WO2004007983A1

WO2004007983A1 - プーリ支持用複列玉軸受

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Publication number: WO2004007983A1
Application number: PCT/JP2003/008314
Authority: WO
Inventors: Toshihisa Ohata; Hiroshi Ishiguro
Original assignee: Nsk Ltd.
Priority date: 2002-07-12
Filing date: 2003-06-30
Publication date: 2004-01-22
Also published as: EP1553316B1; EP1553316A1; EP1553316A4; JPWO2004007983A1; EP2290249A1; US20060153484A1; US7416343B2; EP2290249B1; CN100400910C; CN1668858A; AU2003244017A1

Abstract

プーリ支持用複列玉軸受において、両端開口部に設けるシールリング４６によるシール性を向上させ、厳しい条件下で使用した場合にも、十分な耐久性を確保するために、本発明では、内輪４２の軸方向端面５６と上記各シールリング４６の内周寄り部分とを、各玉４４の直径の３０％以上の幅寸法分、軸方向に重畳させる。又、シールリップ５２の内側面に形成した第一、第二の突条５３、５４の先端縁を上記端面５６に摺接させる。更に、第三の突条５５を、上記内輪４２の角部５７に近接対向させて、当該部分にラビリンスシール５８を構成する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Description

明細書プーリ支持用複列玉軸受技術分野

この発明に係るプーリ支持用複列玉軸受は、例えば自動車室内用の空気調和装置を構成するコンプレッサ等の自動車用補機に組み込み、この自動車用補機を回転駆動する為のプーリを、ハウジング等の固定の支持部材に対し、回転自在に支持する為に使用する。背景技術

例えば、自動車用空気調和装置に組み込まれる蒸気圧縮式冷凍機に組み込んで冷媒を圧縮するコンプレッサとして、従来から種々の構造のものが知られている。例えば特開平 1 1一 2 8 0 6 4 4号公報には、回転軸の回転運動を斜板によりピストンの往復運動に変換し、このピストンにより冷媒の圧縮を行なう斜板式のコンプレッサが記載されている。図 6〜7は、この様な、従来から知られている斜板式のコンプレッサの 1例を示している。

コンプレッサ 1を構成するケ一シング 2は、中央の本体 3をへッドケース 4と斜板ケース 5とで軸方向（図 6の左右方向）両側から挟持し、更に複数本の結合ポルト（図示せず）により結合して成る。このうちのヘッドケ一ス 4の内側には、低圧室 6と高圧室 7とを設けている。又、上記本体 3とヘッドケース 4との間には平板状の隔壁板 8を挟持している。尚、図 6で複数に分割されている如く表されている低圧室 6は互いに連通しており、上記へッドケ一ス 4の外面に設けられた単一の吸入ポート 9 (図 7 ) に通じている。又、上記高圧室 7は、やはり上記ヘッドケース 4に設けられた吐出ポート（図示せず）に通じている。そして、上記吸入ポ一ト 9を上記蒸気圧縮式冷凍機を構成する図示しないエバポレ一夕の出口に、上記吐出ポートをこの蒸気圧縮式冷凍機を構成する図示しないコンデンサの入口に、それぞれ通じさせている。上記ケ一シング 2内には回転軸 1 0を、上記本体 3と斜板ケース 5とに掛け渡す状態で、回転のみ自在に支持している。即ち、上記回転軸 1 0の両端部を 1対のラジアル二一ドル軸受 1 1 a、 l i bにより、上記本体 3と斜板ケース 5とに支持すると共に、 1対のスラストニードル軸受 1 2 a、 1 2 により、この回転軸 1 0に加わるスラスト荷重を支承自在としている。これら 1対のスラストニードル軸受 1 2 a、 1 2 bのうち、一方（図 6の右方）のスラストニードル軸受 1 2 aは、上記本体 3の一部と上記回転軸 1 0の一端部（図 6の右端部）に形成した段部 1 3との間に、皿ばね 1 4を介して設けている。又、他方のスラストニードル軸受 1 2 bは、上記回転軸 1 0の中間部外周面に外嵌固定したスラストプレート 1 5と上記斜板ケース 5との間に設けている。

又、上記ケ一シング 2を構成する本体 3の内側で上記回転軸 1 0の周囲部分には、複数（例えば図示の例では、円周方向等間隔に 6個）のシリンダ孔 1 6を形成している。この様に本体 3に形成した、複数のシリンダ孔 1 6の内側には、それぞれピストン 1 7の先半部（図 6の右半部）に設けた摺動部 1 8を、軸方向の変位自在に嵌装している。そして、上記シリンダ孔 1 6の底面と上記ピストン 1 7の先端面（図 6の右端面）との間に設けられた空間を、圧縮室 1 9としている。又、上記斜板ケ一ス 5の内側に存在する空間は、斜板室 2 0としている。上記回転軸 1 0の中間部外周面でこの斜板室 2 0内に位置する部分には斜板 2 1を、上記回転軸 1 0に対して所定の傾斜角度を持たせて固設し、この斜板 2 1が上記回転軸 1 0と共に回転する様にしている。上記斜板 2 1の円周方向複数個所と、上記各ピストン 1 7とは、それぞれ 1対ずつのスライディングシュ一 2 2により連結している。この為、これら各スライディングシユー 2 2の内側面（互いに対向する面）は平坦面として、同じく平坦面である上記斜板 2 1の両側面外径寄り部分に摺接させている。一方、上記各ピストン 1 7の基端部（前記隔壁板 8から遠い側の端部で、図 6の左端部）には、上記スライディングシユー 2 2及び上記斜扳 2 1と共に、駆動力伝達機構を構成する連結部 2 3を、上記各ピストン 1 7 と一体に形成している。そして、これら各連結部 2 3に、上記 1対のスライディングシユー 2 2を抱持する為の抱持部 2 4を形成している。尚、上記各連結部 2 3の外端部は、図示しないガイド面により、上記ピストン 1 7の軸方向（図 6の左右方向）の変位のみ自在としている。従って、上記各ピストン 1 7も、前記各シリンダ孔 1 6内に、軸方向の変位のみ自在（回転不能）に嵌装されている。この結果、上記各連結部 2 3は、前記回転軸 1 0の回転による上記斜板 2 1の揺動変位に伴って上記各ピストン 1 7を軸方向に押し引きし、前記各摺動部 1 8を上記シリンダ孔 1 6内で軸方向に往復移動させる。

一方、前記低圧室 6及び高圧室 7と上記各シリンダ孔 1 6とを仕切るべく、上記本体 3と前記へッドケース 4との突き合わせ部に挟持している隔壁板 8には、上記'低圧室 6と各シリンダ孔 1 6とを連通させる吸入孔 2 5と、上記高圧室 7と各シリンダ孔 1 6とを連通させる吐出孔 2 6とを、それぞれ軸方向に貫通する状態で形成している。又、上記各シリンダ孔 1 6内で、上記各吸入孔 2 5の一端と対向する部分には、上記低圧室 6から上記各シリンダ孔 1 6に向けてのみ冷媒蒸気を流す、リード弁式の吸入弁 2 7を設けている。又、上記高圧室 7内で、上記各吐出孔 2 6の他端（図 6の右端）開口と対向する部分には、上記各シリンダ孔 1 6から上記高.圧室 7に向けてのみ冷媒蒸気を流す、リ一ド弁式の吐出弁 2 8を設けている。この吐出弁 2 8には、上記各吐出孔 2 6から離れる方向への変位を制限する、ストッパ 2 9を付設している。

上述の様に構成するコンプレッサ 1の回転軸 1 0は、自動車の走行用エンジンにより回転駆動する。この為に、図示の例の場合は、前記ケーシング 2を構成する斜板ケース 5の外側面（図 6の左側面）中央に設けた、特許請求の範囲に記載した支持部材に相当する支持筒部 3 0の周囲に従動プーリ 3 1を、複列玉軸受 3 2により、回転自在に支持している。この従動プ一リ 3 1は、断面コ字形で全体を円環状に構成しており、上記斜板ケース 5の外側面に固定したソレノィド 3 3 を、上記従動プーリ 3 1の内部空間に配置している。

一方、上記回転軸 1 0の端部で上記支持筒部 3 0から突出した部分には取付ブラケット 3 4を固定しており、この取付ブラケット 3 4の周囲に磁性材製の環状板 3 5を、板ばね 3 6を介して支持している。この環状板 3 5は上記ソレノイド 3 3への非通電時には、上記板ばね 3 6の弾力により、図 6に示す様に上記従動プーリ 3 1から離隔しているが、上記ソレノィド 3 3へ ^;の通電時にはこの従動プーリ 3 1に向け吸着されて、この従動プーリ 3 1から上記回転軸 1 0への回転力の伝達を自在とする。即ち、上記ソレノイド 3 3と上記環状板 3 5と上記板ばね 3 6とにより、上記従動プーリ 3 1と上記回転軸 1 0とを係脱する為の電磁クラツチ 3 7を構成している。又、上記走行用エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリと上記従動プーリ 3 1との間には、無端ベルト 3 8を掛け渡している。そして、上記電磁クラッチ 3 7により上記従動プーリ 3 1と上記回転軸 1 0とを係合させた状態で、上記無端ベルト 3 8の循環に基づき、上記回転軸 1 0を回転駆動する。

上述の様に構成する斜板式コンプレッサ 1の作用は、次の通りである。即ち、自動車室内の冷房或は除湿を行なう為、蒸気圧縮式冷凍機を運転する場合には、上述の様に回転軸 1 0を駆動源である走行用エンジンにより回転駆動する。この結果、前記斜板 2 1が回転して、前記複数のピストン 1 7を構成する摺動部 1 8 が、それぞれシリンダ孔 1 6内で往復移動する。そして、この様な摺動部 1 8の往復移動に伴って、前記吸入ポート 9から吸引された冷媒蒸気が、前記低圧室 6 内から前記各吸入孔 2 5を通じて圧縮室 1 9内に吸い込まれる。この冷媒蒸気は、これら各圧縮室 1 9内で圧縮されてから、前記吐出孔 2 6を通じて前記高圧室 7 に送り出され、前記吐出ポートより吐出される。

尚、図 6に示したコンプレッサは、上記回転軸 1 0に対する上記斜板 2 1の傾斜角度が変えられず、冷媒の吐出容量が固定のものである。これに対して、冷房負荷等に応じて吐出容量を変えるべく、回転軸に対する斜板の傾斜角度を変える事ができる、可変容量型の斜板式コンプレッサも、例えば特開平 8— 3 2 6 6 5 5号公報に記載される等により従来から広く知られ、更に一般的に実施されている。又、自動車用空気調和装置を構成する蒸気圧縮式冷凍機のコンプレッサとして、スクロール型のコンプレッサを使用する事も、一部で研究されている。更には、球面継手を介してピストンを往復移動させる旧来のコンプレッサに関しても、未だ一部で実施されている。

何れの構造のコンプレッサを使用する場合でも、自動車用空気調和装置を構成するコンプレッサは、走行用エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリと、コンプレッサ側に設けた従動プーリとの間に掛け渡した無端ベルトにより回転駆動する。従って、この従動プーリを回転自在に支持した軸受には、上記無端ベルトの張力に基づくラジアル荷重が加わる。この無端ベルトと上記各プ —リとの間で滑りを生じさせる事なく、確実な動力伝達を行なうべく、上記無端ベルトの張力、延ては上記ラジアル荷重は相当に大きくなる。従って、上記従動プーリを支持する為の軸受として、この大きなラジアル荷重を支承すべく、十分な負荷容量を有するものを使用する必要がある。

この面から図 6に示した従来構造に組み込んだ複列玉軸受 3 2を見た場合、複列に配置された玉 3 9の間隔 Dが大きく、十分な負荷容量を確保できる構造と言える。但し、上記複列玉軸受 3 2は、軸方向寸法が嵩むものである。これに対して、近年、地球環境への配慮から、自動車の燃費性能の向上を図るべく、コンプレッサ等の自動車用補機の小型，軽量化が求められている。そして、自動車用補機に組み込む従動ブーリを支持する為の転がり軸受の軸方向寸法の短縮に対する要求も生じている。

この様な要求に応じて、上記従動プーリを支持する為の転がり軸受として、単列深溝型の玉軸受や、 3点乃至は 4点接触型の玉軸受を使用する事が研究されている。但し、この様な玉軸受の場合、モーメント荷重を中心として、従動プーリに加わる荷重に対する剛性を確保しにくく、十分な低振動性（振動しにくさ）や耐久性を確保する事が難しい。即ち、上記従動プーリから転がり軸受には、多少なりと言えどもモーメント荷重が作用する場合があるが、上記単列深溝型の玉軸受はモーメント荷重に対する剛性が低い。又、 3点乃至は 4点接触型の玉軸受に就いても、一般的な単列深溝型の玉軸受ょりもモーメント荷重に対する剛性が高いとは言え、無端ベルトの張力の大きさゃ配設状態（ラジアル荷重の作用方向と玉軸受の中心位置との偏心量）等との関係で、必ずしも十分とは言えない場合がある。この結果、運転時に振動並びに騒音を発生し易くなる他、耐久性確保が難しくなる。

この様な事情に鑑みて本発明者は先に、玉の直径を小さくして複列に配置した玉同士の間隔を小さくする事により、必要とする剛性を確保しつつ軸方向に関する幅寸法を小さくした複列玉軸受により、従動プーリを支持する事を考えた（特願 2 0 0 2— 2 4 8 6 3号、特願 2 0 0 2 - 9 7 9 6 6号）。この先発明に係るプーリ支持用複列玉軸受の場合、外輪として、外径が 6 5腿以下で内周面に複列の外輪軌道を有するものを使用する。又、内輪は、外周面に複列の内輪軌道を有するものを使用する。又、玉は、直径（外径）が 4mm以下のものを使用して、上記各外輪軌道と各内輪軌道との間に複数個ずつ転動自在に設ける。又、保持器により、上記各玉を転動自在に保持すると共に、 1対のシールリングにより、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間で上記各玉を設置した内部空間の両端開口を塞ぐ。そして、上記玉同士の間隔、並びに玉とシールリングとの間隔を小さくして、複列玉軸受全体としての軸方向に関する幅（外輪の幅及び内輪の幅とほぼ一致）を、この内輪の内径の 4 5 %以下としている。

又、上記玉同士の間隔を小さくすべく、上記各保持器として、合成樹脂製の冠型保持器を使用し、これら各保持器のリム部を互いに反対側（=軸方向外側-シ —ルリングに対向する側）に向けている。又、上記各保持器のリム部と上記シ一ルリングの内側面との距離を短くしている。但し、この場合でも、これら各保持器のリム部と各シールリングの内側面との距離を、上記各玉の直径の 1 3 %以上確保して、これら両シールリング同士の間で上記各玉を設置した内部空間内へのグリースの封入量を確保できる様にしている。

この様な先発明に係るプーリ支持用複列玉軸受によれば、モーメント剛性を確保しつつ軸方向に関する幅寸法を短縮して、運転時の騒音が低く、しかも小型 - 軽量な自動車用補機の実現に寄与できる。

上述の様な先発明に係るプ一リ支持用複列玉軸受の場合、小型化に伴って、両端開口部の密封性能を確保する事が難しくなつている。即ち、コンプレッサ等の自動車用補機に組み込むプーリ支持用複列玉軸受は、エンジンルーム内に設置される為、雨天走行時には車輪が跳ね上げた泥水が振り掛かる様な、厳しい条件下で使用される。特に、コンプレッサの場合には、上記エンジンルームの下部に設置される為、特に条件が厳しくなる。これに対して、上記プーリ支持用複列玉軸受を小型化した場合、従来構造のままでは、上記両端開口部のシール性を必ずしも十分に確保できない可能性がある。

本発明のプーリ支持用複列玉軸受は、この様な事情に鑑みて発明したものである。発明の開示

本発明によるブーリ支持用複列玉軸受は何れも、前述した先発明に係るプ一リ支持用複列玉軸受と同様に、外径が 6 5腿以下で内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有する内輪と、これら各外輪軌道と各内輪軌道との間に複数個ずつ転動自在に設けられた、直径が 4 mm以下である玉と、こ' れら各玉を転動自在に保持する保持器と、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間に存在して上記各玉を設置した内部空間の両端開口を塞ぐシールリングとを備える。そして、軸方向に関する幅が上記内輪の内径の 4 5 %以下であって、この内輪を支持部材に外嵌すると共に上記外輪をプーリに内嵌する事により、このプーリをこの支持部材の周囲に回転自在に支持する。

特に、本発明によるプーリ支持用複列玉軸受の第 1態様に於いては、上記各シ

—ルリングの内周寄り部分と上記内輪の軸方向両端面とを軸方向から見て、重畳部分の径方向に関する幅が上記各玉の直径の 2 5 %以上となる状態で重畳させている。又、上記各シールリングの内側面内周寄り部分に全周に亙って形成した複数本ずつの突条のうちの少なくとも 1本ずつの突条の先端縁を、上記内輪の軸方向端面に全周に亙って摺接させている。

又、本発明によるプーリ支持用複列玉軸受の第 2態様に於いても、上記各シールリングの内周寄り部分と上記内輪の軸方向両端面とを軸方向から見て、重畳部分の径方向に関する幅が上記各玉の直径の 2 5 %以上となる状態で重畳させている。そして、上記各シールリングの側面内周寄り部分に全周に亙って形成した少なくとも 1本ずつの突条の先端緣を、それぞれ上記内輪の表面の一部に全周に亙つて摺接させている。これと共に、上記シールリングの一部内周寄り部分で上記突条から外れた部分と、上記内輪の一部表面とを近接対向させる事により、当該部分にラビリンスシールを設けている。

又、本発明によるプ一リ支持用複列玉軸受の第 3態様に於いては、上記各シールリングは、金属製の芯金により、ショァ硬さが 6 0〜 8 0である弾性材を補強して成る。そして、この芯金の内周縁から径方向内方に突出している、上記弾性材の変形部の径方向に関する幅が、上記各玉の直径の 4 0 %以上であり、この変形部の径方向中間部に位置する、最も薄い部分の厚さが 0 . 4匪以上である。又、本発明によるプーリ支持用複列玉軸受の第 4態様に於いては、上記各シールリングは、金属製の芯金により弹性材を補強して成る。そして、この芯金の内径が、上記内輪の外径以下である。

更に、本発明によるプーリ支持用複列玉軸受の第 5態様に於いては、上記各シールリングは、金属製の芯金により弹性材を補強して成る。そして、軸方向位置に関して、上記芯金の内周縁から径方向内方に突出している上記弾性材の変形部の重心位置が、この変形部の変形中心位置よりも、上記シールリングの先端縁と上記内輪の一部表面とが摺接している側に存在する。

尚、本発明を実施する場合、上記各態様を単独で実施する他、適宜組み合わせて実施しても良い。上記した各態様の総てを組み合わせて実施する事もできる。上述の様に構成する本発明のプーリ支持用複列玉軸受の場合には、両端開口部に設けるシールリングによる密封性能を良好にできて、厳しい使用条件下でも、優れた耐久性を確保できる。

先ず、第 1態様および第 2態様に係るプーリ支持用複列玉軸受の場合には、各シールリングの内周縁部と内輪の軸方向端面との重畳部分の軸方向に関する幅を確保し、この重畳部分に複数の突条を設けたり（第 1態様の場合）、或は突条とラビリンスシールとを設けている（第 2態様の場合）為、上記重畳部分のシール性能を良好にできる。

又、第 3態様および第 4態様に係るプーリ支持用複列玉軸受の場合には、各シ一ルリングを構成する弹性材の剛性を確保して、この弾性材の先端縁と内輪の一部表面との摺接部の面圧を確保し、上記各シ一ルリングによるシール性能を良好にできる。更に、第 5態様に係るプーリ支持用複列玉軸受の場合には、運転時にシ一ルリップに加わる遠心力が、シ一ルリングの先端縁に形成したシ一ルリップを上記内輪の一部表面に押し付ける方向に作用する。この結果、このシールリップと内輪の一部表面との插接部の面圧を確保し、上記各シールリングによるシール性能を良好にできる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の実施の形態の第 1例を示す断面図である。

図 2は、図 1の右上部拡大図である。

図 3は、本発明の実施の形態の第 2例を示す、図 2と同様の図である。

図 4は、同第 3例を示す、図 2の右下部に相当する部分断面図である。

図 5は、同第 4例を示す、図 2の右下部に相当する部分断面図である。

図 6は、従来から知られているコンプレッサの 1例を示す断面図である。

図 7は、図 6の A矢視図である。発明を実施するための最良の形態

図 1〜2は、本発明の第 1態様、第 2態様、第 3態様および第 5態様に対応する、本発明の実施の形態の第 1例を示している。尚、.図 1、 2 (及び後述する図 3 ) に関しては、各部の寸法比を実際の寸法比に即して描いている。本例のプ一リ支持用の複列玉軸受 3 2 aの場合、外輪 4 0として、外径 D ₄。（図 1 ) が 6 5 腿以下（D _{4 Q}≤6 5匪）で内周面に複列の外輪軌道 4 1を有するものを使用する。又、内輪 4 2は、外周面に複列の内輪軌道 4 3を有するものを使用する。又、玉 4 4は、直径（外径） D ₄₄ (図 1〜2 ) が 4廳以下（D ₄₄≤4mm) のもの（実用的には 3〜4mmのもの）を使用して、上記各外輪軌道 4 1と各内輪軌道 4 3との間に複数個ずつ転動自在に設ける。又、 1対の保持器 4 5により、上記各玉 4 4 を転動自在に保持すると共に、 1対のシールリング 4 6により、上記外輪 4 0の内周面と上記内輪 4 2の外周面との間に存在して上記各玉 4 4を設置した内部空間 4 7の両端開口を塞ぐ。尚、上記複列玉軸受 3 2 aの幅 W_{3 2} (図 1 ) は、上記内輪 42の内径 R₄₂ (図 1) の 45%以下（W₃₂≤0. 45R₄₂) としている。なお、全図を通して、同様部材には、同じ参照番号を付してある。

上記各シ一ルリング 46は、それぞれ鋼板等の金属製で円輪状の芯金 48により、二トリルゴム、耐熱二トリルゴム、ァクリルゴム、弗素ゴム等の弹性材 49 を補強して成るもので、全体を円輪状としている。又、この弾性材 49としては、ショァ硬さ（H_s ) が 60〜80の範囲内のものを使用している。又、この弹性材 49の外周緣部は上記芯金 48の外周縁よりも径方向外方に突出させて係止部 50としており、この係止部 50を、上記外輪 40の内周面両端部に形成した係止溝 51に係止している。又、上記弹性材 49の内径側半部は、上記芯金 48よりも径方向内方に突出させて、シールリップ 52としている。

本例の場合、このシールリップ 52と上記内輪 42とを軸方向から見て、上記各玉 44の直径 D₄₄の 25 %以上重畳させている。即ち、上記シールリップ 52 の内径を R₅₂ (図 1) とし、上記内輪 42の外径を D₄₂ (図 1) とした場合、上記シールリップ 52の内側面と上記内輪 42の軸方向両端面とは、径方向に関する幅が、上記外径 D₄₂と内径 R₅₂との差の 1/2 { (D₄2-R₅₂) /2} となる環状部分で互いに対向する。本例の場合、この環状部分の幅を、上記各玉 44の直径 D₄₄の 25%以上 { (D 42 - R 52) /2≥0. 25D₄₄} 、より好ましくは 35%以上としている。尚、上記環状部分の幅の最大値は、特に限定しないが、大型化を防止する面から、上記直径 D₄₄よりも大きくする事は現実的ではない。小型のプーリ支持用複列玉軸受を実現する為には、上記直径 D₄₄の 80%以下、好ましくは 70 %以下に納める事が適当である。

一方、上記シールリップ 52の内側面には、径方向内方から順番に、第一〜第三の突条 53〜55を、互いに同心に、それぞれ全周に亙って形成している。前記各シールリング 46の外周縁部を前記係止溝 51に係止した状態で、上記各突条 53〜55のうち、最も内径側に位置する第一の突条 53の先端縁は、上記内輪 42の軸方向両端面 56に、全周に亙って摺接する。これに対して、中間に位置する第二の突条 54と、最も外径側に位置する第三の突条 55との先端緣は、上記両端面 56、若しくは、上記内輪 42の外周面と両端面 56との連続部に存在する角部 5 7に近接対向し、当該部分にラビリンスシール 5 8を構成する。又、本発明の第 3態様における変形部である、上記シールリップ 5 2の径方向に関する幅 W_{5 2} (図 2 ) を、上記各玉 4 4の直径 D ₄₄の 4 0 %以上（W_{5 2}≥0 . 4 D ₄₄) としている。そして、上記シ一ルリップ 5 2の径方向中間部（中央部である必要はない）に位置する、最も薄い部分の厚さ T _{5 2} (図 2 ) を、 0 . 4mm以上（T _{5 2}≥0 . 4mm) としている。尚、この部分の厚さ T _{5 2}の上限値は、特に規制しないが、上記シールリップ 5 2の剛性を必要以上に高くしない事、材料費を抑える事を考慮して、好ましくは 0 . 6咖以下、より好ましくは 0 . 5膽以下に抑える。又、上記シールリップ 5 2の幅 W_{5 2}に関しても、好ましくは上記直径 D _{4 4}の 6 0 %以下、より好ましくは 5 0 %以下に抑える。

更に、本例の場合には、軸方向（図 1〜2の左右方向）位置に関して、前記芯金 4 8の内周縁から径方向内方に突出している前記弾性材 4 9の変形部、即ち、上記シールリップ 5 2の重心位置 G (図 2 ) が、このシールリップ 5 2の変形中心位置よりも、このシールリップ 5 2の先端緣（第一、第二の突条 5 2、 5 3 ) と上記内輪 4 2の軸方向両端面 5 6とが摺接している側に存在する。即ち、上記シールリップ 5 2は、上記芯金 4 8の内周縁部、又はこのシールリップ 5 2の最も厚さの薄い部分を中心として弾性変形するが、前記各シールリング 4 6の外周緣部を前記係止溝 5 1に係止した状態で、上記弾性変形の中心となる部分よりも、上記重心位置 Gが、前記内輪 4 2の両端面 5 6側に位置させる様に、各部の形状及び寸法を規制している。

上述の様に構成する本例のプーリ支持用の複列玉軸受 3 2 aの場合には、両端開口部に設ける前記両シールリング 4 6による密封性能を良好にできて、厳しい使用条件下でも、優れた耐久性を確保できる。即ち、本例のプーリ支持用の複列玉軸受 3 2 aの場合には、上記各シールリング 4 6の内周縁部と前記内輪 4 2の軸方向両端面 5 6との軸方向に関する重畳部分の径方向に関する幅を確保している。そして、この重畳部分に設けた上記第一、第二の突条 5 3、 5 4の先端縁を上記両端面 5 6に全周に亙って摺接させると共に、前記第三の突条 5 5と角部 5 7との間にラビリンスシール 5 8を設けている。この為、上記重畳部分のシール 2003/008314

12 性能を良好にできる。

又、上記各シールリング 46を構成する弹性材 49を、ショァ硬さが 60〜 8 0のゴム材料製とすると共に、この弾性材 49の内径側半部に設けたシ一ルリヅプ 52の中間部（の最も薄い部分）の厚さ T₅₂を 0. 4腿以上確保している為、このシールリップ 52の剛性を確保できる。この結果、このシールリップ 52の内側面に形成した第一、第二の突条 53、 54の先端縁と上記内輪 42の軸方向両端面 56との摺接部の面圧を確保し、上記各シールリング 46によるシール性能を良好にできる。

更に、本例のプーリ支持用の複列玉軸受 32 aの場合には、前記重心位置 Gを適切に規制した事に伴って、運転時に上記各シ一ルリング 46のシールリップ 5 2に加わる遠心力が、このシ一ルリップ 52を上記内輪 42の両端面 56に向け弹性変形させる方向に作用する。この結果、上記第一、第二の突条 53、 54の先端縁と上記内輪 42の軸方向両端面 56との摺接部の面圧を確保（高速回転時にもこの面圧が低下する事を防止）し、上記各シールリング 46によるシール性能を良好にできる。

尚、本発明とは直接は関係しないが、それぞれが深溝型である、前記各外輪軌道 41の溝深さ D₄₁ (図 2) は前記各玉 44の直径 D₄₄の 18%以上、前記各内輪軌道 43の溝深さ D₄₃ (図 2) はこの直径 D₄₄の 20%以上（D₄₁≥0. 18 D₄₄、 D 43≥0. 20D₄₄) 、それぞれ確保する事が、プーリ支持用複列玉軸受のモーメント剛性を確保する面からは好ましい。但し、上記両溝深さ D₄₁、 D 43 の合計は、上記直径 D₄₄の 42 %以下に抑え { (D₄₁ + D₄₃) ≤ 0. 42D₄₄} て、上記両軌道 41、 43同士の間に、必要とする玉 44を組み込み可能にする。次に、図 3は、本発明の第 2態様、第 3態様、第 4態様および第 5態様に対応する、本発明の実施の形態の第 2例を示している。本例の複列玉軸受 32 bの場合には、シールリング 46 aを構成する金属製の芯金 48 aの内径 R₄₈を、内輪 42の外径13₄₂以下（R₄₈≤D₄₂) としている。又、弹性材 49 aの内径側半部に設けたシ一ルリップ 52 aの内側面には、内周縁部の第一の突条 53と基端部 (外径側端部）の第三の突条 55とだけを設け、中間部の第二の突条 54 (図 1 〜 2参照）は省略している。その代わりに、上記シールリップ 5 2 aの外側面内周縁部に、第四の突条 5 9を設けている。

上記シールリング 4 6 aの外周縁部を外輪 4 0の両端部内周面に形成した係止溝 5 1に係止した状態では、上記第一の突条 5 3の先端縁のみが、上記内輪 4 2 の軸方向端面 5 6に、全周に亙って摺接する。これに対して、上記第三の突条 5 5の先端縁は角部 5 7に近接対向し、上記第四の突条 5 9は、上記内輪 4 2の端部外周面に形成した突条 6 0に近接対向して、当該部分にラビリンスシール 5 8、 6 1を構成する。

上述の様な本例の場合、上記芯金 4 8 aの内径 R _{4 8}を上記内輪 4 2の外径 D ₄₂ 以下に抑えた事に伴って、上記シールリップ 5 2 aの剛性が高くなり、上記第一の突条 5 3の先端縁と上記内輪 4 2の軸方向端面 5 6との摺接部の面圧確保が容易となる。更に、この摺接部を挟む状態で上記 1対のラビリンスシ一ル 5 8、 6 1が存在する為、プーリ支持用の複列玉軸受 3 2 bの両端開口部のシール性能を十分に確保できる。

次に、図 4は、態 2態様および第 3態様に対応する、本発明の実施の形態の第 3例を示している。本例の場合には、シールリング 4 6 bを構成する弾性材 4 9 bの内径側半部で芯金 4 8の内周縁よりも径方向内方に突出した部分の厚さ寸法を、径方向外方から内方に向かうに従って、中間部で急激に減少させている。そして、径方向中間部の内外両側面に、それぞれ内側段差面部 6 2と外側段差面部 6 3とを設けている。上記シールリング 4 6 bの外周緣部を外輪 4 0 (図 1〜3 参照）の端部内周面に係止した状態で、上記内側段差面部 6 2は内輪 4 2外周面の角部 5 7に、上記外側段差面部 6 3は突条 6 0に、それぞれ近接対向して、各部にラビリンスシール 5 8、 6 1を構成する。又、上記両段差面部 6 2、 6 3よりも径方向内方部分に存在するシールリップ 5 2 aの外側面内周縁部に形成した突条 6 4の先端緣を、上記内輪 4 2の一部表面である上記突条 6 0の内側面に、全周に亙って摺接させている。この様な本例の場合も、上述した第 2例の場合と同様に、摺接部を挟む状態で上記 1対のラビリンスシール 5 8、 6 1が存在する為、プ一リ支持用複列玉軸受の両端開口部のシール性能を十分に確保できる。次に、図 5は、やはり本発明の第 2態様および第 3態様に対応する、本発明の実施の形態の第 4例を示している。本例の場合には、シールリップ 5 2 aの中間部内側面に全周に亙って形成した突条 6 5の先端縁を内輪 4 2の軸方向端面 5 6 に近接対向させて、当該部分にラビリンスシール 6 6を構成している。この様な本例の場合、上述した第 3例の場合に比べてラビリンスシ一ル 6 6が 1個所増える事により、プーリ支持用複列玉軸受の両端開口部のシ一ル性能をより向上させる事ができる。産業上の利用の可能性

本発明のプーリ支持用複列玉軸受は、以上に述べた通り構成し作用するので、厳しい条件下で使用する場合にも、内部に泥水等の異物が入り込む事を有効に防止して、十分な耐久性を確保しつつ、コンプレッサ等の各種自動車用補機の小型 •軽量化に寄与できる。

Claims

請求の範囲

1 . 外径が 6 5 mm以下で内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有する内輪と、これら各外輪軌道と各内輪軌道との間に複数個ずつ転動自在に設けられた、直径が 4 mm以下である玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器と、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間に存在して上記各玉を設置した内部空間の両端開口を塞ぐシールリングとを備え、軸方向に関する幅が上記内輪の内径の 4 5 %以下であって、この内輪を支持部材に外嵌すると共に上記外輪をプ一リに内嵌する事により、このプーリをこの支持部材の周囲に回転自在に支持するプーリ支持用複列玉軸受に於いて、上記各シールリングの内周寄り部分と上記内輪の軸方向両端面とを軸方向から見て、重畳部分の径方向に関する幅が上記各玉の直径の 2 5 %以上となる状態で重畳させ、上記各シ一ルリングの内側面内周寄り部分にそれぞれ全周に亙って形成した複数本ずつの突条のうちの少なくとも 1本ずつの突条の先端縁を、上記内輪の軸方向端面に全周に亙つて摺接させた事を特徴とするプーリ支持用複列玉軸受。

2 . 外径が 6 5 mm以下で内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有する内輪と、これら各外輪軌道と各内輪軌道との間に複数個ずつ転動自在に設けられた、直径が 4匪以下である玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器と、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間に存在して上記各玉を設置した内部空間の両端開口を塞ぐシ一ルリングとを備え、軸方向に関する幅が上記内輪の内径の 4 5 %以下であって、この内輪を支持部材に外嵌すると共に上記外輪をプーリに内嵌する事により、このプーリをこの支持部材の周囲に回転自在に支持するプーリ支持用複列玉軸受に於いて、上記各シールリングの内周寄り部分と上記内輪の軸方向両端面とを軸方向から見て、重畳部分の径方向に関する幅が上記各玉の直径の 2 5 %以上となる状態で重畳させ、上記各シールリングの側面内周寄り部分に全周に亙って形成した少なくとも 1本ずつの突条の先端縁を、それぞれ上記内輪の表面の一部に全周に亙って摺接させると共に、上記シ一ルリングの一部内周寄り部分で上記突条から外れた部分と、上記内輪の一部表面とを近接対向させる事により、当該部分にラビリンスシールを設けた事を特徴とするブーリ支持用複列玉軸受。

3 . 外径が 6 5匪以下で内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有する内輪と、これら各外輪軌道と各内輪軌道との間に複数個ずつ転動自在に設けられた、直径が 4 mm以下である玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器と、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間に存在して上記各玉を設置した内部空間の両端開口を塞ぐシ一ルリングとを備え、軸方向に関する幅が上記内輪の内径の 4 5 %以下であって、この内輪を支持部材に外嵌すると共に上記外輪をプーリに内嵌する事により、このプーリをこの支持部材の周囲に回転自在に支持するプーリ支持用複列玉軸受に於いて、上記各シールリングは、金属製の芯金により、ショァ硬さが 6 0〜8 0である弾性材を補強して成るもので、この芯金の内周縁から径方向内方に突出している、上記弾性材の変形部の径方向に関する幅が、上記各玉の直径の 4 0 %以上であり、この変形部の径方向中間部に位置する、最も薄い部分の厚さが 0 . 4腿以上である事を特徴とするプ一リ支持用複列玉軸受。

4 . 外径が 6 5腿以下で内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有する内輪と、これら各外輪軌道と各内輪軌道との間に複数個ずつ転動自在に設けられた、直径が 4 mm以下である玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器と、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間に存在して上記各玉を設置した内部空間の両端開口を塞ぐシ一ルリングとを備え、軸方向に関する幅が上記内輪の内径の 4 5 %以下であって、この内輪を支持部材に外嵌すると共に上記外輪をプーリに内嵌する事により、このプーリをこの支持部材の周囲に回転自在に支持するプーリ支持用複列玉軸受に於いて、上記各シールリングは、金属製の芯金により弹性材を補強して成るもので、この芯金の内径が上記内輪の外径以下である事を特徴とするプーリ支持用複列玉軸受。

5 . 外径が 6 5腿以下で内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と'、外周面に複列の内輪軌道を有する内輪と、これら各外輪軌道と各内輪軌道との間に複数個ずつ転動自在に設けられた、直径が 4腿以下である玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器と、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間に存在して上記各玉を設置した内部空間の両端開口を塞ぐシールリングとを備え、軸方向に関する幅が上記内輪の内径の 4 5 %以下であって、この内輪を支持部材に外嵌すると共に上記外輪をプーリに内嵌する事により、このプーリをこの支持部材の周囲に回転自在に支持するプーリ支持用複列玉軸受に於いて、上記各シールリングは、金属製の芯金により弹性材を補強して成るもので、軸方向位置に関して、上記芯金の内周縁から径方向内方に突出している上記弹性材の変形部の重心位置が、この変形部の変形中心位置よりも、上記シ一ルリングの先端縁と上記内輪の一部表面とが摺接している側に存在する事を特徴とするプーリ支持用複列玉軸受。