JP4124076B2 - タンパーエビデント性を有する易開封性容器蓋 - Google Patents
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例えば、易開封性とバリヤー性に優れ、且つ耐内圧強度を強化する目的で開口を有する蓋体と成る基材にヒートシール性を有する積層体を、接着層を介して接着し、積層体の接着強度が積層体の層間接着強度より強く、接着層の引っ張り強度が積層体の層間接着強度より弱くした構成の易開封性蓋体(特許文献1参照)や、両面樹脂被覆した金属箔積層体から成る開封片と予め開口形成され、該開口の周縁端部が特定構造に保護被覆された樹脂被覆金属板蓋体とを熱接着させて成る易開封性容器蓋(特許文献2参照)が提案されている。
このような観点から本発明者等は先に、可撓性タブ部材と該タブ部材に接着一体化される蓋部材の開口に嵌合可能に形成されたプラグ部材とから成るリシール性を有する易開封性容器蓋を提案した(特願2003−15840)。
従って本発明の目的は、易開封性及び密封性を有すると共に、開封明示機能(タンパーエビデント性)をも有する易開封性容器蓋を提供することである。
1.折り返し部の密封部又は蓋部材外面側への固定のための接着を剥離することにより、折り返し部又は密封部の一部が破断されること、
2.開封用タブの密封部に蓋部材の開口部に嵌合可能なプラグ部材が接着一体化されていること、
3.開封用タブが、蓋部材と接着される側の面に接着層が形成されており、折り返し部の端部が蓋部材側に折り曲げ加工されて接着固定されていること、
が好適である。
また折り返し部或いは密封部の接着部分近傍にスコア等を形成しておくことにより、接着部分を引き剥がすと折り返し部或いは密封部の一部が破断されるため、折り返し部を再度固定できないことは勿論、一目で一旦開封されたものであることの判断が一層容易になる。
図1は、本発明の易開封性容器蓋の開封前の状態を示す一部断面斜視図であり、図2は、図1のX部分の拡大図であり、図3は、図1の易開封性容器蓋の折り返し部を剥離した状態を示す斜視図であり、図4は、図1に示す本発明の易開封性容器蓋の開封前の状態を示す平面図であり、図5は、図3の状態から折り返し部を引き剥がした後の状態を示す平面図である。図6乃至図8は、図1のX部分の他の態様を示す拡大断面図である。
開封用タブ2は、密封部3及び折り返し部4から成っており、この密封部3及び折り返し部4は単一の可撓性部材を2つに折り曲げるように形成され、密封部3の引き剥がしの起点となる引き剥がし開始端5で連続している。折り返し部4の引き剥がし開始端5の他方の端部には把持部6が形成されている。尚、この態様において、折り返し部4は、プラグ部材20の形状に対応したリング状に形成されているため、密封部3を蓋部材21から剥離する際に、このリングに指を掛けることができ、密封部を容易に引き剥がすことが可能になるという利点がある。
折り返し部4のリング状部分9の外周部には、密封部3側に折り曲げ加工した折り曲げ加工部10が形成されている。この折り曲げ加工部10は、開封前の状態において蓋部材21に接着固定されている。
蓋部材21は、周囲に巻締加工部23が形成されており、巻締加工部23を缶等の容器口部に巻き締めること等によって容器口部に固定する。
開封用タブ2の蓋部材21への固定は、蓋部材21に予め接着剤を塗布して開封用タブの密封部3を蓋部材21に固定することもできるし、開封用タブを構成する可撓性部材の少なくとも一方の面に接着層を形成し、この接着層を密封部の蓋部材と接する面とすることにより容易に固定することができる。
リシール操作は、プラグ部材を蓋部材の開口に嵌合することにより容易に行うことができるが、折り返し部は蓋部材或いは密封部に再固定できないので、一旦開封されたものであることは明らかである。
図6に示す態様においては、折り返し部4の端部にスコア12を形成しておくことにより、開封のために折り返し部4を引き剥がすと、スコア12で折り返し部が破断し、折り返し部4の蓋部材21と接着固定されている端縁4aの部分が蓋部材21に残るため、一旦開封されたものであることを一目で判断することが可能となる。尚、スコア12を形成せず、開封のために折り返し部4を引き剥がした際に、折り返し部4が端縁4aの部分と共に剥がれるようにしてもよい。この場合も折り返し部4は蓋部材21に再固定できないので、一旦開封されたものであることは明らかとなる。
この態様においても、折り返し部4の端部にスコア12を形成しておくことにより、開封のために折り返し部4を引き剥がすと、スコア12で折り返し部が破断し、折り返し部4の密封部端縁3aに接着固定されている端縁4aの部分が密封部に残るため、一旦開封されたものであることを一目で判断することが可能となる。
この態様においても、図7に示すように折り返し部4の端縁4aにスコア12を設けることにより、開封のために折り返し部4を引き剥がすと、スコア12で折り返し部が破断し、折り返し部4の密封部端縁3aに接着固定されている端縁4aの部分が密封部に残るため、一旦開封されたものであることを一目で判断することが可能となる。
また図7及び図8において、スコアは密封部側に設けてもよく、この場合には密封部の端縁が折り返し部側に移行して、一旦開封されたものであることを明確に示すことが可能となる。
本発明の易開封性容器蓋において、蓋部材に設けられた開口を覆うための開封用タブは、前述した通り、可撓性タブ部材を2つに折り曲げて、蓋部材に接着固定され密封性を確保するための密封部及び密封部を引き剥がすための把持部となる折り返し部から成っている。
可撓性タブ部材は、通常この種の容器蓋に用いられる開封片やタブ構成部材に用いられるものを使用でき、一般的には、金属箔の両面に樹脂皮膜が形成された積層体から成るものが、引き剥がしに際して破断したり或いは伸びたりすることがなく、可撓性と開封性のバランスに優れており、またガスバリヤー性や耐腐食性にも優れているので特に好ましい。
接着層は、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂等の従来公知のヒートシール性樹脂により形成することができる。
可撓性タブ部材としては、これに限定されないが、(蓋部材側)PP/アルミニウム箔/PET等の積層体を好適に用いることができる。
本発明の蓋部材は、予め開口部が設けられており、かかる開口部の端縁は外側に向けて折り曲げ或いはカール処理されているか、或いはポリエステル樹脂やポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂により樹脂被覆されていることが好ましい。これにより開口端縁がスムーズで接触しても切り傷などの損傷を与えることがなく、且つ腐食性にも優れている。更に、リシールを繰り返してもプラグ部材を傷つけることがなく、良好な嵌合状態を長期にわたって維持できる。また蓋部材の周縁部には、缶胴体部との巻き締め加工による密閉接合が可能なように巻締加工部が形成されていることが好適である。
本発明の易開封性容器蓋においては、前述した開封用タブのみで蓋部材の開口を覆って密封することも可能であるが、好適には、開封用タブの密封部内面にプラグ部材を接着一体化することが望ましい。これによりリシール性、耐圧性や耐衝撃性等が確保されると共に、容器の密封性をより向上させることができる。
プラグ部材としては、これに限定されないが、樹脂製プラグと金属製プラグが使用できる。比較的低温で使用される容器や腐食性内容物を収容する容器、或いは高い耐圧性能が求められない容器などの場合には柔軟でシール弾性に富み、繰り返しのリシールが可能な樹脂製プラグを使用することが好ましく、一方ホット充填、レトルト処理など特に高い温度に曝される容器や高い耐圧性能が求められる容器、或いはプラグ部材の厚さが制限される容器などには高強度で高温耐性に優れた金属製又は樹脂被覆金属製のプラグを使用することが好ましい。
金属製プラグに用いる金属材料としては、これに限定されないが、アルミニウム、スチールなどを挙げることができ、樹脂被覆金属の場合は、可撓性タブ部材と接する面に、該部材と接着性を有する樹脂被覆、たとえばポリプロピレン等の被膜が形成されていることが好ましく、蓋部材と接する面は、内容物に対する耐腐食性を有する樹脂被覆、例えばポリエステル等の被膜が形成されていることが好ましい。
本発明の易開封性容器蓋は、以下の工程により製造することができる。
すなわち、予め開口部及び巻締加工部が形成された蓋部材の開口部の端縁処理を行う工程、次いで可撓性タブ部材を密封部及び折り返し部から成る開封用タブに成形すると共に、必要により折り返し部の端縁にカール又は折り曲げ加工を施す工程、必要によりプラグ部材を成形する工程、必要によりプラグ部材を開口部に嵌合し、プラグ部材を開封用タブが覆うように蓋部材外面側上に設置して、開封用タブとプラグ部材の接着一体化と同時に、蓋部材外面に開封用タブの密封部及び折り返し部の両方を蓋部材の外面側となる面に接着する工程、を経て製造することができる。
また折り返し部又は密封部にスコアを形成する場合には、蓋部材に固定する前の開封用タブに加工を施す際にスコアを形成してもよいし、開封用タブを蓋部材に固定した後にスコア加工を行ってもよい。
また、プラグ部材は、開封用タブ内でプラグ形成用樹脂を射出成形又は圧縮成形することによりプラグ部材の成形と開封用タブとの一体化を同時に行うことも可能である。
この場合、開封用タブを蓋部材に設置した後、これらをヒートシール温度に加熱することにより、接着固定することが可能となる。
例えば、蓋部材から密封部を完全に取外すのを防止するためには、切り欠き8の形成以外にも、前述した固定部13の位置における密封部及び蓋部材に複数の凹凸を設けて密封部と蓋部材の接着性を強化すること等によってもよい。
20 プラグ部材、21 蓋部材、22 開口部、23 巻締加工部
Claims (4)
- 予め形成された開口部を備えた蓋部材と該蓋部材の外面側に該開口を覆い且つ開口周辺部で密封接着するように施された開封用タブとから成る易開封性容器蓋において、
前記開封用タブは、前記蓋部材の外面側に接着固定される密封部と、該密封部の引き剥がしの起点となる端部で密封部と連続する折り返し部から成り、該折り返し部は開封のための把持部を有すると共に、少なくとも該把持部を除いて密封部又は蓋部材に接着により固定されており、開封した後は折り返し部を密封部又は蓋部材に固定できないことを特徴とする易開封性容器蓋。 - 前記折り返し部の密封部又は蓋部材への固定のための接着を剥離することにより、折り返し部又は密封部の一部が破断される請求項1記載の易開封性容器蓋。
- 前記開封用タブの密封部に蓋部材の開口部に嵌合可能なプラグ部材が接着一体化されている請求項1又は2記載の易開封性容器蓋。
- 前記開封用タブが、蓋部材と接着される側の面に接着層が形成されており、折り返し部の端部が蓋部材側に折り曲げ又はカール加工されて接着固定されている請求項1乃至3の何れかに記載の易開封性容器蓋。
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