JP6920906B2 - 密封型転がり軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車用プーリや電磁クラッチ等、外輪回転で使用される密封型転がり軸受に関する。
外輪回転で使用される密封型転がり軸受11は、図7に示すように、外径面に内輪軌道溝12aを有する内輪12と、内径面に外輪軌道溝13aを有する外輪13と、内輪軌道溝12aおよび外輪軌道溝13aの間に配置される複数の玉14と、隣接する玉4の間隔を保持する保持器(図示省略)と、内輪12の外径面と外輪13の内径面との間の空間を密封する環状のシール部材16とを備えている。
前記軸受内部空間にはグリースGrが封入され、シール部材16は、グリースGrの漏洩と、外部からの水その他の異物の侵入を防止している。
前記外輪13の内径面の軸方向の両端部には、環状のシール部材16を嵌合固定する外輪シール溝13bが形成され、この外輪シール溝13bに対して軸方向外側に、シール部材16を挿入する際の入口部13cが形成されている。
シール部材16は、芯金17とシールリング18とで構成されている。芯金17は円板状に成形したものである。シールリング18は、芯金17の周囲に一体的に加硫接着されている。
ところで、自動車用プーリや電磁クラッチ等、外輪回転で使用される密封型転がり軸受11は、使用する回転速度が上昇する傾向にあり、例えば、毎分1万5千回転以上の高速回転で使用される。
このような高速の外輪回転で使用される密封型転がり軸受11の場合、図7に薄墨で示すように、グリースGrが高速回転時の遠心力により、外輪13の内径面に押し付けられ、シール部材16に対して抜け出し方向に負荷を与える(黒矢印)。
このとき、シール部材16の抜け出しを防止するためには、シール部材16の外輪シール溝13bに対する締め代を増加させる必要がある。
しかしながら、シール部材16の外径を大きくし、外輪シール溝13bに対する締め代を増加させると、シール部材16の外輪シール溝13bへの挿入性が悪化する。
従来、このシール部材の外輪シール溝への挿入性を改善するために、環状の芯金とこの芯金を覆うシールリングとからなるシール部材において、芯金の外径側の端部を、半径方向に弾性的に縮径可能な特殊形状にして、シール部材の外輪シール溝への挿入性を向上させるという技術が特許文献1に紹介されている。
特開2014−148992号公報
ところが、特許文献1のように、シール部材の芯金の外径側の端部を、半径方向に弾性的に縮径可能な特殊形状にすることは、コスト高になる。
また、外輪は、内周面の軌道溝や外輪シール溝を旋削加工した後に、熱処理されているので、熱処理変形により、入口部の内径面の真円度が悪化する。この真円度の悪化により、入口部でのシール挿入性も悪化するという問題があった。
そこで、この発明は、シール部材を備えた密封型転がり軸受において、コストを抑えつつ、外輪の外輪シール溝へのシール部材の挿入性を良好にしようとするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、外径面に内輪軌道溝を有する内輪と、内径面に外輪軌道溝と外輪シール溝とを有する外輪と、前記内輪軌道溝および前記外輪軌道溝の間に配置される複数の玉と、前記外輪シール溝に嵌め入れられて、前記外輪と前記内輪との間の軸受内部空間をシールするシール部材とを備え、前記外輪シール溝の軸方向の外側に、前記シール部材を嵌め入れられる際に接触する入口部が設けられていて、前記入口部の表面のみが、熱処理加工後に切削加工により追加工された面になり、前記シール部材の外径面の表面粗さがRa1.0〜2.5μmであることを特徴とする。
前記入口部の真円度は、前記入口部の直径の1/1000以下である。
また、前記入口部の内径面の表面粗さは、Ra1.0〜0.5μmが好ましい。
以上のように、本発明によれば、外輪シール溝の外側に設けられた入口部の表面のみが、熱処理面のままではなく、熱処理加工された後に、切削加工により追加工された面となっているので、コストを抑えつつ、当該入口部の真円度の悪化を改善することができ、シール部材の挿入性を向上させることができる。
本発明によれば、特に、入口部の真円度を入口部の直径の1/1000以下にすることにより、シール部材の挿入性を向上させることができる。
また、本発明の別の態様、即ち、外輪シール溝の入口部の表面粗さをRa1.0〜0.5μmにすると、シール部材と外輪シール溝の外側の入口部との摩擦力が小さくなり、シール部材の外輪シール溝への挿入性が向上する。
また、本発明の別の態様、即ち、環状の芯金を覆う弾性部材の外径面の表面粗さをRa1.0〜2.5μmにすることによっても、シール部材と外輪シール溝の外側の入口部との摩擦力が小さくなり、シール部材の外輪シール溝への挿入性が向上する。
この発明の一実施形態に係る密封型転がり軸受の一部を拡大して示す縦断正面図である。 図1の部分拡大図であり、シール部材を外輪シール溝に挿入する前の状態を示している。 図1の部分拡大図であり、シール部材を外輪シール溝に挿入した後の状態を示している。 表面粗さがRa0.1μmの金属平板にゴムシートを載せて引っ張った時の摩擦力を測定した際のグラフである。 表面粗さがRa0.1μmの金属平板にゴムシートを載せて引っ張った時の摩擦力を測定した際のグラフである。 この発明の密封型転がり軸受をプーリ支持軸受として用いたコンプレッサを示す模式図である。 従来例の密封型転がり軸受の一部を拡大して示す縦断正面図である。
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示す実施形態の密封型転がり軸受1は、密封型の複列アンギュラ玉軸受である。
この密封型転がり軸受1は、外径面2aに複列の内輪軌道溝2bを有する内輪2と、内径面3aに前記内輪軌道溝2bに対面する位置に複列の外輪軌道溝3bを有する外輪3と、内輪軌道溝2bおよび外輪軌道溝3bの間に配置される複数の玉4と、玉4を保持する保持器5と、内輪2の外径面2aと外輪3の内径面3bとの間の空間(軸受内部空間S1)を密封する環状のシール部材6とを備えている。本実施形態の密封型転がり軸受1は、自動車補機用軸受であり、例えば、後述するように、自動車の電磁クラッチに用いられる。
また、密封型転がり軸受1は、内輪2が固定されて外輪1が回転する外輪回転用軸受である。なお、以下の説明において、密封型転がり軸受1の中心軸に沿った方向を「軸方向」、当該中心軸に対して直交する方向を「径方向」と呼ぶ。
前記外輪3の内径面3aの軸方向の両端部には、シール部材6を嵌合固定する外輪シール溝3cが形成されている。外輪シール溝3cの軸方向外側には、入口部3dが形成されている。入口部3dは、密封型転がり軸受1の製造工程において、外輪3のうちシール部材6が外輪シール溝3cに嵌め入れられる際の入口となる部分である。入口部3dは、シール部材6に嵌め入れられる際に、当該シール部材6と接触する。
入口部3dの内径は、外輪軌道溝3bと外輪シール溝3cとの間に位置する大径肩部3eの内径よりも小さい。入口部3dの内径面は、外輪シール溝3cの内面のうち底部よりも内径側に位置している。入口部3dの内径面は、軸方向と略平行に延びる水平面を有する。入口部3dの内径面には、その軸方向外縁に、面取り部が設けられている。
軸受内部空間S1にはグリースその他の潤滑材(本実施形態では、グリース)が封入され、シール部材6は、グリースの漏洩と、外部から水その他の異物の侵入を防止している。
シール部材6は、芯金7とシールリング8とで構成されている。芯金7は環状で、例えば、冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工により円板状に成形したものである。シールリング8は、芯金7の周囲に一体的に加硫接着されている。シールリング8は、弾性部材である。シールリング8の材質としては、例えば、ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴムなどを使用することができる。図2に示すシールリング8は、シール部材6を外輪シール溝3cに挿入する前の自然状態を示しており、シール部材6を外輪シール溝3cに嵌合固定すると、シールリング8の内径面に形成したシールリップ部8aが、内輪2の外径面の軸方向の両端部に形成した内輪シール溝2cに、軸方向に接触する。
芯金7は、環状の立板部7aと、立板部7aの外径端部に設けられた軸方向内向きに延びる円筒部7bと、立板部7aの内径端部に設けられた内向きに傾斜する傾斜部7cとからなる。
芯金7の立板部7aの外径面には、外輪シール溝3cに嵌合固定されるシールリング8の外径圧入部8bが加硫接着されている。
また、芯金7の内向きの傾斜部7cの内径部には、シールリング8のシールリップ部8aがくびれ部8cを介して加硫接着されている。
シール部材6は、図2の白抜き矢印に示すように、内輪2と外輪3の開口部の外側から嵌め込んで装着される。外輪シール溝3cに嵌合固定されるシールリング8の外径圧入部8bの外径面の直径Daは、外輪シール溝3cの外側の入口部3dの直径Dbよりも大きいので、シール部材6を装着する際には、シールリング8の外径圧入部8bの外径面8dが外輪シール溝3cの外側の入口部3dに当たって外径圧入部8bが径方向に弾性変形しながら外輪シール溝3cの外側の入口部3dを通過し、縮径したシールリング8の外径圧入部8bが外輪シール溝3cまで入ると、弾性変形したシールリング8の外径圧入部8bが元に戻って外輪シール溝3cに嵌合固定される。
密封型転がり軸受1が回転すると、軸受内部空間S1に封入されているグリースは、遠心力によって、外輪3の内径面3a側へと移動する。そして、外輪3の内径面3aに押し付けられたグリースは、シール部材6の軸方向内側面に対して、当該内径面3aに沿って軸受内部から軸受外部に向けて押圧力を生じさせる。
ここで、本実施形態の密封型転がり受1が用いられる自動車補機では、自動車の省スペース化に伴い、小型化が進んでいる。この小型化に伴う出力低下を補うために、自動車補機は高速回転する傾向にあり、当該補機に使用される軸受も高速回転する傾向にある。例えば、密封型転がり軸受1は、外輪3が毎分1万5千回転以上で回転する。このように、外輪3が高速回転することにより、グリースに作用する遠心力も大きくなるため、当該グリースによるシール部材6の押圧力も増加する傾向にある。そのため、この押圧力によって、シール部材6が軸方向外側に抜け出すのを防ぐ必要がある。
グリースの押圧力によって、シール部材6が軸方向外側へと抜け出すのを防ぐために、シール部材6のうち外径圧入部8bの嵌合力を増加させる必要がある。本実施形態では、外径圧入部8bの嵌合力を増加させるために、外輪シール溝3cに対するシール部材6の締め代を増加している。単に締め代を増加させただけでは、シール部材を外輪シール溝に嵌め入れる際に、入口部に対するシール部材の挿入性が悪化する。本実施形態では、以下に示す方法で、外輪3の入口部3d(の内径面)の真円度を改善することで、シール部材6の挿入性の悪化を防いでいる。
まず、外輪3の製造工程について、説明する。外輪3は、鍛造工程、旋削工程、熱処理工程、切削工程、研削工程及び超仕上げ工程を経て製造される。鍛造工程では、外輪素材(例えば、SUJ2等の軸受鋼)を鍛造することによって、孔を有する環状の外輪原形物が得られる。鍛造工程において、外輪原形物は、ほぼ外輪3の形状となっており、外輪軌道溝3bと入口部3dを有している。その後、旋削工程において、外輪原形物に所定形状の外輪シール溝3cが形成される。外輪シール溝3cが形成された後、熱処理工程において、表面硬化が行われる。熱処理工程の完了後、外輪シール溝3cの外側に設けられた入口部3dのみが切削加工される。このように、外輪シール溝3cの外側の入口部3dは、その表面が熱処理面のままではなく、熱処理加工された後に、切削加工により追加工された面(切削面)に形成されている。
入口部3dの切削加工が完了した後、研削工程において、外輪原型物に幅面研削、外径面研削及び内径面研削が行われる。外輪軌道溝3bを砥石によって超仕上げ加工することで、外輪3が製造される。なお、研削工程と切削工程は、その順序を入れ替えてもよい。
外輪シール溝3cの外側の入口部3dの表面のみを、切削加工により追加工することにより、熱処理加工によって真円度が低下した入口部3dの内径面の真円度を、外輪シール溝3cの外側の入口部3dの直径の1/1000以下に向上させている。
また、入口部3dの表面は、切削加工により追加工によって表面粗さをRa1.0〜0.5μmにすることができる。
外輪シール溝3cの入口部3dの表面粗さをRa1.0〜0.5μmに設定すると、シールリング8の外径圧入部8bを外輪3の外輪シール溝3cに挿入する際に、外輪シール溝3cの入口部3dの表面と、シールリング8の外径圧入部8bの外径面との摩擦力が小さくなり、シールリング8の挿入性が向上する。
即ち、金属面の表面粗さをRa1.0μmにした場合と、Ra0.1μmにした場合とでは、金属面の表面粗さが粗いRa1.0μmの方が、金属面の表面粗さが小さいRa0.1μmよりも、ゴムシートを金属面で引っ張った際の摩擦力が小さくなるということを図4、図5で示す実験により確認することができた。
図4及び図5は、金属平板とゴムシート間の摩擦力の測定結果を示している。測定は、雰囲気温度25℃にて表面粗さを変えた金属平板にゴムシート載せ、ゴムシートを引っ張った時の摩擦力を測定した。金属平板の表面粗さはRa1.0μmと、0.1μmで、ゴムシートの材質はアクリルで硬度はHS70である。
図4に示すように、金属平板の表面粗さがRa0.1μmにおける摩擦力は50N近くあり、ゴムの復元力により摩擦力の変動も大きくなった。これに対して、図5に示す様に、金属平板の表面粗さがRa1.0μmにおける摩擦力は25Nより小さく、摩擦力の変動も小さくなった。これらの結果から、ゴムが接触する金属の表面の粗さは粗い方が摩擦力は小さく、変動も小さいということを確認することができた。
次に、シールリング8の外径圧入部8bの外径面の表面粗さを大きくしても、外輪シール溝3bの入口部3cの表面とシールリング8の外径圧入部8bの外径面の摩擦が小さくなり、シール挿入性を向上させることができる。
ただし、シールリング8の外径圧入部8bの外径面の表面粗さが、Ra2.5μmを超えると、外輪シール溝3bとシールリング8の外径圧入部8bの間からグリースが漏れるので、シールリング8の外径圧入部8bの外径面の表面粗さはRa2.5μm以下にすることが好ましい。
次に、本実施形態の密封型転がり軸受1を採用した自動車補機の一例として、自動車用カーエアコンのコンプレッサ21につき、図6を参照して説明する。
図6に示すように、コンプレッサ21は、ケーシング22と、回転軸29と、斜板30と、ピストン31と、電磁クラッチ32とを備える。このコンプレッサ21は、自動車用カーエアコンの蒸気圧縮式冷凍機等に組み込まれる。
ケーシング22は、低圧室26および高圧室27を有するヘッドケース23と、ピストン31が往復運動する複数のシリンダ28を有するシリンダケース24と、斜板30を収容する斜板ケース25とをボルト(図示省略)によって固定している。
低圧室26は、ヘッドケース23に設けられた吸入ポート(図示省略)と、各シリンダ28に連通する吸入孔26aと、吸入孔26aから冷媒蒸気の逆流を防止する弁26bとを有する。また、吸入ポートは蒸気圧縮式冷凍機を構成するエバポレータ(図示省略)の出口に連通する。そして、吸入ポートから吸入した冷媒蒸気は吸入孔26aを通じてシリンダ28に供給される。
一方、高圧室27は、ヘッドケース23に設けられた吐出ポート(図示省略)と、シリンダ28に連通する吐出口27aと、吐出口27aから冷媒蒸気の逆流を防止する弁27bとを有する。また、吐出ポートは蒸気圧縮式冷凍機を構成するコンデンサ(図示省略)の入り口に連通する。そして、ピストン31によって圧縮されたシリンダ28内部の冷媒蒸気が吐出口27aを通じて高圧室27に供給される。
回転軸29は、ケーシング22および電磁クラッチ32に連通し、ラジアル針状ころ軸受29aおよびスラスト針状ころ軸受29bによって、シリンダケース24および斜板ケース25の2箇所で回転自在に支持されている。また、斜板ケース25の内部で斜板30を保持している。
斜板30は、回転軸29の回転軸線に直交する平面に対して所定角度傾いた状態で回転軸29に固定連結されている。また、その円周上の複数箇所にはピストン31がスライディングシュー30aによって連結されている。
ピストン31は、斜板30に連結されており、回転軸29の回転に伴って、シリンダ28の内部を軸線方向(図6中の左右方向)に往復運動する。また、シリンダ28とピストン31と囲まれる領域には、冷媒蒸気を圧縮する圧縮室28aが形成されている。
電磁クラッチ32は、プーリ33と、ソレノイド34と、磁性環状板35と、プーリ支持軸受としての密封型転がり軸受1とを有する。
プーリ33は、外径面に無端ベルト33aを保持する溝33bと、一方側端面にソレノイド34を収容する凹み部33cとを有し、密封型転がり軸受1によってケーシング22に回転自在に支持されている。
ソレノイド34は、凹み部33cの内部に所定の隙間を設けた状態で配置されており、ケーシング22に固定されている。磁性環状板35は、磁性材料によって形成された円環形状の部材であって、プーリ33を挟んでソレノイド34と対面するように配置されている。また、板ばね35aによって回転軸29に固定されている。この板ばね35aは、磁性環状板35をプーリ33から遠ざける方向に付勢する。
次に、上記構成のコンプレッサ21の動作を説明する。まず、無端ベルト33aはエンジン(図示省略)によって回転駆動される駆動プーリ(図示省略)に掛け渡されている。そのため、プーリ33は、エンジンの回転に伴って回転する。
ソレノイド34の非通電時には、プーリ33と磁性環状板35との間には隙間が形成されている。その結果、プーリ33の回転は回転軸29に伝達されない。
一方、ソレノイド34の通電時には、ソレノイド34の吸着力によって磁性環状板35が板ばね35aに逆らってプーリ33に当接する。その結果、プーリ33の回転が磁性環状板35を介して回転軸29に伝達される。
回転軸29が回転すると、斜板30に取り付けられたピストン31がシリンダ28の内部を往復運動する。ピストン31が圧縮室28aの容積を大きくする方向(図6中の左方向)に移動すると、弁26bが開放されて冷媒蒸気が低圧室26から吸入孔26aを通って圧縮室28aに移動する。このとき、弁27bは閉鎖されて高圧室27内の冷媒蒸気が圧縮室28aに逆流するのを防止している。
次に、ピストン31が圧縮室28aの容積を小さくする方向(図6中の右方向)に移動すると、ピストン31が圧縮室28a内の冷媒蒸気を圧縮すると共に、弁27bが開放されて圧縮された冷媒蒸気が吐出口27aを通って高圧室27に移動する。このとき、弁26bは閉鎖されて圧縮室28a内の冷媒蒸気が低圧室26に逆流するのを防止している。
さらに、上記の実施形態における密封型転がり軸受1は、電磁クラッチ32のプーリ33を支持するために用いられた例を示したが、これに限ることなく、無段変速機(CVT)等の任意の用途に用いることもできる。
また、上記した実施形態では、複列の玉軸受にこの発明を適用したが、単列の玉軸受にも適用することもできる。単列の玉軸受の場合、例えば、自動車補機用軸受としてアイドラプーリに用いられてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
前述の実施形態では、密封型転がり軸受1は、電磁クラッチに用いる軸受であったが、これに限らず、自動車エンジンのファンカップリング装置、フライホイールダンパ、オルタネータ、ウォータポンプ等に用いられてもよい。
1 :密封型転がり軸受
2 :内輪
2a :外径面
2b :内輪軌道溝
2c :内輪シール溝
3 :外輪
3a :内径面
3b :外輪軌道溝
3c :外輪シール溝
3d :入口部
4 :玉
6 :シール部材
7 :芯金
8 :シールリング

Claims (3)

  1. 外径面に内輪軌道溝を有する内輪と、内径面に外輪軌道溝と外輪シール溝とを有する外輪と、前記内輪軌道溝および前記外輪軌道溝の間に配置される複数の玉と、前記外輪シール溝に嵌め入れられて、前記外輪と前記内輪との間の軸受内部空間をシールするシール部材とを備え、前記外輪シール溝の軸方向の外側には、前記シール部材が嵌め入れられる際に接触する入口部が設けられていて、前記入口部の表面のみが、熱処理加工後に切削加工により追加工された面になり、前記シール部材の外径面の表面粗さがRa1.0〜2.5μmである密封型転がり軸受。
  2. 前記入口部の真円度が、前記入口部の直径の1/1000以下であることを特徴とする請求項1に記載の密封型転がり軸受。
  3. 前記入口部の内径面の表面粗さがRa1.0〜0.5μmである請求項1または2に記載の密封型転がり軸受。
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