JP2004223750A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】インクを吐出する記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減することができるインクジェットプリンタを提供すること。
【解決手段】インクジェットプリンタ1は走査方向Aに移動するキャリッジ8を備え、キャリッジ8には記録ヘッド17が搭載されている。記録ヘッド17の下面には、搬送方向Bに配列された複数の吐出口が形成されている。記録ヘッド17の走査方向Aの隣りには紫外線照射機構20が配設されており、紫外線照射機構20は、カバー部材21と、カバー部材21によって上から覆われる複数の紫外線光源22と、を備える。紫外線光源22は、記録ヘッド17に形成された吐出口の列方向と直行する方向に長手方向を有している。
【選択図】 図3
【解決手段】インクジェットプリンタ1は走査方向Aに移動するキャリッジ8を備え、キャリッジ8には記録ヘッド17が搭載されている。記録ヘッド17の下面には、搬送方向Bに配列された複数の吐出口が形成されている。記録ヘッド17の走査方向Aの隣りには紫外線照射機構20が配設されており、紫外線照射機構20は、カバー部材21と、カバー部材21によって上から覆われる複数の紫外線光源22と、を備える。紫外線光源22は、記録ヘッド17に形成された吐出口の列方向と直行する方向に長手方向を有している。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドからインクを液滴として吐出することによって記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式ではグラビア印刷方式より簡便・安価に画像を作成することができるため、写真・各種印刷・マーキング・カラーフィルターといった特殊印刷等の様々な印刷分野に応用されてきている。特に、インクジェット記録方式では、微細なドットを吐出・制御するインクジェット記録方式のインクジェットプリンタと、色再現域・耐久性・吐出適性等を改善したインクと、インク吸収性・色材発色性・表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせることで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
【0003】
従来のインクジェットプリンタには、搬送方向に搬送される記録媒体上において搬送方向に対して直交する走査方向に並んだ複数の吐出口が形成されたラインヘッドからインクを吐出することにより画像記録を行うライン方式、ヘッドを走査方向に移動させてヘッドの移動中にヘッドの吐出口からインクを吐出することにより画像記録を行うシャトル方式(シリアル方式)がある。
【0004】
また、インクジェットプリンタは、インクの種類で分類することができる。つまり、従来のインクジェットプリンタには、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式、紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化型インクを用いる紫外線硬化型インクジェット方式等がある。中でも、紫外線硬化型インクジェット方式は、他の記録方式に比べ比較的低臭気であり、専用紙以外にも速乾性・インク吸収性の無い記録媒体に記録できる点で注目されており、例えば特許文献1では紫外線硬化型インクジェット方式を適用したインクジェットプリンタが開示されている。
【0005】
一般的に、紫外線硬化型インクジェット方式のインクジェットプリンタにおいては、記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクに紫外線を照射することで、紫外線硬化型インクを硬化させ記録媒体に定着させる。この場合、紫外線硬化型インクの記録媒体への着弾から紫外線の照射までに時間がかかると、記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクのドット径の拡大、ドット間の滲み、記録媒体に対する紫外線硬化型インクの浸透などの問題が顕著となるため、紫外線硬化型インクの吐出から紫外線照射までの時間は極力短くすることが好ましい。
【0006】
そこで、特許文献1に記載されたシャトル方式のインクジェットプリンタにおいては、走査方向に長尺なランプが記録媒体の全幅にわたって延在しており、ランプの搬送方向上流側でヘッドが走査方向に移動するようになっている。また、特許文献1に記載されたライン方式のインクジェットプリンタにおいては、走査方向に長尺なランプが記録媒体の全幅にわたって延在しており、インクを吐出するための吐出口が走査方向に一列になって配列されているラインヘッドがランプの搬送方向上流側に配置されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭60−132767号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般的にランプから発した紫外線は、ランプの長手方向の中心線から放射状に拡がるように照射されるため、ランプの長手方向に沿ってヘッドが移動するシャトル方式の従来インクジェットプリンタでは、ランプから発した紫外線がヘッドに入射してしまう。特に、記録媒体で反射した紫外線が、ヘッドの下面に入射してしまう。同様に、ライン方式の従来のインクジェットプリンタでも、ラインヘッドの長手方向がランプの長手方向と平行となっているから、ランプから発した紫外線が直接又は記録媒体で反射してラインヘッドに入射してしまう。ヘッド又はラインヘッドに紫外線が入射してしまうと、ヘッド又はラインヘッドの吐出口に存する紫外線硬化型インクが増粘したり硬化したりし、吐出口からインクが吐出されなくなる恐れがある。
また、紫外線硬化型インクとしてはラジカル硬化性インク及びカチオン硬化性インクが知られているが、特にカチオン硬化性インクは、ラジカル硬化性インクのように酸素による重合阻害を受けることがないため、紫外線に対する感度が高く、また活性種である酸が光エネルギーを蓄積する性質を有している。そのため、カチオン硬化性インクは、ラジカル硬化性インクに比べて前記ノズル面にて紫外線の影響を受け易いといった問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、インクを吐出するヘッド及びラインヘッドといった記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減することができるインクジェットプリンタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明のインクジェットプリンタは、
紫外線の被照射により硬化するインクを記録媒体に向けて吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドより記録方向の下流側に配置されるとともに、前記記録ヘッドから記録方向の下流に離れる方向に長尺となって設けられた紫外線光源と、を具備することを特徴とする。
【0011】
ここで、記録方向とは、画像が記録媒体に記録されていく方向を意味する。つまり、記録方式がシャトル方式の場合には、記録ヘッドが記録媒体上を走査方向に移動しつつ記録媒体に向けてインクを吐出することによって、画像が記録媒体に記録されていくが、このときの記録ヘッドが移動していく方向が記録方向上流側であり、記録ヘッドが移動していく方向の反対方向が記録方向下流側である。一方、記録方式がライン方式の場合には、記録媒体が記録ヘッドの下において搬送方向に搬送されつつ記録ヘッドが記録媒体に向けてインクを吐出することによって、画像が記録媒体に記録されていくが、このときの記録媒体が搬送されていく方向が記録方向上流側であり、記録媒体が搬送されていく方向の反対方向が記録方向下流側である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドの前記記録媒体に向いた面には、前記インクを吐出するための複数の吐出口が列となって形成されており、
前記紫外線光源は、前記複数の吐出口の列方向に対して直交する方向に長尺となって設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項1、2に記載の発明では、紫外線光源がその長手方向の中心線から放射状に紫外線を出射する特性を有しており、その紫外線光源が記録ヘッドから記録方向下流側に離れる方向に長尺となって設けられているから、紫外線光源から発した紫外線は記録ヘッドに向かってそれ程拡がらず、紫外線が記録ヘッドに入射し難くなる。そのため、記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減することができ、記録ヘッドの吐出口に存するインクが増粘したり硬化したりすることを防止することができ、吐出口の閉塞を抑えることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記紫外線光源は、前記記録媒体に向かって開口したカバー部材によって覆われており、
前記カバー部材の前記記録媒体に対向した対向面には、前記紫外線光源から発した紫外線を前記記録媒体に向けて反射させる反射部材が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明では、カバー部材の対向面に反射部材が設けられているので、反射部材にて紫外線を記録媒体に向けて反射させることができ、記録媒体に着弾したインクを効果的に硬化することができる。即ち、対向面に反射部材を設けることによって、紫外線光源からの紫外線の照射量を増加させてインク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記カバー部材の前記記録媒体に向かって延出した側面部の内面には、前記紫外線光源から発した紫外線を吸収する紫外線吸収部材が設けられていることを特徴とする。
ここで、紫外線吸収部材とは、紫外線を所定の割合で吸収するものであり、その割合は設計の範囲内で任意に設定可能となっている。また、紫外線を吸収するとは、紫外線の反射量を低減させると略同義であり、紫外線の吸収率が増加するに従って紫外線の反射率は低下することとなる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、側面部内面に紫外線吸収部材が設けられているので、側面部に入射する紫外線を吸収して、記録媒体に向けて反射する紫外線の量を効果的に低減することができる。従って、紫外線が側面部にて反射した後で記録媒体に入射して反射することで、カバー部材と記録媒体との間を通り抜けて、記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減できる。これにより、紫外線光源を記録ヘッドにより一層近接して配置することができ、インクジェットプリンタの小型化に寄与できる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記紫外線光源が複数備えられることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明では、紫外線光源を複数設けることで、紫外線光源からの紫外線の照射量を増加させてインク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドと前記紫外線光源との間に、該紫外線光源から発した紫外線を捕捉する光トラップが備えられることを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明では、記録媒体にて記録ヘッドに向かって反射する紫外線を光トラップによって捕捉することで、記録ヘッドへの紫外線の入射量をより一層低減することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記紫外線光源が高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管のうちいずれか1つであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明においても、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明と同等の作用効果を奏する。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドから吐出されるインクがカチオン硬化性インクであることを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載の発明では、カチオン硬化性インクはラジカル硬化性インクに比べて紫外線に対する感度が高いため、記録ヘッドにて紫外線の影響を受け易いが、紫外線光源が記録ヘッドから離れる方向に長尺となって設けられていることによって、このようなカチオン硬化性のインクであっても、吐出口内にて増粘したり硬化したりすることを防止することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
記録方式がシャトル方式若しくはライン方式であることを特徴とする。
ここで、シャトル方式とは、記録ヘッドを記録媒体上において、記録媒体が搬送される搬送方向に直交する走査方向に移動させつつ、記録ヘッドからインクを吐出することによって画像記録を行う方式のことである。また、ライン方式とは、記録ヘッドに設けられた複数の吐出口の列が、記録媒体の搬送方向に直交する方向であり、記録媒体の搬送に基づき画像記録を行う方式のことである。
【0026】
請求項9に記載の発明は、記録方式がシリアル方式又はライン方式であっても、請求項1から8の何れか一項に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
【0028】
〔第一の実施の形態〕
図1は、画像記録方式がシャトル方式(シリアル方式)であるインクジェットプリンタ1を示した斜視図である。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は左右方向に長尺な筐体2を具備する。この筐体2を長手方向に垂直な面で破断した断面の形状は多角形状を呈し、筐体2の正面の一部が開口しており、筐体2の背面には、ウェブ状の記録媒体99(図3等に図示)を筐体2の内部に送り込むためのスリット状の搬入口(図示略)が設けられている。
【0029】
筐体2の下面には、逆T字状の二本の脚部3が取り付けられており、筐体2は二本の脚部3によって支持されている。二本の脚部3の間には、筐体2を強固に支持するための二本の補強部材4が架け渡されている。各脚部3の下部には二個のキャスタ5が取り付けられており、インクジェットプリンタ1全体がキャスタ5によって前後左右に移動自在となっている。
【0030】
筐体2の内部には、左右方向に長尺な平板状のプラテン6が設けられており、プラテン6はウェブ状の記録媒体99を下から平坦状に支持するものである。
【0031】
図1においては、画像が記録される記録媒体99を図示していないが、記録媒体99は、筐体2の背面に設けられた搬入口から送り込まれ、筐体2の内部に配設された搬送機構(図示せず)によってプラテン6に支持された状態で筐体2の内部を後から前へ通過し、筐体2の外部に搬出されるようになっている。つまり、記録媒体99は、搬送機構によって筐体2の内部を通過するように搬送方向Bに搬送される。
【0032】
搬送機構は、例えば、図示しない搬送モータ及び搬送ローラ等を備えており、搬送モータの駆動により搬送ローラを回転させることで記録媒体99を搬送するものである。搬送機構は、画像記録時において、後述するキャリッジ8の動作に合わせて、記録媒体99の搬送と停止とを繰り返し記録媒体99を間欠的に搬送するようになっている。
【0033】
プラテン6の上方には、筐体2の内部において左右方向に延在するガイド部材7が配設されている。ガイド部材7にはキャリッジ8が支持されており、このキャリッジ8はガイド部材7に案内されて左右に移動自在とされている。また、図示しない駆動機構がキャリッジ8をガイド部材7に沿って移動させるようになっている。なお、以下では、キャリッジ8が移動する方向を走査方向Aとして説明する。
【0034】
プラテン6の走査方向Aの右側には、キャリッジ8に搭載された複数の記録ヘッド17をメンテナンスするためのメンテナンスユニット9が設けられている。メンテナンスユニット9は、キャリッジ8の移動範囲内であってキャリッジ8の下方に配置されている。
【0035】
プラテン6の走査方向Aの左側には、インクを貯留する複数のインクタンク11が配設されている。インクジェットプリンタ1に用いられるインクの色としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を基本としており、その他にホワイト(W)、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、ライトブラック(LK)等がある。一つのインクタンク11には、これらの色のうちの何れかの色のインクが貯留されている。基本的にインクタンク11ごとに異なる色のインクが貯留されているが、同じ色のインクが二以上のインクタンク11に貯留されていても良い。なお、図1において、各インクタンク11に付されている英字は、貯留されたインクの色を表している。
【0036】
このインクジェットプリンタ1に用いられるインクについて説明する。
本実施の形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
【0037】
具体的に、本実施の形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備する紫外線硬化性インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0038】
上記紫外線硬化性インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル硬化性インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクとに大別されるが、どちらのインクも本実施の形態に用いられるインクとして適用可能であり、ラジカル硬化性インクとカチオン硬化性インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施の形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0039】
しかしながら、酸素による重合反応の阻害が少ない又は無いカチオン硬化性インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施の形態では、特に、カチオン硬化性インクを用いている。本実施の形態に用いられるカチオン硬化性インクは、具体的に、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物であり、上記の通り、紫外線の被照射により硬化する性質を具備するものである。
【0040】
次に、インクジェットプリンタ1に用いられる記録媒体99について説明する。
本実施の形態に用いられる記録媒体99としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙,再生紙,光沢紙等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなるものが適用可能である。また、記録媒体99の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。
【0041】
特に、本実施の形態で用いられる記録媒体99として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ−ρ−フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2μm(マイクロメートル)以上100μm以下(好ましくは6μm以上50μm以下)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。
【0042】
更に、本実施の形態に用いられる記録媒体99として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0043】
以下、キャリッジ8について詳細に説明する。図2(a)は、キャリッジ8を図1と略同じ方向に向かって見て示した斜視図であり、図2(b)は、キャリッジ8を図1において右下から斜め上向きに見て示した斜視図である。なお、図2においては、キャリッジ8を破線で示し、そのキャリッジ8を透視した状態を図示している。
【0044】
図2に示すように、キャリッジ8の後部には、八つのサブタンク16が走査方向Aに一列に並んで搭載されている。サブタンク16には、インクタンク11からインクが色ごとに供給されて一時的に貯留される。図2において、サブタンク16に付されている英字は、貯留されるインクの色を表している。
【0045】
キャリッジ8の前部には、インクを吐出する八つの記録ヘッド17が搭載されており、これら記録ヘッド17は四つずつに二つの組12,13に分かれている。各組12,13においては四つの記録ヘッド17が走査方向Aに一列に並んでおり、一方の組12が他方の組13より左側且つ搬送方向Bの上流側に配置されている。それぞれの記録ヘッド17には、供給管18によって一つのサブタンク16に連通しており、インクが色ごとにサブタンク16から記録ヘッド17に供給されるようになっている。
【0046】
各記録ヘッド17の外形は、略直方体状に形成されており、各記録ヘッド17はその長手方向が搬送方向Bに平行となるように配置されている。また、各記録ヘッド17は、その下面がプラテン6上を搬送される記録媒体99に対向するように配置されている。各記録ヘッド17の下面には、インクを吐出するための複数の吐出口が搬送方向Bに一列に配列されて形成されている。各記録ヘッド17は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する素子を吐出口ごとに有し、これら素子の動作により各吐出口から個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。
【0047】
一つの記録ヘッド17からは、YMCKのうちの何れかの色のインクが吐出され、各組12,13において記録ヘッド17ごとに異なる色のインクが吐出される。図2において、記録ヘッド17に付されている英字は、吐出されるインクの色を表している。
【0048】
上記キャリッジ8の左右両端には、紫外線を照射するための紫外線照射機構20が搭載されている。一方の紫外線照射機構20は、左端に位置した記録ヘッド17の更に左側に配置され、他方の紫外線照射機構20は、右端に位置した記録ヘッド17の更に右側に配置されている。
【0049】
以下、紫外線照射機構20について図3を参照して詳細に説明する。図3(a)は、紫外線照射機構20の斜視図であり、図3(a)は、紫外線照射機構20を走査方向Aに平行な面で破断して示した断面図である。
【0050】
図3に示すように、紫外線照射機構20は、キャリッジ8に搭載されたカバー部材21を具備する。このカバー部材21は、搬送方向Bに向かって見て逆U字状を呈しており、下方の記録媒体99及びプラテン6に向かって開口するように形成されている。詳細には、カバー部材21は、記録媒体99及びプラテン6の上方において記録媒体99及びプラテン6に対向するように記録媒体99及びプラテン6と平行に設けられた対向面部21aと、対向面部21aの左右両端から下方に向かって湾曲するように設けられた曲面部21bと、曲面部21bの下端から下方に延出するとともに走査方向Aに対して直交し搬送方向Bに平行な側面部21cと、から構成されている。走査方向Aに向かって見て、カバー部材21の後端は、後ろ側に位置する組12の記録ヘッド17の後端と揃っているか又は更に後ろに位置しており、カバー部材21の前端は、前側に位置する組13の記録ヘッド17の前端と揃っているか又は更に前に位置している。
【0051】
カバー部材21の内面全体、つまり、対向面部21a、曲面部21b及び側面部21cの内面には、紫外線を反射する反射部材23が貼付されている。反射部材23として、例えば、全波長域に亘って紫外線を効率良く反射する高純度のアルミ製の反射板が適用され、好ましくは、アルミを主に含有する金属化合物の薄膜をガラス表面に蒸着させたコールドミラー(ガラス成形板)が適用される。特に、コールドミラーは、紫外線を効率良く反射する一方で、インクの硬化に寄与しない可視光線及び赤外線をミラー後方に透過させることで、後述する紫外線光源22の発熱による発光効率低下を抑制することができる。
【0052】
また、反射部材23の側面部21cに対応する部分は、紫外線吸収部材24によって被覆されており、反射部材23の対向面部21a及び曲面部21bに対応する部分は、露出している。紫外線吸収部材24は、紫外線の吸収率が比較的高く紫外線の反射率が低い材料によって形成されている。特に紫外線吸収部材24の紫外線反射率は、反射部材23の紫外線反射率より低く、紫外線吸収部材24の紫外線吸収率は、反射部材23の紫外線吸収率より高い。従って、カバー部材21の内面では、側面部21cに対応する部分は、対向面部21a及び曲面部22bに対応する部分よりも、紫外線反射率が低くされている。
【0053】
紫外線吸収部材24を反射部材23に設ける方法としては、例えば、紫外線吸収率の高い材料を反射部材23にアルマイト処理などの各種金属酸化物処理する方法、メッキ処理・蒸着・スパッタリング処理する方法が挙げられる。また、各種の紫外線吸収率の高い素材をコーティングすることによって、紫外線吸収部材24を反射部材23に設けても良い。紫外線吸収率の高い素材としては、例えば、カーボンブラック、超粒子化した粉体状の酸化チタン・酸化亜鉛・酸化鉄(α−Fe2O3、Fe3O4)といった無機物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族化合物といった有機物が挙げられ、これら素材のうちの少なくとも一つから紫外線吸収部材24が構成されている。
【0054】
カバー部材21の開口した凹部内には、複数の紫外線光源22が設けられており、これら紫外線光源22はカバー部材21によって覆われている。各紫外線光源22は、走査方向Aに沿った線状の光源とされており、これら紫外線光源22は、長手方向が互いに平行となって対向面部21aに沿うように搬送方向Bに並んで配置されている。つまり、紫外線光源22の長手方向は、記録ヘッド17に形成された吐出口の列方向に対して直交する方向となっている。このように設けられた各紫外線光源22は、記録ヘッド17から離れる方向に延在しており、各紫外線光源22の一方の端部は記録ヘッド17に向かって指向しており、各紫外線光源22の他方の端部は記録ヘッド17とは反対に向かって指向している。
【0055】
これら紫外線光源22は、カバー部材21の前端から後端までの間全体に等間隔となって分布している。また、これら紫外線光源22は、側面部21cの下端より更に上方に配置されており、側面部21cの下端より対向面部21aにより近くに配置されている。
【0056】
各紫外線光源22は、その長手方向に沿った中心線から紫外線を放射状に照射するものであり、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管及び冷陰極管のうち、少なくともいずれか一つが適用される。
【0057】
次に、図2を参照して、紫外線照射機構20と、その紫外線照射機構20に隣り合う記録ヘッド17との間に配設された光トラップ15について説明する。
図2に示すように、一方の光トラップ15は、左端に位置した記録ヘッド17の更に左側においてキャリッジ8に搭載されており、他方の光トラップ15は、右端に位置した記録ヘッド17の更に右側においてキャリッジ8に搭載されている。
【0058】
これら光トラップ15は、搬送方向Bに沿って延在する長尺な部材とされており、その長さは少なくともカバー部材21の搬送方向Bに沿った長さと等しくなっている。また、これら光トラップ15は、記録媒体99に向かって開口するような凹型の部材であり、例えば開口した端縁が記録媒体99と略平行となるように配設されている。
【0059】
なお、これら光トラップ15の形状は、光トラップ15の内部に紫外線が入射可能で、且つ入射してきた紫外線が光トラップ15の内面にて反射を繰り返すような形状であれば良い。
また、光トラップ15の内面には、紫外線吸収率の高い材料から構成された紫外線吸収部材(図示略)が設けられていてもよい。この場合、光トラップ15の内面に入射してくる紫外線を確実に吸収することができる。なお、光トラップ15の内面に紫外線吸収部材を設ける方法及び紫外線吸収部材の材料は、例えば、反射部材23の内面に紫外線吸収部材24を設ける方法及び材料と同じであっても良い。
【0060】
次に、以上のように構成されたインクジェットプリンタ1の動作について説明する。
作業者が記録媒体99をインクジェットプリンタ1にセッティングし、インクジェットプリンタ1の電源をオン状態とすると、複数の紫外線光源22が発光して、インク滴が着弾される記録媒体99に向けて紫外線を照射する。
【0061】
これら紫外線光源22が発光している状態で、搬送機構が記録媒体99を搬送方向Bに搬送する。ここで、搬送機構は搬送及び搬送停止を順に繰り返し、記録媒体99を間欠的に搬送する。
【0062】
間欠的搬送における停止中にキャリッジ8が走査方向Aに往動し、復動し又は往復移動する。キャリッジ8の移動に伴って複数の記録ヘッド17もキャリッジ8と一体となって移動するが、これら記録ヘッド17は移動中に各吐出口から記録媒体99に向けてインクを液滴として吐出し、飛翔したインク液滴が、停止している記録媒体99に着弾する。ここで、組12の記録ヘッド17は、図1においてキャリッジ8が走査方向Aに沿って右手前に向かって往動する場合にインクを吐出し、組13の記録ヘッド17は、図1においてキャリッジ8が走査方向Aに沿って左奥に向かって復動する場合にインクを吐出する。
【0063】
キャリッジ8の移動に伴って二つの紫外線照射機構20もキャリッジ8と一体となって移動するが、記録媒体99に着弾したインクの上を紫外線照射機構20が通過している時に、紫外線光源22から発した紫外線が記録媒体99上のインクに入射する。これによって、インクが硬化する。
【0064】
ここで、キャリッジ8が走査方向Aに沿って右手前に向かって往動する場合には、組12の記録ヘッド17によって吐出されたインク滴は、図1において左奥にある紫外線照射機構20の紫外線光源22から発した紫外線によって硬化する。この場合、画像が記録媒体99に記録されていく記録方向は、キャリッジ8が移動していく方向であり、図2の左奥にある紫外線照射機構20の紫外線光源22が、組12の記録ヘッド17より記録方向の下流側に配置されていることになる。一方、キャリッジ8が走査方向Aに沿って左奥に向かって復動する場合には、組13の記録ヘッド17によって吐出されたインク滴は、図1において右手前にある紫外線照射機構20の紫外線光源22から発した紫外線によって硬化する。この場合、記録方向は、キャリッジ8が移動していく方向であり、図1の右手前にある紫外線照射機構20の紫外線光源22が、組13の記録ヘッド17より記録方向の下流側に配置されていることになる。
【0065】
以上のように、複数の紫外線光源22の発光中に搬送機構が記録媒体99を間欠的に搬送するとともにキャリッジ8の往復移動が繰り返され、キャリッジ8の移動中に記録ヘッド17が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体99上に画像が形成される。
【0066】
ここで、図4を参照して、紫外線光源22から発した紫外線の反射・吸収について説明する。図4は、紫外線照射機構20及びその紫外線照射機構20に最も近い記録ヘッド17を搬送方向Bに向かって見て示した正面図であり、紫外線光源22から照射された紫外線の反射を模式的に示した図面である。
【0067】
図4に示すように、紫外線光源22から発した紫外線のうち、カバー部材21の側面部21cの内面に入射する紫外線U1は、紫外線吸収部材24によって吸収されるため、側面部21cの内面にて反射する紫外線U1の強度が低減されることとなる。従って、側面部21cで反射した紫外線U1は、記録媒体99で反射して記録ヘッド17の下面に入射するが、その強度は非常に弱く、記録ヘッド17の吐出口でインクが硬化する程の強度ではない。
【0068】
また、紫外線光源22から発した紫外線のうち、カバー部材21の対向面部21a及び曲面部21bに入射する紫外線U2は、側面部21cに入射する紫外線U1に比べて高反射で反射する。従って、対向面部21a及び曲面部21bから記録媒体99に向けて反射した紫外線U2の照射量を好適に確保することができる。その上、対向面部21aが記録媒体99に対して対向して略平行となっているため、対向面部21aで反射した紫外線U2は、小さい入射角で記録媒体99に入射する。そのため、対向面部21aで反射して記録媒体99に入射した紫外線U2は、記録ヘッド17の下面に向けて反射せずに、対向面部21aに向けて反射する。そのため、記録媒体99で反射した紫外線U2の影響でインクが記録ヘッド17の吐出口で硬化することがない。
【0069】
次に、図5を参照して、紫外線光源22から発した紫外線の照射範囲について説明する。図5(a)は、紫外線照射機構20及びその紫外線照射機構20に最も近い記録ヘッド17の下面図であり、図5(b)は、紫外線照射機構20及び記録ヘッド17を搬送方向Bに向かって見て示した正面図である。また、図5(c)は、比較のために、紫外線光源22の代わりに、この紫外線光源22と直交する方向に長尺な紫外線光源22’を配設した場合の下面図であり、図5(d)は、図5(c)の場合において搬送方向Bに向かって見て示した正面図である。図5(a),(c)において破線で示した楕円状の範囲が、記録媒体99に対しての紫外線の照射範囲を表しており、図5(b),(d)において破線で示した範囲が紫外線の照射範囲を表している。
【0070】
紫外線光源22及び紫外線光源22’は、その長手方向の中心線から放射状に紫外線を照射する特性を有しているため、長手方向への紫外線の広がり程度は、長手方向に直交する方向への紫外線の広がり程度より小さい。従って、図5(a),(b)に示すように、本実施形態では紫外線光源22が記録ヘッド17から記録方向の下流に離れる方向に長尺となっているため、紫外線の照射範囲は、平面視して記録ヘッド17に重なっていない。そのため、記録媒体99に入射した紫外線が反射しても、記録ヘッド17の下面に入射する紫外線の強度が非常に弱い。更に、記録媒体99で反射した紫外線の影響でインクが記録ヘッド17の吐出口で硬化することがない。
【0071】
それに対して、図5(c),(d)に示すように、比較例では、紫外線光源22’の長手方向が記録ヘッド17の長手方向と平行となっているため、紫外線の照射範囲は、平面視して記録ヘッド17に重なっており、記録媒体99で反射した紫外線が高強度で記録ヘッド17の下面に入射してしまう。
【0072】
以上のように、本実施形態では、複数の紫外線光源22が備えられることにより、記録媒体99上のインクに入射する紫外線の量が増加して、インクを即時に硬化させることができる。また、図4に示したように、側面部21cで反射する紫外線U1の量を紫外線吸収部材24によって低減できるので、複数の紫外線光源22を設けても、側面部21c及び記録媒体99で反射して記録ヘッド17の下面に入射する紫外線U1の量を低減することができる。
【0073】
更に、記録媒体99で記録ヘッド17に向かって反射する紫外線を光トラップ15によって捕捉することで、例えば記録ヘッド17やカバー部材21の外面等にて反射して記録ヘッド17の下面に向かう紫外線の量を低減することができる。
【0074】
更に、図5に示したように、紫外線光源22が記録ヘッド17から離れる方向に長尺となっているため、紫外線の照射範囲は記録ヘッド17に向かって大きく拡がらない。そのため、記録媒体99で反射して記録ヘッド17の下面に入射する紫外線の量を低減することができる。
以上により、記録ヘッド17の下面に入射した紫外線に基づく、記録ヘッド17の吐出口周辺に付着したインクの増粘及び硬化を防止して、吐出口からのインクの吐出不良を生じ難くすることができる。
【0075】
また、対向面部21a及び曲面部21bの内面には反射部材23が露出するように設けられているので、反射部材23にて紫外線を効果的に記録媒体99に向けて反射させることができる。そして、反射部材23を設けることで、紫外線光源22の数を増加させることなく紫外線の照射量を増加させることができ、インク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0076】
〔第二の実施の形態〕
第二実施形態のインクジェットプリンタの画像記録方式は、ライン方式であり、このインクジェットプリンタは、図1に示された第一実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、筐体2と、脚部3と、補強部材4と、キャスタ5と、プラテン6と、インクタンク11と、記録媒体99を搬送方向Bに搬送する搬送機構と、を備える。これらは、第一実施形態のインクジェットプリンタ1の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0077】
図6には、第二実施形態のインクジェットプリンタの要部を示した側面図である。図6に示された構成は、図1に示されたキャリッジ8の代わりに、筐体2の内部に配設されたものであり、図6は、筐体2の長手方向に向かって見て示した図面である。
【0078】
図6に示すように、第二実施形態のインクジェットプリンタは、四つの記録ヘッド50と、四つの紫外線照射機構51と、七つの光トラップ52と、基台53と、を備える。
【0079】
基台53は、図1に示されたガイド部材7の代わりに、プラテン6の上方に配置されている。
【0080】
記録ヘッド50は、ラインヘッドであり、記録媒体99の搬送方向Bに対して直交する方向つまり記録媒体99の幅方向に延在するように基台53に取り付けられている。これら四つの記録ヘッド50は、互いに長手方向が平行となるように、搬送方向Bに配列されている。
【0081】
それぞれの記録ヘッド50の下面は、下方のプラテン6及び記録媒体99に指向している。それぞれの記録ヘッド50の下面には、インクを吐出するための複数の吐出口が搬送方向Bに直交する方向に一列に配列されて形成されている。それぞれの記録ヘッド50は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する素子を吐出口ごとに有し、これら素子の動作により各吐出口から個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。一つの記録ヘッド50からは、YMCKのうちの何れかの色のインクが吐出され、記録ヘッド50ごとに異なる色のインクが吐出される。図6において、記録ヘッド50に付されている英字は、吐出されるインクの色を表している。
【0082】
紫外線照射機構51は、それぞれの記録ヘッド50に対応しており、詳細には、対応する記録ヘッド50よりも搬送方向Bの下流側に位置するように基台53に配設されている。各紫外線照射機構51は、第一実施形態で例示した紫外線照射機構20と同様に、対向面部21a、曲面部21b及び側面部21cから構成されたカバー部材21と、カバー部材21の内面全体に設けられた反射部材23と、側面部21cにおいて反射部材23を被覆した紫外線吸収部材24と、カバー部材21の開口した凹部内に配設された複数の紫外線光源22と、を備える。
【0083】
カバー部材21は、搬送方向Bに直交する方向に向かって見て逆U字状を呈している。記録ヘッド50の長手方向(つまり、搬送方向Bに直交する方向)に沿ったカバー部材21の長さが、記録ヘッド50の長手方向に沿った記録ヘッド50の長さとほぼ同じである。そして、搬送方向Bに向かって見て、カバー部材21の長手方向における一方の端は、記録ヘッド50の長手方向における一方の端に揃っており、カバー部材21の他方の端は、記録ヘッド50の他方の端に揃っている。反射部材23及び紫外線吸収部材24は、第一実施形態の場合と同様の素材で形成されているとともに同様に機能するため、詳細な説明を省略する。
【0084】
カバー部材21によって覆われた複数の紫外線光源22は、搬送方向Bに沿った線状の光源とされており、長手方向が互いに平行となって対向面部21aに沿うように搬送方向Bに直交する方向に並んで配置されている。つまり、各紫外線光源22の長手方向は、記録ヘッド50に形成された吐出口の列方向に対して直交する方向となっており、各紫外線光源22は、記録ヘッド50から離れる方向に長尺となって設けられている。そして、各紫外線光源22は、記録ヘッド50から離れる方向に延在している。また、これら紫外線光源22は、カバー部材21の一端から他端までの間全体に等間隔となって分布している。
【0085】
光トラップ52は、隣り合う紫外線照射機構51及び記録ヘッド50の間全てに配設されている。これら光トラップ52は、搬送方向Bに直交する方向に沿って延在する長尺な部材とされており、その長さは、搬送方向Bに直交する方向に沿ったカバー部材21の長さと等しくなっている。これら光トラップ52の形状は、第一実施形態の光トラップ15の形状と同様に、光トラップ52の内部に紫外線が入射可能で、且つ入射してきた紫外線が光トラップ15の内面にて反射を繰り返すような形状であれば良い。
【0086】
第二実施形態のインクジェットプリンタに用いられるインクも、紫外線の被照射により硬化する性質を具備する紫外線硬化性インクであり、更に望ましくはカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクである。勿論、インクジェットプリンタに用いられるインクが、ラジカル硬化性インクであっても良い。
【0087】
第二実施形態のインクジェットプリンタの動作について説明すると、搬送機構が記録媒体99を搬送方向Bに搬送している間に、それぞれの記録ヘッド50がインクを吐出すると、記録媒体99に画像が記録される。記録媒体99の搬送に伴って記録媒体99に着弾したインクが紫外線照射機構51の紫外線光源22の下を通過している時に、紫外線光源22から発した紫外線が記録媒体99上のインクに入射する。これによって、インクが硬化する。第二実施形態のような記録方式がライン方式である場合、画像が記録媒体99に記録されていく記録方向は、記録媒体99が搬送されていく方向であり、ある記録ヘッド50に対応した紫外線照射機構51の紫外線光源22、その記録ヘッド50の記録方向の下流側に配置されていることになる。
【0088】
第二実施形態のインクジェットプリンタであっても、第一実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、紫外線光源22が記録ヘッド50から離れる方向に長尺となっているため、紫外線の照射範囲は記録ヘッド50に向かって大きく拡がらない。そのため、記録媒体99で反射して記録ヘッド50の下面に入射する紫外線の量を低減することができる。
【0089】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施の形態では、4色のインクに対応するように4つの記録ヘッド17又は記録ヘッド50を設ける構成としたが、これに限られるものではなく、記録ヘッド17及び記録ヘッド50の個数は任意である。
また、上記第一実施形態では、キャリッジ8の左右両端部に紫外線照射機構20が配設されていたが、記録ヘッド17及び紫外線照射機構20が交互に走査方向Aに列となってキャリッジ8に搭載されていても良い。この場合でも、各記録ヘッド17に形成された複数の吐出口は搬送方向Bに一列に配列されており、各紫外線照射機構20の紫外線光源22は走査方向Aに長尺となっている。
【0090】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、紫外線光源が記録ヘッドから記録方向下流側に離れる方向に長尺となって設けられているから、紫外線光源から発した紫外線は記録ヘッドに向かってそれ程拡がらず、紫外線が記録ヘッドに入射し難くなる。そのため、記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減することができ、記録ヘッドの吐出口に存するインクが増粘したり硬化したりすることを防止することができ、吐出口の閉塞を抑えることができる。
【0091】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0092】
請求項3に記載の発明によれば、カバー部材の対向面に反射部材が設けられているので、紫外線光源からの紫外線の照射量を増加させてインク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0093】
請求項4に記載の発明によれば、側面部に入射する紫外線を紫外線吸収部材によって吸収して、記録媒体に向けて反射する紫外線の量を効果的に低減することができる。従って、記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減でき、更に、紫外線光源を記録ヘッドにより一層近接して配置することができ、インクジェットプリンタの小型化に寄与できる。
【0094】
請求項5に記載の発明によれば、紫外線光源からの紫外線の照射量を増加させてインク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0095】
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体にて記録ヘッドに向かって反射する紫外線が光トラップによって捕捉されるから、記録ヘッドへの紫外線の入射量をより一層低減することができる。
【0096】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0097】
請求項8に記載の発明によれば、紫外線光源が記録ヘッドから離れる方向に長尺となって設けられていることによって、紫外線に対して感度の高いカチオン硬化性のインクであっても、吐出口内にて増粘したり硬化したりすることを防止することができる。
【0098】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェットプリンタを示した斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1に示されたインクジェットプリンタに備わるキャリッジを示した斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の斜視方向と反対となる方向に向かって見て示した斜視図である。
【図3】図3(a)は、図2に示されたキャリッジに備わる紫外線照射機構を示した斜視図であり、図3(b)は、紫外線照射機構の断面図である。
【図4】図3に示された紫外線照射機構の紫外線光源から照射された紫外線の反射・吸収を説明するため、紫外線の光線を模式的に示した図である。
【図5】図5(a),(b)は、本実施形態において図3に示された紫外線照射機構の紫外線光源による照射範囲を示した図面であり、図5(c),(d)は、比較例の紫外線光源による照射範囲を示した図面である。
【図6】上記インクジェットプリンタとは別のインクジェットプリンタの要部を示した側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
8 キャリッジ
15、52 光トラップ
17、50 記録ヘッド
20、51 紫外線照射機構
21 カバー部材
21a 対向面部
21b 曲面部
21c 側面部
22 紫外線光源
23 反射部材
24 紫外線吸収部材
99 記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドからインクを液滴として吐出することによって記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式ではグラビア印刷方式より簡便・安価に画像を作成することができるため、写真・各種印刷・マーキング・カラーフィルターといった特殊印刷等の様々な印刷分野に応用されてきている。特に、インクジェット記録方式では、微細なドットを吐出・制御するインクジェット記録方式のインクジェットプリンタと、色再現域・耐久性・吐出適性等を改善したインクと、インク吸収性・色材発色性・表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせることで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
【0003】
従来のインクジェットプリンタには、搬送方向に搬送される記録媒体上において搬送方向に対して直交する走査方向に並んだ複数の吐出口が形成されたラインヘッドからインクを吐出することにより画像記録を行うライン方式、ヘッドを走査方向に移動させてヘッドの移動中にヘッドの吐出口からインクを吐出することにより画像記録を行うシャトル方式(シリアル方式)がある。
【0004】
また、インクジェットプリンタは、インクの種類で分類することができる。つまり、従来のインクジェットプリンタには、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式、紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化型インクを用いる紫外線硬化型インクジェット方式等がある。中でも、紫外線硬化型インクジェット方式は、他の記録方式に比べ比較的低臭気であり、専用紙以外にも速乾性・インク吸収性の無い記録媒体に記録できる点で注目されており、例えば特許文献1では紫外線硬化型インクジェット方式を適用したインクジェットプリンタが開示されている。
【0005】
一般的に、紫外線硬化型インクジェット方式のインクジェットプリンタにおいては、記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクに紫外線を照射することで、紫外線硬化型インクを硬化させ記録媒体に定着させる。この場合、紫外線硬化型インクの記録媒体への着弾から紫外線の照射までに時間がかかると、記録媒体に着弾した紫外線硬化型インクのドット径の拡大、ドット間の滲み、記録媒体に対する紫外線硬化型インクの浸透などの問題が顕著となるため、紫外線硬化型インクの吐出から紫外線照射までの時間は極力短くすることが好ましい。
【0006】
そこで、特許文献1に記載されたシャトル方式のインクジェットプリンタにおいては、走査方向に長尺なランプが記録媒体の全幅にわたって延在しており、ランプの搬送方向上流側でヘッドが走査方向に移動するようになっている。また、特許文献1に記載されたライン方式のインクジェットプリンタにおいては、走査方向に長尺なランプが記録媒体の全幅にわたって延在しており、インクを吐出するための吐出口が走査方向に一列になって配列されているラインヘッドがランプの搬送方向上流側に配置されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭60−132767号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般的にランプから発した紫外線は、ランプの長手方向の中心線から放射状に拡がるように照射されるため、ランプの長手方向に沿ってヘッドが移動するシャトル方式の従来インクジェットプリンタでは、ランプから発した紫外線がヘッドに入射してしまう。特に、記録媒体で反射した紫外線が、ヘッドの下面に入射してしまう。同様に、ライン方式の従来のインクジェットプリンタでも、ラインヘッドの長手方向がランプの長手方向と平行となっているから、ランプから発した紫外線が直接又は記録媒体で反射してラインヘッドに入射してしまう。ヘッド又はラインヘッドに紫外線が入射してしまうと、ヘッド又はラインヘッドの吐出口に存する紫外線硬化型インクが増粘したり硬化したりし、吐出口からインクが吐出されなくなる恐れがある。
また、紫外線硬化型インクとしてはラジカル硬化性インク及びカチオン硬化性インクが知られているが、特にカチオン硬化性インクは、ラジカル硬化性インクのように酸素による重合阻害を受けることがないため、紫外線に対する感度が高く、また活性種である酸が光エネルギーを蓄積する性質を有している。そのため、カチオン硬化性インクは、ラジカル硬化性インクに比べて前記ノズル面にて紫外線の影響を受け易いといった問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、インクを吐出するヘッド及びラインヘッドといった記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減することができるインクジェットプリンタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明のインクジェットプリンタは、
紫外線の被照射により硬化するインクを記録媒体に向けて吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドより記録方向の下流側に配置されるとともに、前記記録ヘッドから記録方向の下流に離れる方向に長尺となって設けられた紫外線光源と、を具備することを特徴とする。
【0011】
ここで、記録方向とは、画像が記録媒体に記録されていく方向を意味する。つまり、記録方式がシャトル方式の場合には、記録ヘッドが記録媒体上を走査方向に移動しつつ記録媒体に向けてインクを吐出することによって、画像が記録媒体に記録されていくが、このときの記録ヘッドが移動していく方向が記録方向上流側であり、記録ヘッドが移動していく方向の反対方向が記録方向下流側である。一方、記録方式がライン方式の場合には、記録媒体が記録ヘッドの下において搬送方向に搬送されつつ記録ヘッドが記録媒体に向けてインクを吐出することによって、画像が記録媒体に記録されていくが、このときの記録媒体が搬送されていく方向が記録方向上流側であり、記録媒体が搬送されていく方向の反対方向が記録方向下流側である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドの前記記録媒体に向いた面には、前記インクを吐出するための複数の吐出口が列となって形成されており、
前記紫外線光源は、前記複数の吐出口の列方向に対して直交する方向に長尺となって設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項1、2に記載の発明では、紫外線光源がその長手方向の中心線から放射状に紫外線を出射する特性を有しており、その紫外線光源が記録ヘッドから記録方向下流側に離れる方向に長尺となって設けられているから、紫外線光源から発した紫外線は記録ヘッドに向かってそれ程拡がらず、紫外線が記録ヘッドに入射し難くなる。そのため、記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減することができ、記録ヘッドの吐出口に存するインクが増粘したり硬化したりすることを防止することができ、吐出口の閉塞を抑えることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記紫外線光源は、前記記録媒体に向かって開口したカバー部材によって覆われており、
前記カバー部材の前記記録媒体に対向した対向面には、前記紫外線光源から発した紫外線を前記記録媒体に向けて反射させる反射部材が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明では、カバー部材の対向面に反射部材が設けられているので、反射部材にて紫外線を記録媒体に向けて反射させることができ、記録媒体に着弾したインクを効果的に硬化することができる。即ち、対向面に反射部材を設けることによって、紫外線光源からの紫外線の照射量を増加させてインク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記カバー部材の前記記録媒体に向かって延出した側面部の内面には、前記紫外線光源から発した紫外線を吸収する紫外線吸収部材が設けられていることを特徴とする。
ここで、紫外線吸収部材とは、紫外線を所定の割合で吸収するものであり、その割合は設計の範囲内で任意に設定可能となっている。また、紫外線を吸収するとは、紫外線の反射量を低減させると略同義であり、紫外線の吸収率が増加するに従って紫外線の反射率は低下することとなる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、側面部内面に紫外線吸収部材が設けられているので、側面部に入射する紫外線を吸収して、記録媒体に向けて反射する紫外線の量を効果的に低減することができる。従って、紫外線が側面部にて反射した後で記録媒体に入射して反射することで、カバー部材と記録媒体との間を通り抜けて、記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減できる。これにより、紫外線光源を記録ヘッドにより一層近接して配置することができ、インクジェットプリンタの小型化に寄与できる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記紫外線光源が複数備えられることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明では、紫外線光源を複数設けることで、紫外線光源からの紫外線の照射量を増加させてインク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドと前記紫外線光源との間に、該紫外線光源から発した紫外線を捕捉する光トラップが備えられることを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明では、記録媒体にて記録ヘッドに向かって反射する紫外線を光トラップによって捕捉することで、記録ヘッドへの紫外線の入射量をより一層低減することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記紫外線光源が高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管のうちいずれか1つであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明においても、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明と同等の作用効果を奏する。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドから吐出されるインクがカチオン硬化性インクであることを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載の発明では、カチオン硬化性インクはラジカル硬化性インクに比べて紫外線に対する感度が高いため、記録ヘッドにて紫外線の影響を受け易いが、紫外線光源が記録ヘッドから離れる方向に長尺となって設けられていることによって、このようなカチオン硬化性のインクであっても、吐出口内にて増粘したり硬化したりすることを防止することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
記録方式がシャトル方式若しくはライン方式であることを特徴とする。
ここで、シャトル方式とは、記録ヘッドを記録媒体上において、記録媒体が搬送される搬送方向に直交する走査方向に移動させつつ、記録ヘッドからインクを吐出することによって画像記録を行う方式のことである。また、ライン方式とは、記録ヘッドに設けられた複数の吐出口の列が、記録媒体の搬送方向に直交する方向であり、記録媒体の搬送に基づき画像記録を行う方式のことである。
【0026】
請求項9に記載の発明は、記録方式がシリアル方式又はライン方式であっても、請求項1から8の何れか一項に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
【0028】
〔第一の実施の形態〕
図1は、画像記録方式がシャトル方式(シリアル方式)であるインクジェットプリンタ1を示した斜視図である。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は左右方向に長尺な筐体2を具備する。この筐体2を長手方向に垂直な面で破断した断面の形状は多角形状を呈し、筐体2の正面の一部が開口しており、筐体2の背面には、ウェブ状の記録媒体99(図3等に図示)を筐体2の内部に送り込むためのスリット状の搬入口(図示略)が設けられている。
【0029】
筐体2の下面には、逆T字状の二本の脚部3が取り付けられており、筐体2は二本の脚部3によって支持されている。二本の脚部3の間には、筐体2を強固に支持するための二本の補強部材4が架け渡されている。各脚部3の下部には二個のキャスタ5が取り付けられており、インクジェットプリンタ1全体がキャスタ5によって前後左右に移動自在となっている。
【0030】
筐体2の内部には、左右方向に長尺な平板状のプラテン6が設けられており、プラテン6はウェブ状の記録媒体99を下から平坦状に支持するものである。
【0031】
図1においては、画像が記録される記録媒体99を図示していないが、記録媒体99は、筐体2の背面に設けられた搬入口から送り込まれ、筐体2の内部に配設された搬送機構(図示せず)によってプラテン6に支持された状態で筐体2の内部を後から前へ通過し、筐体2の外部に搬出されるようになっている。つまり、記録媒体99は、搬送機構によって筐体2の内部を通過するように搬送方向Bに搬送される。
【0032】
搬送機構は、例えば、図示しない搬送モータ及び搬送ローラ等を備えており、搬送モータの駆動により搬送ローラを回転させることで記録媒体99を搬送するものである。搬送機構は、画像記録時において、後述するキャリッジ8の動作に合わせて、記録媒体99の搬送と停止とを繰り返し記録媒体99を間欠的に搬送するようになっている。
【0033】
プラテン6の上方には、筐体2の内部において左右方向に延在するガイド部材7が配設されている。ガイド部材7にはキャリッジ8が支持されており、このキャリッジ8はガイド部材7に案内されて左右に移動自在とされている。また、図示しない駆動機構がキャリッジ8をガイド部材7に沿って移動させるようになっている。なお、以下では、キャリッジ8が移動する方向を走査方向Aとして説明する。
【0034】
プラテン6の走査方向Aの右側には、キャリッジ8に搭載された複数の記録ヘッド17をメンテナンスするためのメンテナンスユニット9が設けられている。メンテナンスユニット9は、キャリッジ8の移動範囲内であってキャリッジ8の下方に配置されている。
【0035】
プラテン6の走査方向Aの左側には、インクを貯留する複数のインクタンク11が配設されている。インクジェットプリンタ1に用いられるインクの色としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を基本としており、その他にホワイト(W)、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、ライトブラック(LK)等がある。一つのインクタンク11には、これらの色のうちの何れかの色のインクが貯留されている。基本的にインクタンク11ごとに異なる色のインクが貯留されているが、同じ色のインクが二以上のインクタンク11に貯留されていても良い。なお、図1において、各インクタンク11に付されている英字は、貯留されたインクの色を表している。
【0036】
このインクジェットプリンタ1に用いられるインクについて説明する。
本実施の形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
【0037】
具体的に、本実施の形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備する紫外線硬化性インクであり、主成分として、少なくとも重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを含むものである。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0038】
上記紫外線硬化性インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル硬化性インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクとに大別されるが、どちらのインクも本実施の形態に用いられるインクとして適用可能であり、ラジカル硬化性インクとカチオン硬化性インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施の形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0039】
しかしながら、酸素による重合反応の阻害が少ない又は無いカチオン硬化性インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施の形態では、特に、カチオン硬化性インクを用いている。本実施の形態に用いられるカチオン硬化性インクは、具体的に、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物であり、上記の通り、紫外線の被照射により硬化する性質を具備するものである。
【0040】
次に、インクジェットプリンタ1に用いられる記録媒体99について説明する。
本実施の形態に用いられる記録媒体99としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙,再生紙,光沢紙等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなるものが適用可能である。また、記録媒体99の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。
【0041】
特に、本実施の形態で用いられる記録媒体99として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ−ρ−フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2μm(マイクロメートル)以上100μm以下(好ましくは6μm以上50μm以下)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。
【0042】
更に、本実施の形態に用いられる記録媒体99として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0043】
以下、キャリッジ8について詳細に説明する。図2(a)は、キャリッジ8を図1と略同じ方向に向かって見て示した斜視図であり、図2(b)は、キャリッジ8を図1において右下から斜め上向きに見て示した斜視図である。なお、図2においては、キャリッジ8を破線で示し、そのキャリッジ8を透視した状態を図示している。
【0044】
図2に示すように、キャリッジ8の後部には、八つのサブタンク16が走査方向Aに一列に並んで搭載されている。サブタンク16には、インクタンク11からインクが色ごとに供給されて一時的に貯留される。図2において、サブタンク16に付されている英字は、貯留されるインクの色を表している。
【0045】
キャリッジ8の前部には、インクを吐出する八つの記録ヘッド17が搭載されており、これら記録ヘッド17は四つずつに二つの組12,13に分かれている。各組12,13においては四つの記録ヘッド17が走査方向Aに一列に並んでおり、一方の組12が他方の組13より左側且つ搬送方向Bの上流側に配置されている。それぞれの記録ヘッド17には、供給管18によって一つのサブタンク16に連通しており、インクが色ごとにサブタンク16から記録ヘッド17に供給されるようになっている。
【0046】
各記録ヘッド17の外形は、略直方体状に形成されており、各記録ヘッド17はその長手方向が搬送方向Bに平行となるように配置されている。また、各記録ヘッド17は、その下面がプラテン6上を搬送される記録媒体99に対向するように配置されている。各記録ヘッド17の下面には、インクを吐出するための複数の吐出口が搬送方向Bに一列に配列されて形成されている。各記録ヘッド17は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する素子を吐出口ごとに有し、これら素子の動作により各吐出口から個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。
【0047】
一つの記録ヘッド17からは、YMCKのうちの何れかの色のインクが吐出され、各組12,13において記録ヘッド17ごとに異なる色のインクが吐出される。図2において、記録ヘッド17に付されている英字は、吐出されるインクの色を表している。
【0048】
上記キャリッジ8の左右両端には、紫外線を照射するための紫外線照射機構20が搭載されている。一方の紫外線照射機構20は、左端に位置した記録ヘッド17の更に左側に配置され、他方の紫外線照射機構20は、右端に位置した記録ヘッド17の更に右側に配置されている。
【0049】
以下、紫外線照射機構20について図3を参照して詳細に説明する。図3(a)は、紫外線照射機構20の斜視図であり、図3(a)は、紫外線照射機構20を走査方向Aに平行な面で破断して示した断面図である。
【0050】
図3に示すように、紫外線照射機構20は、キャリッジ8に搭載されたカバー部材21を具備する。このカバー部材21は、搬送方向Bに向かって見て逆U字状を呈しており、下方の記録媒体99及びプラテン6に向かって開口するように形成されている。詳細には、カバー部材21は、記録媒体99及びプラテン6の上方において記録媒体99及びプラテン6に対向するように記録媒体99及びプラテン6と平行に設けられた対向面部21aと、対向面部21aの左右両端から下方に向かって湾曲するように設けられた曲面部21bと、曲面部21bの下端から下方に延出するとともに走査方向Aに対して直交し搬送方向Bに平行な側面部21cと、から構成されている。走査方向Aに向かって見て、カバー部材21の後端は、後ろ側に位置する組12の記録ヘッド17の後端と揃っているか又は更に後ろに位置しており、カバー部材21の前端は、前側に位置する組13の記録ヘッド17の前端と揃っているか又は更に前に位置している。
【0051】
カバー部材21の内面全体、つまり、対向面部21a、曲面部21b及び側面部21cの内面には、紫外線を反射する反射部材23が貼付されている。反射部材23として、例えば、全波長域に亘って紫外線を効率良く反射する高純度のアルミ製の反射板が適用され、好ましくは、アルミを主に含有する金属化合物の薄膜をガラス表面に蒸着させたコールドミラー(ガラス成形板)が適用される。特に、コールドミラーは、紫外線を効率良く反射する一方で、インクの硬化に寄与しない可視光線及び赤外線をミラー後方に透過させることで、後述する紫外線光源22の発熱による発光効率低下を抑制することができる。
【0052】
また、反射部材23の側面部21cに対応する部分は、紫外線吸収部材24によって被覆されており、反射部材23の対向面部21a及び曲面部21bに対応する部分は、露出している。紫外線吸収部材24は、紫外線の吸収率が比較的高く紫外線の反射率が低い材料によって形成されている。特に紫外線吸収部材24の紫外線反射率は、反射部材23の紫外線反射率より低く、紫外線吸収部材24の紫外線吸収率は、反射部材23の紫外線吸収率より高い。従って、カバー部材21の内面では、側面部21cに対応する部分は、対向面部21a及び曲面部22bに対応する部分よりも、紫外線反射率が低くされている。
【0053】
紫外線吸収部材24を反射部材23に設ける方法としては、例えば、紫外線吸収率の高い材料を反射部材23にアルマイト処理などの各種金属酸化物処理する方法、メッキ処理・蒸着・スパッタリング処理する方法が挙げられる。また、各種の紫外線吸収率の高い素材をコーティングすることによって、紫外線吸収部材24を反射部材23に設けても良い。紫外線吸収率の高い素材としては、例えば、カーボンブラック、超粒子化した粉体状の酸化チタン・酸化亜鉛・酸化鉄(α−Fe2O3、Fe3O4)といった無機物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族化合物といった有機物が挙げられ、これら素材のうちの少なくとも一つから紫外線吸収部材24が構成されている。
【0054】
カバー部材21の開口した凹部内には、複数の紫外線光源22が設けられており、これら紫外線光源22はカバー部材21によって覆われている。各紫外線光源22は、走査方向Aに沿った線状の光源とされており、これら紫外線光源22は、長手方向が互いに平行となって対向面部21aに沿うように搬送方向Bに並んで配置されている。つまり、紫外線光源22の長手方向は、記録ヘッド17に形成された吐出口の列方向に対して直交する方向となっている。このように設けられた各紫外線光源22は、記録ヘッド17から離れる方向に延在しており、各紫外線光源22の一方の端部は記録ヘッド17に向かって指向しており、各紫外線光源22の他方の端部は記録ヘッド17とは反対に向かって指向している。
【0055】
これら紫外線光源22は、カバー部材21の前端から後端までの間全体に等間隔となって分布している。また、これら紫外線光源22は、側面部21cの下端より更に上方に配置されており、側面部21cの下端より対向面部21aにより近くに配置されている。
【0056】
各紫外線光源22は、その長手方向に沿った中心線から紫外線を放射状に照射するものであり、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管及び冷陰極管のうち、少なくともいずれか一つが適用される。
【0057】
次に、図2を参照して、紫外線照射機構20と、その紫外線照射機構20に隣り合う記録ヘッド17との間に配設された光トラップ15について説明する。
図2に示すように、一方の光トラップ15は、左端に位置した記録ヘッド17の更に左側においてキャリッジ8に搭載されており、他方の光トラップ15は、右端に位置した記録ヘッド17の更に右側においてキャリッジ8に搭載されている。
【0058】
これら光トラップ15は、搬送方向Bに沿って延在する長尺な部材とされており、その長さは少なくともカバー部材21の搬送方向Bに沿った長さと等しくなっている。また、これら光トラップ15は、記録媒体99に向かって開口するような凹型の部材であり、例えば開口した端縁が記録媒体99と略平行となるように配設されている。
【0059】
なお、これら光トラップ15の形状は、光トラップ15の内部に紫外線が入射可能で、且つ入射してきた紫外線が光トラップ15の内面にて反射を繰り返すような形状であれば良い。
また、光トラップ15の内面には、紫外線吸収率の高い材料から構成された紫外線吸収部材(図示略)が設けられていてもよい。この場合、光トラップ15の内面に入射してくる紫外線を確実に吸収することができる。なお、光トラップ15の内面に紫外線吸収部材を設ける方法及び紫外線吸収部材の材料は、例えば、反射部材23の内面に紫外線吸収部材24を設ける方法及び材料と同じであっても良い。
【0060】
次に、以上のように構成されたインクジェットプリンタ1の動作について説明する。
作業者が記録媒体99をインクジェットプリンタ1にセッティングし、インクジェットプリンタ1の電源をオン状態とすると、複数の紫外線光源22が発光して、インク滴が着弾される記録媒体99に向けて紫外線を照射する。
【0061】
これら紫外線光源22が発光している状態で、搬送機構が記録媒体99を搬送方向Bに搬送する。ここで、搬送機構は搬送及び搬送停止を順に繰り返し、記録媒体99を間欠的に搬送する。
【0062】
間欠的搬送における停止中にキャリッジ8が走査方向Aに往動し、復動し又は往復移動する。キャリッジ8の移動に伴って複数の記録ヘッド17もキャリッジ8と一体となって移動するが、これら記録ヘッド17は移動中に各吐出口から記録媒体99に向けてインクを液滴として吐出し、飛翔したインク液滴が、停止している記録媒体99に着弾する。ここで、組12の記録ヘッド17は、図1においてキャリッジ8が走査方向Aに沿って右手前に向かって往動する場合にインクを吐出し、組13の記録ヘッド17は、図1においてキャリッジ8が走査方向Aに沿って左奥に向かって復動する場合にインクを吐出する。
【0063】
キャリッジ8の移動に伴って二つの紫外線照射機構20もキャリッジ8と一体となって移動するが、記録媒体99に着弾したインクの上を紫外線照射機構20が通過している時に、紫外線光源22から発した紫外線が記録媒体99上のインクに入射する。これによって、インクが硬化する。
【0064】
ここで、キャリッジ8が走査方向Aに沿って右手前に向かって往動する場合には、組12の記録ヘッド17によって吐出されたインク滴は、図1において左奥にある紫外線照射機構20の紫外線光源22から発した紫外線によって硬化する。この場合、画像が記録媒体99に記録されていく記録方向は、キャリッジ8が移動していく方向であり、図2の左奥にある紫外線照射機構20の紫外線光源22が、組12の記録ヘッド17より記録方向の下流側に配置されていることになる。一方、キャリッジ8が走査方向Aに沿って左奥に向かって復動する場合には、組13の記録ヘッド17によって吐出されたインク滴は、図1において右手前にある紫外線照射機構20の紫外線光源22から発した紫外線によって硬化する。この場合、記録方向は、キャリッジ8が移動していく方向であり、図1の右手前にある紫外線照射機構20の紫外線光源22が、組13の記録ヘッド17より記録方向の下流側に配置されていることになる。
【0065】
以上のように、複数の紫外線光源22の発光中に搬送機構が記録媒体99を間欠的に搬送するとともにキャリッジ8の往復移動が繰り返され、キャリッジ8の移動中に記録ヘッド17が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体99上に画像が形成される。
【0066】
ここで、図4を参照して、紫外線光源22から発した紫外線の反射・吸収について説明する。図4は、紫外線照射機構20及びその紫外線照射機構20に最も近い記録ヘッド17を搬送方向Bに向かって見て示した正面図であり、紫外線光源22から照射された紫外線の反射を模式的に示した図面である。
【0067】
図4に示すように、紫外線光源22から発した紫外線のうち、カバー部材21の側面部21cの内面に入射する紫外線U1は、紫外線吸収部材24によって吸収されるため、側面部21cの内面にて反射する紫外線U1の強度が低減されることとなる。従って、側面部21cで反射した紫外線U1は、記録媒体99で反射して記録ヘッド17の下面に入射するが、その強度は非常に弱く、記録ヘッド17の吐出口でインクが硬化する程の強度ではない。
【0068】
また、紫外線光源22から発した紫外線のうち、カバー部材21の対向面部21a及び曲面部21bに入射する紫外線U2は、側面部21cに入射する紫外線U1に比べて高反射で反射する。従って、対向面部21a及び曲面部21bから記録媒体99に向けて反射した紫外線U2の照射量を好適に確保することができる。その上、対向面部21aが記録媒体99に対して対向して略平行となっているため、対向面部21aで反射した紫外線U2は、小さい入射角で記録媒体99に入射する。そのため、対向面部21aで反射して記録媒体99に入射した紫外線U2は、記録ヘッド17の下面に向けて反射せずに、対向面部21aに向けて反射する。そのため、記録媒体99で反射した紫外線U2の影響でインクが記録ヘッド17の吐出口で硬化することがない。
【0069】
次に、図5を参照して、紫外線光源22から発した紫外線の照射範囲について説明する。図5(a)は、紫外線照射機構20及びその紫外線照射機構20に最も近い記録ヘッド17の下面図であり、図5(b)は、紫外線照射機構20及び記録ヘッド17を搬送方向Bに向かって見て示した正面図である。また、図5(c)は、比較のために、紫外線光源22の代わりに、この紫外線光源22と直交する方向に長尺な紫外線光源22’を配設した場合の下面図であり、図5(d)は、図5(c)の場合において搬送方向Bに向かって見て示した正面図である。図5(a),(c)において破線で示した楕円状の範囲が、記録媒体99に対しての紫外線の照射範囲を表しており、図5(b),(d)において破線で示した範囲が紫外線の照射範囲を表している。
【0070】
紫外線光源22及び紫外線光源22’は、その長手方向の中心線から放射状に紫外線を照射する特性を有しているため、長手方向への紫外線の広がり程度は、長手方向に直交する方向への紫外線の広がり程度より小さい。従って、図5(a),(b)に示すように、本実施形態では紫外線光源22が記録ヘッド17から記録方向の下流に離れる方向に長尺となっているため、紫外線の照射範囲は、平面視して記録ヘッド17に重なっていない。そのため、記録媒体99に入射した紫外線が反射しても、記録ヘッド17の下面に入射する紫外線の強度が非常に弱い。更に、記録媒体99で反射した紫外線の影響でインクが記録ヘッド17の吐出口で硬化することがない。
【0071】
それに対して、図5(c),(d)に示すように、比較例では、紫外線光源22’の長手方向が記録ヘッド17の長手方向と平行となっているため、紫外線の照射範囲は、平面視して記録ヘッド17に重なっており、記録媒体99で反射した紫外線が高強度で記録ヘッド17の下面に入射してしまう。
【0072】
以上のように、本実施形態では、複数の紫外線光源22が備えられることにより、記録媒体99上のインクに入射する紫外線の量が増加して、インクを即時に硬化させることができる。また、図4に示したように、側面部21cで反射する紫外線U1の量を紫外線吸収部材24によって低減できるので、複数の紫外線光源22を設けても、側面部21c及び記録媒体99で反射して記録ヘッド17の下面に入射する紫外線U1の量を低減することができる。
【0073】
更に、記録媒体99で記録ヘッド17に向かって反射する紫外線を光トラップ15によって捕捉することで、例えば記録ヘッド17やカバー部材21の外面等にて反射して記録ヘッド17の下面に向かう紫外線の量を低減することができる。
【0074】
更に、図5に示したように、紫外線光源22が記録ヘッド17から離れる方向に長尺となっているため、紫外線の照射範囲は記録ヘッド17に向かって大きく拡がらない。そのため、記録媒体99で反射して記録ヘッド17の下面に入射する紫外線の量を低減することができる。
以上により、記録ヘッド17の下面に入射した紫外線に基づく、記録ヘッド17の吐出口周辺に付着したインクの増粘及び硬化を防止して、吐出口からのインクの吐出不良を生じ難くすることができる。
【0075】
また、対向面部21a及び曲面部21bの内面には反射部材23が露出するように設けられているので、反射部材23にて紫外線を効果的に記録媒体99に向けて反射させることができる。そして、反射部材23を設けることで、紫外線光源22の数を増加させることなく紫外線の照射量を増加させることができ、インク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0076】
〔第二の実施の形態〕
第二実施形態のインクジェットプリンタの画像記録方式は、ライン方式であり、このインクジェットプリンタは、図1に示された第一実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、筐体2と、脚部3と、補強部材4と、キャスタ5と、プラテン6と、インクタンク11と、記録媒体99を搬送方向Bに搬送する搬送機構と、を備える。これらは、第一実施形態のインクジェットプリンタ1の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0077】
図6には、第二実施形態のインクジェットプリンタの要部を示した側面図である。図6に示された構成は、図1に示されたキャリッジ8の代わりに、筐体2の内部に配設されたものであり、図6は、筐体2の長手方向に向かって見て示した図面である。
【0078】
図6に示すように、第二実施形態のインクジェットプリンタは、四つの記録ヘッド50と、四つの紫外線照射機構51と、七つの光トラップ52と、基台53と、を備える。
【0079】
基台53は、図1に示されたガイド部材7の代わりに、プラテン6の上方に配置されている。
【0080】
記録ヘッド50は、ラインヘッドであり、記録媒体99の搬送方向Bに対して直交する方向つまり記録媒体99の幅方向に延在するように基台53に取り付けられている。これら四つの記録ヘッド50は、互いに長手方向が平行となるように、搬送方向Bに配列されている。
【0081】
それぞれの記録ヘッド50の下面は、下方のプラテン6及び記録媒体99に指向している。それぞれの記録ヘッド50の下面には、インクを吐出するための複数の吐出口が搬送方向Bに直交する方向に一列に配列されて形成されている。それぞれの記録ヘッド50は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する素子を吐出口ごとに有し、これら素子の動作により各吐出口から個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。一つの記録ヘッド50からは、YMCKのうちの何れかの色のインクが吐出され、記録ヘッド50ごとに異なる色のインクが吐出される。図6において、記録ヘッド50に付されている英字は、吐出されるインクの色を表している。
【0082】
紫外線照射機構51は、それぞれの記録ヘッド50に対応しており、詳細には、対応する記録ヘッド50よりも搬送方向Bの下流側に位置するように基台53に配設されている。各紫外線照射機構51は、第一実施形態で例示した紫外線照射機構20と同様に、対向面部21a、曲面部21b及び側面部21cから構成されたカバー部材21と、カバー部材21の内面全体に設けられた反射部材23と、側面部21cにおいて反射部材23を被覆した紫外線吸収部材24と、カバー部材21の開口した凹部内に配設された複数の紫外線光源22と、を備える。
【0083】
カバー部材21は、搬送方向Bに直交する方向に向かって見て逆U字状を呈している。記録ヘッド50の長手方向(つまり、搬送方向Bに直交する方向)に沿ったカバー部材21の長さが、記録ヘッド50の長手方向に沿った記録ヘッド50の長さとほぼ同じである。そして、搬送方向Bに向かって見て、カバー部材21の長手方向における一方の端は、記録ヘッド50の長手方向における一方の端に揃っており、カバー部材21の他方の端は、記録ヘッド50の他方の端に揃っている。反射部材23及び紫外線吸収部材24は、第一実施形態の場合と同様の素材で形成されているとともに同様に機能するため、詳細な説明を省略する。
【0084】
カバー部材21によって覆われた複数の紫外線光源22は、搬送方向Bに沿った線状の光源とされており、長手方向が互いに平行となって対向面部21aに沿うように搬送方向Bに直交する方向に並んで配置されている。つまり、各紫外線光源22の長手方向は、記録ヘッド50に形成された吐出口の列方向に対して直交する方向となっており、各紫外線光源22は、記録ヘッド50から離れる方向に長尺となって設けられている。そして、各紫外線光源22は、記録ヘッド50から離れる方向に延在している。また、これら紫外線光源22は、カバー部材21の一端から他端までの間全体に等間隔となって分布している。
【0085】
光トラップ52は、隣り合う紫外線照射機構51及び記録ヘッド50の間全てに配設されている。これら光トラップ52は、搬送方向Bに直交する方向に沿って延在する長尺な部材とされており、その長さは、搬送方向Bに直交する方向に沿ったカバー部材21の長さと等しくなっている。これら光トラップ52の形状は、第一実施形態の光トラップ15の形状と同様に、光トラップ52の内部に紫外線が入射可能で、且つ入射してきた紫外線が光トラップ15の内面にて反射を繰り返すような形状であれば良い。
【0086】
第二実施形態のインクジェットプリンタに用いられるインクも、紫外線の被照射により硬化する性質を具備する紫外線硬化性インクであり、更に望ましくはカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクである。勿論、インクジェットプリンタに用いられるインクが、ラジカル硬化性インクであっても良い。
【0087】
第二実施形態のインクジェットプリンタの動作について説明すると、搬送機構が記録媒体99を搬送方向Bに搬送している間に、それぞれの記録ヘッド50がインクを吐出すると、記録媒体99に画像が記録される。記録媒体99の搬送に伴って記録媒体99に着弾したインクが紫外線照射機構51の紫外線光源22の下を通過している時に、紫外線光源22から発した紫外線が記録媒体99上のインクに入射する。これによって、インクが硬化する。第二実施形態のような記録方式がライン方式である場合、画像が記録媒体99に記録されていく記録方向は、記録媒体99が搬送されていく方向であり、ある記録ヘッド50に対応した紫外線照射機構51の紫外線光源22、その記録ヘッド50の記録方向の下流側に配置されていることになる。
【0088】
第二実施形態のインクジェットプリンタであっても、第一実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、紫外線光源22が記録ヘッド50から離れる方向に長尺となっているため、紫外線の照射範囲は記録ヘッド50に向かって大きく拡がらない。そのため、記録媒体99で反射して記録ヘッド50の下面に入射する紫外線の量を低減することができる。
【0089】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施の形態では、4色のインクに対応するように4つの記録ヘッド17又は記録ヘッド50を設ける構成としたが、これに限られるものではなく、記録ヘッド17及び記録ヘッド50の個数は任意である。
また、上記第一実施形態では、キャリッジ8の左右両端部に紫外線照射機構20が配設されていたが、記録ヘッド17及び紫外線照射機構20が交互に走査方向Aに列となってキャリッジ8に搭載されていても良い。この場合でも、各記録ヘッド17に形成された複数の吐出口は搬送方向Bに一列に配列されており、各紫外線照射機構20の紫外線光源22は走査方向Aに長尺となっている。
【0090】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、紫外線光源が記録ヘッドから記録方向下流側に離れる方向に長尺となって設けられているから、紫外線光源から発した紫外線は記録ヘッドに向かってそれ程拡がらず、紫外線が記録ヘッドに入射し難くなる。そのため、記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減することができ、記録ヘッドの吐出口に存するインクが増粘したり硬化したりすることを防止することができ、吐出口の閉塞を抑えることができる。
【0091】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0092】
請求項3に記載の発明によれば、カバー部材の対向面に反射部材が設けられているので、紫外線光源からの紫外線の照射量を増加させてインク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0093】
請求項4に記載の発明によれば、側面部に入射する紫外線を紫外線吸収部材によって吸収して、記録媒体に向けて反射する紫外線の量を効果的に低減することができる。従って、記録ヘッドに入射する紫外線の量を低減でき、更に、紫外線光源を記録ヘッドにより一層近接して配置することができ、インクジェットプリンタの小型化に寄与できる。
【0094】
請求項5に記載の発明によれば、紫外線光源からの紫外線の照射量を増加させてインク硬化に必要な所定量とすることができる。
【0095】
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体にて記録ヘッドに向かって反射する紫外線が光トラップによって捕捉されるから、記録ヘッドへの紫外線の入射量をより一層低減することができる。
【0096】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏する。
【0097】
請求項8に記載の発明によれば、紫外線光源が記録ヘッドから離れる方向に長尺となって設けられていることによって、紫外線に対して感度の高いカチオン硬化性のインクであっても、吐出口内にて増粘したり硬化したりすることを防止することができる。
【0098】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェットプリンタを示した斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1に示されたインクジェットプリンタに備わるキャリッジを示した斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の斜視方向と反対となる方向に向かって見て示した斜視図である。
【図3】図3(a)は、図2に示されたキャリッジに備わる紫外線照射機構を示した斜視図であり、図3(b)は、紫外線照射機構の断面図である。
【図4】図3に示された紫外線照射機構の紫外線光源から照射された紫外線の反射・吸収を説明するため、紫外線の光線を模式的に示した図である。
【図5】図5(a),(b)は、本実施形態において図3に示された紫外線照射機構の紫外線光源による照射範囲を示した図面であり、図5(c),(d)は、比較例の紫外線光源による照射範囲を示した図面である。
【図6】上記インクジェットプリンタとは別のインクジェットプリンタの要部を示した側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
8 キャリッジ
15、52 光トラップ
17、50 記録ヘッド
20、51 紫外線照射機構
21 カバー部材
21a 対向面部
21b 曲面部
21c 側面部
22 紫外線光源
23 反射部材
24 紫外線吸収部材
99 記録媒体
Claims (9)
- 紫外線の被照射により硬化するインクを記録媒体に向けて吐出する記録ヘッドと、
記録方向の下流側に配置されるとともに、前記記録ヘッドから記録方向の下流に離れる方向に長尺となって設けられた紫外線光源と、を具備するインクジェットプリンタ。 - 前記記録ヘッドの前記記録媒体に向いた面には、前記インクを吐出するための複数の吐出口が列となって形成されており、
前記紫外線光源は、前記複数の吐出口の列方向に対して直交する方向に長尺となって設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記紫外線光源は、前記記録媒体に向かって開口したカバー部材によって覆われており、
前記カバー部材の前記記録媒体に対向した対向面には、前記紫外線光源から発した紫外線を前記記録媒体に向けて反射させる反射部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記カバー部材の前記記録媒体に向かって延出した側面部の内面には、前記紫外線光源から発した紫外線を吸収する紫外線吸収部材が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記紫外線光源が複数備えられることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記記録ヘッドと前記紫外線光源との間に、該紫外線光源から発した紫外線を捕捉する光トラップが備えられることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記紫外線光源が高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管のうちいずれか1つであることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記記録ヘッドから吐出されるインクがカチオン硬化性インクであることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- 記録方式がシャトル方式又はライン方式であることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
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---|---|---|---|
JP2003011078A JP2004223750A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | インクジェットプリンタ |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004223750A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006103252A (ja) * | 2004-10-08 | 2006-04-20 | Denso Corp | インクジェット印刷装置 |
JP2006110841A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Mutoh Ind Ltd | 描画装置 |
KR101007303B1 (ko) | 2008-09-01 | 2011-01-13 | 삼성전기주식회사 | 경화장치 |
JP2012020461A (ja) * | 2010-07-14 | 2012-02-02 | Seiko Epson Corp | 液滴吐出装置 |
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2003
- 2003-01-20 JP JP2003011078A patent/JP2004223750A/ja active Pending
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