WO2004054810A1 - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

　紫外線照射装置９は、紫外線光源１５を覆うカバー部材１６を備え、このカバー部材１６の内面であって紫外線光源１５から照射される紫外線を記録ヘッド６に対して反射させる面の紫外線反射率を、その他の面の紫外線反射率よりも低くした。

Description

明 細 書 ィンクジエツトプリンタ 技術分野

本発明は、 インクジェットプリンタに係り、 特に紫外線を照射することでイン クを硬化させて画像を形成するインクジエツトプリンタに関する。 背景技術

インクジェットプリンタとして、 近年、 紫外線を照射することによって硬化す るインクを吐出するノズルが設けられた記録へッドと、 インクを硬化させるため の紫外線を照射する紫外線照射装置とを有するインクジエツトプリンタが用いら れている。

ここで、 インクが記録媒体に着弾してから紫外線を照射するまでの時間が長レ、 と、 記録媒体に着弾したインクのドット径が拡大して、 にじみや色混じりが生じ る等して、 画質が低下する。 そこで、 インクが記録媒体に着弾してから紫外線を 照射するまでの時間を短縮するため、従来のインクジエツトプリンタにおいては、 光源を覆うカバー部材を備える紫外線照射装置を記録へッドに近接して設けてい る （特開昭 6 0— 1 3 2 7 6 7号公報、 以下、 「特許文献 1」 とする。）。

しかし、 従来のインクジヱットプリンタ （特許文献 1 ) では、 紫外線光源から 照射された紫外線の一部が、 光源を覆うカバー部材の内面や記録媒体の表面等で 反射して、 記録ヘッドに到達してしまっていた。 例えば、 図 1 7に示すように、 紫外線光源 1 5から照射され、 カバ一部材 1 6の記録媒体 1 7に垂直な面で反射 された紫外線は、 記録媒体 1 7の表面への入射角 Rが大きく、 記録媒体 1 7の表 面での反射角 rも大きいため、 カバー部材 1 6と記録媒体 1 Ίとの間を通り抜け て、 記録ヘッド 6に対して入射し易い。

この場合、 記録へッドのノズルが設けられている面であるノス'ノレ面に付着して いるインクゃノズル内のィンクに紫外線が照射されることにより、 ィンクが增粘 あるいは硬化し、 インクの吐出不良が生じるという問題があった。 特に、 紫外線 により硬化するインクとしては、 ラジカル重合系インクや、 カチオン重合系イン クが知られているが、 このうち、 カチオン重合系インクは、 ラジカル重合系イン クのように酸素による重合阻害を受けることがないため、 紫外線に対する感度が 高く、 また活性種である酸が光エネルギーを蓄積する性質を有している。 そのた め、 カチオン重合系インクを使用した場合は、 ノズル面に付着しているインクや ノズル内のインクに紫外線が照射されると、 ィンクの吐出不良が生じ易い。 発明の開示

本発明は、 記録媒体に着弾したィンクを硬化させるために必要十分な紫外線量 を確保しつつ、 反射によりノズル面に到達する紫外線量を低減し、 インクの増粘 や硬化を防止してインクを安定して吐出することができるインクジヱットプリン タを提供することを目的とする。 上記課題を解決するため、 本発明の第 1の側面によると、 紫外線を照射するこ とによって硬化するインクを吐出するノズルが設けられた記録ヘッドと、 インク を硬化させる紫外線を発生する紫外線光源が設けられた紫外線照射装置とを有し、 前記ノズルから吐出したィンクを記録媒体に着弾させた後、 この記録媒体に前記 紫外線照射装置により紫外線を照射することでインクを硬化させて、 画像を形成 するインクジヱットプリンタにおいて、

前記紫外線照射装置は、 前記紫外線光源を覆うカバー部材を備え、 このカバー 部材内の前記紫外線光源から照射される紫外線を前記記録へッドに対して反射さ せる面の紫外線反射率が、 その他の面の紫外線反射率よりも低くなっている。 本発明の第 1の側面によれば、 カバー部材の内面であって紫外線光源から照射 される紫外線を記録へッドに対して反射させる面の紫外線反射率が、 その他の面 の紫外線反射率よりも低くなつている。 したがって、 カバー部材の内面であって 紫外線光源から照射される紫外線を記録へッドに対して反射させる面で反射した 紫外線は、 低減されたエネルギーの紫外線となって、 記録ヘッドに到達する。 一 方、 カバ一部材の内面であって紫外線光源から照射される紫外線を記録へッドに 対して反射させる面以外の面で反射した紫外線は、 紫外線を記録へッドに対して 反射させる面で反射した紫外線よりも高いエネルギーで、 記録媒体の表面に照射 される。 これにより、 記録媒体に着弾したインクを硬化させるために必要十分な 紫外線量を確保しつつ、 反射によりノズル面に到達する紫外線量を低減させるこ とができ、 ィンクの增粘ゃ硬化を防止してインクを安定して吐出させることがで さる。

また、反射によりノズル面に到達する紫外線量を低減させることができるため、 紫外線照射装置と記録へッドとを近接して配置することができ、 インクジェット プリンタを小型化することが可能である。 前記カバー部材の記録媒体に垂直な面であって前記記録へッドに近接する面の 内面に、 紫外線を反射する反射部材を設けても良い。

この発明によれば、 カバー部材の記録媒体に垂直な面であって前記記録へッド に近接する面の内面に、 紫外線を反射する反射部材が設けられている。 これによ り、 紫外線が反射部材で反射され、 効果的に記録媒体の表面に照射されるが、 記 録媒体の表面に入射した紫外線は、 記録媒体の表面で反射しても、 記録ヘッドと は反対方向へ進むため、 そのまま記録ヘッドへ到達することはない。 従って、 記 録媒体に着弾したィンクを硬化させるために必要十分な紫外線量を効率よく確保 しつつ、インクの增粘あるいは硬化を防止して安定して吐出させることができる。 前記カバ一部材の記録媒体に垂直な面であって前記記録へッドから離れた面の 内面に、 紫外線を吸収する紫外線吸収部材を設けても良い。

この発明によれば、 カバー部材の記録媒体に垂直な面であって記録へッドから 離れた面の内面に、 紫外線を吸収する紫外線吸収部材が設けられている。 これに より、 この面に対して入射した紫外線は、 紫外線吸収部材で吸収され、 エネルギ 一が低減される。 即ち、 反射して記録ヘッドに入射する紫外線は、 紫外線吸収部 材により吸収され、 エネルギーが低減されるが、 反射しても記録ヘッドに入射し ない紫外線は、 高いエネルギーで記録媒体の表面に照射される。 従って、 記録媒 体に着弾したィンクを硬化させるために必要十分な紫外線量を確保しつつ、 反射 によりノズル面に到達する紫外線量を低減させることができ、 インクの增粘ゃ硬 化を防止してィンクを安定して吐出させることができる。 前記カバ一部材に、前記カバー部材の内部を仕切る仕切り部材を設けても良い。 この発明によれば、 仕切り部材がないとしたらカバー部材等で反射して記録へ ッドに到達していた紫外線の一部を、仕切り部材によって遮ることができるため、 記録ヘッドに到達する紫外線量が低減される。 したがって、 記録媒体に着弾した インクを硬化させるために必要十分な紫外線量を効率よく確保しつつ、 反射によ るインクの増粘や硬化を防止してィンクを安定して吐出させることができる。 また、前記仕切り部材の記録媒体に垂直な面であって前記記録へッド側の面に、 紫外線を吸収する紫外線吸収部材を設けるとともに、 前記仕切り部材の記録媒体 に垂直な面であって前記記録へッドから離れた面に、 紫外線を反射する反射部材 を設けることが好ましい。

この発明によれば、紫外線吸収部材が設けられた面に対して入射した紫外線は、 この紫外線吸収部材で吸収され、 エネルギーが低減される。 一方、 反射部材が設 けた面に対して入射した紫外線は、 この反射部材で反射され、 効果的に記録媒体 の表面に照射される。 したがって、 記録媒体に着弾したインクを硬化させるため に必要十分な紫外線量を確保しつつ、 反射によりノズル面に到達する紫外線量を 低減させることができ、 インクの增粘ゃ硬化を防止してインクを安定して吐出さ せることができる。

前記紫外線照射装置に、 前記紫外線光源を複数設けても良い。

この発明によれば、 紫外線光源が複数設けられているため、 記録媒体に照射さ れる紫外線量が増加し、 記録媒体に着弾したインクが短時間で硬化される。 した がって、 良好な画像を形成することができる。

前記紫外線光源は、 高圧水銀ランプ、 メタルハライ ドランプ、 熱陰極管、 冷陰 極管、 及び L E Dのいずれか 1つであることが好ましい。

この発明によれば、 紫外線光源は、 高圧水銀ランプ、 メタルハライドランプ、 熱陰極管、 冷陰極管、 及び L E Dのいずれか 1つで構成されている。 この場合で あっても、 カバー部材の内面であつて紫外線光源から照射される紫外線を記録へ ッドに対して反射させる面の紫外線反射率が、 その他の面の紫外線反射率よりも 低くなっているため、 カバー部材の内面であって紫外線光源から照射される紫外 線を記録へッドに対して反射させる面で反射した紫外線は、 低減されたエネルギ —の紫外線となって、 記録ヘッドに到達する。 つまり、 反射によりノズル面に到 達する紫外線量を低減させることができる。

前記ィンクは、 カチオン硬化型のィンクであることが好ましい。

この発明によれば、 カバー部材の内面であって紫外線光源から照射される紫外 線を記録ヘッドに対して反射させる面の紫外線反射率が、 その他の面の紫外線反 射率よりも低くなっているため、 カバー部材の内面であって紫外線光源から照射 される紫外線を記録へッドに対して反射させる面で反射した紫外線は、 低減され たエネルギーの紫外線となって、 記録ヘッドに到達する。 したがって、 インクが カチオン硬化型のィンクであっても、 ノズル面及びその吐出口内での紫外線との 反応が防止され、 また、 紫外線エネルギーの蓄積量が低減される。

また、 カチオン硬化型のインクは、 酸素阻害作用を受けないため、 記録媒体に 着弾したィンクに紫外線を照射させることにより、 短時間でィンクを硬化させる ことができ、 良好な画質の画像を形成することができる。

前記記録へッドはシリアルへッド方式であり、 この記録へッドの主走査方向に おける両側部の少なくとも一方に前記紫外線照射装置を設けても良い。

この発明によれば、 記録へッドの主走査方向における両側部の少なくとも一方 に紫外線照射装置を設けられているため、 記録へッド及び紫外線照射装置が往復 移動することにより、 記録へッドのノズルから吐出され記録媒体に着弾した紫外 線硬化インクに紫外線が照射される。 このとき、 カバー部材の内面であって紫外 線を記録ヘッドに対して反射させる面の紫外線反射率が、 その他の面の紫外線反 射率よりも低くなっているため、 カバー部材の内面であって紫外線を記録へッド に対して反射させる面で反射した紫外線は、 低減されたエネルギーの紫外線とな つて、 記録ヘッドに到達する。 したがって、 インクの增粘ゃ硬化を防止してイン クを安定して吐出させることができる。

前記記録へッドはラインへッド方式であり、 この記録へッドの記録媒体が搬送 される方向における下流側に前記紫外線照射装置を設けても良い。

この発明によれば、 記録へッドの記録媒体が搬送される方向における下流側に 紫外線照射装置を設けられているため、 記録媒体が移動することにより、 記録へ ッドから吐出され記録媒体に着弾した紫外線硬化ィンクに紫外線が照射される。 このとき、 紫外線照射装置のカバー部材の内面であって紫外線を記録へッドに対 して反射させる面の紫外線反射率が、 その他の面の紫外線反射率よりも低くなつ ているため、 カバー部材の内面であって紫外線を記録へッドに対して反射させる 面で反射した紫外線は、 低減されたエネルギーの紫外線となって、 記録ヘッドに 到達する。 したがって、 インクの増粘や硬化を防止してインクを安定して吐出さ せることができる。 本発明の第 2の側面によると、 紫外線を照射することによって硬化するィンク をノズルの吐出口から記録媒体に向けて吐出する記録へッドと、 前記記録媒体上 に吐出されたインクに対して、 紫外線光源から紫外線を照射する紫外線照射装置 とを備えるインクジェットプリンタであって、

前記紫外線照射装置は、 前記紫外線光源を覆うカバー部材を備え、

前記カバー部材は、 前記記録媒体の記録面側に向かって開口しており、 前記記 録面に対して略直交する直交面部と、 少なくとも前記記録面に対向する領域を有 する対向面部とを備え、

前記直交面部の紫外線反射率は、 前記対向面部の紫外線反射率よりも低くされ ている。

本発明の第 2の側面によれば、 カバー部材の記録面に対して略直交する直交面 部の紫外線反射率は、 カバー部材の少なくとも記録面に対向する領域を有する対 向面部の紫外線反射率よりも低くされている。 すなわち、 直交面部にて反射した 紫外線の記録面への入射角は、 対向面部にて反射した紫外線の記録面への入射角 に比べて大きくなつている。 そのため、 直交面部にて反射した紫外線は、 対向面 部にて反射した紫外線に比べてカバー部材と記録面との間を通り抜け易く、 記録 へッドの吐出口が位置するノズル面に対して入射し易くなつている。 本発明によ れば、 対向面部の紫外線反射率よりも直交面部の紫外線反射率が低くされている ので、直交面部の内面に入射した紫外線の当該直交面部の内面にて反射する量が、 対向面部に比べて低減される。 これにより、 直交面部にて反射した紫外線の記録 面への入射量を低減させることができるので、 記録面にて反射して記録へッドの 方に向かう紫外線の量を低減させることができる。 つまり、 紫外線照射装置から 照射された紫外線のノズル面に対する入射量を低減させることができる。

よって、 ノズル面へ入射した紫外線と、 ノズル面及びその吐出口に存するイン クとの反応に基づいたノズル面及びその吐出口内のィンクの増粘や硬化を防止し て、 ノス'ノレの吐出不良を生じ難くすることができる。 結果として、 インクの安定 吐出を長期にわたって行うことができる。

一方、 対向面部にて反射した紫外線は直交面部にて反射した紫外線よりも記録 面への入射角が小さく記録へッド側に入射し難いので、 紫外線反射率を直交面部 に比べて高くでき、 これにより記録媒体上のィンクに対する紫外線照射量を好適 に確保することができる。

また、 対向面部にて反射した紫外線に比べて直交面部にて反射した紫外線は記 録面への入射角が大きくなつていることから、 紫外線照射装置から遠レ、位置まで 届くこととなるが、 直交面部にて反射する紫外線の量を低減させることができる ので、 紫外線照射装置と記録ヘッドとを近接して配置することができ、 インクジ エツトプリンタの小型化に寄与することができる。

ここで、 記録面への入射角とは、 記録面に対し直交する線分に対して紫外線が 入射する角度のことである。 前記対向面部には、 前記紫外線光源から照射された紫外線を前記記録媒体の記 録面の方に反射させる反射部材が設けられても良い。

この発明によれば、 対向面部に、 紫外線光源から照射された紫外線を記録媒体 の記録面の方に反射させる反射部材が設けられているので、 反射部材にて紫外線 を効果的に記録面の方に反射させることができる。 すなわち、 対向面部に反射部 材を設けることで、 紫外線照射装置からの紫外線の照射量を増加させてインク硬 化に必要な所定量とすることができる。 さらに、 この場合において、 紫外線光源 から照射された紫外線が直交面部にて反射しても、 直交面部の紫外線反射率は対 向面部の紫外線反射率よりも低くされているので、 ノズル面に入射する紫外線の 量は低減されることとなる。

前記直交面部には、 前記紫外線光源から照射された紫外線を吸収する材料を含 んで構成された紫外線吸収部材が設けられても良い。 ここで、 紫外線吸収部材とは、 紫外線を所定の割合で吸収するものであり、 そ の割合は設計の範囲内で任意に設定可能となっている。

なお、 紫外線を吸収するとは、 紫外線の反射量を低減させると略同義である。 すなわち、 紫外線の吸収率が増加するに従って、 紫外線の反射率は低下すること となる。

この発明によれば、 直交面部に、 紫外線光源から照射された紫外線を吸収する 材料を含んで構成された紫外線吸収部材が設けられているので、 直交面部に入射 する紫外線を吸収して、 記録面の方に反射する紫外線の量を効果的に低減させる ことができる。 従って、 直交面部にて反射した後で記録面に入射しこの記録面に て反射することで、 カバ一部材と記録面との間を通り抜けて、 記録ヘッドのノズ ル面に入射する紫外線の量を低減させることができる。

これにより、 紫外線吸収部材と記録へッドとをより一層近接して配置すること ができ、 インクジエツトプリンタの小型化に寄与することができる。

前記紫外線光源は、 複数備えられても良い。

この発明によれば、 紫外線光源の数が増加すると、 これら紫外線光源から照射 され直交面部に入射する紫外線の量も増加することとなるが、 直交面部の紫外線 反射率は対向面部の紫外線反射率よりも低くされているので、 ノズル面に入射す る紫外線の量を効果的に低減させることができる。

前記直交面部は、 複数の紫外線光源が配設された領域の間に配置された中直交 面部を備えることが好ましい。

ここで、 複数の紫外線光源が配設された領域の間とは、 紫外線光源の各々の中 心を記録面に略直交する方向に沿って通る線分どうしの間のことである。

この発明によれば、 直交面部にて反射した紫外線の記録面への入射角は、 直交 面部における紫外線の反射角により規定され、 この反射角は、 紫外線の直交面部 への入射角により規定される。 ここで、 直交面部への紫外線の入射角が小さいほ ど、 すなわち記録面への紫外線の入射角が大きいほど、 記録面にて反射した紫外 線は、 記録面とカバー部材との間を通り抜け易く、 記録ヘッドのノズル面に対し て入射し易くなつている。 紫外線光源を複数備える場合において、 記録面に対し 略平行な方向に沿って直交面部から離れた紫外線光源ほど、 その紫外線光源から 照射された紫外線の当該直交面部への入射角が小さくなるが、 本発明によれば、 複数の紫外線光源が配設された領域の間に中直交面部が配置されることによって、 中直交面部及び直交面部に対する紫外線光 ¾1の距離を短くして、 紫外線光源から 照射された紫外線の中直交面部及び直交面部への入射角を大きくすることができ る。

従って、 中直交面部及び直交面部にて反射した紫外線の記録面への入射角を小 さくすることができるので、 記録面と力バー部材との間を通り抜ける紫外線の量 を低減させることができ、 請求の範囲第 1 1項に記載の発明と同様に、 紫外線の ノズノレ面への入射量を低減させることができる。 これにより、 紫外線照射装置と 記録へッドとをより一層近接して配置することができ、 ィンクジェットプリンタ の小型化にも寄与することができる。

ここで、 直交面部への入射角並びに直交面部における反射角とは、 直交面部に 対し直交する線分に対する紫外線の入射並びに反射の角度のことである。

前記記録へッドと前記紫外線照射装置との間に、 当該紫外線照射装置から照射 された紫外線を捕捉する光トラップが備えられても良い。

この発明によれば、 光トラップによって、 紫外線照射装置から照射され、 記録 面にて記録へッド側に反射してくる紫外線を捕捉することで、 ノズル面への紫外 線の入射量をより一層低減させることができる。

前記紫外線光源は、 髙圧水銀ランプ、 メタルハライドランプ、 熱陰極管、 冷陰 極管、 及び L E Dのいずれか 1つであることが好ましい。

この発明によれば、 紫外線光源は、 高圧水銀ランプ、 メタルハライドランプ、 熱陰極管、 冷陰極管、 及び L E Dのいずれか 1つである。 この場合であっても、 直交面部の紫外線反射率が、 対向面部の紫外線反射率よりも低くされることで、 紫外線照射装置から照射された紫外線のノズル面への入射量を確実に低減させる ことができる。

従って、 請求の範囲第 1 1項に記載の発明と同等の効果を得ることができる。 インクは、 カチオン硬化型のィンクであることが好ましい。

この発明によれば、 カチオン硬化型のインクは、 ラジカル硬化型のインクに比 ベて、 紫外線に対する感度が高く、 また活性種である酸が有する光エネルギーを 蓄積する性質のため、 記録へッドのノズル面にて紫外線の影響を受け易くなつて いるが、 このようなカチオン硬化型のインクであっても、 直交面部の紫外線反射 率が、 対向面部の紫外線反射率よりも低くされることで、 紫外線照射装置から照 射された紫外線のノズル面への入射量を確実に低減させることができる。従って、 力チオン硬化型のィンクがノズル面及びその吐出口内にて増粘したり硬化するこ とを防止することができる。

記録方式は、 シリアル方式若しくはライン方式であることが好ましい。

ここで、 シリアル方式とは、 記録ヘッドの走査方向と直交する方向への搬送が 停止された記録媒体に対して、 記録へッドを走査方向に往復移動させつつ前記記 録へッドからインクを吐出することに基づき画像記録を行う方式のことである。 また、 ライン方式とは、記録媒体の幅方向 （記録媒体の搬送方向と直交する方向） にわたる記録へッドを備え、 記録媒体の搬送に基づき画像記録を行う方式のこと である。

この発明によれば、記録方式が、シリアル方式若しくはライン方式であつても、 直交面部の紫外線反射率が、 対向面部の紫外線反射率よりも低くされることで、 紫外線照射装置から照射された紫外線のノズル面への入射量を確実に低減させる ことができる。

従って、 請求の範囲第 1 1項に記載の発明と同等の効果を得ることができる。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明によるインクジエツトプリンタの第一実施形態の構成を示す図 である。

図 2 Aは、 本発明によるインクジエツトプリンタのキヤリッジ内の斜視図であ り、 図 2 Bは、 本発明によるインクジェットプリンタのキャリッジ内を下方から 見た場合の斜視図である。

図 3 Aは、 本発明によるインクジエツトプリンタの紫外線照射装置の斜視図で あり、 図 3 Bは、 図 3 Aの A— A断面図である。

図 4は、 本発明によるインクジエツトプリンタの紫外線照射装置における紫外 線の反射を模式的に示した説明図である。 図 5 Aは、 本発明によるインクジエツトプリンタの紫外線照射装置の斜視図で あり、 図 5 Bは、 図 5 Aの B— B断面図である。

図 6 Aは、 第二実施形態によるインクジエツトプリンタの紫外線照射装置の斜 視図であり、 図 6 Bは、 図 6 Aの C一 C断面図である。

図 7 A及び図 7 Bは、 第二実施形態によるインクジェットプリンタの紫外線照 射装置における紫外線の反射を模式的に示した説明図である。

図 8 Aは、 第二実施形態によるインクジエツトプリンタの紫外線照射装置の斜 視図であり、 図 8 Bは、 図 8 Aの D— D断面図である。

図 9 Aは、 第三実施形態によるインクジエツトプリンタの支持台の斜視図であ り、 図 9 Bは、 第三実施形態によるインクジェットプリンタの支持台を下方から 見た場合の斜視図である。

図 1 0は、 第三実施形態によるインクジエツトプリンタの支持台の正面図であ る。

図 1 1は、 第四実施形態によるインクジェットプリンタの紫外線照射装置の紫 外線光源から照射された紫外線の反射を模式的に示した図である。

図 1 2 A及び図 1 2 Bは、 反射部材の内面に紫外線吸収部材を備えない紫外線 照射装置を示した図である。

図 1 3 Aは、 第五実施形態によるインクジヱットプリンタの紫外線照射装置を 模式的に示した斜視図であり、 図 1 3 Bは、 図 1 3 Aの E— E断面図である。 図 1 4は、 図 1 3 Aの紫外線照射装置の紫外線光源から照射された紫外線の反 射を模式的に示した図である。

図 1 5 Aは、 第六実施形態によるインクジエツトプリンタの紫外線照射装置を 模式的に示した斜視図であり、 図 1 5 Bは、 図 1 5 Aの F— F断面図である。 図 1 6は、 第七実施形態によるインクジエツトプリンタに備わるへッド部を側 方から見て模式的に示した図である。

図 1 7は、 従来のインクジエツトプリンタの紫外線照射装置における紫外線の 反射を模式的に示した図である。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明の実施形態を図 1から図 1 6を参照して説明する。

[第一実施形態]

第一実施形態によるインクジエツトプリンタは、 シリアルへッド方式のインク ジェットプリンタであり、 図 1に示すように、 プリンタ本体 1と、 プリンタ本体 1を支持する支持台 2を備えている。 プリンタ本体 1には、 棒状のガイドレール 3が設けられており、このガイドレール 3には、キヤリッジ 4が支持されている。 このキヤリッジ 4は、 図示しない駆動機構によって主走査方向 Xをガイドレール 3に沿って往復移動するようになっている。

キヤリッジ 4には、 図 2 A及び図 2 Bに示すように、 イエロ一 （Y)、 マゼンタ (Μ)、 シアン （C)、 ブラック （K) の各色のインクを吐出するノス 'ノレ 5が設け られた記録ヘッド 6が搭載されている。 なお、 図 2 A及び図 2 Bにおいては、 キ ャリッジ 4を破線で示し、 そのキヤリッジ 4を透視した状態を図示している。 記録へッド 6は、 イェロー （Y)、 マゼンタ （Μ)、 シアン （C )、 ブラック （K) の各色で 1つの記録ュニットを構成し、 主走査方向 Xに並ぶ 2つの記録ュニット 力 主走查方向 Xと直交する副走査方向 Yに位置をずらして配置されている。 各 記録ヘッド 6には、 各色のインクを貯留する中間タンク 7が、 それぞれインク供 給管 8を介して連通している。 また、 キャリッジ 4内であって、 これら記録へッ ド 6の主走査方向における両側部には、 ノズノレ 5から記録媒体 1 7に吐出された インクに対して紫外線を照射する紫外線照射装置 9が設けられている。 また、 紫 外線照射装置 9と記録へッド 6との間には、 記録へッド 6側に入射する紫外線を 捕捉する光トラップ 1 0が設けられている。

光トラップ 1 0は、 副走査方向 Yに沿って延在する長尺な部材とされており、 その長さは少なくとも紫外線照射装置 9の副走査方向 Yに沿った長さと等しくな つている。 また、 光トラップ 1 0は、 記録媒体 1 7側に向かって開口するような 凹型の部材であり、 例えば開口した端縁が記録媒体 1 7と略平行となるように配 設されている。

なお、光トラップ 1 0の形状は、光トラップ 1 0の内部に紫外線が入射可能で、 且つ入射してきた紫外線が光トラップ 1 0の内面にて反射を繰り返すような形状 であれば良い。 また、 光トラップ 1 0の内面には、 紫外線吸収率の高い材料から構成された紫 外線吸収部材 （図示略） が設けられていてもよレ、。 この場合、 光トラップ 1 0の 内面に入射してくる紫外線を確実に吸収することができる。 なお、 光トラップ 1 0の内面に紫外線吸収部材を設ける方法及び紫外線吸収部材の材料は、 例えば、 後述する反射部材 1 8の内面に紫外線吸収部材 1 9を設ける方法及び材料と同じ であっても良い。

キヤリツジ 4の移動可能範囲の中央部分は、 図 1に示すように、 記録媒体 1 Ί に記録を行う記録領域とされている。 キヤリッジ 4の移動可能範囲であって記録 領域の外側一端には、 図示しないインク供給路を介して、 キャリッジ 4に搭載さ れている中間タンク 7にインクを供給するインク供給部 1 2が設けられている。 また、 キヤリッジ 4の移動可能範囲であって記録領域の外側他端は、 記録へッド 6をクリーニングするメンテナンスュニット 1 3が設けられている。

また、 プリンタ本体 1には、 記録媒体 1 7を副走査方向 Yに送るための搬送機 構 （図示しない） が設けられている。 搬送機構は、 例えば、 図示しない搬送モー タ及び搬送ローラ等を備えており、 搬送モータの駆動により搬送ローラを回転さ せることで記録媒体 1 7を副走査方向 Yに搬送するようになっている。 また、 搬 送機構は、 画像記録時において、 キャリッジ 4の動作に合わせて、 記録媒体 1 7 の搬送と停止とを繰り返し記録媒体 1 7を間欠的に搬送する。

また、 キャリッジ 4の下方の記録領域には、 記録媒体 1 7を非記録面から支持 するプラテン 1 4が設けられている。 このプラテン 1 4は、 平板状の部材で構成 されている。 次に、 紫外線照射装置 9について、 図 3 A及び図 3 Bを参照して、 詳細に説明 する。

紫外線照射装置 9は、 記録媒体 1 7側に向かって開口する箱型のカバー部材 1 6を有しており、 このカバー部材 1 6の内部には、 副走查方向 Yに沿った線状の 紫外線光源 1 5が、 主走査方向 Xに複数本配置されている。 この紫外線光源 1 5 は、 2つの記録ュニットの副走査方向 Yの長さを合わせた長さと等しい長さを有 する。 この紫外線光源 1 5としては、 高圧水銀ランプ、 メタルハライドランプ、 熱陰極管、 陰極管、 L E Dのうち、 少なくともいずれか一つが適用される。 カバー部材 1 6の内面全域には、 紫外線光源 1 5から拡散して照射された紫外 線を反射させる反射部材 1 8が設けられている。反射部材 1 8としては、例えば、 全波長域に亘つて紫外線を効率良く反射する高純度のアルミ製の反射板が適用さ れる。 特に、 アルミを主に含有する金属化合物の薄膜をガラス表面に蒸着させた コールドミラー （ガラス成形板） は、 紫外線を効率良く反射する一方で、 インク の硬化に寄与しない可視光線及び赤外線をミラー後方に透過させることで、 光源 の発熱による発光効率低下を抑制することができるため、 好ましい。

また、 カバ一部材 1 6の記録媒体 1 7に垂直な面であって記録へッド 6から離 れた面である離隔垂直面の内面には、 反射部材 1 8を被覆して紫外線吸収部材 1 9が設けられている。 一方、 カバー部材 1 6の記録媒体 1 7に垂直な面であって 記録へッド 6に近い面である近接垂直面の内面には、 紫外線吸収部材 1 9が設け られておらず、 反射部材 1 8が露出した状態となっている。 これにより、 離隔垂 直面は、 近接垂直面よりも紫外線の反射率が低くなっている。

紫外線吸収部材 1 9を設ける方法としては、 例えば、 紫外線吸収率の高い材料 をメツキ処理、 蒸着処理、 あるいはスパッタリング処理する方法や紫外線吸収率 の高い素材を塗布する方法等が挙げられる。

なお、 紫外線吸収率の高い素材としては、 例えば、 カーボンブラック、 超粒子 化した酸化チタン、 酸化亜鉛、 酸化鉄 （ひ _ F e ₂0₃、 F e ₃0₄) 等の粉体等の無 機物や、ベンゾトリァゾ一ル系化合物、芳香族化合物などの有機物等が挙げられ、 これらの材料により紫外線吸収部材 1 9が構成されている。 ここで、 本実施形態に用いられるインクについて説明する。

本実施形態に用いられるィンクとしては、特に、 「光硬化技術一樹脂 ·開始剤の 選定と配合条件及び硬化度の測定 ·評価— （技術協会情報)」 に記載の 「光硬化シ ステム （第 4章)」 の 「光酸 ·塩基発生剤を利用する硬化システム （第 1節）」、 「光 誘導型交互共重合 （第 2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジ カル重合により硬化するものであってもよい。

具体的には、 本実施形態に用いられるインクは、 光としての紫外線の被照射に より硬化する性質を具備する光硬化型インクであり、 主成分として、 重合性化合 物 （公知の重合性化合物を含む。） と、 光開始剤と、 色材とを少なくとも含むもの である。 ただし、 本実施形態に用いるインクとして、 上記 「光誘導型交互共重合 (第 2節）」 に適合するインクを用いる場合には、 光開始剤は除外されてもよい。 上記光硬化型インクは、 重合性化合物として、 ラジカル重合性化合物を含むラ ジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大 別されるが、 その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ 適用可能であり、 ラジカル重合系インクとカチオン重合系ィンクとを複合させた ハイプリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよレ、。 しかしながら、 酸素による重合反応の阻害作用が少ない又は無いカチオン重合 系インクのほうが機能性、 汎用性に優れるため、 本実施形態では、 特に、 カチォ ン重合系ィンクを用いている。

なお、 本実施形態に用いられるカチオン重合系インクは、 具体的には、 ォキセ タン化合物、 エポキシ化合物、 ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物 と、 光力チオン開始剤と、 色材とを少なくとも含む混合物であり、 当然、 紫外線 の被照射により硬化する性質を具備するものである。

ところで、 本実施形態に用いられるインク （ラジ力 重合系インク、 カチオン 重合系インク及びハイプリッド型インクを含む。） は、 上記の通り、紫外線の被照 射により硬化するものであるが、 必ずしもこれには限定されず、 紫外線以外の光 の被照射により硬化するものであってもよい。 ここでいう 「光」 とは、 広義の光 であって、 紫外線、 電子線、 X線、 可視光線、 赤外線等の電磁波を含むものであ る。 つまり、 本実施形態に用いられるインクには、 紫外線以外の光で重合して硬 化する重合性化合物と、 紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始さ せる光開始剤とが適用されてもよレ、。 紫外線以外の光で硬化する光硬化型のイン クを用いる場合は、 紫外線光源 1 5に代えて、 その光を照射する光源を適用しな ければならない。 次に、 本実施形態に用いられる記録媒体 1 7について説明する。

本実施形態に用いられる記録媒体 1 7としては、 通常のインクジュットプリン タに適用される普通紙、 再生紙、 光沢紙等の各種紙、 各種布地、 各種不織布、 樹 月旨、 金属、 ガラス等の材質からなる記録媒体 1 7が適用可能である。 記録媒体 1 7の形態としては、 ロール状、 カットシート状、 板状等が適用可能である。 本実 施形態では、 記録媒体 1 7として、 ロール状に巻かれた長尺な樹脂製フィルムを 用いている。

特に、 本実施形態で用いられる記録媒体 1 7として、 所謂軟包装に用いられる 透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。 樹脂製フィルムの具 体的な樹脂の種類として、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリエステル、 ポリオ レフイン、 ポリアミ ド、 ポリエステルアミ ド、 ポリエーテル、 ポリイミ ド、 ポリ アミ ドイミ ド、 ポリスチレン、 ポリカーボネート、 ポリ - p -フエ二レンスルフィ ド、 ポリエーテルエステル、 ポリ塩ィ匕ビニルポリ （メタ）アクリル酸エステル、 ポ リエチレン、 ポリプロピレン、 ナイロン等が適用可能であり、 さらには、 これら 樹脂の共重合体、 これら樹脂の混合物、 これら樹脂を架橋したもの等も適用可能 である。 中でも、 樹脂製フィルムの樹脂の種類として、 延伸したポリエチレンテ レフタレート、 ポリスチレン、 ポリプロピレン、 ナイロンのいずれかを選択する のが、 樹脂製フィルムの透明性、 寸法安定性、 剛性、 環境負荷、 コス ト等の面で 好ましく、 2〜1 0 0 / m (好ましくは 6〜·5 0 μ πι) の厚みを有する樹脂製フ イルムを用いるのが好ましい。 また、 樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放 電処理、 易接着処理等の表面処理を施してもよい。

さらに、 本実施形態に用いられる記録媒体 1 7として、 樹脂により表面を被覆 した各種紙、 顔料を含むフィルム、 発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体 1 7も適用可能である。 次に、 第一実施形態の作用について説明する。

記録媒体 1 7に画像を形成する際には、 キャリッジ 4の駆動機構が作動してキ ャリッジ 4が記録媒体 1 7の上方を主走査方向 Xに往復移動するとともに、 所定 の画像情報に基づいて記録へッド 6のノズノレ 5から所定の色のィンクが吐出され る。 吐出されたインクは順次記録媒体 1 7に着弾する。 この記録媒体 1 7に着弾 したインクに対して、 キヤリッジ 4に設けられた紫外線照射装置 9を構成する紫 外線光源 1 5により、 紫外線が順次照射され、 インクが記録媒体 1 7上で硬化す る。 この間、 搬送機構が作動して記録媒体 1 7が副走査方向 Yに搬送されること により、 画像が記録媒体 1 7に記録される。 なお、 ノズル面にインクが付着した 場合等には、 記録ヘッド 6は、 適宜、 メンテナンスユニット 1 3によりをクリー ニングされる。

ここで、 図 4を参照して、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線の紫外線照射 装置 9の内面及び記録媒体 1 7の表面における反射、吸収作用につレ、て説明する。 図 4に示すように、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線のうち、 紫外線吸収 部材 1 9に対して照射された紫外線は、この紫外線吸収部材 1 9により吸収され、 低いエネルギーの紫外線となって反射し、 記録媒体 1 7の表面に対して照射され る。その後、この低減されたエネルギーの紫外線は、記録媒体 1 7の表面で吸収、 反射され、 さらに低いエネルギーの紫外線となって、 記録媒体 1 7のノズル面に 対して照射される。 一方、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線のうち、 反射部 材 1 8に対して照射された紫外線は、 この反射部材 1 8の紫外線反射率で反射さ れ、 高いエネルギーで記録媒体 1 7の表面に照射される。 その後、 この高いエネ ルギ一の紫外線は、 記録媒体 1 7の表面で吸収、 反射されるが、 このとき記録へ ッド 6とは逆の方向やカバー部材 1 6の内部へ反射されるため、 記録へッド 6の ノズル面へ到達することはない。

なお、 記録媒体 1 7に対して垂直に出射された紫外線は、 出射されたときのェ ネルギ一のまま記録媒体 1 7の表面に照射される。 この高いエネルギーの紫外線 も、 そのまま記録へッド 6のノズル面に到達することはない。

また、 カバー部材 1 6の離隔垂直面及び記録媒体 1 7の表面で反射され、 ノズ ル面に対して出射される低いエネルギーの紫外線も、 その一部は、 紫外線照射装 置 9と記録へッド 6との間に設けられた光トラップ 1 0によって捕捉される。 し たがって、 記録ヘッド 6に到達する紫外線の量はさらに低減される。

以上より、 第一実施形態によれば、 反射により記録ヘッド 6に入射する紫外線 は、 低いエネルギーの紫外線となって、 記録媒体 1 7のノズノレ面に到達する。 一 方、 反射しても記録ヘッド 6に入射しない紫外線は、 高いエネルギーで記録媒体 1 7の表面に照射される。 したがって、 記録媒体 1 7に着弾したインクを硬化さ せるために必要十分な紫外線量を確保しつつ、 反射によりノズル面に到達する紫 外線量を低減させることができ、 ィンクの增粘ゃ硬化を防止してィンクを安定し て吐出させることができる。

また、反射によりノズル面に到達する紫外線量を低減させることができるため、 紫外線照射装置 9と記録へッド 6とを近接して配置することができ、 インクジェ ットプリンタを小型化することが可能である。

なお、 本実施形態では、 イェロー （Y)、 マゼンタ （Μ)、 シアン （C)、 ブラッ ク （K) の各色の記録ヘッド 6からなる記録ユニットを 2つ設け、 各記録ュニッ トに対して 1つずつ紫外線照射装置 9を設けるようにしたが、 これに限られるも のではなく、 記録へッド 6の主走査方向 Xにおける両側部の少なくとも一方に紫 外線照射装置 9を設ければ、 記録ヘッド 6及び紫外線照射装置 9の個数、 配設位 置は任意である。

また、 第一実施形態では、 カバー部材 1 6の内面全域に、 紫外線を反射させる 反射部材 1 8を設けるとともに、 離隔垂直面の内面には、 反射部材 1 8を被覆す るように紫外線吸収部材 1 9を設けるようにしたが、 離隔垂直面の紫外線反射率 力 その他の面の紫外線反射率よりも低ければ、 これに限るものではない。 例えば、 反射部材 1 8を設けずに、 カバー部材を反射材料で構成し、 離隔垂直 面には、 紫外線吸収部材 1 9を設けるようにしてもよいし、 紫外線吸収部材を設 けずに、 カバー部材 1 6を紫外線吸収材で構成し、 離隔垂直面以外の面には、 反 射部材を設けるようにしてもよレ、。 また、 第一実施形態では、 カバー部材 1 6は、 記録媒体 1 7側に向かって開口 する箱型の形状としが、 これに限るものではなく、 図 5 A及び図 5 Bに示すよう に、 記録媒体 1 7側に向かって開口するアーチ型の形状としてもよい。 なお、 こ の場合においても、 カバー部材 1 1 6の内面全域に、 反射部材 1 1 8を設けると ともに、 カバー部材 1 1 6の記録媒体 1 7に垂直な面であって記録へッド 6から 離れた面に、 反射部材 1 1 8を被覆するように紫外線吸収部材 1 1 9を設ければ よい。 このように、 カバー部材 1 1 6をアーチ型とすることにより、 箱型とした 場合と比べて、 紫外線照射装置 1 0 9の主走査方向 Xの幅を、 紫外線光源 1 5の 数を減らすことなく小さくすることができる。 したがって、 キャリッジ 4を小型 化することができるとともに、 インクジエツトプリンタ全体を小型化することが できる。 [第二実施形態]

次に、 本発明によるインクジェットプリンタの第二実施形態について、 図 6 A 〜図 7 Bを参照して、 説明する。 なお、 第二実施形態に係るインクジェットプリ ンタは、 紫外線照射装置 2 0 9以外の構成については、 第一実施形態に係るイン クジヱットプリンタと同様の構成であるため、 主に紫外線照射装置 2 0 9につい て説明する。 また、 第一実施形態と同一符号を付したものについては、 第一実施 形態と同様であるため、 説明を省略する。

紫外線照射装置 2 0 9は、 記録媒体 1 7側に向かって開口する箱型のカバー部 材 2 1 6を有しており、 このカバー部材 2 1 6の内部には、 副走査方向 Yに沿つ た線状の紫外線光源、 1 5が、 主走査方向 Xに複数本配置されている。

このカバー部材 2 1 6内には、 カバー部材 2 1 6の内部を 3つの区間に仕切る 板状の仕切り部材 2 1が、 記録媒体 1 7に対して垂直に設けられている。

カバー部材 2 1 6の内面及び仕切り部材 2 1の表面には、 紫外線光源 1 5から 拡散して照射され紫外線を反射させる反射部材 2 1 8が設けられている。

また、 カバー部材 2 1 6の離隔垂直面の内面、 及び、 仕切り部材 2 1の記録媒 体 1 7に垂直な面であって記録へッド 6側の面には、 反射部材 2 1 8を被覆する ように紫外線吸収部材 2 1 9が設けられている。

一方、 カバ一部材 2 1 6の近接垂直面の内面、 及び、 仕切り部材 2 1の記録媒 体 1 7に垂直な面であって記録へッド 6から離れた面には、 紫外線吸収部材が設 けられておらず、 反射部材 2 1 8が露出した状態となっている。

これにより、 カバー部材 2 1 6の内部の紫外線光源 1 5から照射される紫外線 を記録へッド 6に対して反射させる面の紫外線反射率が、 その他の面の紫外線反 射率よりも低くなっている。 次に、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線の紫外線照射装置 2 0 9の内部及 び記録媒体 1 7の表面における反射、 吸収作用について、 図 7 A及び図 7 Bを参 照して説明する。

図 7 Aに示すように、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線のうち、 仕切り部 材 2 1に設けられた紫外線吸収部材 2 1 9に対して出射された紫外線は、 この紫 外線吸収部材 2 1 9により吸収され、 低減されたエネルギーの紫外線となって、 紫外線吸収部材 2 1 9の下に設けられた反射部材 2 1 8により反射され、 記録媒 体 1 7の表面に照射される。 その後、 この低減されたエネルギーの紫外線は、 記 録媒体 1 7の表面で吸収、 反射され、 さらに低いエネルギーの紫外線となって、 記録媒体 1 7のノズノレ面に対して出射される。 一方、 紫外線光源 1 5から照射さ れた紫外線のうち、 カバー部材 2 1 6に設けられた反射部材 2 1 8に対して出射 された紫外線は、 この反射部材 2 1 8の紫外線反射率で反射され、 高いエネルギ 一で記録媒体 1 7の表面に照射される。その後、この高いエネルギーの紫外線は、 記録媒体 1 7の表面で吸収、 反射されるが、 このとき記録へッド 6とは逆の方向 に反射されるため、 記録へッド 6のノズル面へ到達することはない。

なお、 記録媒体 1 7に対して垂直に出射された紫外線は、 出射されたときのェ ネルギ一のまま記録媒体 1 7の表面に照射される。 この高いエネルギーの紫外線 も、 そのまま記録へッド 6のノズル面に到達することはなレ、。

また、 図 7 Bに示すように、 仕切り部材 2 1がないとしたらカバー部材 2 1 6 内で反射し、 記録ヘッド 6に到達していた紫外線 （図 7 Bにおいて、 模式的に点 線で示す。） であっても、 その一部は、 記録媒体 1 7表面への入射角が小さく、反 射角も小さいため、 記録媒体 1 7の反射して、 カバー部材 2 1 6内に向かって照 射される。 また、 その一部は、 仕切り部材 2 1で反射して、 直接カバー部材 2 1 6内に向かって照射される。 したがって、 全体として記録ヘッド 6に到達する紫 外線量が低減される。 さらに、 仕切り部材 2 1がないとしたら記録媒体 1 7の表 面で反射し、 記録へッド 6に到達していた紫外線の一部は、 仕切り部材 2 1で反 射して、 記録ヘッド 6に対して反対方向へ照射されるため、 記録ヘッド 6に到達 する紫外線量は、 著しく低減される。

以上より、 第二実施形態によれば、 反射により記録ヘッド 6に入射する紫外線 は、 低減されたエネルギーの紫外線となって、 記録媒体 1 7のノズル面に到達す る一方、 反射しても記録ヘッド 6に入射しない紫外線は、 高いエネルギーで記録 媒体 1 7の表面に照射される。 したがって、 記録媒体 1 7に着弾したインクを硬 化させるために必要十分な紫外線量を確保しつつ、 反射によりノズノレ面に到達す る紫外線量を低減させることができ、 ィンクの增粘ゃ硬化を防止してィンクを安 定して吐出させることができる。

また、反射によりノズル面に到達する紫外線量を低減させることができるため、 紫外線照射装置 2 0 9と記録へッド 6とを近接して配置することができ、 インク ジエツトプリンタを小型化することが可能である。

また、 仕切り部材 2 1がないとしたら記録ヘッド 6に到達していた紫外線の一 部を、 仕切り部材 2 1により、 カバー部材 2 1 6の内側あるいは記録へッド 6と は反対方向に向けて反射させることができるため、 記録へッド 6に到達する紫外 線量をさらに低減させることができる。 したがって、 記録媒体 1 7に着弾したィ ンクを硬化させるために必要十分な紫外線量を効率よく確保しつつ、 反射による インクの增粘ゃ硬化を防止してィンクを安定して吐出させることができる。 また、 第二実施形態では、 仕切り部材 2 1の記録ヘッド側の垂直面及びカバー 部材 2 1 6の離隔垂直面のすべてに、 紫外線吸収部材 2 1 9を設けるようにした 、 紫外線の波長や反射部材 2 1 8の材質等により、 記録へッド 6から遠い仕切 り部材 2 1の記録へッド 6側の垂直面及びカバー部材 2 1 6の離隔垂直面の内面 において反射する紫外線の記録媒体 1 7への入射角が、 十分に小さく、 記録媒体 1 7の表面で反射しても記録ヘッド 6に到達することがなければ、 これらの面に 紫外線吸収部材を設けなくてもよい。 さらに、 第二実施形態では、 カバー部材 2 1 6は、 記録媒体 1 7側に向かって 開口する箱型の形状としが、 これに限るものではなく、 図 8 A及び図 8 Bに示す 紫外線照射装置 3 0 9のように、 記録媒体 1 7側に向かって開口するアーチ型の 形状としてもよい。 この場合、 仕切り部材 3 2 1は、 カバー部材 3 1 6の記録媒 体 1 7に垂直な部分と同程度の高さとすることが、 紫外線の効率的な反射の観点 力 ら好ましい。 なお、 この場合においても、 カバ一部材 3 1 6の内面及び仕切り 部材 3 2 1の表面に、 反射部材 3 1 8を設けるとともに、 カバー部材 3 1 6の離 隔垂直面の内面、 及び、 仕切り部材 3 2 1の記録へッド 6側の面に、 反射部材 3 1 8を被覆するように紫外線吸収部材 3 1 9を設ければよい。

[第三実施形態]

次に、本発明によるインクジヱットプリンタの第三実施形態について、図 9 A、 図 9 B及び図 1 0を参照して、 説明する。 なお、 第一実施形態と同一符号を付し たものについては、 第一実施形態と同様であるため、 説明を省略する。

第三実施形態によるインクジエツ卜プリンタは、 ラインへッド方式のインクジ エツトプリンタであり、 プリンタ本体 （図示しない） 内の所定位置には、 平板状 の支持部材 2 2が固定されており、 この支持部材 2 2には、 図 9 A、 図 9 B及び 図 1 0に示すように、イェロー（Y)、マゼンタ （Μ)、シアン（C )、ブラック （K) の各色のィンクを吐出するノズノレ 5を形成してなる記録へッ ド 6が搭載されてい る。 これらの記録ヘッド 6は、 記録媒体 1 7の略全幅にわたる長さを有し、 記録 媒体 1 7の搬送方向 Zに直交するように設けられている。

これら記録ヘッド 6の記録媒体が搬送される方向 Zにおける下流側には、 ノズ ノレ 5から記録媒体 1 7に吐出されたィンクに対して紫外線を照射する紫外線照射 装置 9が設けられている。 この紫外線照射装置 9は、 紫外線光源 1 5と、 この紫 外線光源 1 5を覆うカバー部材 1 6を有しており、 このカバー部材 1 6の内面全 域には紫外線を反射する反射部材 1 8が設けられているとともに、 カバー部材 1 6の離隔垂直面の内面には紫外線吸収部材 1 9が設けられている。 この紫外線照 射装置 9は、 第一実施形態における紫外線照射装置 9における紫外線照射装置 9 と同様の構成を有するものであるため、 詳細な説明は省略する。

この支持部材 2 2の下方には、 平板状の部材で構成され記録媒体 1 7を非記録 面から支持するプラテン （図示しない） が設けられている。 また、 プリンタ本体 内には、 プラテンに対して記録媒体 1 7を搬送するとともに、 プラテン上で画像 が形成された記録媒体 1 7をプラテンから搬出する搬送機構 （図示しない） が設 けられている。 次に、 第三実施形態の作用について説明する。 搬送機構が作動して記録媒体 1 7が搬送されるとともに、 所定の画像情報に基 づいて支持部材 2 2に搭載された記録へッド 6のノズル 5から所定の色のインク が吐出される。 吐出されたィンクは順次記録媒体 1 7に着弾する。 この記録媒体 1 7に着弾したインクに対して、 支持部材 2 2に設けられた紫外線照射装置 9を 構成する紫外線光源 1 5により、 紫外線が順次照射され、 インクが記録媒体 1 7 上で硬化する。 この間、 搬送機構により記録媒体 1 7が搬送されていくことによ り、 記録媒体 1 7に画像が形成される。

このとき、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線のうち、 紫外線吸収部材 1 9 に対して出射された紫外線は、 この紫外線吸収部材 1 9により吸収され、 低減さ れたエネルギーの紫外線となって、 紫外線吸収部材 1 9の下に設けられた反射部 材 1 8により反射され、 記録媒体 1 7の表面に照射される。 その後、 この低減さ れたエネルギーの紫外線は、 記録媒体 1 7の表面で吸収、 反射され、 さらに低い エネルギーの紫外線となって、 記録媒体 1 7のノズル面に対して出射される。 一 方、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線のうち、 反射部材に対して出射された 紫外線は、 この反射部材 1 8の紫外線反射率で紫外線が反射され、 髙ぃエネルギ 一で記録媒体 1 7の表面に照射される。その後、この高いエネルギーの紫外線は、 記録媒体 1 7の表面で吸収、 反射されるが、 このとき記録ヘッド 6とは逆の方向 へ反射されるため、 ノズル面へ到達することはない。

以上より、 第三実施形態によれば、 反射により記録へッド 6に入射する紫外線 は、 低いエネルギーの紫外線となって、 記録媒体 1 7のノズル面に到達する。 一 方、 反射しても記録ヘッド 6に入射しない紫外線は、 高いエネルギーで記録媒体 1 7の表面に照射される。 したがって、 記録媒体 1 7に着弾したインクを硬化さ せるために必要十分な紫外線量を確保しつつ、 反射によりノズル面に到達する紫 外線量を低減させることができ、 インクの增粘ゃ硬化を防止してィンクを安定し て吐出させることができる。

また、反射によりノズル面に到達する紫外線量を低減させることができるため、 紫外線照射装置 9と記録へッド 6とを近接して配置することができ、 インクジェ ットプリンタを小型化することが可能である。 [第四実施形態]

次に、 本発明による第四実施形態について、 図 1 1、 図 1 2 A及び図 1 2 Bを 参照して、 説明する。 なお、 第四実施形態の紫外線照射装置においては、 この実 施形態に特有の部分以外は上記実施形態と同様であるので、 上記実施形態と同一 部分には同一符号を付し、 その説明を省略する。

なお、 図 1 1は、 紫外線照射装置 4 0 9に備わる紫外線光源 1 5から照射され た紫外線の反射を模式的に示した図である。 また、 図 1 2 Aは、 直交面部 2 2 3 の内側の面に紫外線吸収部材 4 1 9を備えない紫外線照射装置 8 0 9の長手方向 に沿った断面部を示した図であり、 図 1 2 Bは、 紫外線照射装置 8 0 9における 紫外線の反射を模式的に示した図である。

先ず、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線の紫外線照射装置 4 0 9の内側並 びに外側、 特に記録面における反射 ·吸収について説明する。

図 1 1に示すように、 紫外線光源 1 5から照射されて記録へッド 6の下面、 特 にノズル面 6 2に入射する紫外線のうち、 カバー部材 4 1 6の直交面部 2 2 3の 内側の面に入射する紫外線 （図 1 1においては、 模式的に矢印 Uで示す。） は、 こ の面の反射部材 4 1 8の内面に配設された紫外線吸収部材 4 1 9によって吸収さ れるため、 直交面部 2 2 3の内側の面にて反射する紫外線の量が低減されること となる。 すなわち、 図 1 2 A及び図 1 2 Bに示す直交面部 2 2 3の内側の面に紫 外線吸収部材 4 1 9を備えない紫外線照射装置 8 0 9の場合、 直交面部 2 2 3の 内側の面に配設された反射部材 4 1 8の紫外線反射率で紫外線が反射されるよう になっている。しかしながら、図 1 1における紫外線照射装置 4 0 9においては、 直交面部 2 2 3に配設された反射部材 4 1 8が紫外線吸収部材 4 1 9によって被 覆されているので、 直交面部 2 2 3の内側の面に入射する紫外線の反射率を図 1 2 A及び図 1 2 Bのものに比べて低減させることができる。

また、 直交面部 2 2 3、 2 2 3の内側の面の紫外線反射率に比べて、 上面部 2 1 1及び曲面部 2 2 2 , 2 2 2の各々の内側の面の紫外線反射率は高くなつてい る。 そのため、 図 1 1に示すように、 上面部 2 1 1及び曲面部 2 2 2、 2 2 2の 内側の面にて反射する紫外線の低減量は、 直交面部 2 2 3、 2 2 3の内側の面に て反射する紫外線の低減量に比べて小さく、 記録面上のィンクに対する紫外線照 射量を好適に確保することができる。

なお、 図 1 2 A及び図 1 2 Bにおいて、 カバ一部材 4 1 6の内面に配設された 反射部材 4 1 8並びに記録媒体 1 7は、 図 1 1における反射部材 4 1 8並びに記 録媒体 1 7と略同等の紫外線反射率を有するものとする。 また、 図 1 1及び図 1 2 Bにおいては、 矢印 Uの線幅を模式的に紫外線の量とし、 線幅が大きいほど紫 外線の量が多いものとする。

なお、 図 1 1及び図 1 2 Bにおいて、 直交面部 2 2 3の内側の面にて反射して ノズル面 6 2に入射する紫外線としては、 主走査方向 Xに沿って右端に配置され た紫外線光源 1 5から左方向に 4番目の紫外線光源 1 5から照射された紫外線 (矢印 U) を例示している。

また、 紫外線照射装置 4 0 9と、 紫外線照射装置 4 0 9の各々に隣合う記録へ ッド 6との間には、 光トラップ 1 0が設けられている。

以上のように、 第四実施形態のインクジェットプリンタによれば、 記録面と直 交面部 2 2 3の下端との間を通り抜け易い、 直交面部 2 2 3にて反射する紫外線 の量を低減させることができるので、 紫外線照射装置 4 0 9から照射された紫外 線の記録へッド 6の下面、 特にノズノレ面 6 2への入射量を低減させることができ る。

また、 複数の紫外線光源 1 5、 …が備えられることにより、 直交面部 2 2 3に 入射する紫外線の量も増加することとなるが、 直交面部 2 2 3の内側の面に紫外 線吸収部材 4 1 9が設けられているので、 直交面部 2 2 3に入射する紫外線を吸 収して、 記録面の方に反射する紫外線の量を効果的に低減させることができる。 さらに、 光トラップ 1 0によって、 紫外線照射装置 4 0 9から照射され、 記録 面にて記録へッド 6側に反射してくる紫外線を捕捉することで、 例えば記録へッ ド 6や紫外線照射装置 4 0 9をキヤリッジ 4に固定するためのフレーム（図示略） 等にて反射して記録へッド 6側に反射する紫外線の量を低減させることができ、 記録へッド 6の下面への紫外線の入射量を低減させることができる。

よって、 記録へッド 6のノズル面 6 2へ入射した紫外線と、 ノズル面 6 2及び その吐出口のインクとの反応に基づく、 前記インクの增粘ゃ硬化を防止して、 ノ ズルの吐出不良を生じ難くすることができる。 また、 インクが、 紫外線に対する感度が高く、 また活性種である酸の光ェネル ギーを蓄積する性質を有するカチオン硬化型のインクであっても、 直交面部 2 2 3の紫外線反射率が、 曲面部 2 2 2、 上面部 2 2 1の紫外線反射率よりも低くさ れることにより、 記録へッド 6のノズノレ面 6 2に入射する紫外線量を低減させる ことができ、 ノズル面 6 2及びその吐出口のカチオン硬化性のインクが増粘した り硬化することを防止することができる。

さらに、 紫外線光源 1 5が、 高圧水銀ランプ、 メタルハライ ドランプ、 熱陰極 管、 冷陰極管、 及び L E Dのいずれか 1つであっても、 紫外線照射装置 4 0 9か ら照射された紫外線のノズノレ面 6 2に対する入射量を確実に低減させることがで さる。

このように、 ノズル面 6 2及びその吐出口のインクの增粘ゃ硬化を防止して、 ノズルの吐出不良を生じ難くできるので、 インクの安定吐出を長期にわたって行 うことができる。

また、 記録ヘッド 6の下面に入射する紫外線の量を低減させることにより、 記 録へッド 6の下面の天板 6 3に入射した紫外線に基づく天板 6 3に存するインク の硬化を防止することができ、 メンテナンスュニット 1 3による記録へッド 6の メンテナンス作業を確実に行うこともできる。

さらに、 曲面部 2 2 2、 2 2 2、 上面部 2 2 1に、 反射部材 4 1 8が露出する ように設けられているので、 反射部材 4 1 8にて紫外線を効果的に記録面の方に 反射させることができる。 すなわち、 反射部材 4 1 8を設けることで、 紫外線照 射装置 4 0 9に備わる紫外線光源 1 5の数を増加させることなく紫外線照射装置 4 0 9からの紫外線の照射量を増加させることができ、 インク硬化に必要な所定 量とすることができる。

また、 上面部 2 2 1、 曲面部 2 2 2の内側の面にて反射した紫外線に比べて直 交面部 2 2 3の内側の面にて反射した紫外線は記録面への入射角 （記録面に対し 直交する線分 L 1に対して紫外線が入射する角度） R 1が大きくなつていること から、 紫外線照射装置 4 0 9から遠い位置まで届くこととなるが、 直交面部 2 2 3の内側の面にて反射する紫外線の量を低減させることができるので、 紫外線照 射装置 4 0 9と記録へッド 6とを近接して配置することができ、 インクジヱット プリンタの小型化に寄与することができる。

なお、 上記第四実施形態では、 各記録ユニットの双方に紫外線照射装置 4 0 9 を設けるようにしたが、 これに限られるものではなく、 例えば図 2 Aにおいて隣 合う、 右側の記録ュニットのイエロ一 （ Y) の記録へッド 6と左側の記録ュニッ トのブラック （K) の記録へッド 6との間に紫外線照射装置 4 0 9を設けるよう にしても良い。

さらに、 上記第四実施形態では、 各記録ユニットにおいて、 各々 4つの記録へ ッド 6、 …に対して 1つの紫外線照射装置 4 0 9を設ける構成としたが、 これに 限られるものではなく、 少なくとも記録へッド 6よりも主走査方向 Xの下流側に 配置されていれば紫外線照射装置 4 0 9の個数並びに配設位置は任意である。 例 えば、 1つの記録へッド 6に対して 1つの紫外線照射装置 4 0 9を設ける構成と しても良いし、 隣合って配設された 2つの記録ヘッド 6 , 6に対して 1つの紫外 線照射装置 4 0 9を設ける構成としても良いし、 連続して配設された 3つの記録 へッド 6、 …に対して 1つの紫外線照射装置 4 0 9を設ける構成としても良い。

[第五実施形態]

次に、 本発明による第五実施形態について、 図 1 3 A、 図 1 3 B及び図 1 4を 参照して、 説明する。 なお、 第五実施形態に係る紫外線照射装置においては、 こ の実施形態に特有の部分以外は上記実施形態と同様であるので、 上記実施形態と 同一部分には同一符号を付し、 その説明を省略する。

ここで、 図 1 3 Aは、 紫外線照射装置 5 0 9を模式的に示した斜視図であり、 図 1 3 Bは、 図 1 3 Aの E— E部分を示した断面図である。 また、 図 1 4は、 紫 外線照射装置 5 0 9の紫外線光源 1 5から照射された紫外線の反射を模式的に示 した図である。

図 1 3 A及び図 1 3 Bに示すように、第五実施形態の紫外線照射装置 5 0 9は、 紫外線光源どうし 1 5、 1 5の間に配置された第 1及び第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5を有するカバ^"部材 5 1 6を備えている。

すなわち、 カバー部材 5 1 6は、 上面部 2 2 1内面の 2つの直交面部 2 2 3、 2 2 3間の距離を略 3等分する位置にて、 記録面に対し略直交して形成された第 1及び第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5と、 第 1及び第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5と上面部 2 2 1内面とを接続する第 1及び第 2接続部 2 2 6 , 2 2 7とを備え ている。

直交面部 2 2 3と第 1中直交面部 2 2 4との間、 第 1中直交面部 2 2 4と第 2 中直交面部 2 2 5との間、 第 2中直交面部 2 2 5と直交面部 2 2 3との間には、 それぞれ主走査方向 Xに沿って並んだ 3つの紫外線光源 1 5、 …が設けられてい る。

このように、 第 1及び第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5は、 複数の紫外線光源 1 5、 …が配設された領域の間に配置されている。

また、 第 1及ぴ第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5の下端部の高さは、 直交面部 2 2 3、 2 2 3の下端部の高さと略等しくなつている。

また、第 1及び第 2接続部 2 2 6、 2 2 7は、第 1及び第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5に接続した部分の主走査方向 Xの幅よりも上面部 2 2 1に接続した部分の 主走査方向 Xの幅の方が次第に大きくなるように湾曲している。 具体的には、 第 1及び第 2接続部 2 2 6、 2 2 7の内面は、 曲面部 2 2 2、 2 2 2の内面と略同 等の形状となっている。

このように、 第 1及び第 2接続部 2 2 6、 2 2 7は、 少なくとも記録面に対向 する領域を有する対向面部を構成している。

直交面部 2 2 3、 曲面部 2 2 2、 上面部 2 2 1、 第 1接続部 2 2 6、 第 1中直 交面部 2 2 4によって連続するように形成された内面に沿って第 1反射部材 5 1 8 aが配設され、 また、 第 1中直交面部 2 2 4、 第 1接続部 2 2 6、 上面部 2 2 1、 第 2接続部 2 2 7、 第 2中直交面部 2 2 5によって連続するように形成され た内面に沿って第 2反射部材 5 1 8 bが配設され、 さらに、 第 2中直交面部 2 2 5、 第 2接続部 2 2 7、 上面部 2 2 1、 曲面部 2 2 2、 直交面部 2 2 3によって 連続するように形成された内面に沿って第 3反射部材 5 1 8 cが配設されている。 また、 直交面部 2 2 3、 2 2 3並びに第 1及び第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5 に配設された第 1〜第 3反射部材 5 1 8 a〜5 1 8 cの内面には、 この内面に沿 つて第 1〜第 3反射部材 5 1 8 a〜5 1 8 cを被覆するように紫外線吸収部材 5 1 9が配設されている。 従って、 図 1 4に示すように、 2つの直交面部 2 2 3、 2 2 3並びに第 1及び 第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5の内側の面に入射する紫外線は、 これらの面部の 内側に第 1〜第 3反射部材 5 1 8 a〜5 1 8 cを介して配設された紫外線吸収部 材 5 1 9によって吸収され、 反射する紫外線の量が低減されることとなる。 このように、第五実施形態の紫外線照射装置 5 0 9によれば、直交面部 2 2 3、 2 2 3並びに第 1及び第 ·2中直交面部 2 2 4、 2 2 5の内側の面の紫外線反射率 、 曲面部 2 2 2、 2 2 2、 上面部 2 2 1、 第 1及び第 2接続部 2 2 6、 2 2 7 の内側の面の紫外! ¾反射率よりも低くされているので、 紫外線照射装置 5 0 9力 ら照射された紫外線のノズル面 6 2に対する入射量を低減させることができる。 また、 複数の紫外線光源 1 5、 …の間に第 1及び第 2中直交面部 2 2 4、 2 2 5が配置されているので、 紫外線光源 1 5から照射されて直交面部 2 2 3 (第 1 及び第 2中直交面部 2 2 4 , 2 2 5も含む）の内側の面（以下、「内側面」という。） への入射角 （直交面部 2 2 3に対し直交する線分 L 2に対して紫外線が入射する 角度） R 2を大きく して、 記録面への入射角 R 1を小さくすることができる。 すなわち、 直交面部 2 2 3の内側面にて反射した紫外線の記録面への入射角 R 1は、 前記内側面における紫外線の反射角 R 3により規定され、 この反射角 R 3 は、 紫外線の前記内側面への入射角 R 2により規定される。 ここで、 直交面部 2 2 3の内側面への紫外線の入射角 R 2が小さいほど、 すなわち記録面への紫外線 の入射角 R 1が大きいほど、 記録面にて反射した紫外線は、 記録面と直交面部 2 2 3の下端との間を通り抜け易く、 記録へッド 6のノズル面 6 2に対して入射し 易くなつている。 紫外線光源 1 5を複数備える場合において、 主走査方向 Xに沿 つて直交面部 2 2 3から離れた紫外線光源 1 5ほど、 その紫外線光源 1 5から照 射された紫外線の当該直交面部 2 2 3の内側面への入射角が小さくなるが、 変形 例 1によれば、 紫外線光源 1 5、 …を 3つずつ区切るように第 1及び第 2中直交 面部 2 2 4、 2 2 5が配置されているので、 直交面部 2 2 3に対する紫外線光源 1 5の距離を短くして、 紫外線光源 1 5から照射された紫外線の直交面部 2 2 3 の内側面への入射角 R 2を大きくすることができる。

従って、 中直交面部 2 2 3の内側面にて反射した紫外線の記録面への入射角 R 1を小さくすることができるので、 記録面と直交面部 2 2 3の下端との間を通り 抜ける紫外線の量を低減させることができ、 紫外線のノズル面 6 2への入射量を 低減させることができる。 これにより、 紫外線照射装置 5 0 9と記録へッド 6と をより一層近接して配置することができ、 インクジエツトプリンタの小型化にも 寄与することができる。

なお、 図 1 4においては、 最も記録へッド 6側に配置された紫外線光源 1 5か ら照射された紫外線 （矢印 U) の第 1中直交面部 2 2 4の内側面における反射が 例示されている。

[第六実施形態]

次に、 本発明による第六実施形態について、 図 1 5 A及び図 1 5 Bを参照して 説明する。

ここで、 図 1 5 Aは、 第六実施形態によるインクジェットプリンタの紫外線照 射装置 6 0 9を模式的に示した斜視図であり、 図 1 5 Bは、 図 1 5 Aの F— F部 分を示した断面図である。

図 1 5 A及び図 1 5 Bに示すように、 第六実施形態の紫外線照射装置 6 0 9に おいて、 隣合って配設された紫外線光源 1 5、 …のうち、 少なくとも一組の紫外 線光源 1 5、 1 5は、 記録面に対する距離が異なるようにカバー部材 6 1 6の内 側に、 配置されている。

すなわち、 カバー部材 6 1 6は、 図 1 5 Bに示すように、 記録媒体 1 7側に向 力つて開口するアーチ型の形状に形成されており、 直交面部 2 2 3、 2 2 3の上 端から内側に向かって略半円を描くように湾曲した円弧状部 2 2 8と、 2つの直 交面部 2 2 3、 2 2 3間の距離を略 3等分する位置に配設され、 記録面に対し略 直交して形成された第 3及び第 4中直交面部 2 2 9 , 2 2 0とを備えている。 ここで、 円弧状部 2 2 8は、 少なくとも記録面に対向する領域を有する対向面 部を構成している。

なお、 第 3及び第 4中直交面部 2 2 9、 2 2 0の長手方向に沿った両端部は、 カバー部材 6 1 6の長手方向 （副走査方向と同一方向） に沿った両端に配設され た面板 2 2 a、 2 2 bに固定されている。

カバ一部材 6 1 6の直交面部 2 2 3、 2 2 3、 円弧状部 2 2 8の内面に沿って 反射部材 618が配設されている。

また、 円弧状部 228に配設された反射部材 61 8の内面に沿うように、 複数 の紫外線光源 15、 …が配設されている。 これにより、 隣合う一の紫外線光源 1 5の中心軸と他の一の紫外線光源 15の中心軸とが主走査方向 Xに沿ってより近 接するようになつている。

従って、 紫外線光源 1 5を記録面と平行となるように配設した場合に比べて、 紫外線光源 15の数を減らすことなく、 すなわち紫外線照射装置 609からの照 射強度を所定の値に維持した状態で、 紫外線照射装置 609の主走査方向 Xに沿 つた幅を小さくすることができる。

また、 反射部材 618のうち、 直交面部 223、 223の内面に沿って第 1紫 外線吸収部材 6 1 9 aが配設され、 第 3及び第 4中直交面部 229、 220の主 走査方向 Xに沿つた面を被覆するようにこの内面に沿って第 2及び第 3紫外線吸 収部材 619 b、 61 9 cが配設されている。

このような構成の紫外線照射装置 609であっても、 上記第五実施形態の紫外 線照射装置 509の場合と同様に、 紫外線照射装置 609から照射された紫外線 のノズル面 62に対する入射量を低減させることができる。

なお、 上記第五実施形態及び第六実施形態においては、 カバー部材 51 6 (6 16) に中直交面部 224、 225 (229、 220) を 2つ備えるようにした 力 これに限られるものではなく、 中直交面部 224、 225 (229、 220) の個数は任意である。 すなわち、 中直交面部 224、 225 (229、 220) の個数は、 紫外線照射装置 509 (609) に配設される紫外線光源 15の個数 や紫外線照射装置 509 (609) と記録ヘッド 6との配置等によって、 任意に 設定可能とされている。 [第七実施形態]

以下、 第七実施形態のインクジェットプリンタについて、 図 16を参照して説 明する。

ここで、 図 1 6は、 第七実施形態のィンクジヱットプリンタに備わるへッド部 700を側方から見て模式的に示した図である。 なお、 第七実施形態のインクジェットプリンタにおいては、 この実施形態に特 有の部分以外は上記実施形態並びに紫外線照射装置と同様であるので、 上記実施 形態と同一部分には同一符号を付し、 その説明を省略する。

この第七実施形態のィンクジェットプリンタは、 記録媒体 1 7の幅方向 （記録 媒体 1 7の搬送方向 Zと直交する方向） にわたるラインヘッド 7 0 6を備え、 記 録媒体 1 7の搬送に基づき画像を形成するライン方式にて画像記録を行うもので ある。

すなわち、 図 1 6に示すように、 インクジェットプリンタは、 上記したライン へッド 7 0 6と、 紫外線照射装置 7 0 9と、 光トラップ 7 1 0とを備えて構成さ れたヘッド部 7 0 0を備えている。

ラインへッド 7 0 6は、 インクジヱットプリンタで使用される 4色のインクに 対応して 4つ設けられている。 また、 ラインヘッド 7 0 6の各々は、 互いの長手 方向が平行となるように記録媒体 1 7の搬送方向 Zに沿ってへッド部 7 0 0に配 設されている。

紫外線照射装置 7 0 9は、 各ラインヘッド 7 0 6に対応して 4つ設けられてい る。 すなわち、 紫外線照射装置 7 0 9の各々は、 対応するラインへッド 7 0 6よ りも記録媒体 1 Ίの搬送方向 Zの下流側に位置するようにへッド部 7 0 0に配設 されている。

また、 紫外線照射装置 7 0 9は、 上記第四実施形態で例示した紫外線照射装置 4 0 9と略同等の部材である。 すなわち、 カバー部材 4 1 6の直交面部 2 2 3、 2 2 3の内側の面には、 反射部材 4 1 8を介して紫外線吸収部材 4 1 9が配設さ れており、これによつて、直交面部 2 2 3 , 2 2 3の内側の面の紫外線反射率は、 曲面部 2 2 2、 2 2 2及び上面部 2 2 1の内側の面の紫外線反射率よりも低くさ れている。

なお、 紫外線照射装置 7 0 9は、 そのラインヘッド 7 0 6の長手方向と同一方 向に沿った長さが少なくともラインへッド 7 0 6のノズノレ列の長さよりも長くな つている。

光トラップ 7 1 0は、 紫外線照射装置 7 0 9とラインへッド 7 0 6との全ての 間に配設されている。 このような構成のインクジエツトプリンタであっても、 上記実施の形態と同様 に、 ラインヘッド 7 0 6の下面、 特にノズノレ面 7 6 2に対する紫外線の入射量を 低減させることができる。

なお、 上記第七実施形態では、 ラインヘッド 7 0 6の各々に対して紫外線照射 装置 7 0 9を備える構成としたが、 これに限られるものではなく、 少なくともラ インヘッド 7 0 6よりも記録媒体 1 7の搬送方向 Zの下流側に配置されていれば 紫外線照射装置 7 0 9の個数並びに配設位置は任意である。 例えば、 連続して配 設された 4つのラインへッド 7 0 6、 …に対して 1つの紫外線照射装置 7 0 9を 設けるようにしても良いし、 連続して配設された 3つのラインヘッド 7 0 6、 · · · に対して 1つの紫外線照射装置 7 0 9を設けるようにしても良いし、 連続して配 設された 2つのラインヘッド 7 0 6、 7 0 6に対して 1つの紫外線照射装置 Ί 0 9を設けるようにしても良い。 なお、 本発明は、 上記実施形態に限定されることなく、 本発明の趣旨を逸脱し ない範囲において、 種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。

例えば、 上記実施形態では、 直交面部 2 2 3に配設された反射部材 4 1 8 ( 5 1 8 a、 5 1 8 c、 6 1 8 ) を被覆するように紫外線吸収部材 4 1 9 ( 5 1 9、 6 1 9 a ) を設けるようにしたが、 これに限られるものではなく、 直交面部 2 2 3の内側の面の紫外線反射率が、 曲面部 2 2 2、 2 2 2、 上面部 2 2 1 (第 1及 び第 2接続部 2 2 6、 2 2 7並びに円弧状部 2 2 8 ) 等の対向面部の紫外線反射 率よりも低くされていれば良い。 例えば、 直交面部 2 2 3、 2 2 3に配設される 反射部材 4 1 8が、 対向面部に配設される反射部材 4 1 8よりも紫外線反射率が 低くされるように、 異なる紫外線反射率を有する材料から各々の反射部材 4 1 8 を構成しても良い。 また、 カバー部材 4 1 6の内面に反射部材を配設するか否か は任意であり、 例えば直交面部 2 2 3に反射部材 4 1 8を設けずに、 直交面部 2 2 3自体の紫外線反射率に比べて紫外線反射率の高い反射部材を対向面部に設け るようにしても良い。 さらに、 例えば対向面部に反射部材 4 1 8を設けずに、 対 向面部自体の紫外線反射率に比べて紫外線反射率の低い （紫外線吸収率の高い） 紫外線吸収部材を直交面部 2 2 3に設けるようにしても良い。 なお、 反射部材 4 18をカバー部材 416の内面に配設するのではなく、 カバー部材を紫外線反射 率の高い材料から構成し、 直交面部 223に紫外線吸収部材 4 19を設けるよう にしても良いとレ、うのは、 勿論のことである。

また、 上記実施形態では、 中直交面部 224、 225、 229、 220の主走 查方向 X (若しくは、 ラインヘッド方式のインクジェットプリンタの場合の搬送 方向 Z) に沿った両面に、 紫外線吸収部材 51 9、 619 b、 619 c (41 9) を設けるようにしたが、 これに限られるものではない。 例えば、 記録ヘッド 6側 に反射する紫外線の量を低減させるためには、 中直交面部 224、 225、 22 9、 220の少なくとも記録ヘッド 6 (ラインヘッド 706) の方に向く面に紫 外線吸収部材を設けていれば良い。 この場合には、 記録ヘッド 6の方に向かない 面に反射部材が設けられることで、 紫外線吸収部材が設けられることに基づく紫 外線照射装置 509、 609 (709) からの紫外線照射量の低減度合を必要最 小限に抑えることができる。

また、上記実施形態の反射部材 418、 518 a〜 518 c、 61 8としては、 例えば、 全波長域に直って紫外線を効率良く反射する高純度のアルミ製の反射板 が適用され、 好ましくは、 アルミを主に含有する金属化合物の薄膜をガラス表面 に蒸着させたコールドミラー （ガラス成形板） が適用される。 特に、 コールドミ ラーは、 紫外線を効率良く反射する一方で、 インクの硬化に寄与しない可視光線 及び赤外線をミラー後方に透過させることで、 光源の発熱による発光効率低下を 抑制することができる。

さらに、 上記実施形態では、 4色のインクに対応するように 4つの記録ヘッド 6若しくはラインヘッド 706を設ける構成としたが、 これに限られるものでは なく、 記録へッド 6並びにラインへッド 706の個数は任意である。

なお、 紫外線照射装置 409、 509、 609 (709) 並びに記録ヘッド 6 (ラインヘッド 706 ) は、 ノズル列の両端部が紫外線光源 15の長手方向に沿 つた両端部よりも内側に位置するように配設されるのが好ましい。 すなわち、 紫 外線光源 1 5は、 その長手方向に沿った紫外線の照射強度の分布状態が異なって おり、 照射強度は、 紫外線光源 1 5の長手方向に沿った略中央部における位置を 中心としたピークをもち、 前記略中央部から離れるにしたがって小さくなる。 そ れ故、 画像記録において、 紫外線光源 1 5の長手方向に沿った両端部の略真下を 通過する記録媒体 1 7上のィンクに対しては、 硬化に十分な照射強度の紫外線が 照射されない虞があるためである。

また、 シリアル方式のインクジェットプリンタの場合、 記録媒体 1 7の搬送方 向 （副走査方向 Yと同一方向） の下流側に対応する紫外線光源 1 5の端部は、 ノ ズノレ列の前記搬送方向の下流側に対応する端部に対して記録媒体 1 7の搬送方向 に沿って十分に下流側に位置するのが好ましい。 すなわち、 例えばインクがカチ オン硬化性を有するインクであり、 キャリッジ 4の一度の走査において、 記録媒 体 1 7上の所定領域 （「第 1所定領域」 とする。 ；図示略） 内のインクに対して十 分な照射強度の紫外線が照射されない場合であっても、 上記のような構成とする ことで、 前記第 1所定領域に搬送方向に沿って隣接し第 1所定領域よりも搬送方 向の上流側に位置する記録媒体 1 7上の所定領域 （「第 2所定領域」 とする。 ；図 示略） に対する紫外線の照射が行われる際に、 第 1所定領域の略真上を紫外線光 源、 1 5の搬送方向の下流側の部分が通過し、 紫外線光源 1 5から照射された紫外 線が第 1所定領域のインクに入射する。 これにより、 第 1所定領域のインクに対 してィンクの硬化に十分な照射エネルギーを付与可能となる。

2 0 0 2年 1 2月 1 3日に提出された特願 2 0 0 2— 3 6 2 7 6 0号の全開示 内容は、 すべて本願に組み込まれる。 産業上の利用可能性

本発明は、 紫外線を照射することでィンクを硬化させて画像を形成するィンク ジエツトプリンタにて利用可能である。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 紫外線を照射することによつて硬化するィンクを吐出するノズノレが設けられ た記録へッドと、 インクを硬化させる紫外線を発生する紫外線光源が設けられた 紫外線照射装置とを有し、 前記ノズルから吐出したィンクを記録媒体に着弾させ た後、 この記録媒体に前記紫外線照射装置により紫外線を照射することでインク を硬化させて、 画像を形成するインクジヱットプリンタにおいて、

前記紫外線照射装置は、 前記紫外線光源を覆うカバー部材を備え、 このカバー 部材内の前記紫外線光源から照射される紫外線を前記記録へッドに対して反射さ せる面の紫外線反射率が、 その他の面の紫外線反射率よりも低くなつているイン クジエツ トプリンタ。

2 . 請求の範囲第 1項に記載のインクジヱットプリンタにおいて、

前記カバー部材の記録媒体に垂直な面であって前記記録へッドに近接する面の 内面に、 紫外線を反射する反射部材を設けているインクジエツトプリンタ。

3 . 請求の範囲第 1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、

前記カバ一部材の記録媒体に垂直な面であって前記記録へッドから離れた面の 内面に、紫外線を吸収する紫外線吸収部材を設けているインクジエツトプリンタ。

4 . 請求の範囲第 1項に記載のインクジエツトプリンタにおいて、

前記カバ一部材に、 前記カバー部材の内部を仕切る仕切り部材を設けているィ ンクジヱッ トプリンタ。

5 . 請求の範囲第 4項に記載のインクジヱットプリンタにおいて、

前記仕切り部材の記録媒体に垂直な面であって前記記録へッド側の面に、 紫外 線を吸収する紫外線吸収部材を設けるとともに、 前記仕切り部材の記録媒体に垂 直な面であって前記記録へッドから離れた面に、 紫外線を反射する反射部材を設 けているインクジェットプリンタ。

6 . 請求の範囲第 1項に記載のインクジエツトプリンタにおいて、

前記紫外線照射装置に、 前記紫外線光源を複数設けているインクジエツトプリ ンタ。

7 . 請求の範囲第 1項に記載のインクジエツトプリンタにおいて、 前記紫外線光源は、 高圧水銀ランプ、 メタルハライドランプ、 熱陰極管、 冷陰 極管、 及び L E Dのいずれか 1つであるインクジエツトプリンタ。

8 . 請求の範囲第 1項に記載のインクジエツトプリンタにおいて、

前記インクは、 カチオン硬化型のインクであるインクジエツトプリンタ。 9 . 請求の範囲第 1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、

前記記録へッドはシリアルへッド方式であり、 この記録へッドの主走査方向に おける両側部の少なくとも一方に前記紫外線照射装置を設けているィンクジ工ッ トプリンタ。

1 0 . 請求の範囲第 1項に記載のインクジエツトプリンタにおいて、

前記記録へッドはラインへッド方式であり、 この記録へッドの記録媒体が搬送 される方向における下流側に前記紫外線照射装置を設けているインクジェットプ リンタ。

1 1 . 紫外線を照射することによって硬化するインクをノズルの吐出口から記録 媒体に向けて吐出する記録へッドと、 前記記録媒体上に吐出されたインクに対し て、 紫外線光源から紫外線を照射する紫外線照射装置とを備えるインクジュット プリンタであって、

前記紫外線照射装置は、 前記紫外線光源を覆うカバー部材を備え、 前記カバー部材は、 前記記録媒体の記録面側に向かって開口しており、 前記記 録面に対して略直交する直交面部と、 少なくとも前記記録面に対向する領域を有 する対向面部とを備え、

前記直交面部の紫外線反射率は、 前記対向面部の紫外線反射率よりも低くされ ているィンクジェットプリンタ。

1 2 . 請求の範囲第 1 1項に記載のインクジエツトプリンタにおいて、

前記対向面部には、 前記紫外線光源から照射された紫外線を前記記録媒体の記 録面の方に反射させる反射部材が設けられているインクジエツトプリンタ。

1 3 . 請求の範囲第 1 1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、

前記直交面部には、 前記紫外線光源から照射された紫外線を吸収する材料を含 んで構成された紫外線吸収部材が設けられているインクジヱットプリンタ。

1 4 . 請求の範囲第 1 1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、 前記紫外線光源は、 複数備えられているインクジエツトプリンタ。

1 5 . 請求の範囲第 1 4項に記載のィンクジエツトプリンタにおいて、

前記直交面部は、 複数の紫外線光源が配設された領域の間に配置された中直交 面部を備えるィンクジエツトプリンタ。

1 6 . 請求の範囲第 1 1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、

前記記録へッドと前記紫外線照射装置との間に、 当該紫外線照射装置から照射 された紫外線を捕捉する光トラップが備えられているインクジェットプリンタ。

1 7 . 請求の範囲第 1 1項に記載のインクジエツトプリンタにおいて、

前記紫外線光源は、 高圧水銀ランプ、 メタルハライドランプ、 熱陰極管、 冷陰 極管、 及び L E Dのいずれか 1つであるインクジエツトプリンタ。

1 8 . 請求の範囲第 1 1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、

インクは、 カチオン硬化型のインクであるインクジエツトプリンタ。

1 9 . 請求の範囲第 1 1項に記載のインクジェットプリンタにおいて、

記録方式は、シリアル方式若しくはライン方式であるインクジエツトプリンタ。