると向上する傾向にある。ところが単なる樹脂の低密度化は、フィルムの腰強さ(剛性)の低下や、耐ブロッキング性の低下を引き起こすため、フィルム作業性が低下したり、あるいはブロッキング防止剤の多量添加の必要から透明性が低下するという短所を持っていた。逆に単なる樹脂の高密度化は、透明性の低下だけでなく、耐衝撃性も低下するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特に透明性と耐衝撃性に優れ、物性バランスの良好な貼合用多層フィルムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決のため鋭意検討の結果、貼合用多層フィルムにおいて、特定の樹脂組成物を中間層に配することにより、高透明性と高耐衝撃性を合わせ持つフィルムが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明の貼合用共押出多層フィルムは、外層(A)/中間層(B)/内層(C)からなる多層フィルムであって、外層(A)および内層(C)が下記の樹脂(1)からなり、中間層(B)が下記の樹脂(2),(3)及び(4)からなる樹脂組成物であることを特徴とするものである。
【0010】
(1)密度0.910〜0.942g/cm 3 のエチレン・α−オレフィン共重合体
(2)樹脂(1)より少なくとも0.003g/cm3高い密度であるエチレン・α−オレフィン共重合体
(3)樹脂(1)と同じ密度またはそれ以下の密度であるエチレン・α−オレフィン共重合体
(4)密度0.915〜0.930g/cm 3 の高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン
ここで、基材と貼り合わせる貼合面を外層(A)、ヒートシール層となる層を内層(C)としている。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
[エチレン・α−オレフィン共重合体(L−LDPE)]
本発明の多層フィルムを構成する樹脂(1)、(2)および(3)として用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、チーグラー触媒、酸化クロム触媒、酸化モリブデン触媒、メタロセン触媒等の触媒存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合させて得られる。用いる触媒としては、チーグラー触媒、メタロセン触媒が好ましく、特に好ましくはメタロセン触媒である。
【0013】
該共重合体のコモノマーであるα−オレフィンとは、一般式R−CH=CH2(式中Rは炭素数1以上のアルキル基を示す)で表されるもので、その具体例を示せば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、オクタデセン等が挙げられる。これらα−オレフィンの中でも、共重合体成膜後のフィルムサンプルにおける引張強度、引裂強度、衝撃強度、ヒートシール強度等に優れる炭素数5〜10のものが好ましく、特に好ましくは1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンである。該共重合体は、これらα−オレフィンの少なくとも1種をエチレンと共重合することにより得られ、具体的には、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−ヘプテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体等が挙げられる。
【0014】
本発明の多層フィルムの外層(A)および内層(C)を構成する樹脂(1)として用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の密度は、0.910〜0.942g/cm3 であり、さらに好ましくは0.913〜0.935g/cm3、特に好ましくは0.915〜0.930g/cm3である。該重合体の密度が0.910g/cm3以上であると、フィルムの腰強さがより適度になり、該重合体の密度が0.942g/cm3以下であると、フィルムの衝撃強度がより大きくなり好ましい。該重合体のMFRは好ましくは0.5〜20g/10分、さらに好ましくは0.7〜10g/10分、特に好ましくは0.8〜5g/10分である。該重合体のMFRが0.5g/10分以上であると、成形時の樹脂流動性がより良くなり、該重合体のMFRが20g/10分以下であると、成形時の成膜安定性がより良くなり好ましい。
【0015】
本発明の多層フィルムの中間層(B)を構成する樹脂(2)として用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、樹脂(1)より少なくとも0.003g/cm3高い密度、好ましくは0.010g/cm3以上高い密度、さらに好ましくは0.015g/cm3以上高い密度である。外層(A)、内層(C)に異なる密度の樹脂(1)が用いられる場合、高い方の密度を基準とする。樹脂(2)が樹脂(1)を上回る密度差が0.003g/cm3未満では、フイルムの透明性改良効果が十分でなく好ましくない。該重合体のMFRは好ましくは0.5〜20g/10分、さらに好ましくは0.7〜10g/10分、特に好ましくは0.8〜5g/10分である。該重合体のMFRが0.5g/10分以上であると、成形時の樹脂流動性がより良くなり、該重合体のMFRが20g/10分以下であると、成形時の成膜安定性がより良くなり好ましい。
【0016】
本発明の多層フィルムの中間層(B)を構成する樹脂(3)として用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、樹脂(1)と同じまたはそれ以下の密度である。外層(A)、内層(C)に異なる密度の樹脂(1)が用いられる場合、高い方の密度を基準とする。該重合体の密度が樹脂(1)の密度を越えて高いと、フィルムの耐衝撃性改良効果が十分でなく好ましくない。該重合体のMFRは好ましくは0.5〜20g/10分、さらに好ましくは0.7〜10g/10分、特に好ましくは0.8〜5g/10分である。該重合体のMFRが0.5g/10分以上であると、成形時の樹脂流動性がより良くなり、該重合体のMFRが20g/10分以下であると、成形時の成膜安定性がより良くなり好ましい。
【0017】
[高圧ラジカル法による低密度ポリエチレン(LDPE)]
本発明の多層フィルムを構成する樹脂(4)として用いられる高圧ラジカル法による低密度ポリエチレンは、エチレン単独をたとえば圧力1000〜4000kg/cm2、温度230〜360℃の条件で、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤の存在下、管状反応器または槽型反応器内で重合して得られるものである。
【0018】
本発明の多層フィルムの中間層(B)を構成する樹脂(4)として用いられる高圧ラジカル法による低密度ポリエチレンは、密度0.915〜0.930g/cm3 であり、MFR0.1〜10g/10分であることが好ましい。該重合体の密度が0.915g/cm3以上であると、フィルムの腰強さがより適度になり、密度が0.930g/cm3以下であると、フィルムの透明性がより良くなり好ましい。また該重合体のMFRが0.1g/10分以上であると、成形時の樹脂流動性がより良くなり、該重合体のMFRが10g/10分以下であると、成形時の成膜安定性がより良くなり好ましい。
【0019】
[外層(A)および内層(C)]
本発明の多層フィルムを構成する外層(A)および内層(C)は、樹脂(1)のエチレン・α−オレフィン共重合体からなるが、さらに成形安定性のため樹脂(4)を添加してもよい。樹脂(4)の添加量は樹脂(1)100重量部に対して好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは5〜40重量部、特に好ましくは10〜30重量部である。添加量が50重量部以下であると、フィルムの透明性がより良くなり好ましい。
【0020】
外層(A)と内層(C)に用いる樹脂(1)は、同一のエチレン・α−オレフィン共重合体でも良く、異なるエチレン・α−オレフィン共重合体でも良い。
【0021】
樹脂(1)に樹脂(4)である低密度ポリエチレンを添加する場合、外層(A)と内層(C)で同一の低密度ポリエチレン添加でも良く、異なる低密度ポリエチレン添加でも良い。また添加量について、外層(A)と内層(C)で同一の添加量でも良く、異なる添加量でも良い。
【0022】
[中間層(B)]
本発明の多層フィルムを構成する中間層(B)は、樹脂(2)、樹脂(3)及び樹脂(4)の3樹脂の組成物からなる。中間層(B)の組成物中、樹脂(2)が配合されず樹脂(3)と樹脂(4)だけの場合、フィルムの透明性改良効果が十分でなく好ましくない。中間層(B)の組成物中、樹脂(3)が配合されず樹脂(2)と樹脂(4)だけの場合、フィルムの耐衝撃性が低下して好ましくない。中間層(B)の組成物中、樹脂(4)が配合されず樹脂(2)と樹脂(3)だけの場合、フィルムの透明性改良効果が十分でなく好ましくない。
【0023】
これら3樹脂の配合は特に限定されないが、樹脂(2)を5〜35重量%、樹脂(3)を10〜55重量%、樹脂(4)を10〜40重量%の範囲で配合することが好ましい。
【0024】
[外層(A)、中間層(B)および内層(C)]
本発明の多層フィルムの(A),(B),(C)3層のうちの1層以上に、密度0.860〜0.910g/cm3、MFR0.5〜20g/10分のエチレン・α−オレフィン共重合体を、該層の樹脂100重量部に対し1〜100重量部添加することにより、本発明の効果を保持したまま、さらにフィルムの耐衝撃性や低温ヒートシール性を向上させることが可能である。該重合体の密度が0.860g/cm3未満では、フィルム同士がくっついてブロッキングしやすくなり、密度が0.910g/cm3を越えると、フィルムの耐衝撃性や低温ヒートシール性の改良効果が十分でなく、各々好ましくない。該重合体のMFRが0.5g/10分未満では溶融混練性が不良となり、20g/10分を越えるとブロッキングしやすくなり、各々好ましくない。また該重合体の添加量が100重量部を越えると、フィルムの剛性が低下して好ましくない。
【0025】
該重合体は超低密度品であるため、その製造においては、フィルム表面のベタつき原因となる低分子量成分の少ないメタロセン触媒の使用が好ましい。
【0026】
本発明のフィルムは、外層(A)/中間層(B)/内層(C)の3層を基本構成としているが、本発明の効果を損なわない範囲で、4層以上の多層フィルムであっても良い。
【0027】
[共押出多層フィルムの製造法]
本発明における各層の組成物の調製は、上記の各成分を種々公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダーなどで機械的に混合する方法や、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、熱ロール等を用いて溶融混練後に造粒あるいは粉砕する方法などを、用いることができる。このうち生産性の点から、一軸押出機または二軸押出機を用いて溶融混練する方法が一般的である。
【0028】
本発明における組成物には、本発明の効果を損なわない程度の範囲内で、必要に応じて酸化防止剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、造核剤、透明化剤、有機過酸化物、可塑剤、難燃剤等の、一般に熱可塑性プラスチックに用いられる添加剤を使用してもよい。
【0029】
フィルムの成膜方法としては、空冷インフレーション法、水冷インフレーション法、Tダイキャスト法等があるが、実際のフィルム加工現場では煩雑なサイズ変更や樹脂変更の要求があり、これに対応できる操作性の観点から、水冷インフレーション法やTダイキャスト法は汎用性に欠けるため、現実には前述のように空冷インフレーション成形法が一般に広く採用されている。このような背景から、本発明における共押出多層フィルムは、空冷インフレーション法での成膜時に効果が十分発現されるように検討されたものであるため、製造法として空冷インフレーション法による成膜が好ましい。
【0030】
調製された各層の組成物を、3機の各押出機で各加工温度130〜280℃にて溶融混練を行い、3層用ダイ内接着型のサーキュラーダイに導入した後、空冷インフレーション成形法により、共押出多層フィルムが成膜される。加工温度が130℃未満または280℃を超える場合、成膜安定性が低下して好ましくない。
【0031】
本発明の多層フィルムの厚みは特に限定するものではないが、多層フィルムに十分かつ経済的な機械的強度を付与するため30〜80μmが好ましく、40〜60μmが更に好ましい。本発明の多層フィルムの層間厚み比は特に限定するものではないが、多層フィルムに十分かつ経済的な機械的強度を付与するためと、成形バランスや生産性の点から、(A)/(B)/(C)=1/1/1〜1/2/1が好ましい。
【0032】
本発明の多層フィルムは、ナイロン等の基材フィルムとの貼合により、食品包装用、ストレッチ包装用、農業用等の各種用途に利用される。貼り合わせる方法は、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法等の従来公知の方法が採用される。本発明の多層フィルムの貼り合わせ対象となる基材としては、紙、アルミ箔等の金属箔、セロハン、熱可塑性樹脂等が挙げられ、目的や被包装物に応じて適宜選択される。また、これら基材との貼合(接着)を補強する目的で、多層フィルムの外層側表面にコロナ放電処理等の表面処理を行うことが好ましい。
【0033】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0034】
実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に示す方法によって実施した。
【0035】
(a)密度
JIS K7112(1980年)に準拠して行った。
【0036】
(b)MFR
JIS K7210(1976年)に準拠して行った。
【0037】
(c)ヘーズ
JIS K7105(1981年)に準拠して行った。
【0038】
(d)インパクト衝撃強度
日本理化学工業製フィルムインパクトテスターにて、フィルムをリング状に固定し、1インチの衝撃頭をもつ振り子でフィルムを打ち抜き、それに要したエネルギーを測定した。
【0039】
<実施例1>
チーグラー触媒により製造された密度0.920g/cm3、MFR2g/10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体(1)を、外層(A)および内層(C)の共通原料とした。
【0040】
チーグラー触媒により製造された密度0.935g/cm3、MFR2g/10分、コモノマー1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体(2)30重量%と、樹脂(1)と同一のエチレン・α−オレフィン共重合体(3)50重量%と、高圧ラジカル重合にて製造された密度0.924g/cm3、MFR1g/10分の高圧法低密度ポリエチレン(4)20重量%のブレンド物を、中間層(B)の原料とした。
【0041】
これらの原料樹脂((A),(B),(C))を3機の各押出機(外層用,中間層用,内層用)により180℃で溶融混練して均等な吐出量を保ち、3層用ダイ内接着型のサーキュラーダイに導入した後、ブロー比2.2で空冷インフレーション成形を行い、厚さが50μmの3層共押出フィルム(外層/中間層/内層=1/1/1)を得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表1に示す。
【0042】
<実施例2>
「実施例1」における外層(A)および内層(C)の共通原料である樹脂(1)100重量部に対し、高圧ラジカル重合にて製造された密度0.924g/cm3、MFR1g/10分の高圧法低密度ポリエチレン(4)を18重量部配合したものを、外層(A)および内層(C)の共通原料とした以外は、「実施例1」と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表1に示す。
【0043】
<実施例3>
チーグラー触媒により製造された密度0.963g/cm3、MFR2g/10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体(2)10重量%と、チーグラー触媒により製造された密度0.918g/cm3、MFR2g/10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体(3)70重量%と、高圧ラジカル重合にて製造された密度0.924g/cm3、MFR1g/10分の高圧法低密度ポリエチレン(4)20重量%のブレンド物を、中間層(B)の原料とし、外層(A)および内層(C)の共通原料として「実施例2」と同一のものを用い、「実施例1」と同様の加工法により3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表1に示す。
【0044】
<実施例4>
「実施例3」における中間層(B)の原料100重量部に対し、メタロセン触媒により製造された密度0.900g/cm3、MFR2g/10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体を15重量部配合したものを、中間層(B)の原料とした以外は、「実施例3」と同様の原料を用いた。これを「実施例1」と同様の加工法により3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表1に示す。
【0045】
<実施例5>
「実施例2」における内層(C)の原料100重量部に対し、メタロセン触媒により製造された密度0.900g/cm3、MFR2g/10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体を15重量部配合したものを内層(C)の原料とした以外は、「実施例2」と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
<比較例1>
「実施例1」における中間層(B)の原料において、樹脂(2)を配合せず、樹脂(3)80重量%と、樹脂(4)20重量%のブレンド物を、中間層(B)の原料とした以外は、「実施例1」と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
【0048】
<比較例2>
チーグラー触媒により製造された密度0.925g/cm3、MFR2g/10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体100重量%を、中間層(B)の原料とした以外は、「実施例1」と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
<比較例3>
「実施例2」における中間層(B)の原料において、樹脂(2)を配合せず、樹脂(3)80重量%と、樹脂(4)20重量%のブレンド物を、中間層(B)の原料とした以外は、「実施例2」と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
【0049】
<比較例4>
「実施例2」における中間層(B)の原料において、樹脂(3)を配合せず、樹脂(2)80重量%と、樹脂(4)20重量%のブレンド物を、中間層(B)の原料とした以は、「実施例2」と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
【0050】
<比較例5>
「実施例2」における中間層(B)の原料において、樹脂(4)を配合せず、樹脂(2)50重量%と、樹脂(3)50重量%のブレンド物を、中間層(B)の原料とした以外は、「実施例2」と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
【0051】
<比較例6>
「実施例2」における中間層(B)の原料において、樹脂(2)の代わりとしてチーグラー触媒により製造された密度0.922g/cm3、MFR2g/10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体30重量%を配合した以外は、「実施例2」と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明の共押出フィルムとすることにより、高透明性(低ヘーズ値)と高耐衝撃性(高インパクト衝撃強度値)を合わせ持つ、物性バランスの良好な貼合用多層フィルムを得ることができる。
Claims (8)
- 外層(A)/中間層(B)/内層(C)からなる多層フィルムであって、外層(A)および内層(C)が下記の樹脂(1)からなり、中間層(B)が下記の樹脂(2),(3)及び(4)からなる樹脂組成物であることを特徴とする貼合用共押出多層フィルム。
(1)密度0.910〜0.942g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体
(2)樹脂(1)より少なくとも0.003g/cm3高い密度であるエチレン・α−オレフィン共重合体
(3)樹脂(1)と同じ密度またはそれ以下の密度であるエチレン・α−オレフィン共重合体
(4)密度0.915〜0.930g/cm3の高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン - 樹脂(1)が密度0.910〜0.942g/cm3、メルトフローレート(MFR)0.5〜20g/10分のエチレン・α−オレフィン共重合体、樹脂(2)が密度0.913〜0.970g/cm3、MFR0.5〜20g/10分のエチレン・α−オレフィン共重合体、樹脂(3)が密度0.910〜0.942g/cm3、MFR0.5〜20g/10分のエチレン・α−オレフィン共重合体、樹脂(4)が密度0.915〜0.930g/cm3、MFR0.1〜10g/10分の高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンである請求項1に記載の貼合用共押出多層フィルム。
- 外層(A)および内層(C)が、樹脂(1)100重量部に対し樹脂(4)を1〜50重量部配合した樹脂組成物である請求項1又は2に記載の貼合用共押出多層フィルム。
- 中間層(B)が、樹脂(2)5〜35重量%、樹脂(3)10〜55重量%、樹脂(4)10〜40重量%の範囲で配合した樹脂組成物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の貼合用共押出多層フィルム。
- (A),(B),(C)3層のうち1層以上が、密度0.860〜0.910g/cm3、MFR0.5〜20g/10分のエチレン・α−オレフィン共重合体を、該層の樹脂100重量部に対し1〜100重量部を配合した樹脂組成物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼合用共押出多層フィルム。
- (A),(B),(C)3層のうち1層以上が、密度0.860〜0.910g/cm3、MFR0.5〜20g/10分のメタロセン触媒から製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体を、該層の樹脂100重量部に対し1〜100重量部を配合した樹脂組成物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の貼合用共押出多層フィルム。
- エチレン・α−オレフィン共重合体(1)〜(3)が、エチレンと炭素数5〜10のα−オレフィンとの共重合体である請求項1〜6のいずれか1項に記載の貼合用共押出多層フィルム。
- 外層(A)/中間層(B)/内層(C)からなる多層フィルムであって、各層の樹脂組成物を、3機の各押出機で各加工温度130〜280℃にて溶融混練を行い、3層用ダイ内接着型のサーキュラーダイに導入した後、空冷インフレーション成形法にて成膜することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の貼合用共押出多層フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13493597A JP3804183B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 貼合用共押出多層フィルムおよびその製造方法 |
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