JP2021046471A - フィルム、および、フィルムの製造方法 - Google Patents

フィルム、および、フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐破袋性に優れた包装袋を形成することができるフィルムを提供することを課題とする。【解決手段】プロピレンに由来する構造単位を50質量%以上含むプロピレン重合体と、エチレンに由来する構造単位を50質量%以上含むエチレン重合体とを含有するフィルムであって、プロピレン重合体およびエチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、プロピレン重合体の含有量が50質量%〜95質量%であり、エチレン重合体の含有量が5質量%〜50質量%であり、厚さが30μm〜200μmであり、突刺破断荷重が1800g以上であり、突刺破断変形量が10.5mm以上である。【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルム、および、その製造方法に関する。さらに詳しくは、袋状に形成して内容物を収容した状態で、落下による破袋が生じにくいフィルムおよびそのフィルムの製造方法に関する。
ポリプロピレンは耐熱性や剛性に優れているため、フィルム、シート、容器等の分野で幅広く利用されている。
近年、食品包装用分野で用いられているフィルム、例えば、レトルト食品包装体に用いられるフィルムには、透明性、耐衝撃性、ヒートシール強度を兼ね備え、熱処理後の外観の良好なフィルムが求められている。
このような性能を有するポリプロピレン系フィルムとして、特許文献1には、プロピレン系共重合体(A)とエチレン重合体(B)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物から形成されたフィルムが記載されている。詳しくは、プロピレン系共重合体(A)は、プロピレンが主成分である単量体の重合体部分と、プロピレンとエチレンとの共重合体部分とからなるものであり、キシレン可溶部の含有量、および、キシレン可溶部の極限粘度が所定の範囲であり、エチレン重合体(B)は、密度、および、メルトフローレートが所定の範囲であるものが記載されている。
特開2006−104279号公報
ところで、ポリプロピレン系フィルムの性能としては、ポリプロピレン系フィルムを用いて形成される包装袋に内容物を収容した状態で、該包装袋を落下させた際に、包装袋に破損が生じ難くすること(以下、耐破袋性とも記す)も要求されている。
しかしながら、上記の特許文献1に記載のフィルムでは、耐破袋性について改善の余地がある。
そこで、本発明は、耐破袋性に優れた包装袋を形成することができるフィルムを提供すると共に、該フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係るフィルムは、プロピレンに由来する構造単位を50質量%以上含むプロピレン重合体と、エチレンに由来する構造単位を50質量%以上含むエチレン重合体とを含有するフィルムであって、プロピレン重合体およびエチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、プロピレン重合体の含有量が50質量%〜95質量%であり、エチレン重合体の含有量が5質量%〜50質量%であり、厚さが30μm〜200μmであり、突刺破断荷重が1800g以上であり、突刺破断変形量が10.5mm以上である。
本発明に係るフィルムの製造方法は、プロピレンに由来する構造単位を50質量%以上含むプロピレン重合体と、エチレンに由来する構造単位を50質量%以上含むエチレン重合体とを含有し、プロピレン重合体およびエチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、プロピレン重合体の含有量が50質量%〜95質量%であり、エチレン重合体の含有量が5質量%〜50質量%である組成物を溶融混錬する工程と、溶融混錬された組成物を、スクリューを備える押出機を用いて、スクリュー回転数80rpm以上の条件で押し出す工程と、押し出された組成物を厚さが30μm〜200μmに成膜する工程とを含む。
以上のように、本発明によれば、耐破袋性に優れた包装袋を形成することができるフィルム、および、該フィルムの製造方法を提供することができる。
本発明に係るフィルムを製造する製造装置の一実施形態を示した概略図。 本発明に係るフィルムを製造する製造装置で用いられる押出機の一実施形態を示した概略図。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明に係るフィルムは、プロピレン重合体とエチレン重合体とを含有する。
プロピレン重合体は、プロピレンに由来する構造単位を50質量%以上含み、好ましくは70質量%〜98質量%含み、より好ましくは85重量%〜95重量%含む。
エチレン重合体は、エチレンに由来する構造単位を50質量%以上含み、好ましくは60質量%〜98質量%含む。
また、本発明に係るフィルムは、プロピレン重合体およびエチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、プロピレン重合体を50質量%〜95質量%含み、好ましくは70質量%〜95質量%含む。プロピレン重合体を50質量%以上(即ち、エチレン重合体を50質量%以下)含むことで、ヒートシール性に優れたフィルムを得ることができる。また、プロピレン重合体を95質量%以下(即ち、エチレン重合体を5質量%以上)含むことで、フィルムの表面に微細な凹凸(所謂、ゆず肌)が発生してしまうのを抑制することができる。
また、本発明に係るフィルムは、プロピレン重合体およびエチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、エチレン重合体を5質量%〜50質量%含み、好ましくは5質量%〜30質量%含む。
また、本発明に係るフィルムの厚さは、30μm〜200μmであり、好ましくは50μm〜100μmである。
また、本発明に係るフィルムの突刺破断荷重は、1800g以上であり、好ましくは1900g〜2200gである。なお、突刺破断荷重は、下記の実施例に記載の方法で測定されるものである。また、突刺破断荷重を上記の範囲とする方法としては、後述するように押出機のスクリューの回転数を所定の条件に調節する方法等が挙げられる。
また、本発明に係るフィルムの突刺破断変形量は、10.5mm以上であり、好ましくは11.0mm〜13.0mmである。なお、突刺破断変形量は、下記の実施例に記載の方法で測定されるものである。また、突刺破断変形量を上記の範囲とする方法としては、後述するように押出機のスクリューの回転数を所定の条件に調節する方法等が挙げられる。
突刺破断荷重が上記の範囲であり、突刺破断変形量が上記の範囲であるフィルムを用いることで、耐破袋性に優れた包装袋を形成することができる。
プロピレン重合体としては、例えば、プロピレン単独重合体およびプロピレン系共重合体が挙げられる。
プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレンに由来する構成単位を、好ましくは50質量%以上含み、より好ましくは70質量%〜98質量%含むものが挙げられる。プロピレン系共重合体に含まれるプロピレン以外の構成単位としては、例えば、エチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなる群から選ばれる一種以上に由来する構成単位が挙げられる。
プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレン系ランダム共重合体およびプロピレンブロック共重合体が挙げられる。
プロピレン系ランダム共重合体としては、例えば、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体(以下、プロピレン−エチレンランダム共重合体とも記す)、プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体(以下、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体とも記す)、および、プロピレンとエチレンとα−オレフィンとの三元共重合体(以下、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体とも記す)等が挙げられる。
プロピレン−エチレンランダム共重合体は、エチレンに由来する構成単位を、好ましくは0.1質量%〜20質量%含み、より好ましくは0.5質量%〜10質量%含み、さらに好ましくは0.5質量%〜6質量%含み、特に好ましくは2質量%〜6質量%含む。
プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体は、エチレンに由来する構成単位を、好ましくは0.1質量%〜20質量%含み、より好ましくは0.5質量%〜10質量%含み、さらに好ましくは0.5質量%〜5質量%含み、特に好ましくは0.5質量%〜3質量%含む。また、プロピレン−エチレン−α−オレフィン三元共重合体は、α−オレフィンに由来する構成単位を、好ましくは0.1質量%〜20質量%含み、より好ましくは0.5質量%〜10質量%含み、さらに好ましくは1質量%〜10質量%含み、特に好ましくは3質量%〜10質量%含む。
プロピレンブロック共重合体は、好ましくは、プロピレンに由来する構成単位を95質量%以上含む成分Aと、プロピレンに由来する構造単位、並びに、エチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなる群から選ばれる1種以上に由来する構造単位を50質量%〜85質量%含む成分Bとを含む。
具体的には、プロピレンブロック共重合体は、成分Aおよび成分Bの合計含有量100質量%に対して、成分Aを、好ましくは50質量%〜90質量%含み、より好ましくは70質量%〜85質量%含む。
また、プロピレンブロック共重合体は、成分Aおよび成分Bの合計含有量100質量%に対して、成分Bを、好ましくは10質量%〜50質量%含み、より好ましくは15質量%〜30質量%含む。
成分Aは、エチレン、および、1−ブテンからなる群から選択される1種以上に由来する他の構成単位を含んでもよい。また、成分Aは、上記の他の構成単位を、好ましくは5質量%以下含んでもよい。
成分Bは、エチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上に由来する構成単位を、10質量%〜50質量%含み、好ましくは15質量%〜30質量%含む。エチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上に由来する構成単位は、エチレンに由来する構成単位であることが好ましい。
炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、および、1−ドデセンが挙げられる。好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、および、1−オクテンが挙げられ、共重合特性、経済性等の観点から、より好ましくは、1−ブテン、および、1−ヘキセンが挙げられ、さらに好ましくは、1−ブテンが挙げられる。
プロピレン重合体の製造方法としては、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒またはメタロセン触媒の存在下で、プロピレンを単独重合する方法、または、プロピレン以外のオレフィンとプロピレンとを共重合する方法等が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分とを組み合わせた触媒が挙げられる。メタロセン触媒としては、例えば、シクロペンタジエニル骨格を少なくとも1つ有する周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物と助触媒成分とを組み合わせた触媒が挙げられる。
重合方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒(例えば、重合阻害物質を除去したヘキサンやヘプタン等)中で行われるスラリー重合法および溶液重合法、並びに、溶媒の不存在下で行われる液相重合法および気相重合法が挙げられる。
プロピレンブロック共重合体の重合方法としては、気相重合法を採用することが好ましい。気相重合法では、前記成分Aを重合する第一工程が行われ、次いで、得らえた成分Aの存在下で、前記成分Bを重合する第二工程が行われる。
成分Aおよび成分Bにおける分子量の調整方法としては、例えば、分子量調節剤(例えば、水素ガスや金属化合物など)を各工程で適切な量を加える方法、重合時の温度・圧力などを調節する方法等が挙げられる。
成分Aおよび成分Bにおけるエチレンに由来する構造単位の含有量の調整方法としては、エチレンを重合時の各工程で適切な量を加える方法等が挙げられる。
プロピレンブロック共重合体における成分Aおよび成分Bの割合は、例えば、プロピレンブロック共重合体の製造時の重合時間、重合槽の大きさ、重合槽中の重合体の保持量、重合温度、重合圧力などにより制御することができる。
プロピレンブロック共重合体の製造において、残留溶媒、製造時に副生する超低分子量のオリゴマー等を除去するためには、例えば、生成したプロピレン重合体が融解する温度以下の温度で、プロピレン重合体の乾燥を行ってもよい。乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、特開昭55−75410号、特許第2565753号公報に記載された方法が挙げられる。
プロピレン重合体の融点は、耐熱性の観点から、好ましくは120〜170℃であり、より好ましくは130〜170℃である。
また、プロピレン重合体の密度は、好ましくは880kg/m〜910kg/mであり、より好ましくは890kg/m〜910kg/mである。
また、プロピレン重合体のメルトフローレートは、好ましくは1g/10分〜10g/10分であり、より好ましくは1g/10分〜5g/10分である。なお、プロピレン重合体のメルトフローレートは、JIS K 7210に従って、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるものである。
また、プロピレン重合体の分子量分布は、好ましくは2〜6であり、より好ましくは2〜4である。
プロピレン重合体の分子量分布を上記の範囲とする方法としては、例えば、触媒種や触媒量を調整する方法、重合条件を調整する方法、過酸化物などの分解剤を使用する方法、多段重合や2種以上の重合体をブレンドすることにより異なる分子量の重合体を混合する方法等が挙げられる。なお、分子量分布とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と記載することがある。)により測定される重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)である。
エチレン重合体としては、例えば、エチレンの単独重合体およびエチレン系共重合体が挙げられる。
エチレン系共重合体は、エチレンに由来する構成単位を、好ましくは50質量%以上含み、より好ましくは60質量%〜98質量%含む。
エチレン系共重合体に含まれるエチレン以外の構成単位としては、例えば、炭素原子数4〜12のα−オレフィン、および、プロピレンからなる群から選ばれる1種以上に由来する構成単位が挙げられる。
具体的には、エチレン重合体としては、例えば、エチレンとα−オレフィンとの共重合体(以下では、エチレン−α−オレフィン共重合体とも記す)が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに由来する構成単位を、好ましくは65質量%〜98質量%含み、より好ましくは75質量%〜95質量%含む。
またエチレン−α−オレフィン共重合体は、炭素原子数4〜12のα−オレフィンに由来する構成単位を、好ましくは2質量%〜35質量%含み、より好ましくは5質量%〜25質量%含む。
炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、および、1−ドデセンが挙げられる。好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、および、1−オクテンが挙げられ、包装袋を製造する際のフィルムのヒートシール強度を良好なものにする観点から、さらに好ましくは、1−ブテン、および、1−ヘキセンが挙げられる。
エチレン重合体の製造方法としては、例えば、メタロセン触媒を用いた方法が挙げられる。メタロセン触媒としては、例えば、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を持つ遷移金属化合物(以下では、メタロセン系遷移金属化合物、とも記載する)を用いたものが挙げられる。
メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、下記(1)式で表される化合物が挙げられる。ただし、下記(1)式中のMは、元素の周期律表の第4族またはランタノイド系列の遷移金属原子である。また、下記(1)式中のLは、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、少なくとも一つはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である。また、下記(1)式中で複数のLは、互いに架橋していてもよい。また、下記(1)式中のX’は、ハロゲン原子、水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基である。また、下記(1)式中のQは、遷移金属原子の原子価を表す。また、下記(1)式中のTは、0<T≦Qを満足する整数である。

MLX’Q−T・・・(1)
上記の(1)式で表されるメタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、ビス(1,3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−n−プロピルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、および、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドが挙げられる。
上記のメタロセン系遷移金属化合物は、活性化助触媒と接触させて用いることが好ましい。活性化助触媒としては、例えば、アルモキサン化合物、ホウ素化合物(例えば、有機アルミニウム化合物とトリチルボレート、アニリニウムボレート等との化合物など)等を併用してなる活性化助触媒が挙げられる。また、メタロセン系遷移金属化合物は、無機担体(例えば、SiO、Al等から構成される担体)、有機担体(例えば、エチレン、スチレン等の重合体等から構成される担体)を含む粒子状担体と組み合わせて用いてもよい。
エチレン重合体の融点は、耐衝撃性の観点から、好ましくは135℃以下であり、より好ましくは130℃以下である。
エチレン重合体の密度は、好ましくは860kg/m〜930kg/mであり、より好ましくは880kg/m〜930kg/mである。エチレン重合体の密度が880kg/m以上であることで、剛性に優れたフィルムを得ることができる。また、エチレン重合体の密度が930kg/m以下であることで、低温での耐衝撃性に優れたフィルムを得ることができる。エチレン重合体の密度を上記の範囲とする方法としては、エチレンとα−オレフィンとを共重合する割合を調整する方法が挙げられる。
また、エチレン重合体のメルトフローレートは、好ましくは0.5g/10分〜30g/10分であり、より好ましくは0.5g/10分〜10g/10分であり、さらに好ましくは1g/10分〜5g/10分である。メルトフローレートが0.5g/10分以上であることで、フィルムの表面に微細な凹凸(所謂、ゆず肌)を発生してしまうのを抑制することができる。また、メルトフローレートが30g/10分以下であることで、包装袋を製造する際にフィルムのヒートシール強度を良好なものとすることができる。
なお、エチレン重合体のメルトフローレートは、JIS K 7210に従って、温度190℃、荷重21.18Nで測定されるものである。
また、エチレン重合体の分子量分布は、好ましくは1以上4未満であり、より好ましくは1.5以上3未満である。分子量分布が3未満であることで、低温での耐衝撃性に優れたフィルムを得ることができる。
エチレン重合体の分子量分布を1以上4未満とする方法としては、例えば、メタロセン触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が挙げられる。なお、分子量分布とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と記載することがある。)により測定される重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)である。
本実施形態に係るフィルムは、他のフィルムと積層されて使用されてもよい。他のフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン二軸延伸フィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリテレフタル酸エチルフィルム、および、アルミニウム箔等が挙げられる。本発明のフィルムと他のフィルムとを積層する方法としては、例えば、ドライラミネート法や押出ラミネート法等が挙げられる。
また、本実施形態に係るフィルムは、袋状に形成されて内容物が収容される包装袋の材料として使用することができる。斯かる包装袋は、例えば、シャンプー、リンス、醤油、鍋つゆ等の液状物を収容するものであってもよく、塩や砂糖等の粉状物を収容するものであってもよく、レトルト食品等を収容するものであってもよい。
本実施形態に係るフィルムの製造方法では、前記プロピレン重合体と前記エチレン重合体とを含む樹脂組成物を溶融状態で押し出す押出機を備える装置が使用される。斯かる押出機を使用したフィルムの製造方法としては、例えば、Tダイ法、または、インフレーション法等の公知の方法を用いることができる。また、公知の方法によって一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムとして製造することもできる。
例えば、Tダイ法で無延伸フィルムを製造する場合、図1に示すように、前記プロピレン重合体と前記エチレン重合体とを含む樹脂組成物を溶融状態で押し出す押出機101と、複数の押出機101を用いる場合に各押出機101から押し出された樹脂組成物の合流部分となるフィードブロック102と、該フィードブロック102から供給される樹脂組成物をシート状に押し出すTダイ103と、該Tダイ103から供給されるシート状の樹脂組成物を冷却する複数のチルロール104とを備える製造装置10が用いられる。
上記の何れのフィルムの製造方法においても、押出機101を備える装置が用いられる。該押出機101は、図2に示すように、樹脂組成物が供給されるバレルRを形成する本体部1と、バレルR内へ樹脂組成物を供給可能に構成された供給部(図示せず)とを備える。また、押出機101は、バレルRに供給された樹脂組成物の溶融状態が維持されるように、ヒーター等の加熱手段(図示せず)を備える。該加熱手段は、バレルR内の樹脂組成物を、好ましくは190℃〜300℃、より好ましくは210℃〜280℃に加熱するように構成される。
本体部1は、一方向に沿った軸線(仮想線)Lを中心に回転するスクリュー1aと、樹脂組成物が押し出される押出開口部1bとを備える。なお、本体部1は、スクリュー1aを少なくとも一つ備えればよく、スクリュー1aを複数備えるように構成されてもよい。以下では、スクリュー1aを一つ備える場合を例に説明する。
スクリュー1aは、一方向に沿って伸びる軸部1cと該軸部1cの周囲に螺旋状に形成される羽部1dとを備え、軸部1cを軸として羽部1dが回転するように構成される。スクリュー1aの径(羽部1dの径)は、好ましくは40mm〜200mmであり、より好ましくは50mm〜200mmである。また、羽部1dの間隔X1は、好ましくは50mm〜200mmある。また、スクリュー1aの径に対するスクリュー1aの長さの割合は、好ましくは15〜40であり、より好ましくは20〜35である。
スクリュー1aは、バレルR内に配置される。また、スクリュー1aは、一方向の一端部(以下、先端部とも記す)1a1が押出開口部1b側に位置する。そして、スクリュー1aの先端部1a1は、軸線Lの延びる方向において押出開口部1bから離間した位置に配置される。また、スクリュー1aは、一方向の他端部(図示せず)がスクリュー1aを回転させる動力を発生させる動力発生部(図示せず)に連結される。
また、本体部1には、バレルRを形成する内周面とスクリュー1aとの間(即ち、スクリュー1aの周囲)に、樹脂組成物が押出開口部1b側へ向かって搬送される搬送空間(具体的には、筒状の搬送空間)R1が形成される。本体部1におけるバレルRを形成する内周面とスクリュー1aの羽部1dとの最短間隔X2としては、例えば、0.1mm〜2mmであることが好ましく、0.1mm〜1mmであることがより好ましい。また、本体部1には、スクリュー1aの先端部1a1と押出開口部1bとの間に、押出空間R2が形成される。搬送空間R1は、スクリュー1aの先端部1a1の周囲では、押出空間R2側へ向かうに従って軸線Lに近づくように形成される。つまり、本実施形態では、スクリュー1aの先端部1a1は、先細るように形成される。また、搬送空間R1は、スクリュー1aの先端部1a1以外の部分の周囲では、軸線Lに沿って形成される。
押出機101に供給される樹脂組成物としては、前記プロピレン重合体および前記エチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、前記プロピレン重合体の含有量が50質量%〜95質量%であり、エチレン重合体の含有量が5質量%〜50質量%であるものが用いられる。
上記のような樹脂組成物を用いてフィルムを製造する方法は、樹脂組成物を溶融混練する工程(以下、溶融混練工程とも記す)と、溶融混練された樹脂組成物を押出機101から押し出す工程(以下、押出工程とも記す)と、押し出された樹脂組成物を所定の厚みに成膜する工程(以下、成膜工程とも記す)とを備える。
溶融混練とは、溶融した状態の樹脂組成物を混練することである。前記溶融混練工程では、溶融した状態の樹脂組成物を押出機101内でスクリュー1aの回転によって混練する。押出機101に供給する樹脂組成物は、予め溶融した状態のものであってもよく、溶融前の状態(ペレット状のもの)であってもよい。溶融前の樹脂ペレットを押出機101に供給する場合、樹脂ペレットは、押出機101内で溶融される。
前記溶融混練工程では、溶融した状態の樹脂組成物を、スクリュー1aの回転によって溶融混練しつつ搬送空間R1内を押出開口部1b側へ向かって搬送する。
前記押出工程では、スクリュー1aの回転による樹脂組成物の搬送を継続することで、押出開口部1bに達した樹脂組成物を押出開口部1bから押し出す。
押出工程は、スクリュー1aの回転数が80rpm以上の条件で行い、好ましくは80rpm〜120rpmの条件で行う。スクリュー1aの回転数が上記の範囲である条件で押出工程を行うことで、耐破袋性に優れた包装袋を形成することができるフィルムを得ることができる。
押出工程における出口圧力としては、好ましくは10Mpa〜35Mpa、より好ましくは15Mpa〜30Mpaである。なお、出口圧力とは、押出開口部1b付近における溶融樹脂にかかる圧力である。出口圧力の測定方法としては、押出開口部1b付近に圧力計を設置して測定する方法などが挙げられる。
上記のように押出機101から押し出された樹脂組成物は、30μm〜200μmの厚さ、好ましくは50μm〜100μmの厚さに成膜される(成膜工程)。例えば、図1に示す製造装置10では、押出機101から押し出された樹脂組成物は、フィードブロック102を介してTダイ103に供給される。そして、押出機101から押し出された樹脂組成物がTダイ103から排出されることで、上記の厚さに成膜される。成膜された樹脂組成物は、チルロール104と接触することで冷却されてフィルムFが形成される。
なお、本発明に係るフィルム、および、その製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記以外の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく、上記の1つの実施形態に係る構成や方法等を上記の他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよい。
以下、実施例、及び、比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<プロピレン重合体>
第一工程として、チーグラー・ナッタ型触媒を用いて、気相重合法により、プロピレンを重合した。次いで、第二工程として、得られたプロピレンの単独重合体の存在下で、気相重合法により、プロピレンとエチレンとを共重合し、プロピレン重合体を得た。得られたプロピレン重合体は、プロピレン単独重合体(成分A)の含有量が77質量%であり、エチレン−プロピレン共重合体(成分B)の含有量が23質量%であった。また、成分Bにおけるエチレンに由来する構造単位の含有量が30質量%であった。
得られたプロピレン重合体100質量部に対して、水酸化カルシウム0.005質量%、スミライザーGP(2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、住友化学株式会社製)0.075質量%、スミライザーGS(2,4―ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート、住友化学株式会社製)0.03質量%、および、メルトフローレート調整剤(2,5−ジメチル−2,5ジ(ターシャリ−ブチルパーオキシ)ヘキサン)適量をプロピレン重合体と共にヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット状のプロピレン重合体(PP1)を得た。得られたペレット状のプロピレン重合体(PP1)は、230℃で測定したメルトフローレートが3g/10分であった。
なお、プロピレン重合体における成分Aおよび成分Bの含有量は、成分Aおよび成分Bの重合時の物質収支から得られたものである。
プロピレン重合体のメルトフローレートは、JIS K 7210に従って、温度230℃、荷重21.18Nで測定したものである。
プロピレン重合体における成分Bにおけるエチレンに由来する構造単位の含有量は、プロピレン重合体の全体のIRスペクトル測定を行い、高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている「(ii)ブロック共重合体に関する方法」に従い、下記(2)式により得られたものである。ただし、(2)式中のE、EおよびEは、それぞれプロピレン重合体の全体、成分A、および、成分Bにおけるエチレン含有量を表し、PおよびPは、成分Aおよび成分Bの含有量を示す。

=(E−E×P)/P・・・(2)
<エチレン重合体(PE1)>
エチレン重合体(PE1)として、エチレン−ブテン−1共重合体(スミカセン FS240、住友化学株式会社製)を用いた。エチレン重合体(PE1)は、190℃で測定したメルトフローレートが2.0g/10分であり、密度が922kg/mであった。
[エチレン重合体(PE2)]
エチレン重合体(PE2)として、エチレン−ブテン−1共重合体(タフマー A4085s、三井化学株式会社製)を用いた。エチレン重合体(PE2)は、190℃で測定したメルトフローレートが3.6g/10分であり、密度が885kg/mであった。
[エチレン重合体(PE3)]
エチレン重合体(PE3)として、エチレン単独重合体(G1900、京葉ポリエチレン株式会社製)を用いた。エチレン重合体(PE3)は、190℃で測定したメルトフローレートが17g/10分であり、密度が956kg/mであった。
各エチレン重合体のメルトフローレートは、JIS K 7210−1995に従って、温度190℃、荷重21.18Nで測定したものである。
各エチレン重合体の密度は、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定したものである。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
<フィルム>
図1に示す製造装置10において、押出機101を3台とし、各押出機101をフィードブロック102に接続した製造装置を用い、実施例および比較例のフィルムを作製した。押出機101としては、三菱重工株式会社製の製品名:UBD(2台)および製品名:UBF(1台)を使用した。
<実施例1>
プロピレン重合体(PP1)80質量%とエチレン重合体(PE1)20質量%とをペレットブレンドした樹脂組成物を濾過精度40μmの金属フィルターを使用した3台の押出機101に供給した。そして、各押出機101のスクリュー1aの回転数を100回転/分として樹脂組成物の溶融混練を行いつつ溶融混練された樹脂組成物を押出た。そして、各押出機101から押し出された樹脂組成物を、フィードブロック102を介してTダイ(ダイ幅1250mm、リップ開度0.8mm)に供給し、ダイ温度240℃で溶融押出して成膜した。成膜された樹脂組成物を70m/分で回転する冷却温度40℃のチルロール104で冷却固化し、厚さ70μmのフィルムを得た。
<実施例2>
プロピレン重合体(PP1)80質量%とエチレン重合体(PE2)20質量%とをペレットブレンドした樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。
<実施例3>
プロピレン重合体(PP1)80質量%とエチレン重合体(PE3)20質量%とをペレットブレンドした樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。
<比較例1>
スクリュー1aの回転数を50回転/分とし、チルロール104の回転数を37m/分とした以外は、実施例3と同様の方法でフィルムを得た。
<比較例2>
スクリュー1aの回転数を20回転/分とし、チルロール104の回転数を21m/分としたこと以外は、実施例3と同様の方法でフィルムを得た。
<包装袋>
各実施例および各比較例のフィルムのそれぞれと、アルミ箔(厚み7μm)と、ポリエチレンテレフタラートフィルム(厚み12μm)とを、この記載の順でドライラミネート法により積層し、複合フィルムを得た。そして、得られたフィルムが内側となるように、スタンディングパウチ製袋機(西部機械株式会社製)で、15cm×18cmの三方袋を作成した。また、得られた三方袋に水160gを充填して密封し、水入り包装袋を作製した。
<突刺破断荷重、突刺破断変形量>
各実施例および各比較例のフィルムから、MD方向が長手となるように50mm×10mmの矩形状の試験片を採取した。
そして、ロードセルおよび突き刺し棒を備える測定装置(RSA−G2、TA Instruments社製)と、サンプルホルダー(スパン30mmの曲げ用治具)とを用いて試験を行った。具体的には、試験片が略水平になるように、試験片の四隅をサンプルホルダーに固定した。次に、試験片を−40℃±2℃になるように冷却した状態で、−40℃±2℃に冷却した突き刺し棒の先端部(材質:ステンレス鋼)を試験片の中央部に略垂直に押し当てて、該先端部を4mm/秒の速度で垂直方向に移動させることにより、試験片が破断するまでの荷重をロードセルで測定した。
なお、突き刺し棒の先端部は、直円錐状に形成されており、該直円錐の底面の半径が1mmであり、該直円錐の底面からの高さが3mmである。また、突き刺し棒の先端部は、直円錐の頂点部が円弧状に形成されており、該頂点部の半径が350μmである。
そして、測定データの荷重が最小値になった時の突き刺し棒の先端部の移動量(変形量)を0mmとし、その時の荷重を0gとして、変形量―荷重曲線を作成した。また、変形量―荷重曲線の最大荷重を突刺破断荷重とし、突刺破断荷重を示したときの変形量を突刺破断変形量とした。突刺破断荷重および突刺破断変形量の数値については、下記表1に示す。
<落袋強度>
水入り包装袋を、5℃で24時間、状態調整した後、225mmの高さから水入り包装袋の上に1kgの重りを繰返し落下させ、水入り包装袋が破袋するのに要する重りの落下回数を測定した。測定は、各実施例および各比較例のフィルムのそれぞれについてn=1〜10で(つまり、10袋ずつ)行った。そして、n=1〜10の水入り包装袋のそれぞれが破袋するのに要する重りの落下回数をX1〜X10とし、以下の(3)式によって落袋強度を算出した。落袋強度の数値については、下記表1に示す。
Figure 2021046471
Figure 2021046471
<まとめ>
上記の表1を見ると、各実施例の方が各比較例よりも突刺破断荷重および突刺破断変形量が大きいことが認められる。そして、各実施例および各比較例の落袋強度を見ると、各実施例の方が点数が高いことが認められる。つまり、本発明のように、突刺破断荷重および突刺破断変形量が所定の範囲となるように構成されたフィルムを用いることで、耐破袋性に優れた包装袋を形成することができる。また、スクリュー1aの回転が本発明の範囲となる条件でフィルムを製造することで、得られたフィルムを用いて耐破袋性に優れた包装袋を形成することができる。
1…本体部、1a…スクリュー、1a1…スクリューの先端部、1b…押出開口部、1c…軸部、1d…羽部、10…製造装置、101…押出機、102…フィードブロック、103…Tダイ、104…チルロール、F…フィルム、L…軸線、R…バレル、R1…搬送空間、R2…押出空間

Claims (9)

  1. プロピレンに由来する構造単位を50質量%以上含むプロピレン重合体と、エチレンに由来する構造単位を50質量%以上含むエチレン重合体とを含有するフィルムであって、
    プロピレン重合体およびエチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、プロピレン重合体の含有量が50質量%〜95質量%であり、エチレン重合体の含有量が5質量%〜50質量%であり、
    厚さが30μm〜200μmであり、
    突刺破断荷重が1800g以上であり、突刺破断変形量が10.5mm以上である、フィルム。
  2. 前記突刺破断荷重が1900g〜2200gである、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記突刺破断変形量が11.0mm〜13.0mmである、請求項1または2に記載のフィルム。
  4. 前記プロピレン重合体は、プロピレンブロック共重合体であり、
    該プロピレンブロック共重合体は、
    プロピレンに由来する構造単位を95質量%以上含む成分Aと、
    プロピレンに由来する構造単位を50質量%〜85質量%、並びに、エチレンおよび炭素原子数4〜12のα−オレフィンからなる群から選ばれる1種以上に由来する構造単位を15質量%〜50質量%含む成分Bとを含有し、
    成分Aおよび成分Bの合計含有量100質量%に対して、成分Aの含有量が50質量%〜85質量%であり、成分Bの含有量が15質量%〜50質量%である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム。
  5. 前記エチレン重合体は、エチレン−α−オレフィン共重合体であり、
    該エチレン−α−オレフィン共重合体は、
    エチレンに由来する構造単位を65質量%〜98質量%含むと共に、炭素原子数4〜12のα−オレフィンに由来する構造単位を2質量%〜35質量%含み、
    密度が860kg/m〜930kg/mである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム。
  6. プロピレンに由来する構造単位を50質量%以上含むプロピレン重合体と、エチレンに由来する構造単位を50質量%以上含むエチレン重合体とを含有し、プロピレン重合体およびエチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、プロピレン重合体の含有量が50質量%〜95質量%であり、エチレン重合体の含有量が5質量%〜50質量%である組成物を溶融混錬する工程と、
    溶融混錬された組成物を、スクリューを備える押出機を用いて、スクリュー回転数80rpm以上の条件で押し出す工程と、
    押し出された組成物を厚さが30μm〜200μmに成膜する工程と
    を含む、フィルムの製造方法。
  7. 前記スクリュー回転数が80rpm〜120rpmである、請求項6に記載のフィルムの製造方法。
  8. 前記スクリューの径が40mm〜200mmである、請求項6または7に記載のフィルムの製造方法。
  9. プロピレンに由来する構造単位を50質量%以上含むプロピレン重合体と、エチレンに由来する構造単位を50質量%以上含むエチレン重合体とを含有し、プロピレン重合体およびエチレン重合体の合計含有量100質量%に対して、プロピレン重合体の含有量が50質量%〜95質量%であり、エチレン重合体の含有量が5質量%〜50質量%である組成物が溶融混練されたものが、80rpm以上で回転するスクリューを備える押出機を用いて押し出されて成膜され、厚さが30μm〜200μmであるフィルム。
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JP2000119480A (ja) * 1998-10-15 2000-04-25 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリプロピレン樹脂組成物及びそのフイルム

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