JP3361243B2 - 多層シート - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、易開封性、耐衝撃
性、耐熱性に優れる包装用、容器用の多層シートに関す
るものである。更に詳しくは、本発明は、食品や飲料等
の包装材として加熱殺菌時に加えられる圧力、熱に耐え
る密封性を有し、且つ、易開封性を有し、シール部のみ
で剥離し、剥離面の外観が良好な包装用、容器用の多層
シートに関するものであり、特に容器として用いる場合
には、蓋材に加わる振動、衝撃への耐性にも優れている
多層シートに関するものである。
性、耐熱性に優れる包装用、容器用の多層シートに関す
るものである。更に詳しくは、本発明は、食品や飲料等
の包装材として加熱殺菌時に加えられる圧力、熱に耐え
る密封性を有し、且つ、易開封性を有し、シール部のみ
で剥離し、剥離面の外観が良好な包装用、容器用の多層
シートに関するものであり、特に容器として用いる場合
には、蓋材に加わる振動、衝撃への耐性にも優れている
多層シートに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】食品、飲料等の包装容器として、蓋が容
易に開けられる易開封性のプラスチック製密封容器が一
般に用いられている。従来から行われている一般的な容
器の開封方法としては、蓋材のシール層を構成する樹脂
の組成を変えることで容器とのシール強度を制御し（通
常５００〜１５００ｇ／１５ｍｍ、剥離速度：３００ｍ
ｍ／ｍｉｎ）、蓋材と容器との界面をピールして開封を
行う界面剥離タイプ、凝集剥離タイプが一般的であっ
た。ところが、シール強度はシール条件、雰囲気温度、
内容物の底材と蓋材との界面への付着等の影響を受け易
く、シール強度のバラツキの原因となっていた。往々に
して、内容物の漏れ対策からシール強度を強めに設定し
て開封感を損ねたり、また逆にピール感を優先すること
でシール不良による漏れの問題を起こしていた。
易に開けられる易開封性のプラスチック製密封容器が一
般に用いられている。従来から行われている一般的な容
器の開封方法としては、蓋材のシール層を構成する樹脂
の組成を変えることで容器とのシール強度を制御し（通
常５００〜１５００ｇ／１５ｍｍ、剥離速度：３００ｍ
ｍ／ｍｉｎ）、蓋材と容器との界面をピールして開封を
行う界面剥離タイプ、凝集剥離タイプが一般的であっ
た。ところが、シール強度はシール条件、雰囲気温度、
内容物の底材と蓋材との界面への付着等の影響を受け易
く、シール強度のバラツキの原因となっていた。往々に
して、内容物の漏れ対策からシール強度を強めに設定し
て開封感を損ねたり、また逆にピール感を優先すること
でシール不良による漏れの問題を起こしていた。
【０００３】これらの問題を解決するために密封性、易
開封性ともに優れた容器として、シール層とそれに隣接
する層とのデラミネーションにより開封する方法が提案
されているが、通常のシールではシール層がうまく破断
せず、内容物が取り出しにくいという難点がある。ま
た、剥離層と隣接層との切り離しを容易にするためフラ
ンジ部に切り込みを設ける構造も提案されている（特開
昭６２−２５１３６３号公報、特開昭６３−２５０３７
号公報）。しかしながら、これらの構造の容器の場合に
は、製造段階において切り込み部分の外側をシールしな
ければならないため、シール時の位置設定に厳密な管理
が必要となる構造上の問題点がある。その上、本体容器
シール層を剥離する方式においては、そのフランジ部の
周辺端部までシールを行う関係上、剥離を周辺端部から
開始する必要があり、このため容器形状の面にも制約を
受ける欠点がある。
開封性ともに優れた容器として、シール層とそれに隣接
する層とのデラミネーションにより開封する方法が提案
されているが、通常のシールではシール層がうまく破断
せず、内容物が取り出しにくいという難点がある。ま
た、剥離層と隣接層との切り離しを容易にするためフラ
ンジ部に切り込みを設ける構造も提案されている（特開
昭６２−２５１３６３号公報、特開昭６３−２５０３７
号公報）。しかしながら、これらの構造の容器の場合に
は、製造段階において切り込み部分の外側をシールしな
ければならないため、シール時の位置設定に厳密な管理
が必要となる構造上の問題点がある。その上、本体容器
シール層を剥離する方式においては、そのフランジ部の
周辺端部までシールを行う関係上、剥離を周辺端部から
開始する必要があり、このため容器形状の面にも制約を
受ける欠点がある。
【０００４】また、特開平２−９８５６０号公報に記載
されているようにフランジ部外側に剥離開始用弱め線と
フランジ部内側に剥離停止用弱め線を設置し、孔部を設
置することによりシール盤の位置精度を厳密に設定しな
ければならないという製造上の不都合を解消した構造も
提唱されている。しかし、この構造容器の場合には、フ
ランジ部外側、内側に弱め線を入れ、更に孔部を設置す
る工程が必要となりコストもかかる欠点がある。
されているようにフランジ部外側に剥離開始用弱め線と
フランジ部内側に剥離停止用弱め線を設置し、孔部を設
置することによりシール盤の位置精度を厳密に設定しな
ければならないという製造上の不都合を解消した構造も
提唱されている。しかし、この構造容器の場合には、フ
ランジ部外側、内側に弱め線を入れ、更に孔部を設置す
る工程が必要となりコストもかかる欠点がある。
【０００５】この欠点を解決する方策として特開平３−
１４８４６４号公報に記載されているように、フランジ
部の蓋材とのシール部の最内層厚み、変曲点部の最内層
厚み、最内層材料の破断強度等を特定した容器を用いる
ことにより平シールのみで開封容易にシールすることが
できる構造も提案されている。しかし、この構造容器の
場合は変曲点を成型するには特殊な金型、クランプが必
要となり、また蓋材を開封後、最内層シール部の内縁か
らフランジ内側、またはフランジ段落とし部の変曲点に
かけての最内層非シール部が蓋材に付着し外観を損ねる
欠点がある。
１４８４６４号公報に記載されているように、フランジ
部の蓋材とのシール部の最内層厚み、変曲点部の最内層
厚み、最内層材料の破断強度等を特定した容器を用いる
ことにより平シールのみで開封容易にシールすることが
できる構造も提案されている。しかし、この構造容器の
場合は変曲点を成型するには特殊な金型、クランプが必
要となり、また蓋材を開封後、最内層シール部の内縁か
らフランジ内側、またはフランジ段落とし部の変曲点に
かけての最内層非シール部が蓋材に付着し外観を損ねる
欠点がある。
【０００６】また、これらの問題点を解決するために、
容器フランジ部に平シールのみをすることにより密封性
と層間剥離による易開封性を両立すべくメルトフローレ
ートの異なる少なくとも２種以上の高密度ポリエチレン
樹脂をシール層に配合した方法（特公平３−１０８５３
９号公報、特開平８−１４２２７８号公報）が提案され
ている。しかし、シール層のカット性が良好であるた
め、同時にその脆弱性から蓋材にかかる衝撃、振動に弱
く、製品流通時に内容物が漏れ出す危険性が高い。
容器フランジ部に平シールのみをすることにより密封性
と層間剥離による易開封性を両立すべくメルトフローレ
ートの異なる少なくとも２種以上の高密度ポリエチレン
樹脂をシール層に配合した方法（特公平３−１０８５３
９号公報、特開平８−１４２２７８号公報）が提案され
ている。しかし、シール層のカット性が良好であるた
め、同時にその脆弱性から蓋材にかかる衝撃、振動に弱
く、製品流通時に内容物が漏れ出す危険性が高い。
【０００７】更に、食品の中には包装後加熱殺菌される
ものがあり、加熱殺菌時の生産性、殺菌性を上げるた
め、例えばより高温の条件（１２０℃、３０ｍｉｎ）で
加熱殺菌する等厳しい条件で実施されることが多くな
り、圧力、熱に耐えるより高い密封性が要求されてい
る。高密度ポリエチレン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチ
レン系樹脂の混合物よりなるシール層とポリオレフィン
系樹脂からなる隣接層が、良好な剥離機能を有するとし
て提案されているが、前述のような厳しい加熱殺菌条件
ではシール部が内圧に負けて剥離するという問題が発生
しており、実際の作業では容器の外から加圧してシール
部の剥離を抑えているのが現状である。
ものがあり、加熱殺菌時の生産性、殺菌性を上げるた
め、例えばより高温の条件（１２０℃、３０ｍｉｎ）で
加熱殺菌する等厳しい条件で実施されることが多くな
り、圧力、熱に耐えるより高い密封性が要求されてい
る。高密度ポリエチレン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチ
レン系樹脂の混合物よりなるシール層とポリオレフィン
系樹脂からなる隣接層が、良好な剥離機能を有するとし
て提案されているが、前述のような厳しい加熱殺菌条件
ではシール部が内圧に負けて剥離するという問題が発生
しており、実際の作業では容器の外から加圧してシール
部の剥離を抑えているのが現状である。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術にお
いては背反性能である密封性と層間剥離による易開封性
を製造工程上の不都合、容器形状の制約なしに容器フラ
ンジ部に平シールのみを施すことで両立させ、さらに従
来より厳しい加熱殺菌条件にも耐え、且つ、製品流通時
に加わる振動、衝撃への十分な耐性を有する容器用多層
シートを提供するものである。
いては背反性能である密封性と層間剥離による易開封性
を製造工程上の不都合、容器形状の制約なしに容器フラ
ンジ部に平シールのみを施すことで両立させ、さらに従
来より厳しい加熱殺菌条件にも耐え、且つ、製品流通時
に加わる振動、衝撃への十分な耐性を有する容器用多層
シートを提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は剥離機能を有す
るシール層が高密度ポリエチレン系樹脂とメタロセン系
シングルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリ
エチレン系樹脂の混合物、シール層の外側の隣接層がポ
リオレフィン系樹脂からなる少なくとも２層以上の多層
シートであり、更に好ましい態様は、シール層に用いら
れる高密度ポリエチレン系樹脂の引張破壊伸びが５〜５
００％（ＪＩＳ Ｋ ６７６０）であり、メタロセン系
シングルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリ
エチレン系樹脂の破断時抗張力が２００〜４００Ｋｇ／
ｃｍ2(ＡＳＴＭ Ｄ６３８）であり、シール層が高密度
ポリエチレン系樹脂９５〜３０重量％、メタロセン系シ
ングルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリエ
チレン系樹脂５〜７０重量％の比率で配合されており、
シール層の厚みが５〜２５μｍであり、ポリオレフィン
系樹脂がポリプロピレン系樹脂である多層シートであ
る。
るシール層が高密度ポリエチレン系樹脂とメタロセン系
シングルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリ
エチレン系樹脂の混合物、シール層の外側の隣接層がポ
リオレフィン系樹脂からなる少なくとも２層以上の多層
シートであり、更に好ましい態様は、シール層に用いら
れる高密度ポリエチレン系樹脂の引張破壊伸びが５〜５
００％（ＪＩＳ Ｋ ６７６０）であり、メタロセン系
シングルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリ
エチレン系樹脂の破断時抗張力が２００〜４００Ｋｇ／
ｃｍ2(ＡＳＴＭ Ｄ６３８）であり、シール層が高密度
ポリエチレン系樹脂９５〜３０重量％、メタロセン系シ
ングルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリエ
チレン系樹脂５〜７０重量％の比率で配合されており、
シール層の厚みが５〜２５μｍであり、ポリオレフィン
系樹脂がポリプロピレン系樹脂である多層シートであ
る。
【００１０】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるシール層には
高密度ポリエチレン系樹脂（以下、ＨＤＰＥという）と
メタロセン系シングルサイト触媒により重合された直鎖
状低密度ポリエチレン系樹脂（以下、ｍ−ＬＬＤＰＥと
いう）の混合物が用いられる。ＨＤＰＥとｍ−ＬＬＤＰ
Ｅの配合比率は、ＨＤＰＥ９５〜３０重量％に対しｍ−
ＬＬＤＰＥ５〜７０重量％である。好ましい配合比率と
してはＨＤＰＥ５０〜８０重量％に対しｍ−ＬＬＤＰＥ
５０〜２０重量％で、易開封性、耐衝撃性、耐熱性の良
好なものが得られる。シール層のｍ−ＬＬＤＰＥの量が
７０％を越えるとカット性が低下し、開封面に毛羽立ち
や糸引きにより外観を損ねる恐れがある。一方、ｍ−Ｌ
ＬＤＰＥが５％未満であると十分な耐衝撃性が得られな
い。
高密度ポリエチレン系樹脂（以下、ＨＤＰＥという）と
メタロセン系シングルサイト触媒により重合された直鎖
状低密度ポリエチレン系樹脂（以下、ｍ−ＬＬＤＰＥと
いう）の混合物が用いられる。ＨＤＰＥとｍ−ＬＬＤＰ
Ｅの配合比率は、ＨＤＰＥ９５〜３０重量％に対しｍ−
ＬＬＤＰＥ５〜７０重量％である。好ましい配合比率と
してはＨＤＰＥ５０〜８０重量％に対しｍ−ＬＬＤＰＥ
５０〜２０重量％で、易開封性、耐衝撃性、耐熱性の良
好なものが得られる。シール層のｍ−ＬＬＤＰＥの量が
７０％を越えるとカット性が低下し、開封面に毛羽立ち
や糸引きにより外観を損ねる恐れがある。一方、ｍ−Ｌ
ＬＤＰＥが５％未満であると十分な耐衝撃性が得られな
い。
【００１１】本発明はｍ−ＬＬＤＰＥを使用すること
で、Ziegler系Ｔｉ触媒や、Phillips系Ｃｒ触媒等の従
来触媒により重合を受けた同一密度、ＭＩを持つ直鎖状
低密度ポリエチレン（以下、ＬＬＤＰＥという）と比較
して、より少ない添加量で従来触媒ＬＬＤＰＥと同等の
耐衝撃強度が得られる。これは、メタロセン系シングル
サイト触媒によりもたらされる分子鎖長の均一性及び各
分子鎖におけるコモノマー含量の均一性に起因するもの
であると思われる。よって、従来のシール層のＬＬＤＰ
Ｅ添加比率と比較して、同一強度を得るだけならｍ−Ｌ
ＬＤＰＥの添加比率を少なくすることができ、開封時の
カット性を損なわず、また、開封面の毛羽立ちを抑える
のに効果的である。更に、耐衝撃性が向上するため、従
来のＬＬＤＰＥと同一の厚さの容器であるならば、輸送
時の梱包形態を簡易化できるという利点もある。
で、Ziegler系Ｔｉ触媒や、Phillips系Ｃｒ触媒等の従
来触媒により重合を受けた同一密度、ＭＩを持つ直鎖状
低密度ポリエチレン（以下、ＬＬＤＰＥという）と比較
して、より少ない添加量で従来触媒ＬＬＤＰＥと同等の
耐衝撃強度が得られる。これは、メタロセン系シングル
サイト触媒によりもたらされる分子鎖長の均一性及び各
分子鎖におけるコモノマー含量の均一性に起因するもの
であると思われる。よって、従来のシール層のＬＬＤＰ
Ｅ添加比率と比較して、同一強度を得るだけならｍ−Ｌ
ＬＤＰＥの添加比率を少なくすることができ、開封時の
カット性を損なわず、また、開封面の毛羽立ちを抑える
のに効果的である。更に、耐衝撃性が向上するため、従
来のＬＬＤＰＥと同一の厚さの容器であるならば、輸送
時の梱包形態を簡易化できるという利点もある。
【００１２】本発明のＨＤＰＥの引張破壊伸びは５〜５
００％（ＪＩＳ Ｋ ６７６０）である。引張破壊伸び
が５％未満であれば蓋材への耐振動、耐衝撃強度を低下
させる恐れがあり、５００％を越えると開封時のシール
層のカット性を損ねる恐れがある。ｍ−ＬＬＤＰＥの破
断時抗張力は２００〜４００Ｋｇ／ｃｍ2(ＡＳＴＭ Ｄ
６３８）である。破断時抗張力が２００Ｋｇ／ｃｍ2未
満であれば十分な耐振動、耐衝撃強度が得られず、４０
０Ｋｇ／ｃｍ2を越えると開封時のシール層のカット性
を損ねる恐れがある。
００％（ＪＩＳ Ｋ ６７６０）である。引張破壊伸び
が５％未満であれば蓋材への耐振動、耐衝撃強度を低下
させる恐れがあり、５００％を越えると開封時のシール
層のカット性を損ねる恐れがある。ｍ−ＬＬＤＰＥの破
断時抗張力は２００〜４００Ｋｇ／ｃｍ2(ＡＳＴＭ Ｄ
６３８）である。破断時抗張力が２００Ｋｇ／ｃｍ2未
満であれば十分な耐振動、耐衝撃強度が得られず、４０
０Ｋｇ／ｃｍ2を越えると開封時のシール層のカット性
を損ねる恐れがある。
【００１３】シール層の厚みは３〜５０μｍが好まし
く、更に好ましくは５〜７μｍである。３μｍ未満にな
ると密封不足や衝撃、振動への耐性の低下を招き、逆に
５０μｍを越えるとカット性が悪くなり開封感を損ねた
り、毛羽立ちや糸引きによる外観を損ねる恐れがある。
く、更に好ましくは５〜７μｍである。３μｍ未満にな
ると密封不足や衝撃、振動への耐性の低下を招き、逆に
５０μｍを越えるとカット性が悪くなり開封感を損ねた
り、毛羽立ちや糸引きによる外観を損ねる恐れがある。
【００１４】本発明に用いられる隣接層の樹脂は易開封
性の点よりポリオレフィン系の樹脂である。例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、それらの共重合体等が用
いられるが、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。ポリプ
ロピレン系樹脂は、メルトフローレートが０．５〜５ｇ
／ｍｉｎのものが押出し成形をする上で望ましい。ま
た、耐熱性を保持する上でホモポリプロピレン樹脂が望
ましいが、特に耐熱性を必要とせず特性を害しない場合
にはエチレン等の他のオレフィン系あるいは共重合系樹
脂を単独若しくは、ブレンドして使用しても構わない。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートが０．５ｇ
／ｍｉｎ未満の場合は樹脂の広がりが悪く、また、５ｇ
／ｍｉｎを越えると樹脂垂れの為、シート化に支障があ
る。
性の点よりポリオレフィン系の樹脂である。例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、それらの共重合体等が用
いられるが、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。ポリプ
ロピレン系樹脂は、メルトフローレートが０．５〜５ｇ
／ｍｉｎのものが押出し成形をする上で望ましい。ま
た、耐熱性を保持する上でホモポリプロピレン樹脂が望
ましいが、特に耐熱性を必要とせず特性を害しない場合
にはエチレン等の他のオレフィン系あるいは共重合系樹
脂を単独若しくは、ブレンドして使用しても構わない。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートが０．５ｇ
／ｍｉｎ未満の場合は樹脂の広がりが悪く、また、５ｇ
／ｍｉｎを越えると樹脂垂れの為、シート化に支障があ
る。
【００１５】また、隣接層としてはポリオレフィン系樹
脂の単独層以外に、例えば、酸素バリア性等の向上の必
要があれば接着層を介してエチレン−酢酸ビニル共重合
体を中間層に挟む等、要求される特性に応じて必要な樹
脂を積層して多層構成としても差し支え無い。本発明の
多層シートの製造方法としては共押出法、ドライラミネ
ート法、押出しラミネート法で製造することができる。
脂の単独層以外に、例えば、酸素バリア性等の向上の必
要があれば接着層を介してエチレン−酢酸ビニル共重合
体を中間層に挟む等、要求される特性に応じて必要な樹
脂を積層して多層構成としても差し支え無い。本発明の
多層シートの製造方法としては共押出法、ドライラミネ
ート法、押出しラミネート法で製造することができる。
【００１６】
【実施例】以下の実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ものではない。 （実施例１〜２、比較例１〜５及び比較例６〜８）実施
例１〜２、比較例１〜５のシール層は、表１に示す樹
脂、シール層厚みより構成した。隣接層は、厚みが７５
０μｍであるホモポリプロピレン系樹脂（ＭＦＲ=２．
５ｇ／１０ｍｉｎ）、接着層（無水マレイン酸変性ポリ
プロピレン樹脂）、酸素ガスバリア層（エチレン−酢酸
ビニル共重合体のケン化物）、接着層（無水マレイン酸
変性ポリプロピレン樹脂）、ホモポリプロピレン系樹脂
（ＭＦＲ=２．５ｇ／１０ｍｉｎ）の５層構成とし、共
押出法によりシート化した後、シール層を押出しラミネ
ーション法により接着し６層構成からなる多層シートを
成形した。比較例６〜８は、実施例のｍ−ＬＬＤＰＥを
ＬＬＤＰＥに置き換えた以外は実施例と同様にして多層
シートを成形した。樹脂、シール層厚み等の構成は表２
に示した。
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ものではない。 （実施例１〜２、比較例１〜５及び比較例６〜８）実施
例１〜２、比較例１〜５のシール層は、表１に示す樹
脂、シール層厚みより構成した。隣接層は、厚みが７５
０μｍであるホモポリプロピレン系樹脂（ＭＦＲ=２．
５ｇ／１０ｍｉｎ）、接着層（無水マレイン酸変性ポリ
プロピレン樹脂）、酸素ガスバリア層（エチレン−酢酸
ビニル共重合体のケン化物）、接着層（無水マレイン酸
変性ポリプロピレン樹脂）、ホモポリプロピレン系樹脂
（ＭＦＲ=２．５ｇ／１０ｍｉｎ）の５層構成とし、共
押出法によりシート化した後、シール層を押出しラミネ
ーション法により接着し６層構成からなる多層シートを
成形した。比較例６〜８は、実施例のｍ−ＬＬＤＰＥを
ＬＬＤＰＥに置き換えた以外は実施例と同様にして多層
シートを成形した。樹脂、シール層厚み等の構成は表２
に示した。
【００１７】容器での評価はこの多層シートを真空、圧
空成形により６５ｍｍφ、７０ｃｃのフランジ付き（フ
ランジ幅５ｍｍ）の丸形成形容器に成形し、６０℃の湯
を充填した後、中抜きリング状のシール板を用い温度１
８０℃、面圧力１５ｋｇ／ｃｍ2、シール時間１．５秒の
条件で２回蓋材とシールし、更に１２０℃、３０ｍｉｎ
の条件でレトルト処理したものを用いた。尚、蓋材はポ
リエチレンテレフタレート樹脂（厚み１５μｍ）／ナイ
ロン樹脂（厚み１５μｍ）／直鎖状低密度ポリエチレン
系樹脂（厚み６０μｍ）のフィルムを用い、直鎖状低密
度ポリエチレン系樹脂側をシール側とした。
空成形により６５ｍｍφ、７０ｃｃのフランジ付き（フ
ランジ幅５ｍｍ）の丸形成形容器に成形し、６０℃の湯
を充填した後、中抜きリング状のシール板を用い温度１
８０℃、面圧力１５ｋｇ／ｃｍ2、シール時間１．５秒の
条件で２回蓋材とシールし、更に１２０℃、３０ｍｉｎ
の条件でレトルト処理したものを用いた。尚、蓋材はポ
リエチレンテレフタレート樹脂（厚み１５μｍ）／ナイ
ロン樹脂（厚み１５μｍ）／直鎖状低密度ポリエチレン
系樹脂（厚み６０μｍ）のフィルムを用い、直鎖状低密
度ポリエチレン系樹脂側をシール側とした。
【００１８】評価方法は下記の方法にて実施した。パン
ク圧は耐内圧試験法として、蓋材をシールした容器に中
空の針を通して空気を少しずつ注入し、破裂した時の容
器の内圧を測定した。ピール感は蓋材をシールした容器
を用い、蓋材を手でピールし、容易にピールできるもの
を○、やや抵抗があるがピール可能なものを△、ピール
できないものを×とした。外観はピール感を評価した
後、容器、蓋材のシール部付近に糸引き、毛羽立ち、ヒ
ゲの無いものを○、少しあるが気にならないものを△、
目立って発生したものを×とした。
ク圧は耐内圧試験法として、蓋材をシールした容器に中
空の針を通して空気を少しずつ注入し、破裂した時の容
器の内圧を測定した。ピール感は蓋材をシールした容器
を用い、蓋材を手でピールし、容易にピールできるもの
を○、やや抵抗があるがピール可能なものを△、ピール
できないものを×とした。外観はピール感を評価した
後、容器、蓋材のシール部付近に糸引き、毛羽立ち、ヒ
ゲの無いものを○、少しあるが気にならないものを△、
目立って発生したものを×とした。
【００１９】耐熱性は蓋材をシールした容器を用い、１
２０℃の加圧熱水中に３０分間入れ、シール部が破損し
ているかどうか観察した。破損の無いものを○、破損の
あるもの、破損の兆候のあるものを×とした。耐衝撃性
は蓋材をシールした容器を用い、容器１０個を３．５ｍ
ｍ厚のダンボールケースに入れて封をした後、１ｍの高
さからコンクリートの床の上に落下させ容器の破損状況
を観察した。容器の破損が始まった落下回数を測定し
た。パンク圧、ピール感、外観、耐熱性および耐衝撃性
の評価結果を表１および２に示した。
２０℃の加圧熱水中に３０分間入れ、シール部が破損し
ているかどうか観察した。破損の無いものを○、破損の
あるもの、破損の兆候のあるものを×とした。耐衝撃性
は蓋材をシールした容器を用い、容器１０個を３．５ｍ
ｍ厚のダンボールケースに入れて封をした後、１ｍの高
さからコンクリートの床の上に落下させ容器の破損状況
を観察した。容器の破損が始まった落下回数を測定し
た。パンク圧、ピール感、外観、耐熱性および耐衝撃性
の評価結果を表１および２に示した。
【００２０】
【表１】
【００２１】
【表２】
【００２２】
【発明の効果】本発明による多層シートを用いて作成し
た包装体は、背反性能である密封性と層間剥離による易
開封性を製造工程上の不都合、容器形状の制約なしに両
立させており、且つ、従来より厳しい加熱殺菌条件にも
耐えることができ、また製品流通時に加わる振動、衝撃
への十分な耐性を有しており、開封時のケバ立ちも少な
く良好な開封感がある。
た包装体は、背反性能である密封性と層間剥離による易
開封性を製造工程上の不都合、容器形状の制約なしに両
立させており、且つ、従来より厳しい加熱殺菌条件にも
耐えることができ、また製品流通時に加わる振動、衝撃
への十分な耐性を有しており、開封時のケバ立ちも少な
く良好な開封感がある。
Claims (4)
- 【請求項１】 剥離機能を有するシール層が高密度ポリ
エチレン系樹脂９５〜７０重量％とメタロセン系シング
ルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレ
ン系樹脂５〜３０重量％の混合物、シール層の外側の隣
接層がポリオレフィン系樹脂からなる少なくとも２層以
上であることを特徴とする容器用多層シート。 - 【請求項２】 シール層に用いられる高密度ポリエチレ
ン系樹脂の引張破壊伸びが５〜５００％（ＪＩＳ Ｋ ６
７６０）であり、メタロセン系シングルサイト触媒によ
り重合された直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂の破断時
抗張力が２００〜４００Ｋｇ／ｃｍ2(ＡＳＴＭ Ｄ６３
８)であることを特徴とする請求項１記載の容器用多層
シート。 - 【請求項３】 該シール層の厚みが５〜２５μｍである
ことを特徴とする請求項１または２記載の容器用多層シ
ート。 - 【請求項４】 該ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレ
ン系樹脂であることを特徴とする請求項１〜３何れか一
項記載の容器用多層シート。
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|---|---|---|---|
| JP33661496A JP3361243B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 多層シート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP33661496A JP3361243B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 多層シート |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10166525A JPH10166525A (ja) | 1998-06-23 |
| JP3361243B2 true JP3361243B2 (ja) | 2003-01-07 |
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| JP33661496A Expired - Fee Related JP3361243B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 多層シート |
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| JP (1) | JP3361243B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR100550964B1 (ko) * | 1999-06-15 | 2006-02-13 | 삼성토탈 주식회사 | 내열성이 있는 이지필 필름용 수지조성물 |
-
1996
- 1996-12-17 JP JP33661496A patent/JP3361243B2/ja not_active Expired - Fee Related
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